JP5309317B2 - カーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

カーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置 Download PDF

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本発明は、カーボンを主体に構成された微細構造を有するカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置に関し、特にカーボンナノ構造体の成膜を連続的に製造できるカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置に関する。
近年、携帯電話、パソコンなどに代表される携帯用電子機器の高機能化や電気自動車の需要拡大等に伴って、大容量の電気を発生・貯蔵できる二次電池への要望が高まっている。その中でも、高いエネルギー密度を実現できる可能性を有するLiイオン電池の開発が、進められている。
Liイオン電池等の集電体に求められる特性の一つとして、大容量化を実現するために高エネルギー密度を実現することがある。また別の特性として、集電体の放電能力を高めるためにパワー密度を高めることが求められる。特に、電気自動車への展開を図る上では、発進時等に必要な瞬間的なパワーを出すことが必要であるが、その実現が難しく普及の妨げになっていた。このような特性を有する集電体を実現するために、二次電池の電極にカーボンナノ構造体を適用する研究が進められている。
カーボンナノ構造体は、カーボンを主体に構成され、ナノメートル程度の微細構造を有する構造体として従来より知られている。このようなカーボンナノ構造体には、フラーレンやカーボンナノチューブ等があり、また特許文献1にはカーボンナノウォールと呼ばれるカーボンナノ構造体が記載されている。
特許文献1では、図8に示すような特殊なプラズマCVD装置900を用いて基材901上にカーボンナノウォールを生成する技術が記載されている。この技術によれば、プラズマ902の電子密度を制御可能とすることで、カーボンナノチューブに比べ大きな表面積(高比表面積性)の構造体を実現することが可能となっている。また、プラズマ状態における活性原子(ラジカル)903の量を制御することで、カーボンナノウォールの性状や特性も調整可能としている。
特開2006−69816号公報
しかしながら、特許文献1においては、真空CVD装置900を用いてカーボンナノウォールを生成するため、カーボンナノウォールを生成する基材901を予め装置内部の所定位置904に載置しておく必要があった。その後、装置内部を真空にした上で、プラズマ902を発生させてカーボンナノウォールを基材上に生成していた。
特許文献1に記載のように真空プロセスを用いた場合には、装置コストが高くなるだけでなく、基材毎に一連のプロセスを繰り返し行う必要があるため、カーボンナノウォールを生成した基材を量産することが難しく、コストや労力もかかるといった問題があった。そこで、基材1つ当りの収率をあげるために、カーボンナノウォールを生成する基材の面積を拡大することが望まれるが、基材上で均一な反応を行わせることが極めて困難であった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、カーボンナノ構造体を生成する基材を連続的に供給可能とすることで量産が容易なカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の第1の態様は、プラズマ処理室内の成膜位置に配置された基材の表面にカーボンナノ構造体を生成するためのカーボンナノ構造体の製造方法であって、帯状の前記基材を前記プラズマ処理室に連続的に供給し、前記基材を所定温度まで局所的に加熱し、第1の原料ガスのプラズマと第2の原料ガスのラジカルとが、それぞれ前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に分布して供給されて前記成膜位置の上部の略同一位置に混合領域を形成し、前記ラジカルの供給量を制御し、前記成膜位置に移送された前記基材と前記混合領域との相対距離を制御して前記基材の表面に前記カーボンナノ構造体を高速に生成し、前記カーボンナノ構造体が生成された前記基材を連続的に回収することにより、前記基材上に前記カーボンナノ構造体の成膜を連続的に形成する ことを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記第1の原料ガスが、C2F6、CF4、C2H2、CH4のいずれか1種以上を含むことを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記第2の原料ガスが、水素であることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記プラズマ処理室の内圧が、大気圧と同等、あるいは大気圧より減圧か加圧の雰囲気のいずれかであることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記成膜位置に移送された前記基材が、記混合領域との相対距離が一定となるよう位置決め制御されることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記プラズマと前記ラジカルとが、それぞれの供給量を独立して制御可能であることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記プラズマが、前記成膜位置の上部に供給された前記第1の原料ガスを電離化したものである、あるいは前記成膜位置の上部以外で前記第1の原料ガスを電離化したのち前記成膜位置の上部に供給したものであることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記ラジカルが、前記成膜位置の上部に供給された前記第2の原料ガスを活性化したものである、あるいは前記成膜位置の上部以外で前記第2の原料ガスを活性化したのち前記成膜位置の上部に供給したものであることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記混合領域は、前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に並んで複数形成されることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記混合領域が、前記基材の有効幅以上に形成されることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記プラズマ処理室には導入口及び排出口が備えられており、前記導入口から不活性ガスを導入し、前記プラズマ処理室の前記第1の原料ガスと前記プラズマと前記第2の原料ガスと前記ラジカルとが占める領域以外を前記不活性ガスで満たし、前記排出口から前記不活性ガスを排出させることで前記不活性ガスの気流を制御することを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記混合領域と前記基材との距離が、100mm以下であることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記混合領域と前記基材との距離が、10mm以下であることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記基材には、前記成膜位置で所定の電圧が加えられることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記混合領域における前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の残存量を連続的もしくは定期的に測定し、前記残存量に基づいて前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の供給量を制御することを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記基材に対し、前記プラズマ処理室への供給時に加えられる張力と、前記カーボンナノ構造体生成時に加えられる張力と、前記プラズマ処理室からの回収時に加えられる張力の少なくともいずれか1以上が独立に制御されることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記基材を、前記成膜位置あるいは前記成膜位置に到る前の所定位置で所定温度まで局所的に加熱することを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記成膜位置に到る前の別の所定位置で前記基材の表面に所定の金属微粒子を塗布・分散させることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記金属微粒子が、Ni、Co、Feのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記カーボンナノ構造体が、カーボンナノウォールであることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記カーボンナノ構造体が、カーボンナノチューブであることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法の他の態様は、前記相対距離を基材支持部によって制御し、前記基材は前記基材支持部を介して所定の電圧が加えられていることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造装置の第1の態様は、プラズマ処理室と、前記プラズマ処理室に帯状の基材を連続的に供給する基材供給部と、前記基材を所定温度まで局所的に加熱する加熱手段と、前記プラズマ処理室内の所定の成膜位置で前記基材を配置する基材支持部と、前記成膜位置の上部に第1の原料ガスのプラズマを供給するプラズマ源供給部と、前記成膜位置の上部で前記プラズマとの混合領域を形成するよう第2の原料ガスのラジカルを供給するラジカル源供給部と、前記基材と前記混合領域との相対距離を一定とするよう前記基材支持部の位置決め制御を行なう位置決め手段と、カーボンナノ構造体の成膜が形成された前記基材を連続的に回収する基材回収部と、を備えるとともに、前記プラズマ源供給部及び前記ラジカル源供給部は、それぞれ前記プラズマ及び前記ラジカルを前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に供給するよう、それぞれマイクロスリットを備え、前記ラジカルの供給量を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造装置の他の態様は、前記プラズマ源供給部と前記ラジカル源供給部とが、前記基材の移動方向とは垂直の方向にそれぞれ複数配設されることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造装置の他の態様は、前記混合領域における前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の残存量を連続的もしくは定期的に測定する測定手段と、前記測定手段で測定された前記残存量に基づいて前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の供給量を制御する供給量制御手段とをさらに備えることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造装置の他の態様は、前記成膜位置に到る前の所定位置で前記基材の表面に所定の金属微粒子を塗布・分散させる触媒付加部をさらに備えることを特徴とする。
本発明のカーボンナノ構造体の製造装置の他の態様は、前記基材支持部は、前記基材に所定の電圧を加えるように構成されることを特徴とする。

本発明のカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置によれば、大気圧プラズマCVD装置とロールツーロールの連続プロセスとを組み合わせることで、カーボンナノ構造体を製造するプロセスの高速化を図って基材の表面上に直接生成するとともに、基材を連続的に供給・回収可能とすることで、量産化と低コスト化を実現することが可能となる。
本発明の好ましい実施の形態におけるカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置は、大気圧プラズマCVD法を用いており、これに加えてラジカル(活性原子)注入を行うことにより、原料ガス種、成膜条件を選択することでカーボンナノ構造体の密度、形状を制御することが可能となっている。大気圧プラズマCVD法は、高電子密度(例えば、約1015[cm-3])、低電子温度(例えば、約1[eV])であることから、高密度に活性種を生成することで、高速での成膜が期待できる量産に適した技術である。また、大気圧下でのプロセスであるため真空系が不要であり、装置コストの低減も可能となる。
また、本発明のカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置では、上記の大気圧プラズマCVD法とともに、ロールツーロール方式を用いることで所定の基材上にカーボンナノ構造体の成膜を連続的に形成できるようにしている。従来の大気圧プラズマCVD法では、基材を所定の位置に固定した状態で成膜を形成していたが、本発明の製造方法では基材を連続的に供給・回収している。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法によれば、円筒状のカーボンナノチューブに加えて、厚さ数ナノメートル〜数十ナノメートルの炭素分子の壁が長く連なった形状を有するカーボンナノウォールを生成することができる。カーボンナノウォールの例を図3に示す。カーボンナノウォールの構造は、プラズマ状態におけるラジカルの密度等を制御することで調整することができる。そこで、本発明のカーボンナノ構造体の製造方法では、ラジカルにレーザー光を照射し、光が減衰する原理を利用して装置内のラジカル量を計測するようにしている。ラジカル量をフィードバックしてプラズマ量を制御することにより、カーボンナノウォールの壁の厚さや密度を調整することが可能となっている。
カーボンナノウォールは、結晶的にグラファイト構造(黒鉛)が主成分となっており、ウォール表面に黒鉛端面が露出した構造と考えられ、ウォール空隙部のナノレベルのホール表面に沿って黒鉛端面が配列している。カーボンナノウォールは、筒状の炭素分子であるカーボンナノチューブに比べ表面積が大きくなることで、表面反応的な機能を高めることが可能となる。
また、黒鉛系の材料は、LiC6組成の第一ステージ相間化合物に基づく理論放電容量372Ah/kgに近い容量が得られていることから、例えばLiイオン電池の負極電極等の集電体として、好適な材料となることが期待される。特に本発明のカーボンナノ構造体の製造方法によれば、カーボンナノウォール構造薄膜を負極材料上に直接連続形成することが可能となる。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法によりLiイオン電池の電極を形成した場合には、Liイオンの黒鉛内部への挿入脱離反応の進行速度を高めることが可能となる。また、カーボンナノウォールは基材上に直接接触して生成されており、その表層部に黒鉛端部が集中的に配置されていることから、電極材のたとえば銅とカーボンとの間の界面における接触抵抗を低減させることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置について、図1の構成図を用いて以下に説明する。製造装置100は、主要構成としてカーボンナノ構造体を生成するプラズマ処理室101と、基材104をプラズマ処理室101内に送出する基材供給部102と、カーボンナノ構造体が生成された基材104を回収する基材回収部103とから構成されている。基材104は帯状の形状を有しており、基材供給部102からプラズマ処理室101を経由して基材回収部103まで連続して移送される。本実施形態の製造装置100では、カーボンナノ構造体としてカーボンナノウォールが生成される。
プラズマ処理室101は、プラズマを生成して供給するプラズマ源供給部111と、ラジカルを生成して供給するラジカル源供給部112と、カーボンナノウォールの成膜時に基材104を配置するための基材支持部121とを備えており、プラズマ源供給部111及びラジカル源供給部112からそれぞれプラズマとラジカルとを基材支持部121に配置された基材104の上部に供給することで、基材104の表面上にカーボンナノウォールを生成する。
基材供給部102は送出用ロール131を備えており、送出用ロール131を回転させることで基材104をプラズマ処理室101内に連続的に送出する。また、基材回収部103は、引取機132、ダンサー133、及び巻取用ロール134を備えており、プラズマ処理室101でカーボンナノウォールが成膜された基材104を連続的に回収して巻取用ロール134に巻き取る。
本実施形態のカーボンナノ構造体の製造装置100は、基材供給部102の送出用ロール131から基材回収部103の巻取用ロール134まで基材104を連続的に移送するロールツーロール方式を構成している。カーボンナノ構造体の製造装置100の構成をこのようにすることにより、基材104をプラズマ処理室101内に連続的に供給してカーボンナノウォールの連続プラズマ成膜を実現している。
送出用ロール131、引取機132、ダンサー133、及び巻取用ロール134は、それぞれ制御手段131a、132a、133a、及び134aを備えており、これにより基材104の送出速度や基材104に加える張力を調整することが可能となっている。基材104に加えられる張力は、10Kgより小さくするのが好ましい。
本実施形態におけるロールツーロール方式では、送出用ロール131の回転により送出時に基材104に加えられる張力と、基材支持部121に配置されてカーボンナノウォールが生成される時の基材104に対し引取機132の回転により加えられる張力と、巻取用ロール134に基材104を巻き取る時にダンサー133により加えられる張力の少なくとも1つ以上が、制御手段131a、132a、133a、及び134aを用いて独立に制御できるよう構成されている。これにより、送出用ロール131と巻取用ロール134との間で、基材104に適切な張力を加えることが可能となる。
次に、プラズマ処理室101の詳細な構成を、図2に示す構成図を用いて以下に説明する。プラズマ処理室101内にはプラズマ源供給部111とラジカル源供給部112とが設けられ、それぞれ第1の原料ガスから生成されたプラズマ113と第2の原料ガスから生成されたラジカル114とを出射し、それらが基材支持部121の上部で混合して混合領域115を形成する。上記の第1の原料ガスとして、C2F6、CF4、C2H2、CH4のいずれか1種以上を用いることができ、また第2の原料ガスとして、水素を用いることができる。
また、本実施形態のプラズマ処理室101は、内圧が大気圧と同等の大気圧プラズマCVD装置としており、これにより特殊な減圧/真空系を不要としている。あるいは大気圧より減圧か加圧された雰囲気としてもよい。プラズマ処理室101の内部には、プラズマ113とラジカル114、あるいはこれに加えて第1の原料ガス及び/又は第2の原料ガスが封入されている。プラズマ処理室101の内圧を大気圧と同等にするために、本実施形態ではさらにNe、Ar等の不活性ガスをプラズマ処理室101内に導入するようにしている。不活性ガスは、プラズマ処理室101内に導入される前に余熱されているのが好ましい。これは、加熱された基材104を再び冷却してしまわないようにするためである。
不活性ガスを導入するために、プラズマ処理室101には導入口116と排出口117が設けられており、導入口116から不活性ガスを導入してプラズマ処理室101内のプラズマ113とラジカル114及び原料ガスが占める領域以外を不活性ガスで満たすようにしている。さらに、排出口117から不活性ガスを希釈後排出するようにすることで、プラズマ処理室101内に不活性ガスの気流を形成してこれを制御するようにしている。
このような不活性ガスの気流を形成することで、プラズマ処理室101内の気圧制御を可能にするとともに、カーボンナノウォール生成後の不要ガスの排出を好適に行えるようにしている。不活性ガスはまた、プラズマ処理室101を外部からシールする機能も果たしている。
本実施形態では、プラズマ源供給部111が基材支持部121の上方に設置されて、プラズマ113を上方から基材104の上部に供給するようにしている。また、ラジカル源供給部112は、図2の図面上基材支持部121の左上方に設置され、ラジカル114を左上方から基材支持部121の上部に供給するようにしている。そして、基材支持部121の上部の混合領域115でプラズマ113とラジカル114とが混合して活性種を高密度にし、これにより基材支持部121に配置された基材104の表面上にカーボンナノウォールを高速に生成させている。
上記のように、基材支持部121から見たプラズマ源供給部111とラジカル源供給部112の配置をそれぞれ異なる方向とし、プラズマ113とラジカル114とがそれぞれ異なる方向から供給されるようにするのがよい。また、プラズマ113とラジカル114とは、それぞれの供給量を独立して制御可能とするよう、それぞれ制御手段111b及び112bを設けている。
プラズマ源供給部111は、第1の原料ガスを内部でプラズマ化したものを混合領域115に供給するようにすることができる。あるいは、第1の原料ガスを混合領域115に供給し、混合領域115でプラズマ化するようにしてもよい。同様にラジカル源供給部112も、第2の原料ガスを内部でラジカル化したものを混合領域115に供給するようにすることができる。あるいは、第2の原料ガスを混合領域115に供給し、混合領域115でラジカル化するようにしてもよい。
本実施形態のプラズマ源供給部111及びラジカル源供給部112は、基材104の移動方向とは垂直の方向にマイクロスリット111s及び112sをそれぞれ設けており、それぞれの上部からマイクロ波(図示せず)を各スリット111s、112sに向けて照射している。このマイクロスリット111s、112sでマイクロ波のエネルギーが集積化され、これによりプラズマ113及びラジカル114が生成される。
上記のようにマイクロスリット111s、112sで生成されたプラズマ113及びラジカル114は、基材104の移動方向とは垂直の方向に線状に分布して混合領域115に供給される。但し、基材104の移動方向については、必ずしも一様である必要はない。これにより、基材104の表面上に移動方向とは垂直の方向に線状にカーボンナノウォールが生成される。なお、混合領域115の幅は、基材104の有効幅以上に形成されるようにするのがよい。
基材支持部121の位置に移送された基材104の表面にカーボンナノウォールが効率よく生成されるよう、基材支持部121を介して基材104に所定の電圧を電源122から加えるようにしている。また、基材支持部121の位置調整を行なう位置決め手段121aが設けられており、これを用いて基材支持部121上の基材104と混合領域115との相対距離を一定にするよう制御することが可能となっている。カーボンナノウォールを効率よく生成するために、混合領域115と基材104との距離を100mm以下に制御するのがよく、より好ましくは10mm以下とするのがよい。
さらに、カーボンナノウォールが生成される時点で基材104が所定温度に過熱されているのが好ましく、本実施形態では支持部121から基材104を局所的に加熱できるよう、支持部121に加熱手段123が設けられている。加熱手段123を用いて基材104を所定温度まで加熱することにより、基材104の表面にカーボンナノウォールを効率よく生成することができる。
基材104の表面に形成されるカーボンナノウォールの壁の厚さ、密度等の形状や特性は、プラズマ113及びラジカル114の供給量を制御することで調整可能である。本実施形態のプラズマ処理室101では、プラズマ113とラジカル114の少なくともいずれか一方の混合領域115における残存量を、連続的もしくは定期的に測定する測定手段124を備えるようにしている。そして、測定されたプラズマ113又は/及びラジカル114の残存量に基づいて、その供給量を制御手段111a又は/及び112aを用いて制御している。
測定手段124として、混合領域115に残存する活性種にレーザー光を照射し、レーザー光の減衰量を測定することで活性種の残存量を計測する手段を用いることができる。この測定手段124で測定されたプラズマ113又は/及びラジカル114の残存量に基づき、特定の条件でプラズマ113の量を制御することでカーボンナオウォールを生成でき、ラジカル114の量を微調整することで壁の厚さや密度を調整することができる。
上記説明の通り、本実施形態のカーボンナノ構造体の製造装置100によれば、カーボンナノ構造体としてカーボンナノウォールを生成することができる。このカーボンナノウォールとして、例えばかさ密度1.6g/cm3以上、厚み1μm、比表面積200m2/gのものを生成することが可能である。また、本実施形態の製造装置100では、カーボンナノウォールの成膜レートを例えば2μm/sとすることができる。
また、本実施形態のカーボンナノ構造体の製造装置100によれば、基板104に銅箔を用いることで、例えば30mm幅程度の電極材を形成することも可能である。基板104には、表面積の大きいカーボンナノウォールが形成されており、これを用いることで高エネルギー密度と高パワー密度を同時に実現できる電極材を提供することが可能となる。
上記のように構成された本実施形態の製造装置100を用いて、表面にカーボンナノウォールの成膜が形成された基材104を連続的に製造する方法を以下に説明する。基材104は、ロールツーロール法によって移送できるよう、予め基材供給部102からプラズマ処理室101を経由して基材回収部103まで配置しておく。そして、製造開始とともに基材104を基材供給部102からプラズマ処理室101に連続的に供給する。
プラズマ処理室101の内部に移送された基材104はさらに基材支持部121まで移送され、ここで加熱手段123を用いて所定温度まで過熱される。また、プラズマ源供給部111及びラジカル源供給部112からはプラズマ113及びラジカル114が混合領域115に常時供給されており、これからカーボンナノウォールが基材104の表面に生成される。このようなカーボンナノウォールの生成が基材104の移動にあわせて連続して行われることから、基材104の表面上にカーボンナノウォールの成膜が形成される。
カーボンナノウォールの成膜が形成された基板104は、さらに基材回収部103に回収されて巻取用ロール134に巻き取られる。このように、本実施形態のカーボンナノ構造体の製造方法によれば、表面上にカーボンナノウォールの成膜が形成された基板104を連続的に製造することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置を、図4を用いて以下に説明する。図4は、本実施形態の製造装置のプラズマ処理室201のみを示しており、基材供給部102及び基材回収部103は第1の実施形態と同様のものを用いるものとしている。
本実施形態のプラズマ処理室201では、第1の原料ガスと第2の原料ガスをそれぞれチャンバー202の側面に設けられたプラズマ源供給部211とラジカル源供給部212とからチャンバー202の内部に供給するようにしている。そして、チャンバー202の上部からマイクロ波(例えば2.45GHz)をチャンバー202内部のマイクロスリット202sへ導入し、ここでエネルギー集積化を行ってプラズマ113及びラジカル114を生成している。
マイクロスリット202sの形状として、図4(b)に示すように、例えばスリット材の厚さを2mm、スリット部の傾きを45度、スリット間隔を0.2mmとすることができる。また、マイクロスリット202sと基材104との間隔を、例えば5mmとすることができる。マイクロスリット202sを通過した第1の原料ガスと第2の原料ガスとの混合ガスは、チャンバー202の下部に設けられた排気口203から排気することで、プラズマ処理室201の内圧を大気圧に保持している。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置について、図5の構成図を用いて以下に説明する。本実施形態の製造装置300では、加熱手段323がプラズマ処理室301内部の基材支持部321とは別の位置に設けられている。すなわち、本実施形態では加熱手段323を基材支持部321より前方の位置に設け、基材104が基材支持部321に到る前にこれを所定温度まで局所的に加熱するようにしている。
上記のように加熱手段323を基材支持部321より前方の位置に設けることにより、基材104が基材支持部321に移送された時には既に所定の温度に達しているようにすることができる。これによりカーボンナノウォールの成膜条件を安定化させることができ、より高品質のカーボンナノウォールを生成することが可能となる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置を、図6を用いて以下に説明する。図6は、本実施形態の製造装置のプラズマ処理室401のみを示している。本実施形態では、プラズマ源供給部411とラジカル源供給部412が基材104の移動方向とは垂直の方向にそれぞれ2つずつ設置されている。これにより、プラズマ113とラジカル114とが混合した混合領域115が、基材104の移動方向とは垂直の方向に線状に並んで2ヶ所形成され、カーボンナノウォールが基材104の移動方向とは垂直の方向に線状に生成される。
上記のように、プラズマ源供給部411及びラジカル源供給部412を基材104の移動方向とは垂直の方向にそれぞれ複数配設するようにすることで、カーボンナノウォールを基材104の移動方向とは垂直の方向に線状に生成することができる。特に、カーボンナノウォール成膜の幅を拡大したい場合には、本実施形態のようにプラズマ源供給部411及びラジカル源供給部412を複数配設するのがよい。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置について、図7の構成図を用いて以下に説明する。本実施形態の製造装置500には、プラズマ処理室501の内部に触媒塗布部502と触媒分散部503を備えた触媒付加部504が備えられている。触媒付加部504は、基材支持部121より前方に設置されており、ここで所定の金属微粒子を基材104に付加するようにしている。
触媒付加部504では、まず触媒塗布部502で所定の金属微粒子を基材104に塗布し、これを触媒分散部503で基材104の表面上に分散させるようにしている。触媒分散部503では、熱処理あるいはプラズマ処理によって金属微粒子を基材104の表面上に分散させることができる。上記の所定の金属微粒子として、Ni、Co、Feのうち少なくとも1種を含む金属微粒子を用いることができる。
上記のように、触媒付加部504でNi、Co、Fe等の金属微粒子を基材104に付加した後、基材支持部121に移送してプラズマ113とラジカル114の混合物と反応させることにより、前記カーボンナノ構造体としてカーボンナノチューブを基材104の表面上に生成することができる。すなわち本実施形態では、触媒付加部504で触媒となる金属微粒子を基材104の表面に付加し、これによりカーボンナノチューブの成膜を形成する製造装置500を提供している。
上記の通り本発明のカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置によれば、大気圧プラズマCVD装置とロールツーロールの連続プロセスとを組み合わせることで、カーボンナノ構造体を製造するプロセスの高速化を図って基材の表面上に直接生成させるとともに、基材を連続的に供給・回収可能とすることで、量産化と低コスト化を実現することが可能となる。
本発明のカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置では、基材上に直接生成したカーボンナノ構造体の性状や特性を制御することが可能であり、高パワー密度が可能な負極材料を製造することができる。また、カーボンナノ構造体の高比表面積性を活用することで高エネルギー密度を実現することができ、特にカーボンナノ構造体としてカーボンナノウォールを生成した場合には、一層の高エネルギー密度を実現することが可能となる。
これにより、例えばLiイオン電池の負極等の集電体に好適な高エネルギー密度と高パワー密度を同時に実現可能な電極材料を提供することができる。また、ロールツーロール法を適用することで量産性に優れたカーボンナノ構造体の製造装置が実現できる。さらに、大気圧下でのプロセスとしたことで真空系が不要となり、装置コストの低減も可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるカーボンナノ構造体の製造方法及び製造装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の第1の実施形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理室の詳細構成を示す図である。 カーボンナノウォールの例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置におけるプラズマ処理室の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置を示す構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置におけるプラズマ処理室の構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係るカーボンナノ構造体の製造装置を示す構成図である。 従来のプラズマCVD装置を示す図である。
符号の説明
100、300、500 カーボンナノ構造体の製造装置
101、201、301、401、501 プラズマ処理室
102 基材供給部
103 基材回収部
104、901 基材
111、211、411 プラズマ源供給部
112、212、412 ラジカル源供給部
111s、112s、202s マイクロスリット
113、902 プラズマ
114、903 ラジカル
115 混合領域
116 導入口
117 排出口
121、321 基材支持部
121a 位置決め手段
122 電源
123、323 加熱手段
131 送出用ロール
132 引取機
133 ダンサー
134 巻取用ロール
202 チャンバー
203 排気口
502 触媒塗布部
503 触媒分散部
504 触媒付加部
900 プラズマCVD装置

Claims (27)

  1. プラズマ処理室内の成膜位置に配置された基材の表面にカーボンナノ構造体を生成するためのカーボンナノ構造体の製造方法であって、
    帯状の前記基材を前記プラズマ処理室に連続的に供給し、
    前記基材を所定温度まで局所的に加熱し、
    第1の原料ガスのプラズマと第2の原料ガスのラジカルとが、それぞれ前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に分布して供給されて前記成膜位置の上部の略同一位置に混合領域を形成し、
    前記ラジカルの供給量を制御し、
    前記成膜位置に移送された前記基材と前記混合領域との相対距離を制御して前記基材の表面に前記カーボンナノ構造体を高速に生成し、
    前記カーボンナノ構造体が生成された前記基材を連続的に回収する、
    ことにより前記基材上に前記カーボンナノ構造体の成膜を連続的に形成する
    ことを特徴とするカーボンナノ構造体の製造方法。
  2. 前記第1の原料ガスは、C2F6、CF4、C2H2、CH4のいずれか1種以上を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  3. 前記第2の原料ガスは、水素である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  4. 前記プラズマ処理室の内圧は、大気圧と同等、あるいは大気圧より減圧か加圧の雰囲気のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  5. 前記成膜位置に移送された前記基材は、記混合領域との相対距離が一定となるよう位置決め制御される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  6. 前記プラズマと前記ラジカルとは、それぞれの供給量を独立して制御可能である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  7. 前記プラズマは、前記成膜位置の上部に供給された前記第1の原料ガスを電離化したものである、あるいは前記成膜位置の上部以外で前記第1の原料ガスを電離化したのち前記成膜位置の上部に供給したものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  8. 前記ラジカルは、前記成膜位置の上部に供給された前記第2の原料ガスを活性化したものである、あるいは前記成膜位置の上部以外で前記第2の原料ガスを活性化したのち前記成膜位置の上部に供給したものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  9. 前記混合領域は、前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に並んで複数形成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  10. 前記混合領域は、前記基材の有効幅以上に形成される、
    ことを特徴とする請求項9に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  11. 前記プラズマ処理室には導入口及び排出口が備えられており、前記導入口から不活性ガスを導入し、前記プラズマ処理室の前記第1の原料ガスと前記プラズマと前記第2の原料ガスと前記ラジカルとが占める領域以外を前記不活性ガスで満たし、前記排出口から前記不活性ガスを排出させることで、前記不活性ガスの気流を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  12. 前記混合領域と前記基材との距離は、100mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  13. 前記混合領域と前記基材との距離は、10mm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  14. 前記基材には、前記成膜位置で所定の電圧が加えられる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  15. 前記混合領域における前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の残存量を連続的もしくは定期的に測定し、前記残存量に基づいて前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の供給量を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  16. 前記基材に対し、前記プラズマ処理室への供給時に加えられる張力と、前記カーボンナノ構造体生成時に加えられる張力と、前記プラズマ処理室からの回収時に加えられる張力の少なくともいずれか1以上が独立に制御される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  17. 前記基材を、前記成膜位置あるいは前記成膜位置に到る前の所定位置で所定温度まで局所的に加熱する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  18. 前記成膜位置に到る前の別の所定位置で前記基材の表面に所定の金属微粒子を塗布・分散させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  19. 前記金属微粒子は、Ni、Co、Feのうち少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項18に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  20. 前記カーボンナノ構造体は、カーボンナノウォールである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  21. 前記カーボンナノ構造体は、カーボンナノチューブである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  22. 前記相対距離を基材支持部によって制御し、前記基材は前記基材支持部を介して所定の電圧が加えられている
    ことを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノ構造体の製造方法。
  23. プラズマ処理室と、
    前記プラズマ処理室に帯状の基材を連続的に供給する基材供給部と、
    前記基材を所定温度まで局所的に加熱する加熱手段と、
    前記プラズマ処理室内の所定の成膜位置で前記基材を配置する基材支持部と、
    前記成膜位置の上部に第1の原料ガスのプラズマを供給するプラズマ源供給部と、
    前記成膜位置の上部で前記プラズマとの混合領域を形成するよう第2の原料ガスのラジカルを供給するラジカル源供給部と、
    前記基材と前記混合領域との相対距離を一定とするよう前記基材支持部の位置決め制御を行なう位置決め手段と、
    カーボンナノ構造体の成膜が形成された前記基材を連続的に回収する基材回収部と、
    を備えるとともに、
    前記プラズマ源供給部及び前記ラジカル源供給部は、それぞれ前記プラズマ及び前記ラジカルを前記基材の移動方向とは垂直の方向に線状に供給するよう、それぞれマイクロスリットを備え、
    前記ラジカルの供給量を制御する制御手段を備える
    ことを特徴とするカーボンナノ構造体の製造装置。
  24. 前記プラズマ源供給部前記ラジカル源供給部とは、前記基材の移動方向とは垂直の方向にそれぞれ複数配設される
    ことを特徴とする請求項23に記載のカーボンナノ構造体の製造装置。
  25. 前記混合領域における前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の残存量を連続的もしくは定期的に測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定された前記残存量に基づいて前記プラズマと前記ラジカルの少なくともいずれか一方の供給量を制御する供給量制御手段とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項23に記載のカーボンナノ構造体の製造装置。
  26. 前記成膜位置に到る前の所定位置で前記基材の表面に所定の金属微粒子を塗布・分散させる触媒付加部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項23に記載のカーボンナノ構造体の製造装置。
  27. 前記基材支持部は、前記基材に所定の電圧を加えるように構成される
    ことを特徴とする請求項23に記載のカーボンナノ構造体の製造装置。
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