JPH0822834A - 燃料電池とその起動装置 - Google Patents

燃料電池とその起動装置

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JPH0822834A
JPH0822834A JP6180730A JP18073094A JPH0822834A JP H0822834 A JPH0822834 A JP H0822834A JP 6180730 A JP6180730 A JP 6180730A JP 18073094 A JP18073094 A JP 18073094A JP H0822834 A JPH0822834 A JP H0822834A
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fuel
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Nariyuki Kawazu
成之 河津
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Toyota Motor Corp
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    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • H01M8/241Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells with solid or matrix-supported electrolytes
    • HELECTRICITY
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】 起動時の出力電圧の早期安定化を図り起動時
間を短縮する。 【構成】 燃料電池10は、燃料電池セルから構成され
るPEFCモジュール10A〜10Nを直列に接続して
備え、起電力の給電対象である外部負荷16と並列に、
且つ各PEFCモジュールともそれぞれ並列にダミー抵
抗20を備える。そして、燃料電池10は、ダミー抵抗
20に接続された切り換えスイッチ22を選択的に切り
換えて、PEFCモジュール10A〜10Nのうちの一
のPEFCモジュールとダミー抵抗20とを選択的に接
続する。外部負荷起動スイッチがオンされると、まず、
切り換えスイッチ22によりダミー抵抗20とPEFC
モジュール10Aとを所定時間接続し、その後、ダミー
抵抗20と各PEFCモジュールとを順次接続する。こ
のように、ダミー抵抗20との接続を各PEFCモジュ
ールについて順次繰り返し行ない、その後に外部負荷1
6と接続して給電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対向するアノードとカ
ソードで固体高分子電解質膜を挟持し該電極に供給され
る燃料ガスの電気化学反応を経て起電力を呈する燃料電
池と、この燃料電池を起動する起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料電池では、固体高分子電解
質膜を挟持して対向するアノードとカソードのそれぞれ
において、その極性に応じて以下に記す反応式で示され
る電気化学反応が進行する。 アノード(水素極): H2→2H++2e- … カソード(酸素極): 2H++2e-+(1/2)O2→H2O …
【0003】アノードで式の反応により生成した水素
イオンは、H+x2O)の水和状態で固体高分子電解
質膜(高分子イオン交換膜)を透過(拡散)し、膜を透
過した水素イオンは、カソードで式の反応に供され
る。この結果として、燃料電池は、起電力を呈しモータ
等の外部負荷にこの起電力を給電する。
【0004】これらの反応を連続的に行なって安定した
起電力を得るには、アノードに燃料ガスである水素をガ
ス状で連続的に供給すると共に水素イオンを固体高分子
電解質膜の膜中にスムーズに拡散させる必要がある。水
素イオンは固体高分子電解質膜の膜中の水と結合して上
記の水和状態となって固体高分子電解質膜の膜中を移動
するため、アノード付近の水が不足しないように、アノ
ード付近の固体高分子電解質膜に外部から水を補給する
必要がある。アノード付近の水が不足すると、固体高分
子電解質膜の膜中への水素イオンの拡散が阻害され、固
体高分子電解質膜の膜中の水素イオンが不足し、カソー
ドでの反応が妨げられるからである。よって、アノード
や膜中の水分を確保するために、アノードには水素ガス
を水蒸気で加湿して供給されている。
【0005】ところで、固体高分子電解質膜のイオン導
電性は、膜中の含水量に依存して変化し、含水量が低け
れば高くなり、膜が乾燥状態にあると、十分な含水量が
確保されて膜が湿潤状態にある場合の抵抗値の数百〜数
千倍に達することが知られている。また、運転停止期間
に固体高分子電解質膜が乾燥するような事態が起きてい
ると、燃料電池の起動時には、膜の含水量が不十分とな
ったり当該含水量が膜において均一ではなくなる。この
ため、起動時に単に水蒸気を水素ガスと共に供給するだ
けでは、定常状態における起電力を起動当初から得るこ
とができず、給電対象である外部負荷をその接続当初に
おいては定格に駆動できない場合があった。このような
不具合を解消する一手法として、特開昭64−655に
は、燃料電池起動時の開回路電圧を検出し当該検出電圧
がピーク値となるまで待機し、その後外部負荷を接続す
ることが提案されている。
【0006】なお、乾燥した燃料ガスを停止期間中に供
給してしまうというように、燃料電池の運転停止期間の
ガスパージ方法が適正でない場合には、運転停止期間に
おける固体高分子電解質膜の乾燥が顕著となることがあ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に提案された従来の技術では、外部負荷をその接続当
初から定格で起動できるものの、次のような問題が残さ
れている。即ち、燃料電池起動時においては、固体高分
子電解質膜に十分な水分が供給され当該膜が適正な湿潤
状態になるまでは、水素イオンの水和状態での透過が阻
害されて電気化学的反応が不安定となり燃料電池の出力
電圧特性(V−I特性)が安定しない。しかも、固体高
分子電解質膜における水分分布が著しく不均一であって
も、具体的には膜の一部でも水分不足がある場合にも水
素イオンの水和状態での透過が阻害されるので、燃料電
池の出力電圧特性(V−I特性)が安定しない。このた
め、膜の湿潤を経て当該特性が安定するまでに長時間を
要していた。
【0008】また、燃料電池は、通常、対向するアノー
ドとカソードで固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池
セルの集合体を直列に複数接続して構成されている。そ
して、その一つの集合体における燃料電池セルで水分不
足の状態であると、燃料電池全体としての出力電圧は当
該燃料電池セルの影響を受けて不安定なままであり、や
はり出力電圧が安定するまでに長時間を要していた。な
お、燃料電池自体の温度が低い場合には、より長時間を
要していた。
【0009】ところで、電気化学的反応が開始すれば、
既述したようにカソード側においては水が生成される。
よって、燃料電池の起動時において燃料電池に大きな負
荷源を接続して燃料電池の負荷を深くすれば、起動時に
多量の水をカソード側で生成することができる。しか
し、このようにしても固体高分子電解質膜は、カソード
側でしか生成水により湿潤化されるに過ぎず、アノード
側では依然水分不足の状態のままである。また、カソー
ド側では水分過多となって電極の細孔が閉塞されガスの
拡散が阻害される虞もある。このため、ただ単に起動時
に燃料電池の負荷を深くするだけでは、起動時において
燃料電池の出力電圧の早期安定化を図ることはできな
い。
【0010】なお、燃料電池に供給する燃料ガスの供給
圧力を高めれば、燃料電池に大きな負荷源を接続した場
合と同様に、燃料電池の負荷を深くすることができる。
しかし、やはりカソード側での水分過多やアノード側で
の水分不足等の事態が起きるので、起動時において出力
電圧の早期安定化を図ることはできない。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、燃料電池の起動時における出力電圧の早期安定化
と、適正な出力電圧を得るまでの起動時間の短縮化を図
ることをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの請求項1記載の燃料電池の起動装置で採用した手段
は、対向するアノードとカソードの電極で固体高分子電
解質膜を挟持し該電極に供給される燃料ガスの電気化学
反応を経て起電力を呈する燃料電池を起動する起動装置
であって、前記起電力の給電対象となる外部の外部負荷
に接続して該外部負荷を起動する起動接続に先立って、
前記電気化学反応の活性を変動させる起動時活性変動手
段を備えることをその要旨とする。
【0013】また、請求項2記載の燃料電池で採用した
手段は、請求項1記載の起動装置で起動される燃料電池
であって、負荷抵抗を、前記起電力の給電対象となる外
部の外部負荷と並列に備えることをその要旨とする。
【0014】請求項3記載の燃料電池では、前記負荷抵
抗を、前記燃料ガスの供給管路に設けられたガス加湿機
器における発熱抵抗として該ガス加湿機器に装着した。
【0015】この場合、請求項4記載の燃料電池の起動
装置では、請求項2又は請求項3記載の燃料電池を起動
するための起動装置とし、前記起動時活性変動手段を、
前記負荷抵抗と電極との接続および開放を前記起動接続
に先立って繰り返すものとした。
【0016】請求項5記載の燃料電池では、前記負荷抵
抗をその抵抗値が可変の可変負荷抵抗とした。
【0017】この場合、請求項6記載の燃料電池の起動
装置では、請求項5記載の燃料電池を起動するための起
動装置とし、前記起動時活性変動手段を、前記可変負荷
抵抗と電極との接続および開放を前記起動接続に先立っ
て繰り返すものとし、更に、前記可変負荷抵抗と前記電
極との接続ごとに、前記可変負荷抵抗の抵抗値を減少す
る抵抗値減少変更手段を備えるものとした。
【0018】請求項7記載の燃料電池の起動装置では、
前記起動時活性変動手段を、前記可変負荷抵抗と前記電
極とが接続されている間における前記可変負荷抵抗の抵
抗値を漸減する抵抗値漸減変更手段を備えるものとし
た。
【0019】また、請求項8記載の燃料電池の起動装置
では、前記起動時活性変動手段を、前記外部負荷が起動
された後にも継続して前記可変負荷抵抗と前記電極とを
接続するものとし、更に、該継続して前記可変負荷抵抗
と前記電極とが接続されている間における前記可変負荷
抵抗の抵抗値を漸増する抵抗値漸増変更手段を備えるも
のとした。
【0020】また、請求項9記載の燃料電池の起動装置
では、前記起動時活性変動手段を、燃料電池に供給され
る燃料ガスの供給圧力を前記起動接続に先立って変動す
るものとした。
【0021】請求項10記載の燃料電池の起動装置で
は、前記起動時活性変動手段を、前記電極に供給された
燃料ガスのガス排出路における排出ガス圧力の昇圧およ
び降圧を前記起動接続に先立って繰り返すものとした。
【0022】請求項11記載の燃料電池の起動装置で
は、前記燃料電池を、対向するアノードとカソードの電
極で固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合
体を直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電
池セルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経
て起電力を呈するものとし、前記起動時活性変動手段
を、前記起動接続に先立つ電気化学的反応の活性の変動
又は燃料ガスの供給圧力の変動若しくは前記排出ガス圧
力の昇圧および降圧の繰り返しを、前記燃料電池セルの
集合体ごとに行なうものとした。
【0023】請求項12記載の燃料電池の起動装置で
は、前記燃料電池を、対向するアノードとカソードの電
極で固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合
体を直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電
池セルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経
て起電力を呈すると共に、該起電力の給電対象となる外
部の外部負荷と並列に負荷抵抗を備えるものとし、前記
起動時活性変動手段を、前記起動接続に先立つ前記負荷
抵抗と前記燃料電池セルの集合体との接続および開放の
繰り返しを、前記燃料電池セルの集合体ごとに順次行な
うものとした。
【0024】請求項13記載の燃料電池の起動装置で
は、前記燃料電池を、対向するアノードとカソードの電
極で固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合
体を直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電
池セルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経
て起電力を呈するものとし、前記起動時活性変動手段
を、前記起動接続に先立つ前記排出ガス圧力の昇圧およ
び降圧の繰り返しを前記燃料電池セルの集合体ごとに行
なうに当たり、一の燃料電池セルの集合体についての前
記排出ガス圧力の降圧と他の燃料電池セルの集合体につ
いての前記排出ガス圧力の昇圧とを同期して行なうもの
とした。
【0025】
【作用】上記構成を有する請求項1記載の燃料電池の起
動装置は、起動時活性変動手段により燃料電池における
電気化学的反応の活性を変動させた後に、外部負荷に接
続して該外部負荷を起動する。そして、この電気化学的
反応の活性の変動により、次のようにして燃料電池にお
ける固体高分子電解質膜の湿潤化および水分分布の均一
化を早期のうちに図る。
【0026】電気化学反応の活性を高めると電気化学的
反応が促進され、カソード側での電気化学的反応により
生成される水量が多くなる。しかも、アノード側での電
気化学的反応により生成された水素イオンのアノードか
らカソードに向けた水和状態での固体高分子電解質膜に
おける拡散が進んで、固体高分子電解質膜中に水素イオ
ンに付随して存在する水分子の数が多くなる。この状態
から電気化学反応の活性を低くすると、電気化学的反応
の抑制を通して、カソード側での水分生成と固体高分子
電解質膜における水素イオンの拡散とがその時点で抑制
される。よって、カソード側における水分過剰とアノー
ド側における水消費を経た水分不足が一旦緩和され、し
かも、固体高分子電解質膜における水分子の自然拡散が
進行し固体高分子電解質膜における水分不足や水分過多
の偏在を解消する。
【0027】このため、燃料電池の起動時に電気化学反
応の活性の変動を経ることで、固体高分子電解質膜を早
期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にすることができ
る。そして、固体高分子電解質膜にとって好適な湿潤状
態への固体高分子電解質膜の円滑な移行を通して、出力
電圧を早期に安定化させる。
【0028】請求項2記載の燃料電池では、起電力の給
電対象となる外部の外部負荷と並列に備えた負荷抵抗と
の接続および開放を通して、燃料電池の負荷電流の浅い
・深いの繰り返しを可能とし、この負荷電流の変動によ
り電気化学反応の活性の変動をもたらすことが可能であ
る。
【0029】請求項3記載の燃料電池では、燃料ガスの
供給管路に設けられたガス加湿機器に負荷抵抗を発熱抵
抗として装着したので、外部負荷との起動接続に先立つ
この負荷抵抗との接続を通して、電気化学反応の活性の
変動に加え、起動接続に先立つガス加湿機器の昇温を可
能とする。
【0030】請求項4記載の燃料電池の起動装置では、
上記した負荷抵抗を備える燃料電池の当該負荷抵抗と電
極との接続および開放を、起動時活性変動手段により、
外部負荷の起動接続に先立って繰り返す。よって、負荷
抵抗接続時には負荷電流を流し開放時には負荷電流を流
さなくなり、燃料電池の負荷電流を変動させる。そし
て、この負荷電流の変動を通して、負荷電流の浅い・深
いの繰り返しを起動接続に先立ち燃料電池に起こす。
【0031】こうして負荷電流が深くなると電気化学反
応の活性が高まり反応が促進され、一方、負荷電流が浅
くなると電気化学反応の活性が低下して反応が抑制され
る。従って、負荷電流の浅い・深いの繰り返し(負荷電
流の変動)により電気化学反応の活性を変動させ、燃料
電池における固体高分子電解質膜の湿潤化および水分分
布の均一化を早期のうちに図る。また、請求項4記載の
燃料電池の起動装置では、外部負荷との起動接続に先立
ってガス加湿機器の負荷抵抗を電極との接続を通して発
熱させ、起動接続に先立ってガス加湿機器を予め昇温す
ることができる。
【0032】請求項5記載の燃料電池では、負荷抵抗が
抵抗値可変の可変負荷抵抗なので、当該抵抗との接続お
よび開放を通して燃料電池の負荷電流の浅い・深いの繰
り返しを行なって電気化学反応の活性を変動させる際
に、抵抗値の変更により負荷電流の変動の程度、即ち電
気化学反応の活性の変動の程度を可変とすることを可能
とする。
【0033】請求項6記載の燃料電池の起動装置では、
上記した可変負荷抵抗と電極との接続および開放を起動
接続に先立って繰り返して燃料電池の負荷電流を変動す
る際に、この可変負荷抵抗と電極とを接続するごとに、
抵抗値減少変更手段により可変負荷抵抗の抵抗値を減少
する。よって、可変負荷抵抗と電極との接続により負荷
電流を流す際の負荷電流量を増大させて、燃料電池の負
荷電流の深くなる程度を可変負荷抵抗との接続ごとに高
める。このため、カソード側での生成水量と水和状態で
の水素イオンの拡散による固体高分子電解質膜中の水分
子数とを無理なく増大させて、固体高分子電解質膜をよ
り早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にすることが
できる。
【0034】請求項7記載の燃料電池の起動装置では、
抵抗値漸減変更手段により可変負荷抵抗と電極とが接続
されている間において可変負荷抵抗の抵抗値を漸減する
ので、可変負荷抵抗との接続の間の負荷電流量を漸増さ
せて、燃料電池の負荷電流の深くなる程度を可変負荷抵
抗との接続の間に徐々に高める。よって、カソード側で
の生成水量と固体高分子電解質膜中の水分子数とを無理
なく増大させて固体高分子電解質膜をより早期のうちに
均一な水分分布の湿潤状態にすることができる。また、
可変負荷抵抗との接続当初に燃料電池に急激な負荷をか
けることがない。
【0035】請求項8記載の燃料電池の起動装置では、
可変負荷抵抗と前記電極との接続を起動時活性変動手段
により外部負荷起動後にも継続することで、当該起動後
にも可変負荷抵抗を介して燃料電池に外部負荷とは別の
負荷電流を流す。しかし、可変負荷抵抗を介したこの間
の負荷電流は、抵抗値漸増変更手段による可変負荷抵抗
の抵抗値の漸増により漸減することになり、外部負荷起
動後における負荷電流を急変させない。
【0036】また、請求項9記載の燃料電池の起動装置
では、起動時活性変動手段により燃料ガスの供給圧力を
起動接続に先立って変動することで供給圧力の高低の繰
り返しを起こし、次のようにして燃料電池の電気化学的
反応の活性を変動させ、その後に、外部負荷に接続して
該外部負荷を起動する。
【0037】燃料ガスの供給圧力が上昇すると、燃料電
池での電気化学的反応に供される燃料ガスが増えること
から、電気化学的反応の活性が高まり反応が促進され
る。このため、カソード側での電気化学的反応により生
成される水量が多くなると共に、アノード側での電気化
学的反応により生成された水素イオンのアノードからカ
ソードに向けた水和状態での固体高分子電解質膜におけ
る拡散が進んで、固体高分子電解質膜中に水素イオンに
付随して存在する水分子の数が多くなる。この状態から
燃料ガスの供給圧力を低下させると、燃料電池での電気
化学的反応に供される燃料ガスが少なくなることから、
電気化学的反応の活性が低下して反応が抑制されるた
め、カソード側での水分生成と固体高分子電解質膜にお
ける水素イオンの拡散とがその時点で抑制される。よっ
て、カソード側における水分過剰とアノード側における
水消費を経た水分不足が一旦緩和され、しかも、固体高
分子電解質膜における水分子の自然拡散が進行し固体高
分子電解質膜における水分不足や水分過多の偏在を解消
する。このため、燃料ガスの供給圧力の変動を通して燃
料電池の電気化学的反応の活性が変動し、固体高分子電
解質膜を早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にする
ことができる。
【0038】この場合、カソード側の燃料ガス或いはア
ノード側の燃料ガスの両燃料ガスについて供給圧力を変
動させることが望ましいが、一方の燃料ガスについての
み供給圧力を変動させてもよい。
【0039】請求項10記載の燃料電池の起動装置で
は、起動時活性変動手段により燃料ガスの排出ガス圧力
の昇圧および降圧を起動接続に先立って繰り返すこと
で、燃料ガスの供給圧力の変動をもたらす。よって、請
求項10記載の燃料電池の起動装置では、燃料ガスの排
出ガス圧力の昇圧および降圧の繰り返しを行なうだけ
で、供給圧力の変動を通して燃料電池の電気化学的反応
の活性を変動させ、固体高分子電解質膜を早期のうちに
均一な水分分布の湿潤状態にすることができる。
【0040】この場合、カソード側の燃料ガス或いはア
ノード側の燃料ガスの両燃料ガスについて排出ガス圧力
の昇圧および降圧の繰り返すことが望ましいが、一方の
燃料ガスについてのみ排出ガス圧力の昇圧および降圧を
繰り返してもよい。
【0041】請求項11記載の燃料電池の起動装置で
は、起動接続に先立って、燃料電池の負荷電流の変動、
又は燃料ガスの供給圧力の変動若しくは排出ガス圧力の
昇圧および降圧の繰り返しを通した燃料電池の電気化学
的反応の活性の変動を、起動時活性変動手段により燃料
電池セルの集合体ごとに行なう。このため、起動接続に
先立つ固体高分子電解質膜の早期の均一な水分分布の湿
潤化を燃料電池セルの集合体ごとに実現する。そして、
固体高分子電解質膜にとって好適な湿潤状態への固体高
分子電解質膜の円滑な移行を燃料電池セルの集合体ごと
に図り、燃料電池全体としての出力電圧を安定化させる
と共に、出力電圧の円滑な上昇を図る。
【0042】請求項12記載の燃料電池の起動装置で
は、起動接続に先立って、負荷抵抗と燃料電池セルの集
合体との接続および開放の繰り返しを、起動時活性変動
手段により燃料電池セルの集合体ごとに行なう。このた
め、起動接続に先立って燃料電池の負荷電流を変動さ
せ、固体高分子電解質膜の早期の均一な水分分布の湿潤
化を燃料電池セルの集合体ごとに実現する。しかも、こ
の際に負荷抵抗との接続は燃料電池セルの集合体ごとに
図ればよいことから、単一の負荷抵抗を用いるだけで済
むと共に、抵抗値の小さな小型化の負荷抵抗で済む。
【0043】請求項13記載の燃料電池の起動装置で
は、起動接続に先立つ排出ガス圧力の昇圧および降圧の
繰り返しを燃料電池セルの集合体ごとに行なうに当た
り、起動時活性変動手段により、一の燃料電池セルの集
合体について排出ガス圧力を降圧するときには、他の燃
料電池セルの集合体については排出ガス圧力を昇圧させ
る。このため、一の燃料電池セルの集合体について降圧
により燃料電池の電気化学的反応の活性が低くされてい
るときには、他の燃料電池セルの集合体については昇圧
により燃料電池の電気化学的反応の活性を高くして、活
性の低下による出力電圧の低下を打ち消し、燃料電池全
体としての出力電圧をより安定化させると共に、出力電
圧の円滑な上昇を図る。
【0044】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について、
図面に基づき説明する。図1は、実施例の燃料電池10
のブロック図である。
【0045】図示するように実施例の燃料電池10は、
図示しない固体高分子電解質膜をアノードとカソードで
挟持した燃料電池セルから構成される固体高分子型燃料
電池セルモジュール(以下、PEFCモジュールと略称
する)を複数個(N個)備える。そして、燃料電池10
は、各PEFCモジュール10A〜10Nを直列に接続
して開回路を形成し、この開回路の外部接続端子12,
14において、外部の外部負荷16(例えば、電気自動
車用の駆動モータ等)とスイッチ18により接続され
る。
【0046】各PEFCモジュールは、固体高分子電解
質膜をアノードとカソードで挟持した燃料電池セルを一
構成単位とし、一以上の燃料電池セルを持って構成され
ている。例えば、燃料電池10として200個の燃料電
池セルを有するのであれば、PEFCモジュールを一個
の燃料電池セルから構成したり、PEFCモジュールを
100個の燃料電池セルから構成したりすることができ
る。この場合、前者の燃料電池10は、200のPEF
Cモジュールに分割されることになり、後者の燃料電池
10は、二つのPEFCモジュールに分割されることに
なる。なお、PEFCモジュールを構成する燃料電池セ
ルの個数はそれぞれのPEFCモジュールごとに同一で
ある必要はなく、PEFCモジュールごとに異なってい
ても差し支えない。例えば、燃料電池10が、100個
の燃料電池セルからなるPEFCモジュールと、60個
の燃料電池セルからなるPEFCモジュールと、40個
の燃料電池セルからなるPEFCモジュールの3つのP
EFCモジュールに分割されたものであってもよい。
【0047】また、燃料電池10は、各PEFCモジュ
ールで得られた起電力の給電対象である外部負荷16と
並列に、且つ各PEFCモジュール10A〜10Nとも
それぞれ並列にダミー抵抗20を備える。そして、燃料
電池10は、ダミー抵抗20に接続された切り換えスイ
ッチ22を選択的に切り換えて、PEFCモジュール1
0A〜10Nのうちの一のPEFCモジュールとダミー
抵抗20とを選択的に接続する。なお、切り換えスイッ
チ22は、ダミー抵抗20をいずれのPEFCモジュー
ルにも接続しない切り換え位置(初期位置)に、通常お
かれており、後述の電子制御装置30からの制御信号を
受けて駆動する。
【0048】このほか、外部接続端子12,14の近傍
には、燃料電池10の開回路電圧を測定するための電圧
計24が設けられている。また、各PEFCモジュール
には、その構成単位である各燃料電池セルのアノードに
燃料ガスである水素ガスを加湿供給するための図示しな
い水素ガス供給管路と、カソードに燃料ガスである酸素
ガス又は空気等の酸素含有ガスを加湿供給するための図
示しない酸素ガス供給管路と、各燃料電池のアノード,
カソードから余剰ガスを排出する図示しないガス排出管
路とが接続されている。
【0049】また、これらガス管路のほか、アノード又
はカソードにそれぞれの燃料ガスを供給する構成につい
ても、本実施例の説明を簡略化するために図示を省略し
たが、次のような構成を適宜採用すればよい。例えば、
アノード側の燃料ガス供給としては、高圧水素ガスボン
ベを用いたガス供給や、メタノール改質法或いはメタン
改質法等による水素発生装置を用いたガス供給,水素貯
蔵合金からのガス供給,液体水素タンクからのガス供給
などを挙げることができる。カソード側の燃料ガス供給
としては、高圧酸素或いは高圧空気のガスボンベを用い
たガス供給や、コンプレッサによる大気加圧供給,液体
酸素或いは液体空気のタンクからのガス供給などを挙げ
ることができる。よって、メタノール改質法による水素
発生装置を用いたガス供給では、100%の水素ガスで
はなく、水素を多量に含んだ改質ガス(水素75%,二
酸化炭素25%)がアノードに供給されることになる。
また、コンプレッサによる大気加圧供給では、100%
の酸素ガスではなく、酸素を含んだ空気がカソードに供
給されることになる。
【0050】電子制御装置30は、CPU31,ROM
32,RAM33,タイマ34を中心に論理演算回路と
して構成され、これらとコモンバス35を介して相互に
接続された入出力ポート36により外部との入出力を行
う。そして、この入出力ポート36には、上記したスイ
ッチ18や切り換えスイッチ22,電圧計24が接続さ
れている。
【0051】次に、上記した構成を備える本実施例の燃
料電池10が行う種々制御のうち、その起動時における
起動制御と出力電圧監視制御とについて、図2,図3の
フローチャートに基づき説明する。
【0052】図2のフローチャートは起動制御(起動ル
ーチン)を示すものであり、当該起動ルーチンは、図示
しない外部負荷起動スイッチがオンされるとそのオン信
号を受けて開始され、後述の出力電圧監視制御(出力電
圧監視ルーチン)にて終了されるまで繰り返し実行され
る。図2に示すように、この起動ルーチンでは、処理が
開始されると、まず、切り換えスイッチ22に制御信号
(PEFCモジュール10A選択指令)を出力してダミ
ー抵抗20とPEFCモジュール10Aとを接続する
(ステップS100)。続いて、PEFCモジュール1
0Aを選択的に接続してからの経過時間を計時しこれが
所定のオン時間TONに達したか否かを判断し(ステップ
S105)、肯定判断されるまで待機する。これによ
り、PEFCモジュール10Aには所定のオン時間TON
に亘って負荷電流が流れ、PEFCモジュール10Aに
おける負荷電流が深くなる。
【0053】この場合、負荷電流を流すオン時間TON
は、燃料電池10の備えるPEFCモジュールのモジュ
ール数やダミー抵抗20の抵抗値等を考慮して、例えば
実験計画法等により定めればよい。
【0054】ステップS105で肯定判断すると、切り
換えスイッチ22に制御信号(PEFCモジュール10
B選択指令)を出力してダミー抵抗20とPEFCモジ
ュール10Bとを接続し(ステップS110)、それま
でダミー抵抗20と接続されていたPEFCモジュール
10Aを開放する。続いて、PEFCモジュール10B
を選択的に接続してからの経過時間を計時しこれが所定
のオン時間TONに達したか否かを判断し(ステップS1
15)、肯定判断されるまで待機する。これにより、P
EFCモジュール10Bには所定のオン時間TONに亘っ
て負荷電流が流れ、PEFCモジュール10Bにおける
負荷電流は深くなる。その一方で、PEFCモジュール
10Aはダミー抵抗20から開放されてダミー抵抗20
による負荷電流は流れなくなるので、その負荷電流は浅
くなり、PEFCモジュール10Aについては、負荷電
流の浅い・深いが起きることになる。
【0055】従って、PEFCモジュール10Aを構成
する各燃料セルについては、負荷電流が深い間(ステッ
プS105での待機期間)において、電気化学的反応の
活性が高まり反応が促進するため、カソード側では生成
水量が増加し、アノード側で生成された水素イオンのア
ノードからカソードに向けた水和状態での固体高分子電
解質膜における拡散促進を通して、固体高分子電解質膜
中に水素イオンに付随して存在する水分子の数が多くな
る。そして、この状態からダミー抵抗20との接続が断
たれてPEFCモジュール10Aの負荷電流が浅くなる
ので、PEFCモジュール10Aを構成する各燃料電池
セルでは、電気化学的反応の活性が低下して反応が抑制
され、カソード側での水分生成と固体高分子電解質膜に
おける水素イオンの拡散とがその時点で抑制される。よ
って、カソード側における水分過剰とアノード側におけ
る水消費を経た水分不足が一旦緩和され、しかも、固体
高分子電解質膜における水分子の自然拡散が進行し固体
高分子電解質膜における水分不足や水分過多の偏在が解
消に向かう。
【0056】ステップS115で肯定判断すると、PE
FCモジュール10Cについてのダミー抵抗20との選
択的接続(ステップS120),所定のオン時間TON待
機(ステップS125)、更にPEFCモジュール10
D(図示省略)からPEFCモジュール10Nまでの各
PEFCモジュールについてのダミー抵抗20との選択
的接続(ステップS130),所定のオン時間TON待機
(ステップS135)を実行し、その後はステップS1
00からの処理を繰り返す。つまり、PEFCモジュー
ル10A〜10Nまでの各PEFCモジュールについて
順次ダミー抵抗20との接続および開放を行なうと、再
度PEFCモジュール10Aから、ダミー抵抗20との
接続および開放を繰り返す。
【0057】この一連の処理により、PEFCモジュー
ル10A〜10Nまでの各PEFCモジュールについて
負荷電流の浅い・深いが起きることになる。よって、P
EFCモジュール10A〜10Nまでの各PEFCモジ
ュールの各燃料電池セルについても、負荷電流の浅い・
深いを経て、既述したように固体高分子電解質膜におけ
る水分子の自然拡散が進行し、固体高分子電解質膜にお
ける水分不足や水分過多の偏在が解消に向かう。
【0058】次に、出力電圧監視ルーチンについて説明
する。この出力電圧監視ルーチンは、既述した起動ルー
チンと同様に、図示しない外部負荷起動スイッチがオン
されるとそのオン信号を受けて開始される。そして、図
3に示すように、この出力電圧監視ルーチンでは、処理
が開始されると、まず、電圧計24から燃料電池10に
おける開回路電圧(出力電圧)を読み込み(ステップS
200)、読み込んだ出力電圧が外部負荷16に給電す
るに適正なものか否かを判定する(ステップS20
5)。そして、このステップS205で肯定判断するま
で、出力電圧の読み込み,その判定を繰り返す。なお、
ステップS205における判定は、出力電圧の値が定格
電圧であるかのみならず、電圧変動が所定の範囲のもの
であるかについても行なうよう構成されている。
【0059】ステップS205で肯定判断すれば、外部
負荷16に給電してこれを定格電圧で駆動できるとし
て、上記の起動ルーチンをその処理の状況に拘らず強制
的に終了すると共に、切り換えスイッチ22に制御信号
(初期位置復帰指令)を出力して切り換えスイッチ22
を初期位置に復帰させる(ステップS210)。よっ
て、これ以降は、PEFCモジュール10A〜10Nま
での総てのPEFCモジュールとダミー抵抗20との接
続が断たれ、それ以降には、各PEFCモジュールでは
負荷電流の浅い・深い、即ち負荷電流の変動は起きな
い。ステップS210に続いては、スイッチ18に制御
信号(外部負荷16接続指令)を出力して、外部負荷1
6と燃料電池10とを外部接続端子12,14において
接続し外部負荷16への給電を開始し(ステップS22
0)、本ルーチンを終了する。
【0060】以上説明したように本実施例の燃料電池1
0では、出力電圧監視ルーチンのステップS205で出
力電圧が適正とされるまでの間に亘って、起動時ルーチ
ンによるダミー抵抗20との接続および開放を通して各
PEFCモジュールの各燃料電池セルについて負荷電流
を変動させ、その浅い・深いを繰り返す。このため、P
EFCモジュール10A〜10Nまでの各PEFCモジ
ュールについて、各燃料電池セルにおける固体高分子電
解質膜の水分不足や水分過多の偏在を順次解消すること
ができる。よって、本実施例の燃料電池10によれば、
各燃料電池セルの固体高分子電解質膜を早期のうちに均
一な水分分布で湿潤化させて、適正な出力電圧(起電
力)を起動時から短時間で得ることができる。
【0061】しかも、燃料電池10によれば、PEFC
モジュール10A〜10NまでのN個のPEFCモジュ
ールを有するにも拘らず、単一のダミー抵抗20を用い
て出力電圧の早期安定化を図ることができる。このた
め、部品点数を低減することができる。また、ダミー抵
抗20の抵抗値を各PEFCモジュールの構成燃料電池
セル個数に応じて定めればよいので、燃料電池10によ
れば、ダミー抵抗20を抵抗値の小さな小型の抵抗とす
ることができ、燃料電池10の小型化を図ることができ
る。加えて、抵抗値の小さな小型化の抵抗でよいことか
ら、ダミー抵抗20の発熱量を少なくできダミー抵抗2
0からの放熱による周辺機器への悪影響を回避すること
ができる。
【0062】更に、ダミー抵抗20および切り換えスイ
ッチ22を従来の燃料電池に追加し、切り換えスイッチ
22を既述したように切り換え制御すればよいことか
ら、燃料電池10によれば、既存の燃料電池を簡単な改
造を経るだけで出力電圧の早期安定化を図ることのでき
る優れた燃料電池とすることができる。換言すれば、既
存設備の有効利用を図ることができる。しかも、この際
に燃料電池の大型化を招かない。
【0063】また、上記の第1実施例の燃料電池10で
は、出力電圧監視ルーチンにより起動時ルーチンにおけ
る処理を強制的に終了するので、具体的には、起動時ル
ーチンおいてあるPEFCモジュールについてダミー抵
抗20と接続中であり所定のオン時間TONの経過前であ
っても、その時点でダミー抵抗20との接続を断つ。こ
のため、起動時ルーチンを早期のうちに終了して電子制
御装置30の負荷を軽減することができる。
【0064】次に、他の実施例について説明する。第2
実施例では、上記した第1実施例の燃料電池10におけ
るダミー抵抗20に替えて、図4に示すダミー抵抗40
を用いる点で燃料電池10とその構成が相違する。図示
するように、ダミー抵抗40は、所定の抵抗値Rを有す
る抵抗(41a,41b,41c…41n)を、回路を
開閉するスイッチ(42a,42b,42c…42n)
を介在させてそれぞれ並列に接続して構成されている。
よって、電子制御装置30により各スイッチ(42a,
42b,42c…42n)が回路を開閉すると、その開
閉状態により、ダミー抵抗40の抵抗値(合成抵抗値)
は、R,R/2,R/3…R/nと変化する。
【0065】この第2実施例における燃料電池10の起
動ルーチンは、図5に示すように、まず、ダミー抵抗4
0に制御信号(スイッチオン信号)を出力してスイッチ
42aをオンする(ステップS300)。これにより、
ダミー抵抗40の抵抗値はRに一旦設定される。その後
は、第1実施例における起動ルーチンのステップS10
0からステップS135までの一連の処理(ダミー抵抗
接続・開放処理)を順次実行する(ステップS31
0)。つまり、抵抗値がRとされたダミー抵抗40との
接続および開放を、PEFCモジュール10A〜10N
までの各PEFCモジュールについて順次実行する。こ
れにより、各PEFCモジュールでは、所定のオン時間
TONに亘るダミー抵抗40との接続およびその後の開放
がされるので、各PEFCモジュールについての負荷電
流の変動が抵抗値Rのダミー抵抗40により起きる。な
お、この場合のオン時間TONも、燃料電池10の備える
PEFCモジュールのモジュール数等を考慮して適宜定
めればよい。
【0066】ステップS310に続いては、ダミー抵抗
40に制御信号(スイッチオン信号)を出力してスイッ
チ42aとスイッチ42bをオンする(ステップS32
0)。これにより、ダミー抵抗40の抵抗値はR/2に
変更される。その後は、上記した一連のダミー抵抗接続
・開放処理を実行する(ステップS330)。つまり、
抵抗値がR/2とされたダミー抵抗40との接続および
開放を、PEFCモジュール10A〜10Nまでの各P
EFCモジュールについて順次実行する。これにより、
各PEFCモジュールについての負荷電流の変動が抵抗
値R/2のダミー抵抗40により起きる。
【0067】その後は、オンするダミー抵抗40のスイ
ッチを一つずつ増やして(ステップS340,360)
ダミー抵抗40の抵抗値を小さくし、抵抗値を低くした
都度にダミー抵抗接続・開放処理を実行して(ステップ
S350,370)、ダミー抵抗40との接続および開
放を各PEFCモジュールについて順次実行する。そし
て、第1実施例と同様に、出力電圧監視ルーチンにより
強制的にダミー抵抗40との接続が断たれるまで上記し
た処理を繰り返す。
【0068】以上説明したように、この第2実施例の燃
料電池10では、各PEFCモジュールについてダミー
抵抗40との接続および開放を通してその負荷電流を変
動する際に、ダミー抵抗40とPEFCモジュールとを
接続するごとに、ダミー抵抗40の抵抗値を減少する。
よって、図6に示すように、ダミー抵抗40とそれぞれ
のPEFCモジュールとの接続により負荷電流を流す際
の負荷電流量を各PEFCモジュールについて徐々に増
大させて、負荷電流の深くなる程度を各PEFCモジュ
ールについてのダミー抵抗40との接続ごとに徐々に高
める。
【0069】このため、第2実施例の燃料電池10によ
れば、各PEFCモジュールにおけるそれぞれの燃料電
池セルのカソード側での生成水量を無理なく徐々に増大
させて、固体高分子電解質膜をより早期のうちに均一な
水分分布の湿潤状態にすることができる。この結果、第
2実施例の燃料電池10によれば、適正な出力電圧(起
電力)を起動時からより短時間で得ることができる。し
かも、第2実施例の燃料電池10によれば、負荷電流の
深くなる程度の漸増を通して、燃料電池10全体として
の起動時における出力変動を抑制でき、燃料電池10の
起動時における出力電圧をほぼ時間に比例して上昇させ
ることができる。
【0070】また、この第2実施例の燃料電池10で
も、第1実施例の燃料電池10と同様に、ダミー抵抗4
0を必要とするに過ぎないことから、部品点数の低減や
抵抗の小型化等を図ることができる。
【0071】次に、第3実施例の燃料電池10について
説明する。この第3実施例の燃料電池10では、上記し
た第2実施例の燃料電池10と起動ルーチンにおける処
理内容が次のように異なる。つまり、それぞれのPEF
Cモジュールとダミー抵抗40との接続および開放を行
なう際に、図7に示すように、最初の接続時にはオン時
間TONに亘ってダミー抵抗40の抵抗値をRとし、次回
の接続時以降には、このオン時間TONの間においてダミ
ー抵抗40の抵抗値を漸減しつつダミー抵抗40との接
続を図る。
【0072】このため、この第3実施例の燃料電池10
では、それぞれのPEFCモジュールとダミー抵抗40
との接続の間においても負荷電流量を漸増させて負荷電
流の変動を図り、負荷電流の深くなる程度をダミー抵抗
40との接続の間に徐々に高めることができる。よっ
て、各燃料電池セルのカソード側での生成水量を無理な
く徐々に増大させて各燃料電池セルの固体高分子電解質
膜をより早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にする
ことができる。この結果、第3実施例の燃料電池10に
よれば、適正な出力電圧(起電力)を起動時からより短
時間で得ることができる。具体的には、第3実施例の燃
料電池10では、燃料電池10と外部負荷16とを起動
時に即座に接続する従来の燃料電池のほぼ半分程度の時
間で適正な出力電圧を得ることができた。
【0073】しかも、第3実施例の燃料電池10にあっ
ても、負荷電流の深くなる程度の漸増を通して、燃料電
池10全体としての起動時における出力変動を抑制で
き、燃料電池10の起動時における出力電圧をほぼ時間
に比例して上昇させることができる。また、第3実施例
の燃料電池10によれば、各PEFCモジュールとダミ
ー抵抗40との接続当初に燃料電池セルに急激な負荷を
かけることがないので、燃料電池セルの固体高分子電解
質膜の損傷を回避することができると共に、その膜厚を
薄くして水素イオンの透過の円滑化を図り電池特性を向
上することができる。
【0074】なお、PEFCモジュールとダミー抵抗4
0との接続の間においてダミー抵抗40の抵抗値を漸減
させるには、図7に示すように、オン時間TONの間にお
いてオンするダミー抵抗40のスイッチを所定時間経過
ごとに一つずつ増やして行けばよい。
【0075】次に、第4実施例の燃料電池10について
説明する。この第4実施例の燃料電池10では、上記し
た各実施例での起動時における起動ルーチン,出力電圧
監視ルーチンに加え、スイッチ18により燃料電池10
が外部負荷16と接続された後に以下に説明する負荷電
流収束制御(負荷電流収束ルーチン)を行なう点で上記
した各実施例の燃料電池10とその構成が異なる。
【0076】この負荷電流収束ルーチンは、出力電圧監
視ルーチンにより外部負荷16が接続されると(ステッ
プS220:図3参照)その接続を受けて開始される処
理である。そして、処理が開始されると、図8のフロー
チャートに示すように、まず、外部負荷16が接続され
たときにダミー抵抗40と接続されているPEFCモジ
ュールについて、ダミー抵抗40との接続状態を継続す
る(ステップS400)。例えば、外部負荷16の接続
時にPEFCモジュール10Bが抵抗値がR/5のダミ
ー抵抗40と接続されていれば、このPEFCモジュー
ル10Bとダミー抵抗40との接続およびダミー抵抗4
0におけるスイッチの開閉状態(抵抗値がR/5である
のでスイッチ42a,42b,42c,42d,42e
がオン)をそのまま継続する。なお、この第3実施例に
おける出力電圧監視ルーチンのステップS210(図3
参照)では、切り換えスイッチ22の初期位置復帰はな
されず、ダミー抵抗40とPEFCモジュールとは接続
されたままである。また、以下の説明においては、外部
負荷16の接続時にはPEFCモジュール10Bがダミ
ー抵抗40(スイッチ42a,42b,42c,42
d,42eがオン)と接続されいることを想定して説明
することとする。
【0077】ステップS400に続いては、ダミー抵抗
40との接続状態を継続してから所定のオン時間TEND
(<TON)が経過したか否かを判断し(ステップS40
5)、肯定判断されるまで待機する。これにより、外部
負荷16の接続時にダミー抵抗40と接続されているP
EFCモジュール10Bには、外部負荷16との接続後
にも所定のオン時間TEND に亘ってダミー抵抗40(抵
抗値R/5)による負荷電流が継続して流れ、このPE
FCモジュール10Bにおける負荷電流は維持される。
【0078】ステップS405で肯定判断すると、切り
換えスイッチ22に制御信号を出力してダミー抵抗40
と次順序のPEFCモジュール、この場合にはPEFC
モジュール10Cとを接続し(ステップS410)、そ
れまでダミー抵抗40と接続されていたPEFCモジュ
ール10Bを開放する。続いて、PEFCモジュール1
0Cを選択的に接続してからの経過時間を計時しこれが
所定のオン時間TENDに達したか否かを判断し(ステッ
プS415)、肯定判断されるまで待機する。これによ
り、PEFCモジュール10Cには所定のオン時間TEN
D に亘って負荷電流が流れる。その一方で、PEFCモ
ジュール10Bはダミー抵抗40から開放されてダミー
抵抗40による負荷電流は流れなくなることになる。
【0079】その後、総てのPEFCモジュールについ
て、順次ダミー抵抗40との選択的な切り換え接続およ
びオン時間TEND の待機を行ない、最終順序のPEFC
モジュール、この場合にはPEFCモジュール10Aと
の選択的接続(ステップS420)、オン時間TEND の
待機(ステップS425)を行なう。つまり、抵抗値が
R/5のダミー抵抗40との接続および開放をPEFC
モジュール10B,10C…10NおよびPEFCモジ
ュール10Aの順に行ない、抵抗値がR/5のダミー抵
抗40による負荷電流を各PEFCモジュールについて
外部負荷16の接続後にも継続して流す。なお、総ての
PEFCモジュールについてのダミー抵抗40との選択
的な切り換え接続およびオン時間TEND の待機の一連の
処理を、以下ダミー抵抗接続・開放継続処理(ステップ
S430)という。
【0080】そして、ステップS430に続いては、ダ
ミー抵抗40に制御信号(スイッチオフ信号)を出力し
てスイッチ42eをオフする(ステップS440)。こ
れにより、ダミー抵抗40の抵抗値はR/4に増大変更
される。その後は、上記した一連のダミー抵抗接続・開
放継続処理を実行し(ステップS450)、引き続いて
スイッチ42d,42c,42bのオフ(ステップS4
60,480)、並びにダミー抵抗接続・開放継続処理
を実行する(ステップS470,490)。これによ
り、ダミー抵抗40の抵抗値がR/4,R/3,R/
2,Rと増大変更されるごとに、PEFCモジュール1
0B,10C…10NおよびPEFCモジュール10A
の順にダミー抵抗40との接続および開放がなされる。
【0081】ステップS490に続いては、切り換えス
イッチ22に制御信号(初期位置復帰指令)を出力して
切り換えスイッチ22を初期位置に復帰させ(ステップ
S500)、これ以降は総てのPEFCモジュールとダ
ミー抵抗40との接続を断つ。
【0082】以上説明したように、この第4実施例の燃
料電池10では、あるPEFCモジュールについての起
動時からの負荷電流の変化の様子を表わす図9に示すよ
うに、外部負荷16との接続後にも各PEFCモジュー
ルに継続してダミー抵抗40による負荷電流を流し、そ
の負荷電流をダミー抵抗40の抵抗値を増大変更を通し
て徐々に減少させやがてゼロとする。この結果、第4実
施例の燃料電池10によれば、外部負荷16の接続直後
におして負荷電流を急変させないので、燃料電池セルの
固体高分子電解質膜の損傷を回避することができると共
に、その固体高分子電解質膜の薄膜化を通して水素イオ
ンの膜透過の円滑化を図り電池特性を向上することがで
きる。
【0083】次に、第5実施例の燃料電池10について
説明する。この第5実施例の燃料電池10では、負荷電
流収束ルーチンのステップS405,415,425等
における外部負荷接続後のオン時間TEND を外部負荷接
続前の起動時のオン時間TONと等しくした点でのみ、上
記の第4実施例と相違する。このように構成した第5実
施例の燃料電池10によっても、あるPEFCモジュー
ルについての起動時からの負荷電流の変化の様子を表わ
す図10に示すように、外部負荷16の接続直後におし
て負荷電流を急変させないので、燃料電池セルの固体高
分子電解質膜の損傷を回避することができる。
【0084】次に、第6実施例の燃料電池50について
説明する。なお、以下の説明に当たっては、第1実施例
の燃料電池10と同一の機能又は構成を有する部材につ
いては第1実施例と同一の符号を付してその説明を省略
し、異なる構成について詳述することとする。
【0085】図11に示すように、燃料電池50は、そ
の構成単位である図示しない燃料電池セルの各々のアノ
ードに水素ガスを供給する水素ガス供給管52および過
剰水素ガスを電池外に排出する水素ガス排出管54と、
燃料電池セルの各々のカソードに酸素ガスを供給する酸
素ガス供給管56および過剰酸素ガスを電池外に排出す
る酸素ガス排出管58とを備える。そして、各燃料ガス
の供給管には、その上流側から、管路を通過するガスの
圧力を調整する圧力調整バルブ60,62と、管路を通
過するガスの流量を調整する流量調整器(マスフローコ
ントローラ:略号MFC)64,66と、管路を通過す
るガスをバブリングして加湿する加湿器68,70とが
設けられている。また、各燃料ガスの排出管には、管路
を通過するガスの圧力調整を通して管路のガス背圧を調
整する背圧調整バルブ72,74が設けられている。な
お、上記した圧力調整バルブ60,62、流量調整器6
4,66、背圧調整バルブ72,74のそれぞれは、所
定の調整圧力又は流量に予め設定されている。
【0086】この第6実施例のは燃料電池50は、外部
負荷16と並列に二つのダミー抵抗76,78を備え、
このダミー抵抗76,78のそれぞれは、加湿器68,
70における発熱抵抗として当該加湿器68,70に装
着されている。また、ダミー抵抗76,78のそれぞれ
は、燃料電池50から外部負荷16への給電ラインにス
イッチ80,82を介して個別に接続されている。な
お、ダミー抵抗76,78の構成並びにガス加湿器への
装着の様子については後述する。
【0087】このほか、燃料電池50は、第1実施例の
燃料電池10と同様に、スイッチ18と電圧計24と電
子制御装置30とを備える。そして、電子制御装置30
により、上記したスイッチ80,82やスイッチ18の
開閉を行なう。
【0088】水素ガス供給管52に設けられた加湿器6
8は、図12に示すように、内部に加湿用の水を貯留す
る金属製の容器本体68aと、水素ガス供給管52に接
続され容器本体68aに水素ガスを導入する導入管68
bと、水素ガス供給管52に接続され容器本体68aか
ら加湿済みの水素ガスを排出する排出管68cとを備え
る。この導入管68bは、その先端が容器本体68aの
貯留水中に位置し、貯留水中に水素ガスを導入してバブ
リングするよう設けられている。一方、排出管68c
は、その先端が貯留水に浸からないように位置し、バブ
リングされて貯留水水面から出てきた水素ガスを容器本
体68aから排出するよう設けられている。なお、酸素
ガス供給管56に設けられた加湿器70は、その構成が
加湿器68と同一なのでその説明を省略する。
【0089】また、加湿器68には、金属製の容器本体
68aの外周壁にダミー抵抗76が装着されている。つ
まり、ダミー抵抗76は、面状発熱体76a〜76nか
らなり、隣合う面状発熱体を直列に接続して構成され
る。各面状発熱体は、容器本体68aの外周壁に適宜な
方法、例えば接着,埋設等により固定されている。そし
て、面状発熱体76aは燃料電池50における給電ライ
ンに、面状発熱体76nはスイッチ80にそれぞれ接続
されており(図11参照)、スイッチ80の開閉でダミ
ー抵抗76の各面状発熱体76a〜76nに通電され
る。従って、加湿器68は、スイッチ80を介した通電
によるダミー抵抗76の各面状発熱体76a〜76nの
発熱により、容器本体68aの外周壁を通して貯留水を
加温することができる。
【0090】この面状発熱体76aと面状発熱体76n
とは、図示しない発熱用電源と、電子制御装置30によ
り開閉駆動する図示しない発熱用開閉スイッチを介して
接続されている。このため、燃料電池50の定常運転時
にあっては、各面状発熱体76a〜76nには電子制御
装置30による発熱用開閉スイッチの開閉を介して通電
されるため、各面状発熱体76a〜76nの発熱を通し
て加湿器68の貯留水は所定温度に維持される。
【0091】この実施例にあっては、ダミー抵抗76を
面状発熱体76a〜76nに分割して構成したが、単一
の面状発熱体、例えばシリコーンラバーヒータの如く柔
軟性を備えた面状発熱体とすることもできることは勿論
である。具体的には、帯状のシリコーンラバーヒータを
容器本体68aの外周壁に巻き付け、当該ヒータを密着
固定すればよい。
【0092】なお、加湿器68は、各面状発熱体を容器
本体68aの外周壁に固定した状態で、図示しない断熱
容器に収納されている。また、加湿器68には、貯留水
の温度を検出するための温度センサ(図示省略)や加湿
器内のガス圧を測定するための圧力センサ(図示省略)
等が必要に応じて備え付けられる。
【0093】上記した構成を備える第6実施例の燃料電
池50では、図示しない外部負荷起動スイッチがオンさ
れると、次のようにしてスイッチ80,82をオン・オ
フし、燃料電池50に、詳しくは燃料電池50を構成す
る燃料電池セルに負荷電流の変動(負荷電流の浅い・深
い)を起こさせる。つまり、外部負荷起動スイッチがオ
ンされると、まず、電子制御装置30によりスイッチ8
0をオンとして、アノード側の加湿器68のダミー抵抗
76(面状発熱体76a〜76n)と燃料電池50とを
接続する。続いて、燃料電池50と加湿器68のダミー
抵抗76とを接続してからの経過時間を計時しこれが所
定のオン時間TONに達した時点で、スイッチ80をオフ
として加湿器68のダミー抵抗76との接続を断つ。
【0094】次いで、ダミー抵抗76との接続を断って
からの経過時間を計時しこれが所定のオフ時間TOFF に
達した時点でスイッチ82をオンとして、カソード側の
加湿器70のダミー抵抗78(面状発熱体78a〜78
n)と燃料電池50とを接続する。その後は、燃料電池
50とカソード側の加湿器70のダミー抵抗78との接
続をオン時間TONに亘って継続した後にスイッチ82を
オフして当該接続を遮断し、オフ時間TOFF の経過後に
燃料電池50とアノード側の加湿器68のダミー抵抗7
6とを接続する。そして、それ以降は、上記したスイッ
チ80およびスイッチ82のオン・オフの繰り返しを介
して、オフ時間TOFF ごとにオン時間TONに亘って燃料
電池50とダミー抵抗76又はダミー抵抗78のいずれ
かを交互に接続し、燃料電池50との接続・開放が繰り
返される。
【0095】従って、燃料電池50には所定のオン時間
TONに亘ってダミー抵抗76又はダミー抵抗78のいず
れかにより負荷電流が流れ、燃料電池50における負荷
電流が深くなる。一方、所定のオン時間TONの経過後の
オフ時間TOFF に亘っては、燃料電池50は上記両ダミ
ー抵抗から開放されて当該ダミー抵抗による負荷電流は
流れなくなるので、その負荷電流は浅くなる。このた
め、燃料電池50には、外部負荷16に給電される以前
の起動時において負荷電流の浅い・深いが繰り返し起き
ることになる。
【0096】上記したスイッチ80およびスイッチ82
のオン・オフを繰り返す一方で、燃料電池50では、第
1実施例の燃料電池10とほぼ同様の出力電圧監視制御
が行なわれている。つまり、外部負荷起動スイッチがオ
ンされると、電圧計24からの出力電圧の読み込みを繰
り返し、読み込んだ出力電圧が適正であればスイッチ8
0およびスイッチ82の両スイッチを共にオフとして、
それ以降の燃料電池50とダミー抵抗76,78との接
続を断つ。そして、当該接続を断ってからスイッチ18
をオンとして外部負荷16と燃料電池50とを接続し、
外部負荷16に給電を開始する。従って、出力電圧が適
正となりスイッチ80およびスイッチ82の両スイッチ
が共にオフとされるまで、上記した負荷電流の浅い・深
いが繰り返されることになる。
【0097】以上説明したように、第6実施例の燃料電
池50にあっても、ダミー抵抗76,78による負荷電
流の浅い・深いの繰り返しを起こすことができるので、
既述したように、燃料電池50を構成する各燃料電池セ
ルにおける固体高分子電解質膜の水分不足や水分過多の
偏在を順次解消することができる。よって、この第6実
施例の燃料電池50によっても、各燃料電池セルの固体
高分子電解質膜を早期のうちに均一な水分分布で湿潤化
させて、適正な出力電圧(起電力)を起動時から短時間
で得ることができる。
【0098】しかも、この第6実施例の燃料電池50で
は、起動時間短縮のための上記したダミー抵抗76,7
8と燃料電池50との接続により、電池起動時における
負荷電流のダミー抵抗への通電を通して両ダミー抵抗を
発熱させる。この結果、燃料電池50によれば、アノー
ド側およびカソード側の両加湿器の貯留水を電池起動時
の間に加温し燃料ガスを加温・加湿するので、早期のう
ちに加湿燃料ガス温度を電池の定常運転時における温度
に近づけて供給でき運転効率を向上することができる。
【0099】また、電池起動時における燃料電池50か
らの負荷電流の通電によりダミー抵抗76,78を介し
て予め加湿器68,70の貯留水を加温するので、燃料
電池50の定常運転時に加湿器68,70の貯留水温度
を所定温度に維持するための発熱用電源の容量の大型化
を必要としない。このため、燃料電池50によれば、発
熱用電源の小型化を通した燃料電池50全体の小型軽量
化やコスト低減、および燃料電池50の搭載対象物、例
えば電気自動車等の軽量化を図ることができる。
【0100】次に、第7実施例の燃料電池50について
説明する。この第7実施例の50は、上記した第6実施
例の燃料電池50と、ダミー抵抗76,78の各面状発
熱体の接続の仕方が異なる。つまり、図13に示すよう
に、第7実施例の燃料電池50では、隣合う面状発熱体
はそれぞれ並列に接続されて給電ラインと接続されてお
り、各々の面状発熱体76a〜76nは、電子制御装置
30によりオン・オフするスイッチ77a〜77nを介
在してスイッチ80に接続されている。よって、電子制
御装置30により上記各スイッチ77a〜77nが回路
を開閉すると、その開閉状態により、ダミー抵抗76と
しての抵抗値(合成抵抗値)は、R,R/2,R/3…
R/nと変化する。
【0101】この第7実施例における燃料電池50で
は、第2実施例又は第3実施例における燃料電池10と
ほぼ同様の起動ルーチンが実行される。つまり、スイッ
チ80と共にオンするスイッチ77a〜77nの数を順
次増加させて、燃料電池50とダミー抵抗76との接続
の都度の抵抗値を徐々に小さくし、抵抗値を低くした都
度に燃料電池50とダミー抵抗76との接続・開放を行
なって負荷電流の変動を起こす。或いは、スイッチ80
をオンして燃料電池50とダミー抵抗76とを接続して
いる間に、オンするスイッチ77a〜77nの数を順次
増加させてダミー抵抗76の抵抗値を徐々に小さくし、
負荷電流の変動を起こす。
【0102】上記の第7実施例における燃料電池50で
あっても、既述した実施例と同様に、適正な出力電圧
(起電力)を起動時からより短時間で得ることができる
と共に、加湿燃料ガスの早期昇温を通した運転効率の向
上や、発熱用電源および燃料電池50全体の小型軽量化
やコスト低減,燃料電池搭載対象物(電気自動車等)の
軽量化を図ることができる。
【0103】次に、ダミー抵抗20,40およびダミー
抵抗76,78を用いない他の実施例について説明す
る。まず、第8実施例の燃料電池90について説明す
る。なお、以下の説明に当たっては、上記した各実施例
の燃料電池と同一の機能又は構成を有する部材について
は該当する実施例と同一の符号を付してその説明を省略
し、異なる構成について詳述することとする。
【0104】図14に示すように、燃料電池90は、燃
料電池セルから構成されるPEFCモジュールを複数個
(N個)備え、各PEFCモジュール10A〜10Nを
図示しない電気配線にて直列に接続して開回路を形成す
る。なお、図示しない外部負荷(例えば、電気自動車用
の駆動モータ等)は、図示しないスイッチにより燃料電
池90と接続される。
【0105】燃料電池90は、各PEFCモジュール1
0A〜10Nに分岐して配設された水素ガス供給管52
と、各PEFCモジュール10A〜10Nから合流して
配設された水素ガス排出管54を備える。そして、水素
ガス供給管52には、圧力調整バルブ60と流量調整器
64と加湿器68とが、各PEFCモジュール10A〜
10Nへの分岐点の上流に設けられており、分岐点下流
の各分岐管路には逆止弁92がそれぞれ設けられてい
る。一方、水素ガス排出管54側では、管路を通過する
ガスの圧力調整を通して管路のガス背圧を調整するアノ
ード側背圧調整バルブ94A〜94Nと逆止弁96と
が、各PEFCモジュール10A〜10Nの各分岐管路
にPEFCモジュール側から順に設けられている。この
各アノード側背圧調整バルブ94A〜94Nは、各PE
FCモジュールから排出される水素ガスの背圧を電子制
御装置30からの制御信号に基づき変更する。なお、酸
素ガスの供給管路(酸素ガス供給管56,酸素ガス排出
管58)についても、水素ガスの供給管路と同様に構成
されており、酸素ガス排出管58側には、管路のガス背
圧を調整するカソード側背圧調整バルブ95A〜95N
(図示省略)が、各PEFCモジュール10A〜10N
の各分岐管路ごとに設けられている。
【0106】このほか、燃料電池90は、第1実施例の
燃料電池10と同様に、電圧計24と電子制御装置30
とを備えると共に、各PEFCモジュールのインピーダ
ンスを測定するインピーダンス計98を備える。
【0107】次に、上記した構成を備える第8実施例の
燃料電池90がその起動時に実施する起動制御(起動ル
ーチン)について、図15のフローチャートに基づき説
明する。なお、この第8実施例の燃料電池90における
起動ルーチンも、図示しない外部負荷起動スイッチがオ
ンされるとそのオン信号を受けて開始される。
【0108】図15のフローチャートに示すように、こ
の起動ルーチンでは、処理が開始されると、まず、アノ
ード側背圧調整バルブ94Aおよびカソード側背圧調整
バルブ95Aに制御信号(背圧昇圧指令)を出力して当
該両バルブを昇圧調整しPEFCモジュール10Aの背
圧を、アノード側およびカソード側について、定常運転
時の基準背圧P0 から△Pだけ昇圧する(ステップS5
00)。なお、この場合、他のアノード側背圧調整バル
ブ94B〜94Nおよびカソード側背圧調整バルブ95
A〜95Nについては、基準背圧P0 のままである。続
いて、PEFCモジュール10Aの背圧を昇圧してから
の経過時間を計時しこれが所定の昇圧時間TUPに達した
か否かを判断し(ステップS505)、肯定判断される
まで待機する。これにより、PEFCモジュール10A
では、所定の昇圧時間TUPに亘ってその背圧が高くされ
る(P0 +△P)。
【0109】この場合、背圧を昇圧する昇圧時間TUP
は、燃料電池90の備えるPEFCモジュールのモジュ
ール数や昇圧圧力(△P),固体高分子電解質膜の膜厚
等を考慮して、例えば実験計画法等により定めればよ
い。
【0110】ステップS505で肯定判断すると、アノ
ード側背圧調整バルブ94B,カソード側背圧調整バル
ブ95Bに制御信号(背圧昇圧指令)を出力して当該バ
ルブを昇圧調整しPEFCモジュール10Bの背圧を、
基準背圧P0 から△Pだけ昇圧する(ステップS51
0)。この際、アノード側背圧調整バルブ94A,カソ
ード側背圧調整バルブ95Aは、その調整背圧が基準背
圧P0 となるよう復帰制御される。続いて、PEFCモ
ジュール10Bの背圧を昇圧してからの経過時間を計時
しこれが所定の昇圧時間TUPに達したか否かを判断し
(ステップS515)、肯定判断されるまで待機する。
これにより、PEFCモジュール10Bでは、所定の昇
圧時間TUPに亘ってその背圧が高くされる(P0 +△
P)。その一方で、PEFCモジュール10Aはその背
圧が基準背圧P0 に復帰されるので、PEFCモジュー
ル10Aについては、△Pだけの背圧昇圧および背圧降
圧(基準背圧P0 への復帰降圧)が起きることになる。
【0111】従って、PEFCモジュール10Aを構成
する各燃料セルについては、その背圧が昇圧されている
間(ステップS505での待機期間)において、電気化
学的反応の活性が高まり反応が促進される。このため、
カソード側での生成水量が増加すると共に、アノード側
で生成された水素イオンのアノードからカソードに向け
た水和状態での固体高分子電解質膜における拡散促進を
通して、固体高分子電解質膜中に水素イオンに付随して
存在する水分子の数が多くなる。そして、この状態から
背圧が降圧されて電気化学的反応の活性が低下して反応
が抑制されるため、カソード側での水分生成と固体高分
子電解質膜における水素イオンの拡散がその時点で抑制
される。よって、カソード側における水分過剰とアノー
ド側における水消費を経た水分不足が一旦緩和され、し
かも、固体高分子電解質膜における水分子の自然拡散が
進行し固体高分子電解質膜における水分不足や水分過多
の偏在が解消に向かう。
【0112】ステップS515で肯定判断すると、PE
FCモジュール10Cについてのアノード側およびカソ
ード側の背圧昇圧(ステップS520),所定の昇圧時
間TUP待機(ステップS525)、更にPEFCモジュ
ール10DからPEFCモジュール10Nまでの各PE
FCモジュールについてのアノード側およびカソード側
の背圧昇圧(ステップS530),所定の昇圧時間TUP
待機(ステップS535)を実行し、その後はステップ
S500からの処理を繰り返す。つまり、PEFCモジ
ュール10A〜10Nまでの各PEFCモジュールにつ
いて、順次、その背圧の昇圧および昇圧後の降圧を行な
うと、再度PEFCモジュール10Aから、背圧の昇圧
および昇圧後の降圧を繰り返す。
【0113】この一連の処理により、PEFCモジュー
ル10A〜10Nまでの各PEFCモジュールについて
アノード側,カソード側の背圧の昇圧および降圧の繰り
返しが起きることになる。よって、PEFCモジュール
10A〜10Nまでの各PEFCモジュールの各燃料電
池セルについても、背圧の昇圧および降圧の繰り返しを
通した電気化学的反応の活性の変動を経て、既述したよ
うに固体高分子電解質膜における水分子の自然拡散が進
行し、固体高分子電解質膜における水分不足や水分過多
の偏在が解消に向かう。
【0114】上記したアノード側の背圧の昇圧および降
圧を繰り返す一方で、この第8実施例の燃料電池90で
は、第1実施例の燃料電池10とほぼ同様の出力電圧監
視制御が行なわれている。つまり、外部負荷起動スイッ
チがオンされると、電圧計24からの出力電圧の読み込
みを繰り返し、読み込んだ出力電圧が適正であれば総て
のアノード側背圧調整バルブ94A〜94Nおよびカソ
ード側背圧調整バルブ95A〜95Nを、その調整背圧
が基準背圧P0 となるよう復帰させる。そして、基準背
圧P0 に復帰してから図示しないスイッチをオンとして
外部負荷と燃料電池90とを接続し、外部負荷に給電を
開始する。従って、出力電圧が適正となるまで、上記し
たアノード側,カソード側の背圧の昇圧および降圧が繰
り返されることになる。
【0115】以上説明したように第8実施例の燃料電池
90では、出力電圧が適正とされるまでの間に亘って、
起動時ルーチンによるアノード側,カソード側の背圧の
昇圧および降圧の繰り返しを通して各PEFCモジュー
ルの各燃料電池セルについて電気化学的反応の活性を変
動させる。このため、PEFCモジュール10A〜10
Nまでの各PEFCモジュールについて、各燃料電池セ
ルにおける固体高分子電解質膜の水分不足や水分過多の
偏在を順次解消することができる。よって、本実施例の
燃料電池90によれば、各燃料電池セルの固体高分子電
解質膜を早期のうちに均一な水分分布で湿潤化させて、
適正な出力電圧(起電力)を起動時から短時間で得るこ
とができる。
【0116】ここで、PEFCモジュール10A〜10
Cまでの3つのPEFCモジュールを有する燃料電池9
0を例に採り、具体的に説明する。図16に示すよう
に、起動時において最初に背圧の昇圧および降圧が行な
われるPEFCモジュール10Aでは、その背圧の昇圧
による電気化学反応の活性の高まりに基づいて出力電圧
Eの上昇が起き、その後の降圧による活性の低下に基づ
いて一旦出力電圧Eが低下する。このような出力電圧E
の上昇・低下は各PEFCモジュールについて時間差を
持って順次繰り返し起きる。しかし、背圧の昇圧および
降圧により、各燃料電池セルの固体高分子電解質膜の均
一な水分分布と湿潤化は速まるので、出力低下後におけ
る出力電圧Eの上昇は加速される。なお、各PEFCモ
ジュールについての出力電圧Eについてのグラフ中に一
点鎖線で示した軌跡は、燃料電池90と外部負荷とを起
動時に即座に接続する従来の燃料電池で得られる出力電
圧Eのものである(最下段グラフ参照)。
【0117】このため、3つのPEFCモジュールのそ
れぞれにおいて勿論、燃料電池90全体としても出力電
圧Eは早期のうちに適正なものとなる。換言すれば、本
実施例の燃料電池90によれば、出力電圧が適正なもの
となるまでの起動時間を短縮することができる。この場
合には、従来の燃料電池に比べて70%(t1/t2)
の時間で適正な出力電圧を得ることができた。
【0118】しかも、3つのPEFCモジュールについ
て背圧の昇圧および降圧の実施タイミングがずれている
ので、燃料電池90としては適正な出力電圧を得るまで
の電圧変動を抑制することができる。このため、燃料電
池90によれば、下記のような利点がある。
【0119】一般に、出力電圧に基づいて種々の制御を
行なうシステム、例えば既述した出力電圧監視ルーチン
(図3参照)のように出力電圧を常時読み込みその値に
応じて何らかの処理をするシステムでは、出力電圧の不
規則な変動によりその都度当該処理が実行されたり中止
されたりしないよう、いわゆるヒステリシスを持たせて
いる。つまり、制御に安全マージンを設けている。よっ
て、燃料電池の総てのPEFCモジュールについて背圧
の昇圧および降圧を同時に行なった場合には、電圧変動
が大きいためにヒステリシス幅を広くして安全マージン
を大きく設定しなければならない。しかし、本実施例の
燃料電池90では、背圧の昇圧および降圧を各PEFC
モジュールごとに順次行なって電圧変動を抑制している
ので、ヒステリシス幅を狭くして安全マージンを少なく
することができる。この結果、燃料電池90では、精度
の高い制御を行なうことができる。また、何らかの原因
で出力電圧が不用意に急変しても、燃料電池90では、
このような異常発生に対して速やかに対応することがで
きる。
【0120】また、この第8実施例の燃料電池90で
は、背圧の昇圧および降圧をPEFCモジュール10A
〜10Nのうちの一つのPEFCモジュールについての
みで行ない、背圧の昇圧および降圧の対象となるPEF
Cモジュールを順次変えていく。このため、一つのPE
FCモジュールについてのみしか背圧の急変によりガス
流量が変化しない。よって、総てのPEFCモジュール
について同時に背圧の昇圧および降圧を行なう場合に比
べてガス流量の変化を小さくすることができる。この結
果、燃料電池90によれば、第1に、各PEFCモジュ
ール下流の水素ガス排出管54,酸素ガス排出管58の
分岐管路を小径のものとすることができ、第2に、当該
管路を容易に保温することができる。従って、燃料電池
90自体はもとより、燃料電池90が搭載される電気自
動車等の軽量化を図ることができる。加えて、燃料電池
90では、ガス流量の変化が小さいので、ガス排出管の
排気口からの排気音変動を小さくすることができる。
【0121】次に、第9実施例の燃料電池90について
説明する。この第9実施例の燃料電池90は、その起動
時に行なう起動ルーチンの処理の内容が上記した第8実
施例の燃料電池90と異なる。即ち、既述した背圧昇圧
処理(ステップS500,510,520,530)と
所定の昇圧時間TUPの経過判断処理(ステップS50
5,515,525,535)の一連の処理単位が次の
ように異なる。
【0122】図17に示すように、第9実施例の燃料電
池90が行なう起動ルーチンでは、第8実施例の燃料電
池90と同様に、まず、ある一つのPEFCモジュール
について背圧昇圧処理(ステップS600)と所定の昇
圧時間TUPの経過判断処理(ステップS605)とを行
なう。そして、ステップS605で肯定判断した場合に
は、第8実施例の燃料電池90にはない新たな処理を行
なう。
【0123】つまり、ステップS605で肯定判断すれ
ば、それまで背圧を昇圧していたある一つのPEFCモ
ジュールについてアノード側,カソード側の背圧調整バ
ルブによりその背圧を基準背圧P0 から△Pだけ降圧す
る(ステップS610)。その後、電圧計24から出力
電圧を読み込み(ステップS620)、読み込んだ出力
電圧に応じて残りのPEFCモジュールについて背圧を
基準背圧P0 から昇圧する(ステップS630)。次い
で、上記ある一つのPEFCモジュールについて背圧の
降圧を開始してからの経過時間を計時し所定の降圧時間
TDOWNに達したか否かを判断し(ステップS635)、
肯定判断されるまでステップS620,630を繰り返
す。そして、ステップS635で肯定判断すれば、背圧
の昇圧および降圧の実行対象となるPEFCモジュール
を他の一つのPEFCモジュールとし、この他の一つの
PEFCモジュールについてステップS600〜635
までの処理を行なう。
【0124】これにより、上記ある一つのPEFCモジ
ュールでは、所定の昇圧時間TUPに亘ってその背圧が昇
圧(P0 +△P)された後、所定の降圧時間TDOWNに亘
ってその背圧が降圧(P0 −△P)される。しかし、残
りのPEFCモジュールでは、上記ある一つのPEFC
モジュールで背圧が降圧されている所定の降圧時間TDO
WNに亘っては、その背圧が昇圧され、その昇圧の程度は
読み込んだ出力電圧に応じて定められる。例えば、出力
電圧が高ければ昇圧程度は少なくされる。
【0125】ここで、PEFCモジュール10A〜10
Cまでの3つのPEFCモジュールを有する燃料電池9
0を例に採り、具体的に説明する。図18に示すよう
に、PEFCモジュール10Aについては、時刻t1,
t4において、背圧昇圧後の降圧が行なわれ(ステップ
S610)、PEFCモジュール10Bについては時刻
t2,t5において、PEFCモジュール10Cについ
ては時刻t3,t6において、背圧昇圧後の降圧がそれ
ぞれ行なわれる。このため、ある一のPEFCモジュー
ルについては、例えばPEFCモジュール10Aについ
ては時刻t1,t4において出力電圧Eの一時的な低下
が見られるが、残りの二つのPEFCモジュールについ
てはこの時刻t1,t4では、ステップS630による
背圧の昇圧により出力電圧Eは上昇する。つまり、PE
FCモジュール10Aでの背圧の降圧による出力電圧の
低下を、残りのPEFCモジュール10B,10Cでの
背圧の昇圧による出力電圧の上昇により打ち消す。な
お、各PEFCモジュールについての出力電圧Eについ
てのグラフ中に一点鎖線で示した軌跡は、燃料電池90
と外部負荷とを起動時に即座に接続する従来の燃料電池
で得られる出力電圧Eのものである(最下段グラフ参
照)。
【0126】このため、3つのPEFCモジュールのそ
れぞれにおいては勿論、燃料電池90全体としても出力
電圧Eは早期のうちに適正なものとなる。換言すれば、
本実施例の燃料電池90によれば、出力電圧が適正なも
のとなるまでの起動時間を短縮することができる。この
場合には、従来の燃料電池に比べて70%(t1’/t
2’)の時間で適正な出力電圧を得ることができた。
【0127】しかも、一のPEFCモジュールでの背圧
の降圧による出力電圧の低下を、残りのPEFCモジュ
ールでの背圧の昇圧による出力電圧の上昇により打ち消
すので、燃料電池90としては適正な出力電圧を得るま
での電圧変動をより一層抑制することができる。このた
め、第9実施例の燃料電池90によれば、電圧変動が小
さいための既述した利点(ヒステリシス幅の狭小化に伴
う制御精度向上や異常発生時の速やかな対処,排気音変
動の抑制等)がより顕著となる。
【0128】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。
【0129】例えば、第1実施例の燃料電池10では、
各PEFCモジュールごとにダミー抵抗20との接続お
よび開放を行なうよう構成したが、次のように構成する
こともできる。つまり、ダミー抵抗20の接続対象とな
る接点をPEFCモジュール10Aの+側接点とPEF
Cモジュール10Nの−側接点とし、PEFCモジュー
ル10A〜10Nまでの総てのPEFCモジュールにつ
いてダミー抵抗20との接続および開放を所定時間ごと
に繰り返すよう構成してもよい。このように構成して
も、各PEFCモジュールについて同時に負荷電流を変
動させることができるので、この負荷電流の変動を通し
た負荷電流の浅い・深いを経て固体高分子電解質膜の適
正な湿潤化を図ることができる。よって、この場合で
も、出力電圧を早期のうちに安定化することができる。
【0130】第1実施例の燃料電池10では、その起動
時において出力電圧を監視する出力電圧監視ルーチンを
切り換えスイッチ22を切り換え制御する起動時ルーチ
ンとは別個のルーチンとしたが、これに限るわけではな
い。つまり、起動時ルーチンにおける各PEFCモジュ
ール10Aのダミー抵抗20との接続切り換えの都度
に、電圧計24からの出力電圧の読み込みとその適正判
定を行ない、出力電圧が不適正であれば次のPEFCモ
ジュールのダミー抵抗20との接続および開放を行な
い、適正であればその時点でPEFCモジュールとダミ
ー抵抗20との接続を開放し燃料電池10を外部負荷1
6と接続するよう構成すればよい。
【0131】第3ないし第5実施例の燃料電池10にお
ける起動時のダミー抵抗40の抵抗値減少および外部負
荷16接続後の抵抗値増大(図7,図9,図10参照)
を、階段状に行なうのではなく、2次関数的或いは指数
関数的に変更したりすることもできる。更に、抵抗値を
変更するに当たり、燃料電池10の温度や燃料ガスの加
湿状態並びにその温度等に応じてダミー抵抗40の抵抗
値を変更するよう構成することもできる。また、ダミー
抵抗40としては、スライド式やロータリー式等の適宜
な可変抵抗を用いることができる。
【0132】第6実施例の燃料電池50では、ダミー抵
抗76又はダミー抵抗78のいずれかと交互に接続する
よう構成したが、次のようにすることもできる。つま
り、一方のダミー抵抗、例えばダミー抵抗76について
は起動時から燃料電池50と接続したままとし、所定時
間ごとにダミー抵抗78を追加して燃料電池50と接続
するよう構成する。このように構成すれば、所定時間ご
とのダミー抵抗78の追加接続の都度にダミー抵抗の抵
抗値が変わるので、具体的にはダミー抵抗76単一の場
合の抵抗値からダミー抵抗76とダミー抵抗78の合成
抵抗値に変化するので、燃料電池50に負荷電流の変動
を起こすことができる。
【0133】更に、ダミー抵抗76とダミー抵抗78と
を並列としたが(図11参照)、切り換えスイッチ等を
用いて両者の抵抗の接続状態を並列と直列に切り換え可
能に構成することもできる。このように構成すれば、全
体としての抵抗値を、一方の抵抗単独,両抵抗の直列,
両抵抗の並列の3つの場合の抵抗値とすることができる
ので、燃料電池50に負荷電流の変動を起こすことがで
きる。
【0134】また、第6実施例の燃料電池50におい
て、出力電圧がある程度にまで(例えば、定格の70
%)上昇した時点で、アノード側のダミー抵抗76とカ
ソード側のダミー抵抗78とを同時に接続・開放するよ
う構成することもできる。
【0135】更に、第6実施例の燃料電池50におい
て、加湿器68,70の貯留水温度が低い方についての
ダミー抵抗76又はダミー抵抗78の接続頻度を、他方
のダミー抵抗より高めるよう構成することもできる。こ
のように構成すれば、電池起動時における両加湿器6
8,70の貯留水温度差を低くして、燃料電池50にほ
ぼ同じ温度で加湿済みの燃料ガス(水素ガスおよび酸素
ガス)を供給することができる。
【0136】第8実施例の燃料電池90では、各PEF
Cモジュールについての背圧の昇圧および降圧を行なう
際に、基準背圧P0 から△Pだけ昇圧しその後やはり△
Pだけ降圧するよう構成したが、次のようにすることも
できる。つまり、背圧を基準背圧P0 から所定期間に亘
り△Pだけ昇圧(P0 +△P)した後には、背圧を基準
背圧P0 から所定期間に亘って△Pだけ降圧(P0 −△
P)し、その後基準背圧P0 に復帰するよう構成するこ
ともできる。このように構成すれば、背圧の変動量を大
きくできるため、固体高分子電解質膜のより一層の早期
湿潤化を通してより早期のうちに適正な起電力を得るこ
とができる。
【0137】また、第8,第9実施例の燃料電池90で
は、各PEFCモジュールについての背圧の昇圧および
降圧の繰り返しを行なうに当たり、アノード側とカソー
ド側について当該繰り返しを行なうよう構成したが、ア
ノード側又はカソード側の一方についてのみ背圧の昇圧
および降圧の繰り返しを行うよう構成することもでき
る。このように構成しても、アノード側での反応による
水素イオンの膜拡散および膜中自然拡散、或いはカソー
ド側での反応による生成水量増加および膜への自然拡散
が起きるので、膜の湿潤化を通して早期のうちに適正な
起電力を得ることができる。
【0138】また、第8,第9実施例の燃料電池90で
は、各PEFCモジュールについての背圧の昇圧および
降圧の繰り返しを行なうに当たり、アノード側背圧調整
バルブ94,カソード側背圧調整バルブ95を同時に駆
動して背圧調整するよう構成したが、背圧調整のための
駆動時期をアノード側背圧調整バルブ94とカソード側
背圧調整バルブ95とずらすよう構成することもでき
る。このように構成しても、ある一のPEFCモジュー
ルについて背圧の昇圧および降圧を行なう際にも、アノ
ード側又はカソード側の背圧調整バルブが順次駆動する
ので、適正な出力電圧を得るまでの電圧変動をより一層
抑制できる。よって、このような構成の場合でも、電圧
変動が小さいための既述した利点(ヒステリシス幅の狭
小化に伴う制御精度向上や異常発生時の速やかな対処,
排気音変動の抑制等)がより顕著となる。
【0139】更に、第8,第9実施例の燃料電池90に
おいて、電圧計24とインピーダンス計98の出力から
PEFCモジュール単位で固体高分子電解質膜の濡れ具
合を判定し、固体高分子電解質膜の濡れが不足している
PEFCモジュールについての背圧の昇圧および降圧の
実行頻度を、他のPEFCモジュールより高めるよう構
成することもできる。このように構成すれば、電池起動
時において各PEFCモジュールの固体高分子電解質膜
をより均一な湿潤状態(濡れ状態)にして、燃料電池9
0としての起動時間を短縮することができる。
【0140】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載した
燃料電池の起動装置では、電気化学的反応の活性の変動
により、生成水量の増加並びに水素イオンの水和状態で
の固体高分子電解質膜への拡散と、固体高分子電解質膜
における水分子の自然拡散の進行を図り、固体高分子電
解質膜を早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にす
る。このため、請求項1に記載した燃料電池の起動装置
によれば、固体高分子電解質膜にとって好適な湿潤状態
への固体高分子電解質膜の円滑な移行を通して、出力電
圧を早期に安定化させ、適正な出力電圧を得るまでの起
動時間を短縮化することができる。
【0141】請求項2記載の燃料電池は、外部の外部負
荷と並列に備えた負荷抵抗を介して負荷電流を変動さ
せ、これにより電気化学反応の活性の変動をもたらすこ
とを可能とする。よって、請求項2記載の燃料電池によ
れば、出力電圧の早期安定化と起動時間の短縮化を図る
ための起動装置に適した燃料電池を提供することができ
る。
【0142】請求項3記載の燃料電池は、燃料ガスの供
給管路のガス加湿機器に設けた負荷抵抗を発熱抵抗とす
ることで、この負荷抵抗の発熱を外部負荷との起動接続
に先立って起こすことを可能とする。よって、請求項3
記載の燃料電池によれば、出力電圧の早期安定化と起動
時間の短縮化のみならず、外部負荷との起動接続に先立
つガス加湿機器の昇温をも図るための起動装置に適した
燃料電池を提供することができる。
【0143】請求項4記載の燃料電池の起動装置では、
燃料電池の備える負荷抵抗と電極との接続および開放を
外部負荷の起動接続に先立って繰り返すことで、燃料電
池の負荷電流を変動させ、負荷電流の浅い・深いの繰り
返しを起動接続に先立ち燃料電池に起こす。そして、請
求項4記載の燃料電池の起動装置は、負荷電流の変動を
通して電気化学反応の活性の変動をもたらし、固体高分
子電解質膜を早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態に
する。このため、請求項4に記載した燃料電池の起動装
置によっても、出力電圧を早期に安定化させ、適正な出
力電圧を得るまでの起動時間を短縮化することができ
る。
【0144】また、請求項4記載の燃料電池の起動装置
によれば、外部負荷との起動接続に先立ってガス加湿機
器の負荷抵抗を発熱させ、起動接続に先立ってガス加湿
機器を予め昇温することができる。
【0145】請求項5記載の燃料電池は、可変負荷抵抗
の抵抗値を変えることで、燃料電池の負荷電流の浅い・
深いの繰り返しにより電気化学反応の活性を変動させる
際に、電気化学反応の活性の変動の程度を変更可能とす
る。よって、請求項5記載の燃料電池によれば、出力電
圧の早期安定化と起動時間の短縮化をより推進するため
の起動装置に適した燃料電池を提供することができる。
【0146】請求項6記載の燃料電池の起動装置では、
外部負荷との起動接続に先立つ可変負荷抵抗と電極との
接続により負荷電流を流す際の負荷電流量を増大させ
て、燃料電池の負荷電流の深くなる程度を可変負荷抵抗
との接続ごとに高める。このため、カソード側での生成
水量と固体高分子電解質膜中の水分子数とを無理なく増
大させて、固体高分子電解質膜をより早期のうちに均一
な水分分布の湿潤状態にする。この結果、請求項6記載
の燃料電池の起動装置によれば、出力電圧の早期安定化
を通して起動時間をより短縮化することができる。
【0147】請求項7記載の燃料電池の起動装置では、
可変負荷抵抗と電極との接続の間において可変負荷抵抗
の抵抗値を漸減して負荷電流量を漸増させ、燃料電池の
負荷電流の深くなる程度を徐々に高める。このため、カ
ソード側での生成水量と固体高分子電解質膜中の水分子
数とを無理なく増大させて、固体高分子電解質膜をより
早期のうちに均一な水分分布の湿潤状態にすることがで
きる。また、可変負荷抵抗との接続当初に燃料電池に急
激な負荷をかけることがない。この結果、請求項7記載
の燃料電池の起動装置によれば、出力電圧の早期安定化
を通して起動時間をより短縮化することができると共
に、固体高分子電解質膜の不用意な損傷を回避すること
ができ起動の信頼性を向上させることができる。
【0148】請求項8記載の燃料電池の起動装置では、
外部負荷起動後にも、負荷電流量を可変負荷抵抗の抵抗
値の漸増により漸減させつつ可変負荷抵抗を介して流
す。このため、請求項8記載の燃料電池の起動装置によ
れば、外部負荷起動後に燃料電池に負荷電流の急変を招
かないので、固体高分子電解質膜の不用意な損傷を回避
することができ起動の信頼性を向上させることができ
る。
【0149】請求項9記載の燃料電池の起動装置では、
燃料ガスの供給圧力を起動接続に先立って変動させるこ
とで、燃料電池の電気化学的反応の活性を変動させる。
この結果、請求項9記載の燃料電池の起動装置によって
も、出力電圧を早期に安定化させ、適正な出力電圧を得
るまでの起動時間を短縮化することができる。
【0150】請求項10記載の燃料電池の起動装置で
は、燃料ガスの排出ガス圧力の昇圧および降圧を起動接
続に先立って繰り返すだけで、燃料電池の電気化学的反
応の活性を変動させる。この結果、請求項10記載の燃
料電池の起動装置によっても、出力電圧を早期に安定化
させ、適正な出力電圧を得るまでの起動時間を短縮化す
ることができる。しかも、排出ガス圧力の昇圧および降
圧は供給圧力を直接変動させることよりも簡単であるの
で、請求項10記載の燃料電池の起動装置によれば、簡
単な構成で、出力電圧の早期安定化と起動時間の短縮化
を図ることができる。
【0151】請求項11記載の燃料電池の起動装置で
は、外部負荷との起動接続に先立つ負荷電流の変動、又
は燃料ガスの供給圧力の変動若しくは排出ガス圧力の昇
圧および降圧の繰り返しを通した電気化学的反応の活性
の変動を、燃料電池セルの集合体ごとに行なう。このた
め、燃料電池セルの集合体ごとに、起動接続に先立って
固体高分子電解質膜を好適な湿潤状態に円滑に移行させ
る。この結果、請求項11記載の燃料電池の起動装置に
よれば、燃料電池セルの集合体ごとの出力電圧の早期安
定化を通して、燃料電池全体としての出力電圧をも早期
のうちに安定化させ、起動時間の短縮化を図ることがで
きる。
【0152】請求項12記載の燃料電池の起動装置で
は、負荷電流の変動を燃料電池セルの集合体ごとに起こ
すための負荷抵抗との接続を、燃料電池セルの集合体ご
とに図ればよい。よって、請求項12記載の燃料電池の
起動装置によれば、負荷電流の変動を通した出力電圧の
早期安定化等を図るために使用する負荷抵抗を、抵抗値
が小さくて小型の単一の負荷抵抗とすることができる。
また、請求項12記載の燃料電池の起動装置によれば、
用いる負荷抵抗が小型で単一であるので、燃料電池を大
型とすることなく出力電圧の早期安定化、延いては起動
時間の短縮化を図ることができる。
【0153】請求項13記載の燃料電池の起動装置で
は、起動接続に先立って一の燃料電池セルの集合体につ
いて排出ガス圧力を降圧するときには、他の燃料電池セ
ルの集合体については排出ガス圧力を昇圧させる。この
ため、一の燃料電池セルの集合体について降圧により燃
料電池の電気化学的反応の活性が低くされているときに
は、他の燃料電池セルの集合体については昇圧により燃
料電池の電気化学的反応の活性を高くして、活性の低下
による出力電圧の低下を打ち消す。この結果、請求項1
3記載の燃料電池の起動装置によれば、燃料電池全体と
しての出力電圧をより一層早期に安定化させると共に、
出力電圧を円滑に上昇させて電圧変動を回避し電圧変動
に起因する不具合を招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の燃料電池10を示すブロック図。
【図2】第1実施例の燃料電池10がその起動時に行な
う起動ルーチンを示すフローチャート。
【図3】第1実施例の燃料電池10がその起動時に行な
う出力電圧監視ルーチンを示すフローチャート。
【図4】第2実施例における燃料電池で使用するダミー
抵抗40の構成を説明するための説明図。
【図5】第2実施例の燃料電池10がその起動時に行な
う起動ルーチンを示すフローチャート。
【図6】第2実施例における起動ルーチンにより各PE
FCモジュールでの負荷電流の変化の様子を説明する説
明図。
【図7】第3実施例における起動ルーチンにより各PE
FCモジュールでの負荷電流の変化の様子を説明する説
明図。
【図8】第4実施例の燃料電池10が外部負荷16との
接続時に行なう負荷電流収束ルーチンを示すフローチャ
ート。
【図9】第4実施例の燃料電池10におけるPEFCモ
ジュールについての負荷電流の変化の様子を起動時から
負荷電流収束ルーチンにより収束するまでに亘って表わ
した説明図。
【図10】第5実施例の燃料電池10におけるPEFC
モジュールについての負荷電流の変化の様子を起動時か
ら負荷電流収束ルーチンにより収束するまでに亘って表
わした説明図。
【図11】第6実施例の燃料電池50を中心とした構成
を示すブロック図。
【図12】第6実施例の燃料電池50において加湿器6
8に装着したダミー抵抗76の構成を示す加湿器68の
概略斜視図。
【図13】第7実施例の燃料電池50において加湿器6
8に装着したダミー抵抗76の構成を示す加湿器68の
概略斜視図。
【図14】第8実施例の燃料電池90を示すブロック
図。
【図15】第8実施例の燃料電池90がその起動時に行
なう起動ルーチンを示すフローチャート。
【図16】第8実施例の燃料電池90における起動ルー
チンを実行した際に得られる出力電圧の様子を示すグラ
フ。
【図17】第9実施例の燃料電池90がその起動時に行
なう起動ルーチンを示すフローチャート。
【図18】第9実施例の燃料電池90における起動ルー
チンを実行した際に得られる出力電圧の様子を示すグラ
フ。
【符号の説明】
10…燃料電池 10A〜10N…PEFCモジュール 16…外部負荷 18…スイッチ 20…ダミー抵抗 22…切り換えスイッチ 24…電圧計 30…電子制御装置 40…ダミー抵抗 41a〜41n…抵抗(抵抗値R) 42a〜42n…スイッチ 50…燃料電池 52…水素ガス供給管 54…水素ガス排出管 56…酸素ガス供給管 58…酸素ガス排出管 60,62…圧力調整バルブ 64,66…流量調整器 68,70…加湿器 68a…容器本体 72,74…背圧調整バルブ 76,78…ダミー抵抗 76a〜76n…面状発熱体 77a〜77n…スイッチ 78a〜78n…面状発熱体 80,82…スイッチ 90…燃料電池 94…アノード側背圧調整バルブ 94A〜94N…アノード側背圧調整バルブ 95…カソード側背圧調整バルブ 95A〜95N…カソード側背圧調整バルブ 98…インピーダンス計

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向するアノードとカソードの電極で固
    体高分子電解質膜を挟持し該電極に供給される燃料ガス
    の電気化学反応を経て起電力を呈する燃料電池を起動す
    る起動装置であって、 前記起電力の給電対象となる外部の外部負荷に接続して
    該外部負荷を起動する起動接続に先立って、前記電気化
    学反応の活性を変動させる起動時活性変動手段を備える
    ことを特徴とする燃料電池の起動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の起動装置で起動される燃
    料電池であって、 負荷抵抗を、前記起電力の給電対象となる外部の外部負
    荷と並列に備えることを特徴とする燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料電池であって、 前記負荷抵抗は、前記燃料ガスの供給管路に設けられた
    ガス加湿機器における発熱抵抗として該ガス加湿機器に
    装着されている燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の燃料電池を
    起動する請求項1記載の起動装置であって、 前記起動時活性変動手段は、前記負荷抵抗と電極との接
    続および開放を前記起動接続に先立って繰り返すもので
    ある燃料電池の起動装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の燃料電池であって、 前記負荷抵抗はその抵抗値が可変の可変負荷抵抗である
    燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の燃料電池を起動する請求
    項1記載の起動装置であって、 前記起動時活性変動手段は、前記可変負荷抵抗と電極と
    の接続および開放を前記起動接続に先立って繰り返すも
    のであり、 更に、 前記可変負荷抵抗と前記電極との接続ごとに、前記可変
    負荷抵抗の抵抗値を減少する抵抗値減少変更手段を備え
    る燃料電池の起動装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃料電池の起動装置であ
    って、 前記起動時活性変動手段は、前記可変負荷抵抗と前記電
    極とが接続されている間における前記可変負荷抵抗の抵
    抗値を漸減する抵抗値漸減変更手段を備える燃料電池の
    起動装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7記載の燃料電池の
    起動装置であって、 前記起動時活性変動手段は、前記外部負荷が起動された
    後にも継続して前記可変負荷抵抗と前記電極とを接続す
    るものであり、 更に、 該継続して前記可変負荷抵抗と前記電極とが接続されて
    いる間における前記可変負荷抵抗の抵抗値を漸増する抵
    抗値漸増変更手段を備える燃料電池の起動装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の燃料電池の起動装置であ
    って、 前記起動時活性変動手段は、燃料電池に供給される燃料
    ガスの供給圧力を前記起動接続に先立って変動するもの
    である燃料電池の起動装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の燃料電池の起動装置で
    あって、 前記起動時活性変動手段は、前記電極に供給された燃料
    ガスのガス排出路における排出ガス圧力の昇圧および降
    圧を前記起動接続に先立って繰り返すものである燃料電
    池の起動装置。
  11. 【請求項11】 請求項1,請求項9又は請求項10の
    いずれか記載の燃料電池の起動装置であって、 前記燃料電池は、対向するアノードとカソードの電極で
    固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合体を
    直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電池セ
    ルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経て起
    電力を呈する燃料電池であり、 前記起動時活性変動手段は、前記起動接続に先立つ電気
    化学的反応の活性の変動又は燃料ガスの供給圧力の変動
    若しくは前記排出ガス圧力の昇圧および降圧の繰り返し
    を、前記燃料電池セルの集合体ごとに行なうものである
    燃料電池の起動装置。
  12. 【請求項12】 請求項4,請求項6又は請求項7のい
    ずれかに記載の燃料電池の起動装置であって、 前記燃料電池は、対向するアノードとカソードの電極で
    固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合体を
    直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電池セ
    ルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経て起
    電力を呈すると共に、該起電力の給電対象となる外部の
    外部負荷と並列に負荷抵抗を備える燃料電池であり、 前記起動時活性変動手段は、前記起動接続に先立つ前記
    負荷抵抗と前記燃料電池セルの集合体との接続および開
    放の繰り返しを、前記燃料電池セルの集合体ごとに順次
    行なうものである燃料電池の起動装置。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の燃料電池の起動装置
    であって、 前記燃料電池は、対向するアノードとカソードの電極で
    固体高分子電解質膜を挟持した燃料電池セルの集合体を
    直列に複数接続して備え、該集合体ごとの各燃料電池セ
    ルの電極に供給される燃料ガスの電気化学反応を経て起
    電力を呈する燃料電池であり、 前記起動時活性変動手段は、前記起動接続に先立つ前記
    排出ガス圧力の昇圧および降圧の繰り返しを前記燃料電
    池セルの集合体ごとに行なうに当たり、一の燃料電池セ
    ルの集合体についての前記排出ガス圧力の降圧と他の燃
    料電池セルの集合体についての前記排出ガス圧力の昇圧
    とを同期して行なうものである燃料電池の起動装置。
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