JP2006251651A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイドバーによるレンズ支持機構において、進退駆動時に嵌合ガタが起因のレンズホルダの揺れおよび偏心が生じる。
【解決手段】鏡筒内に光軸と平行に配設されたガイドバー3、4と、このガイドバー3、4に支持され光軸方向に摺動可能なレンズホルダ2を備えたレンズ駆動装置において、ガイドバー3が磁性体で形成され、レンズホルダ2のガイドバー3による支持部が、略直交する複数の吸着面6eで構成され、前記吸着面6eが磁性体で形成される構成としたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえばビデオカメラ、スチルカメラ、その他撮像装置において、ズーム系もしくはフォーカス系の可動レンズ保持部材を光軸方向に進退移動させるレンズ駆動装置に関するものである。
近年、ビデオカメラまたはスチルカメラの小型化に伴い、撮影光学系の小型化が著しい。この撮影光学系の小型化には、撮像素子の小型化、およびレンズの光学的敏感度を上げることによる可動レンズの可動距離の減少とが大きく寄与している。
しかし、レンズの敏感度を上げるに伴い、レンズの位置精度も向上させる必要があり、微小なレンズ位置変化が撮影画像に与える影響が大きくなる。特にビデオカメラにおいては、可動レンズが動作中に揺動することによって撮影画像が揺れる像揺れの発生が問題になる。またスチルカメラにおいては、微小なレンズ位置変化によってピントが大きくずれる、ズームの倍率が変化する等の問題が発生する。
これらの問題が生じる主な原因として、各部品間に設けられた間隙による嵌合ガタが挙げられる。すなわち、可動レンズを保持するレンズホルダを光軸方向に移動させる構造において、バラツキ吸収、または温度変化に対する保障するために、各部品間に所定の隙間、例えば、5〜15μを確保することが必要とされており、この隙間によりガタが生じ、進退駆動時における揺れおよび偏心の原因となっている。
以上のことから、嵌合ガタを可能な限り抑え、安定したレンズ保持を行うことが、揺れ、偏心がない、高精度なレンズ進退移動に欠かせない要素となる。
従来のレンズ駆動装置には、図11および図12に示すような構造が多くみられる。すなわち、図11に示す従来例のレンズ駆動装置では、レンズ101の光軸方向に沿って平行に配置される2本のガイドバー103、104と、このガイドバー103、104に支持され、光軸方向に移動可能なレンズホルダ102と、レンズホルダ102に保持されるレンズ101とが備えられている。レンズホルダ102は上方一端部が穴102bを介して一方のガイドバー103に摺動自在に嵌合されているとともに、レンズホルダ102の下方他端部がほぼU字状の切欠部102cを介して他方のガイドバー104に摺動自在に係合されている。
また、レンズを光軸方向に駆動するために、レンズホルダ102に駆動用カムフォロワ105が突設されおり、不図示のカムによって駆動され、駆動力が伝えられるカムフォロワ105と一体となって、レンズホルダ102が光軸方向に沿って直線移動する構成となっている。
図12に示す従来例のレンズ駆動装置では、2本のガイドバーを用いてレンズを保持している点においては、図11に示す例と同じ構成であるが、レンズを光軸方向に駆動するためにリードスクリュー206を用いている。すなわち、レンズホルダ202に取り付けられる、ラックギヤ部205aを備えた駆動力伝達部材205と、リードスクリュー206を回転駆動する動力源となるモータ207とが備えられている。
このリードスクリュー206は、駆動力伝達部材205のラックギヤ部205aと噛み合っており、モータ207の駆動でリードスクリュー206が回転することにより、駆動力伝達部材205がリードスクリュー206の軸方向すなわち光軸方向に沿って直線移動するようになる。
さらに従来のレンズ駆動装置において、より積極的にガタを防止するために、磁性体による付勢機構を備えたもの(例えば、特許文献1参照。)、弾性部材による付勢機構を備えたもの(例えば、特許文献2参照。)がある。
以下、図13、図15により従来のレンズ駆動装置について説明する。
図13に示す従来例のレンズ駆動装置では、レンズホルダ302は、磁性体で形成されるガイド部材のガイドバー303、304にガイドされ、光軸方向に摺動自在に支持される。上記ガイドバー303は、レンズホルダ302に設けられたガイド孔302bに所定の隙間を有して嵌入されている。更に、ガイド孔302bの上部には磁性体305が埋設されており、該レンズホルダ302には、磁性体305の吸引力により常時作用する付勢力が働き、光軸に対して垂直な方向に付勢される。従って、ガイド孔302bとガイドバー303とは隙間のない状態で嵌入した状態にあり、ガイドバー303の方向にガタなく摺動可能となる。またガイドバー304の方は、レンズホルダ302の切り欠き部302cに嵌挿されている。
以上のように構成された図13に示す従来例のレンズ駆動機構の摺動動作は、レンズホルダ302が光軸方向に進退すると、レンズホルダ302は、保持部302aを介して軸方向に押されて進退駆動する。そのとき、上述したようにレンズホルダ302は、磁性体305の吸引力により光軸垂直方向に付勢されていることから、ガイド孔302bとガイドバー303とがガタのない状態で駆動される。
図15に示す従来例のレンズ駆動装置では、レンズホルダ402の上部402aは凵字型に形成してあり、その前後部の中央にはV字溝型の一対の保持部402b,402cを形成して、リードスクリュー兼ガイドバー403に摺接してある。また、レンズホルダ402の上部402aの一方の保持部402c側には、リードスクリュー兼ガイドバー403を押し付けて側圧を加えるための合成樹脂製でL字型の弾性部材405を熱溶着等により固着してある。この弾性部材405の垂直部の基部にはリードスクリュー兼ガイドバー403より大径で丸形の逃げ孔405bを形成してあると共に、その水平部の各先端の下側にはラック部405aを一体突出成形してある。
そして、レンズホルダ402に固着された弾性部材405のラック部405aが上記一対の保持部402b,402cの中間部に突出して、リードスクリュー兼ガイドバー403にその弾性付勢力を介して噛合している。これにより、レンズホルダ402のV字溝型の一対の保持部402b,402cは上記リードスクリュー兼ガイドバー403に隙間なく圧接され、その結果、レンズホルダ402は光軸に対して傾いたり、レンズ図16の中心が光軸からずれることなく、光軸に沿ってそれぞれ往復移動するようになっている。
また、上記第レンズホルダ402の下部には、略U字状のガイド溝402dを形成してある。
実開平5−90418号公報(第2頁、図1) 特開平5−88066号公報(第6頁、図3)
しかしながら、図11および図12に示すような、レンズホルダ102、202がガイドバー103、203とガイド孔102b、202bで保持される方式において、ガタのない進退駆動を実現するためには、ガイド孔102b、202bの寸法精度を高精度に製作し、ガイドバー103、203との嵌入隙間を厳密に管理すること、また、保持部102a、202aの長さを長く取ることが必要であり、これらが低コスト化、小型化の妨げとなる。さらに上記のような対策を施したにせよ、完全に嵌合ガタを無くすことは困難である。
他方、図13に示す従来例では、磁力を利用しガイド孔に対してガイドバーを付勢する構造をとる。この場合、正面模式図である図14に示すように、円形であるガイドバー303に対して、同じく円形であるガイド孔302bに付勢するため、図で示すy方向に対しては、付勢面310で接触するために位置が厳密に定まるものの、x方向に対しては明確な付勢面はなく、例えば後述する図15に示す従来例のように、円形であるガイドバーに対して、V字形に付勢する場合と比較して、微小な領域において厳密な位置が定まらず、保持が完全には安定しないという問題がある。
また、嵌合ガタを防止するためにレンズホルダを付勢する場合、姿勢の変動、衝撃等も考慮に入れると、一般に、レンズホルダ自重の数倍程度の付勢力が必要である。図13に示す従来例では、ガイドバー303の保持はガイド孔302bで行うため、磁性体305とガイドバー303の間にはある程度の距離が生じることになる。このため、磁性体305が直接ガイドバー303を吸着する場合と比較して吸着力が弱くなることから、これに対応するためには、一般に高価な希土類の磁性体を用いるか、より厚みがある磁性体を用いる必要があり、低コスト化、コンパクト化の妨げとなる。
図15に示す従来例では、ガイドバー403に対してレンズホルダに設けられたV字形状の保持部402b,402cに、L字型の弾性部材405を用いて付勢する構造をとる。この場合、正面模式である図16に示すように、付勢面410a、410b、410cで規制されるため、図で示すx方向、y方向いずれに対しても、厳密に位置が定まる。しかし、付勢手段が前述したように別途、弾性部材が必要であり、省スペース化の妨げとなるという問題があり、また弾性部材による付勢の場合、部品間および温度変化によるバラツキ、時効劣化等が生じやすというの問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解消することを課題になされたものであり、レンズホルダにガタの無い適切な支持構造を用いることにより、敏感度の高い光学系に対応し、且つコスト面、スペース面においても有利となるレンズ駆動装置を提供することを目的としている。
本発明に係る請求項1のレンズ駆動装置は、鏡筒内に光軸と平行に配設されたガイドバーと、前記ガイドバーに支持され光軸方向に摺動可能なレンズホルダを備えたレンズ駆動装置において、前記ガイドバーが磁性体で形成され、前記レンズホルダの前記ガイドバーによる支持部が、略直交する複数の吸着面で構成され、前記吸着面が磁性体で形成されることにより、各部品間における間隙を無くし、嵌合ガタの発生を防ぐことが可能となり、揺れおよび偏心がない高精度なレンズ保持を行うことができる。
また、本発明に係る請求項2のレンズ駆動装置は、前記ガイドバーの磁性体は常磁性体で形成され、前記複数の吸着面の磁性体は強磁性体、もしくは強磁性体に吸着した常磁性体で形成されることにより、加工面およびコスト面において有利な構成をとることが可能である。
本発明に係る請求項3のレンズ駆動装置は、前記レンズホルダの前記ガイドバーによる回転止め部が、磁性体で形成されることにより、より確実にレンズホルダに生じるガタの減少を図ることができる。
本発明に係る請求項4のレンズ駆動装置は、前記レンズホルダの支持部である略直交する複数の吸着面に対向する位置に、前記ガイドバーに対する補助保持部材を備えたことにより、落下等の衝撃によるレンズホルダ保持部のガイドバーからの完全脱落防止し、保持の信頼性を向上させることが可能となる。
本出願に係る発明は、ガイドバーによるレンズ駆動装置において、ガイドバーを磁性体で形成し、且つレンズホルダのガイドバーによる支持部を略直交する複数の磁性体による吸着面で構成としたことにより、各部品間における間隙を無くし、嵌合ガタの発生を防ぐことが可能となり、レンズ保持における精度向上の効果があり、加えて省スペース、低コスト化の効果がある。
またガイドバーの磁性体を常磁性体で形成し、且つレンズホルダの支持部である略直交する複数の吸着面の磁性体を強磁性体、もしくは強磁性体に吸着した常磁性体で形成することより、加工面、コスト面で有利な構成をとることができる。
またレンズホルダのガイドバーによる回転止め部を、磁性体で形成することにより、より確実にレンズホルダに生じるガタを減少させる効果がある。
また、レンズホルダの支持部である略直交する複数の吸着面に対向する位置に、ガイドバーに対する補助保持部材を備えることにより、落下等の衝撃によってレンズホルダ保持部がガイドバーからの完全に脱落するのを防止し、保持の信頼性を向上させる効果がある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施例]
図1は本発明の第1実施例を示すレンズ駆動装置の斜視図、図2は正面図である。図1および図2において、レンズホルダ2は、磁性体で形成されるガイド部材のガイドバー3、4にガイドされ、光軸方向に摺動自在に支持される。上記レンズホルダ2の保持部2aには略直交する配置で、磁性体6a,6bおよび6c,6dが備えられており、磁性体6aと6b、または6cと6dの組み合わせによって形成されるV字形状の吸着面6eに、直接ガイドバー3を吸着させることにより、レンズホルダ2を保持する形式をとる。この構成においては、上記磁性体の吸引力により、常時作用する付勢力が働き、吸着面6eとガイドバー3とは完全に隙間のない状態にあり、光軸方向にガタのない高精度な摺動が可能となる。
前述した図13に示す従来例では、磁力を利用し付勢する構造をとるが、円形であるガイドバー303に対して、同じく円形であるガイド孔302bに付勢するため、明確な付勢面がない方向が生じ、微小な領域において厳密な位置が定まらず、保持が完全には安定しないという問題があった。
本実施例においては、正面模式図である図3に示すように、磁性体によって形成される吸着面6eのV字形状に、直接円形のガイドバー3を吸着させ、付勢面10a、10bで規制されるため、図3で示すx方向、y方向、いずれの方向に対してもガタがなく厳密に位置が定まり、精度よい安定した保持が可能となっている。
さらに、図13に示す従来例においては、磁性体305とガイドバー303の間に距離が生じ、吸着力が弱くなるという問題があった。本実施例においては、レンズホルダ2に備えられた磁性体6によって形成される吸着面6eに対し、直接ガイドバー3が吸着するため、磁力が損なわれることがない。このため、磁力の弱い安価な磁性体を用いること、また外形サイズにおいて、より薄い磁性体を用いることが可能であり、低コスト化、コンパクト化に対しても有効である。
また、図15に示す従来例では、付勢手段が前述したように、別途弾性部材405が必要であり、省スペース化の妨げとなるという問題があった。さらに弾性部材による付勢の場合、磁気による安定した吸着力と比較して、部品間および温度変化によるバラツキ、時効劣化等が生じやすというの問題もある。
本実施例においては、レンズホルダ2に備えられた小型の磁性体6を用い、磁気吸着によりレンズホルダ2を保持する方式をとるため、別途突出した付勢部材を必要とせず、保持部付近の省スペース化が可能である。また、弾性部材による付勢と比較して、部品間、温度変化および時効劣化によるバラツキを小さく抑えることが可能であり、安定したレンズの保持を行うことができる。
さらに図1および図2に示すように、上記レンズホルダ2のガイドバー3による保持部2aに対向する位置には、磁性体7が備えられており、吸着面7aに、直接ガイドバー4を吸着させることにより、レンズホルダの回転止めの機能を果たす。この構成においては、上記磁性体7の吸引力により、吸着面7aとガイドバー4とは完全に隙間のない状態にあり、光軸方向にガタのない高精度な摺動が可能となる。
また図11および図12に示す従来例に示すように、レンズホルダ102、202に備えられたU字状の切欠部102b、202bを介してガイドバー104、204に摺動自在保持する方式と、同様の構造をとることも可能ある。この場合、レンズホルダのガタのない安定した保持に関しては磁性体による吸着を用いた構成が有利であり、摺動摩擦の軽減を重視するならばU字状の切欠を備えた構成を用いるのがよい。
なお本実施例においては、ガイドバー3の磁性体は常磁性体で形成し、レンズホルダ2の支持部である略直交する吸着面用の磁性体、および回転止めの磁性体は強磁性体で形成するのが、加工性、コスト等を考えると一般的な構成である。
さらに上記実施例において、レンズホルダ自身を、例えばプラマグ等の磁性体でV字形状の吸着面を備えた形状で成型し、その後、前記吸着面に着磁させることにより、前述したような別途磁性体を必要としない構成も可能である。
また図1および図2においては、レンズ1を光軸方向に駆動するためにカムフォロワ5を用いた例を示したが、図12に示す例のように、リードスクリューを用いて駆動を行っても、カムを用いて駆動する場合と同様の効果があることは明らかである。
図1および図2に示す補助保持部材8は、レンズホルダ2の保持部2aの吸着面6eに対向する位置に、ガイドバー3に対して適度な隙間(数100μm程度)を空けて備えられている。この補助保持部材8は、レンズ鏡筒に落下等による衝撃が加わった際、レンズホルダの保持部2aがガイドバー3から完全に脱落するのを防ぐ効果がある。
すなわち、万一、衝撃により、レンズホルダ保持部2aの吸着面6eとガイドバー3が離脱した場合に、ガイドバー3が補助保持部材8に接触することにより、レンズホルダ保持部2aの吸着面6eとガイドバー3は、適度な隙間以下、すなわち数100μm程度の距離以下しか離れないこととなる。この程度の距離であれば、衝撃が加わった後、再びレンズホルダ保持部2aとガイドバー3が吸着し、正規の保持姿勢に戻ることが可能であり、レンズホルダ2がガイドバー3から完全に離脱することなく、信頼性の高い保持が可能である。また補助保持部材8は、通常時においてはガイドバー3と接触していないため、摺動摩擦が増加することもない。
[第2の実施例]
上記第1実施例におけるレンズホルダ2に対して、保持部における磁性体の配設位置の変形例として各種のものが提案できるが、図4および図5はその一例としてのレンズ駆動装置の斜視図、図5は正面図を示したものである。
図4および図5において、レンズホルダ2の保持部2aには、第1の磁性体6が備えられており、前記第1の磁性体6と接する形でV字形状の吸着面9aを有した、第2の磁性体9が備えられている。本方式において、レンズホルダ2の保持は、前記V字形状の吸着面9aに直接ガイドバー3を吸着させることにより、レンズホルダを保持する形式をとる。この構成においても第1の実施例と同様、磁性体の常時作用する吸着力により、吸着面9aとガイドバー3とは完全に隙間のない状態にあり、光軸方向にガタのない高精度な摺動が可能となる。
なお本実施例においては、ガイドバー3の磁性体は常磁性体で形成し、前記第1の磁性体6は強磁性体、前記第2の磁性体9は常磁性体で形成するのが、加工性、コスト等を考えると一般的な構成である。
この場合、第1の実施例と比較して第2の実施例では、第2の磁性体が常磁性体で構成されることにより、V字形状の吸着面9aに研磨等の処理を施すことが容易に行えるため、さらに加工精度および摺動性を高めることが可能である。
また本実施例においては、第1の磁性体6f、6gの着磁方向、および第2の磁性体9の形状を工夫することにより、磁気効率を向上させることが可能であり、これにより磁力の弱い安価な磁性体を用いること、また外形サイズにおいてより薄い磁性体を用いることができ、低コスト化、コンパクト化に対して有利となる。以下、図を用いて、着磁方向および形状工夫の例を示す。
図6は本実施例レンズ駆動装置の保持部正面図、図7は側面図である。図6および図7に示される例では、第1の磁性体6fおよび6gの着磁方向は、第2の磁性体9に接する面に対して上下方向となっており、且つ2つの磁性体6fおよび6gの同極が第2の磁性体9に接する配置となっている。
これに対して図8に示される例では、着磁の方向に関しては図6に示される例と同様となっているが、極に関しては2つの磁性体6fおよび6gの異極が第2の磁性体9に接する配置となっている。この構成により、図8中に示される矢印のように、一方の磁性体6fから他方の磁性体体6gに磁束が向かうこととなり、図6、図7に示す例と比較して吸着力を向上させることが可能となる。さらに第2の磁性体9に切欠部9bを設けることにより、一方の磁性体6fから他方の磁性体体6gに磁束が流れる際に、第2の磁性体9を介して流れる磁束を減少させ、ガイドバー3を介して流れる磁束を増加させることとなり、より強い吸着力を得る構成も可能である。
また常磁性体で形成される第3の磁性体10を、第2の磁性体に対面する位置に、第1の磁性体6f、6gに接するように配置することにより、完全な閉磁路が形成され、より磁気効率を向上させることも可能である。
図9および図10に示される例では、第1の磁性体6fおよび6gの着磁は、第2の磁性体9に接する面に対して左右方向となっており、図9中に示される矢印のように、磁性体6f、6gのN極から出た磁束が、ガイドバー3を介してS極に入るように流れるため、磁気効率のよい構成となる。また図10に示されるように、側面から見て2つの磁性体6fおよび6gが異極となる配置をとることにより、図10中の矢印のように磁束が効率よくガイドバー3を通ることとなり、より強い吸着力を得る構成となっている。
また図8に示される例と同様に、第3の磁性体10を配置することにより、より磁気効率を向上させることも可能である。
以上に述べた各実施例において、レンズホルダ2に備えられた磁性体を電磁石によって構成することも可能である。その際、進退駆動時および撮像時にのみ電磁石に通電し、磁力によるレンズホルダの保持を行い、その他の場合は、磁力による吸着力ではなく、レンズホルダに備えられたV字形状部6e、9aと、V字形状部6e、9aに対向するレンズホルダ2の保持部2aの一部、もしくは前記保持部材8とによる略三角形状孔で保持を行うようにすると、消費電力低減の効果がある。
本発明の第1の実施例を示す駆動装置の斜視図 第1の実施例を示す駆動装置の正面図 第1の実施例の保持部正面模式図 本発明の第2の実施例を示す駆動装置の斜視図 第2の実施例を示す駆動装置の正面図 第2の実施例における磁性体配置例の正面図 第2の実施例における磁性体配置例の側面図 第2の実施例における磁性体配置例の側面図 第2の実施例における磁性体配置例の正面図 第2の実施例における磁性体配置例の側面図 従来例におけるカムを用いた駆動装置の斜視図 従来例におけるリードスクリューを用いた駆動装置の斜視図 従来例における磁力による付勢機構を備えた駆動装置の斜視図 従来例における磁力による付勢機構を備えた駆動装置の正面模式図 従来例における弾性部材による付勢機構を備えた駆動装置の斜視図 従来例における弾性部材による付勢機構を備えた駆動装置の正面模式図
符号の説明
1 レンズ
2 レンズホルダ
2a 保持部
2b ガイド孔
2c、2d 支持部
3、4 ガイドバー
5 カムフォロワ
6a、6b、6c、6d 磁性体
6e 吸着面
7 磁性体
8 補助保持部材
9 磁性体
10 磁性体

Claims (4)

  1. 鏡筒内に光軸と平行に配設されたガイドバーと、前記ガイドバーに支持され光軸方向に摺動可能なレンズホルダを備えたレンズ駆動装置において、前記ガイドバーが磁性体で形成され、前記レンズホルダの前記ガイドバーによる支持部が、略直交する複数の吸着面で構成され、前記吸着面が磁性体で形成されることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記ガイドバーの磁性体は常磁性体で形成され、前記複数の吸着面の磁性体は強磁性体、もしくは強磁性体に吸着した常磁性体で形成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記レンズホルダの前記ガイドバーによる回転止め部が、磁性体で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記レンズホルダの支持部である略直交する複数の吸着面に対向する位置に、前記ガイドバーに対する補助保持部材を備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のレンズ駆動装置。
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