JP5314828B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、燃料電池システム内部の水素が存在する部位が外部と遮断されている閉鎖系燃料電池システムに関する。
近年のエネルギー問題や環境問題の高まりから、また、情報機器の消費電力増大から、燃料電池への期待が高まっている。燃料電池は水素と酸化剤を電気化学的に反応させて電力を生じさせる電源デバイスで有り、効率向上のために各研究機関、企業による研究開発が進められている。効率向上には、発電部の電力効率向上、水素の利用率向上、水素発生や水素供給の消費電力低下が必要である。
燃料電池では水素を発電部のアノードで消費して発電する。ここで発電部の電力効率向上のためには、水素をアノードに効率良く、電極面に均一に供給することが考えられる。従来の方法によると、発電量に対して過剰な量の水素を強制的にアノードに供給し、未反応水素を外部に排出するという、フロー系燃料電池により、電極面に均一に水素を供給していた。また過剰量の水素供給には、ポンプの連続運転によっていた。
しかし、未反応水素の排出により、元来の水素量に対して発電に寄与する水素量は少なくなり、水素の利用率が低い問題があった。またポンプで水素を送る手段においては、ポンプを連続して運転するため、消費電力量が高く、燃料電池の出力電力量に対して利用できる電力量が減ずる問題があった。
上記問題点に対し、燃料電池のアノード出口を封鎖したデッドエンド系燃料電池を運転した報告例がある(例えば非特許文献1参照。)。これによると、未反応水素を処理する必要がなくなるため、水素利用率の向上や、未反応水素処理機構が不要になった事による体積低減、電力低減により、エネルギー効率が向上する効果が生じている。またこのようなデッドエンド系燃料電池では、水素を高圧ボンベ内に保持し、減圧弁により所望の圧力に低下する事により、燃料電池で必要な水素量を絶えず供給する事が可能となる。つまり、電力を消費することなく燃料電池への水素供給を行えるため、この点でもエネルギー密度を向上する事ができ、また、燃料電池の出力電力量に対して外部機器が利用できる有効電力量が減ずる問題も解消された。
本参考文献によれば、デッドエンド系にすることにより、加湿や燃料電池反応で生成した水蒸気が水素流路や電極触媒層で凝縮して水素移動の妨げとなり、出力電圧を低下させる問題があるが、エンドプレート形状や加湿条件の最適化により、電圧低下をある程度抑える事が可能となっている。
引田覚,山根公高,中島泰夫,自動車技術会学術講演会前刷集,28−01,P.9−14(2001)
しかしながら、デッドエンド系燃料電池に関する筆者らによる検討において、エンドプレート形状の最適化を行っても、発電効率が低くなる現象が確認された。これには、水素の加湿制御が困難で最適湿度での運転が困難であることが原因として挙げられる。しかし、加湿制御には湿度センサ、温度センサ、ヒータや冷却器、制御回路などの複雑な機構が必要であり、システム体積を大きくならざるを得ない。従って、発電部以外の部位である補器での消費電力の低減や、小型化が要求される燃料電池システムにおいては、加湿制御装置を組み込むのは不適当である。つまり加湿制御を行わないで燃料電池を運転することが望ましい。この方法として、燃料電池での相対湿度を一定にして運転するフロー系燃料電池と同様の水素フローを行うことが挙げられる。
更に、発電効率が低下した理由として、水素量が電極面内で不均一に分布していることが原因であることが挙げられる。つまり、発電部のアノードに水素を供給するために設けた水素供給口に近い部位では水素量が多くなったが、水素の流れの末端部における電極触媒層近傍では水素量が少なくなった。その結果、電極面内で電流分布が生じ、高電流密度領域で水の発生、凝縮が多く発生することとなった。そこで、水素の触媒層への拡散に抵抗が生じ、電圧が低下すると考えられる。従って電極面内において水素量に偏りを生じさせないという観点からも、フロー系燃料電池と同様の水素フローが望ましい。
従って以上説明した通り、デッドエンド系燃料電池のように外部空間と水素が存在する空間が断絶された構造となっている閉鎖系燃料電池においても、フロー系燃料電池と同様に過剰量の水素を供給し、燃料電池外部に未反応水素を排出する水素フローを行うことが望ましい。しかし、閉鎖系燃料電池では未反応水素を外部に排出しない事で水素利用率を向上し、未反応水素処理機構の無くすことで体積低減や無駄な電力消費を省くといった利点があったはずであるが、現状の技術ではこれらの利点が失われることとなる。
本発明は、閉鎖系燃料電池システムにおいて、水素利用率、有効出力、エネルギー密度を向上させた燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池の発電部と、水素を貯蔵する部位、もしくは、水素源となる反応物質を貯蔵し水素化反応を発生させる部位であり、前記発電部で用いる水素を供給する水素供給部と、前記負極室と前記水素供給部とを連結し、水素が流通する連結管と、前記負極室と第一の接続部にて接続され、前記負極室から水素が流入する事が可能な管状構造物とから成る燃料電池システムであり、前記燃料電池システムは内部と外部とが遮断されていて、システム内部から外部への水素の流通がない閉空間になっており、前記燃料電池システムの内圧が増加、減少を繰り返して起こす水素圧変動手段を有することを特徴としている。
これにより、内圧が高い時は、水素供給部から連結管を伝って負極室に流入した水素は、管状構造物内に流入する。つまりこの場合水素はフロー系燃料電池の水素フローと同様に、発電部の負極室を通過して、負極室外部に達する。但し、燃料電池システム内部は閉空間となっているため、水素が燃料電池システムから排出される事はない。内圧は増加、減少を繰り返して起こすため、擬似的なフロー系燃料電池の水素フローを間欠して行う事が可能となる。
更に、前記管状構造物は、一端が前記負極室と接続する第一の接続部と、他端が前記負極室、前記水素供給部、前記連結管のいずれかと接続する第二の接続部とを有し、前記管状構造物の前記第一の接続部側に第一の逆止弁、前記第二の接続部側に第二の逆止弁を設置し、前記第一の逆止弁及び前記第二の逆止弁の開弁圧は、0kPa以上、前記水素圧変動手段による水素圧の上限値未満であり、前記第二の接続部から前記第一の接続部への物質の流れを遮断することを特徴としている。
これによる水素の流れを以下に記す。内圧上昇時は連結管から負極室に流入した水素は、発電による消費に用いられなかった量が第一の接続部、第一の逆止弁を通って、第二の逆止弁に至る。圧力が上昇してから微小時間経過後など、圧力に発電による水素消費の影響が見られない間は、第二の逆止弁の前後での圧力が等しいため、弁は閉鎖したままである。しかし、発電部の発電による水素消費のために、内圧が低下すると、管状構造物中の第一の逆止弁と第二の逆止弁に挟まれた部位の圧力は、負極室や水素供給部、連結管の圧力より相対的に高くなる。従って、第二の逆止弁を開弁する圧力が高くなり、管状構造物中の水素は、管状構造物から負極室、水素供給部、連結管のいずれかに流れ出ることとなる。内圧は増加、減少を繰り返して起こすため、擬似的なフロー系燃料電池の水素フローを間欠して行う事が可能となる。
また、前記水素圧変動手段が、水素発生量を変動させる反応量変動手段であることを特徴としている。これにより、燃料電池システム内部が外界に対して閉じている構造のため、圧力を変動させる事が出来るようになる。
以下に反応量変動手段の具体的な手段を示す。まず、前記水素供給部が加熱部を有し、前記水素源を加熱することにより水素化反応を発生させ、前記反応量変動手段が、前記加熱部を断続的に加熱させる手段であることを特徴としている。これにより、加熱により水素発生量を増加できる反応において、水素量を加熱の程度に応じて変動させ、圧力を変動させる事が可能となる。
具体的には、前記水素供給部における水素発生反応が、アルコール、エーテル、ケトンの改質反応であることを特徴としている。
これらの反応には、反応温度として200℃〜300℃といった温度が不可欠であり、温度が低い場合は、水素を有効に発生させる事が困難である。従って、加熱の有無により水素の発生量を制御でき、圧力を制御する事が可能となる。
また、別の反応として、前記水素供給部における水素発生反応が、水素化物の熱分解反応であることを特徴としている。
水素化物には、水素吸蔵合金や錯体水素化物といった無機化合物、環式飽和炭化水素やアルコール類といった有機化合物が挙げられる。以上の水素化物は、加熱により水素を脱離する事が可能であり、また温度が高くなると水素発生量や水素発生速度が増加する。従って、加熱の有無や温度制御により水素発生量を制御でき、圧力を制御する事が可能となる。
またその他の反応量変動手段として、前記水素供給部が、水素化反応を発生させる水素反応部と、水素化反応に関係する液体の供給手段を有し、水素発生量が前記水素反応部への前記液体の供給量によって決定され、前記反応量変動手段が前記液体の供給量を変動させる手段であることを特徴としている。これにより、水素発生に水を含む液体が関与する反応において、液体の供給量に応じて水素の発生量を制御でき、圧力を制御する事が可能となる。
具体的には、前記水素供給部における水素発生反応が、無機水素化物に水を供給して起きる加水分解反応である。
また、前記水素供給部における水素発生反応が、金属に酸性、もしくは、アルカリ性水溶液を供給する金属溶解反応である。
また、前記水素供給部における水素発生反応が、アルコール、エーテル、ケトンの改質反応である。
以上の加水分解反応、金属溶解反応、改質反応では、水溶液量が水素発生反応に関係しており、水溶液の供給、供給停止により、水素発生反応の進行、停止を制御できる。従って、水素圧力を制御する事が可能である。
またその他の反応量変動手段として、前記水素供給部は、水素化反応に関係する液体を保有する水素反応部を有し、前記液体に接触することにより水素化反応が起きる固体を有し、前記固体と前記液体との接触量を制御する接触制御手段を有し、水素発生量が前記液体と前記固体の接触量によって決定され、前記反応量変動手段が前記液体と前記固体の接触量を変動させることによることを特徴としている。
これにより、水素発生量を変動する事が出来、圧力を制御する事が可能となる。上記手段に用いられる反応として、前記加水分解反応や金属溶解反応が有効な反応として挙げられる。以下に反応物質の組合せを挙げる。
前記液体が、無機水素化物の水溶液であり、前記固体が金属、もしくは、金属酸化物の触媒である。詳しくは、無機水素化物として、水素化ホウ素化合物や水素化アルミニウム化合物が挙げられる。これらは、加水分解反応により水素を発生させる事が可能である。また、固体として、白金、金、銅、ニッケル、鉄、チタン、ジルコニウム、ルテニウムから成る群に含まれる一種の金属やその塩、酸化物が挙げられる。これらは、加水分解反応における触媒として機能し、水素発生反応を促進する事が出来る固体である。
前記液体が水を含み、前記固体が無機水素化物である。無機水素化物には、水素化ホウ素化合物や水素化アルミニウム化合物、アルカリ金属水素化物が挙げられる。また液体は水であるが、反応速度を速めるために、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸、硫酸のような無機酸、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケルといった金属塩化物を水中に溶解させておく事も可能である。
前記液体が酸性、もしくは、アルカリ性水溶液であり、前記固体が金属である。金属の溶解反応に伴い、水素を発生させることが可能である。
一方、前記管状構造物は、一端が前記負極室と接続する第一の接続部と、他端が前記負極室、前記連結管のいずれかと接続する第二の接続部とを有し、前記管状構造物の前記第一の接続部側に第一の逆止弁、前記第二の接続部側に第二の逆止弁を設置し、前記第一の逆止弁及び前記第二の逆止弁の開弁圧は、0kPa以上、前記水素圧変動手段による水素圧の上限値未満であり、前記第二の接続部から前記第一の接続部への物質の流れを遮断することを特徴としている。
これによる水素の流れを以下に記す。内圧上昇時は連結管から負極室に流入した水素は、発電による消費に用いられなかった量が第一の接続部、第一の逆止弁を通って、第二の逆止弁に至る。圧力が上昇してから微小時間経過後など、圧力に発電による水素消費の影響が見られない間は、第二の逆止弁の前後での圧力が等しいため、弁は閉鎖したままである。しかし、発電部での水素消費のために、内圧が低下すると、管状構造物中の第一の逆止弁と第二の逆止弁に挟まれた部位の圧力は、負極室や水素供給部、連結管の圧力より相対的に高くなる。従って、第二の逆止弁を開弁する圧力が高くなり、管状構造物中の水素は、管状構造物から負極室、水素供給部、連結管のいずれかに流れ出ることとなる。内圧は増加、減少を繰り返して起こすため、擬似的なフロー系燃料電池の水素フローを間欠して行う事が可能となる。
更に、前記水素供給部に圧力調整弁を有し、前記水素供給部内の水素は前記圧力調整弁を通って前記連結管に至る構成であり、前記水素圧変動手段が前記圧力調整弁の開弁圧と閉弁圧を異なるものとする手段であり、前記圧力調整弁の開弁圧と閉弁圧とが異なる事により燃料電池システムの内圧が脈動することを特徴としている。
これにより、発電部での水素消費に伴い、発電部内の水素圧が低下すると、水素供給部と発電部との差圧が大きくなり、これが圧力調整弁の開弁圧を超えると、圧力調整弁が開弁する。すると水素供給部から発電部に水素が流入し、水素供給部と発電部の差圧が小さくなる。ここで圧力調整弁の閉弁圧は、開弁圧より小さい。つまり、水素供給部と発電部の水素圧を比較すると、発電部の水素圧は、下限が水素供給部内圧と開弁圧の差、上限が水素供給部内圧と閉弁圧の差となる。
この場合水素供給部には、高圧水素ボンベ、水素吸蔵合金や有機もしくは無機の水素化物などから水素を発生させる材料を貯蔵した容器など用いる事が出来る。これらの水素供給部の内圧は発電部の内圧よりも高く、上記圧力調整弁の作用により、圧力調整弁の開閉に伴って発電部内圧を、自動的に変動させる事ができるようになる。
前記水素供給部、もしくは、前記連結管にポンプを有し、前記水素圧変動手段が前記ポンプが一定時間間隔で運転、運転停止が繰り返される手段であることを特徴としている。
ポンプでは電力を消費するため、フロー系燃料電池と類似した水素フローを行うためにあえて制御回路やセンサを設ける事、また、ポンプを連続運転させることは、よりいっそう電力を消費することとなり、不利である。本発明の運転方法によれば複雑な運転や制御をすることなく、断続的にポンプを作動させるため、フロー系燃料電池より低電力量で簡便に、目的の水素フローを達成する事ができるようになる。
また、前記管状構造物に吸水性材料を設置することを特徴としている。
これにより、高圧時に管状構造物に流入した発電部内の物質の内、水分を吸水性材料に固定する事が出来るようになる。発電部内の物質には、未反応水素以外に、水素発生時に含まれる水蒸気、発電部での発電に伴って発生した水が高分子電解質膜を逆拡散してアノード側に到達した水などがある。発電部内では水蒸気が飽和蒸気圧に到達し液化するが、水蒸気が発電部内に発生し続けるため、液水が増加し続ける。その結果液水は、燃料電池システムの種々の箇所を閉塞したり、発電部の電極を浸潤したりして、システム運転に問題を生じさせる。しかし本発明によれば、発電部内圧が低くなると、管状構造物内の物質が第二の接続部を通過して管状構造物から出て行くため、管状構造物を通った水素は乾燥している。従って、水蒸気の発生と吸水性材料による水分の固定とが起こり、燃料電池システム内の水素に適度な湿度をもたらす事ができ、また、液水によるシステム内の閉塞や電極の過度な浸潤を抑制する事が可能となる。
更に前記管状構造物を、0℃以上、且つ、前記発電部より低い温度に冷却することを特徴としている。
これにより、燃料電池内に存在する水蒸気を、管状構造物内で液化する事が可能となる。上述した通り、燃料電池内は飽和水蒸気圧に達し、システム内各所で液化し、システムを閉塞、電極を過度に浸潤する現象が起きる。しかし、管状構造物の冷却により液化が管状構造物内で特異的におき、水素は乾燥されて管状構造物から排出されるため、燃料電池内の水蒸気圧が低下し、液水によるシステム内の閉塞や電極の過度な浸潤を抑制する事が可能となる。また、水素供給部に加水分解型水素発生反応を行う無機水素化物を用い、管状構造物で液化した液水を無機水素化物に供給できるようにすると、反応に必要な量の水を燃料電池システム内に持つ必要がなくなる。全体体積の低減が可能となる。
以上説明したように、本発明において、水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池の発電部と、水素を貯蔵する部位、もしくは、水素源となる反応物質を貯蔵し水素化反応を発生させる部位であり、前記発電部で用いる水素を供給する水素供給部と、前記負極室と前記水素供給部とを連結し、水素が流通する連結管と、前記負極室と第一の接続部にて接続され、前記負極室から水素が流入する事が可能な管状構造物とから成る燃料電池システムであり、前記燃料電池システムは内部と外部とが遮断されていて、システム内部から外部への水素の流通がない閉空間になっており、前記燃料電池システムの内圧が増加、減少を繰り返して起こす水素圧変動手段を有する構造とした。
これにより、内圧が高い時は、水素供給部から連結管を伝って負極室に流入した水素は、管状構造物内に流入した。つまりこの場合水素はフロー系燃料電池の水素フローと同様に、発電部の負極室を通過して、負極室外部に達した。但し、燃料電池システム内部は閉空間となっているため、水素が燃料電池システムから排出される事はなかった。内圧は増加、減少を繰り返して起こすため、擬似的なフロー系燃料電池の水素フローを間欠して行う事が可能となった。
これにより、閉鎖系燃料電池システムであるにもかかわらずフロー系燃料電池と類似の水素フロー構造を提供し、また複雑な制御をせず、電力を抑制して水素フローを行ったためいん、水素利用率、有効出力、エネルギー密度を向上させた燃料電池システムを提供することが可能となった。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による燃料電池システムの構成図である。燃料電池で消費する水素を蓄え、燃料電池の発電部に水素を送る水素供給部1と、水素が電気化学反応する負極20、酸素が電気化学反応する正極21、両電極に挟持されて接合された高分子電解質膜22、及び、水素を滞留させるために負極20に接する部位に具備された負極室23から成る発電部と、発電部で未反応の水素、及び、それに含まれる物質が流入する管状構造物40とから構成されている。
水素供給部1は負極室23と水素導管7にて連結され、水素の流通が可能となっている。また、管状構造物40は負極室23と第一の接続部31にて接続されており、第一の接続部31の近くに逆止弁33を設けた。逆止弁33の物質移動方向は、負極室23から管状構造物40の方向である。更に、管状構造物40は第二の接続部32にて、水素導管7と接続し、第二の接続部32の近くに逆止弁34を設けた。逆止弁34の物質移動方向は、管状構造物40から水素導管7の方向である。以上から、水素供給部1から水素導管7に流入した水素は、負極室23、管状構造物40を通った後、再び水素導管7を通り、負極室23に戻ることとなっている。尚、図1では第二の接続部32を水素導管7上に設けたが、その限りで無く、例えば、負極室23や水素供給部1としても良い。また燃料電池システムは、水素が燃料電池システムの内部にのみ存在し、外部には流出しない構成となっており、閉鎖系で構成されている。
図1に示す閉鎖系燃料電池システムにおいて、水素を負極室23に供給した後、未反応水素を負極室23から排出し、再度負極室23に戻す水素フロー方法として、例えば管状構造物40にポンプをつけて、負極室23の水素を強制的に管状構造物40に送り込む方法がある。これによると、系内に水素フロー専用のポンプが必要であり、体積や電力量の観点から不利である。
そこで本発明では、系内に圧力の変動を生じさせることにより、断続的に水素を負極室23から排出した後に、再度戻す方法とした。詳しくは、負極室23を高圧にすることにより負極室内23の水素を管状構造物40に移動させ、負極20での水素消費に伴い系内が減圧すると、それに伴い管状構造物40から負極室23に、あるいは、管状構造物40から水素導管7や水素供給部1を通って負極室23に水素が移動し、電気化学反応に供せられることとなっている。
このような圧力変動を生じせしめるために、図1の水素供給部1を図2図6に示す構成にして、燃料電池システムを構築した
図2は液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。無機水素化物に水を供給して加水分解し、水素を発生させる。水素供給部1を、無機水素化物を貯蔵し、水素発生反応を起こす水素反応部2、反応のための水及び反応を活性化する触媒を混合した触媒水溶液を貯蔵する液体貯蔵部3で構成し、水素反応部2と液体貯蔵部3とは液導管8で接続して触媒水溶液が水素反応部2に移動することを可能とした。液体貯蔵部3には外気取込口5を設け、液体貯蔵部3内圧が外気圧で一定になるようにした。更に、液導管8に逆止弁4を設け、触媒水溶液の液体貯蔵部3への逆流を防止した。
水素反応部2、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系になっている。この水素存在部位は、負極20での水素消費に伴い減圧する。内圧が液体貯蔵部3内圧より低くなると触媒水溶液が水素反応部2に移動し、水素反応部2中の無機水素化物と接触すると水素が発生し、水素存在部位の内圧が上昇する。水素存在部位の内圧が液体貯蔵部3内圧より高くなると、逆止弁4が働き、触媒水溶液の移動が停止し水素発生が停止する。発電部が運転し続けると、以上の水素発生、停止を繰り返すため、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。
本実施例では、無機水素化物に水素化ホウ素ナトリウムの粉末を、触媒水溶液に20wt%リンゴ酸水溶液を用いた。これらの反応物を接触させると即座に水素を発生させる事が可能となる。本発明では、水素発生や水素フローのために電力を消費する事が無いため、燃料電池システムで発生した電力を全て外部装置で用いる事が出来、また、ポンプを設けない事によりシステム体積を小さくする事が可能となったため、有効出力やエネルギー密度を飛躍的に向上する事が可能となった。
図3は液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。水素発生方法は、具体的には、アルコール水溶液を水素発生触媒に供給して改質し、水素を発生させる。水素供給部1を、水素発生触媒を担持し、水素発生反応を起こす改質器6、アルコール水溶液を貯蔵する液体貯蔵部3で構成し、改質器6と液体貯蔵部3とは液導管8で接続してアルコール水溶液が改質器6に移動することを可能とした。
液体貯蔵部3には外気取込口5を設け、液体貯蔵部3内圧が外気圧で一定になるようにした。更に、液導管8に送液ポンプ15を設け、アルコール水溶液の移動を可能とし、液体貯蔵部3への逆流を防止した。本発明では送液ポンプ15を動かす電力が必要であるため、発電部で発電した電力を昇圧する回路部55を設け、回路部55と送液ポンプ15とをスイッチ50を通して信号線9で電気接続した。スイッチ50は負極室23内圧変動に伴ってON/OFFし、低圧時にスイッチ50がON、高圧時にスイッチ50がOFFになるようにした。従って、低圧時のみ送液ポンプ15が作動する事となった。尚、回路部55の出力電力は外部装置に供給されるものであるが、電力の一部を送液ポンプ15に供給するようにした。
改質器6、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系になっている。この水素存在部位は、負極20での水素消費に伴い減圧する。内圧が低下するとスイッチ50がON状態になり、アルコール水溶液が改質器6に移動し、改質器6中の水素発生触媒と接触すると水素が発生し、水素存在部位の内圧が上昇する。水素存在部位の内圧上昇により、スイッチ50がOFF状態となり、アルコール水溶液の移動が停止し水素発生が停止する。発電部が運転し続けると、以上の水素発生、停止を繰り返すため、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。この時、送液ポンプ15は断続的な運転を行うため消費電力量が小さく、更に、水素フロー専用のポンプや制御装置を設けないため、小体積化、低電力化に効果的であった。
図4は液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。アルコール水溶液を水素発生触媒に供給して改質し、水素を発生させる。水素供給部1を、水素発生触媒を担持し、水素発生反応を起こす改質器6、アルコール水溶液を貯蔵する液体貯蔵部3で構成し、改質器6と液体貯蔵部3とは液導管8で接続してアルコール水溶液が改質器6に移動することを可能とした。液体貯蔵部3には外気取込口5を設け、液体貯蔵部3内圧が外気圧で一定になるようにした。更に、液導管8に送液ポンプ15を設け、アルコール水溶液の移動を可能とし、液体貯蔵部3への逆流を防止した。本発明では水素発生反応のために改質器6に具備されたヒータ12への電力供給を断続的に行うため、発電部で発電した電力を昇圧する回路部55を設け、回路部55とヒータ12とをスイッチ50を通して信号線9で電気接続した。スイッチ50は負極室23内圧変動に伴ってON/OFFし、低圧時にスイッチ50がON、高圧時にスイッチ50がOFFになるようにした。従って、低圧時のみヒータ12が作動する事となった。尚、回路部55の出力電力は外部装置に供給されるものであるが、電力の一部をヒータ12に供給するようにしたものである。
改質器6、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系になっている。この水素存在部位は、負極20での水素消費に伴い減圧する。内圧が低下するとスイッチ50がON状態になりヒータ12が作動して水素発生触媒が加熱される。するとアルコール水溶液が揮発し、水素発生触媒と接触して水素が発生し、水素存在部位の内圧が上昇する。水素存在部位の内圧上昇により、スイッチ50がOFF状態となり、ヒータ12の加熱が停止してアルコール水溶液が揮発しなくなるため、水素発生が停止する。発電部が運転し続けると、以上の水素発生、停止を繰り返すため、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。これにより、ヒータ12での電力消費が断続的に行われるため消費電力量が小さく、更に、水素フロー専用のポンプや制御装置を設けないため、小体積化、低電力化に効果的であった。
図5は加熱して水素を発生させる方法を用いた場合の燃料電池システムの接続構成図である。有機水素化物や金属水素化物の熱分解や、カーボンのような水素吸着物質の加熱脱離により水素を発生させる。ここでは金属水素化物の内、水素吸蔵合金を用いた。水素供給部1に接してヒータ12を具備し、ヒータ12への電力供給を断続的に行うため、発電部で発電した電力を昇圧する回路部55を設け、回路部55とヒータ12とをスイッチ50を通して信号線9で電気接続した。スイッチ50は負極室23内圧変動に伴ってON/OFFし、低圧時にスイッチ50がON、高圧時にスイッチ50がOFFになるようにした。従って、低圧時のみヒータ12が作動する事となった。尚、回路部55の出力電力は外部装置に供給されるものであるが、電力の一部をヒータ12に供給するようにしたものである。
水素供給部1、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系になっている。この水素存在部位は、負極20での水素消費に伴い減圧する。内圧が低下するとスイッチ50がON状態になりヒータ12が作動して水素吸蔵合金が加熱される。すると水素が発生し、水素存在部位の内圧が上昇する。水素存在部位の内圧上昇により、スイッチ50がOFF状態となり、ヒータ12の加熱が停止する。その結果、水素供給部1から外気への熱の放出と水素発生による吸熱により水素吸蔵合金の温度が低下し、いずれ水素発生が停止する。発電部が運転し続けると、以上の水素発生、停止を繰り返すため、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。これにより、ヒータ12での電力消費が断続的に行われるため消費電力量が小さく、更に、ポンプや制御装置を設けないため、小体積化、低電力化に効果的であった。
図6は液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。無機水素化物水溶液中に水素発生触媒を浸漬して、水素を発生させる。水素供給部1は底部に無機水素化物水溶液を貯蔵し、また、内部に接触制御手段11に接続された水素発生触媒24を設置した。また、接触制御手段11への電力供給を断続的に行うため、発電部で発電した電力を昇圧する回路部55、接触制御手段への電力供給を制御する制御回路56を設け、制御回路56とスイッチ50とを、また、回路部55と制御回路56と接触制御手段11とを電気接続した。スイッチ50は負極室23内圧変動に伴ってON/OFFし、低圧時にスイッチ50がON、高圧時にスイッチ50がOFFになるようにした。そしてスイッチ50のON/OFFの切り替わり時に電力が接触制御手段11に供給されるようにした。尚、回路部55の出力電力は外部装置に供給されるものであるが、電力の一部を接触制御手段11に供給するようにしたものである。
接触制御手段11は、モータに水素発生触媒24を接続したカムまたは偏心板を取りつけ、モータの回転に伴い水素発生触媒24が上下するようにした。スイッチ50のON/OFF切り替わり時の電力供給により、モータは半回転し、スイッチ50がONに切り替わる時水素発生触媒24が無機水素化物水溶液に浸漬され、スイッチ50がOFFに切り替わる時水素発生触媒24が無機水素化物水溶液から取り出されるようにした。
水素供給部1、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系になっている。この水素存在部位は、負極20での水素消費に伴い減圧する。内圧が低下すると無機水素化物水溶液と水素発生触媒24が接触して水素が発生する。それに伴って水素存在部位の内圧が上昇すると、水素発生触媒24と無機水素化物水溶液が離れ、水素発生が停止する。発電部が運転し続けると、以上の水素発生、停止を繰り返すため、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。
本実施例では、無機水素化物水溶液に5wt%水素化ホウ素ナトリウム水溶液を、触媒に白金微粒子を担持したカーボンを用いた。これらの反応物を接触させると即座に水素を発生させる事が可能となる。本発明では、接触制御手段11での電力消費が断続的に行われるため消費電力量が小さく、更に、ポンプを設けないため、小体積化、低電力化に効果的であった。
図7は本発明で用いるスイッチの概略断面図である。筐体54に貫通孔を設け、貫通孔を覆うようにして金属性の導通部52を配置する。導通部52と筐体54とはベローズ53にて接続しており、筐体52内部の物質が貫通孔から外部に流出することを防いでいる。筐体54外部には固定リード51を配しており、固定リード51は貫通孔により断絶されている。しかし導通部52が筐体54に密着すると導通部52は固定リード51と接触し、電気伝導が可能となる。導通部52は、筐体54内圧と外圧の差により動き、筐体54内圧が低い時は固定リード51が導通部52により電気接続され、筐体54内圧が高い時は導通部52が固定リード51と離されて電気的に断絶される。従って、上記方法により水素圧が変動すると、それに伴って自動的にスイッチがON/OFFされることとなる。本構造によると、圧力センサや制御回路が不要であり、電力を消費することなく作動させることが可能である。
図8は、本発明による燃料電池システムの接続構成図である。燃料電池で消費する水素を蓄え、燃料電池の発電部に水素を送る水素供給部1と、水素が電気化学反応する負極20、酸素が電気化学反応する正極21、両電極に挟持されて接合された高分子電解質膜22、及び、水素を滞留させるために負極20に接する部位に具備された負極室23から成る発電部と、発電部で未反応の水素、及び、それに含まれる物質が流入する管状構造物40とから構成されている。水素供給部1は負極室23と水素導管7にて連結され、水素の流通が可能となっている。
管状構造物40は負極室23と第一の接続部31にて接続されており、第一の接続部31の近くに逆止弁33を設けた。逆止弁33の物質移動方向は、負極室23から管状構造物40の方向である。更に、管状構造物40は第二の接続部32にて、水素導管7と接続し、第二の接続部32の近くに逆止弁34を設けた。逆止弁34の物質移動方向は、管状構造物40から水素導管7の方向である。以上から、水素供給部1から水素導管7に流入した水素は、負極室23、管状構造物40を通った後、再び水素導管7を通り、負極室23に戻ることとなっている。更に水素導管7上の水素供給部1から第二の接続部32の間に圧力調整弁13を設置した。尚、図8では第二の接続部32を水素導管7上に設けたが、その限りで無く、例えば、負極室23としても良い。また燃料電池システムは、水素が燃料電池システムの内部にのみ存在し、外部には流出しない構成となっており、閉鎖系で構成されている。
系内に圧力の変動を生じさせることにより、断続的に水素を負極室23から排出した後に、再度戻す方法とした。詳しくは、負極室23を高圧にすることにより負極室内23の水素を管状構造物40に移動させ、負極20での水素消費に伴い系内が減圧すると、それに伴い管状構造物40から負極室23に、あるいは、管状構造物40から水素導管7や水素供給部1を通って負極室23に水素が移動し、電気化学反応に供せられることとなっている。
圧力変動を生じせしめるために、まず、水素導管7、負極室23、管状構造物40で構成される水素存在部位が閉鎖系とした。更に圧力調整弁13の開弁圧を閉弁圧より高くし、弁の開閉にヒステリシスを持たせた。つまり、発電部での水素消費により負極室23が減圧され、水素供給部1と負極室23の差圧が圧力調整弁13の開弁圧を超えると、圧力調整弁13が開弁し、水素が供給される。その結果負極室23の内圧が上昇し、水素供給部1と負極室23の差圧が開弁圧より小さくなる。しかし閉弁圧が開弁圧より小さいため、差圧が閉弁圧を下回るまで圧力調整弁13は開弁し続け、水素が供給され続ける事となる。その結果負極室23の内圧は、下限が水素供給部1と開弁圧の差と略同一の値となり、上限が水素供給部1と閉弁圧の差と略同一の値となる。発電部が運転し続けると、水素存在部位の内圧が一定幅で上下を繰り返しながら運転し続けることとなる。
水素供給方法は、水素吸蔵合金、高圧水素ボンベなどを用い、水素供給部1内圧は常に負極室23以上になるようにした。本実施例では、常温で水素を発生する事が可能な水素吸蔵合金であるLaNi5を用いた。
図9は本発明で用いる圧力調整弁の概略断面図である。第一の積層板66、第二の積層板67、第三の積層板68を三層に積層し、第一の積層板66と第二の積層板67の間に流入流路61を、第二の積層板67と第三の積層板68の間に流出流路62を構成した。また第一の積層板66下部と第三の積層板68上部に接してそれぞれシリコーンシート63、64を取り付けた。第一の積層板66、シリコーンシート63、第二の積層板67、シリコーンシート64、第三の積層板68から成る積層体を、流入流路61及び流出流路62を貫通するように孔を通した。また、流出流路62に弁70を、流入流路61にストッパー71を設置し、弁70及びストッパー71の中央部に支柱72を通して固定し、弁70とストッパー71が連動して動くようにした。支柱72は、前出した積層体を貫通する孔に設置し、弁70底面とシリコーンシート64を、ストッパー71上面とシリコーンシート63を接着固定した。これにより、弁70、ストッパー71及び支柱72がシリコーンシート63、64のたわみによる応力をうけつつ移動するようになる。そこで、弁70が第二の積層板67下部に密着した時、第二の積層板67に空いた孔を弁70が塞ぐ為、流入流路61と流出流路62は遮断される。一方、弁70が下に移動した時、ストッパー71が第二の積層板67上部と接触し、それ以上弁70が下がることを防止する。
更に、第三の積層板68の孔にラッチ65を取り付け、支柱72下部に突起73を設置し、弁70が上下移動する際ラッチ65と突起73とが干渉するようにした。ここで、弁70が移動する時の力が、上への移動時と比較して下への移動時の方が大きくなるように、ラッチ65を取り付けた。また、ばね74を第三の積層板68下部に設置し、ばね74が支柱72を上に押し上げる方向に力が加わるようにした。
積層体の上部空間が燃料電池システム外部、下部空間が負極室23に連結された水素導管7と接続されており、下部空間は流出流路62と連結されている。流入流路61は水素供給部1と接続されている。従って、シリコーンシート63上部からは大気圧が、シリコーンシート64下部からは水素導管7内の水素圧を受けており、更に支柱72下部からばね74の力が加わり、これらの力の合成で、弁70が上下することとなる。つまり、水素導管7内圧が大気圧よりばね力相当の圧力低下し、さらにラッチ65の干渉を超えるほどの圧力差が水素導管7内圧と大気圧とで生じると、弁70は下に移動して開弁し、水素供給部1から流入流路61を通って流出流路62に水素が移動する。しかし、水素の移動により水素導管7内圧が増加して大気圧に近くなると、ラッチ65の干渉を超える力が生じるため、弁70が上に移動し閉弁する。ラッチ65により、弁70が開弁する場合と閉弁する場合とで、水素導管7内圧と大気圧の差がことなるため、水素導管7内圧は変動を繰り返すこととなる。このような圧力調整弁13の構造により、水素吸蔵合金を内部に格納した水素供給部1はほぼ一定の圧力で水素を発生させるにも拘らず、燃料電池システム内圧を変動させる事が可能となった。
図10は、本発明による燃料電池システムの接続構成図である。水素吸蔵合金の水素放出反応は吸熱反応であるため、水素供給部1は経時的に温度が低下する。また、管状構造物40に流入した水素中には、主に水蒸気が豊富に内包されている。従って、管状構造物40内の飽和水蒸気圧が低下し、水蒸気を凝縮させる事が可能となる。その結果、管状構造物40から水素導管7に流入する水素は相対湿度が低下するため適度な湿度での燃料電池運転が可能となり、負極20を水が閉塞して電圧が低下する現象を抑える効果があった。
更に管状構造物40内で凝縮した水を保持するために吸水性材料を管状構造物40内に配置することにより、燃料電池システムの姿勢を変化させても水の移動を停止する事が可能となった。
本発明の実施例による燃料電池システムの構成図である。 液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。 液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの構成図である。 液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの接続構成図である。 加熱して水素を発生させる方法を用いた場合の燃料電池システムの接続構成図である。 液体を水素発生反応物とする場合の燃料電池システムの接続構成図である。 本発明の実施例のスイッチの断面図である。 本発明の実施例の燃料電池システムの構成図である。 本発明の実施例の圧力調整弁の断面図である。 本発明の実施例の燃料電池システムの構成図である。
1 水素供給部
2 水素反応部
3 液体貯蔵部
4 逆止弁
5 外気取込口
6 改質器
7 水素導管
8 液導管
9 信号線
11 接触制御手段
12 ヒータ
13 圧力調整弁
15 送液ポンプ
20 負極
21 正極
22 高分子電解質膜
23 負極室
24 水素発生触媒
31 第一の接続部
32 第二の接続部
33 第一の逆止弁
34 第二の逆止弁
40 管状構造物
50 スイッチ
51 固定リード
52 導通部
53 ベローズ
54 筐体
55 回路部
56 制御回路
61 流入流路
62 流出流路
63 シリコーンシート
64 シリコーンシート
65 ラッチ
66 第一の積層板
67 第二の積層板
68 第三の積層板
70 弁
71 ストッパー
72 支柱
73 突起

Claims (11)

  1. 水素と酸化剤とを反応させて発電し、前記水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池の発電部と、
    前記水素を貯蔵、または水素源となる反応物質を貯蔵し水素化反応を発生させ、当該水素を前記負極室に供給する水素供給部と、
    前記負極室と前記水素供給部とを連結し、前記水素を流通する連結管と、
    前記負極室と第一の接続部により接続され、前記負極室の内圧が上昇した場合に差圧に応じて当該負極室から水素流入する管状構造物とからなる燃料電池システムであり、
    前記燃料電池システムは内部と外部とが遮断され、前記燃料電池システム内部から外部への水素の流通がない閉空間であり、
    前記水素の消費によって、前記水素供給部と前記連結管と前記管状構造物と前記負極室とで構成される閉鎖系の内圧が低下することにより、前記水素供給部から前記閉鎖系に供給する前記水素の供給状態を調節する水素供給調節部と
    前記水素の前記負極室からの排出側に備えられた第一の逆止弁と、
    前記水素の前記負極室への供給側に備えられた第二の逆止弁と、を有し、
    前記管状構造物は、前記第一の逆止弁と前記第二の逆止弁の間に接続され、
    前記負極室の内圧が上昇した場合に、前記第一の逆止弁が開放する一方で前記第二の逆止弁が閉鎖し、前記負極室の内圧が減少した場合に、前記第一の逆止弁が閉鎖する一方で前記第二の逆止弁が開放することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水素供給部は、水素源と加熱部とを有し、
    前記水素供給調節部は、前記加熱部を制御することで、前記水素源の水素化反応を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水素源は、アルコール、エーテル、ケトンの改質反応であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水素発生反応は、水素化物の熱分解反応であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水素供給部は、
    水素発生物質を備える水素反応部と、
    前記水素発生物質の水素発生反応を促進する促進溶液を前記水素反応部に供給する促進溶液供給手段とを有し、
    前記水素供給調節部は、前記促進溶液供給手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記水素発生物質は、無機水素化物であり、
    前記促進溶液は、水であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記水素発生物質は、金属であり、
    前記促進溶液は、酸性水溶液、もしくは、アルカリ性水溶液であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記水素供給部は、
    水素化反応に関係する液体と、前記液体に接触することにより水素化反応が起きる固体とを保有する水素反応部を有し、
    前記水素供給調節部は、前記液体と前記固体の接触量を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 前記液体は、無機水素化物の水溶液であり、
    前記固体は、金属、もしくは、金属酸化物の触媒であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記液体は、水を含み、
    前記固体は、金属水素化物であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記液体は、酸性水溶液、もしくは、アルカリ性水溶液であり、
    前記固体は、金属であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
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