JP5309776B2 - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ鏡筒および撮像装置に関する。より詳細には、光軸方向に移動するレンズを含むレンズ鏡筒および当該レンズ鏡筒を備えた撮像装置に関する。
下記の特許文献1には、レンズの移動方向を案内するガイドバーと、ガイドバーに係合するスリーブを有してレンズを保持するレンズ枠とを備えたレンズ鏡筒が記載される。スリーブにはカムフォロワが更に設けられ、カムフォロワが係合するカム溝を有するカム筒を回転させることにより、レンズ枠をレンズの光軸方向に沿って移動させる。
特開平06−174998号公報
上記特許文献1によれば、ガイドバーに対して係合するスリーブにカムフォロワが設けられているので、カムフォロワが係合するカム溝を有するカム筒の径を小型化することが困難であった。
上記課題を解決すべく、本発明の第1の形態として、基準となる固定部(140)に設けられた案内軸(142、144)と、レンズ(124、134)を保持すると共に、案内軸(142、144)に対して移動可能に係合する第1係合部(131、161)を有するレンズ保持部材(130、160)と、第1係合部(131、161)に対して案内軸(142、144)の方向とは異なる方向に偏倚したレンズ保持部材(130、160)上の位置に配置された第2係合部(136、166)と、第2係合部(136、166)に係合してレンズ保持部材(130、160)を案内軸(142、144)に沿って駆動する駆動部材(150)とを備えたレンズ鏡筒(100)が提供される。
また、本発明の第2の形態として、上記レンズ鏡筒(100)を備え、レンズ(124、134)を含む光学系(101)による像を撮影する撮像部(200)を有する撮像装置(300)が提供される。
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となり得る。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。しかしながら、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、レンズ鏡筒100全体の断面図である。レンズ鏡筒100は、第1レンズ群114、第2レンズ群124および第3レンズ群134を有する光学系101を備える。第1レンズ群114、第2レンズ群124および第3レンズ群134は、それぞれレンズ枠112、122、132により保持される。
固定筒140は、カメラボディ等の他の部材に対して連結されるマウントと一体的に形成され、それ自体は移動または回動しない。また、固定筒140は、その径方向に対向する位置にガイドバー142およびガイドバー144を互いに平行に支持する。
第1レンズ群114は、レンズ枠112を介して前筒111に保持される。即ち、前筒111およびレンズ枠112は、前群ユニット110を形成する。前筒111は、カム溝148、152およびカムフォロア116を含むカム機構により、レンズ枠112および第1レンズ群114と共に光学系101の光軸に沿って固定筒140に対して移動する。
第2レンズ群124は、レンズ枠122を介して中筒121に保持される。中筒121は、絞り装置162および振動補正装置164を併せて保持し、中間ユニット160を形成する。
中筒121は、係合部161がガイドバー142、144に係合することにより、固定筒140に対して光学系101方向に移動する。これにより、中筒121に保持されたレンズ枠122および第2レンズ群124も、ガイドバー142、144に沿って移動する。
第3レンズ群134は、レンズ枠132を介して後筒135に保持される。後筒135およびレンズ枠132は、後群ユニット130を形成する。後筒135も、係合部131がガイドバー142、144に係合することにより、固定筒140に対して光学系101方向に移動する。これにより、後筒135に保持されたレンズ枠132および第3レンズ群134も、ガイドバー142、144に沿って移動する。
これらのレンズ群の移動により、光学系101の焦点位置、焦点距離等が変化する。なお、レンズ鏡筒100は、中筒121および後筒135を駆動する要素として、カム筒150を備える。カム筒150は、カム溝148、152、154、156を有する。
また、カム筒150は、レンズ鏡筒100の外周に設けられたズーム環151を操作することにより、固定筒140に対して同軸に回転することができる。更に、レンズ鏡筒100は、これらの他に、マイコン170を内蔵する。マイコン170は、レンズ鏡筒100の外部と電気信号を送受信する場合の通信制御を実行する。
図2は、レンズ鏡筒100の部分的な分解斜視図である。レンズ鏡筒100は、レンズ鏡筒100の前端側に相当する図の左側から順に、カム筒150、固定筒140、ガイドバー142、144、中間ユニット160、および、後群ユニット130に分解できる。
カム筒150は、図1に示した状態では固定筒140の外側に設けられており、レンズ鏡筒100の前端側に引き抜くことができる。ガイドバー142、144は、固定筒140に対して固定されるが、後述するようにレンズ鏡筒100の後側に引き抜くことができる。
中間ユニット160および後群ユニット130は、固定筒140の内径側に挿入できる。換言すれば、図1に示した状態から、後群ユニット130を、固定筒140からレンズ鏡筒100の後端側に引き抜くことができ、更に、中間ユニット160を、固定筒140からレンズ鏡筒100の前端側に引き抜くことができる。以下、個々の要素について個別に説明する。
図3は、固定筒140の構造を示す斜視図である。なお、図3(a)は、レンズ鏡筒100の斜め後方側から固定筒140を見下ろした様子を示す。また、図3(b)は、レンズ鏡筒100の斜め前方側から固定筒140を見下ろした様子を示す。
固定筒140は、全体として円筒形をなして、ガイドバー142、144、カム溝148および基部146を有する。基部146は、固定筒140の後端に形成され、レンズ鏡筒100を他の部材に固定するためのマウントが取り付けられる。
ガイドバー142は、固定筒140の上面に形成された切欠き部141の内側において固定筒140の長手方向に固定される。換言すれば、ガイドバー142は光学系101の光軸と平行に固定される。同様にガイドバー144は、固定筒140の内径側において長手方向に固定される。
図4は、中間ユニット160の構造を示す斜視図および背面図である。図4(a)は、レンズ鏡筒100の斜め後方側から中間ユニット160を見下ろした様子を示す斜視図である。また、図4(b)は、レンズ鏡筒100の真後ろから中間ユニット160を見た場合の背面図である。
中間ユニット160において、中筒121は、レンズ枠122、第2レンズ群124、絞り装置162および振動補正装置164を内径側に保持する。また、中筒121の外周面には、係合部161、カムフォロア166およびU字溝部163がそれぞれ配置される。
図4(a)に示すように、係合部161は、ガイドバー142の延在方向に沿って一対設けられる。このように、レンズ鏡筒100において、係合部161は、ガイドバー142の延在方向に沿って複数設けられてもよい。本実施形態においては、係合部161の各々の上面には、ガイドバー142に当接する、互いに対向した一対の当接面により形成されたV字溝167が形成される。これにより、光学系101の光軸に対する中筒121の傾きが効果的に抑制される。従って、第2レンズ群124の光軸が、光学系101全体の光軸に対して傾くことが防止される。
カムフォロア166は、中筒121の外周面においてガイドバー142の延在方向に対して直交する方向に、係合部161に隣接して配置される。また、カムフォロア166は中筒121の表面から径方向に突出している。
また、カムフォロア166の近傍には、板バネ169がその一端を中筒121に対して固定される。板バネ169の他端は、ガイドバー142に当接する。これにより、板バネ169は、係合部161をガイドバー142に向かって引きつける。従って、V字溝167およびガイドバー142は、相互に密着する。
このように、レンズ鏡筒100において、係合部161は、ガイドバー142およびV字溝167の一方を他方に向かって付勢する板バネ169を更に有してもよい。これにより、係合部161およびガイドバー142の間のガタが自律的に解消され、中間ユニット160の移動を正確に案内できる。また、中筒121の径方向については、ガイドバー142の外側には薄い板バネ169があるに過ぎない。従って、カムフォロア166の高さを抑制できる。更に、中筒121の外側に他の部材を配置する場合に妨げにならない。
一方、図4(b)に示すように、ガイドバー144にはU字溝163が係合する。即ち、U字溝部163は、互いに平行な一対の当接面により、中筒121の周方向からガイドバー144の側面を挟む。これにより、光学系101の光軸に直交する平面内で中筒121が回動することを抑制できる。
このように、レンズ鏡筒100において、光学系101の光軸を中心とする周方向におけるガイドバー142とは異なる位置にガイドバー144を更に備え、中間ユニット160は、ガイドバー144に係合するU字溝部163を有してもよい。これにより、中間ユニット160に保持された第2レンズ群124の光軸が、光学系101全体の光軸からずれることを防止できる。
図5は、中間ユニット160における各要素の配置を説明する図である。なお、図5においては、中間ユニット160の一部を省略して描いている。
図5(a)に示すように、係合部161およびU字溝部163は、一点鎖線Aにより示す中筒121の径に、中心Cに対して対称に配置される。これにより、U字溝部163は、周方向について係合部161から大きく離れて配置される。従って、U字溝部163とガイドバー144との間、および、係合部161とガイドバー142との間のガタつきを抑えて、第2レンズ群124が、光軸に直交する平面内で正確に位置決めされることにより、光学系101全体の光軸からずれることを防止できる。
また、係合部161のV字溝167は、一点鎖線Aに対して中筒121の周方向に対称な形状を有する。このように、レンズ鏡筒100において、V字溝167における複数の面は、光学系101の光軸およびガイドバー142を含む面に対して対称であってもよい。これにより、ガイドバー142がV字溝167の複数の面を押圧する力の合力が光軸の中心を向くので、光軸に直交する面内における第2レンズ群124の位置を安定させることができる。
更に、V字溝167の内側において対向する一対の当接面がガイドバー142を挟む側においてなす角度θは、直角よりも小さな鋭角となっている。このように、レンズ鏡筒100において、V字溝167の内面は鋭角をなしてもよい。これにより、カムリングの回転によりカムフォロワに駆動力が作用した際、V字溝167の当接面上をガイドバー142が昇りにくくなり、中筒121の径方向への係合部161の変位が効果的に抑制される。
また更に、カムフォロア166は、中筒121の周方向について、係合部161の直近に隣接した位置Bに配置される。これにより、係合部161およびカムフォロア166の高さが中筒121の径方向に重なることがなく、カムフォロア166の高さを抑制できる。従って、中筒121の外側に他の部材を配置する場合に、その部材の径を小さくすることができる。
図5(b)は、係合部161およびカムフォロア166の近傍を、中間ユニット160の径方向から見た様子を示す。図示のように、カムフォロア166は、ガイドバー142の延在方向について、一対の係合部161のいずれに対しても、図中にPで示す等距離の位置に配置される。換言すれば、カムフォロア166の中心は、一対の係合部161間の中央に位置する。
このように、レンズ鏡筒100において、カムフォロア166は、ガイドバー142の延在方向に関して複数の係合部161の中央に配置されてもよい。これにより、中間ユニット160がガイドバー142に沿って移動する場合に、係合部161およびカムフォロア166の位置の相違が、中筒121の向きに与える影響が、中筒121の移動方向にかかわらず一定となる。従って、中間ユニット160の移動方向に依存することなく、第2レンズ群124の光軸の傾きを安定させることができる。
図6は、第3群の後群ユニット130の構造を示す斜視図および背面図である。図6(a)は、レンズ鏡筒100の斜め前側から後筒135を見下ろした様子を示す斜視図である。また、図6(b)は、レンズ鏡筒100の真後ろから後筒135を見た場合の背面図である。
後筒135は、レンズ枠132を介して第3レンズ群134を内側に保持する。また、後筒135の外周面には、係合部131、カムフォロア136およびU字溝部133がそれぞれ配置される。
図6(a)に示すように、係合部131は、ガイドバー142の延在方向に沿って一対設けられる。このように、レンズ鏡筒100において、係合部131は、ガイドバー142の延在方向に沿って複数設けられてもよい。これにより、光学系101の光軸およびガイドバー142を含む面に現れる後筒135の傾きを効果的に抑制できる。
また、係合部131の各々の上面には、ガイドバー142に当接する、互いに対向した一対の当接面により形成されたV字溝137が形成される。このように、レンズ鏡筒100において、係合部131は、ガイドバー142に当接すると共に、互いに対向する複数の面を含むV字溝137を有してもよい。これにより、第3レンズ群134の光軸が、光学系101全体の光軸からずれることが防止される。
カムフォロア136は、後筒135の外周面において、ガイドバー142の延在方向に対して直交する方向に、係合部131に隣接して配置される。また、カムフォロア136は、後筒135の表面から径方向に突出している。
更に、カムフォロア136の近傍には、板バネ139がその一端を後筒135に対して固定される。板バネ139の他端は、ガイドバー142に当接する。これにより、板バネ139は、係合部131を、ガイドバー142に向かって引きつける。従って、V字溝137およびガイドバー142は相互に密着する。
一方、U字溝部133は、図6(b)に示すように、係合部131とは異なる位置においてガイドバー144に係合する。U字溝部163は、互いに平行な一対の当接面により、後筒135の周方向から、ガイドバー144の側面を挟む。これにより、光学系101の光軸に直交する平面内で後筒135が回転することを抑制できる。
このように、レンズ鏡筒100において、後群ユニット130は、光学系101の光軸を中心とする周方向におけるガイドバー142とは異なる位置に、ガイドバー144を更に備え、ガイドバー144に係合するU字溝部133を設けるようにしてもよい。これにより、後群ユニット130に保持された第3レンズ群134の光軸が、光学系101全体の光軸からずれることを防止できる。
また、U字溝部133は、周方向について係合部131から離れて配置される。従って、U字溝部133とガイドバー144との間、および、係合部131とガイドバー142との間のガタつきを抑えて、第3レンズ群134が、光軸に直交する平面内で正確に位置決めされることにより、光学系101全体の光軸からずれることを防止できる。
このように、レンズ鏡筒100において、ガイドバー142に沿って移動可能にガイドバー142に対して係合する係合部131と、係合部131に対してガイドバー142の延在方向と異なる方向に偏倚して、カム筒150に係合するカムフォロア136と、ガイドバー144に係合するU字溝部133とを有して、第3レンズ群134を保持する後群ユニット130を更に備えてもよい。これにより、ガイドバー142およびガイドバー144を、中間ユニット160および後群ユニット130により共用して、少ない部品点数で高い機能を実現できる。
図7は、固定筒140に対して中間ユニット160および後群ユニット130を組み付けた組立体において、中間ユニット160および後群ユニット130が移動する様子を示す斜視図である。なお、他の図と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
図7(a)は、中間ユニット160および後群ユニット130が、レンズ鏡筒100の後端側に位置した状態を示す。ここで、ガイドバー142は、固定筒140の切欠き部141を縦断して固定される。また、後群ユニット130は、固定筒140の内側に挿入される。後筒135の係合部131は、ガイドバー142に対して係合する。また、後筒135のカムフォロア136は、切欠き部141を介して固定筒140から突出する。
中間ユニット160は、後筒135の更に内側に収容される。中間ユニット160の係合部161およびカムフォロア166は、固定筒140の切欠き部141を介して外部に露出する。
中間ユニット160の係合部161は、ガイドバー142に対して係合する。また、中筒121のカムフォロア166は、固定筒140の外まで突出する。
一方、中間ユニット160および後群ユニット130の板バネ169、139は、いずれも薄いので、固定筒140の厚さの範囲内に収まっている。よって、板バネ169、139が、固定筒140の外周面から外へ突出することはない。
ここで、一対のカムフォロア166、136は、ガイドバー142に対して、固定筒140の周方向について互いに反対側に位置している。従って、ガイドバー142の延在方向について一対のカムフォロア166、136が接近した場合も、相互に干渉することがない。
図7(b)は、中間ユニット160および後群ユニット130が、レンズ鏡筒100の前端側に位置した状態を示す。この場合も、一対のカムフォロア166、136は、ガイドバー142に対して反対側に位置しているので相互に干渉することがない。
このように、中間ユニット160のカムフォロア166と、後群ユニット130のカムフォロア136とは、固定筒140の周方向について、ガイドバー142に対して互いに反対側に位置している。従って、ガイドバー142の延在方向について一対のカムフォロア166、136が接近した場合も、相互に干渉することがない。これにより、単一のガイドバー142により中間ユニット160および後群ユニット130の両方を案内する構造でありながら、中間ユニット160および後群ユニット130の移動範囲を広くすることができる。
図8は、カム筒150の形状を示す斜視図である。図8(a)は、レンズ鏡筒100のやや後方からカム筒150の側面を見た様子を示す斜視図である。図8(b)は、レンズ鏡筒100の斜め後方からカム筒150を見下ろした様子を示す斜視図である。
カム筒150は、全体として、周面の一部に切欠き部158を設けた円筒状の形状を有する。また、カム筒150の周面には、周方向および長手方向のいずれに対しても交差しないで延在する複数のカム溝152、154、156が形成される。
カム筒150の前端側には、カム筒150の周方向に等間隔で配置された複数のカム溝152が形成される。また、カム筒150の後端側には、単一のカム溝152が形成される。更に、カム溝152の前側に、更にひとつのカム溝154が形成される。切欠き部158は、後ろ側の2本のカム溝154、156が形成されていない領域において、カム筒150の不要部分を取り除くことにより形成される。
図9は、図7に示した組立体にカム筒150を組み付けた状態を示す斜視図である。この図においても、他の図と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
カム筒150は、中間ユニット160および後群ユニット130を固定筒140に組み付けた組立体の外側に装着されるこれにより、固定筒140から、径方向外側に向かって突出したカムフォロア166、136が、カム溝154、156と係合する。
中間ユニット160のカムフォロア166は、カム筒150の中程のカム溝154に係合する。また、中間ユニット160は、係合部161により、その移動方向を、ガイドバー142の延在方向に制限されている。従って、光学系101の光軸の周りにカム筒150が回転した場合、カム溝154に押されたカムフォロア166は、レンズ鏡筒100の光軸方向に移動する。よって、中筒121に保持された第2レンズ群124も、光軸方向に沿って移動する。
同様に、後筒135のカムフォロア136は、カム筒150の後端側のカム溝156に係合する。また、後筒135は、係合部131により、その移動方向を、ガイドバー142の延在方向に制限されている。従って、光学系101の光軸の周りにカム筒150が回転した場合、カム溝156に押されたカムフォロア136は、レンズ鏡筒100の光軸方向に移動する。よって、後筒135に保持された第3レンズ群134も、光軸方向に沿って移動する。
こうして、基準となる固定筒140に設けられたガイドバー142と、第1レンズ群114、第2レンズ群124および第3レンズ群134を保持すると共に、ガイドバー142に沿って移動可能にガイドバー142に対して係合する係合部131、161を有する中間ユニット160および後群ユニット130と、係合部131、161に対してガイドバー142の方向とは異なる方向に偏倚した中間ユニット160および後群ユニット130上の位置に配置されたカムフォロア136、166と、カムフォロア136、166に係合して中間ユニット160および後群ユニット130をガイドバー142に沿って駆動するカム筒150とを備えたレンズ鏡筒100が形成される。これにより、第1レンズ群114、第2レンズ群124および第3レンズ群134の位置決め精度に影響する部品の点数が少なくなるので、所要の精度を有するレンズ鏡筒を容易且つ低コストに製造できる。
図10は、レンズ鏡筒100を備えた撮像装置300の構造を模式的に示す図である。なお、図10においては、図面が煩雑になることを避ける目的で、レンズ鏡筒100を模式的に記載した。しかしながら、図10におけるレンズ鏡筒100は、図1に示したレンズ鏡筒100と同じ構造を有する。そこで、同じ構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省いた。
レンズ鏡筒100は、マウント部260を介して、撮像部200に対して着脱自在に装着される。なお、撮像装置300において、レンズ鏡筒100および撮像部200は、図示していない接続端子を介して電気的にも結合される。これにより、レンズ鏡筒100は、撮像部200から電力を供給される。また、レンズ鏡筒100のマイコン170および撮像部200の主制御部250は相互に情報を交換する。
撮像部200は、主鏡240、ペンタプリズム270、接眼光学系290を含む光学系と、主制御部250とを収容する。主鏡240は、レンズ鏡筒100の光学系101を介して入射した入射光の光路上に傾斜して配置される待機位置と、入射光を避けて上昇する撮影位置(図中に点線で示す)との間を移動する。
待機位置にある主鏡240は、入射光の大半を、上方に配置されたフォーカシングスクリーン272に導く。フォーカシングスクリーン272は、レンズ鏡筒100の光学系101の合焦位置に配置され、光学系101により形成された画像を結像させる。
フォーカシングスクリーン272に結像された画像は、ペンタプリズム270を介して接眼光学系290から観察される。これにより、接眼光学系290からは、フォーカシングスクリーン272上の映像を正像として見ることができる。
ペンタプリズム270および接眼光学系290の間には、ファインダLCD294に形成された表示画像を、フォーカシングスクリーン272の映像に重畳させるハーフミラー292が配置される。これにより、接眼光学系290の出射端においては、フォーカシングスクリーン272の映像と、ファインダLCD294の映像とを併せて見ることができる。なお、ファインダLCD294には、撮像装置300の撮影条件、設定条件等の情報が表示される。
また、ペンタプリズム270の出射光の一部は、測光部280に導かれる。測光部280は、入射光の強度およびその分布等を測定して、撮影条件を決定する場合に測定結果を参照させる。
一方、入射光の入射面に対する主鏡240の裏面には、副鏡242が配置される。副鏡242は、主鏡240を透過した入射光の一部を、下方に配置された焦点検出装置230に導く。これにより、主鏡240が待機位置にある場合は、焦点検出装置230が光学系101の焦点調整状態を検出する。なお、主鏡240が撮影位置に移動した場合は、副鏡242も入射光の光路から退避する。
レンズ鏡筒100からの入射光に対して主鏡240の後方には、シャッタ220、光学フィルタ212および撮像素子210が光軸に沿って配置される。シャッタ220が開放される場合は、その直前に主鏡240が撮影位置に移動するので、入射光は直進して撮像素子210に入射される。これにより、入射光の形成する画像が、撮像素子210において電気信号に変換される。
また、撮像部200は、レンズ鏡筒100に対して背面において、外部に面したメインLCD296を備える。メインLCD296は、撮像部200に対する各種の設定情報を表示する他、主鏡240が撮影位置に移動している場合に撮像素子210に形成された画像を表示することもできる。
主制御部250は、上記のような種々の動作を総合的に制御する。また、撮像部200側の焦点検出装置230が検出した被写体までの距離の情報を参照して、レンズ鏡筒100を駆動するオートフォーカス機構を形成できる。更に、焦点検出装置230がレンズ鏡筒100の動作量を参照して、フォーカスエイド機構を形成することもできる。
更に、主制御部250は、レンズ鏡筒100のマイコン170と情報を交換して、絞り装置162の開閉等も制御する。更に、主制御部250は、露出の自動化、シーンモードの実行、ブラケット撮影の実行等にも寄与する。
こうして、レンズ鏡筒100と、第1レンズ群114、第2レンズ群124および第3レンズ群134を含む光学系101による像を撮影する撮像部200とを有する撮像装置300が形成される。このように、図1に示した構造を有するレンズ鏡筒100は、撮像装置300において好適に使用できる。しかしながら、レンズ鏡筒100の用途がこれに限られるわけではなく、例えば、動画撮影機、双眼鏡、顕微鏡、測量器等の光学系において、合焦機構、ズーム機構等に使用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。また、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。更に、変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
レンズ鏡筒100全体の断面図である。 レンズ鏡筒100全体の分解斜視図である。 固定筒140の構造を示す斜視図である。 中間ユニット160の構造を示す斜視図および背面図である。 中間ユニット160における各要素の配置を説明する図である。 第3群の後群ユニット130の構造を示す斜視図および背面図である。 固定筒140に対して中間ユニット160および後群ユニット130が移動する様子を示す斜視図である。 カム筒150の形状を示す斜視図である。 図7に示した組立体にカム筒150を組み付けた状態を示す斜視図である。 レンズ鏡筒100を備えた撮像装置300の構造を模式的に示す図である。
符号の説明
100 レンズ鏡筒、101 光学系、110 前群ユニット、130 後群ユニット、111 前筒、112、122、132 レンズ枠、114 第1レンズ群、116、136、166 カムフォロア、121 中筒、124 第2レンズ群、131、161 係合部、133、163 U字溝部、134 第3レンズ群、135 後筒、137、167 V字溝、141、158 切欠き部、139、169 板バネ、140 固定筒、142、144 ガイドバー、146 基部、148、152、154、156 カム溝、150 カム筒、151 ズーム環、160 中間ユニット、162 絞り装置、164 振動補正装置、170 マイコン、200 撮像部、210 撮像素子、212 光学フィルタ、220 シャッタ、230 焦点検出装置、240 主鏡、242 副鏡、250 主制御部、260 マウント部、270 ペンタプリズム、272 フォーカシングスクリーン、280 測光部、290 接眼光学系、292 ハーフミラー、294 ファインダLCD、296 メインLCD、300 撮像装置

Claims (11)

  1. 基準となる固定部に設けられた案内軸と、
    レンズを保持すると共に、前記案内軸に対して前記案内軸に沿って移動可能に係合する第1係合部を有するレンズ保持部材と、
    前記第1係合部に対して前記案内軸の方向とは異なる方向に偏倚した前記レンズ保持部材上の位置に配置された第2係合部と、
    前記第2係合部に係合して前記レンズ保持部材を前記案内軸に沿って駆動する駆動部材と
    を備え、
    前記案内軸の方向は、前記レンズの光軸と平行であって、
    前記第1係合部は、前記案内軸に当接する溝部、及び、前記案内軸前記溝部に向かって付勢する付勢部材を有し、
    前記付勢部材の一端側は前記案内軸の方向とは異なる前記方向に偏倚した位置に固定され、前記付勢部材の他端側は前記案内軸に当接し前記案内軸を前記レンズの光軸の中心に向けて付勢する
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記第1係合部は、一対の溝部を有し、
    前記付勢部材の他端側は、前記一対の溝部の間で、前記案内軸に当接することを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
    前記溝部は、外周側が開口していることを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記第1係合部は、前記案内軸の方向に沿って複数設けられることを特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記付勢部材の一端側は前記案内軸の方向に対して前記第2係合部の位置と同じ方向に偏倚した位置に固定されることを特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記溝部は、互いに対向する複数の面を含むV字溝であることを特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 請求項6に記載のレンズ鏡筒において、
    前記複数の面は、鋭角をなすことを特徴とするレンズ鏡筒。
  8. 請求項6または請求項7に記載のレンズ鏡筒において、
    前記複数の面は、前記レンズの光軸および前記案内軸を含む面に対して対称であることを特徴とするレンズ鏡筒。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記レンズの光軸を中心とする周方向の前記案内軸とは異なる位置に、第2案内軸を更に備え、
    前記レンズ保持部材は、前記第2案内軸に係合するU字溝を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  10. 請求項9に記載のレンズ鏡筒において、
    前記レンズとは異なる第2レンズを保持するとともに、前記案内軸に沿って移動可能に前記案内軸に対して係合する第3係合部と、
    前記案内軸に対して前記第2係合部と反対側に偏倚して、前記駆動部材に係合する第4係合部と、
    前記第2案内軸に係合するU字溝と
    を有する第2レンズ保持部材を更に備えるレンズ鏡筒。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒と、
    前記レンズを含む光学系による像を撮影する撮像部と
    を有する撮像装置。
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