JP5309567B2 - 原子発振器 - Google Patents

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本発明は、原子発振器に係り、特に原子発振器を構成するマイクロセル(ガスセル)を加熱する際に好適な技術に関する。
高精度基準発振器として用いられる原子発振器では動作中、ガスセル内に封入したルビジウム原子やセシウム原子等のアルカリ金属原子(量子吸収体)をバッファガス(緩衝ガス)を介したガス状態に保つ必要がある。このため、量子吸収体を気密封止したガスセルを所定の温度(例えば60℃〜70℃)に保つ必要がある。
従来の原子発振器では、ガスセルの周囲に抵抗発熱体を配置し、これをガスセルに当接させることでガスセル内部に封入した量子吸収体を加熱していた。抵抗発熱体による量子吸収体の加熱は、抵抗発熱体からガスセル外表面への熱伝達、ガスセル外表面からガスセル内表面への熱伝導、およびガスセル内表面から原子ガス等への熱伝達といった工程で行われる(例えば特許文献1参照)。
特開2007−36555号公報
特許文献1に開示されているような方法によれば、確かにガスセルを加熱することができ、内部に封入された量子吸収体の加熱も可能となる。しかし、特許文献1に開示されているような加熱方法を採用した場合、次のような懸念が生ずることとなる。
抵抗発熱体の発熱部には、通電のための配線(加熱に寄与しない部分)が引き回されることとなる。ここで、配線は、ガスセルを加熱するための恒温領域の外部から引き回されるため、発熱部と配線との間には温度差が生ずることとなる。そして、この発熱部と配線の温度差は、発熱部と配線の接続部にまで影響を及ぼしたり、一部がガスセルに接触したりすることもある。そうした場合、発熱部に温度勾配が生じたり、配線の接触したガスセルの一部に低温部が生じるといった現象が起こる。
このような現象が生じた場合、ガスセル内表面の温度分布にも影響を与え、ガスセル内表面に低温部が生ずることとなる。温度の極端に低い箇所ができた場合、ガスとして分散していたルビジウム原子等の量子吸収体は、当該低温部に結露状に集中してしまうこととなる。このように、量子吸収体がガスセル内部の一部に集中してしまった場合、発光素子から出力される共鳴光を遮るといった問題が生ずることとなる。
そこで、本発明では、量子吸収体を封入したガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無く、量子吸収体の安定的なガス化を促すことのできる原子発振器を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]量子吸収体を封入したガスセルと、当該ガスセルに対して共鳴光を照射する発光素子と、前記ガスセルを通過した光を検出する受光素子、および前記ガスセルを所定温度に加熱する加熱手段とを有し、ガスセル内での光吸収特性に基づいて発振周波数を
制御する原子発振器であって、前記加熱手段を赤外線ヒータとし、前記ガスセルの壁面を耐熱性赤外線吸収部材により構成したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であれば、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例2]適用例1に記載の原子発振器であって、前記ガスセルを構成する壁面を二層構造とし、外側壁面に耐熱性赤外線吸収部材、内側壁面に耐熱性熱伝導部材をそれぞれ採用して前記ガスセルを構成したことを特徴とする原子発振器。
このような構成であっても適用例1と同様に、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例3]適用例1に記載の原子発振器であって、前記ガスセルを構成する壁面を二層構造とし、外側壁面に耐熱性赤外線透過型断熱部材、内側壁面に耐熱性赤外線吸収部材をそれぞれ採用して前記ガスセルを構成したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。また、このような構成の原子発振器によれば、ガスセルの外部をガスセルの内部よりも低温に保つことができる。
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の原子発振器であって、前記耐熱性赤外線吸収部材を塗料とし、当該塗料により前記耐熱性熱伝導部材の外側側面または前記耐熱性赤外線透過型断熱部材の内側側面を被覆したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例5]適用例2または適用例3に記載の原子発振器であって、前記耐熱性赤外線吸収部材を可撓性シートとし、当該可撓性シートを前記耐熱性熱伝導部材の外側側面または前記耐熱性赤外線透過型断熱部材の内側側面に貼付したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例6]適用例1乃至適用例5のいずれかに記載の原子発振器であって、前記耐熱性赤外線吸収部材は、前記ガスセルに対して前記赤外線ヒータと対向する壁面のみに設けたことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例7]適用例1乃至適用例5のいずれかに記載の原子発振器であって、前記耐熱性赤外線吸収部材は、前記共鳴光を透過させるものとし、前記ガスセルを構成する壁面のうち、前記発光素子に対向する壁面と前記受光素子に対向する壁面のみに配置したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。また、このような構成の原子発振器では、ガスセルの全壁面により加熱が促されるため、ガスセルの昇温、温度維持に要する赤外線ヒータからの放射エネルギーを少なくすることができる。
[適用例8]適用例1乃至適用例5のいずれかに記載の原子発振器であって、前記耐熱性赤外線吸収部材は、前記共鳴光を透過させるものとしたことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせ
る事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。
[適用例9]量子吸収体を封入したガスセルと、当該ガスセルに対して共鳴光を照射する発光素子と、前記ガスセルを通過した光を検出する受光素子、および前記ガスセルを所定温度に加熱する加熱手段とを有し、ガスセル内での光吸収特性に基づいて発振周波数を制御する原子発振器であって、前記加熱手段を赤外線ヒータとし、前記ガスセルの壁面を耐熱性赤外線透過型断熱部材により構成し、前記ガスセル内部には前記量子吸収体に加え、赤外線吸収ガスを封入したことを特徴とする原子発振器。
このような構成の原子発振器であっても、ガスセルの内表面に極端な低温部を生じさせる事が無い。よって、量子吸収体の安定的なガス化を促すことができる。また、ガスセル内部のバッファガスを直接加熱して量子吸収体の加熱を促すことより、加熱効率が良い。
以下、本発明の原子発振器に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明の原子発振器の特徴部分である共鳴器の構成について、図2を参照して説明する。本実施形態に係る共鳴器10は、ガスセル20、赤外線ヒータ44、半導体レーザ(発光素子)40、レーザ検出手段(受光素子)42、および支持手段46とを基本として構成される。
前記ガスセル20は、ルビジウム原子やセシウム原子等のアルカリ金属原子といった量子吸収体と、ヘリウムやアルゴン等の不活性なバッファガス(緩衝ガス)が封入されたマイクロセルである。ガスセル20内部に封入された量子吸収体は、所定温度(例えば60℃〜70℃)に加熱される事で、気体へ遷移し、ガスセル20の内部に充満することとなる。
前記赤外線ヒータ44は、ガスセル20、またはガスセル20の内部に封入したバッファガスを加熱するための輻射熱源であり、図2に示す形態では、ガスセル20の側面(図2中)を取り囲むように配置されている。
前記半導体レーザ40は、カップリング光とプローブ光と称される波長の異なる2種類のレーザ光(共鳴光)を生成して、上述したガスセル20へ向けて出力する。
前記レーザ検出手段42は、半導体レーザ40から出力されてガスセル20を透過したレーザ光(透過光)を捉え、共鳴光がガスセル20の内部に封入された量子吸収体により、どれだけ吸収されたかを検出する。検出された光(信号)は、図示しない周波数制御回路へと出力され、原子共鳴が検出される。そして、図示しない制御系にて水晶発振器などの基準信号をこの原子共鳴に同期させて原子発振器の出力信号が生成される。
前記支持手段46は、上述したガスセル20を、真空領域とされる共鳴器10において、ガスセル20を所定の位置に支持する役割を担う。支持手段46は、ガスセル20を構成する壁面に温度勾配が生ずることを防止するために、例えば図2に示すように先端円錐状のピン型とし、ガスセル20との接点を最小限にとどめ、熱伝導率の低い部材で構成することが望ましい。また、支持手段46は、ガスセル20の支持状態の安定化を図るために、少なくとも、ガスセル20の上下面それぞれを3点で支持するように配置されると良い。
上記のような基本構成を有する共鳴器10において、本発明に係る原子発振器のガスセル20は、以下のような種々の形態を採ることができる。
まず、図1を参照して第1の実施形態に係る原子発振器のガスセルについて説明する。
本実施形態に係るガスセル20は、半導体レーザ40から出力された共鳴光を透過可能な部材であって、上述した加熱温度に耐えうるもの例えば、ガラス、シリコン等により構成されている。また、本実施形態に係るガスセル20は、その外周面であって、赤外線ヒータ44と対向する壁面22を耐熱性の赤外線吸収塗料で被覆されている。耐熱性の赤外線吸収塗料は、有色、無色は問わないが、赤外線(例えば工業的に用いられる赤外線ヒータが放出する電磁波の波長:0.8〜5μmの電磁波)の透過と反射を抑え、吸収可能な特性を持ったものであれば良く、所定の赤外線吸収特性を得られる厚みを要する。このような特性を持つ塗料として、例えば比較的耐熱性のある黒色の一般塗料等を挙げることができる。
ガスセル20をこのような構成とする事で、赤外線ヒータ44を稼動させた際には、次のような反応を示すこととなる。すなわち、輻射熱源としての赤外線ヒータ44から赤外線が放射されると、ガスセル20の外周面(壁面22)を被覆した赤外線吸収塗料が赤外線を吸収して加熱される。加熱された赤外線吸収塗料は、隣接部材であるガスセル20を構成する壁面22の外周面に熱伝達を行う。壁面22の外周面が熱伝達により加熱されると、熱伝導により壁面22の内周面も加熱される。そして、壁面22の内周面が加熱されると、当該内周面に隣接したバッファガスや量子吸収体(ガス)が加熱される。なお、バッファガスや量子吸収体は、ガスセル20の内部に対流を生じさせ、全体的な加熱が成される。
また、ガスセル20を加熱する手段を輻射熱源である赤外線ヒータ44としたことにより、ガスセル20を加熱する際に赤外線ヒータ44とガスセル20とが接触しない。このため、外部に接続された配線等からの熱伝達によるガスセル20の部分的な冷却が生ずる事が無く、ガスセル20の表面の均等加熱が可能となる。よって、ガスセル20の内周面に量子吸収体が結露状に付着するといった事態を防ぐことができる。したがって、ルビジウム原子等の量子吸収体のガス化を安定的に保つことができる。
次に、図3を参照して第2の実施形態に係る原子発振器のガスセルについて説明する。本実施形態に係るガスセル20aの殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係る原子発振器のガスセル20と同様である。
相違点としては、図1中におけるガスセル20(本実施形態においてはガスセル20a)の上下に位置する壁面、すなわち半導体レーザ40とレーザ検出手段42のそれぞれに対向する壁面26,24の構成にある。具体的には、本実施形態に係るガスセル20aでは、上下に位置する壁面24,26を、赤外線を吸収する耐熱性の塗料にて被覆すると共に、塗料の被覆の一部を開口して半導体レーザ40から照射された共鳴光は透過するようにした。当該塗料としては、比較的耐熱性のある黒色の一般塗料等を挙げることができる。
なお、近年、可視光を通過し近赤外光(IR)を吸収する特性を有するガラス製のIRカットフィルタ(例えば、光伸光学工業 IRCシリーズ)が良く知られているが、前記耐熱性の塗料に換えて、赤外線を吸収し且つ共鳴光を透過する特性を有するガラス製のフィルタを壁面26,24に貼り付けるようにしても良い。つまり、ガスセルの上下壁面24,26は、帯域通過フィルタの役割を担うことになる。
このような構成とすることで、ガスセル20aの上下壁面24,26に照射された赤外線も吸収し、ガスセル20aの加熱に寄与させることができる。また、側面の壁面22だけでなく、上下の壁面24,26からも加熱が促進されるため、ガスセル20aを昇温させるため、または温度維持を図るために赤外線ヒータ44が放射するエネルギー量を減らすことができる。なお、その他の効果については、第1の実施形態に係る原子発振器のガ
スセル20と同様である。
次に、図4を参照して第3の実施形態に係る原子発振器のガスセルについて説明する。本実施形態に係るガスセル20bも、その殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係るガスセル20と同様である。
相違点としては、ガスセル20bの壁面を被覆する塗料を第2の実施形態に係るガスセル20aにおける上下壁面24,26に使用(被覆の一部は開口)したものとし、これをガスセル20bを構成する壁面全面(壁面22,24,26)に被覆した点にある。
このような構成とすることにより、第2の実施形態に係るガスセル20aと同様な効果を奏することができる。よって、ガスセルの生産性が良好となる。なお、その他の効果については、第1の実施形態に係る原子発振器のガスセル20と同様である。
次に、図5を参照して第4の実施形態に係る原子発振器のガスセルについて説明する。本実施形態に係るガスセル20cも、その殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係るガスセル20と同様である。
相違点としては、第2の実施形態に係るガスセル20aと同様に、上下に位置する壁面24,26を、赤外線を吸収する耐熱性の塗料にて被覆したことに加え、塗料の被覆の一部を開口して半導体レーザ40から照射される共鳴光は透過させ、赤外線ヒータ44と対向する壁面22は塗料による被覆を行わないようにした点にある。
このような構成とすることで、共鳴光が透過する壁面24,26のみが輻射加熱されることとなる。このため、ガスセル20cの上下に位置する壁面24,26の温度は、ガスセル20cの側面に位置する壁面22の温度よりも高くなる。ルビジウム等の量子吸収体は、温度が極端に低下した箇所に付着する傾向があるため、上記のような構成とすることにより共鳴光の透過面であるガスセルの上下壁面24,26に付着する虞が無くなる。
次に、図6を参照して第5の実施形態に係る原子発振器のガスセルについて説明する。本実施形態に係るガスセル20dは、その殆どの構成を第1から第4の実施形態に係るガスセル20〜20cのいずれかと同様としている。
相違点としては、赤外線吸収塗料による被覆形態と、ガスセルを構成する部材にある。具体的に説明すると、第1から第4の実施形態に係るガスセル20〜20cは、いずれもガスセルの外表面を赤外線吸収塗料によって被覆していたのに対し、本実施形態に係るガスセル20dは、ガスセルの内表面を被覆したのである。そして、本実施形態に係るガスセル20dは、その構成部材を耐熱性を有する赤外線透過型の断熱部材としたのである。ここで、耐熱性を有する赤外線透過型の断熱部材とは、例えば、ガラスやシリコン等を挙げることができる。
このような構成とすることにより、ガスセル20dの内周面を加熱し、ガスセル20dの外周面は内周面よりも低い温度とすることができる。原子発振器を構成する素子、例えば半導体レーザ40は、実施形態で説明しているガスセルとは別の温度帯域で制御することが望ましい場合がある。また、その他の素子に関しても、ガスセルの加熱温度よりも低温で動作させることが望ましいものもある。よって、上記のような構成とすることで、他の構成素子の動作精度を向上させることに寄与することができる。
上記実施形態に係るガスセル20〜20dはいずれも、壁面22,24,26を構成する部材と赤外線吸収塗料との二層構造として説明した。しかしながら、上記実施形態に係
るガスセル20〜20dでは、赤外線吸収塗料に換えて赤外線吸収フィルム等、可撓性のシート状赤外線吸収部材を壁面構成部材に貼付する構成としても良い。このような構成とした場合であっても、上記各実施形態に係るガスセルと同様な効果を奏することができる。よって、このような構成のガスセルを採用した場合であっても、本発明の原子発振器とみなすことができる。
また、第1から第4の実施形態に係るガスセル20〜20cは、壁面構成部材そのものを赤外線吸収部材としても良い。具体的な部材の一例として、次のようなものを挙げることができる。すなわち、ガラスに、ニッケルや鉄、コバルト、セシウム等を加えて形成したもの(熱線吸収ガラス)である。このようにして形成した部材では、略透明な外観を保ちながら、赤外線吸収効果を持たせることができる。なお、ニッケルや鉄、コバルト、セシウム等の配合を変えることによって、可視光(または共鳴光)の透過特性や赤外線の吸収特性を様々に変化させることが可能である。
また、第5の実施形態に係るガスセル20dでは、構成壁面を2層とし、外側壁面を構成する部材を赤外線透過型の断熱部材とし、内側壁面を構成する部材を赤外線吸収部材とすることもできる。
上記のような構成とした場合であっても、第1から第5の実施形態に係るそれぞれの効果と同様な効果を奏することができる。よって、このような構成のガスセルを採用した場合であっても、本発明の原子発振器とみなすことができる。
次に、図7を参照して、第6の実施形態に係る原子発振器のガスセルの構成について説明する。本実施形態に係るガスセル20eは、壁面構成部材を赤外線透過型の断熱部材としている。また、ガスセル内部には、量子吸収体の他、バッファガスとして赤外線吸収ガスを封入している。赤外線吸収ガスとしては、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、二酸化硫黄、一酸化窒素などを挙げることができる。
このような構成とする事で、ガスセル20e内部のガスを加熱しつつ、ガスセル20e外部の温度をガスセル20e内部のガスよりも低くすることができる。
また、上記実施形態では、いずれもガスセルを立方体または直方体として図面に示したが、ガスセルの形状、赤外線ヒータの配置形態、支持部の配置形態等は、種々選択することができ、例えばガスセルは円筒形としても良く、赤外線ヒータは、当該ガスセル側面の曲面に沿って設けるようにしても良い。また、輻射熱源に関しても、赤外線ヒータの他、赤外線を照射する光源を採用することもできる。
第1の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。 原子発振器における共鳴器の構成を示す図である。 第2の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。 第3の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。 第4の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。 第5の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。 第6の実施形態に係るガスセルの構成を示す図である。
符号の説明
10………共鳴器、20………ガスセル、22………壁面、24………壁面、26………壁面、40………半導体レーザ、42………レーザ検出手段、44………赤外線ヒータ、46………支持手段。

Claims (1)

  1. 量子吸収体と赤外線吸収ガスとを封入し、壁面に耐熱性赤外線透過型断熱部材を含んでいるガスセルと、
    前記ガスセルに対して共鳴光を照射する発光素子と、
    前記ガスセルを通過した前記共鳴光を検出する受光素子と、
    記ガスセルを所定温度に加熱する赤外線ヒータと、を有し、
    前記ガスセル内での光吸収特性に基づいて発振周波数を制御することを特徴とする原子発振器。
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