JP5308493B2 - 燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタック - Google Patents

燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタック Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタックに係り、特に、固体酸化物型燃料電池を構成するセパレータの表面を塗装する燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタックに関する。
燃料電池の一種である固体酸化物型燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)は、600℃〜900℃という高温で動作する燃料電池である。また、固体酸化物型燃料電池は、構成部品が全て完全な固体であるという特徴を有し、高い発電効率が得られる燃料電池システムである。
図4に、固体酸化物型燃料電池(SOFC)10の発電原理を示す。図4(a)は、燃料が水素燃料である場合の発電原理を示し、図4(b)は、燃料が一酸化炭素燃料である場合の発電原理を示す。固体酸化物型燃料電池(SOFC)10は、燃料として水素、一酸化炭素などを使用し、燃料極(アノード)12、及び空気極(カソード)13において、下記に示す電極反応が進行する型式の燃料電池10である。
(水素燃料の場合の燃料極12) H+O2−→HO+2e
(一酸化炭素燃料の場合の燃料極12) CO+O2−→CO+2e
(空気極13) 1/2O+2e→O2−
この反応式に示されるように、空気極13で発生した酸素イオン(O2−)が電解質20を通過して燃料極12へと移動する。一方、燃料極12では、燃料である水素或いは一酸化炭素が酸素イオン(O2−)と反応して電子(2e)を放出し、その電子(2e)が外部回路を経由して空気極13へと移動する。以下、本明細書においては、固体酸化物型燃料電池(SOFC)10の燃料については水素として説明する。
図5に、一般的な固体酸化物型燃料電池10の単セルスタック17の構成を斜視図で示す。固体酸化物型燃料電池10の単セルスタック17は、電解質20と一対の電極である燃料極(アノード)12及び空気極(カソード)13とから構成されるMEAセル11、燃料極側セパレータ14、及び空気極側セパレータ15から構成される。そして、一個の単セルスタック17自体は0.3V〜1.0V程度なので、必要な電圧とするために単セルスタック17が数十枚〜数百枚重ねられ、積層されたセルスタック(図示せず)が形成される。そして、図10に示すように、燃料極12には燃料ガスである水素が供給され、空気極13には酸化ガスである空気が供給される。
固体酸化物型燃料電池10のセパレータ14,15は、セルスタック中の個々の単セルスタック17間を仕切る。すなわち、図5に示す単セルスタック17は、積層されてセルスタックを形成することから、固体酸化物型燃料電池10のセパレータは、表面及び裏面の両面がそれぞれ燃料極12側に面した燃料極側セパレータ14及び空気極13側に面した空気極セパレータ15となり、セルスタック中の個々の単セルスタック17間を仕切っている。これらのセパレータ14,15の役割は、燃料ガスと酸化ガスを分離し、燃料ガスと酸化ガスを燃料極12及び空気極13にそれぞれ供給して収容することである。そのため、一般的に、セパレータ14,15のそれぞれの表面には、溝加工により燃料ガス供給路21及び酸化ガス供給路22が設けられている。これらのセパレータ14,15には、導電性を有するコーティング材によりコーティングが施されるのが一般的である。
特許文献1には、Crを含む耐熱合金材料を用いて構成された固体酸化物型燃料電池用インターコネクタに対する導電性セラミックス材料からなる保護膜のコーティング方法が開示されている。ここでは、導電性セラミックス材料に低温焼結助剤、例えばLi化合物を添加したスラリーをCrを含む耐熱合金材料の表面に塗布する。そして、700℃〜900℃において還元処理を行うと、低温焼結助剤、例えばLi化合物は還元処理によりLiに還元される。次いで空気雰囲気中750℃〜850℃で焼成することが記載されている。
特開2009−152016号公報
特許文献1に示すような燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法であると、700〜900℃での還元処理、及び750〜850℃での酸化処理などを行い初めてコーティングが終了する。このように、従来の燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法では、コーティングに大量の熱エネルギーが消費されるという問題があった。またコーティングの工程も煩雑であるという問題があった。
また、従来の燃料電池セパレータのコーティング材又はコーティング方法では、個々のセパレータのコーティングが終了しないとセパレータを燃料電池の組み立てることはできないという問題があった。
本願の目的は、かかる課題を解決し、コーティングに掛かるエネルギーを低減し、コーティングの工程を簡素化した燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタックを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材は、固体酸化物型燃料電池セパレータの塗装面に塗布されるコーティング材であって、導電性酸化物及び溶媒と、有機バインダーと、無機バインダーとから構成される固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材において、前記有機バインダーは、溶媒を乾燥させる低温乾燥温度で硬化し、固体酸化物型燃料電池セルスタックの使用時に第1の動作温度まで加熱されることでガス化し、前記無機バインダーは、前記第1の動作温度より高い第2の動作温度まで加熱されることで溶融することを特徴とする。
上記構成により、燃料電池セパレータのコーティング材は、組み立てられたセルスタックの使用時の昇温に合わせて第1の高温範囲及び第2の高温範囲に設定することができ、コーティングに掛かるエネルギーを低減することができる。また、組み立てられたセルスタックの使用時の昇温に合わせて連続して第1の高温範囲及び第2の高温範囲に切り替えることが可能となり、コーティング工程を簡素化することができる。
また、燃料電池セパレータのコーティング材は、低温乾燥温度は、100℃から250℃の範囲内であり、第1の動作温度は、500℃から700℃の範囲内であり、第2の動作温度は、750℃から900℃の範囲内であることが好ましい。固体酸化物型燃料電池は、使用時に600℃〜900℃という高温で動作するため、組み立てられた固体酸化物型燃料電池のセルスタックの昇温に合わせて第1の高温範囲及び第2の高温範囲を設定できる
また、燃料電池セパレータのコーティング材は、コーティング方法に用いられるコーティング材の導電性酸化物には、マンガン・コバルト(MnCo)酸化物、ニッケル・コバルト(NiCo)酸化物、ランタン・ストロンチウム・マンガン(LSM)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物、サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物、が含まれることが好ましい。このように、コーティング材は、被覆材及び接触材などの幅広い材料から選択できる
また、燃料電池セパレータのコーティング材は、無機バインダーが、銀又は銀パラジウム合金であることが好ましい。
上記段落0011、段落0013、段落0014、又は段落0015に記載された固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材が塗布されたセパレータを用いたセルスタックであることが好ましい。このように、本発明であるコーティング材が用いられた固体酸化物型燃料電池セパレータが用いられたセルスタックは、コーティングに掛かるエネルギーを低減し、コーティング工程を簡素化した燃料電池セパレータを備えることができる。
上記目的を達成するため、燃料電池セパレータのコーティング方法は、固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法において、導電性酸化物と溶媒とを混合したコーティング材に、少なくとも有機バインダー及び無機バインダーを添加したコーティング材をセパレータの塗装面に塗布するステップと、前記セパレータを、溶媒を乾燥させる低温乾燥温度まで加熱し、有機バインダーを硬化させてセパレータの塗装面に固着させるステップと、前記セパレータの塗装面に有機バインダーが硬化して固着したセパレータを用いて固体酸化物型燃料電池セルスタックを組み立てるステップと、組み立てられたセルスタックを使用時に第1の動作温度まで加熱し、有機バインダーをガス化させるステップと、さらに前記第1の動作温度より高い第2の動作温度まで加熱し、無機バインダーをセパレータの塗装面に溶着させ、セパレータの塗装面にコーティング層を形成させるステップと、を備えることを特徴とする
上記構成により、燃料電池セパレータのコーティング方法は、組み立てられたセルスタックの使用時の昇温に合わせて第1の高温範囲及び第2の高温範囲に設定することができ、コーティングに掛かるエネルギーを低減することができる。また、組み立てられたセルスタックの使用時の昇温に合わせて連続して第1の高温範囲及び第2の高温範囲に切り替えることが可能となり、コーティング工程を簡素化することができる
また、燃料電池セパレータのコーティング方法は、乾燥温度が、100℃から250℃の範囲内であり、第1の動作温度は、500℃から700℃の範囲内であり、第2の動作温度は、750℃から900℃の範囲内であることが好ましい。固体酸化物型燃料電池は、使用時に600℃〜900℃という高温で動作するため、組み立てられた固体酸化物型燃料電池のセルスタックの昇温に合わせて第1の高温範囲及び第2の高温範囲を設定できる
また、燃料電池セパレータのコーティング方法は、コーティング方法に用いられるコーティング材の導電性酸化物には、マンガン・コバルト(MnCo)酸化物、ニッケル・コバルト(NiCo)酸化物、ランタン・ストロンチウム・マンガン(LSM)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物、サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物、が含まれることが好ましい。このように、コーティング材は、被覆材及び接触材などの幅広い材料から選択できる
また、燃料電池セパレータのコーティング方法は、コーティング材に用いられる無機バインダーが、銀又は銀パラジウム合金であることが好ましい
上記段落0017、段落0019、段落0020、又は段落0021に記載された固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法によってコーティング層が形成されたセパレータを含むセルスタックであることが好ましい。このように、本発明であるコーティング方法が用いられた固体酸化物型燃料電池セパレータが用いられたセルスタックは、コーティングに掛かるエネルギーを低減し、コーティング工程を簡素化した燃料電池セパレータを備えることができる。
以上のように、本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材およびコーティング方法及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタックによれば、コーティングに掛かるエネルギーを低減し、コーティング工程を簡素化した燃料電池セパレータのコーティング材およびコーティング方法及びコーティング方法、及び、燃料電池セパレータのコーティング材及びコーティング方法を用いたセルスタックを提供することができる。
本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材の構成を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池セパレータの低温乾燥温度でのコーティング方法を示すブロック図である。 本発明に係る燃料電池セパレータの高温加熱によるコーティング方法を示すブロック図である。 燃料電池の発電原理を示す説明図である。 燃料電池の単セルスタックの構成を示す斜視図である。
(燃料電池セパレータのコーティング材)
以下に、図面を用いて本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材1の実施形態につき、詳細に説明する。図1に、本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材1の構成を示す。コーティング材1は、主原料2、溶媒3、分散剤4、無機バインダー5、及び有機バインダー6から構成される。
コーティング材1の主原料2はマンガン・コバルト(MnCo)酸化物、又はニッケル・コバルト(NiCo)酸化物などの導電性を有する被覆材7のスピネル粒子、又はランタン・ストロンチウム・マンガン(LSM)酸化物又はランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物などの導電性を有する接触材8のスピネル粒子である。その他、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物,ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物,サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物などの導電性を有する接触材8のスピネル粒子がコーティング材1の主原料2として用いられる。このコーティング材1に占める主原料2の割合は略90%である。
溶媒3は、例えば、潤滑剤であるポリメタクリレート(PMA)又はイコサペンタエン酸(IPA)などである。分散剤4は、スピネル粒子を液中に分散させるために加えられる。この分散剤には、例えば、ポリジメチルシロキサン(POLYDIMETHYLSILOXANE)及びシリカ(SILICA)の混合物、ポリジメチルシロキサン(POLYDIMETHYLSILOXANE)の水性エマルジョン(AQUEOUS EMULSION)などが含まれる。
無機バインダー5は、コーティング材1を高温範囲でセパレータの塗装面に溶着させるために添加されるバインダーである。この無機バインダー5は、例えば、銀又は銀パラジウム合金などが用いられる。この銀は、酸素透過性が高いという特徴を有する。また、融点が低いため溶着温度が低下するという特徴を有する。コーティング材1に占める無機バインダー5の割合は略5%である。また、有機バインダー6は、コーティング材1を低温乾燥温度においてセパレータの塗装面に固着させるために添加されるバインダーである。この有機バインダー6には、例えば、ポリビニール・ブチラール(POLYVINYL BUTYRAL)、ポリビニール・ブチラール(POLYVINYL BUTYRAL),ビニール・アルコール(VINYL・ALCOHOL)及びビニール・アセテート(VINYL・ACETATE)の混合物などが含まれる。このコーティング材1に占める有機バインダー6の割合は略3%〜略5%である。
本実施形態では、コーティング材1は、例えば、マンガン・コバルト(MnCo)酸化物などのスピネル粒子である主原料2、分散剤4、無機バインダー5、及び有機バインダー6を順次混合してペースト状のコーティング材1を作成する。或いは、ペースト状のコーティング材1を、例えば、ポリメタクリレート(PMA)又はイコサペンタエン酸(IPA)などで希釈してスラリー状のコーティング材1を作成する。本実施形態では、このセパレータの塗装面へ塗布するコーティング材1は、スラリー状のコーティング材をスプレーにより塗布する静電塗装によるが、ペースト状のコーティング材を、例えば、シルクスクリーン、或いは刷毛塗りなどにより塗布しても良い。
本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材1の第1実施形態を説明する。主原料2、溶媒3を混合したコーティング材1に、低温乾燥温度で加熱されることで硬化してセパレータの塗布面に固着する有機バインダー6を添加し、ペースト状或いはスラリー状のコーティング材1とする。ここで、分散剤4を混合しても良い。そして、有機バインダー6が固着したセパレータにより燃料電池セルスタック16を組み立てる。
これにより、燃料電池セパレータのコーティング1において、高温での還元処理や酸化処理が不要となり、低温にてコーティング材1を塗布面に固着させることができ、コーティングに掛かるエネルギーを低減することができる。また、セパレータの塗布面に有機バインダー6を固着させた状態でセパレータを燃料電池に組込むことが可能となり、コーティング工程を簡素化することができる。
次に、本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング材1の第2実施形態を説明する。主原料2、溶媒3を混合したコーティング材1に、低温乾燥温度で加熱されることで硬化してセパレータの塗布面に固着する有機バインダー6、及び第2の高温範囲で加熱されるとセパレータの塗装面に溶着してコーティング層を形成する無機バインダー5を添加し、ペースト状或いはスラリー状のコーティング材1とする。ここで、分散剤4を混合しても良い。
そして、有機バインダー6が固着したセパレータにより燃料電池セルスタック16を組み立てる。セパレータを燃料電池に組込んだ後に有機バインダー6を第1高温範囲で加熱してガス化させ、第2高温範囲に加熱して無機バインダー5をセパレータの塗装面に溶着させる。無機バインダー5は、第2高温範囲で加熱されるとセパレータの塗装面に溶着してコーティング層を形成する。
つまり、燃料電池セルスタック16を組み立てる際には、セパレータには有機バインダー6を固着させておき、固体酸化物型燃料電池のセルスタックの昇温に合わせて第1高温範囲及び第2高温範囲を設定して有機バインダー6による固着を無機バインダー5による溶着に切り替える。この無機バインダー5による溶着に切り替えることで密着性のより高いコーティング層をセパレータの塗装面に形成させることができる。
なお、低温乾燥温度は略100℃から略250℃の範囲内であり、第1高温範囲は略500℃から略700℃の範囲内であり、第2高温範囲は略750℃から略900℃の範囲内である。
(燃料電池セパレータのコーティング方法)
以下に、ブロック図を用いて本発明に係る燃料電池セパレータのコーティング方法の実施形態につき、詳細に説明する。図2に、本発明に係る燃料電池セパレータの低温乾燥温度でのコーティング方法をブロック図で示す。また、図3に、本発明に係る燃料電池セパレータの高温加熱によるコーティング方法をブロック図で示す。
図2に燃料電池セパレータの低温乾燥温度でのコーティング方法を示す。まず、溶媒3に後述する主原料2を加えて希釈したコーティング材に、少なくとも有機バインダー6を添加してセパレータの塗装面に塗布する(S1)。ここで、主原料2を分散剤4により溶液中に分散させても良い。本実施形態では、主原料2はマンガン・コバルト(MnCo)酸化物、又はニッケル・コバルト(NiCo)酸化物などの導電性被覆材のスピネル粒子を用いるが、ランタン・ストロンチウム・マンガン(LSCF)酸化物又はランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物,ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物,サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物などの導電性接触材のスピネル粒子を用いても良い。次に、セパレータを低温乾燥温度で加熱し、有機バインダー6を硬化させてセパレータの塗装面に固着させる(S2)。この低温乾燥温度は、略100℃から略250℃の範囲内である。そして、セパレータの塗装面に有機バインダー6が硬化して固着したセパレータをパーツとして燃料電池に組込む(S3)。このように、燃料電池セパレータの低温乾燥温度でのコーティング方法は、添加された有機バインダー6によりコーティング材をセパレータの塗装面に固着させる方法である。
これにより、燃料電池セパレータのコーティングにおいて、高温での還元処理や酸化処理が不要となり、低温にてコーティング材を塗布面に固着させることができ、コーティングに掛かるエネルギーを低減することができる。また、セパレータの塗布面に有機バインダー6を固着させた状態でセパレータを燃料電池に組込むことが可能となり、コーティング工程を簡素化することができる。
図3に燃料電池セパレータの高温加熱によるコーティング方法を示す。このコーティング方法の前半は、図2のステップ(S1〜S3)とほぼ同様である。すなわち、溶媒3に主原料2を加えて希釈したコーティング材に、少なくとも有機バインダー6とともに無機バインダー5も添加してセパレータの塗装面に塗布する(S1)。本実施形態では、この無機バインダー5は銀又は銀パラジウム合金である。この銀又は銀パラジウム合金は、酸素透過性を有し、融点が低いことにより固着温度を低下させるという特徴を有する。従って、上述した特徴を有する無機バインダー5であれば銀又は銀パラジウム合金に限らずに用いることができる。次に、セパレータを低温乾燥温度で加熱し、有機バインダー6を硬化させてセパレータの塗装面に固着させる(S2)。そして、セパレータの塗装面に有機バインダー6が硬化して固着したセパレータを用いて燃料電池セルスタック16を組み立てる(S3)。このセパレータを用いた燃料電池セルスタック16の組立てが全て完了するまでS3を行い、組立てが完了すると、後半のステップへと進む(S4)。
まず、組み立てられた燃料電池セルスタック16を使用時に第1高温範囲まで加熱し、有機バインダー6をガス化させる(S5)。つまり、セパレータの塗装面に固着した有機バインダー6は、燃料電池セルスタック16の組立て完了までのコーティングとする。そして、組み立てられた燃料電池セルスタック16を、さらに第2の高温範囲まで加熱し、無機バインダー5をセパレータの塗装面に溶着させ、セパレータの塗装面にコーティング層を形成させる(S6)。この無機バインダー5により密着性のより高いコーティング層をセパレータの塗装面に形成させることができる。
ここで、低温乾燥温度は略100℃から略250℃の範囲内である。また、第1高温範囲は略500℃から略700℃の範囲内であり、第2高温範囲は略750℃から略900℃の範囲内である。ここで、固体酸化物型燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)は、600℃〜900℃という高温で動作する燃料電池である。従って、組み立てられた固体酸化物型燃料電池セルスタック16の初期の使用時において、第1高温範囲から第2高温範囲へと温度上昇させることで、上述したステップ(S5及びS6)が昇温に合わせて実施でき、セパレータの塗装面に最終的なコーティング層が形成される。
本実施形態では、このセパレータの塗装面へのコーティング材の塗布方法は、スラリー状のコーティング材をスプレーにより塗布する静電塗装であるが、ペースト状のコーティング材を、例えば、シルクスクリーン、或いは刷毛塗りなどにより塗布しても良い。
1 (燃料電池セパレータ)のコーティング材、2 主原料、3 溶媒、4 分散剤、5 無機バインダー、6 有機バインダー、7 被覆材、8 接触材、10 (固体酸化物型)燃料電池、11 MEAセル、12 空気極(カソード)、13 燃料極(アノード)、14 空気極側セパレータ、15 燃料極側セパレータ、16 (燃料電池)セルスタック、17 単セルスタック、20 電解質、21 燃料ガス供給路、22 酸化ガス供給路。

Claims (9)

  1. 固体酸化物型燃料電池セパレータの塗装面に塗布されるコーティング材であって、導電性酸化物及び溶媒と、有機バインダーと、無機バインダーとから構成される固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材において、前記有機バインダーは、溶媒を乾燥させる低温乾燥温度で硬化し、固体酸化物型燃料電池セルスタックの使用時に第1の動作温度まで加熱されることでガス化し、前記無機バインダーは、前記第1の動作温度より高い第2の動作温度まで加熱されることで溶融することを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材であって、低温乾燥温度は、100℃から250℃の範囲内であり、第1の動作温度は、500℃から700℃の範囲内であり、第2の動作温度は、750℃から900℃の範囲内であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材。
  3. 請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材であって、導電性酸化物には、マンガン・コバルト(MnCo)酸化物、ニッケル・コバルト(NiCo)酸化物、ランタン・ストロンチウム・マンガン(LSM)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物、サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物、が含まれることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材であって、無機バインダーは、銀又は銀パラジウム合金であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材。
  5. 固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法において、
    導電性酸化物と溶媒とを混合したコーティング材に、少なくとも有機バインダー及び無機バインダーを添加したコーティング材をセパレータの塗装面に塗布するステップと、
    前記セパレータを、溶媒を乾燥させる低温乾燥温度まで加熱し、有機バインダーを硬化させてセパレータの塗装面に固着させるステップと、
    前記セパレータの塗装面に有機バインダーが硬化して固着したセパレータを用いて固体酸化物型燃料電池セルスタックを組み立てるステップと、
    組み立てられたセルスタックを使用時に第1の動作温度まで加熱し、有機バインダーをガス化させるステップと、
    さらに前記第1の動作温度より高い第2の動作温度まで加熱し、無機バインダーをセパレータの塗装面に溶着させ、セパレータの塗装面にコーティング層を形成させるステップと、
    を備えることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法。
  6. 請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法であって、低温乾燥温度は、100℃から250℃の範囲内であり、第1の動作温度は、500℃から700℃の範囲内であり、第2の動作温度は、750℃から900℃の範囲内であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法。
  7. 請求項5又は6に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法であって、コーティング方法に用いられるコーティング材の導電性酸化物には、マンガン・コバルト(MnCo)酸化物、ニッケル・コバルト(NiCo)酸化物、ランタン・ストロンチウム・マンガン(LSM)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄(LSCF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・銅・鉄(LSCuF)酸化物、ランタン・ストロンチウム・コバルト(LSC)酸化物、サマリウム・ストロンチウム・コバルト(SSC)酸化物、が含まれることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法であって、コーティング材に用いられる無機バインダーは、銀又は銀パラジウム合金であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法。
  9. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング材が塗布されたセパレータを用いたセルスタック、又は、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池セパレータのコーティング方法によってコーティング層が形成されたセパレータを含むセルスタック。
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