JP4714460B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、高分子固体形燃料電池のエネルギー密度の向上する技術であり、特に生成した生成水を回収し燃料源として、もしくは、燃料と混合して用いる技術に関するものである。
近年のエネルギー問題や環境問題の高まりから、より高エネルギー密度で、排出物がクリーンな電源が要求されている。燃料電池は、既存電池の数倍のエネルギー密度を有する発電機であり、エネルギー効率が高く、また、排出ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物が無い、もしくは、少ないといった特徴がある。従って次世代の電源デバイスとしての要求に合った極めて有効なデバイスであると言われている。
燃料電池における電極反応は、水素と酸素による水生成反応、もしくは、メタノールと酸素による水と二酸化炭素の生成反応である。いずれの場合においても反応により反応部において水が生成する。この生成水は水蒸気として正極から排出ガスとして外部に排出されると共に、電流密度によっては電極近傍で凝縮して滞留する。以上の水蒸気及び水を電極近傍から取り除き、回収し、有効に利用する事により、運転条件を良好にしたり、燃料と混合して利用したりして燃料電池のエネルギー密度を向上したりする事ができるため、水の回収及び再利用の技術の開発が進められている。
従来、排出ガス中の水蒸気は、排出ガスをヒートパイプや水中に通すことにより冷却して飽和蒸気圧を低下させ、液化して電極外部で捕捉、回収されていた。また正極近傍で滞留した水は、ガス拡散層を繊維状カーボンで作製し、繊維方向を一方向にすることで水の流れを一定方向に促進させたり、ガス拡散層の撥水度合いを変化させたりして電極近傍に水が滞留しないようにし、電極外部で水を捕捉して回収されていた。
以上のようにして回収された水は温度調節用の冷却水や水素反応、燃料電池反応に用いられる。そのため回収された水を電極外部で回収された生成水を一旦貯留し、有効部に供給するために、コンプレッサーやウォーターポンプを用いられる例が多く見られる。例えば水素発生反応に生成水を利用するために、反応器に生成水を噴射する噴射機や水量を制御する制御ユニット、生成水を噴射機に供給するポンプが用いられる例がある(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に示されているシステム構成図を図7に示した。これによると、燃料電池15から流出した生成水は、凝縮器100に回収され、噴射機110により反応部13に送られる。凝縮器100は、反応部13への水供給量を安定にするための水位計101や噴射機110に水を供給するためのポンプ102、水タンク111から凝縮機100に水を送るポンプ103、送る水量を調節するための制御ユニット104から構成されている。
特開2002−080202号公報(第5−8頁、第1図)
しかし、生成水を回収し有効利用するために発明された従来の構造では、その目的にも拘らず出力やエネルギー密度が低下する問題を生じる。それは、生成水を回収して利用するために設置されるコンプレッサーやポンプ類、噴射機といった回収用機器は、駆動するための電力を必要とするからである。このコンプレッサーやポンプの駆動のために燃料電池の出力の一部を消費することとなり、その消費電力は燃料電池の出力の30%から60%にも及ぶ。従って外部のデバイスで用いることが可能な燃料電池の出力や出力量が半減してしまい、問題である。
更に、これらの回収用機器の体積が大きいため、燃料電池の小型化が困難となる問題がある。
また、これらを制御する制御ユニットは、やはり体積増大の原因であり、電力を消費するとともに、部品点数が増すために製造コストが増加する。
以上の問題から、燃料電池は体積が小さく高容量であることを要求されているため、従来の構造は極めて不利である。ここで少なくとも、燃料電池の反応部に燃料を供給することと、生成水を回収することが同一の機器で行うこと、更に好ましくは、こういったポンプ類を一切用いずに燃料の供給及び生成水を回収し、利用することが課題である。
本発明は、燃料電池の負極室で発生した水を回収して、水素を発生させるための水素発生物質として用いることにより、燃料電池が予め保持する水分量を減量すること、及び、生成水回収から利用までに必要な電力を低減することにより、燃料電池のエネルギー密度や出力が向上した燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、第1の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部と、第2の水素発生物質を貯蔵し、第1の水素発生物質と第2の水素発生物質を反応させて水素を発生させる反応部と、第1の水素発生物質を前記液体貯蔵部から反応部に供給し、反応部から液体貯蔵部への第1の水素発生物質の逆流を防止する第1の逆止弁を有する供給路と、水素を貯蔵する負極室を有し、水素を電気化学反応させて発電を行う燃料電池と、反応部から負極室へ水素を供給する水素流通路と、燃料電池が負極室内に生成した生成水を貯蔵する凝縮器と、生成水を負極室から凝縮器に供給し、凝縮器から負極室への生成水の逆流を防止する第2の逆止弁を有する連結路と、生成水を凝縮器から反応部に供給し、反応部から凝縮器への生成水の逆流を防止する第3の逆止弁を有する導水路と、を有する構成とした。
また、水素を発生することが出来る液体の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部と、前記水素発生物質を反応させて水素を発生する反応部と、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記水素発生物質を供給する供給路、及び、前記供給路に設置され、前記反応部から前記液体貯蔵部への前記水素発生物質の流れを遮断する第一の逆止弁とで構成される水素供給部と、水素と酸素を電気化学反応して発電する高分子固体形燃料電池と、前記燃料電池の負極で発生する水を貯留する凝縮器と、前記燃料電池の負極が接する空間(以下負極室とする)と前記凝縮器とを連結し、前記負極室で発生した水を凝縮器に移動する連結路と、前記水素供給部と前記凝縮器とを連結し、前記凝縮器に貯留された水を前記水素供給部に放出する導水路とを具備し、 水素が流通する前記反応部、前記負極室、前記連結路、前記凝縮器、前記導水路が外部に対して閉じられた系であり、内部に水素がとどまる構造であることを特徴としている。
これにより、以下に示す作用を起こす事が出来、電力を使わずに水素を燃料電池に供給する事が可能となる。作用はまず、燃料電池で水素が消費されると、燃料電池システムが外部に対して閉じられた系であるために、反応部、燃料電池の負極が接する空間(以下負極室とする)が減圧し、次に、液体貯蔵部の内圧より反応部の内圧が低下した場合、液体貯蔵部と反応部との差圧により水素発生物質が反応部に移動して水素発生反応を起こし、その結果反応部が昇圧し、燃料電池に水素が送られることとなり、一方、反応部が昇圧するために液体貯蔵部より反応部が高圧になり第一の逆止弁が閉鎖され、水素発生物質の移動を停止する事が出来るようになる。
更に、燃料電池で発生した水を、電力を使わずに回収し、水素の原料として利用する事が可能となる。つまり、燃料電池の負極室内では、正極において電気化学的に発生した後に高分子固体電解質膜を拡散し移動する水と、水素発生反応において生じた水蒸気及びそれが凝縮した液体の水とが存在する。本構造では、負極室、連結路、凝縮器、導水路、水素供給部が順に連結しているため、反応部で水素が発生して水素供給部及び負極室が高圧になると、連絡路と通して凝縮器に負極室内の水素及び水、水蒸気が移動し、更に導水路を通って凝縮器内の水素及び水、水蒸気が水素供給部に移動する事が可能となる。更に水素供給部に回収された水は、水素発生物質として利用する事が可能となる。
以下に水素発生条件について説明する。水素発生条件は、水素発生反応に水や水溶液が関与していることが条件である。好ましくは、電気分解、触媒反応、加水分解などの方法により水や水溶液と反応して水素を発生する事が出来る条件である。更に好ましくは、液体貯蔵部に貯蔵する水素発生物質と条件の組合せの組合せが、(a)水素発生物質が酸水溶液もしくは金属塩化物水溶液であり、反応部に加水分解して水素を発生する水素化物を貯蔵すること、(b)水素発生物質が加水分解して水素を発生する水素化物の水溶液であり、反応部に酸もしくは金属塩化物もしくは金属系触媒を貯蔵すること、(c)水素発生物質が酸水溶液であり、反応部に卑金属を貯蔵すること、(d)水素発生物質が塩基性水溶液であり、反応部に両性金属を貯蔵すること、(e)水素発生物質が水であり、反応部に正負2つの電極を備え両電極間に1.2V以上の電圧を印加し、負極発生ガスを捕集すること、(f)水素発生物質が水、アルコール類、エーテル類、カルボニル類、環式飽和炭化水素であり、反応部に水素発生物質の気化器及び金属系触媒及び加熱装置を具備することが挙げられる。上記水素発生物質及び触媒の例を次に示す。(a)及び(b)の酸が硫酸、リンゴ酸、クエン酸など、金属塩化物が塩化コバルト、塩化鉄など、水素化物が水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムなど、(b)の金属系触媒が白金、金、銅、ニッケル、鉄、チタン、ジルコニウム、ルテニウムの単体もしくは合金、(c)の酸が塩酸、硫酸など、金属が鉄、アルミニウムなど、(d)の塩基性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液、(f)の金属系触媒が白金、金、銅、ニッケル、鉄など。ただしこれらに必ずしも限定するものでは無い。以上は反応条件において容易に水素を発生することができる。更に好ましくは、上記(a)、(b)、(c)、(d)である。(a)〜(d)の条件によると、水素発生反応に外力が必要なくなるためである。
更に、前記凝縮器の底部に接するように前記導水路の一端が配置されていることを特徴としている。
これにより、凝縮器に貯留した水を凝縮器内の気体より優先させて導水路に導入する事ができるようになる。水を水素供給部に移動させると水素発生反応に使う事ができるため、本発明により凝縮器内の水を有効に使う事ができるようになる。
更に前記導水路の一部であり、前記凝縮器内部に備えられた部位である導入部の向きが変化可能であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
これにより、燃料電池システムの姿勢が変化した場合に導入部の向きが変化し、導水路の端部が凝縮器下部に貯留された水に浸かる事ができるようになる。
好ましくは、前記導入部が樹脂チューブである。樹脂チューブならば変形の応力が小さく、重力により導入部の向きを変える事が出来るためである。
更に、前記導入部の端部に重錘が取り付けられていることを特徴としている。
これにより、導入部の向きを変化しやすくなる。重錘の仕様条件は、錆びないこと、比重が1より高い事である。それは重錘が水に浸るためである。例えば、貴金属類、ステンレス、セラミック、ニッケル合金などが挙げられる。
前記凝縮器、もしくは、前記連結路が、内部に存在する物質を冷却する冷却機構を具備することを特徴としている。
これにより、内在する水蒸気を液化する事ができるようになる。凝縮器、及び、連結路には、負極近傍を通過した水素、負極で発生した水蒸気及び液水が混入する。これらは負極付近に存在する物質のため温度が40℃〜90℃であり、温度の低下により飽和水蒸気圧が低下し、水蒸気を液化することとなる。
前記冷却機構が、前記凝縮器、もしくは、前記連結路の外部に取り付けられた放熱板であることを特徴としている。
これにより、燃料電池システム外部の温度を凝縮器、もしくは、連結路に移動する事ができるようになる。外部の温度とは室内、屋外の環境温度であり、少なくとも40℃以下であるため、冷却効果が得られる。
また、前記連結路に、前記凝縮器から前記燃料電池への物質の流れを防止する第二の逆止弁を具備することを特徴としている。
これにより、凝縮器及び連結路に流入した物質が、負極室に逆流する事がなくなる。従って、発電により水素が消費され負極室が減圧された場合でも、凝縮器及び連結路の水が負極室に流れ込む事がなくなる。従って、水素供給部に流入する事ができるようになり、また、負極室内の水が急激に増減する事がなくなるため、安定した発電を起こす事ができるようになる。
また、前記導水路が、前記水素供給部の前記反応部と接続されていることを特徴としている。
これにより、凝縮器の水は導水路を通して反応部に回収されることとなる。回収された水を水素発生反応に用いることができるため、液体貯蔵部内での水素発生物質の水分濃度を低下して貯蔵できる。この事は、液体貯蔵部を小さくし、体積エネルギー密度を増加する効果がある。
水素発生反応の条件は、好ましくは、前記(a)水素発生物質が酸水溶液もしくは金属塩化物水溶液であり、反応部に加水分解して水素を発生する水素化物を貯蔵することである。但しその他の発生条件である前記(b)〜(f)のいずれにおいても、回収された水を反応部内で水素発生物質と混合して水素を発生する事が出来る。
前記導水路に、前記反応部から前記凝縮器への物質の流れを防止する第三の逆止弁を具備することを特徴としている。
これにより、水素発生反応が起きて反応部が高圧になると、第三の逆止弁が閉鎖され、反応部から凝縮器への物質の流れがなくなる。発生した水素は全て燃料電池の負極室に供給する事ができるようになる。
更に、第二の逆止弁を組み合わせて用いると、連結路を通して水素及び水、水蒸気が凝縮器に流入しているため、発電により水素が消費され、負極室及び反応部が減圧すると第二の逆止弁が閉弁し、第三の逆止弁が開弁し、凝縮器内の物質を反応部に流入させる事が出来るようになる。
一方、前記導水路が、前記水素供給部の前記液体貯蔵部と接続されていることを特徴としている。
これにより、凝縮器の水は導水路を通して液体貯蔵部に回収されることとなる。回収された水は水素発生物質と混合されて、反応部で水素発生反応に用いることができるため、液体貯蔵部内での水素発生物質の水分濃度を低下して貯蔵できる。これは、液体貯蔵部を小さくし、体積エネルギー密度を増加する効果がある。
更に、前記液体貯蔵部と連結した前記供給路、前記反応部、前記負極室、前記連結路、前記凝縮器、前記導水路から成る該燃料電池システム内の水素が流通する部位が、外部に対して閉じられた系であることを特徴としている。
これにより、反応部で水素が発生して圧力が上昇するに伴い、負極室、連結路を通して凝縮器に水素及び水、水蒸気が移動させる事が出来るようになる。
更に、前記導水路に圧力調整弁が設置してあり、前記液体貯蔵部内の圧力が、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記水素発生物質が供給される前の圧力となるように圧力調整されることを特徴としている。
これにより、液体貯蔵部内圧が、水素発生物質が供給される前の液体貯蔵部の圧力を超える事がなくなり、反応部内圧が、水素発生物質が供給される前の液体貯蔵部の圧力を下回った時に水素発生物質を反応部に供給する事が出来るようになる。反応部内圧、つまり、燃料電池システム内部に存在する水素量は、燃料電池の出力電流に基づいて決まるため、燃料電池の発電量に基づいて水素発生物質を反応部に供給できるようになる。
前記導水路に定圧弁が設置してあり、前記液体貯蔵部内の圧力が、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記水素発生物質が供給される前の圧力となった場合のみ前記定圧弁が閉止することを特徴としている。
これにより、反応部で水素発生反応が起き内圧が上昇すると、負極室、連結路を通して凝縮器、更には、導水路を通して液体貯蔵部に水素及び水、水蒸気が移動して系内の圧力が上昇し、一方、燃料電池での水素消費に伴い水素が負極室に移動して系内の圧力が低下するが、定圧弁の作動圧力まで内圧が低下して定圧弁が閉止するため、液体貯蔵部から導水路を通って凝縮器に至る経路の物質の流れが停止し、液体貯蔵部から水素発生物質が供給路を通して反応部に供給されることとなり、再度反応部で水素発生反応が起きて内圧が上昇することとなる。
前記凝縮器と前記反応部とを、前記凝縮器に流入した水素を前記反応部に放出する水素放出路で連結することを特徴としている。この構造は例えば、凝縮器上部に水素放出路を設置し、凝縮器底部に導水路を設置することで、上部に滞留した水素を水素放出路を通して反応部に流出させ、凝縮器底部に貯留された水を導水路を通して液体貯蔵部に流出させる事ができるようになる。従って凝縮器に流入した水素を燃料電池で利用する事が出来ると共に、凝縮器に流入した水を液体貯蔵部内の水素発生物質と混合した後反応部で水素発生反応に用いる事が出来るようになる。
前記水素放出路に、前記反応部から前記凝縮器への物質の流れを防止する第四の逆止弁を具備することを特徴としている。
これにより、反応部で水素発生反応がおきて圧力が上昇した場合、反応部内の物質が凝縮器に流入する事がなくなり、発生した水素が負極室に送る事ができるようになる。
以上説明したように、上記課題を解決するために、本発明においては、電力を消費して物質を移動させるポンプ類を用いずに、燃料電池の負極室で発生した水を反応部に回収して水素発生物質として用いることが出来るようになり、その結果、燃料電池が予め保持する水分量を減量できるようになるため、燃料電池システムのエネルギー密度が向上し、生成水回収から利用までに必要な電力を要しないことにより、燃料電池システムの出力を全てアプリケーションに用いる事が出来るようになり、出力の向上が可能となった。を提供することができるようになった。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による燃料電池システムの構成図である。構成は以下の通りである。水素を発生することが出来る液体の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部10と、水素発生物質を反応させて水素を発生する反応部13とが、液体貯蔵部10から反応部13に水素発生物質を供給する供給路11により接続されており、反応部13から液体貯蔵部10への水素発生物質の流れを遮断する第一の逆止弁12が供給路11に具備されており、水素と酸素が電気化学反応して発電する高分子固体形燃料電池15と、燃料電池15の負極が接する空間であり、反応部13で発生した水素を一旦滞留させる負極室16を具備し、負極室16は水素流通路14により反応部13と接続されており、また、負極室16で発生する水を貯留する凝縮器20と、負極室16と凝縮器20とが連結路25にて連結されており、反応部13と凝縮器20とが導水路30にて接続されており、連結路25には第二の逆止弁26が、導水路30には第三の逆止弁31が具備されている。第二の逆止弁26は、凝縮器20から負極室16に向かう向きの物質の流れを停止し、第三の逆止弁31は、反応部13から凝縮器20に向かう向きの物質の流れを停止する機能を有する。更に、水素が存在する部位である供給路11の第一の逆止弁12より反応部13側、反応部13、負極室16、連結路25、凝縮器20、導水路30が外部に対して閉じられた系であり、内部に水素がとどまる構造になっている。また液体貯蔵部10上部には大気取入口17が具備されている。
ここで、供給路11、水素流通路14、導水路30は内径4mmのステンレス製の管を、大気取入口17、連結路25には内径1mmのステンレス製の管を用いた。また、液体貯蔵部10は内容積25ccのアクリル製矩形容器であり、反応部13は内容積30ccのアクリル製矩形容器であり、凝縮器20は内容積2ccのアクリル製円筒形容器である。
更に、液体貯蔵部10内には水素発生物質としてリンゴ酸水溶液を貯蔵し、反応部13には水素化ホウ素ナトリウムの粉末を保持した。
また本実施例での凝縮器20内の構造を、図2に示す。図2は、連結路25の一端が凝縮器20上部に設置されており、導水路30が凝縮器20と接続されている。導水路30と凝縮器20内の導入部32とは取付部品34により密閉して接続されており、導入部32の先端近くに重錘33が取り付けられており、常に導入部32先端が凝縮器20底部に位置するようになっている。導入部32には内径2mmのシリコーン樹脂製チューブを用い、また、重錘33には50gのステンレス塊を用いた。
また本実施例で用いた逆止弁を図3に示す。本実施例では逆止弁が、第一〜第三まであるが、いずれも同様の逆止弁を用いた。これは単純なチューブチェックバルブであり、筐体60に弁体61が格納されており、弁体61は筐体60に規制されずに動作する事が出来る。弁体61は直径9mm、厚み1mmのシリコーン樹脂であり、筐体60はPTFE製である。図示した矢印の向きに物質が移動する場合、弁体61が矢印の向きに押され、弁体61と筐体60の間に空隙を生じ、物質が移動する事が可能となる。しかし、矢印と反対向きに物質が移動しようとすると、弁体61が矢印と反対向きに押され、筐体60に弁体61が密着し、物質の移動を停止する。但し、図3に示す逆止弁以外でも逆止機能があれば用いる事が出来る。
本実施例の作用を説明する。まず以下に、燃料電池の発電に関して説明する。液体貯蔵部10内は、大気取入口17から流入する空気により大気圧に保たれている。反応部13、水素流通路14及び負極室16は燃料電池15の発電に伴う水素消費により減圧し、大気圧より低下すると、第一の逆止弁12が開弁し、液体貯蔵部10内に貯蔵された水素発生物質であるリンゴ酸水溶液が反応部13に供給される。リンゴ酸水溶液と水素化ホウ素ナトリウムが接触すると、加水分解により急速に水素を発生するため、水素は水素流通路14を通って負極室16に送られ燃料電池15の発電に供されると共に、反応部13、水素流通路14及び負極室16は液体貯蔵部10内圧より上昇し、第一の逆止弁12が閉弁してリンゴ酸水溶液の移動が停止する。
次に、該燃料電池システム内で発生した水の移動について説明する。前記説明した通り、反応部13及び負極室16は水素の消費と発生により内圧が増減する。反応部13及び負極室16の内圧が上昇した場合、第三の逆止弁31により、導水路30から凝縮器20には物質移動がないが、負極室16に内在する物質は連結路25を通して凝縮器20に移動する。この時凝縮器20内圧は負極室16内圧と略同一となる。しかし、燃料電池15で水素が消費され負極室16及び反応部13内圧が低下すると共に、凝縮器20に対して反応部13及び負極室16は内圧が低い状態となる。そのため、第二の逆止弁26により、連結路25から負極室16への物質移動は起きないが、導水路30を通して凝縮器20から反応部13に物質が移動する。負極室16内には水素だけでなく、水素発生反応における反応熱により蒸発したリンゴ酸水溶液の水蒸気、及び、燃料電池15の正極反応で生成して燃料電池15の高分子電解質膜を拡散して負極室16に移動した液水、水蒸気とが内在している。つまり、負極室16内の水素及び水、水蒸気は、負極室16の内圧上昇に従い凝縮器20に移動し、反応部13の内圧低下に伴い凝縮器20から反応部13に移動する。従って、該燃料電池システムに内在する液水、水蒸気を反応部13に回収し、反応部13内の水素化ホウ素ナトリウムと接触する事により、水素発生反応を起こす事が出来るようになる。
該燃料電池システムでは、凝縮器20の水の移動、及び、液体貯蔵部10のリンゴ酸水溶液の移動は、次のように起きた。凝縮器20の水が反応部13に移動すると水素発生反応が起きたが、触媒であるリンゴ酸が存在しないため、水素発生速度が遅く、徐々に反応部13内圧が低下した。内圧が大気圧を下回ると、液体貯蔵部10からリンゴ酸水溶液が反応部13に供給され、水素化ホウ素ナトリウムと接触する事により急速に水素発生が起き、反応部13及び負極室16内圧が上昇し、凝縮器20内に水が移動した。
さて前記説明した通り、反応部13には凝縮器20の水が移動し水素発生反応に供された。そのため投入した水素化ホウ素ナトリウムの重量に見合ったリンゴ酸水溶液量を液体貯蔵部10に保持していない場合でも、水素化ホウ素ナトリウムを全量反応する事ができた。具体的には、水素化ホウ素ナトリウムを10g、及び、リンゴ酸水溶液を20g用いて燃料電池を発電したところ、水素化ホウ素ナトリウムから水素が発生しなくなるまで連続して発電し続けた。水を回収しない場合は、リンゴ酸水溶液を35g必要な事から、燃料重量として15gを減量する事が出来た。また上記生成水の回収を、電力を用いずに達成する事が出来た。
図4は、本発明による燃料電池システムの構成図である。構成は以下の通りである。水素を発生することが出来る液体の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部10と、水素発生物質を反応させて水素を発生する反応部13とが、液体貯蔵部10から反応部13に水素発生物質を供給する供給路11により接続されており、反応部13から液体貯蔵部10への水素発生物質の流れを遮断する第一の逆止弁12が供給路11に具備されており、水素と酸素が電気化学反応して発電する高分子固体形燃料電池15と、燃料電池15の負極が接する空間であり、反応部13で発生した水素を一旦滞留させる負極室16を具備し、負極室16は水素流通路14により反応部13と接続されており、また、負極室16で発生する水を貯留する凝縮器20と、負極室16と凝縮器20とが連結路25にて連結されており、液体貯蔵部10と凝縮器20とが導水路30にて接続されており、連結路25には第二の逆止弁26が、導水路30には圧力調整弁35が具備されている。第二の逆止弁26は、凝縮器20から負極室16に向かう向きの物質の流れを停止し、圧力調整弁35は、凝縮器20から液体貯蔵部10に物質を減圧して流出するものであり、出力圧力を一定とする機能を有する。更に、水素もしくは水素発生物質、回収されて水が存在する部位である液体貯蔵部10、供給路11、反応部13、水素流通路14、負極室16、連結路25、凝縮器20、導水路30は、外部に対して閉じられた系であり、内部に水素がとどまる構造になっている。
ここで、供給路11、水素流通路14、連結路25、導水路30は内径4mmのステンレス製の管を用いた。また、液体貯蔵部10は内容積110ccのステンレス製円筒形容器であり、反応部13は内容積100ccのステンレス製円筒形容器であり、凝縮器20は内容積10ccのステンレス製円筒形容器である。
更に、液体貯蔵部10内には水素発生物質としてメタノール水溶液を貯蔵し、反応部13には銅触媒を保持し、メタノール水溶液を気化するためのヒータ、副生成物除去器を設置し、反応部13と水素流通路14の接続部に水素選択透過膜を具備した。
また本実施例で用いた逆止弁は、第一の逆止弁12、第二の逆止弁26は、図3の通りである。これは単純なチューブチェックバルブであり、筐体60に弁体61が格納されており、弁体61は筐体60に規制されずに動作する事が出来る。弁体61は直径9mm、厚み1mmのシリコーン樹脂であり、筐体60はPTFE製である。図示した矢印の向きに物質が移動する場合、弁体61が矢印の向きに押され、弁体61と筐体60の間に空隙を生じ、物質が移動する事が可能となる。しかし、矢印と反対向きに物質が移動しようとすると、弁体61が矢印と反対向きに押され、筐体60に弁体61が密着し、物質の移動を停止する。但し、図3に示す逆止弁以外でも逆止機能があれば用いる事が出来る。
本実施例の作用を説明する。まず以下に、燃料電池の発電に関して説明する。反応部13、水素流通路14及び負極室16は燃料電池15の発電に伴う水素消費により減圧し、液体貯蔵部10内圧より低下すると、第一の逆止弁12が開弁し、液体貯蔵部10内に貯蔵された水素発生物質であるメタノール水溶液が反応部13に供給される。メタノール水溶液が気化し銅触媒と接触すると、改質反応により水素を発生し、水素は水素流通路14を通って負極室16に送られ燃料電池15の発電に供されると共に、反応部13、水素流通路14及び負極室16は液体貯蔵部10内圧より上昇し、第一の逆止弁12が閉弁してメタノール水溶液の移動が停止する。
次に、該燃料電池システム内で発生した水の移動について説明する。前記説明した通り、反応部13及び負極室16は水素の消費と発生により内圧が増減する。反応部13及び負極室16の内圧が上昇した場合、負極室16に内在する物質は連結路25を通して凝縮器20に移動する。この時凝縮器20内圧は負極室16内圧と略同一となる。一方、液体貯蔵部10の内圧は、メタノール水溶液が反応部13に供給されることによる液体貯蔵部10の圧力低下、及び、メタノール水溶液の気化と発生水素による反応部13、負極室16、凝縮器20の圧力上昇を原因として、凝縮器20より内圧が低い状態となっている。従って、凝縮器20内の物質は、圧力調整弁35からの出力圧が一定になるように減圧されて放出され、液体貯蔵部10に移動する。
また、燃料電池15で水素が消費され、負極室16及び反応部13内圧が低下すると、凝縮器20に対して反応部13及び負極室16は内圧が低い状態となる。しかし第二の逆止弁26により、連結路25から負極室16への物質移動は起きない。従って凝縮器20内部の物質が液体貯蔵部10に物質が移動する現象が継続する。
負極室16内には水素だけでなく、メタノール水溶液が気化した水蒸気の内、改質反応に余剰となった水蒸気、及び、燃料電池15の正極反応で生成して燃料電池15の高分子電解質膜を拡散して負極室16に移動した液水、水蒸気とが内在している。つまり、負極室16内の水素及び水、水蒸気は、負極室16の内圧上昇に従い凝縮器20に移動し、凝縮器20から液体貯蔵部10に移動する。従って、該燃料電池システムに内在する液水、水蒸気は液体貯蔵部10に回収され、メタノール水溶液と混合され、更には反応部13に供給されて水素発生に供されることとなる。
さて前記説明した通り、負極室16から凝縮器20を通って液体貯蔵部10に移動した水が、反応部13に供給され、改質反応に供された。そのため投入したメタノール水溶液の濃度が高く、メタノールの重量に見合った水分量を保持していない場合でも、メタノールを全量反応する事ができた。具体的には、メタノール濃度78wt%水溶液82gを用いたところ、燃料電池を継続して発電できた。
一方水を回収しない場合は、化学量論的にはメタノール濃度は67%必要であり、この場合メタノール水溶液重量は100gとなるが、実際には135g程度必要である。
従って初期に燃料電池システムに投入するメタノール水溶液重量を4割低減しても連続して燃料電池を運転でき、更に該システム内の水の回収を、電力を用いずに達成する事が出来た。
図5は、本発明による燃料電池システムの構成図である。構成は以下の通りである。水素を発生することが出来る液体の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部10と、水素発生物質を反応させて水素を発生する反応部13とが、液体貯蔵部10から反応部13に水素発生物質を供給する供給路11により接続されており、反応部13から液体貯蔵部10への水素発生物質の流れを遮断する第一の逆止弁12が供給路11に具備されており、水素と酸素が電気化学反応して発電する高分子固体形燃料電池15と、燃料電池15の負極が接する空間であり、反応部13で発生した水素を一旦滞留させる負極室16を具備し、負極室16は水素流通路14により反応部13と接続されており、また、負極室16で発生する水を貯留する凝縮器20と、負極室16と凝縮器20とが連結路25にて連結されており、液体貯蔵部10と凝縮器20とが導水路30にて接続されており、連結路25には第二の逆止弁26が、導水路30には定圧弁36が具備されている。第二の逆止弁26は、凝縮器20から負極室16に向かう向きの物質の流れを停止し、定圧弁36は所定の圧力で閉弁する機能を有する。また、凝縮器20は水素放出路41により反応部13とも連結されており、水素放出路41には第四の逆止弁40が、反応部13から凝縮器20への物質の流れを遮断するように設置されている。更に、水素もしくは水素発生物質、回収されて水が存在する部位である液体貯蔵部10、供給路11、反応部13、水素流通路14、負極室16、連結路25、凝縮器20、導水路30は、外部に対して閉じられた系であり、内部に水素がとどまる構造になっている。
ここで、供給路11、水素流通路14、連結路25、導水路30は内径4mmのステンレス製の管を用いた。また、液体貯蔵部10は内容積25ccのアクリル製矩形容器であり、反応部13は内容積30ccのアクリル製矩形容器であり、凝縮器20は内容積2ccのアクリル製円筒形容器である。
更に、液体貯蔵部10内には水素発生物質としてリンゴ酸を貯蔵し、反応部13には水素化ホウ素ナトリウムの粉末を保持した。
また本実施例で用いた逆止弁は、第一の逆止弁12、第二の逆止弁26、第四の逆止弁40は、図3の通りである。これは単純なチューブチェックバルブであり、筐体60に弁体61が格納されており、弁体61は筐体60に規制されずに動作する事が出来る。弁体61は直径9mm、厚み1mmのシリコーン樹脂であり、筐体60はPTFE製である。図示した矢印の向きに物質が移動する場合、弁体61が矢印の向きに押され、弁体61と筐体60の間に空隙を生じ、物質が移動する事が可能となる。しかし、矢印と反対向きに物質が移動しようとすると、弁体61が矢印と反対向きに押され、筐体60に弁体61が密着し、物質の移動を停止する。但し、図3に示す逆止弁以外でも逆止機能があれば用いる事が出来る。
また、定圧弁36の構造を図6に示す。構造は、ばね62力及びガス取入口64から流入するガスによる圧力を弁体61が背面で受け、管65を押して管65を閉止するものである。弁体61の動きを妨げないために、格納部63を形成している。これは、管65内の圧力がばね62力及びガス圧より高くなると、弁体61が持ち上がり、管65が開口し、逆に、管65内圧がばね62力及びガス圧より低くなると、弁体61が押し下げられ、管65が閉鎖される作用を示す。本実施例では、ガス取入口64から取り入れるガスは大気であり、また、管65が導水路30であり、定圧弁36において導水路30にシリコーンチューブを用いた。シリコーンチューブが閉鎖される力とばね62力とを等しく調整したため、定圧弁36の閉弁圧は大気圧である。
本実施例の作用を説明する。まず以下に、燃料電池の発電に関して説明する。反応部13、水素流通路14及び負極室16は燃料電池15の発電に伴う水素消費により減圧し、液体貯蔵部10内圧より低下すると、第一の逆止弁12が開弁し、液体貯蔵部10内に貯蔵された水素発生物質であるリンゴ酸水溶液が反応部13に供給される。リンゴ酸水溶液が水素化ホウ素ナトリウムと接触すると、水素発生反応により水素を発生し、水素は水素流通路14を通って負極室16に送られ燃料電池15の発電に供されると共に、反応部13、水素流通路14及び負極室16は液体貯蔵部10内圧より上昇し、第一の逆止弁12が閉弁してリンゴ酸水溶液の移動が停止する。
次に、該燃料電池システム内で発生した水の移動について説明する。前記説明した通り、反応部13及び負極室16は水素の消費と発生により内圧が増減する。反応部13及び負極室16の内圧が上昇した場合、負極室16に内在する物質は連結路25を通して凝縮器20に移動する。この時凝縮器20内圧は負極室16内圧と略同一となる。一方、液体貯蔵部10の内圧は、リンゴ酸水溶液が反応部13に供給されることによる液体貯蔵部10の圧力低下、及び、発生水素による反応部13、負極室16、凝縮器20の圧力上昇を原因として、凝縮器20より内圧が低い状態となっている。従って、凝縮器20内の物質は、定圧弁36から放出され、液体貯蔵部10に移動する。
また、燃料電池15で水素が消費され、負極室16及び反応部13内圧が低下すると、凝縮器20に対して反応部13及び負極室16は内圧が低い状態となる。しかし第二の逆止弁26により、連結路25から負極室16への物質移動は起きない。従って、負極室16内圧上昇時に引き続き、液体貯蔵部10に物質が移動する現象が継続する。また、水素放出路41を通して凝縮器20内部の物質が反応部13に物質が移動する。ここで、水素放出路41を凝縮器20上部に設置したため、水素、水蒸気といった気体が優先的に反応部13に送られる事となった。
さて前記説明した通り、凝縮器20の水は、液体貯蔵部10に移動しリンゴ酸水溶液と混合されると、反応部13に移動し水素発生反応に供された。そのため投入した水素化ホウ素ナトリウムの重量に見合ったリンゴ酸水溶液量を液体貯蔵部10に保持していない場合でも、水素化ホウ素ナトリウムを全量反応する事ができた。具体的には、水素化ホウ素ナトリウムを10g、及び、リンゴ酸水溶液を20g用いて燃料電池を発電したところ、水素化ホウ素ナトリウムから水素が発生しなくなるまで連続して発電し続けた。水を回収しない場合は、リンゴ酸水溶液を35g必要な事から、燃料重量として15gを減量する事が出来た。また上記生成水の回収を、電力を用いずに達成する事が出来た。
本発明による燃料電池システムの構成図である。 本発明による燃料電池システムの凝縮器内の構成図である。 本発明による燃料電池システムに用いる逆止弁の例である。 本発明による燃料電池システムの構成図である。 本発明による燃料電池システムの構成図である。 本発明による定圧弁の構造図である。 背景技術に示す従来例である。
符号の説明
10 液体貯蔵部
11 供給路
12 第一の逆止弁
13 反応部
14 水素流通路
15 燃料電池
16 負極室
17 大気取入口
20 凝縮器
25 連結路
26 第二の逆止弁
30 導水路
31 第三の逆止弁
32 導入部
33 重錘
34 取付部品
35 圧力調整弁
36 定圧弁
40 第四の逆止弁
41 水素放出路
60 筐体
61 弁体
62 ばね
63 格納部
64 ガス取入口
65 管
100 凝縮器
101 水位計
102 ポンプ
103 ポンプ
104 制御ユニット
110 噴射機
111 水タンク
矢印 逆止弁の送液方向を示す

Claims (17)

  1. 第1の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部と、
    第2の水素発生物質を貯蔵し、前記第1の水素発生物質と前記第2の水素発生物質を反応させて水素を発生させる反応部と、
    前記第1の水素発生物質を前記液体貯蔵部から前記反応部に供給し、前記反応部から前記液体貯蔵部への前記第1の水素発生物質の逆流を防止する第1の逆止弁を有する供給路と、
    前記水素を貯蔵する負極室を有し、前記水素を電気化学反応させて発電を行う燃料電池と、
    前記反応部から前記負極室へ前記水素を供給する水素流通路と、
    前記燃料電池が前記負極室内に生成した生成水を貯蔵する凝縮器と、
    前記生成水を前記負極室から前記凝縮器に供給し、前記凝縮器から前記負極室への前記生成水の逆流を防止する第2の逆止弁を有する連結路と、
    前記生成水を前記凝縮器から前記反応部に供給し、前記反応部から前記凝縮器への前記生成水の逆流を防止する第3の逆止弁を有する導水路と、
    を有する燃料電池システム。
  2. 水素を発生することが出来る液体の第1の水素発生物質を貯蔵する液体貯蔵部と、前記第1の水素発生物質を反応させて水素を発生する反応部と、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記第1の水素発生物質を供給する供給路、及び、前記供給路に設置され、前記反応部から前記液体貯蔵部への前記第1の水素発生物質の流れを遮断する第一の逆止弁とで構成される水素供給部と、
    水素と酸素を電気化学反応して発電する高分子固体形燃料電池と、
    前記燃料電池の負極で発生する水を貯留する凝縮器と、
    前記燃料電池の負極が接する空間(以下負極室とする)と前記凝縮器とを連結し、前記負極室で発生した水を凝縮器に移動する連結路と、
    前記水素供給部と前記凝縮器とを連結し、前記凝縮器に貯留された水を前記水素供給部に放出する導水路とを具備し、
    水素が流通する前記反応部、前記負極室、前記連結路、前記凝縮器、前記導水路が外部に対して閉じられた系であり、内部に水素がとどまる構造であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記凝縮器の底部に接するように前記導水路の一端が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記導水路の一部であり、前記凝縮器内部に備えられた部位である導入部の向きが変化可能であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記導入部が樹脂チューブであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記導入部の端部に重錘が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記凝縮器、もしくは、前記連結路が、内部に存在する物質を冷却する冷却機構を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  8. 前記冷却機構が、前記凝縮器、もしくは、前記連結路の外部に取り付けられた放熱板であることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記連結路に、前記凝縮器から前記燃料電池への物質の流れを防止する第二の逆止弁を具備することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  10. 前記導水路が、前記水素供給部の前記反応部と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  11. 前記導水路に、前記反応部から前記凝縮器への物質の流れを防止する第三の逆止弁を具備することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記導水路が、前記水素供給部の前記液体貯蔵部と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  13. 前記液体貯蔵部と連結した前記供給路、前記反応部、前記負極室、前記連結路、前記凝縮器、前記導水路から成る該燃料電池システム内の水素が流通する部位が、外部に対して閉じられた系であることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記導水路に圧力調整弁が設置してあり、前記液体貯蔵部内の圧力が、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記水素発生物質が供給される前の圧力となるように圧力調整されることを特徴とする請求項13に記載の燃料電池システム。
  15. 前記導水路に定圧弁が設置してあり、前記液体貯蔵部内の圧力が、前記液体貯蔵部から前記反応部に前記水素発生物質が供給される前の圧力となった場合のみ前記定圧弁が閉止することを特徴とする請求項13記載の燃料電池システム。
  16. 前記凝縮器と前記反応部とを、前記凝縮器に流入した水素を前記反応部に放出する水素放出路で連結することを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  17. 前記水素放出路に、前記反応部から前記凝縮器への物質の流れを防止する第四の逆止弁を具備することを特徴とする請求項16記載の燃料電池システム。
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