JP5311104B2 - 絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、樹脂組成物並びに電子部品 - Google Patents

絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、樹脂組成物並びに電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、樹脂組成物並びに電子部品に関する。更に詳しくは、本発明は、電気絶縁性に優れる均一な絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、絶縁性被膜を形成することができる樹脂組成物、並びに電子部品に関する。
従来、スルーホール用の孔、ビアの内壁面及び基板両面に金属導体層が形成された絶縁基板を、粘度が20〜200mPa・s、表面張力が30mN/m以下、且つ、チキソトロピー性値が1.0〜3.0の感光性レジスト液中に浸漬し、引き上げることにより、少なくともスルーホールの内壁面に絶縁性被膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。このスルーホールに金属銅等を充填することにより、貫通電極を形成することが可能である。
また、非特許文献1には、上下に貫通したシリコンチップと、貫通孔に金属銅が充填された貫通電極が開示されている。その製造方法は、ドライエッチングによりシリコンウェハに深い孔を形成する工程、CVD法により孔の内壁にSiO膜を形成する工程、電解銅メッキにより孔内を金属銅で満たす工程、ウェハの裏側から研磨する工程等を備えている。
特開2005−158907号公報 特開2004−307701号公報 富坂学ら「デンソーテクニカルレビュー」 Vol.6 No.2(2001) p.78〜84
特許文献1に開示されている樹脂組成物によると、スルーホール用の内壁面に、被膜を形成することは可能であるが、貫通孔ではなく、開口部の面積が小さい微細孔(以下、「孔部」という。)の内壁面に被膜を形成しようとすると、組成物の沈降が発生し、孔部が組成物により充填されてしまうといった問題があった。
特許文献2に開示されている樹脂組成物によると、スルーホール用の内壁面に、被膜を形成することは可能であるが、チキソトロピー性を付与するために無機質充填剤等の金属酸化物微粒子を用いているため、得られる絶縁性被膜はスルーホール用の内壁面との密着性に劣るため、絶縁性被膜を有する構造体は電気絶縁性に劣るという問題があった。
本発明は、電気絶縁性に優れる均一な絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、絶縁性被膜を形成することができる樹脂組成物、並びに電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、優れた製膜性を有する組成物を用い、電気絶縁性に優れる均一な絶縁性被膜を有する構造体及びその製造方法、該絶縁性被膜を形成することができる樹脂組成物、並びに電子部品を見出すに至った。
本発明は、以下の通りである。
[1]開口部の面積が25〜10,000μmであり、深さが10〜200μmであり且つアスペクト比が0.5〜20である孔部を有する基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、
樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、
塗膜を乾燥し、上記孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜を形成する工程と、
上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする加熱硬化工程と、
上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜を残存させる表底面側絶縁性被膜除去工程と、を備えており、
上記樹脂組成物が、(A)アミド基含有樹脂と、(B)溶剤と、(C)架橋剤と、を含有し、
上記アミド基含有樹脂が、該アミド基含有樹脂全体を100モル%とした場合に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上含み、
上記(C)架橋剤は、ヘキサメトキシメチルメラミンであることを特徴とする絶縁性被膜を有する構造体の製造方法。
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(jは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、mは1〜4の整数である。]
]更に、上記絶縁性被膜を有する構造体における上記孔部を有さない面から基板を研磨し、該孔部を貫通孔とする研磨工程を備える上記[1]に記載の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法。
]上記[1]又は[2]に記載の方法により得られたことを特徴とする絶縁性被膜を有する構造体。
[4]上記[]に記載の方法により得られた絶縁性被膜を有する構造体と、該構造体の少なくとも貫通孔内に導電材料が充填されてなる電極部とを含む部材を備えることを特徴とする電子部品。
]開口部の面積が25〜10,000μmであり、深さが10〜200μmであり且つアスペクト比が0.5〜20である孔部を有する基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、
樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、
塗膜を乾燥し、上記孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜を形成する工程と、
上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする加熱硬化工程と、
上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜を残存させる表底面側絶縁性被膜除去工程と、を備える絶縁性被膜を有する構造体の製造方法において用いられる樹脂組成物であって、
(A)アミド基含有樹脂と、(B)溶剤と、(C)架橋剤と、を含有し、
上記アミド基含有樹脂が、該アミド基含有樹脂全体を100モル%とした場合に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上含み、
上記(C)架橋剤は、ヘキサメトキシメチルメラミンであることを特徴とする樹脂組成物。
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(jは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、mは1〜4の整数である。]
本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法によれば、特定の樹脂組成物を用いており、基板における孔部の内壁面に、電気絶縁性に優れた均一な絶縁性被膜を効率よく形成することができ、容易に絶縁性被膜を有する構造体を得ることができる。また、得られる構造体の絶縁性被膜を内壁とする貫通孔内に金属銅等を充填させることにより、貫通電極を容易に形成することができる。また、多孔質膜の改質等にも好適である。
本発明の電子部品によれば、CPU、メモリ−、イメージセンサ等の半導体デバイスの実装に好適である。
本発明の樹脂組成物は、絶縁性被膜を有する構造体の製造方法において、該絶縁性被膜を良好に形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
1.絶縁性被膜を有する構造体の製造方法
本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法は、開口部の面積が25〜10,000μmであり、深さが10〜200μmであり且つアスペクト比が0.5〜20である孔部を有する基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、塗膜を乾燥し、上記孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜を形成する工程と、上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする加熱硬化工程と、上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜を残存させる表底面側絶縁性被膜除去工程と、を備えることを特徴とする。
本発明において用いられる基板の構成材料としては、シリコン、各種金属、各種金属スパッタ膜、アルミナ、ガラスエポキシ、紙フェノール、ガラス等が挙げられる。この基板の厚さは、通常、100〜1,000μmである。
上記基板11は、図1の断面図に示されるように、基板11の少なくとも一面側に、表面から内部に縦方向に形成された、開口部の面積が25〜10,000μm、好ましくは100〜10,000μm、より好ましくは250〜7,000μmであり且つ深さが10〜200μm、好ましくは30〜120μm、より好ましくは50〜100μmである孔部111を有する。
この孔部の形状及び数は、特に限定されない。また、上記孔部の形状は、柱状(図1(a)参照)、順テーパー状(図1(b)参照)、逆テーパー状(図1(c)参照)等とすることができ、その横断面形状も、円形、楕円形、多角形等とすることができる。尚、孔部が複数ある場合、各孔部の大きさ及び深さが異なってよいし、隣り合う孔部どうしの間隔(長さ)も特に限定されない。
上記孔部形状として、好ましくは、横断面形状が四角形(正方形又は長方形)の柱状もしくは順テーパー状である。
上記孔部が、横断面形状が四角形の柱状である場合、縦断面の四角形におけるアスペクト比(孔部の深さと、孔部底面の1辺の長さとの比)は、通常0.5〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜4である。
以下、各工程について図2及び図3を用いて説明する。
(I)溶剤塗布工程
上記溶剤塗布工程は、上記基板に溶剤を塗布する工程である。
具体的に説明すると、溶剤が基板11に塗布された際、溶剤113は、通常、図2(b)のように、基板11に設けられている孔部111内に充填されている。尚、溶剤が基板11の表面を一様に濡らしていてもよい。
上記溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、この溶剤塗布工程において、上記溶剤を基板に塗布する方法としては、特に限定されないが、スプレー法、スピンコート法等の塗布法、浸漬法等が挙げられる。
尚、溶剤を塗布することにより、上記孔部内に溶剤が充填された場合の溶剤の充填率は、特に限定されない。
(II)樹脂組成物塗布工程
上記樹脂組成物塗布工程は、特定の樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布して塗膜を形成する工程である。尚、上記特定の樹脂組成物については、その詳細を後段にて説明する。
上記樹脂組成物塗布工程において、特定の物性を有する樹脂組成物を、上記基板に塗布する方法は、該樹脂組成物が上記孔部内の溶剤と接触するように塗工される方法であれば、特に限定されず、スピンコート法、スプレー法、バーコート法等が挙げられる。これらのうち、スピンコート法が好ましい。
尚、上記樹脂組成物塗布工程においては、樹脂組成物の固形分濃度、粘度等が考慮されて、後に進められる乾燥工程により、上記基板の表面に形成される被膜の厚さが0.1〜10μmの範囲に入るように、塗膜を形成することが好ましい。
上記樹脂組成物塗布工程において、樹脂組成物が塗布されると、基板11の表面には、均一な塗膜115が形成され、孔部内においては、上記溶剤塗布工程において充填された溶剤と、樹脂組成物とからなる混合物116が収容されることとなる(図2(c)参照)。
(III)被膜を形成する工程
上記被膜を形成する工程は、上記樹脂組成物塗布工程により形成された塗膜を乾燥し、該孔部の内壁面117及び底面118のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜117〜119を形成する工程、即ち、塗膜に含まれる溶剤のみを除去する工程である。
乾燥温度は、上記溶剤塗布工程において充填された溶剤の沸点、又は、上記溶剤塗布工程において充填された溶剤と、樹脂組成物とからなる混合物116に含まれる混合溶剤の沸点を考慮して選択される。
また、乾燥条件は、特に限定されないが、一定温度で行ってよいし、昇温又は降温しながら行ってよいし、これらを組み合わせてもよい。また、圧力についても、大気圧下で行ってもよいし、真空下で行ってもよい。更に、雰囲気ガス等も特に限定されない。
上記被膜を形成する工程により、溶剤が除去されて、少なくとも孔部の内壁面を含む基板表面には、樹脂組成物の固形分からなる均一な被膜が形成される(図2(d)参照)。図2(d)に示される被膜付き基板1は、孔部を有する基板11と、孔部以外の基板11の全表面に形成されている被膜119と、孔部の内壁面に形成されている被膜117と、孔部の底面に形成されている被膜118とを備える。これらの被膜は、通常、連続相を形成しているが、被膜117及び118のみが連続相を形成する場合がある。また、各被膜の厚さについて、被膜119の厚さと、孔部の内壁面の被膜117の厚さと、孔部の底面の被膜118の厚さは、通常、異なるが、樹脂組成物の種類、固形分濃度、粘度等によっては、孔部の内壁面の被膜117の厚さ、及び、孔部の底面の被膜118の厚さが、同一又はほぼ同一となることがある。
(IV)加熱硬化工程
上記加熱硬化工程は、上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜117、118及び119を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする工程である(図3(b)参照)。
加熱方法は、特に限定されないが、通常、100〜250℃の範囲の温度で、30分〜10時間程度とすることが好ましい。一定条件で加熱してよいし、多段階で加熱してもよい。加熱装置としては、オーブン、赤外線炉等を用いることができる。
上記加熱硬化工程により、図3(b)に示される構造体が得られ、この構造体は、孔部を有する基板11と、上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜219と、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜217と、上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜218とを備える。
(V)表底面側絶縁性被膜除去工程
上記表底面側絶縁性被膜除去工程は、上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜219及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜218を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜217を残存させる工程である。
上記絶縁性被膜218及び219を選択的に除去する方法としては、異方性エッチング(ドライエッチング)等が挙げられる。
上記表底面側絶縁性被膜除去工程により、図3(c)に示される絶縁性被膜を有する構造体2が得られ、この構造体2は、孔部を有する基板11と、この基板の孔部の内壁面に形成された硬化膜217とを備える。
尚、本発明における絶縁性被膜を有する構造体の製造方法においては、上記表底面側絶縁性被膜除去工程の後、上記基板11における孔部を有さない面から研磨し、孔部を貫通孔22とする研磨工程を更に備えることができる(図3(d)参照)。この工程により、絶縁性被膜を有する貫通孔構造体を得ることができる。
この際における研磨方法は、特に限定されないが、化学機械研磨法等を適用することができる。
図3(d)に示される絶縁性被膜を有する構造体2’は、貫通孔22を有する基板11と、この貫通孔22の内壁面に形成された硬化膜217とを備える。
2.電子部品
本発明の電子部品は、上記本発明の構造体の製造方法により得られた、絶縁性被膜を有する構造体(内壁に絶縁性被膜が形成された貫通孔を有する構造体)と、この構造体の少なくとも貫通孔内に導電材料が充填されてなる電極部(導電材料充填部)とを含む部材を備えることを特徴とする。
本発明の電子部品としては、例えば、図3(d)に示される構造体2’と、この構造体2’の少なくとも貫通孔内の電極部(導電材料充填部)311とを含む部材3(図4(g)参照)を備えるものとすることができる。
上記部材3について説明する。
上記部材3を構成する上記電極部311の形成材料(導電材料)としては、銅、銀、タングステン、タンタル、チタン、ルテニウム、金、スズ、アルミニウム、及び、これらを含む合金から選ばれたもの等が用いられる。
上記電極部311は、図4(g)のように、その表面部が、基板11の平滑表面より突き出した凸状であってよいし、基板11と面一となっていてもよい。また、上記電極部311の表面は、平滑面であってよいし、粗面であってもよい。
図4(g)に示される部材3の製造方法の一例を、図4を用いて説明する。
まず、図3(c)に示される絶縁性被膜を有する構造体2を準備する(図4(a)参照)。この構造体2の孔部を有する側の表面に対して、Cuスパッタ等を行い、孔部の内表面を含む全ての構造体2表面に、厚さ10〜200nmの銅膜(シード層)23a及び23bを形成する(図4(b)参照)。その後、孔部の内表面以外の銅膜23a表面に、印刷等により、絶縁性レジスト被膜24を形成する(図4(c)参照)。次いで、硫酸銅水溶液等を用いて孔内へのCuの充填メッキを行う(図4(d)参照)。その後、所定の剥離液等を用いて、絶縁性レジスト被膜24を剥離する(図4(e)参照)。次いで、希硫酸、希塩酸等を用いたエッチングにより、基板11の表面に形成されている銅膜23aを除去する(図4(f)参照)。そして、基板11の裏面から、孔部に充填された金属銅が露出するまで研磨し、図4(g)に示される、金属銅充填部311からなる貫通電極を備える部材3を得る。
上記貫通電極を備える部材は、図5に示される部材3’とすることもできる。この部材3’は、表裏に貫通し、且つ、内壁面に絶縁性被膜217が形成されてなる貫通孔に、導電材料が充填された導電材料充填部311を有する基板11と、この導電材料充填部311の下側露出面(図面の下方側露出面)を少なくとも被覆する電極パッド313とを備える。
図5の部材3’は、図4(g)に示される部材3の導電材料充填部311の下方側露出面(図4(g)の下側)に、電極パッドを形成する電極パッド形成工程を備える方法により製造することができる。この電極パッド形成工程の具体的な方法としては、メッキ、導電ペーストの塗布等が挙げられる。他の製造方法については、後述する。
また、図6に示される部材3"は、図4(g)に示される部材3、又は、図5に示される部材3’を用いてなる例である。
この部材3"は、金属銅充填部(貫通電極)311a及び311bの下側露出面(図面の下方側露出面)に、それぞれ、電極パッド313a及び313bを配設した上側部材31、並びに、金属銅充填部(貫通電極)321a及び321bの下側露出面(図面の下方側露出面)に、それぞれ、電極パッド323a及び323bを配設した下側部材32を用いて、上側部材31の電極パッド313aの表面と、下側部材32の金属銅充填部(貫通電極)321aの表面とを接合し、且つ、上側部材31の電極パッド313bの表面と、下側部材32の金属銅充填部(貫通電極)321bの表面とを接合してなる複合部材である。上側部材31及び下側部材32の界面には絶縁層34が配されている(図6参照)。電極パッド313a及び金属銅充填部(貫通電極)321a等の接合方法は、特に限定されないが、例えば、熱圧着(熱を加えながら圧を加える)等の方法が挙げられる。
本発明の電子部品は、図4(g)に示される部材3、図5に示される部材3’、図6に示される部材3"等が配設されたものとすることができる。例えば、図7の電子部品4は、図6に示される部材3"の電極パッド323a及び323bと、インターポーザー41とが、このインターポーザー41の表面に配設された2つのバンプ42を介して導通接続されてなり、更に、インターポーザー41の下方側に他部材等と導通接続するためのバンプ43が配設されてなるものである。
本発明の電子部品は、上記部材3、3’及び3"等を含む複合体であり、例えば、他の基板、層間絶縁膜、他の電極等他の部材を備える複合体(回路基板、半導体デバイス、センサ等)とすることができる。
尚、図5に示される部材3’は、予め、導電材層313が形成されており、孔部の底面が導電材層313である複合基板を用いて、図3(a)〜(c)の工程により得られる部材2’(図3(d))の貫通孔の開口部下側(図3(d)の下側)に導電材層313を有する孔部に、図4(b)〜(f)の工程により導電材料を充填する工程を備える方法により製造することができる。
更に、図8(a)に示される凹部を有する積層基板6を用い、本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法を適用して製造することもできる。
図8(a)に示される積層基板6は、シリコン、各種金属、各種金属スパッタ膜、アルミナ、ガラスエポキシ、紙フェノール、ガラス等からなり、一面から他面に、柱状(図1(a)参照)、順テーパー状(図1(b)参照)、逆テーパー状(図1(c)参照)等の貫通孔を有する基板61と、上記貫通孔を塞ぐように基板61の一面側に配設された導電材層63とを備える。この積層基板6は、導電材層63により、貫通孔の一方が塞がれて、凹部を有している。尚、この積層基板6は、貫通孔を有さない平板状基板と、導電材層とからなる積層体の、該平板状基板の表面から、導電材層を貫通させないように切削加工して得られたものとすることもできる。
従って、上記基板61の厚さが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは30〜120μm、更に好ましくは50〜100μmであり、凹部の開口部の面積、横断面形状等を、上記本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法と同様とし、この方法を適用することにより、図8(e)に示される部材3’、即ち、図5に示される部材3’を製造することができる。
図8(e)に示される部材3’の製造方法を簡単に説明する。まず、積層基板6を構成する基板61の表面に、溶剤を塗布し(溶剤塗布工程)、その後、特定の樹脂組成物を塗布する(樹脂組成物塗布工程)ことにより、塗膜を形成する。次いで、基板61の表面における樹脂組成物からなる塗膜、及び、凹部内の混合物を乾燥して、溶剤を除去し、基板61の表面、凹部の内壁面、及び、導電材層63の凹部側表面に、被膜(それぞれ、621,622及び623)を形成し、被膜付き基板7を得る(図8(b)参照)。
その後、樹脂組成物の種類に応じ、上記本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法を適用して、凹部の内壁面に絶縁性被膜625を有する積層構造体8を得る(図8(c)参照)。
次いで、凹部を貫通させないように、導電材層63の一部をエッチング等により除去して電極パッド635を形成し(図8(d)参照)、凹部に、銅、銀、タングステン、タンタル、チタン、ルテニウム、金、スズ、アルミニウム、及び、これらを含む合金から選ばれた導電材料を充填することにより、図8(e)に示される、表裏に貫通し、且つ、内壁面に絶縁性被膜625が形成されてなる貫通孔に、導電材料が充填された導電材料充填部66を有する基板61と、この導電材料充填部66の下方側露出面(図8(e)の下側)を少なくとも被覆する電極パッド635とを備える部材3’を得ることができる。
従って、図8(a)に示される積層基板6を用いて得られた部材3’を用いて本発明の電子部品を構成させることもできる。
3.樹脂組成物
本発明における樹脂組成物は、特定のアミド基含有樹脂(A)と、溶剤(B)と、架橋剤(C)と、を含むものである。
(3−1)アミド基含有樹脂(A)
本発明の樹脂組成物の樹脂成分として含有される(A)アミド基含有樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」ともいう)を含有するものである。本発明における樹脂組成物は、このような分子構造中にアミド基を有する特定のアミド基含有樹脂(A)を含有しているため、被膜形成性に優れる。更には、電気絶縁性に優れた絶縁性被膜を得ることができる。
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(jは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、mは1〜4の整数である。]
上記一般式(1)のRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記繰り返し単位(1)は、例えば、下記式(M−1)で表される単量体(以下「単量体(M−1)」という)から誘導される。
[一般式(M−1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(kは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、nは1〜4の整数である。]
上記一般式(2)のRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記単量体(M−1)におけるRが水酸基である場合の具体例としては、例えば、p−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、m−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、m−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、p−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、p−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、o−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、o−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物が挙げられる。
また、上記単量体(M−1)におけるRがカルボキシル基である場合の具体例としては、例えば、p−カルボキシフェニルアクリルアミド、p−カルボキシフェニルメタクリルアミド、o−カルボキシフェニルアクリルアミド、o−カルボキシフェニルメタクリルアミド、m−カルボキシフェニルアクリルアミド、m−カルボキシフェニルメタクリルアミド、p−カルボキシベンジルアクリルアミド、p−カルボキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−カルボキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−カルボキシベンジルメタクリルアミド、o−カルボキシベンジルアクリルアミド、o−カルボキシベンジルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物が挙げられる。
これらの単量体(M−1)のなかでも、p−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、p−カルボキシフェニルアクリルアミド、p−カルボキシフェニルメタクリルアミド、3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルメタクリルアミドが好ましい。
尚、単量体(M−1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記アミド基含有樹脂(A)は、繰り返し単位(1)以外にも、他の繰り返し単位を含有していてもよい。
上記他の繰り返し単位としては、例えば、下記の単量体(以下、「単量体(M−2)」という。)から誘導されるものを挙げることができる。
上記単量体(M−2)としては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルフォリン等のヘテロ原子含有脂環式ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物;1.3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
これらの単量体(M−2)のなかでも、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリンが電気絶縁性の観点から好ましい。
尚、単量体(M−2)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記アミド基含有樹脂(A)は、上記繰り返し単位(1)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
更に、このアミド基含有樹脂(A)は、上記繰り返し単位(2)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
上記アミド基含有樹脂(A)における上記繰り返し単位(1)の含有割合は、アミド基含有樹脂(A)に含まれる全構成単位を100モル%とした場合、20モル%以上(100モル%を含む)である。
特に、繰り返し単位(1)におけるRが水酸基である場合には、50〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは70〜100モル%である。上記Rが水酸基である場合に、この含有割合が50〜100モル%であると、被膜形成性に優れた樹脂組成物となる。更には、電気絶縁性に優れた絶縁性被膜を得ることができる。
また、繰り返し単位(1)におけるRがカルボキシル基の場合には、40〜100モル%であることがより好ましい。上記Rがカルボキシル基である場合に、この含有割合が40〜100モル%であると、被膜形成性に優れた樹脂組成物となる。更には、電気絶縁性に優れた絶縁性被膜を得ることができる。
上記アミド基含有樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常2000〜50000、好ましくは5000〜30000、より好ましくは8000〜20000である。このMwが2000未満の場合、被膜の電気絶縁性が劣るおそれがある。一方、50000を超える場合、溶剤への溶解性が低下するおそれがある。
また、アミド基含有樹脂(A)のMwと、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常1〜7、好ましくは1〜5である。
本発明における樹脂組成物には、上記アミド基含有樹脂(A)が1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
上記アミド基含有樹脂(A)は、例えば、各繰り返し単位に対応する単量体の混合物を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより調製することができる。
(3−2)溶剤(B)
上記樹脂組成物を構成する溶剤(B)は、特に限定されず、上述した絶縁性被膜を有する構造体の製造方法における溶剤塗布工程において例示したものを用いることができる。
尚、この溶剤(B)は、上記溶剤塗布工程において用いた溶剤と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記溶剤の含有割合は、樹脂組成物の固形分濃度が、通常、5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは25〜60質量%となるように用いられる。
本発明における樹脂組成物には、絶縁性被膜の電気絶縁性を向上させることを目的に、架橋剤(C)が含有されてい
(3−3)架橋剤(C)
上記架橋剤(C)としては、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物;エポキシ基含有化合物;アルデヒド基を有するフェノール化合物;メチロール基を有するフェノール化合物;チイラン環含有化合物;オキセタニル基含有化合物;イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む)等が挙げられ
上記分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CHOH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物(具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等)が挙げられ(尚、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられ、複数のアルキル基は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果、オリゴマー成分が形成されていてもよい。)、
上記エポキシ基含有化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、エポキシシクロヘキセン樹脂等(具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレン/ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン/ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等)が挙げられ
上記アルデヒド基を有するフェノール化合物としては、o−ヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられ
メチロール基を有するフェノール化合物としては、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール等が挙げられるが、本発明においては、ヘキサメトキシメチルメラミンが用いられる
上記架橋剤(C)の含有割合は、上記アミド基含有樹脂(A)を100質量部とした場合に、1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜75質量部、更に好ましくは10〜50質量部である。この含有割合が上記範囲にあると、電気絶縁性に優れた絶縁性被膜を得ることができる。
(3−4)他の添加剤
本発明における樹脂組成物には、上記(A)〜(C)成分以外にも、他の添加剤が含有されていてもよい。
上記他の添加剤としては、密着助剤、界面活性剤、架橋重合体粒子等を挙げることができる。
上記密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく用いられる。例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記密着助剤の含有割合は、上記アミド基含有樹脂(A)を100質量部とした場合に、0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記界面活性剤としては、例えば、BMケミー社製「BM−1000」、「BM−1100」;大日本インキ化学工業(株)製「メガファックF142D」、「同F172」、「同F173」、「同F183」;住友スリーエム(株)製「フロラードFC−135」、「同FC−170C」、「同FC−430」、「同FC−431」;旭硝子(株)製「サーフロンS−112」、「同S−113」、「同S−131」、「同S−141」、「同S−145」;東レダウコーニングシリコーン(株)製「SH−28PA」、「同−190」、「同−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」;ネオス社製「NBX−15」等のフッ素系界面活性剤;日本油脂(株)製「ノニオンS−6」、「ノニオンO−4」、「プロノン201」、「プロノン204」;花王(株)製「エマルゲンA−60」、「同A−90」、「同A−500」等のノニオン系界面活性剤等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤の含有割合は、通常、上記アミド基含有樹脂(A)を100質量部とした場合に、5質量部以下であることが好ましい。
上記架橋重合体粒子としては、重合性不飽和結合を2個以上有する架橋性化合物(以下、「架橋性単量体」という。)を含む単量体の単独重合体又は共重合体を用いることができる。
上記架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記のうち、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記架橋重合体粒子が共重合体である場合、上記架橋性単量体と重合させる他の単量体としては、特に限定されないが、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の1種以上の官能基を有する不飽和化合物;ウレタン(メタ)アクリレート;芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸エステル;ジエン化合物等を用いることができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記架橋重合体粒子としては、上記架橋性単量体と、ヒドロキシル基を有する不飽和化合物及び/又はカルボキシル基を有する不飽和化合物とからなる共重合体(d1)、並びに、上記架橋性単量体と、ヒドロキシル基を有する不飽和化合物及び/又はカルボキシル基を有する不飽和化合物と、他の単量体からなる共重合体(d2)が好ましく、特に、共重合体(d2)が好ましい。
ヒドロキシル基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル等が挙げられる。
上記共重合体(d2)の形成に用いられる他の単量体のうち、ニトリル基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等が挙げられる。
アミド基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等が挙げられる。
アミノ基を有する不飽和化合物としては、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有する不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られる化合物等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。
上記架橋重合体粒子が、共重合体(d2)からなる場合、架橋性単量体からなる単位量(d21)、ヒドロキシル基を有する不飽和化合物からなる単位及び/又はカルボキシル基を有する不飽和化合物からなる単位の合計量(d22)、並びに、他の単量体からなる単位量(d23)は、共重合体(d2)を構成する単位量の合計、即ち、(d21)、(d22)及び(d23)の和を100mol%とした場合に、それぞれ、好ましくは0.1〜10mol%、5〜50mol%及び40〜94.9mol%、より好ましくは0.5〜7mol%、6〜45mol%及び48〜93.5mol%、更に好ましくは1〜5mol%、7〜40mol%及び55〜92mol%である。各単位量の割合が上記範囲にある場合、形状安定性、及び、アミド基含有樹脂(A)との相溶性に優れた架橋重合体粒子とすることができる。
また、上記架橋重合体粒子は、ゴムでも樹脂でもよく、そのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されない。好ましいTgは20℃以下、より好ましくは10℃以下、更に好ましくは0℃以下である。尚、下限は、通常、−70℃以上である。
上記架橋重合体粒子は、粒子状であり、その平均粒径は、好ましくは30〜100nm、より好ましくは40〜90nm、更に好ましくは50〜80nmである。上記架橋重合体粒子の平均粒径が上記範囲にあると、上記アミド基含有樹脂(A)との相溶性、アルカリ溶解性等に優れる。尚、上記平均粒径とは、光散乱流動分布測定装置「LPA−3000」(大塚電子社製)を用い、架橋重合体粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。
上記樹脂組成物が、上記架橋重合体粒子を含有する場合、その含有割合は、上記アミド基含有樹脂(A)を100質量部としたときに、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜80質量部、更に好ましくは5〜50質量部である。上記架橋重合体粒子の含有割合が上記範囲にあると、得られる硬化膜の耐熱衝撃性等に優れる。
(3−5)樹脂組成物の固形分濃度
上記樹脂組成物の固形分濃度は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
また、上記樹脂組成物の固形分濃度が5〜80質量%の範囲にあるときの粘度は、10〜10,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは20〜7,000mPa・s、更に好ましくは50〜5,000mPa・sである。この粘度が上記範囲にあると、孔部の内壁面及び底面の少なくとも内壁面に対する製膜性に優れ、より均一な被膜を得ることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
[1]樹脂組成物の調製
(1)実施例1〜6及び比較例1〜3
表1に示す種類及び配合で、(A)樹脂及び(C)架橋剤を、固形分濃度が36質量%となるように、(B)溶剤に溶解することにより各樹脂組成物を調製した。
尚、表1に記載の組成は、以下のとおりである。
<(A)樹脂>
(アミド基含有樹脂)
A−1:3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(100モル%)、Mw:15700、昭和高分子社製、商品名「ショウノールPPH−1000B」
A−2:3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド/スチレン(90モル%/10モル%)、Mw:11400、昭和高分子社製、商品名「ショウノールPPH−7100」
A−3:3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド/スチレン(60モル%/40モル%)、Mw:11700、昭和高分子社製、商品名「ショウノールPPH−7400」
A−4:3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド/スチレン(10モル%/90モル%)、Mw:9100、昭和高分子社製、商品名「ショウノールPPH−7900」
A−5:3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルメタクリルアミド/スチレン(50モル%/50モル%)、Mw:12000、昭和高分子社製、商品名「ショウノールREF−7500」
A−6:3,5−ジメチル−4−カルボキシベンジルメタクリルアミド/スチレン(20モル%/80モル%)、Mw:12000、昭和高分子社製、商品名「ショウノールREF−7800」
(比較例用樹脂(AR))
AR−1:フェノールノボラック樹脂、住友ベークライト社製、商品名「スミライトレジンS−2」
AR−2:p−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体、丸善石油化学社製、商品名「マルカリンカー S−2P」
AR−3:アクリル酸/アクリル酸ブチル/アクリル酸ヒドロキシエチルのラジカル共重合体(重量平均分子量:10,000)
<(B)溶剤>
B−1:乳酸エチル
B−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<(C)架橋剤>
C−1:ヘキサメトキシメチルメラミン(三井サイテック社製、商品名「サイメル300」)
[2]樹脂組成物の評価
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の各樹脂組成物を、下記の方法に従って評価した。その結果を表1に併記する。
(1)被膜形成性
表面に、開口部形状が正方形(80μm×80μm)、深さが100μm、及び、底面形状が正方形(60μm×60μm)である順テーパー状の孔部(図1(b)、図9参照)を有する、直径150mm及び厚さ500μmの段差Si基板上に、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルアセテートをスピンコート(1000rpm、3秒間)し、孔部にこの溶剤を充填した(図2(b)参照)。その後、上記で得られた樹脂組成物を、2段階スピンコート(1段階目;300rpm、10秒間、2段階目;600rpm、20秒間)し、孔部内の溶剤表面を含むシリコン基板の表面に塗膜を形成した。次いで、塗膜付きシリコン基板を、温度110℃のホットプレート上に3分間静置し、溶剤を揮発させて、シリコン基板の表面並びに孔部の内壁面及び底面に被膜を形成させ、被膜付きシリコン基板を得た(図2(d)参照)。
そして、電子顕微鏡により孔部の断面形状を観察し、以下の基準で被膜形成性を評価した。
○;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されており、孔部における内壁面及び底面の被膜の膜厚が略一定となっている場合(図10参照)
△;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されているが、孔部における内壁面及び底面における膜厚が略一定になっていない場合(図11参照)
×;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されていない場合、又は孔部を完全に埋めつくしている場合(図12参照)
(2)電気絶縁性(体積抵抗率)
樹脂組成物をスピンコータ(型番「1H−360S」、MIKASA社製)によりSUS基板に塗布した。その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、膜厚10μmの均一な薄膜を形成した。次いで、対流式オーブンを用いて170℃で2時間加熱し、テストピース(絶縁層)を得た。この得られたテストピースをプレッシャークッカー試験装置(タバイエスペック社製)を用いて、温度;121℃、湿度;100%、圧力:2.1気圧の条件下で168時間処理した。処理前後の層間の体積抵抗率(Ω・cm)を測定し、電気絶縁性の指標とした。
基板に設けられている孔部を示す概略断面図である。 本発明の被膜形成方法を説明する概略断面図である。 本発明の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法の一例を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の構成要素(部材3)の製造方法を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品を構成する部材3’を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の構成要素(部材3")を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の例を説明する概略断面図である。 図5の部材3’の他の製造方法を説明する概略断面図である。 実施例において用いた、被膜形成前のシリコン基板の孔部破断面を示す斜視画像である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。
符号の説明
1;被膜付き基板
11;基板
111;孔部
113;溶剤
115;塗膜
116;樹脂組成物及び溶剤の混合物
117;孔部内壁面の被膜
118;孔部底面の被膜
119;基板表面の被膜
128;孔部底面の被膜露光部
129;基板表面の被膜露光部
2及び2’;絶縁性被膜を有する構造体
217;孔部内壁面の絶縁性被膜(硬化膜)
218;孔部底面の絶縁性被膜(硬化膜)
219;基板表面の絶縁性被膜(硬化膜)
22;貫通孔
23a及び23b;銅膜(シード層)
24;絶縁性レジスト被膜
26;金属銅充填部
3,3’及び3";部材
31;上側部材
311;電極部(導電材料充填部)
311a及び311b;貫通電極(導電材料充填部)
313,313a及び313b;電極パッド
32;下側部材
321a及び321b;貫通電極(導電材料充填部)
323a及び323b;電極パッド
34;絶縁層
4;電子部品
41;インターポーザー
42;バンプ
43;バンプ
6;積層基板
61;基板
621,622及び623;被膜
625;絶縁性被膜
63;導電材層
635;電極パッド
66;導電材料充填部
7;被膜付き基板
8;積層構造体。

Claims (5)

  1. 開口部の面積が25〜10,000μmであり、深さが10〜200μmであり且つアスペクト比が0.5〜20である孔部を有する基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、
    樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、
    塗膜を乾燥し、上記孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜を形成する工程と、
    上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする加熱硬化工程と、
    上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜を残存させる表底面側絶縁性被膜除去工程と、を備えており、
    上記樹脂組成物が、(A)アミド基含有樹脂と、(B)溶剤と、(C)架橋剤と、を含有し、
    上記アミド基含有樹脂が、該アミド基含有樹脂全体を100モル%とした場合に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上含み、
    上記(C)架橋剤は、ヘキサメトキシメチルメラミンであることを特徴とする絶縁性被膜を有する構造体の製造方法。
    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(jは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、mは1〜4の整数である。]
  2. 更に、上記絶縁性被膜を有する構造体における上記孔部を有さない面から基板を研磨し、該孔部を貫通孔とする研磨工程を備える請求項1に記載の絶縁性被膜を有する構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により得られたことを特徴とする絶縁性被膜を有する構造体。
  4. 請求項に記載の方法により得られた絶縁性被膜を有する構造体と、該構造体の少なくとも貫通孔内に導電材料が充填されてなる電極部とを含む部材を備えることを特徴とする電子部品。
  5. 開口部の面積が25〜10,000μmであり、深さが10〜200μmであり且つアスペクト比が0.5〜20である孔部を有する基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、
    樹脂組成物を、該樹脂組成物が上記孔部内の上記溶剤と接触するように、上記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、
    塗膜を乾燥し、上記孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に上記樹脂成分を含む被膜を形成する工程と、
    上記孔部の内壁面及び底面を含む上記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、上記樹脂成分の硬化物を含む絶縁性被膜とする加熱硬化工程と、
    上記基板の表面に形成されている絶縁性被膜及び上記基板の上記孔部の底面に形成されている絶縁性被膜を除去し、上記孔部の内壁面に形成されている絶縁性被膜を残存させる表底面側絶縁性被膜除去工程と、を備える絶縁性被膜を有する構造体の製造方法において用いられる樹脂組成物であって、
    (A)アミド基含有樹脂と、(B)溶剤と、(C)架橋剤と、を含有し、
    上記アミド基含有樹脂が、該アミド基含有樹脂全体を100モル%とした場合に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上含み、
    上記(C)架橋剤は、ヘキサメトキシメチルメラミンであることを特徴とする樹脂組成物。
    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは単結合又は−(CH−(jは1〜3の整数)を示し、Rは相互に独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは水酸基又はカルボキシル基を示し、mは1〜4の整数である。]
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