JP5309879B2 - パネル - Google Patents

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本発明は、行列状に配置された画素回路の配線パターンが行方向に隣接する画素回路どうしで反転されたミラー反転配置とされるパネルに関し、特に、輝度ムラを改善することができるようにするパネルに関する。
発光素子として有機EL(Electro Luminescent)デバイスを用いた平面自発光型のパネル(ELパネル)の開発が近年盛んになっている。有機ELデバイスは、ダイオード特性を有し、有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用したデバイスである。有機ELデバイスは印加電圧が10V以下で駆動するため低消費電力である。また有機ELデバイスは自ら光を発する自発光素子であるため、照明部材を必要とせず軽量化及び薄型化が容易である。さらに有機ELデバイスの応答速度は数μs程度と非常に高速であるので、動画表示時の残像が発生しない。
有機ELデバイスを画素に用いた平面自発光型のパネルの中でも、とりわけ駆動素子として薄膜トランジスタを各画素に集積形成したアクティブマトリクス型のパネルの開発が盛んである。アクティブマトリクス型平面自発光パネルは、例えば以下の特許文献1乃至5に記載されている。
特開2003−255856号公報 特開2003−271095号公報 特開2004−133240号公報 特開2004−029791号公報 特開2004−093682号公報
表示装置では、表示性能として表示画面全体において輝度ムラがないことが要求される。しかしながら、ELパネルの所定の画素パターンレイアウトでは、画素パターンレイアウトに依存して薄膜トランジスタの特性が異なるものとなり、薄膜トランジスタの特性ばらつきが輝度ムラとなって認識されることがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、輝度ムラを改善することができるようにするものである。
本発明の一側面のパネルは、ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する蓄積容量とを有する画素回路を行列状に配置し、行列状の前記画素回路の配線パターンが行方向に隣接する画素回路どうしで反転されたミラー反転配置であり、前記サンプリング用トランジスタかまたは前記駆動用トランジスタのいずれか一方のトランジスタサイズが、前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがソースに先に照射される前記画素回路と、ドレインに先に照射される前記画素回路とで異なる。
前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがドレインに先に照射される前記画素回路の前記駆動用トランジスタのゲート幅が、ソースに先に照射される前記画素回路の前記駆動用トランジスタのゲート幅よりも短くすることができる。
前記駆動用トランジスタのゲート幅は、ブートストラップゲインの違いも考慮して決定されるようにすることができる。
前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にドレインに先に照射される前記画素回路の前記サンプリング用トランジスタのゲート幅が、ソースに先に照射される前記画素回路の前記サンプリング用トランジスタのゲート幅よりも短くすることができる。
本発明の一側面においては、サンプリング用トランジスタかまたは駆動用トランジスタのいずれか一方のトランジスタサイズが、駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがソースに先に照射される画素回路と、ドレインに先に照射される画素回路とで異なるものとされる。
本発明の一側面によれば、輝度ムラを改善することができる。
<本発明を適用する基本の形態>
最初に、本発明の理解を容易にし、且つ、背景を明らかにするため、有機ELデバイスを用いたパネル(以下、ELパネルと称する)の基本となる構成と動作について図1乃至図12を参照して説明する。
[基本となるELパネルの構成]
図1は、基本となるELパネルの構成例を示すブロック図である。
図1のELパネル100は、N×M個の画素(画素回路)101−(1,1)乃至101−(N,M)が行列状に配置されている画素アレイ部102と、これを駆動する駆動部である水平セレクタ(HSEL)103、ライトスキャナ(WSCN)104、および電源スキャナ(DSCN)105とにより構成されている。
また、ELパネル100は、M本の走査線WSL10−1乃至10−M、M本の電源線DSL10−1乃至10−M、およびN本の映像信号線DTL10−1乃至10−Nも有する。
なお、以下において、走査線WSL10−1乃至10−M、映像信号線DTL10−1乃至10−N、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)、または電源線DSL10−1乃至10−Mのそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に、走査線WSL10、映像信号線DTL10、画素101、または電源線DSL10と称する。
画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1行目の画素101−(1,1)乃至101−(N,1)は、走査線WSL10−1でライトスキャナ104と、電源線DSL10−1で電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第M行目の画素101−(1,M)乃至101−(N,M)は、走査線WSL10−Mでライトスキャナ104と、電源線DSL10−Mで電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の行方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1列目の画素101−(1,1)乃至101−(1,M)は、映像信号線DTL10−1で水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第N列目の画素101−(N,1)乃至101−(N,M)は、映像信号線DTL10−Nで水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の列方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
ライトスキャナ104は、走査線WSL10−1乃至10−Mに水平周期(1H)で順次制御信号を供給して画素101を行単位で線順次走査する。電源スキャナ105は、線順次走査に合わせて電源線DSL10−1乃至10−Mに第1電位(後述するVcc)または第2電位(後述するVss)の電源電圧を供給する。水平セレクタ103は、線順次走査に合わせて各水平期間内(1H)で映像信号となる信号電位Vsigと基準電位Vofsとを切換えて列状の映像信号線DTL10−1乃至10−Mに供給する。
図1のように構成されるELパネル100に、ソースドライバおよびゲートドライバとからなるドライバIC(Integrated Circuit)が付加されることによりパネルモジュールが構成される。さらに、パネルモジュールに、電源回路、画像LSI(Large Scale Integration)などを付加したものが表示装置となる。ELパネル100を含む表示装置は、例えば、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、プリンタ等の表示部として使用することができる。
[画素101の詳細構成]
図2は、図1に示したELパネル100に含まれるN×M個の画素101のうちの1つの画素101を拡大することにより、画素101の詳細な構成を示したブロック図である。
なお、図2において画素101と接続されている走査線WSL10、映像信号線DTL10、および電源線DSL10は、図1から明らかなように、画素101−(n,m)(n=1,2,・・・,N,m=1,2,・・・,M)に対して、走査線WSL10−(n,m)、映像信号線DTL10−(n,m)、および電源線DSL10−(n,m)となる。
図2の画素101は、サンプリング用トランジスタ31、駆動用トランジスタ32、蓄積容量33、および発光素子34を有する。サンプリング用トランジスタ31のゲートは走査線WSL10と接続され、サンプリング用トランジスタ31のドレインは映像信号線DTL10と接続されるとともに、ソースが駆動用トランジスタ32のゲートgと接続されている。
駆動用トランジスタ32のソースs及びドレインdの一方は発光素子34のアノードに接続され、他方が電源線DSL10に接続される。蓄積容量33は、駆動用トランジスタ32のゲートgと発光素子34のアノードに接続されている。また、発光素子34のカソードは所定の電位Vcatに設定されている配線35に接続されている。この電位VcatはGNDレベルであり、従って、配線35は接地配線である。以下、配線35を接地配線35と称する。
サンプリング用トランジスタ31および駆動用トランジスタ32は、いずれもNチャネル型トランジスタであり、低温ポリシリコンよりも安価に作成できるアモルファスシリコンで作成することができるため、画素回路の製造コストをより安価にすることができる。
有機EL素子はダイオード特性を有する電流発光素子であり、発光素子34は、供給される電流値Idsに応じた階調の発光を行う。
以上のように構成される画素101において、サンプリング用トランジスタ31が、走査線WSL10からの制御信号に応じてオン(導通)し、映像信号線DTL10を介して階調に応じた信号電位Vsigの映像信号をサンプリングする。蓄積容量33は、映像信号線DTL10を介して水平セレクタ103から供給された電荷を蓄積して保持する。駆動用トランジスタ32は、第1電位Vccにある電源線DSL10から電流の供給を受け、蓄積容量33に保持された信号電位Vsigに応じて駆動電流Idsを発光素子34に流す(供給する)。発光素子34に所定の駆動電流Idsが流れることにより、画素101が発光する。
画素101は、閾値補正機能を有する。閾値補正機能とは、駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthに相当する電圧を蓄積容量33に保持させる機能であり、これにより、ELパネル100の画素毎のばらつきの原因となる駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthの影響をキャンセルすることができる。
また、画素101は、上述した閾値補正機能に加え、移動度補正機能も有する。移動度補正機能とは、蓄積容量33に信号電位Vsigを保持する際、駆動用トランジスタ32の移動度μに対する補正を信号電位Vsigに加える機能である。
さらに、画素101は、ブートストラップ機能も備えている。ブートストラップ機能とは、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの変動にゲート電位Vgを連動させる機能であり、これにより、駆動用トランジスタ32のゲートgとソースs間の電圧Vgsを一定に維持することが出来る。
なお、閾値補正機能、移動度補正機能、およびブートストラップ機能については、後述する図7、図11、および図12などでも説明する。
[画素101の動作説明]
図3は、画素101の動作を説明するタイミングチャートである。
図3は、同一の時間軸(図面横方向)に対する走査線WSL10、電源線DSL10、および映像信号線DTL10の電位変化と、それに対応する駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsの変化を示している。
図3において、時刻t1までの期間は、前の水平期間(1H)の発光がなされている発光期間T1である。
発光期間T1が終了した時刻t1から時刻t4までは、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsを初期化することで閾値電圧補正動作の準備を行う閾値補正準備期間T2である。
閾値補正準備期間T2では、時刻t1において、電源スキャナ105が、電源線DSL10の電位を高電位であるVccから低電位であるVssに切換える。そして、時刻t2において、水平セレクタ103が、映像信号線DTL10の電位を信号電位Vsigから基準電位Vofsに切換える。次に、時刻t3において、ライトスキャナ104が、走査線WSL10の電位を高電位に切換え、サンプリング用トランジスタ31をオンさせる。これにより、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgが基準電位Vofsにリセットされ、且つ、ソース電位Vsが映像信号線DTL10の低電位Vssにリセットされる。
時刻t4から時刻t5までは、閾値補正動作を行う閾値補正期間T3である。閾値補正期間T3では、時刻t4において、電源スキャナ105により、電源線DSL10の電位が高電位Vccに切換えられ、閾値電圧Vthに相当する電圧が、駆動用トランジスタ32のゲートgとソースsとの間に接続された蓄積容量33に書き込まれる。
時刻t5から時刻t7までの書き込み+移動度補正準備期間T4では、走査線WSL10の電位が高電位から低電位一旦切換えられる。また、時刻t7の前の時刻t6において、水平セレクタ103が、映像信号線DTL10の電位を基準電位Vofsから階調に応じた信号電位Vsigに切換える。
そして、時刻t7から時刻t8までの書き込み+移動度補正期間T5において、映像信号の書き込みと移動度補正動作が行われる。即ち、時刻t7から時刻t8までの間、走査線WSL10の電位が高電位に設定され、これにより、映像信号の信号電位Vsigが閾値電圧Vthに足し込まれる形で蓄積容量33に書き込まれる。また、移動度補正用の電圧ΔVμが蓄積容量33に保持された電圧から差し引かれる。
書き込み+移動度補正期間T5終了後の時刻t8において、走査線WSL10の電位が低電位に設定され、それ以降、発光期間T6として、信号電圧Vsigに応じた発光輝度で発光素子34が発光する。信号電圧Vsigは、閾値電圧Vthに相当する電圧と移動度補正用の電圧ΔVμとによって調整されているため、発光素子34の発光輝度は駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることがない。
なお、発光期間T6の最初でブートストラップ動作が行われ、駆動用トランジスタ32のゲート‐ソース間電圧Vgs=Vsig+Vth−ΔVμを一定に維持したまま、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsが上昇する。
また、時刻t8から所定時間経過後の時刻t9において、映像信号線DTL10の電位が、信号電位Vsigから基準電位Vofsに落とされる。図3において、時刻t2から時刻t9までの期間は水平期間(1H)に相当する。
以上のようにして、ELパネル100では、駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることがなく、発光素子34を発光させることができる。
[画素101の詳細な動作説明]
図4乃至図12を参照して、画素101の動作についてさらに詳細に説明する。
図4は、発光期間T1の画素101の状態を示している。
発光期間T1では、サンプリング用トランジスタ31がオフ(走査線WSL10の電位が低電位)、かつ電源線DSL10の電位が高電位Vccとなっており、駆動用トランジスタ32が駆動電流Idsを発光素子34に供給している。このとき駆動用トランジスタ32は飽和領域で動作するように設定されているため、発光素子34に流れる駆動電流Idsは、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsに応じて次式(1)で表される値をとる。
Figure 0005309879
式(1)において、μは移動度を示し、Wはゲート幅を表し、Lはゲート長を表し、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量を示す。また、Vgsは、駆動用トランジスタ32のゲートgとソースs間の電圧(ゲートソース間電圧)であり、Vthは、駆動用トランジスタ32の閾値電圧である。なお、飽和領域とは、(Vgs−Vth<Vds)の条件を満たした状態をいう(Vdsは、駆動用トランジスタ32のソースsとドレインd間の電圧)。
そして、閾値補正準備期間T2の最初の時刻t1において、図5に示すように、電源スキャナ105は、電源線DSL10の電位を高電位Vcc(第1電位)から低電位Vss(第2電位)に切換える。このとき電源線DSL10の電位Vssが発光素子34の閾値電圧Vthelとカソード電位Vcatの和よりも小さければ(Vss<Vthel+Vcat)発光素子34は消光し、駆動用トランジスタ32の電源線DSL10と接続された側がソースsとなる。また、発光素子34のアノードは電位Vssに充電される。
次に、図6に示すように、時刻t2において、水平セレクタ103が映像信号線DTL10の電位を基準電位Vofsにした後、時刻t3において、ライトスキャナ104が、走査線WSL10の電位を高電位に切換えて、サンプリング用トランジスタ31をオンにする。これにより、駆動用トランジスタ32のゲート電位VgはVofsとなり、ゲートソース間電圧Vgsは、Vofs−Vssという値をとる。ここで、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsである(Vofs−Vss)は、次の閾値補正期間T3で閾値補正動作を行うため、閾値電圧Vthよりも大である(Vofs−Vss>Vth)必要がある。逆に言うと、(Vofs−Vss>Vth)の条件を満たすように、電位VofsおよびVssが設定される。
そして、閾値補正期間T3の最初の時刻t4において、図7に示すように、電源スキャナ105が電源線DSL10の電位を低電位Vssから高電位Vccに切換える。すると、駆動用トランジスタ32の発光素子34のアノードと接続されている側がソースsとなり、図7において1点鎖線で示されるように電流が流れる。
ここで、発光素子34は、等価的にダイオード34Aと寄生容量をCelとする有機EL容量34Bで表すことができる。そして、発光素子34のリーク電流が駆動用トランジスタ32に流れる電流よりもかなり小さい(Vel≦Vcat+Vthelを満たす)という条件の下では、駆動用トランジスタ32に流れる電流は蓄積容量33と有機EL容量34Bを充電するために使用される。発光素子34のアノード電位Vel(駆動用トランジスタ32のソース電位Vs)は、図8に示されるように、駆動用トランジスタ32を流れる電流に応じて上昇する。所定時間経過後、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧VgsがVthという値をとる。また、このときの発光素子34のアノード電位Velは(Vofs−Vth)である。ここで、発光素子34のアノード電位Velは、発光素子34の閾値電圧Vthelとカソード電位Vcatの和以下となっている(Vel=(Vofs−Vth)≦(Vcat+Vthel))。
その後、時刻t5において、図9に示されるように、走査線WSL10の電位が高電位から低電位に切替えられ、サンプリング用トランジスタ31がオフして閾値補正動作(閾値補正期間T3)が完了する。
続く書き込み+移動度補正準備期間T4の時刻t6において、水平セレクタ103によって、映像信号線DTL10の電位が、基準電位Vofsから、階調に応じた信号電位Vsigに切換えられる(図9)。その後、書き込み+移動度補正期間T5に入り、図10に示されるように、時刻t7において、走査線WSL10の電位が高電位に設定されることでサンプリング用トランジスタ31がオンして、映像信号の書き込みと移動度補正動作が行われる。駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgは、サンプリング用トランジスタ31がオンしているため信号電位Vsigとなるが、サンプリング用トランジスタ31には電源線DSL10からの電流が流れるため、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsは、時間とともに上昇していく。
駆動用トランジスタ32の閾値補正動作は既に完了している。よって、式(1)の右辺の(Vgs−Vth)2の項は、(Vgs−Vth)2={(Vsig−(Vofs−Vth))−Vth}2=(Vsig−Vofs)2となり、閾値電圧Vthの項の影響はなくなるので、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは、移動度μを反映したものとなる。具体的には、図11に示されるように、移動度μが大きい場合には、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは大きくなり、ソース電位Vsの上昇も早い。一方、移動度μが小さい場合には、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは小さくなり、ソース電位Vsの上昇は遅くなる。換言すると、一定時間経過時点では、移動度μが大きい場合には、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇量△Vμ(電位補正値)は大きくなり、移動度μが小さい場合には、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇量△Vμ(電位補正値)は小さくなる。これによって、各画素101の駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsのバラツキが、移動度μを反映して小さくなり、一定時間経過後の各画素101のゲートソース間電圧Vgsは、移動度μのバラツキを完全に補正した電圧となる。
時刻t8において、走査線WSL10の電位が低電位に設定されることでサンプリング用トランジスタ31がオフして、書き込み+移動度補正期間T5が終了し、発光期間T6となる(図12)。
発光期間T6では、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsは一定であるので、駆動用トランジスタ32は一定電流Ids’を発光素子34に供給する。発光素子34のアノード電位Velは、発光素子34に一定電流Ids’という電流が流れる電圧Vxまで上昇し、発光素子34は発光する。駆動用トランジスタ32のソース電位Vsが上昇すると、蓄積容量33のブートストラップ機能により、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgも連動して上昇する。
発光素子34のI−V特性により、発光時間が長くなると、図12に示されるB点の電位は時間とともに変化する(経時劣化する)。しかしながら、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsは一定値に保たれているので、発光素子34に流れる電流は変化しない。したがって、I−V特性により発光素子34が経時劣化しても、一定電流Ids’が流れ続けるので、発光素子34の輝度が変化することはない。
以上のように、画素101を備える図2のELパネル100においては、閾値補正機能および移動度補正機能によって画素101ごとの閾値電圧Vth及び移動度μの相違を補正することができる。また、発光素子34の経時変動(劣化)も補正することができる。
これにより、図2のELパネル100を用いた表示装置では、高品位な画質を得ることが可能である。
[画素101の配線パターンレイアウト]
図13は、サンプリング用トランジスタ31、駆動用トランジスタ32、および蓄積容量33に関する部分の画素(画素回路)101の配線パターンのレイアウトを示している。
サンプリング用トランジスタ31のゲートgは第2の金属層で形成し、サンプリング用トランジスタ31のソースs及びドレインdは第1の金属層で形成することができる。また、駆動用トランジスタ32のゲートgは第2の金属層で形成し、駆動用トランジスタ32のソースs及びドレインdは第1の金属層で形成することができる。蓄積容量33は第1の金属層と第2の金属層で形成することができる。
ブートストラップ動作を行わせる画素101においては、蓄積容量33の容量Csを大きくする必要があるため、蓄積容量33を形成するための領域を広く確保する必要がある。蓄積容量33のための領域を広く確保する方法の一つとして、行方向に隣接する画素101どうしの配線パターンの配置を反転させる方法がある。
[ミラー反転配置のELパネル100の配線パターンレイアウト]
図14は、画素101の配線パターンを行方向に隣接する画素どうしで反転させるミラー反転配置を採用した場合のELパネル100の画素アレイ部102(図1)の配線パターンレイアウトを示している。
これまで上述した画素101は、赤(Red)、緑(Green)、または青(Blue)のいずれかの色で発光するいわゆる副画素(サブピクセル)に相当し、行方向(図面左右方向)に並ぶ赤、緑、および青の3つの画素101で表示単位としての1画素が構成される。
表示単位としての1画素を表示画素を呼び、表示画素の列を画素アレイ部102(図1)の左端から順に数えたときに奇数番号となる表示画素を奇数画素(Odd画素)、偶数番号となる表示画素を偶数画素(Even画素)と呼ぶことにする。
図14の左側3つの画素101からなる表示画素を奇数画素、右側3つの画素101からなる表示画素を偶数画素とすると、ミラー反転配置を採用したELパネル100では、奇数画素の赤および青と偶数画素の緑を発光する画素101は、図13に示した配線パターンレイアウトとされ、奇数画素の緑と偶数画素の赤および青を発光する画素101は、図13に示した配線パターンレイアウトを行方向にミラー反転させた配線パターンレイアウトとされている。
以下では、図13に示した配線パターンレイアウトの画素101を画素101Rと称し、図13に示した配線パターンレイアウトとは反転した配置を有する画素101を画素101Lと称する。画素101Rと画素101Lとでは、駆動用トランジスタ32のドレインdとソースsの位置が反転しており、画素101Rの駆動用トランジスタ32を駆動用トランジスタ32Rと称し、反転画素101Lの駆動用トランジスタ32を駆動用トランジスタ32Lと称する。
ここで、図14に示されるミラー反転配置の配線パターンレイアウトを有する画素101内の薄膜トランジスタのチャネル部半導体層を、レーザアニール装置を用いてアニールする場合について考える。
レーザアニール装置は、画素101の行方向に沿って一方向にレーザを照射することを繰り返すことにより、薄膜トランジスタのチャネル部半導体層(シリコン)をアニールする。したがって、偶数画素と奇数画素とでは、駆動用トランジスタ32に対するレーザの当り方が異なり、そのことが、駆動用トランジスタ32のON特性(トランジスタ特性)を異なるものとさせていた。
例えば、図14の矢印で示されるように、レーザの照射方向(走査方向)が図中左から右方向であるとすると、画素101Rでは、駆動用トランジスタ32Rのソースsに対して先にレーザが照射され、その後ドレインdに照射されることになる。一方、画素101Lでは、駆動用トランジスタ32Lのドレインdに対して先にレーザが照射され、その後ソースsに照射されることになる。ブートストラップ動作を行わせる画素101では、駆動用トランジスタ32のソースs側に蓄積容量33が設けられており、駆動用トランジスタ32のソースsと蓄積容量33の一方の電極は同一の第1の金属層で形成される。従って、駆動用トランジスタ32Rのソースsにレーザが照射される前に同一金属層(第1の金属層)で形成されている蓄積容量33部分にレーザが照射されており、ソースsにレーザが先に照射される駆動用トランジスタ32Rは、その影響を受ける。一方、駆動用トランジスタ32Lは、ドレインdにレーザが照射される前には同一金属層がないため、蓄積容量33の影響を受けない。その結果、駆動用トランジスタ32RのON特性が低く、駆動用トランジスタ32LのON特性は高くなってしまう。
[駆動用トランジスタ32のON特性について]
図15を参照してON特性の違いによる影響について説明する。
図15は、図3に示した画素101のタイミングチャートのうち、時刻t4から時刻t8すぎまでの期間を拡大して示した図である。
駆動用トランジスタ32のON特性とは、時刻t7から時刻t8までの書き込み+移動度補正期間T5における駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgの上昇に合わせたソース電位Vsの上昇量を表す。ON特性が高いほどソース電位Vsの上昇量は大きく、ON特性が低いと、ソース電位Vsの上昇量も小さい。
図15の駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgおよびソース電位Vsは、ON特性が高い場合、即ち、ドレインdに対して先にレーザが照射された場合を実線で、ON特性が低い場合、即ち、ソースsに対して先にレーザが照射された場合を点線で示している。駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの違いは発光素子34に流れる駆動電流Idsの違いとなるので、結局、駆動用トランジスタ32のON特性の違いは、輝度の違いとなって現れる。ミラー反転配置を採用した場合には、ソースsに対して先にレーザが照射される画素101Rと、ドレインdに対して先にレーザが照射される画素101Lとが交互に配置されているため、ELパネル100全体では、細かい縦筋の輝度ムラとなって視認されることとなり、パネル生産の歩留まりの低下の一因となっていた。
そこで、駆動用トランジスタ32に対するレーザの当り方が異なることに起因して生じる細かい縦筋の輝度ムラを改善するようにしたELパネルについて説明する。
<本発明の実施の形態>
[本発明を適用したELパネル200の構成]
図16は、本発明を適用したELパネル200の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
なお、以下において、上述したELパネル100と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図16のELパネル200では、画素アレイ部102において、上述した画素101と一部異なる構成を有する画素201−(1,1)乃至201−(N,M)が行列状に配置されている点が、ELパネル100と異なる。以下において、画素201−(1,1)乃至201−(N,M)のそれぞれを特に区別する必要がない場合、画素101と同様に、単に画素201と称する。
なお、ELパネル200の画素アレイ部102における画素201の配線パターンレイアウトには、行方向に隣接する画素どうしで配線パターンの配置が反転されたミラー反転配置が採用されているものとする。
[画素201の第1の実施の形態]
図17は、ELパネル200の画素アレイ部102における画素201の配線パターンレイアウトの第1の実施の形態を示している。
図17では、上述した図14における場合と同様、レーザアニール装置を用いてアニールする場合に、駆動用トランジスタ32のソースsに対して先にレーザが照射される画素201が画素201Rで、駆動用トランジスタ32のドレインdに対して先にレーザが照射される画素201が画素201Lで示されている。また、画素201Rの駆動用トランジスタ32は駆動用トランジスタ32Rで、画素201Lの駆動用トランジスタ32は駆動用トランジスタ32Lで示されている。
第1の実施の形態では、駆動用トランジスタ32のソースsに先にレーザが照射される画素201Rに対してのみ、補助容量211が形成されている点が、図14の画素101Rと異なる。画素201Lは、画素101Lと同様の構成(配線パターン)とされている。
補助容量211は、その点線内の第1の金属層と第2の金属層の対向する部分に相当する。補助容量211の一方の電極は、第1の金属層で形成することができ、第3の金属層(図示せず)で形成される発光素子34のカソードに接続される。また、補助容量211の他方の電極は、第2の金属層で形成することができ、第1の金属層で形成される蓄積容量33の一方の電極と接続される。
補助容量211は、図17に示されるように、画素201Rの略中央部に配置される蓄積容量33を構成する第1の金属層および第2の金属層と、画素201R内の図面下部に配置される電源線DSL10を構成する第1の金属層との間のスペースに配置することができる。なお、補助容量211を配置する場所は、図17に示される位置に限定されるわけではない。
図18は、画素201Rの等価回路を示している。
図2を参照して説明した画素101の等価回路と比較すると、画素201Rには、容量Csubの補助容量211が新たに追加されている。補助容量211の一方の電極は発光素子34のアノードに接続され、補助容量211の他方の電極は発光素子34のカソードに接続されている。補助容量211の動作は、図7の参照して説明した有機EL容量34Bと同様である。
また、図18の画素201Rには、サンプリング用トランジスタ31の寄生容量(サンプリング用トランジスタ31のゲート‐ソース間に発生する寄生容量)Cws、駆動用トランジスタ32のゲート‐ドレイン間に発生する寄生容量Cgd、駆動用トランジスタ32のゲート‐ソース間の寄生容量Cgsが図示されている。
画素201Rでは、このように補助容量211を追加することにより、駆動用トランジスタ32Rの入力ゲインを向上させることができる。
画素201Rにおける駆動用トランジスタ32Rの入力ゲイン(Input_Gain)は、書き込み+移動度補正期間T5における駆動用トランジスタ32Rのゲート電位Vgの上昇量に対するソース電位Vsの上昇量の比率であり、次式(2)で表すことができる。
Figure 0005309879
なお、式(2)のCelは、図7を参照して説明したように、発光素子34の寄生容量である。
式(2)から明らかなように、補助容量211を追加することで、駆動用トランジスタ32Rの入力ゲインが向上する。したがって、図15において点線で示される、ソースsに先にレーザが照射される駆動用トランジスタ32Rの書き込み+移動度補正期間T5における駆動用トランジスタ32Rのソース電位Vsの上昇量が、実線で示される駆動用トランジスタ32Lのソース電位Vsの上昇量と同一となる容量Csubを有する補助容量211を追加することで、画素201Rと画素201Lの輝度を同一にすることができる。従って、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
即ち、駆動用トランジスタ32のソースsとドレインdのうちレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素(画素回路)201Rの、映像信号の書き込みおよび移動度補正期間T5における駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgの上昇量に対するソース電位Vsの上昇量の比率を、レーザがドレインdに先に照射される画素(画素回路)201Lよりも大きくすることにより、輝度ムラを改善することができる。
なお、第1の実施の形態における輝度ムラ改善のポイントは、駆動用トランジスタ32Rの入力ゲインを補助容量211の容量Csubによって駆動用トランジスタ32Lよりも高くすることである。従って、例えば、ON特性がもともと高い駆動用トランジスタ32Lを有する画素201Lに、有機発光材料部の容量成分を補う等の目的で既に補助容量が設けられている場合には、画素201Lに設けられている補助容量とサイズ(容量)の異なる(サイズのより大きい)補助容量211を画素201Rに設けることで、輝度ムラを改善することができる。
また、上述した例では、レーザの照射方向が図中左から右方向である場合について説明したが、レーザの照射方向が図中右から左方向である場合には、レーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素とドレインdに先に照射される画素が逆になる。即ち、画素201Lがレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射され、画素201Rがレーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される。この場合には、補助容量211を画素201Lに設ければよい。
[画素201の第2の実施の形態]
図19は、ELパネル200の画素アレイ部102における画素201の配線パターンレイアウトの第2の実施の形態を示している。
図19においても、図14における場合と同様、レーザアニール装置を用いてアニールする場合に、駆動用トランジスタ32のソースsに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Rで、駆動用トランジスタ32のドレインdに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Lで示している。また、画素201Rの駆動用トランジスタ32は駆動用トランジスタ32Rで、画素201Lの駆動用トランジスタ32は駆動用トランジスタ32Lで示されている。
第2の実施の形態では、画素201Lにおいて、図14の画素101Lの蓄積容量33に代えて、それよりも配線パターンサイズの小さい蓄積容量221が設けられている点のみが画素101Lと異なる。配線パターンサイズとは、蓄積容量221を構成する第1の金属層と第2の金属層の対向する部分の面積であり、蓄積容量221の容量Csは、蓄積容量33の容量Csよりも小さい。なお、画素201Rは、画素101Rと同様である。
蓄積容量221と蓄積容量33の配線パターンサイズの違いによって、書き込み+移動度補正期間(書き込みおよび移動度補正期間)T5経過後の発光期間T6における駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇量△Vsに対するゲート電位Vgの上昇量△Vgの比率であるブートストラップゲイン(Gbst)が異なる。ブートストラップゲインは、次式(3)で表される。
Figure 0005309879
式(3)におけるCgs、Cws、およびCgdはいずれも寄生容量であるので、ブートストラップゲインは、蓄積容量221または蓄積容量33の容量Csに大きく依存する。従って、蓄積容量221の容量Csを小さくすることにより、ブートストラップゲインは小さくなる。
画素201Lの蓄積容量221の容量Csを小さくすることにより、ブートストラップ動作後の駆動用トランジスタ32Rのソース電位Vsを、画素101Lの実線で示される値から、画素201R(画素101R)の点線で示される値へ近づけることができる。
換言すれば、ブートストラップ動作後の駆動用トランジスタ32Rのソース電位Vsが、駆動用トランジスタ32Lのソース電位Vs(図13の点線)と同一となるように、画素201Lの蓄積容量221の容量Csが決定される。
このように駆動用トランジスタ32のソースsとドレインdのうちレーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される画素(画素回路)201Lのブートストラップゲインを、レーザがソースsに先に照射される画素(画素回路)201Rよりも小さくすることにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
なお、第2の実施の形態では、画素201Lの蓄積容量221の容量Csを、画素201Rの蓄積容量33の容量Csと比較して大とすればよい。従って、画素201L内のスペースに空きがあれば、画素201Lを図14の画素101Lと同様に構成し、画素201Rの蓄積容量33の配線パターンサイズを、画素201Lの蓄積容量33の配線パターンサイズよりも大としてもよい。
上述した例では、レーザの照射方向が図中左から右方向である場合について説明したが、レーザの照射方向が図中右から左方向である場合には、レーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素とドレインdに先に照射される画素が逆になる。即ち、画素201Lがレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射され、画素201Rがレーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される。この場合には、蓄積容量221を画素201Rに設け、画素201Lを画素101Lと同様の構成とすればよい。
以上のように、第1および第2の実施の形態では、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgの上昇量とソース電位Vsの上昇量との比率が駆動用トランジスタ32のソースsとドレインdのうちレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素201Rとドレインdに先に照射される画素201Lとで異なるようにすることで、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
[画素201の第3の実施の形態]
図20は、ELパネル200の画素アレイ部102における画素201の配線パターンレイアウトの第3の実施の形態を示している。
図20においても、図14における場合と同様、レーザアニール装置を用いてアニールする場合に、駆動用トランジスタ32のソースsに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Rで、駆動用トランジスタ32のドレインdに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Lで示している。
第3の実施の形態では、画素201Lにおいて、図14の画素101Lの駆動用トランジスタ32Lとトランジスタサイズの異なる駆動用トランジスタ231が設けられている点のみが画素101Lと異なる。即ち、画素201Lの駆動用トランジスタ231のゲート幅Wが、画素101Lの駆動用トランジスタ32Lのゲート幅Wよりも短い。画素201Rは、画素101Rと同様である。
[駆動用トランジスタ231の拡大図]
図21は、画素201Lの駆動用トランジスタ231部分を拡大した図である。
駆動用トランジスタ231のON特性は、トランジスタサイズ、即ち、図21に示されるチャネル領域のゲート幅Wとゲート長Lによっても決定される。ゲート幅Wを長くするほどON特性は高くなり、また、ゲート長Lを短くしてもON特性は高くなる。駆動用トランジスタ32についても同様である。
そこで、第3の実施の形態では、レーザの当り方が異なることによるON特性の差異分だけ、画素201Lの駆動用トランジスタ231のトランジスタサイズで決定されるON特性が低くなるように、駆動用トランジスタ231のゲート幅Wが、画素201Rの駆動用トランジスタ32Rのゲート幅Wよりも短くされる。
換言すれば、レーザアニール後の画素201Lの駆動用トランジスタ231のON特性と、画素201Rの駆動用トランジスタ32RのON特性が同一となるように、駆動用トランジスタ231のゲート幅Wが決定される。これにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
なお、厳密には、駆動用トランジスタ231のゲート幅Wを変更すると、駆動用トランジスタ231のゲート‐ドレイン間に発生する寄生容量Cgd、およびゲート‐ソース間の寄生容量Cgsが変化するので、式(3)のブートストラップゲインも変化する。
第2の実施の形態で説明したように、ブートストラップゲインを変化させることによっても輝度は変化するので、第3の実施の形態においては、駆動用トランジスタ231のゲート幅Wの変更による輝度変化と、ゲート幅Wの変更によるブートストラップゲインの輝度変化の両方を考慮して、画素201Lの輝度が画素201Rのものと同一となるように駆動用トランジスタ231のゲート幅Wを決定する必要がある。
以上のように、第3の実施の形態では、レーザアニール時にレーザがドレインsに先に照射される画素201Lの駆動用トランジスタ231のゲート幅Wを、レーザがソースsに先に照射される画素201Rの駆動用トランジスタ32Rのゲート幅Wよりも短くすることにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
図20では、ゲート幅Wを変更する例について説明したが、上述したように、ゲート長Lを変更してもON特性を変化させることができるので、駆動用トランジスタ32Rと駆動用トランジスタ231とでゲート長Lを変えることにより、輝度が同一となるようにしてもよい。この場合、駆動用トランジスタ231のゲート長Lは、駆動用トランジスタ32Rのゲート長Lよりも長く設定すればよい。
従って、第3の実施の形態では、隣接する画素201Lと画素201Rで駆動用トランジスタ231と駆動用トランジスタ32Rのトランジスタサイズを異なるようにすることにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
なお、上述した例では、レーザの照射方向が図中左から右方向である場合について説明したが、レーザの照射方向が図中右から左方向である場合には、レーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素とドレインdに先に照射される画素が逆になる。即ち、画素201Lがレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射され、画素201Rがレーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される。この場合には、画素201Lについては画素101Lと同様に構成し、画素201Rの駆動用トランジスタ32Rのゲート幅Wを、駆動用トランジスタ231のように短くすればよい。
[画素201の第4の実施の形態]
図22は、ELパネル200の画素アレイ部102における画素201の配線パターンレイアウトの第4の実施の形態を示している。
図22においても、図14における場合と同様、レーザアニール装置を用いてアニールする場合に、駆動用トランジスタ32のソースsに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Rで、駆動用トランジスタ32のドレインdに対して先にレーザが照射される画素201を画素201Lで示している。
第4の実施の形態では、画素201Lは、図14の画素101Lのサンプリング用トランジスタ31とトランジスタサイズの異なるサンプリング用トランジスタ241が設けられている点のみが画素101Lと異なる。即ち、画素201Lのサンプリング用トランジスタ241のゲート幅Wが、画素101Lのサンプリング用トランジスタ31のゲート幅Wよりも短い。画素201Rは、画素101Rと同様である。
画素201Lのサンプリング用トランジスタ241のON抵抗は、ゲート幅Wがより長い画素201Rのサンプリング用トランジスタ31より高くなる。ON抵抗が高いと、図15の書き込み+移動度補正期間T5における駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgの上昇の傾斜が緩やかになる。駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgの上昇の傾斜が緩やかになると、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇も緩やかとなり、ソース電位Vsの上昇量、即ちON特性が低くなる。よって、ソース電位Vsの上昇量が画素201Lと画素201Rで同一となるように、画素201Lのサンプリング用トランジスタ241のゲート幅Wを、画素201Rのサンプリング用トランジスタ31のゲート幅Wより短くすることで、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
以上のように、第4の実施の形態では、レーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される画素201Lのサンプリング用トランジスタ241のゲート幅Wを、レーザがソースsに先に照射される画素201Rのサンプリング用トランジスタ31のゲート幅Wよりも短くすることにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
なお、第4の実施の形態においても、ゲート幅Wではなくゲート長Lを変えることによって画素201Lと画素201Rの輝度を等しくすることも可能である。この場合、サンプリング用トランジスタ241のゲート長Lは、サンプリング用トランジスタ31のゲート長Lよりも長く設定すればよい。
従って、第4の実施の形態では、隣接する画素201Lと201Rでサンプリング用トランジスタ241とサンプリング用トランジスタ31のトランジスタサイズを異なるようにすることにより、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
なお、上述した例では、レーザの照射方向が図中左から右方向である場合について説明したが、レーザの照射方向が図中右から左方向である場合には、レーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素とドレインdに先に照射される画素が逆になる。即ち、画素201Lがレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射され、画素201Rがレーザアニール時にレーザがドレインdに先に照射される。この場合には、画素201Lについては画素101Lと同様に構成し、画素201Rのサンプリング用トランジスタ31のゲート幅Wを、サンプリング用トランジスタ241のように短くすればよい。
以上のように、第3および第4の実施の形態では、駆動用トランジスタ32のソースsとドレインdのうちレーザアニール時にレーザがソースsに先に照射される画素201Rとドレインdに先に照射される画素201Lとで、駆動用トランジスタかまたはサンプリング用トランジスタのいずれか一方のトランジスタサイズを異なるようにすることで、細かい縦筋の輝度ムラを改善することができる。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
基本となるELパネルの構成例を示すブロック図である。 画素の詳細な構成例を示したブロック図である。 画素の動作を説明するタイミングチャートである。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 画素の動作について詳細に説明する図である。 図1のELパネルにおける画素の配線パターンレイアウトを示す図である。 ミラー反転配置を採用した場合の配線パターンレイアウトを示す図である。 ON特性の違いによる影響について説明する図である。 本発明を適用したELパネルの実施の形態の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したELパネルにおける第1の配線パターンレイアウトを示す図である。 図17の画素の等価回路を示す図である。 本発明を適用したELパネルにおける第2の配線パターンレイアウトを示す図である。 本発明を適用したELパネルにおける第3の配線パターンレイアウトを示す図である。 駆動用トランジスタ部分の拡大図である。 本発明を適用したELパネルにおける第4の配線パターンレイアウトを示す図である。
符号の説明
200 ELパネル, 201L,201R 画素(画素回路), 211 補助容量, 221 蓄積容量, 231 駆動用トランジスタ, 241 サンプリング用トランジスタ

Claims (4)

  1. ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、
    映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、
    前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、
    前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する蓄積容量と
    を有する画素回路を行列状に配置し、行列状の前記画素回路の配線パターンが行方向に隣接する画素回路どうしで反転されたミラー反転配置であり、
    前記サンプリング用トランジスタかまたは前記駆動用トランジスタのいずれか一方のトランジスタサイズが、前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがソースに先に照射される前記画素回路と、ドレインに先に照射される前記画素回路とで異なる
    パネル。
  2. 前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがドレインに先に照射される前記画素回路の前記駆動用トランジスタのゲート幅が、ソースに先に照射される前記画素回路の前記駆動用トランジスタのゲート幅よりも短い
    請求項1に記載のパネル
  3. 前記駆動用トランジスタのゲート幅は、ブートストラップゲインの違いも考慮して決定される
    請求項2に記載のパネル
  4. 前記駆動用トランジスタのソースとドレインのうちレーザアニール時にレーザがドレインに先に照射される前記画素回路の前記サンプリング用トランジスタのゲート幅が、ソースに先に照射される前記画素回路の前記サンプリング用トランジスタのゲート幅よりも短い
    請求項1に記載のパネル
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