JP5311694B1 - 二重瞼形成用テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の両面に粘着剤層が設けられている両面粘着テープ110、120を複数有し、複数の両面粘着テープ110、120が剥離基材200を介して積層されている両面粘着テープ積層体300と、両面粘着テープ積層体300の両面それぞれに存在する粘着剤層上に設けられた粘着面保護基材とを有する二重瞼形成用テープ。
【選択図】図1
Description
基材の両面に粘着剤層が設けられている両面粘着テープを複数有し、当該複数の両面粘着テープが剥離基材を介して積層されている両面粘着テープ積層体と、
両面粘着テープ積層体の両面それぞれに存在する粘着剤層上に設けられた粘着面保護基材と
を有することを特徴とする二重瞼形成用テープである。
ここで、本発明に係る二重瞼形成用テープは、
使用時に粘着面保護基材を延伸させることで剥離基材と粘着面保護基材とを引裂いて両面粘着テープのみからなる箇所を構築し、次いで、当該箇所を捩ることで捩れ構造体を形成し、当該捩れ構造体を瞼に適用する用途用であってもよい。
更に、本発明に係る二重瞼形成用テープは、
剥離基材及び/又は粘着面保護シートに、溝加工、切り込み加工及び/又は切り取り線加工が施されていてもよい。
はじめに、図1及び2を参照しながら、本形態に係る二重瞼形成用テープの全体構成を説明する。本形態に係る二重瞼形成用テープAは、粘着成分(粘着成分層、粘着剤層)が両面に適用された2枚の両面粘着テープ100(110及び120);捩れ構造体(これについては後述する)を形成する前に2枚の両面粘着テープ100(110及び120)同士が接合してしまうのを防ぐために、両面粘着テープ110及び120の間に挿入されている剥離基材200(これら2枚の両面粘着テープ110及び120間に剥離基材200が介在することで両面粘着テープ積層体300が形成);両面粘着テープ110及び120の粘着成分を外部の汚れ等から保護する(使用前)と共に把持箇所(使用時)となる、2枚の粘着面保護シート400(410及び420);を有する。以下、各構成部を詳述する。
{両面粘着テープ/全体構成}
図2に、本形態において適用可能な両面粘着テープの一形態を示す。両面粘着テープ110は、芯材としての基材112と、当該基材112の上面と底面にそれぞれ適用された、粘着成分111a及び111bと、を有している。以下、両面粘着テープ110の構成要素である基材111及び粘着剤112に関して詳述する。尚、両面粘着テープ120も、構成は略同一である。
・材質、物性
基材112の材質は、ポリエチレンであることが好適である。ここで、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(密度範囲:930〜970kg/m3程度)、中密度ポリエチレン(密度範囲:930〜970kg/m3程度)、低密度ポリエチレン(密度範囲:910〜930kg/m3程度)、のいずれでもよい。これらの内、高密度ポリエチレン及び中密度ポリエチレンを用いた場合には装着感にゴロゴロ感が出てしまうのに対し、低密度ポリエチレンを用いた場合には非常に優れたフィット感が出る。よって、これらのポリエチレンの中では、低密度ポリエチレンが最も好適である。ここで、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び直鎖状(線状)低密度ポリエチレンに関しては、周知手法の通り、例えば、50〜250℃、常圧〜20MPaで重合させることにより得られる。また、低密度ポリエチレンに関しては、周知手法の通り、例えば、150〜350℃、100〜350MPaで重合させることにより得られる。また、基材をDSC分析した際の、昇温時の融解ピークトップ温度は、好適には90〜150℃であり、より好適には95〜145℃であり、特に好適には100〜140℃である。また、降温時における結晶化ピークトップ温度(主ピークトップ温度)は、好適には80〜140℃であり、より好適には85〜135℃であり、特に好適には90〜130℃である。更に、再昇温時における融解ピークトップ温度は、好適には90〜150℃であり、より好適には95〜145℃であり、特に好適には100〜140℃である。尚、これらのピークトップ温度は、後述の<測定方法1>に記載する方法で測定される。
基材を約2〜3mgアルミ製容器に入れ、クリンプしたものに関してDSC分析を行う。測定条件としては、装置:TA Instrument Q−2000、測定速度:10℃/min、温度プログラム:−30℃→180℃→−30℃→180℃、雰囲気:窒素ガス(50ml/min)である。
基材の厚さは、前述した三点の性質に大きく影響を与える。そのため、両面粘着テープの基材の厚さは、好適には0.05〜0.1mmであり、より好適には0.05〜0.09mmであり、特に好適には0.07〜0.08mmである。
・材質、物性
粘着成分111a及び111bは、下記三点の性質を備えることが好適である。一点目は、使用時(第一段階)を想定した、基材に引張力が印加される際に求められる性質である。具体的には、基材が引っ張られた際に追従して伸びる粘弾性を有する必要がある。二点目は、使用時(第二段階)を想定した、螺旋状に捩じって捩れ構造体を形成させる際に求められる性質である。三点目は、使用時(第三段階)を想定した、瞼への付着適合性と、油脂、汗及び涙への耐付着低減性(持続性)である。このような性質を有する粘着成分111a及び111bの材質として、基材がポリエチレンである場合には、アクリル系粘着剤を主成分とし、その他の成分として粘着付与剤を含有する、粘着成分が好適である。アクリル系粘着剤の中では、(メタ)アクリル酸イソオクチルや(メタ)アクリル酸を構成モノマーとしたアクリルポリマーであるアクリル系粘着剤が好適である。ここで、アクリルポリマーを構成するモノマーの主成分である(メタ)アクリル酸イソオクチルと(メタ)アクリル酸のmol比{(メタ)アクリル酸イソオクチル:(メタ)アクリル酸}が、好適には85:15〜99:1であり、より好適には92.5:7.5〜99:1であり、更に好適には95:5〜99:1である。尚、アクリルポリマーの構成モノマーにおける、ポリマーの構成比は、後述の<測定方法2>及び<測定方法3>に従って分析されるものである。また、粘着成分におけるアクリルポリマー含有量は、好適には50〜90重量%であり、より好適には55〜80重量%であり、さらに好適には60〜75重量%である。ここで、粘着成分におけるアクリルポリマーと、粘着付与剤を含むその他の成分と、の重量比は、後述の<測定方法2>及び<測定方法4>に従って分析されるものである。即ち、<測定方法2>のメタノール抽出量と、加熱メタノール可溶分のGPCクロマトグラムより、粘着成分中のアクリルポリマーと、粘着付与剤を含むその他の成分と、の含有量比を分析する。粘着成分のアクリルポリマー以外の成分としては、特に限定されないが、ロジンエステル系樹脂を含有する粘着付与剤を添加することが好適であり、パラ置換ベンゼン骨格を有する成分が添加されていてもよい。尚、粘着成分のアクリルポリマー以外の成分におけるロジンエステル系樹脂の含有量としては、好適には50〜100重量%であり、より好適には60〜100重量%であり、さらに好適には80〜100重量%である。また、180度方向剥離力は、好適には7.5〜27N/25mmであり、より好適には9.0〜22N/25mmであり、更に好適には10.5〜17N/cmである。ここで、当該数値は、対ステンレス板(SUS 304 BA)厚さ25μmPETフィルム裏打ち、圧着2kgローラー、1往復、室温20分養生、引張速度300mm/分での測定値である(10回平均)。
ホットプレート上にメタノール30ml及び粘着成分(粘着剤層)0.102gを注入したビーカーを載せ、ホットプレートの設定温度を50℃とし、30分加熱し加熱メタノール抽出を行う。その後メタノールを不溶分と可溶分に分離し、それぞれを秤量する(5回平均)。
<測定方法2>の加熱メタノール不溶分に関して13CNMR測定を行う。測定条件としては、装置:Bruker Biospin AVANCEIII−600 with Cryo Probe、観測周波数:150MHz、フリップ角:45°、測定溶媒:CDCl3(ピリジン―d5を数滴添加)、化学シフト基準:測定溶媒(CDCl3;77.05ppm)である。詳細な測定条件を表1に記載する。尚、NMR測定においては、粘着成分全体に対する分析を行うことでも、ある程度の成分分析が可能であるが、当該加熱メタノール不溶分に対する分析により、より詳細な情報を得ることが可能である。
<測定方法2>における加熱メタノール可溶分に対して、GPCクロマトグラムを用いた分析を行う。加熱メタノール可溶分を1.0g/lTHF溶液となるように調整し、一晩静置する。当該溶液を0.45μmメンブレインフィルターでろ過し、GPC測定を行う。測定条件としては、装置:TOSOH HLC−8120GPC、カラム:TSKgel SuperHZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000、カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm、溶離液:THF、流量:0.6ml/min、検出器:RI、カラム温度:40℃、注入量:20μlである。詳細な測定条件を表2に示す。
粘着成分(粘着成分層)の厚さは、前述した三点の性質に大きく影響を与える。そのため、粘着成分の厚さは、好適には0.01〜0.04mmであり、より好適には0.01〜0.03mmであり、特に好適には0.01〜0.025mmである。
(両面粘着テープ/全体の厚さ)
両面粘着テープの厚さは、基材及び粘着成分と合わせて、前述した三点の性質に大きく影響を与える。そのため、両面粘着テープの厚さは、好適には0.09〜0.20mmであり、より好適には0.10〜0.18mmであり、特に好適には0.11〜0.16mmである。
基材/粘着成分層の厚さ比(基材厚さ:粘着成分層の合計厚さ)は、好適には1.5:1〜3:1であり、より好適には1.75:1〜2.5:1であり、特に好適には1.85:1〜2.25:1である。
両面粘着テープの幅も、前述した三点の性質に大きく影響を与える。特に、幅が広すぎると捩れ構造体が線状に形成されにくく、幅が狭すぎると二重瞼形成用テープの粘着面が十分に確保されない。そのため、両面粘着テープの幅は、好適には1.1〜1.4mmであり、より好適には1.1〜1.35mmであり、特に好適には1.1〜1.3mmである。
両面粘着テープの長さは、長すぎると瞼に二重瞼形成用テープを貼付しにくくなり、短すぎると瞼に二重瞼形成用テープを貼付して形成される二重瞼の横幅が不十分となる。そのため、両面粘着テープの長さは、好適には25〜30mmであり、より好適には26〜29.5mmであり、特に好適には27〜29mmである。
捩れ構造体は、両面粘着テープのみで構成されているため、両面粘着テープの、厚さ、幅、長さの比によって、捩れ構造体の形状が大きく変化する。捩れ構造体の形状が、瞼に配するに適した形状を有さない場合には、十分な二重瞼形成能が得られない。そのため、両面粘着テープの、厚さと幅の比(厚さ:幅)としては、好適には1:8〜1:12であり、より好適には1:8〜1:11.5であり、特に好適には1:8〜1:11である。また、両面粘着テープの、幅と長さの比(幅:長さ)としては、好適には1:20〜1:30であり、より好適には1:20〜1:27であり、特に好適には1:20〜1:25である。
両面粘着テープの全体としての塑性変形後のテープ寸法変化特性(荷重解放60秒後)は、変形量100%の場合には、好適には110〜150%であり、より好適には115〜145%であり、更に好適には120〜140%であり、変形量150%の場合には、好適には150〜240%であり、より好適には160〜210%であり、更に好適には170〜190%である。ここで、当該数値は、下記方法により測定される。尚、当該値は、10回の平均値である。
まず、両面粘着テープサンプルを25mm幅×200mmにカットする。このときテープの長さ方向がテストサンプルの長手方向となるようにする。そして、サンプルの中心に50mmの間隔で標線を引く(図8参照)。100mmの間隔で定速引張試験機に固定する。次に、300mm/分の速さで、100%、150%の変形を与えた後、荷重を解放しフリーの状態として60秒放置する。そして、引張前、引張直後、荷重解放60秒後の3度のタイミングで標線間の間隔を金尺で測定し、記録する。
まず、幅25mm×長さ150mmのサンプルを切り出し、長さ方向に100mmの間隔で定速引張試験機に固定する。そのあと、300mm/分の速さで引張り、その際の変形と荷重を記録する。そして、当該変形−荷重曲線から、荷重と歪とが比例関係にある最大荷重を比例限度とする。
{剥離基材/構造}
(剥離基材/構造/位置)
剥離基材は、捩れ構造体を形成する前段階で両面粘着テープ110及び120の粘着面同士が接合しないように、当該テープの間に介在している。
図1に示されるように、剥離基材200に易分離加工(本例では切断加工)を施し、テープを延伸した際には容易に分断するようにすることが好適である。更に、剥離基材200の表面(両面粘着テープと接触する面)には、両面粘着テープの粘着面と干渉し難くなるような表面加工を施すことが好適である。当該剥離基材表面に施す表面加工としては研磨加工、切削加工、表面コート等特に限定されず、例えば鏡面加工が挙げられる。剥離基材の表面は、シボ仕上(細かい凹凸加工)が施されていたり、元々の細かい凹凸等が存在するような、粗面となっている場合がある。そのような剥離基材を用いて両面粘着テープ積層体を形成した際には、当該凹凸部等に両面粘着テープの粘着成分が入り込み、剥離基材と両面粘着テープが密着してしまう。従って、テープを延伸させた際に、両面粘着テープを巻き込んで剥離基材が分断される。その結果、両面粘着テープに負荷が加わり、両面粘着テープが破断したり、両面粘着テープに粘着成分のダマが形成される等、粘着成分の不均一により粘着力及び透明度が低下してしまう。対して、剥離基材表面を平滑となるよう加工することで、テープを延伸させる際に、両面粘着テープに負荷をかけずに伸長出来るため、両面粘着テープの破断を防ぐことが可能となる。更に、両面粘着シートの粘着成分が均一な状態に保たれるため、粘着力及び透明度の高い二重瞼形成用テープを実現出来る。更に、剥離基材の表面には、製造過程等においてシリコーンゴムの表面を保護するための保護フィルムが配してあってもよい。当該保護フィルムは、両面粘着テープの粘着成分と剥離基材の密着性を阻害するために好適に作用する。
剥離基材は把持部に残る(即ち、捩れ構造体には残らない)ため、剥離基材の厚さは捩れ構造体の特性等には影響を与えない。但し、剥離基材内部の分断し易さや捩れ構造体の形成のし易さに影響を与えるといえる。そのため、剥離基材の厚さは、剥離基材の表面に前記保護フィルムを配する場合は当該フィルムの厚さも含め、好適には0.2〜0.5mmであり、より好適には0.2〜0.45mmであり、特に好適には0.2〜0.4mmである。尚、剥離基材の表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの厚さは、好適には0.01〜0.1mmであり、より好適には0.025〜0.85mmであり、特に好適には0.04〜0.07mmである。
剥離基材の幅に関しては、両面粘着テープの幅に合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ110及び120同士を過不足なく遮断する態様が望ましい。
剥離基材の長さに関しては、両面粘着テープの形状に合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ110及び120同士を過不足なく遮断する態様が望ましい。
剥離基材は、両面粘着テープの粘着成分と干渉しない材質であることが望ましい。加えて、易分離加工が切断加工以外の場合(二重瞼形成用テープを引っ張る前において、剥離基材が物理的に結合した状態にある場合)においては、剥離基材は、分断し易い性質であることが好適である。従って、剥離基材の材質としては、アクリル系樹脂をベースとしてロジンエステル樹脂を含有する粘着剤層を使用する場合には、硬度40°以上のシリコーンゴムが好適であり、硬度50°以上のシリコーンゴムがより好適であり、硬度60°以上のシリコーンゴムが特に好適である。ここで、当該硬度は、JIS K 6253準拠のデュロメータで測定した値である。尚、上限値は特に限定されないが硬度80°である。尚、剥離基材の表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの材質としては特に限定されないが、好適には熱可塑性樹脂であり、より好適にはポリエステルであり、特に好適にはPETフィルムである。
{粘着面保護シート/構造}
(粘着面保護シート/構造/加工)
粘着面保護シート400は、両面粘着テープの粘着成分を保護すると共に、捩れ構造体を形成する際には把持箇所としても機能する。従って、捩れ構造体を形成する際に粘着面保護シートが阻害なく分断し保持箇所となるために、粘着面保護シート400に、溝加工、切り込み加工、切り取り線加工及び切断加工等の易分離加工を設けてもよい。ここで、粘着面保護シート400は、外側面(両面粘着テープと接触しない面)に凹凸加工等の滑り止め加工がされていてもよい。更に、粘着面保護シート400の内側面(両面粘着テープと接触する面)には、剥離基材200と同様に、両面粘着テープ110及び120の粘着面と干渉し難くなるような表面加工を施すことが好適である。当該粘着面保護シートの内側面に施す表面加工としては研磨加工、切削加工、表面コート等特に限定されず、例えば鏡面加工が挙げられる。粘着面保護シートの内側面が凹凸を持つ粗面となっている場合、当該凹凸部に両面粘着テープの粘着成分が入り込み、両面粘着テープとの密着性が増してしまう。そのため、テープを延伸した際に、両面粘着テープに負荷が加わり、両面粘着テープが破断したり、両面粘着テープに粘着成分のダマが形成される。その結果、粘着成分の不均一により、テープの透明度及び粘着力が低下してしまう{図9(2)参照、黒丸で囲われた白色点は粘着成分のダマを示す}。対して、粘着面保護シートの内側表面を平滑となるよう加工することで、テープを延伸させる際に両面粘着テープに負荷をかけずに伸長出来る。そのため、両面粘着テープの破断を防ぐと同時に、粘着力及び透明度の高い二重瞼形成用テープを実現出来る{図9(1)参照}。更に、粘着面保護シートの表面には、製造過程等においてシリコーンゴムの表面を保護するための保護フィルムが配してあってもよい。当該保護フィルムは、両面粘着テープの粘着成分と粘着面保護シートの密着性を阻害するために好適に作用する。
粘着面保護シートは、両面粘着テープの粘着成分を保護すると同時に二重瞼形成用テープの把持箇所として機能するため、外部からの汚れなどを可能な限り防ぎつつも、持ちやすく使いやすい厚さであることが望ましい。そのため、粘着面保護シートの厚さは、粘着面保護シートの表面に前記保護フィルムを配する場合は当該フィルムの厚さも含め、好適には0.2〜0.5mmであり、より好適には0.2〜0.45mmであり、特に好適には0.2〜0.4mmである。尚、粘着面保護シートの表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの厚さは、好適には0.01〜0.1mmであり、より好適には0.025〜0.085mmであり、特に好適には0.04〜0.07mmである。
粘着面保護シートの幅としては、両面粘着テープの幅と合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ110及び120を過不足なく覆う態様が望ましい。
粘着面保護シートの長さとしては、両面粘着テープの形状と合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ110及び120を過不足なく覆う態様が望ましい。
粘着面保護シートは、両面粘着テープの粘着成分を保護すると同時に二重瞼形成用テープの把持箇所として機能するため、両面粘着テープの粘着成分とは干渉せず、外部からの汚れなどを可能な限り防ぎ、また、指で摘んだ際に滑りにくく把持し易い材質であることが望ましい。よって、粘着面保護シートの材質としては、アクリル系樹脂をベースとしてロジンエステル樹脂を含有する粘着剤層を使用する場合には、硬度40°以上のシリコーンゴムが好適であり、硬度50°以上のシリコーンゴムがより好適であり、硬度60°以上のシリコーンゴムが特に好適である。ここで、当該硬度は、JIS K 6253準拠のデュロメータで測定した値である。尚、上限値は特に限定されないが硬度80°である。尚、粘着面保護シートの表面に保護フィルムを配する場合、表面保護フィルムの材質としては特に限定されないが、好適には熱可塑性樹脂であり、より好適にはポリエステルであり、特に好適にはPETフィルムである。
本実施形態に係る二重瞼形成用テープAの製造方法は、特に限定されないが、両面粘着テープ、剥離基材及び粘着面保護シートの、シート状体を巻き取ったロール原反から、それぞれのシート状体を引き出し重ねて、シート状積層体を形成した後、当該シート状積層体を打ち抜き(例えば平圧式3ヘッド打ち抜き)により所望の大きさに形成することが好適である(平圧式3ヘッド打ち抜きの概念は図10参照)。当該製造方法によれば、連続的にテープを形成する手法であるため、粘着力にムラのない二重瞼形成用テープAを安定して形成することが可能となる。
図3〜7を用いて、捩れ構造体550の形成方法及び瞼への使用方法(貼付方法)を詳述する。図3に見られるように、粘着面保護シートを摘み、二重瞼形成用テープA全体を左右に延伸させる。この際、剥離基材と粘着面保護シートは把持部へと分離し、両面粘着テープのみからなる箇所すなわち両面粘着テープ領域500と、把持部610及び620と、が形成される。次に、図4に見られるように、把持部610を長軸方向に延伸させながら時計のねじを巻くように捩る。こうすることで、両面粘着テープ110及び120同士が接合されながら、捩られながら延伸し、螺旋状の捩れ構造体550が形成される。図5のように、当該捩れ構造体550を、二重瞼形成箇所に配し固定した後、図6、7のように、把持部610及び620を片側ずつ切除する。
本実施例における基本的な構成は図1及び図2に示す通りである。
まず、基材112としては、厚さ3mil(約0.076mm)の低密度ポリエチレンを使用した。本実施例における基材の物性として、<測定方法1>に係るDSC分析により、昇温時(図11)、降温時(図12)及び再昇温時(図13)における熱履歴が得られた。昇温時、降温時及び再昇温時のピークトップ温度(主ピークトップ温度)特性をまとめたものを表3に示す。また、粘着成分111としては、アクリル酸イソオクチル約97mol%及びアクリル酸約3mol%を構成モノマーとしたアクリルポリマーと、その他の成分(ロジンエステル系樹脂を主成分とする粘着付与剤に、パラ置換ベンゼン骨格を有する添加材や別の成分を、微量添加してなる組成物)が、重量比(アクリルポリマー:その他の成分)がおよそ63:37となるよう配合された粘着剤(粘着力:14.7N/25mm)を使用した(基材112の両面に塗布、片面の厚さが0.02mm)。ここで、本実施例に係る粘着成分構成要素の測定方法及び分析結果を述べる。まず、先述の<測定方法2>に係る加熱メタノール抽出により、粘着成分を、不溶分と可溶分に分離する。次に、当該不溶分に対して先述の<測定方法3>に係るNMRスペクトル分析を行うことで、ポリマーの構成モノマー組成比(アクリル酸イソオクチルとアクリル酸の組成比)を分析可能である。具体的には、<測定方法3>に係るNMRスペクトルの177ppm(アクリル酸)及び174ppm(アクリル酸イソオクチル)のピーク積分強度比を用いることで、アクリル酸及びアクリル酸イソオクチルの組成比が算出される。当該実施例における粘着成分の、<測定方法3>に係るNMRスペクトル分析結果を図14に示す。次に、先述の<測定方法4>により、当該可溶分に対するGPCクロマトグラムを作成した(図15参照)。具体的には、<測定方法2>に係る加熱メタノール可溶分のGPCクロマトグラムのピーク1(ポリマー)とピーク2(粘着付与剤+パラ置換ベンゼン骨格を有する成分からなるその他の成分)のピーク面積比を算出した。更に、粘着成分の、<測定方法2>に係る秤量結果及び<測定方法4>に係るGPCクロマトグラムの分析結果をまとめた結果を表4に示す。以上より、本実施例に係る基材の熱履歴特性及び粘着成分の含有量比等が分析可能である。
ここで、Xを両面粘着テープ、Yを剥離基材とした場合、X−(Y−X)nで表現される両面粘着テープ積層体300に関して、本実施形態のように、n=1とした場合の両面粘着テープ積層体を有する二重瞼形成用テープAに限定されない。図19は、当該両面粘着テープ積層体に関して、n=2とした場合の二重瞼形成用テープである。即ち、本形態に係る二重瞼形成用テープBは、粘着成分(粘着成分層)が両面に適用された3枚の両面粘着テープ100’(110’、120’及び130’);捩れ構造体を形成する前に3枚の両面粘着テープ100’(110’、120’及び130’)同士が接合してしまうのを防ぐために、両面粘着テープ110’、120’及び130’の間に挿入されている剥離基材200’{210’及び220’(これら3枚の両面粘着テープ110’、120’及び130’の間に剥離基材200が介在することで両面粘着テープ積層体300’が形成};両面粘着テープ110’、120’及び130’の粘着成分を外部の汚れ等から保護する(使用前)と共に把持箇所(使用時)となる、2枚の粘着面保護シート400’(410’及び420)’;を有する。
110、120:両面粘着テープ
111a、111b:粘着成分層
112:基材
200:剥離基材
300: 両面粘着テープ積層体
410、420:粘着面保護シート
500:両面粘着テープ領域
550:捩れ構造体
610、620:把持部
110’、120’、130’:両面粘着テープ
210’、220’:剥離基材
300’: 両面粘着テープ積層体
410’、420’:粘着面保護シート
Claims (3)
- 基材の両面に粘着剤層が設けられている両面粘着テープを複数有し、当該複数の両面粘着テープが剥離基材を介して積層されている両面粘着テープ積層体と、
両面粘着テープ積層体の両面それぞれに存在する粘着剤層上に設けられた粘着面保護基材と
を有することを特徴とする二重瞼形成用テープ。 - 使用時に二重瞼形成用テープを長軸方向に引張することで剥離基材及び粘着面保護基材のそれぞれを分断して両面粘着テープのみからなる箇所を構築し、次いで、当該箇所が螺旋状に捩られることで捩れ構造体を形成し、当該捩れ構造体を瞼に貼付する用途用である、請求項1記載の二重瞼形成用テープ。
- 剥離基材及び/又は粘着面保護シートに、易分離加工が施されている、請求項1又は2記載の二重瞼用形成用テープ。
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