JP5309441B2 - 2次元光走査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2次元的に光ビームの走査を行う2次元光走査装置に関する。
近年、光走査装置の小型化を目的として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用した光走査装置が種々提案されている。
これに対して本願出願人は、3自由度捻り振動系を圧電バイモルフで加振することにより2個の振動モードを励振して、中央に配置されたミラーを2方向に捻り振動させ、2次元の光走査をするように構成した光走査装置を既に提案している(特許文献1参照)。
また、2自由度捻り振動子の2箇所の枠表面に平面コイルを形成して、振動子の外周に永久磁石を4個配置した光走査装置(特許文献2参照)や、3自由度捻り振動子を振動子と下部基板間に作用する静電気力で加振する光走査装置(特許文献3参照)が提案されている。
これらの光走査装置は、2方向の捻り振動を主走査方向と副走査方向に利用してレーザを2次元に走査することで画像生成するスキャンディスプレイ、QRコード、及び2次元バーコード読み取り装置などへの利用が考えられている。また、車載ディスプレイ、モバイル型プロジェクタ、及びハンディ型QRコードリーダ等の、特に小型化が要求される機器への応用において有用である。
特開平7−199099号公報 特開2004−198648号公報 特開2005−250078号公報
ところで、これらの上記振動モード(共振)を利用した光走査装置は、共振周波数付近の周波数を有する外力に対して高いゲインを持っている。即ち、共振周波数付近の周波数を有する外乱振動が作用した場合に、影響を受け振動状態が乱れる。そして振動状態が乱れると、上記の光走査装置をディスプレイに利用した場合には画像の乱れが発生し、バーコード読み取りに利用した場合には正常な読み取りができなくなる。尚、このような外乱振動は移動時に発生し易いので、上記の光走査装置を内蔵する車載用ディスプレイや手持ち用途の機器で問題となる。
このような外乱振動に起因した振動状態の乱れを解決する方法の1つは、外乱振動の周波数に対して、各振動モードの周波数(共振周波数)を高く設計して、外乱振動の周波数の外力に対するゲインを小さくすることである。例えば、車載用途でコクピットに装着する場合は、一般的に600Hz程度以上であれば、外乱振動は少ないと言われており、共振周波数がこれよりある程度高くなるように設計すれば、外乱振動の影響を小さくすることができる。
尚、2次元光走査をする場合は、主走査方向と副走査方向について、2種類の振動モードを利用する。そして、画素数や読み取り分解能を得るためには多数の走査線を生成する必要があり、そのためには、振動モード間の周波数比をある程度大きく設計する必要がある。
しかし、共振周波数を高く設計した場合に、高周波数側の周波数(主走査側周波数)を、それ程高く設計することは困難である。なぜなら、レーザを走査するためには、ある程度のミラーサイズが必要であり慣性モーメントが大きくなってしまうからである。即ち、慣性モーメントが大きくなると、バネ定数を大きくしなければならず、バネ内に発生する応力が大きくなる。そして、必要なバネの変位量を確保すると許容応力を超えてしまい、設計が成り立たなくなるためである。
従って、低周波数側周波数と高周波数側周波数の比を、それ程大きくすることはできない。尚、この状態で2次元光走査を行うと、走査軌跡は図12に示すように、サインカーブのような曲線状になり、副走査方向に対して、主走査方向は斜めになってしまう。
そして主走査方向を水平にするためには、2次元光走査装置の設置角度を調節して、主走査線を水平にする必要がある。この場合に、副走査方向は主走査方向に直交していないため、画像生成を行うと菱形の画像になってしまう(1点鎖線で示される領域JR11参照)。また、長方形の画像(破線で示される領域領域CR11参照)を生成する場合は、主走査線中の画像生成開始ポイントの位相角を、図12のφ11、φ12に示すように、主走査線の位相角に対して少しずつずらしていく必要があった。
このため、走査領域全体のうちの利用可能な有効走査領域が小さくなり、大きい有効走査領域を確保するためには2次元光走査装置の各走査角を大きくしなければならないという問題があった。
また、主走査線の中心付近の狭い有効走査領域で多くの画素数を確保するためには、光源の変調周波数や光デテクタの周波数帯域を高くしなければならず、現在の技術水準では、十分な画素数が得られないという問題があった。
また、実効走査開始ポイントの位相角を正弦波運動の位相角に対して少しずつずらしていくためには、余計な信号処理が必要になり、制御回路の構成が複雑になるという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる2次元光走査装置を提供することを目的とする。
ラスタ走査を行う2次元光走査装置であって、光を反射させる反射面を有する第3剛体部材と、前記第3剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第2剛体部材と、前記第2剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第1剛体部材と、前記第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、前記第3剛体部材と前記第2剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第3剛体部材の重心を通る第3中心軸を回転軸として、前記第3剛体部材を捩じり振動させる第3弾性変形部材と、前記第2剛体部材と前記第1剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第3剛体部材と前記第2剛体部材との重心を通る第2中心軸を回転軸として、前記第2剛体部材を捩じり振動させる第2弾性変形部材と、前記第1剛体部材と前記第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第3剛体部材と前記第2剛体部材と前記第1剛体部材との重心を通る第1中心軸を回転軸として、前記第1剛体部材を捩じり振動させる第1弾性変形部材とを備えて、前記第3剛体部材、前記第2剛体部材、前記第1剛体部材、前記第3弾性変形部材、前記第2弾性変形部材及び前記第1弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する3自由度連成振動系を構成し、更に、前記3自由度連成振動系に前記固有の周期的外力を作用させる第1外力作用手段を備え、前記第3中心軸と前記第2中心軸との交差角度が90度未満であることを特徴とする2次元光走査装置では、第3剛体部材、第2剛体部材、第1剛体部材、第3弾性変形部材、第2弾性変形部材及び第1弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する3自由度連成振動系を構成する
このため、2次元光走査装置は、第0剛体部材を固定端として、第1中心軸,第2中心軸,第3中心軸に対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。即ち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する各剛体部材の捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。以下、これら3つの振動モードをそれぞれ、振動モード1、振動モード2、振動モード3という。
また第1外力作用手段が、3自由度連成振動系に固有の周期的外力を作用させる。これにより、3自由度捻り振動子を共振状態にできる。
そして、振動モード1、振動モード2、振動モード3の各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
ここで、例えば、
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における第1剛体部材、第2剛体部材、第3剛体部材の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における第1剛体部材、第2剛体部材、第3剛体部材の振幅比r2を「1:0.01:−50」、
振動モード3における第1剛体部材、第2剛体部材、第3剛体部材の振幅比r3を「1:0.02:−0.03」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
尚、各振動モードにおける振幅比は、左から第1剛体部材、第2剛体部材、第3剛体部材の順で記述している。例えば、上記の振幅比r1は、第1剛体部材の振幅が「1」とすると、第2剛体部材の振幅が「−20」、第3剛体部材の振幅が「0.5」となることを示す。
また、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各剛体部材間の位相角は0度または180度となる。そこで、振幅比を記述する際に、位相角の差が0度の場合は符号を「+」、180度の場合は符号を「−」とする。例えば、上記の振幅比r1は、第1剛体部材と第3剛体部材との位相角の差が0度となり、第1剛体部材と第2剛体部材との位相角の差が180度となることを示す。
そして、各振動モードの共振周波数と振幅比を上記のように設計すると、振動モード1では、主に第2剛体部材と、第2剛体部材に繋がった第3剛体部材とが1000Hzで大きく捻り振動する。また、振動モード2では、主に第3剛体部材が5000Hzで大きく捻り振動する。
このため、第3剛体部材の反射面でレーザ光を反射させるとともに、振動モード1と振動モード2とを同時に励振させることにより、振動モード2を主走査方向(5000Hz)、振動モード1を副走査方向(1000Hz)として、2次元的にレーザ光を走査することができる。
ここで、振動モード1における第2剛体部材の捻れ角θ2を±15度(於局所座標)、振動モード2における第3剛体部材の捻れ角θ3を±15度(於局所座標)とする。また、第1中心軸と第2中心軸との交差角度を45度、第2中心軸と第3中心軸との交差角度を90度としたときの走査軌跡SK1を図4(a)に示す。
図4(a)に示すように、高周波数側の片側を利用して主走査線とし、これが水平になるように2次元光走査装置を配置すると、走査軌跡SK1の副走査線の方向は斜めになり、主走査方向(方向SH1参照)と副走査方向(方向FH1参照)のなす角度は、77.5度となる(交差角度KK1参照)。そして、実効走査領域は図中の菱形の部分(1点鎖線で示される領域JR1参照)になる。
従って、長方形の実効走査領域(破線で示される領域CR1参照)を得るには左右両端の直角三角形の部分を除外する必要があるが、実質の画像描画領域は狭くなってしまう。
また、長方形の実効走査領域を得るために、実効走査を開始する位相角を主走査線の位相角に対して少しずつずらす方法(矢印YJ1及びYJ2で示される位相角Φ1,Φ2参照)が考えられるが、これにより走査制御が複雑になってしまう。
尚、主走査方向と副走査方向とがなす角度を、77.5度から90度に修正するためには、走査方向を12.5度(=90°―77.5°)修正すればよい。
次に、第1中心軸と第2中心軸とがなす角度を45度、第2中心軸と第3中心軸とがなす角度を77.5度(=90°―12.5°)として計算された走査軌跡SK2を図4(b)に示す。
図4(b)に示すように、走査軌跡SK2における主走査方向(方向SH2参照)と副走査方向(方向FH2参照)のなす角度は、90度となる(交差角度KK2参照)。また、実効走査領域は長方形(破線で示される領域CR2参照)となる。また、実効走査を開始する位相角は常に一定となる(矢印YJ3及びYJ4で示される位相角Φ3,Φ4参照)。
つまり、まず第2中心軸と第3中心軸との交差角度が直交している場合の走査軌跡の主走査方向と副走査方向とがなす角度を求め、この角度に応じて、第2中心軸と第3中心軸との交差角度を「90度」から「90度未満」に修正することにより、主走査方向と副走査方向とがなす角度を直交させることができる。
このように、第3中心軸と第2中心軸との交差角度を90度未満にすることにより、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく(図4では、1000Hzと5000Hであるため周波数比は「1:5」)、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる。
従って、走査領域全体のうちの広い領域を長方形の実効走査領域として利用でき、角度振幅を大きくしなくても、大きい実効走査領域が得られる。また、主走査線の大きい領域を利用できるため、光源の変調周波数やデテクタの周波数帯域をそれほど高くしなくても、高画素数を得ることができる。さらに、実効走査開始ポイントの、主走査線の正弦波運動に対する位相角は、各走査線について同じで良いので、制御回路の構成を簡単にすることができる。
請求項1に記載の2次元光走査装置は、ラスタ走査を行う2次元光走査装置であって、光を反射させる反射面を有する第11剛体部材と、前記第11剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第10剛体部材と、前記第10剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第9剛体部材と、前記第9剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第8剛体部材と、前記第8剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第7剛体部材と、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材の重心を通る第11中心軸を回転軸として、前記第11剛体部材を捩じり振動させる第11弾性変形部材と、前記第10剛体部材と前記第9剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材の重心を通る第10中心軸を回転軸として、前記第10剛体部材を捩じり振動させる第10弾性変形部材と、前記第9剛体部材と前記第8剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材と前記第9剛体部材の重心を通る第9中心軸を回転軸として、前記第9剛体部材を捩じり振動させる第9弾性変形部材と、前記第8剛体部材と前記第7剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材と前記第9剛体部材と前記第8剛体部材の重心を通る第8中心軸を回転軸として、前記第8剛体部材を捩じり振動させる第8弾性変形部材とを備えて、前記第11剛体部材、前記第10剛体部材、前記第9剛体部材、前記第8剛体部材、前記第11弾性変形部材、前記第10弾性変形部材、前記第9弾性変形部材及び前記第8弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する4自由度連成振動系を構成し、更に、前記4自由度連成振動系に前記固有の周期的外力を作用させる第3外力作用手段を備え、前記第10中心軸と前記第9中心軸との交差角度が90度未満であり、前記第11中心軸と前記第10中心軸とは直交しており、前記第11剛体部材の振動周波数を前記第10剛体部材の振動周波数の2倍とし、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材の位相角を同一とすることを特徴とする。
このように構成された請求項1に記載の2次元光走査装置では、第11剛体部材、第10剛体部材、第9剛体部材、第8剛体部材、第11弾性変形部材、第10弾性変形部材、第9弾性変形部材及び第8弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する4自由度連成振動系を構成する。
このため、2次元光走査装置は、第7剛体部材を固定端として、第8中心軸,第9中心軸,第10中心軸,第11中心軸に対しての捻り自由度を持つ4自由度捻り振動子になっている。
また第3外力作用手段が、4自由度連成振動系に固有の周期的外力を作用させる。これにより、4自由度捻り振動子を共振状態にできる。
従って、請求項1に記載の2次元光走査装置は、上記の2次元光走査装置と同様にして、第10中心軸と第9中心軸との交差角度を90度未満にすることにより、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる。
さらに、第11中心軸と第10中心軸とを直交させることにより、主走査線の両端の歪みが効果的に補正される。これにより、各主走査線を平行に近くすることができる。このため、上記の2次元光走査装置では、往復する主走査線の片側のみを利用できるが、請求項1に記載の2次元光走査装置では、主走査線の両側を利用することができる。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態について図面をもとに説明する。
図1は、本発明が適用された第1実施形態の2次元光走査装置100の構成を示す平面図、図2(a)は図1における領域R1の拡大図、図2(b)は図1における領域R2の拡大図、図3は2次元光走査装置100の断面の構造を説明する図である。
2次元光走査装置100は、SOI(Silicon On Insulator)ウエハを半導体プロセスで加工して製造されたものである。SOIウエハは、図3に示すように、3層構造となっており、本実施形態では、厚さ50umのSOI層11と、厚さ1umのシリコン酸化膜層12と、厚さ400umのベースシリコン層13とからなる。
2次元光走査装置100は、図1に示すように、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成された円形状の第3フレーム104と、SOI層表面からシリコン酸化膜層までトレンチエッチングを行うことで形成された溝(以下、トレンチ溝という)103a及びトレンチ溝103bによって第3フレーム104に対して所定の隙間を介して設けられた八角形状の第2フレーム103と、トレンチ溝102a及びトレンチ溝102bによって第2フレーム103に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第1フレーム102と、トレンチ溝101aによって第1フレーム102に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第0フレーム101とを備える。
また、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102が形成されている領域には、裏面からベースシリコン層13とシリコン酸化膜層12とをエッチング除去することで形成された凹部108が形成されている(図1及び図3参照)。即ち、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102は、SOI層11で構成されている。
更に、第3フレーム104と第2フレーム103との間は、トレンチ溝103a及びトレンチ溝103bによって第2フレーム103に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層107(以下、第3捻りバネ107という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第3捻りバネ107は、第3フレーム104の重心を通る中心軸k上に設けられている。これにより、第3フレーム104は、中心軸kを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
同様に、第2フレーム103と第1フレーム102との間は、トレンチ溝102a及びトレンチ溝102bによって第1フレーム102に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層106(以下、第2捻りバネ106という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第2捻りバネ106は、第3フレーム104と第2フレーム103との重心を通る中心軸j上に設けられている。これにより、第1フレーム102は、中心軸jを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1フレーム102と第0フレーム101との間は、トレンチ溝101aによって第0フレーム101に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層105(以下、第1捻りバネ105という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第1捻りバネ105は、第3フレーム104と第2フレーム103と第1フレーム102との重心を通る中心軸i上に設けられている。これにより、第1フレーム102は、中心軸iを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
尚、第0フレーム101には、第1フレーム102と連結されていない側の第1捻りバネ105の端部105aが連結される連結部113が形成されている。この連結部113は、トレンチ溝101aによって、第0フレーム101のその他の領域と電気的に絶縁されたSOI層により構成されている。
従って、連結部113と第1フレーム102とは第1捻りバネ105を介して電気的に接続されている。同様に、第1フレーム102と第2フレーム103とは第2捻りバネ106を介して、第2フレーム103と第3フレーム104とは第3捻りバネ107を介して電気的に接続されている。
また、第1捻りバネ105、第2捻りバネ106、及び第3捻りバネ107は、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生するように構成されている。
従って、第0フレーム101が固定されることにより、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102は3自由度構造を構成する。
以下、第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104、第1捻りバネ105、第2捻りバネ106、第3捻りバネ107、及び連結部113をまとめて振動子領域114という。
また、第1フレーム102の左側端縁102c及び右側端縁102dには、図2(a),(b)に示すように、櫛歯状に形成された櫛歯部112(図2(a)参照)及び櫛歯部110(図2(b)参照)が設けられている。そして、第0フレーム101には、第1フレーム102の櫛歯部112及び櫛歯部110と対向する位置にそれぞれ、櫛歯部112と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部111(図2(a)参照)、及び櫛歯部110と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部109(図2(b)参照)が設けられている。
また、連結部113には端子部115が設けられる。この端子部115は、連結部113のSOI層上に形成されたシリコン酸化膜(図3中のシリコン酸化膜21を参照)をエッチング処理により除去してコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にアルミ薄膜を堆積することにより形成される(図3中のアルミ薄膜22を参照)。この端子部115を介して電圧を印加することにより、振動子領域114のSOI層全体を等電位にすることができる。
なお、ここでは、端子部とは、SOI層上に形成されたシリコン酸化膜(図3中のシリコン酸化膜21を参照)をエッチング処理により除去してコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にアルミ薄膜を堆積することにより形成されるものを指すものとする(図3中のアルミ薄膜22を参照)。
また、トレンチ溝116によって分離形成された領域117のSOI層上にはシリコン酸化膜が形成されており、このシリコン酸化膜上に、櫛歯部109の表面上まで覆ってアルミ薄膜118が形成されている(図3中のアルミ薄膜23を参照)。このアルミ薄膜118に電圧を印加することで、櫛歯部109の表面に電圧を印加することができる。また、領域117には端子部119が設けられている。これにより、端子部119を介して電圧を印加することにより、櫛歯部109のSOI層にも電圧を印加することができる。そして、この領域117に、周期的な電圧を印加することにより、振動子領域114に加振力を印加することができる。
また、トレンチ溝120によって分離形成された領域121のSOI層上にはシリコン酸化膜(図3中のシリコン酸化膜21を参照)が形成されており、このシリコン酸化膜上に、櫛歯部111の表面上まで覆ってアルミ薄膜122が形成されている(図3中のアルミ薄膜23を参照)。このアルミ薄膜122を電極として、櫛歯部111と櫛歯部112との間の静電容量を検出することができる。また、領域121には端子部123が設けられており、端子部123を電極として、櫛歯部111のSOI層と櫛歯部112との間の静電容量を検出することができる。
また、トレンチ溝124によって分離形成された領域125は、領域117と領域121とを電気的に隔てるために設けられている。尚、領域125の略全面には端子部が設けられており、この端子部を接地することにより、領域125のSOI層を接地電位に保持することができる。
次に、2次元光走査装置100の動作原理を説明する。
2次元光走査装置100は、第0フレーム101を固定端として、中心軸i,j,kに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。即ち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する各フレームの捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。以下、これら3つの振動モードをそれぞれ、振動モード1、振動モード2、振動モード3という。
尚、櫛歯部109に電圧を印加すると、櫛歯部110との間に静電気力が発生する。また、第1フレーム102が1周期振動する間に櫛歯部110は櫛歯部109に2回最接近する。このため、共振周波数の2倍に近い周期的静電気力が加われば、3自由度捻り振動子を共振状態にできる(以下、共振状態にするための加振力を周期的加振力という)。また、櫛歯部110が櫛歯部109に最接近する毎に、周期的加振力を作用させることができる。
そして、振動モード1、振動モード2、振動モード3の各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
ここで、例えば、
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r2を「1:0.01:−50」、
振動モード3における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r3を「1:0.02:−0.03」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
尚、各振動モードにおける振幅比は、左から第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の順で記述している。例えば、上記の振幅比r1は、第1フレーム102の振幅が「1」とすると、第2フレーム103の振幅が「−20」、第3フレーム104の振幅が「0.5」となることを示す。
また、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各フレーム間の位相角は0度または180度となる。そこで、振幅比を記述する際に、位相角の差が0度の場合は符号を「+」、180度の場合は符号を「−」とする。例えば、上記の振幅比r1は、第1フレーム102と第3フレーム104との位相角の差が0度となり、第1フレーム102と第2フレーム103との位相角の差が180度となることを示す。
そして、各振動モードの共振周波数と振幅比を上記のように設計すると、振動モード1では、主に第2フレーム103と、第2フレーム103に繋がった第3フレーム104とが1000Hzで大きく捻り振動する。また、振動モード2では、主に第3フレーム104が5000Hzで大きく捻り振動する。
このため、第3フレーム104の鏡面部分でレーザ光を反射させるとともに、振動モード1と振動モード2とを同時に励振させることにより、振動モード2を主走査方向(5000Hz)、振動モード1を副走査方向(1000Hz)として、2次元的にレーザ光を走査することができる。
次に、3自由度捻り振動子でレーザ光を走査する場合の走査方向について説明する。
各フレームは、捻りバネで繋がっているので、2次元光走査に利用する鏡面部分を持った第3フレーム104の表面の向きは、各捻りバネの捻れ角から決まる。この角度を求めるためには解析的手法が必要であり、以下に概要を説明する。
まず、各フレームの方向を定量的に表現する必要があるため、各フレームに、関節変数とリンクパラメータを定義する。この手法は、デナビット−ハーテンベルクの表記法(J.Applied Mechanics, pp.215−221,June 1955)と呼ばれる。
まず、第iフレームの捻り軸どうしのオフセット角度をαi、捻りバネの捻れ角をθiとする(i=0,1,2,3)。αiはX軸周りの回転、θiはZ軸周りの回転になるように、各フレームに単位ベクトルを割り当てる。これらの単位ベクトルの方向が各フレームの姿勢を記述するパラメータとなる。
また、第0フレーム101、第1フレーム102、第2フレーム103及び第3フレーム104の姿勢を表す単位ベクトルを、それぞれ{0}、{1}、{2}、{3}とする。尚、各単位ベクトル間の関係は一次変換行列で計算することができる。
ここで、{0}からみた{1}を変換行列R01、{1}からみた{2}を変換行列R12、{2}からみた{3}を変換行列R23、{0}からみた{3}を変換行列R03で表すと、{0}からみた{3}はオイラー角で記述でき、式(7)で計算することができる(大塚、西川、3自由度ねじり振動系を使用した2次元スキャナ、電気学会論文誌E センサ・マイクロマシン部門誌、1996に記載。)。
03=R01・R12・R23 ・・・(7)
そして、変換行列R03のX方向を表す成分を取り出すことにより、第3フレーム104の鏡面の法線方向を記述する単位ベクトルNが得られる。更に、単位ベクトルNと、レーザ光の入射方向を表す単位ベクトルLとにより、鏡面で反射するレーザ光の反射方向を表す単位ベクトルL’を式(8)で計算することができる。
L’=2N(L・N)−L ・・・(8)
そして、L’の成分を(a,b,c)Tとし、第3フレーム104の鏡面における反射点の座標を(x1,y1,z1)とすると、反射光を表す直線の方程式eqlは式(9)で表される。
Figure 0005309441
次に、反射光が投影されるスクリーンを表す平面の方程式eqpは、スクリーンの法線ベクトルを(d,e,f)とすると、式(10)で表される。
eqp=(d,e,f)・(x−x2,y−y2,z−z2) ・・・(10)
従って、直線方程式eqlと平面方程式eqpとの連立方程式を解くことにより、スクリーン上での走査軌跡を計算することができる。
ここで、スクリーンがyz平面と平行にあるとすると、スクリーン上での走査軌跡(ylocus,zlocus)は、式(11)で表される。尚、式(11)における「t」は時間を表す。
(ylocus,zlocus)=(g(t),h(t)) ・・・(11)
また、走査軌跡(ylocus,zlocus)の傾きは、式(12)で表される。
Figure 0005309441
次に、スクリーン上での走査軌跡の計算例を示す。
まず、振動モード1における第2フレーム103の捻れ角θ2を±15度(於局所座標)、振動モード2における第3フレーム104の捻れ角θ3を±15度(於局所座標)とする。また、中心軸iと中心軸jとがなす角度を45度、中心軸jと中心軸kとがなす角度を90度とする。
この場合に、振動モード1の振幅比は「0.75:−15:0.0.375」、振動モード2の振幅比は「0.3:0.003:−15」となり、第1フレーム102の振動は式(13)で、第2フレーム103の振動は式(14)で、第3フレーム104の振動は式(15)で表される。
Figure 0005309441
この時の走査軌跡SK1を図4(a)に示す。尚、簡単化のために、2次元光走査装置100に入射する光線の方向は、第3フレーム104の鏡面部分の法線ベクトル(以下、鏡面法線ベクトルという)の逆ベクトルの方向として計算する。
図4(a)に示すように、高周波数側の片側を利用して主走査線とし、これが水平になるように2次元光走査装置100を配置すると、走査軌跡SK1の副走査線の方向は斜めになり、主走査方向(方向SH1参照)と副走査方向(方向FH1参照)のなす角度は、77.5度となる(交差角度KK1参照)。そして、実効走査領域は図中の菱形の部分(1点鎖線で示される領域JR1参照)になる。
従って、長方形の実効走査領域(破線で示される領域CR1参照)を得るには左右両端の直角三角形の部分を除外する必要があるが、実質の画像描画領域は狭くなってしまう。
また、長方形の実効走査領域を得るために、実効走査を開始する位相角を主走査線の位相角に対して少しずつずらす方法(矢印YJ1及びYJ2で示される位相角Φ1,Φ2参照)が考えられるが、これにより走査制御が複雑になってしまう。
尚、主走査方向と副走査方向とがなす角度を、77.5度から90度に修正するためには、走査方向を12.5度(=90°―77.5°)修正すればよい。
次に、中心軸iと中心軸jとがなす角度を45度、中心軸jと中心軸kとがなす角度を77.5度(=90°−12.5°)(右ネジ方向を正とすれば、−77.5°)として計算された走査軌跡SK2を図4(b)に示す。
図4(b)に示すように、走査軌跡SK2における主走査方向(方向SH2参照)と副走査方向(方向FH2参照)のなす角度は、90度となる(交差角度KK2参照)。また、実効走査領域は長方形(破線で示される領域CR2参照)となる。また、実効走査を開始する位相角は常に一定となる(矢印YJ3及びYJ4で示される位相角Φ3,Φ4参照)。
従って、広い描画領域を確保できるとともに、走査制御を簡単にすることができる。
なお、本計算においては、簡単化のため、2次元光走査装置100に入射する光線の方向は、鏡面法線ベクトルの逆ベクトルの方向として計算した。しかし詳細には、光源とスクリーンを配置するためには、ミラーに対して斜めに光線を入射させる必要がある。このため、走査軌跡の形状は、2次元光走査装置に入射する光線の方向に依存して変わる。従って、光源、2次元光走査装置、スクリーンの配置を決めた上で、上記の方式で計算し、中心軸jと中心軸kとがなす角度を決める必要がある。
次に、2次元光走査装置100を駆動する駆動回路200の構成を図5をもとに説明する。図5は、駆動回路200の構成を示すブロック図である。
駆動回路200は、図5に示すように、レーザ光を発生するレーザ光発生部201と、2次元光走査装置100を振動させるための電気信号を発生させる信号発生部202と、2次元光走査装置100の振動振幅を検出する振幅検出部203と、振幅検出部203により検出された振幅に基づいてレーザ光発生部201及び信号発生部202を制御する制御回路204とから構成される。
これらのうちレーザ光発生部201は、レーザ光の発光源となる半導体レーザ211を、制御回路204からの指示に基づいて半導体レーザ211に駆動信号を伝えるレーザ駆動回路212とから構成される。
また信号発生部202は、振動モード1を励振する周波数の電気信号(以下、モード1励振信号RS1という)及び振動モード2を励振する周波数の電気信号(以下、モード2励振信号RS2という)を発生する信号発生器221と、信号発生器221から入力される2つの周波数の電気信号(モード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2)を加算する加算器222と、加算器222により加算された電気信号を増幅して2次元光走査装置100へ出力する増幅器223と、増幅器223により増幅された電気信号の電流値が過大になった場合にこの電気信号が2次元光走査装置100に入力するのを遮断する過大電流遮断回路224とから構成される。
尚、過大電流遮断回路224は、櫛歯部109,110,111,112の破損を防止するために設けられている。即ち、櫛歯部同士は数ミクロンというきわめて小さい空隙で対向しているため、過大な電流が流入するとスパークが発生し局所的な発熱で破壊する危険性がある。また、操作上の手違い、電波ノイズ、雷等で急激な電位差が発生するとそのような事故の可能性がある。そして、スパークが発生する直前には弱いグロー放電が発生し、定常値より異常に大きい電流が櫛歯間で発生する。そこで、異常電流が検出されたら直ちに回路を遮断することにより、櫛歯部の破損を未然に防止する。
このように構成された信号発生部202によって、振動モード1及び振動モード2の周波数が重畳された加振力(図6(a)参照)が第1フレーム102に与えられる。以下、振動モード1の周波数を振動モード周波数f1、振動モード2の周波数を振動モード周波数f2という。
これにより、図6(b)に示すように、第1フレーム102が振動モード周波数f2で加振され(振動波形SD1参照)、第2フレーム103が振動モード周波数f1で振動する(振動波形SD2参照)ともに、第3フレーム104が振動モード周波数f2で振動する(振動波形SD3参照)。
また振幅検出部203は、櫛歯部間の静電容量変化を電圧信号に変換するCV変換回路231と、CV変換回路により変換された電圧信号(図6(c)参照)を振動モード周波数f1の電気信号(図7(a)参照。以下、モード1検出信号MK1という)と振動モード周波数f2の電気信号(図7(b)参照。以下、モード2検出信号MK2という)とに分離する周波数分離フィルタ232と、モード1検出信号MK1の振動振幅に比例した直流電圧に変換し信号発生器221へ出力する整流回路233と、モード2検出信号MK2の振動振幅に比例した直流電圧に変換し信号発生器221へ出力する整流回路234と、モード1検出信号MK1とモード2検出信号MK2との位相差を測定してこの位相差を示す位相差信号を信号発生器221へ出力する位相差測定回路235と、モード1検出信号MK1をパルス信号に変換し制御回路204へ出力する2値化回路236と、モード2検出信号MK2をパルス信号に変換し制御回路204へ出力する2値化回路237とから構成される。
このように構成された振幅検出部203から出力される信号に基づいて、信号発生部202は、信号発生器221のゲインの調整と、モード1励振信号RS1とモード2励振信号RS2との間の位相差の調整を行う。
具体的には、信号発生器221は、整流回路233及び整流回路234から入力される直流電圧が一定値になるように、信号発生器221のゲインを自動調整する。これにより、第1フレーム102及び第2フレーム103の振動振幅を一定に制御することができる。
また信号発生器221は、位相差測定回路235から入力される位相差信号により示される位相差が一定となるように、モード1励振信号RS1とモード2励振信号RS2との間の位相差を自動調整する。これにより、第1フレーム102の振動と第2フレーム103の振動との間の位相差を一定に制御することができる。
また、振幅検出部203から出力される上記パルス信号に基づいて、制御回路204は、2次元光走査装置100の振動のタイミングに合わせて、半導体レーザ211、レーザ駆動回路212及び光変調器(不図示)を駆動させて、画像生成を行うことができる。
このように構成された2次元光走査装置100では、まず中心軸jと中心軸kとの交差角度が直交している場合の走査軌跡の主走査方向と副走査方向とがなす角度を求め、この角度に応じて、中心軸jと中心軸kとの交差角度を「90度」から「90度未満」に修正することにより、主走査方向と副走査方向とがなす角度を直交させることができる。
このように2次元光走査装置100では、中心軸jと中心軸kとの交差角度を90度未満にすることにより、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく(本実施形態では、1000Hzと5000Hであるため周波数比は「1:5」)、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる。
従って、走査領域全体のうちの広い領域を長方形の実効走査領域として利用でき、角度振幅を大きくしなくても、大きい実効走査領域が得られる。また、主走査線の大きい領域を利用できるため、光源の変調周波数やデテクタの周波数帯域をそれほど高くしなくても、高画素数を得ることができる。さらに、実効走査開始ポイントの、主走査線の正弦波運動に対する位相角は、各走査線について同じで良いので、制御回路204の構成を簡単にすることができる。
また、櫛歯部109と櫛歯部110との間に周期的な電圧を印加することにより、3自由度連成振動系に周期的加振力を作用させることができる。
以上説明した実施形態において、第0フレーム101は本発明における第0剛体部材、第1フレーム102は本発明における第1剛体部材、第2フレーム103は本発明における第2剛体部材、第3フレーム104は本発明における第3剛体部材、第1捻りバネ105は本発明における第1弾性変形部材、第2捻りバネ106は本発明における第2弾性変形部材、第3捻りバネ107は本発明における第3弾性変形部材、櫛歯部109と櫛歯部110と信号発生器221と加算器222と増幅器223とは本発明における第1外力作用手段、櫛歯部109は本発明における第0櫛歯状電極部、櫛歯部110は本発明における第1櫛歯状電極部、中心軸iは本発明における第1中心軸、中心軸jは本発明における第2中心軸、中心軸kは本発明における第3中心軸である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態について図面をもとに説明する。
図8(a)は、本発明が適用された第2実施形態の2次元光走査装置300の構成を示す平面図である。
2次元光走査装置300は、SOIウエハを半導体プロセスで加工して製造されたものである。SOIウエハは、図3に示すように、3層構造となっており、本実施形態では、厚さ50umのSOI層11と、厚さ1umのシリコン酸化膜層12と、厚さ400umのベースシリコン層13とからなる。
2次元光走査装置300は、図8(a)に示すように、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成された円形状の第4フレーム305と、トレンチ溝によって第4フレーム305に対して所定の隙間を介して設けられた円形状の第3フレーム304と、トレンチ溝によって第3フレーム304に対して所定の隙間を介して設けられた八角形状の第2フレーム303と、トレンチ溝によって第2フレーム303に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第1フレーム302と、トレンチ溝によって第1フレーム302に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第0フレーム301とを備える。
また、第4フレーム305、第3フレーム304、第2フレーム303、及び第1フレーム302が形成されている領域には、裏面からベースシリコン層とシリコン酸化膜層とをエッチング除去することで形成された凹部320が形成されている。即ち、第4フレーム305、第3フレーム304、第2フレーム303、及び第1フレーム302は、SOI層で構成されている。
更に、第4フレーム305と第3フレーム304との間は、トレンチ溝によって第3フレーム304に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層309(以下、第4捻りバネ309という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第4捻りバネ309は、第4フレーム305の重心を通る中心軸l上に設けられている。これにより、第4フレーム305は、中心軸lを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第3フレーム304と第2フレーム303との間は、トレンチ溝によって第2フレーム303に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層308(以下、第3捻りバネ308という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第3捻りバネ308は、第4フレーム305と第3フレーム104との重心を通る中心軸k上に設けられている。これにより、第3フレーム304は、中心軸kを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第2フレーム303と第1フレーム302との間は、トレンチ溝によって第1フレーム302に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層307(以下、第2捻りバネ307という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第2捻りバネ307は、第4フレーム305と第3フレーム304と第2フレーム303との重心を通る中心軸j上に設けられている。これにより、第2フレーム303は、中心軸jを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1フレーム302と第0フレーム301との間は、トレンチ溝によって第0フレーム301に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層306(以下、第1捻りバネ306という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第1捻りバネ306は、第4フレーム305と第3フレーム304と第2フレーム303と第1フレーム302との重心を通る中心軸i上に設けられている。これにより、第1フレーム302は、中心軸iを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1捻りバネ306、第2捻りバネ307、第3捻りバネ308、及び第4捻りバネ309は、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生するように構成されている。
従って、第0フレーム301が固定されることにより、第4フレーム305、第3フレーム304、第2フレーム303、及び第1フレーム302は4自由度構造を構成する。
また、第1フレーム302の左側端縁及び右側端縁には、櫛歯状に形成された櫛歯部313及び櫛歯部311が設けられている。そして、第0フレーム301には、第1フレーム302の櫛歯部313及び櫛歯部311と対向する位置にそれぞれ、櫛歯部313と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部312、及び櫛歯部311と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部310が設けられている。
尚、上記以外の構成については、第1実施形態の2次元光走査装置100と同様である。
このように構成された2次元光走査装置300では、第1実施形態の2次元光走査装置100と同様に、中心軸jと中心軸kとの交差角度を90度未満にすることにより、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる。
また、2次元光走査装置300について、中心軸lを中心軸kに直交させ、第4フレーム305の振動周波数を第3フレーム304の振動周波数の2倍とし、第4フレーム305と第3フレーム304の位相角を同一として計算された走査軌跡を図8(b)に示す。
2次元光走査装置300では、図8(b)に示すように、走査軌跡SK3について主走査線の両端の歪みを効果的に補正し、各主走査線を平行に近くすることができる。このため、第1実施形態では、往復する主走査線の片側を利用していたが、本第2実施形態では、主走査線の両側を利用することができる。
以上説明した実施形態において、第0フレーム301は本発明における第7剛体部材、第1フレーム302は本発明における第8剛体部材、第2フレーム303は本発明における第9剛体部材、第3フレーム304は本発明における第10剛体部材、第4フレーム305は本発明における第11剛体部材、第1捻りバネ306は本発明における第8弾性変形部材、第2捻りバネ307は本発明における第9弾性変形部材、第3捻りバネ308は本発明における第10弾性変形部材、第4捻りバネ309は本発明における第11弾性変形部材、櫛歯部310と櫛歯部311と信号発生器221と加算器222と増幅器223とは本発明における第3外力作用手段、中心軸iは本発明における第8中心軸、中心軸jは本発明における第9中心軸、中心軸kは本発明における第10中心軸、中心軸lは本発明における第11中心軸である。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態について図面をもとに説明する。
図9(a)は、本発明が適用された第3実施形態の2次元光走査装置400の構成を示す平面図である。
2次元光走査装置400は、SOIウエハを半導体プロセスで加工して製造されたものである。SOIウエハは、図3に示すように、3層構造となっており、本実施形態では、厚さ50umのSOI層11と、厚さ1umのシリコン酸化膜層12と、厚さ400umのベースシリコン層13とからなる。
2次元光走査装置400は、図9(a)に示すように、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成された円形状の第2フレーム403と、トレンチ溝によって第2フレーム403に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第1フレーム402と、トレンチ溝によって第1フレーム402に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第0フレーム401とを備える。
また、第2フレーム403、及び第1フレーム402が形成されている領域には、裏面からベースシリコン層とシリコン酸化膜層とをエッチング除去することで形成された凹部406が形成されている。即ち、第2フレーム403、及び第1フレーム402は、SOI層で構成されている。
更に、第2フレーム403と第1フレーム402との間は、トレンチ溝によって第1フレーム402に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層405(以下、第2捻りバネ405という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第2捻りバネ405は、第2フレーム403の重心を通る中心軸j上に設けられている。これにより、第2フレーム403は、中心軸jを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1フレーム402と第0フレーム401との間は、トレンチ溝によって第0フレーム401に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層404(以下、第1捻りバネ404という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第1捻りバネ404は、第2フレーム403と第1フレーム402との重心を通る中心軸i上に設けられている。これにより、第1フレーム402は、中心軸iを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1捻りバネ404、及び第2捻りバネ405は、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生するように構成されている。
従って、第0フレーム401が固定されることにより、第2フレーム403、及び第1フレーム402は2自由度構造を構成する。
また、中心軸iと中心軸jとがなす角度は90度未満(本実施形態では、約80度。図中の角度KK参照)に設定されている。
また、第1フレーム402の左側端縁及び右側端縁には、櫛歯状に形成された櫛歯部412及び櫛歯部410が設けられている。そして、第0フレーム401には、第1フレーム402の櫛歯部412及び櫛歯部410と対向する位置にそれぞれ、櫛歯部412と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部411、及び櫛歯部410と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部409が設けられている。
このように構成された2次元光走査装置400では、第1実施形態の2次元光走査装置100と同様に、中心軸iと中心軸jとの交差角度を90度未満にすることにより、低周波数側周波数と高周波数側周波数との比を大きくすることなく、主走査方向と副走査方向とを直交させることができる。
また、第1実施形態の2次元光走査装置100と比較してフレームの数を減らすことができるので、2次元光走査装置の大きさを小さくすることができる。しかし、第1フレーム402を走査角に応じて大きく振動させる必要がある。
以上説明した実施形態において、第0フレーム401は本発明における第4剛体部材、第1フレーム402は本発明における第5剛体部材、第2フレーム403は本発明における第6剛体部材、第1捻りバネ404は本発明における第5弾性変形部材、第2捻りバネ405は本発明における第6弾性変形部材、櫛歯部409と櫛歯部410と信号発生器221と加算器222と増幅器223とは本発明における第2外力作用手段、中心軸iは本発明における第5中心軸、中心軸jは本発明における第6中心軸である。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記第1実施形態においては、中心軸iと中心軸jとがなす角度(以下、第1オフセット角度という)を45度、中心軸jと中心軸kとがなす角度(以下、第2オフセット角度という)を77.5度である場合の2次元光走査装置100を示した。しかし、第1オフセット角度及び第2オフセット角度はこれに限定されるものではなく、各振動モードの周波数と振幅比に関する所望の設計に応じて決定されるものであり、任意の形状が考えられる。例えば、設計に応じて、図10(a)に示すように、第1オフセット角度OS1を45度、第2オフセット角度OS2を85度に設定してもよいし、図10(b)に示すように、第1オフセット角度OS3を45度、第2オフセット角度OS4を100度に設定してもよい。
また上記第3実施形態においては、2自由度構造であるものを示したが、図9(b)に示すように、第2フレーム403内に、第3フレーム407を設けるようにしてもよい。これにより、2次元光走査装置300において第4フレーム305を設けた場合と同様にして、走査軌跡における主走査線の両端を効果的に補正し、各主走査線を平行に近くすることができる。
また上記第1実施形態においては、信号発生器221により発生させられるモード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2が、図11(a)に示すように、正弦波であるものを示した。しかし、図11(b)に示すように、矩形波であってもよいし、図11(c)に示すように、駆動信号振幅の0.5倍のバイアス電圧を与えた信号でもよい。バイアス電圧を与えない場合は、モード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2の周波数はそれぞれ、振動モード1及び振動モード2の周波数で良い。この場合、モード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2は正負の値をとる。このため、振動子領域114を接地電圧にした場合は、櫛歯部間には、正負いずれの場合も吸引力が働き、1周期間に2回の吸引力が作用する。そして、第1フレーム102が1周期振動する間に、櫛歯部109及び櫛歯部110は2回最接近し、振動モードの周波数の加振力を印加することができる。
また、モード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2に矩形波を採用する場合には、デューティー比を50%程度にして0V区間を設け、間欠的な電気信号にするよう配慮が必要である。電気信号の振幅の0.5倍バイアス電圧を与える場合には、0Vと正電圧を繰り返す信号になるので、モード1励振信号RS1及びモード2励振信号RS2の1周期間に1回最大値になる。従って、モード1励振信号RS1の周波数は振動モード1の2倍に、モード2励振信号RS2の周波数は振動モード2の周波数の2倍に設定する必要がある。
また上記実施形態においては、2次元光走査装置を用いた画像生成(ディスプレイ)を例に挙げて説明したが、本発明の2次元光走査装置の用途はこれに限られるものではなく、車載用ヘッドアップディスプレイ、プロジェクタ、リアプロディスプレイ、QRコードリーダ、レンジファインダ、物体検出センサ、レーザレーダなど幅広い用途に応用が可能である。
2次元光走査装置100の構成を示す平面図である。 2次元光走査装置100の領域R1,R2の拡大図である。 2次元光走査装置100の断面の構造を説明する図である。 2次元光走査装置100の走査軌跡SK1,SK2を示す図である。 駆動回路200の構成を示すブロック図である。 加振力の波形、及び各フレームの振動の波形を示す図である。 振幅検出部203で検出される信号の波形を示す図である。 2次元光走査装置300の構成を示す平面図、及び走査軌跡SK3を示す図である。 2次元光走査装置400の構成を示す平面図である。 2次元光走査装置100の構成を示す平面図である。 励振信号の波形を示す図である。 従来の2次元光走査装置の走査軌跡を示す図である。
符号の説明
11…SOI層、12…シリコン酸化膜層、13…ベースシリコン層、21…シリコン酸化膜、22,23…アルミ薄膜、100…2次元光走査装置、101…第0フレーム、102…第1フレーム、103…第2フレーム、104…第3フレーム、105…第1捻りバネ、106…第2捻りバネ、107…第3捻りバネ、108…凹部、109,110,111,112…櫛歯部、200…駆動回路、201…レーザ光発生部、202…信号発生部、203…振幅検出部、204…制御回路、211…半導体レーザ、212…レーザ駆動回路、221…信号発生器、222…加算器、223…増幅器、224…過大電流遮断回路、231…CV変換回路、232…周波数分離フィルタ、233,234…整流回路、235…位相差測定回路、236,237…2値化回路、300…2次元光走査装置、301…第0フレーム、302…第1フレーム、303…第2フレーム、304…第3フレーム、305…第4フレーム、306…第1捻りバネ、307…第2捻りバネ、308…第3捻りバネ、309…第4捻りバネ、310,311,312,313…櫛歯部、320…凹部、400…2次元光走査装置、401…第0フレーム、402…第1フレーム、403…第2フレーム、404…第1捻りバネ、405…第2捻りバネ、406…凹部、407…第3フレーム、409,410,411,412…櫛歯部

Claims (1)

  1. ラスタ走査を行う2次元光走査装置であって、
    光を反射させる反射面を有する第11剛体部材と、
    前記第11剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第10剛体部材と、
    前記第10剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第9剛体部材と、
    前記第9剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第8剛体部材と、
    前記第8剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第7剛体部材と、
    前記第11剛体部材と前記第10剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材の重心を通る第11中心軸を回転軸として、前記第11剛体部材を捩じり振動させる第11弾性変形部材と、
    前記第10剛体部材と前記第9剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材の重心を通る第10中心軸を回転軸として、前記第10剛体部材を捩じり振動させる第10弾性変形部材と、
    前記第9剛体部材と前記第8剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材と前記第9剛体部材の重心を通る第9中心軸を回転軸として、前記第9剛体部材を捩じり振動させる第9弾性変形部材と、
    前記第8剛体部材と前記第7剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材と前記第9剛体部材と前記第8剛体部材の重心を通る第8中心軸を回転軸として、前記第8剛体部材を捩じり振動させる第8弾性変形部材と
    を備えて、前記第11剛体部材、前記第10剛体部材、前記第9剛体部材、前記第8剛体部材、前記第11弾性変形部材、前記第10弾性変形部材、前記第9弾性変形部材及び前記第8弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する4自由度連成振動系を構成し、
    更に、前記4自由度連成振動系に前記固有の周期的外力を作用させる第3外力作用手段を備え、
    前記第10中心軸と前記第9中心軸との交差角度が90度未満であり、
    前記第11中心軸と前記第10中心軸とは直交しており、
    前記第11剛体部材の振動周波数を前記第10剛体部材の振動周波数の2倍とし、前記第11剛体部材と前記第10剛体部材の位相角を同一とする
    ことを特徴とする2次元光走査装置。
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