1.実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、前面枠10の内側に取着された遊技盤2を備え、遊技盤2には、ハンドル11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、図示しない釘が多数突設されている。前面枠10には、複数の枠ランプ17及びスピーカ18が配設されている。また、遊技盤2には、盤ランプ19が設けられている。
遊技領域3には、液晶表示装置である画像表示器4の表示部4aが配置されている。画像表示器4は、客待ち用のデモ表示、第1始動口51aや第2始動口51bへの遊技球の入賞に基づく装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示部4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により第1抽選または第2抽選の結果を報知する演出であり、後述する特別図柄変動に並行して行われる。なお、第1抽選とは、遊技球の第1始動口51aへの入賞に対して行われる大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)をいい、第2抽選とは、遊技球の第2始動口51bへの入賞に対して行われる大当たり抽選をいう。
遊技領域3には、第1始動入賞装置5a及び第2始動入賞装置5bが設けられている。第1始動入賞装置5aは、遊技領域3の左右方向における中央下部に配置され、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51aを備えている。第2始動入賞装置5bは、遊技領域3の右部に配置され、第2始動口(可変始動口に相当する)51bと、電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)52とを備えている。電チュー52は、電チューソレノイド53(図5参照)により開閉され、第2始動口51bは、電チュー52が開いているとき遊技球の入賞し易い状態となり、電チュー52が閉じているとき遊技球の入賞し難い状態となる。実施形態では、第2始動口51bは、電チュー52が開いているときのみ遊技球の入賞が可能となっている。なお、第2始動口51bは、電チュー52が閉じているときであっても、遊技球の入賞を可能とする構成としてもよい。この場合には、電チュー52が閉じているときの第2始動口51bよりも、第1始動口51aの方が、遊技球が入賞し易くなるように構成する。
遊技領域3には、第1大入賞装置7(他の可変入賞装置に相当する)及び後述する第2大入賞装置30(可変入賞装置に相当する)が設けられている。第1大入賞装置7は、第1始動入賞装置5aの下方に配置されており、第1大入賞口71と、第1大入賞口ソレノイド72(図5参照)により動作する第1開閉部材73とを備えている。第1大入賞口71は、第1開閉部材73により開閉される。
また、遊技領域3には、複数の普通入賞装置9が設けられ、各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口90に入賞する。
遊技領域3の外側には、普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、及び、第2特別図柄表示器14bが設けられるとともに、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bがそれぞれ4つ設けられている。
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる第1抽選、第2抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄により報知する特別図柄変動を行うものである。なお、第1特別図柄表示器14aに表示される図柄を特別図柄1といい、第2特別図柄表示器14bに表示される図柄を特別図柄2という。第1抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器14aに停止表示された図柄(特別図柄1)が大当たり図柄であれば、第1大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技が行われる。また、第2抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄2)が小当たり図柄であれば、第2大入賞口31を所定回数開閉する小当たり遊技が行われる。小当たり遊技が行われた際、第2大入賞口31から第2大入賞装置30内に入球した遊技球が第2大入賞装置30内の後述する特定の領域35を通過すると、さらに、第1大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技が行われる。
遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20(図5参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1保留記憶部27a(図5参照)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2保留記憶部27b(図5参照)に記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったとき、即ち、前の入賞に対する特別図柄変動も、大当たり遊技又は小当たり遊技も実行されていない状態になったときに、記憶しておいた大当たり乱数を用いて大当たり又は小当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶されている大当たり乱数の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶される大当たり乱数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部27aに4個の大当たり乱数が記憶されている状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2保留記憶部27bに4個の大当たり乱数が記憶されている状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対する大当たり抽選は行われない。
また、遊技領域3には遊技球が通過可能なゲート8が設けられており、普通図柄表示器13は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を、普通図柄の変動表示を経て停止表示する。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数電チュー52を開く補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶しておき、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始してその判定を報知する普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ15は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する普通図柄抽選は行われない。
第2大入賞装置(センター役物装置)30は、図1に示すように、遊技領域3の中央部であって、画像表示器4の前方かつ第1始動入賞装置5aの上方に配置されている。第2大入賞装置30は、図2に示すように、上部に、2つの第2大入賞口31を備えている。各第2大入賞口31は、第2大入賞口ソレノイド32(図5参照)により動作する第2開閉部材(羽根部材)33によって開閉される。第2大入賞口31に入賞した遊技球(即ち、第2大入賞装置30内に流入した遊技球)は、第2大入賞口31が備える第2大入賞口SW34によって検知され、第2大入賞装置30内を流下していく。
第2大入賞装置30内の下流には、Vゾーンと称される特定の領域(以下、「Vゾーン」という。)35が設けられている。Vゾーン35には、遊技球を検知する特定領域SW36が配設されている。この特定領域SW36によって遊技球が検知されると、大当たり遊技が実行される。また、第2大入賞装置30内の下流には、Vゾーン35へ移動しなかった遊技球が通過する流出領域37が、Vゾーン35の左右に並設されている。
第2大入賞口31とVゾーン35との間には、遊技球の流下を誘導する誘導装置40が配置されている。誘導装置40は、後方に配置された画像表示器4の表示部4aが前方から視認できるように、透明な合成樹脂製とされている。誘導装置40には、遊技球の流下ルートとして、そのルートへ進行した遊技球がVゾーン35へ移動し易いセンタールート41と、そのルートへ進行した遊技球がVゾーン35へ移動し難い左ルート42および右ルート43とが設けられている。各ルート41,42,43への遊技球の振り分けは、メイン制御基板20(図5参照)によって制御される振分部材44によって行われる。
振分部材44は、図示しない電磁ソレノイドなどにより駆動され、電磁ソレノイドが非通電状態のとき、前方へ突出して、遊技球がセンタールート41へ進行するのを妨げて遊技球を左ルート42又は右ルート43へ誘導し、電磁ソレノイドが通電状態のとき、後方へ格納されて、遊技球がセンタールート41へ進行するのを許容する。
誘導装置40の下方には、各ルート41,42,43を通った遊技球が落下するステージ部45が配置されている。図3に示すように、ステージ部45の上面は、後方から前方へかけて下方に向けて傾斜した傾斜面とされており、各ルートを通った遊技球はステージ部45を転動して、ステージ部45の前縁45aからVゾーン35または流出領域37へと落下する。
ここで、センタールート41を通った遊技球は、センター流出口41aからステージ部45の左右方向中央へ落下するため、ステージ部45の中央部をルートとして転動して、ステージ部45の前縁45aの中央からVゾーン35へ向かって落下し易い。また、左ルート42または右ルート43を通った遊技球は、左流出口42aまたは右流出口43aからステージ部45へと落下するため、ステージ部45の左側部又は右側部をルートとして転動して、殆どの場合、Vゾーン35を通過することなく、ステージ部45の前縁45aの左方または右方から流出領域37へ向かって落下する。なお、センター流出口41aから流出した遊技球であっても流出領域37へ向かって落下することもある。また、左流出口42aまたは右流出口43aから流出した遊技球であってもVゾーン35へ向かって落下することもある。
Vゾーン35または流出流域37のさらに下流には、Vゾーン35または流出流域37を通過した遊技球を第2大入賞装置30の外へ排出する排出口47が設けられている。排出口47には、第2大入賞装置30の外へ排出される遊技球を検知する排出口SW48が配設されている。
また、第2大入賞装置30は、図3に示すように、ステージ部45の下方に、ステージ部45からVゾーン35に向かって落下する遊技球を受け止めて保持することが可能な遊技球保持機構(以下単に「保持機構」という。)60を備えている。保持機構60は、第2大入賞装置30内に流入した遊技球が第2大入賞装置30外へ流出されるのを遅延する遅延機構としての役割を有しており、ステージ部45の下方において第2大入賞装置30内の図示しない固定部に固定されている。
保持機構60は、図4に示すように、側面視略L字状の保持片61と、保持片61を駆動させる保持片駆動装置65とを備えている。保持片61は、水平方向に沿う薄板状の保持片本体部62と、保持片本体部62の後端から延設される取付部63とを有している。
保持片駆動装置65は、電磁ソレノイド66と、電磁ソレノイド66のプランジャー67の先端部に設けられた係止部68と、プランジャー67の外周に装着されたコイルばね69とを備えている。コイルばね69は、プランジャー67の軸直径より大径とされたプランジャー67の後端部67aに対して後方への押圧力を常時加えている。係止部68には、保持片61が取付部63の係止孔63aを利用して係止されている。
電磁ソレノイド66への通電は、メイン制御基板20(図5参照)からの制御信号によって制御される。通常の非通電時には、保持片駆動装置65及び保持片61は図4(A)に示す状態となっており、通電時には、保持片駆動装置65及び保持片61は図4(B)に示す状態となる。なお、電磁ソレノイド66への通電は、第2開閉部材(羽根部材)33の開放とともに開始される。
図4(B)に示す状態は、電磁ソレノイド66への通電によりプランジャー67が前進した状態であり、保持片61は前進状態にある。このとき、保持片本体部62は、平面視、ステージ部45の前縁45aよりも前方に突出した状態となり、図3に示すように、Vゾーン35の上方が保持片本体部62により塞がれた状態になる。このため、ステージ部45からVゾーン35へ向かって落下した遊技球は保持片本体部62の上面上に保持され、遊技球のVゾーン35への通過は阻止される。
そして、電磁ソレノイド66の通電は、第2開閉部材(羽根部材)33の開放から所定時間経過した後に、停止される。通電が停止されると、電磁ソレノイド66は、図4(A)に示す通常状態に戻る。図4(A)に示す通常状態は、プランジャー67がコイルばね69の押圧力により後退した状態であり、保持片61は後退状態にある。このとき、保持片本体部62は、平面視、ステージ部45の前縁45aよりも後方に格納された状態となる(図3の二点鎖線参照)。このため、保持片本体部62による遊技球の保持が解除され、遊技球は落下してVゾーン35を通過する。
また、第2大入賞装置30には、図3に示すように、前進状態の保持片61の上方であって、ステージ部45の前縁45aの左右方向中央部に、保持SW70が埋設されている。保持SW70は、保持機構60により遊技球が保持される(または保持された)ことを検知するSWである。保持SW70は、他のSWと同様、遊技球が通過可能な通過孔70aを有しており、ステージ部からVゾーンへ向かって落下した遊技球は、この通過孔70aを通過して保持SW70に検知されるとともに、前進状態の保持片本体部62に保持される。
(2)パチンコ遊技機の電気系統
図5に示すように、実施形態のパチンコ遊技機は、メイン制御基板(遊技制御基板)20、払出制御基板21、サブ制御基板25を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に第1保留記憶部27a及び第2保留記憶部27bを有する保留記憶部27を備えている。
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものであり、第2大入賞装置30内の各可動物(振分部材44や保持機構60)の動作もメイン制御基板20によって制御される。メイン制御基板20には、第1始動口51a内に設けられて第1始動口51aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)54a、第2始動口51b内に設けられて第2始動口51bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW54b、電チューソレノイド53、ゲート8内に設けられてゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW81、第1大入賞口71内に設けられて第1大入賞口71に入賞した遊技球を検出する第1大入賞口SW74、第2大入賞口31内に設けられて第2大入賞口31に入賞した遊技球を検出する第2大入賞口SW34、第1大入賞口ソレノイド72、第2大入賞口ソレノイド32、特定領域(Vゾーン)35に設けられて特定領域(Vゾーン)35を通過した遊技球を検出する特定領域SW36、排出口47内に設けられて排出口47を通過した遊技球を検出する排出口SW48、保持機構60の近傍(または保持機構60に直接)設けられて遊技球が保持機構60に保持された(または保持される)ことを検出する保持SW70、各普通入賞口90内にそれぞれ設けられてその普通入賞口90に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW91、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器13、振分部材44、保持片駆動装置65がそれぞれ接続され、図2の矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板23には画像表示器4及びスピーカ18が接続され、画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器4の表示部4aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ18から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には枠ランプ17及び盤ランプ19が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、枠ランプ17や盤ランプ19を点灯・消灯する。
(3)遊技状態等の説明
次に、実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態等について説明する。実施形態のパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、時短遊技状態の2つの遊技状態と、大当たり遊技、小当たり遊技の2つの特別遊技とを有している。
時短遊技状態(サポート遊技状態に相当する)とは、通常遊技状態よりも第2始動口51bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、普通図柄変動時間が4秒、電チュー52の開放時間が0.15秒、電チュー52の開放回数が1回であるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄変動時間が1.5秒、電チュー52の開放時間が1.80秒、電チュー52の開放回数が3回となっている。
そして、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態であり、大当たりが発生すれば、第1大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。大当たりの種類には、2R(ラウンド)時短大当たり、15R(ラウンド)通常大当たり、15R(ラウンド)時短大当たりがある。なお、ラウンドとは第1大入賞口71又は第2大入賞口31の開放期間を言う。2R時短大当たりは、第1大入賞口71を極短時間2回開放する大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移し、15R時短大当たりは、第1大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移し、15R通常大当たりは、第1大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、通常遊技状態に遷移する。
また、大当たり遊技のほかに特別遊技として、第2大入賞口31を所定回数(実施形態では1回)開放する小当たり遊技があり、小当たり遊技中に遊技球がVゾーン35を通過した場合には、第1大入賞口71を所定回数(実施形態では15回)開閉する大当たり遊技が実行される。小当たりの種類には、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態となる16R時短小当たりと、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となる16R通常小当たりがある。
なお、時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく100回の特別図柄変動が行われたときも、通常遊技状態に遷移する。また、図23(a)(b)(c)に、各始動口51a,51bへの入賞に基づく抽選の結果、各当たりに当選する割合を示す。
(4)パチンコ遊技機の動作
次に、図6〜20に基づいてメイン制御基板20の動作について説明し、図21〜22に基づいて演出制御基板22の動作について説明する。まず、メイン制御基板20の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
[メイン側タイマ割込処理]メイン制御基板20は、図6に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、メイン制御基板20は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たり図柄または小当たり図柄の種類を決めるための図柄乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当たり乱数等を更新する乱数更新処理を行う(ステップS101)。
次に、メイン制御基板20は、後述する始動口SW処理(S102)、ゲートSW処理(S103)、特定領域SW処理(S104)及び保持SW処理(S105)の他、大入賞口SW処理(S106)及び普通入賞口SW処理(S107)を行う。大入賞口SW処理は、第1大入賞口SW74又は第2大入賞口SW34がONしていれば、大当たり遊技(後述する大当たり遊技フラグがON)中か又は小当たり遊技(後述する小当たり遊技フラグがON)中か否かを判定して、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値Cに1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。普通入賞口SW処理は、普通入賞口SW91がONしていれば普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
続いて、メイン制御基板20は、後述する特別図柄処理(S108)、普通図柄処理(S109)、大入賞口処理(S110)、及び、電チュー処理(S111)を行う。そして、メイン制御基板20は、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S112)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板21及び演出制御基板22に出力する出力処理(S113)を行う。
[始動口SW処理]図7に示すように、始動口SW処理では、メイン制御基板20は第1始動口SW54aがONしたか否かを判定し(S201)、ONしていなければステップS206に進み、ONしていれば、第1保留記憶部27aに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S202)。そして、4未満でない場合はステップS206に進み、4未満の場合は、U1に1を加算して(S203)、大当たり乱数を取得して第1保留記憶部27aに格納するとともに、大当たり図柄乱数等を取得して所定記憶域に記憶し(S204)、第1保留数増加コマンドをセットする(S205)。
ステップS206では、メイン制御基板20は第2始動口SW54bがONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口SW処理を終え、ONしていれば、第2保留記憶部27bに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第2始動口保留カウンタの値U2が、上限値の4未満か否かを判定する(S207)。そして、4未満でない場合は始動口SW処理を終え、4未満の場合は、U2に1を加算して(S208)、大当たり乱数を取得して第2保留記憶部27bに格納するとともに、大当たり図柄乱数等を取得して所定記憶域に記憶し(S209)、第2保留数増加コマンドをセットして(S210)、始動口SW処理を終える。
[ゲートSW処理]図8に示すように、ゲートSW処理では、メイン制御基板20はゲートSW81がONしたか否かを判定し(S301)、ONしていなければゲートSW処理を終え、ONしていれば、ゲート保留カウンタの値Gが上限値の4未満か否かを判定する(S302)。そして、4未満でない場合はゲートSW処理を終え、4未満であればGに1を加算して(S303)、当たり乱数を取得して所定記憶域に格納し(S304)、ゲートSW処理を終える。
[特定領域SW処理]図9に示すように、特定領域SW処理では、メイン制御基板20は特定領域SW36がONしたか否かを判定し(S401)、ONしていなければ特定領域SW処理を終え、ONしていれば、後述するステップS1304で設定するV有効時間中か否かを判定する(S402)。そして、V有効時間中でない場合は特定領域SW処理を終え、V有効時間中であればVフラグをONして(S403)、V入賞コマンドをセットし(S404)、特定領域SW処理を終える。ここで、V有効時間とは、第2大入賞口31の作動開始(開放)とともに開始され、第2大入賞口31の作動終了(閉塞)後、第2大入賞装置30内に入球した遊技球の数と第2大入賞装置30外へ流出した遊技球の数とが一致するときに終了する期間をいい、第2大入賞口31が開放されていないにもかかわらず不正にVゾーン35に遊技球が入球された場合に、VフラグをONしないように設定されるものである。なお、V有効時間は、第2大入賞口31の作動開始(開放)から所定時間経過後に終了するように設定されることもある。
[保持SW処理]図10に示すように、保持SW処理では、メイン制御基板20は保持SW70がONしたか否かを判定し(S501)、ONしていなければ保持SW処理を終え、ONしていれば、遊技球が保持機構60に保持されているか否かを示す保持フラグをONして(S502)、保持開始コマンドをセットし(S503)、保持SW処理を終える。なお、保持開始コマンドは、保持機構60により遊技球が保持されたことを演出制御基板22に伝えるものである。
[特別図柄処理]図11に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板20は、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、又は、大当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S601)、ONであれば、特別図柄の変動を開始できないため処理を終え、ONでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S602)。そして、変動中であればステップS615に進むが、変動中でなければ、特別図柄の変動を開始できるため、第2始動口保留カウンタの値U2が1以上か否かを判定する(S603)。メイン制御基板20は、U2が1以上であれば、第2保留記憶部27bに記憶されている大当たり乱数のうち最先に記憶されたものを、後述する大当たり判定処理(S611)に用いることとし、U2から1を減算する(S604)。一方、U2が1以上でなければ、第1始動口保留カウンタの値U1が1以上か否かを判定して(S605)、U1が1以上でなければ、客待ち状態中か否かを示す客待ちフラグがONであるか否かを判定し(S607)、ONであれば処理を終え、ONでなければ客待ちコマンドをセットして(S608)、客待ちフラグをONした後(S608)処理を終える。U1が1以上であれば、第1保留記憶部27aに記憶されている大当たり乱数のうち最先に記憶されたものを大当たり判定処理(S611)に用いることとし、U1から1を減算する(S606)。このように、第2保留記憶は第1保留記憶に優先して消化されるとともに、先に記憶された大当たり乱数から順に消化される。なお、第1保留記憶部27aに記憶されている(あるいは、記憶されていた)大当たり乱数を第1保留記憶、第2保留記憶部27bに記憶されている(あるいは、記憶されていた)大当たり乱数を第2保留記憶という。
メイン制御基板20は、客待ちフラグをOFFした後(S610)、ステップS611において後述する大当たり判定処理、ステップS612において後述する変動パターン選択処理を行う。そして、第1保留記憶に対するものであれば第1特別図柄表示器14a、第2保留記憶に対するものであれば第2特別図柄表示器14bにおいて、特別図柄の変動を開始し(S613)、変動開始コマンドをセットして(S614)、ステップS615に進む。なお、変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報と、大当たり判定処理でセットされた図柄を示す情報と、後述するステップS807でセットされた変動パターンを示す変動パターン情報とが含まれている。ステップS615では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理を終えるが、経過していれば、特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を確定表示し(S616)、変動停止コマンドをセットして(S617)、後述する停止中処理(S618)を行って、特別図柄処理を終える。
[大当たり判定処理]図12に示すように、大当たり判定処理では、メイン制御基板20は、大当たり判定用テーブルを用いて、大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行う(S701)。そして、大当たりであれば(S702でYES)、ステップS204又はステップS209で格納しておいた図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを判定し(S703)、その大当たり図柄をセットする(S704)。なお、大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。一方、大当たり乱数が大当たりでないが(S702でNO)、小当たりであれば(S705でYES)、ステップS204又はステップS209で格納しておいた図柄乱数がどの小当たり図柄を示すものかを判定し(S706)、その小当たり図柄をセットする(S707)。なお、小当たり図柄によって、小当たりの種類が決まる。小当たりでもなければ(S705でNO)、ハズレ図柄をセットする(S708)。メイン制御基板20は、判定に用いた大当たり乱数を、保留記憶部27から削除(デフォルト値や新しく取得された大当たり乱数に更新する場合を含む。)する。
[変動パターン選択処理]図13に示すように、変動パターン選択処理では、メイン制御基板20は、直前の大当たり判定処理で大当たりと判定していれば(S801でYES)、乱数値と変動パターンとの対応を示す変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルをセットし(S802)、小当たりと判定していれば(S801でNO、S803でYES)、変動パターンテーブルとして小当たり用テーブルをセットする(S804)。大当たりでも小当たりでもない場合には(S803でNO)、ハズレ用テーブルをセットする(S805)。
次に、メイン制御基板20は、上記のようにセットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS204又はステップS209で格納しておいた変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い(S806)、その変動パターン乱数が示す変動パターンをセットする(S807)。なお、変動パターンには変動時間を示す情報が含まれている。
[停止中処理]図14に示すように、停止中処理では、メイン制御基板20は、時短遊技状態か否かを示す時短遊技フラグがONか否かを判定し(S901)、ONでない場合はステップS905に進むが、ONの場合は、時短遊技状態中の特別図柄の変動回数を数える時短変動カウンタの値Jを1減算し(S902)、Jが0であれば時短遊技状態を終えるために時短遊技フラグをOFFして(S903、904)、ステップS905に進む。
ステップS905では、大当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が大当たり図柄か否か)を判定し、大当たりである場合(S905でYES)、時短遊技フラグをOFFして(S906)、大当たり遊技フラグをONし(S907)、オープニングを開始するとともに(S908)、オープニングコマンドをセットして(S909)、停止中処理を終える。
一方、大当たりでない場合(S905でNO)、メイン制御基板20は、小当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が小当たり図柄か否か)を判定し(S910)、小当たりでない場合には停止中処理を終え、小当たりである場合には、小当たり遊技フラグをONして(S911)、停止中処理を終える。
[普通図柄処理]図15に示すように、普通図柄処理では、メイン制御基板20は、補助遊技中か否かを示す補助遊技フラグがONか否かを判定し(S1001)、ONであれば普通図柄処理を終え、ONでなければ普通図柄の変動中か否かを判定する(S1002)。そして、変動中の場合にはステップS1009に進み、変動中でない場合には、ゲート保留カウンタの値Gが1以上か否かを判定し(S1003)、Gが1以上でなければ普通図柄処理を終え、Gが1以上であればGから1を減算して(S1004)、ステップS304で格納しておいた当たり乱数が当たりか否かを判定して(S1005)、停止図柄を選択する(S1006)。そして、遊技状態に応じた変動時間(本実施形態では、通常遊技状態であれば4秒、時短遊技状態であれば1.5秒)を選択し(S1007)、普通図柄の変動を開始して(S1008)、ステップS1009に進む。
ステップS1009では、メイン制御基板20は、変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ普通図柄処理を終えるが、経過していれば、普通図柄の変動を停止して停止図柄を表示する(S1010)。そして、停止図柄が当たりを示す図柄であれば(S1011でYES)、補助遊技フラグをONし(S1012)、ハズレを示す図柄であれば(S1011でNO)、普通図柄処理を終える。
[大入賞口処理]図16に示すように、大入賞口処理では、メイン制御基板20は、まず、大当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S1101)、ONであれば、後述する第1大入賞口遊技処理を実行する(S1102)。一方、ONでなければ、小当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S1103)、ONでなければ大入賞口処理を終えるが、ONであれば、後述する第2大入賞口遊技処理を実行する(S1104)。
[第1大入賞口遊技処理]図17に示すように、第1大入賞口遊技処理では、メイン制御基板20は、まず、大当たりオープニング中であるか否かを判定する(S1201)。大当たりオープニングとは、大当たり遊技の開始から大当たり遊技における最初のラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御基板20は、大当たりオープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S1202)、経過していなければ第1大入賞口遊技処理を終え、経過していれば、ラウンドカウンタの値Rが1であるか否かを判定する(S1203)。ラウンドカウンタの値Rが1である場合、1Rの小当たり遊技の後実行された大当たり遊技であり既に最大R数(ラウンド数)と作動パターンとが設定されているため(S1403参照)、ステップS1205に進み、ラウンドカウンタの値Rが1でない場合、図23(d)に示すような大当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定した後(S1204)、ステップS1205に進む。そして、ステップS1205で、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアした後(S1205)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S1206)、第1大入賞口71の作動(開放)を開始する(S1207)。
次に、メイン制御基板20は、第1大入賞口71の作動時間(開放時間。実施形態では、29.5秒等)が経過したか否かを判定し(S1208)、経過していれば第1大入賞口71を閉口し(S1210)、経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数であるか否かを判定して(S1209)、規定個数でなければ第1大入賞口遊技処理を終え、規定個数であれば第1大入賞口71を閉口する(S1210)。
そして、メイン制御基板20は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S1211)、最大R数でなければ第1大入賞口遊技処理を終え、最大R数であれば、エンディングを開始して(S1212)、エンディングコマンドをセットし(S1213)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアする(S1214)。なお、エンディングとは、最終ラウンドの終了から大当たり遊技の終了までの期間をいう。次に、メイン制御基板20は、エンディング時間が経過したか否かを判定し(S1217)、経過していなければ第1大入賞口処理を終え、経過していれば後述する遊技状態設定処理を行って(S1218)、大当たり遊技フラグをOFFする。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1201において大当たりオープニング中でないと判定したときは、第1大入賞口71がエンディング中であるか否かを判定し(S1215)、エンディング中であればステップS1217に移行し、エンディング中でなければ第1大入賞口71の作動中か否かを判定する(S1216)。そして、作動中でなければステップS1205に移行し、作動中であればステップS1208に移行する。
[遊技状態設定処理]図18に示すように、遊技状態設定処理では、メイン制御基板20は、今終了した大当たり遊技が、時短付き大当たりであれば(S1301でYES)、時短遊技状態に遷移させるため、時短遊技フラグをONし(S1302)、時短変動カウンタの値Jを100とする(S1303)。一方、時短付き大当たりでなければ(S1301でNO)、遊技状態は遷移させない(通常遊技状態となる)ので遊技状態設定処理を終える。
[第2大入賞口遊技処理]図19−1,19−2に示すように、第2大入賞口遊技処理では、メイン制御基板20は、まず、第2大入賞口31の作動終了後であってV有効時間中であるか否かを判定し(S1401)、V有効時間中であると判定した場合は、ステップS1416に進む。V有効時間中でないと判定した場合には、第2大入賞口31が作動中であるか否かを判定し(S1402)、第2大入賞口31の作動中であると判定した場合はステップS1408に進み、第2大入賞口31の作動中でないと判定した場合には、図23(d)に示すような小当たり遊技から大当たり遊技へ移行したときの最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定し(S1403)、V有効時間を設定して(S1404)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算する(S1405)。そして、第2大入賞口31の作動(開放)を開始する(S1406)とともに、保持機構60の作動(前進)を開始する(S1407)。
ステップS1408では、メイン制御基板20は、第2大入賞口31の作動時間が経過したか否かを判定し(S1408)、第2大入賞口31の作動時間が経過していなければ、処理を終了し、第2大入賞口31の作動時間が経過していれば、第2大入賞口31の作動を終了(閉口)して(S1409)、保持機構60の作動時間が経過したか否かを判定する(S1410)。そして、保持機構60の作動時間が経過していれば、保持機構60の作動を終了し(S1412)、保持機構60の作動時間が経過していなければ、第2大入賞装置30内に流入した遊技球の数(第2大入賞口SW34により検知された遊技球の数)と、第2大入賞装置30から流出した遊技球の数(排出口SW48により検知された遊技球の数)とが一致するか否かを判定する(S1411)。判定の結果、一致していれば、保持機構60の作動を終了し(S1412)、一致していなければ、処理を終了する。
保持機構60の作動を終了した後、メイン制御基板20は、保持フラグがONであるか否かを判定する(S1413)。保持フラグがONでない場合は、ステップS1417に移行し、保持フラグがONである場合は、保持終了コマンドをセットして(S1414)、保持フラグをOFFし(S1415)、ステップS1417に移行する。なお、保持終了コマンドは、保持機構60による遊技球の保持が解除されたことを演出制御基板22に伝えるものである。
ステップS1417では、メイン制御基板20は、第2大入賞口31の作動終了後であってV有効時間が終了したか否かを判定する(S1417)。V有効時間が終了していない場合は、保持機構60の作動終了から所定時間(実施形態では、1秒)が経過したか否かを判定する(S1418)。そして、所定時間が経過していなければ、処理を終了し、所定時間が経過していれば、エラーコマンドをセットする(S1419)。エラーコマンドは、球詰まりなどのエラーが生じていると考えられることを演出制御基板22に伝えるものである。ここで、S1418においてYESのときエラーコマンドをセットする(S1419)のは、S1417で判定しているV有効時間が、第2大入賞装置30内に流入した遊技球の数(第2大入賞口SW34により検知された遊技球の数)と、第2大入賞装置30から流出した遊技球の数(排出口SW48により検知された遊技球の数)とが一致したときに終了するように設定されていることから、S1418においてYESである場合には、保持機構60の作動が終了してから所定時間経過しているにもかかわらず、第2大入賞装置30内に流入した遊技球の数と第2大入賞装置30外へ流出した遊技球の数とが一致していないことになり、第2大入賞装置30内で球詰まりが生じていると考えられるからである。
ステップS1417においてV有効時間が終了している場合には、メイン制御基板20は、VフラグがONであるか否かを判定する(S1420)。VフラグがONでない場合には、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアし(S1421)、小当たり遊技フラグをOFFして(S1427)、第2大入賞処理を終了する。VフラグがONである場合には、大当たり遊技フラグをONして(S1422)、時短遊技フラグをOFFし(S1423)、大当たりオープニングを開始するとともに(S1424)、大当たりオープニングコマンドをセットする(S1425)。そして、Vフラグ及び小当たり遊技フラグをOFFして(S1426,S1427)、第2大入賞口遊技処理を終了する。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1401において第2大入賞口31作動終了後であってV有効時間中であると判定した場合には、保持機構60が作動中であるか否かを判定し(S1416)、保持機構60の作動中である場合には、ステップS1410に移行し、保持機構60の作動中でない場合には、ステップS1417に移行する。
[電チュー処理]図20に示すように、電チュー処理では、メイン制御基板20は、補助遊技フラグがONか否かを判定し(S1501)、ONでないと判定すれば電チュー処理を終える。一方、ONと判定すれば、電チュー52が作動中か否かを判定し(S1502)、作動中でなければ、現在の遊技状態に応じた電チュー52の作動パターン(本実施形態では、通常遊技状態であれば0.15秒の開放を1回、時短遊技状態であれば1.80秒の開放を3回)を選択して(S1503)、その作動パターンに則った作動を開始する(S1504)。次に、メイン制御基板20は、作動時間(複数の開放を含む作動パターンでは、開放間のインターバル時間を含む。)が経過したか否かを判定し(S1505)、経過していなければ電チュー処理を終え、経過していれば補助遊技フラグをOFFして(S1506)、電チュー処理を終える。
以上のメイン制御基板20における処理と並行して、演出制御基板22では図21,22に示すような処理を行う。以下、演出制御基板22の動作について説明する。
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図21に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S1601)と、コマンド受信処理でセットしたコマンドを画像制御基板23やランプ制御基板24に送信するコマンド送信処理(S1602)とを行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板23やランプ制御基板24は、各種演出装置4,17,18,19を用いて各種演出(図柄変動演出や大当たり演出など)を実行する。
[コマンド受信処理]図22に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定し(S1701)、受信していれば、第1保留数増加コマンドであれば第1保留数、第2保留数増加コマンドであれば第2保留数を加算し(S1702)、その保留数を表示部4に表示させるための保留数コマンドをセットする(S1703)。
次に、演出制御基板22は、変動開始コマンドを受信していれば演出選択処理を行い(S1704,S1705)、変動停止コマンドを受信していれば変動演出終了中処理を行う(S1706,1707)。
演出選択処理は、変動開始コマンドを解析した後、保留数を1減算して表示部4に表示される保留数を減らすための保留数コマンドをセットするとともに、変動演出パターン(装飾図柄変動演出のパターン)を選択して、変動演出開始コマンドをセットする処理である。なお、変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり判定処理においてセットされた図柄を示す情報、及び、変動パターンを示す変動パターン情報が含まれている。また、変動演出開始コマンドは、装飾図柄変動演出を開始するためのコマンドである。装飾図柄変動演出とは、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の画像とからなり、変動表示を経て停止表示された装飾図柄によって大当たり抽選の結果を報知する演出である。
変動演出終了中処理は、変動停止コマンドを解析した後、今終了しようとする図柄変動が当たりか否かを判定して、大当たりの場合には演出モードのフラグを変更し、大当たりでない場合には、現在の演出モードの継続回数を「1」だけ減算して、図柄変動を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする処理である。なお、演出モードとは、画像表示器4における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景が異なる等、画像表示器4に表示される画像が異なる。
次に、演出制御基板22は、保持開始コマンドを受信したか否かを判定し(S1708)、受信していれば、複数の保留チャンス演出から実行する保留チャンス演出を選択して(S1709)、保留チャンス演出開始コマンドをセットする(S1710)。なお、保留チャンス演出は、保留数を増加させるチャンスである旨を遊技者に報知する演出であり、保留チャンス演出としては、例えば、図25(a)に示すような画像を表示部4に表示する。また、保留チャンス演出開始コマンドは、保留チャンス演出を開始するためのコマンドである。
次に、演出制御基板22は、保持終了コマンドを受信したか否かを判定し(S1711)、受信していれば、保留チャンス演出を終了するための保留チャンス演出終了コマンドをセットする(S1712)。
次に、演出制御基板22は、大当たりオープニングコマンドを受信していれば当たり演出選択処理を行い(S1713,1714)、エンディングコマンドを受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1715,1716)。当たり演出選択処理は、オープニングコマンドを解析して、当たり演出パターンを選択し、オープニング演出開始コマンドをセットする処理である。エンディング演出選択処理は、エンディングコマンドを解析し、モードフラグを参照して、エンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットする処理である。
次に、演出制御基板22は、エラーコマンドを受信したか否かを判定し(S1717)、受信していれば、エラー報知コマンドをセットして(S1718)、コマンド受信処理を終了する。なお、エラー報知コマンドは、図25(b)に示すようなエラー表示を表示部4に表示するためのコマンドである。
(5)パチンコ遊技機の遊技の流れの例
次に、上記のように構成されるパチンコ遊技機1について、遊技の流れの一例を説明する。
(i)通常遊技状態
まず、通常遊技状態のとき、遊技者は、発射した遊技球が遊技領域3の左側部分を転動落下するようハンドル11を操作する。遊技領域3の左側部分を転動落下した遊技球は、遊技領域3の下側部分へ移動し、第1始動口51aに入賞可能となる。
遊技球が第1始動口51aに入賞すると、メイン制御基板20は、第1始動口51aへ入賞した遊技球の保留個数が4個未満であることを条件として大当たり乱数を含む各種乱数を取得し(S201〜S204参照)、大当たり判定処理を行う(S611参照)。大当たり判定処理において上記取得した大当たり乱数が所定の大当たり乱数値に該当すると判定された場合(S702でYES)、第1特別図柄表示器14aにおいて特別図柄1を変動表示するとともに表示部4aにおいて装飾図柄の変動表示及びリーチ演出等の演出を行い、特別図柄1をセットされた大当たり図柄で変動停止させて表示部4aに大当たりが発生した旨の表示をし、大当たり遊技(第1大入賞口遊技処理、S1102参照)を実行する。
なお、第1始動口51aに遊技球が入賞した場合の大当たり乱数の判定、図柄乱数の判定には図23(a)(b)に示す判定テーブルが用いられる。これによれば、第1始動口51aへの入賞を契機とする大当たり抽選によって大当たりに当選した場合には、1/2の確率で大当たり遊技後の遊技状態が時短遊技状態となる。
(ii)大当たり遊技
大当たり遊技が実行されると、第1大入賞口71が所定ラウンド数だけ間欠的に開放される。例えば、2R時短大当たりに当選した場合には、第1大入賞口71が2ラウンドだけ間欠的に開放され(S1204〜S1211参照)、その後、時短遊技状態に移行する(S1301〜S1303参照)。なお、大当たり遊技中は、遊技者は、通常遊技状態のときと同様、発射した遊技球が遊技領域3の左側部分を転動落下するようハンドル11を操作する。遊技領域3の左側部分を転動落下した遊技球は、遊技領域3の下側部分へ移行して、開放された第1大入賞口71に入賞し、賞球が払い出される。
(iii)時短遊技状態(サポート遊技状態に相当する)
大当たり遊技後に遊技状態が時短遊技状態となった場合には、遊技者は、発射した遊技球が遊技領域3の右側部分を転動落下するようハンドル11を操作する(いわゆる「右打ち」を行う)。遊技領域3の右側部分を転動落下した遊技球の一部は、ゲート8を通過する。
遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20は、ゲート8を通過した遊技球の保留個数が4個未満であることを条件として当たり乱数を取得し(S301〜S304参照)、当たり乱数判定処理を行う(S1005参照)。当たり乱数判定処理において取得した当たり乱数が所定の当たり乱数値に該当すると判定された場合、普通図柄表示器13において普通図柄を変動表示した後、普通図柄を当たり図柄で変動停止させ、当たり遊技を実行する(S1008〜S1012参照)。なお、実施形態では普通図柄が当たり図柄となる確率は9/10に設定されている。
時短遊技状態中の当たり遊技では、メイン制御基板20は、電チューソレノイド53に対し、1回が1.80秒の通電を3回行う(S1504参照)。電チューソレノイド53の通電中は、電チュー52が拡開された状態となるため、遊技球は第2始動口51bへ入賞可能となる。
遊技球が第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20は、第2始動口51bへ入賞した遊技球の保留個数が4個未満であることを条件として大当たり乱数を含む各種乱数を取得し(S206〜S209参照)、大当たり判定処理を行う(S611参照)。大当たり判定処理において上記取得した大当たり乱数が所定の小当たり乱数値に該当すると判定された場合(S705でYES)、第2特別図柄表示器14bにおいて特別図柄2を変動表示させた後、特別図柄2をセットされた小当たり図柄で変動停止させて、小当たり遊技(第2大入賞口遊技処理、S1104参照)を実行する。
ここで、第2始動口51bに入賞した場合の大当たり乱数の判定、図柄乱数の判定には図23(a)(c)に示す判定テーブルが用いられる。これによれば、第2始動口51bへの入賞を契機とする抽選は、確率398/400と殆どの場合が小当たりに当選するよう設定されているとともに、小当たり遊技中にVゾーン35に遊技球が入賞し、大当たり遊技が実行された場合には、4/5の確率で大当たり遊技後の遊技状態が時短遊技状態となるよう設定されている。このため、一度時短遊技状態となれば、4/5と高い確率で時短遊技状態が繰り返されることになる。
(iv)小当たり遊技
小当たり遊技が実行されると、第2開閉部材33が作動し、第2大入賞口31が1ラウンドだけ開放される(S1406〜S1409参照)。実施形態では、1ラウンドは、1.50秒に設定されている(図23(d)参照)。
小当たり遊技中は、遊技者は、第2大入賞装置30の上部を狙って遊技球を打ち込み、開放された第2大入賞口31から第2大入賞装置30内に遊技球を流入させ、遊技球がVゾーン35を通過するのを狙う。
そして、第2大入賞装置30内に流入した遊技球がVゾーン35を通過した場合には、大当たり遊技が実行され、第1大入賞口71が15ラウンド間欠的に開放される(S403,1422,1102等参照)。
ここで、第2大入賞口31の開放と同時に保持機構60が作動されているため(S1406,S1407参照)、第2大入賞装置30内に流入し、Vゾーン35を通過することが確定した遊技球は、Vゾーン35を通過する前に保持片61により一旦保持される(図3参照)。そして、小当たり遊技が実行されているときの遊技状態は、時短遊技状態であるから、遊技者は、遊技球が保持されている間、右打ちを行うことによって、第2始動口51bへ遊技球を入賞させることができる。遊技球が第2始動口51bへ入賞すると、メイン制御基板20は、第2始動口保留カウンタの値U2が上限値の4となるまで、取得した乱数を第2保留記憶部27bに記憶していく(S206〜S209参照)。これにより、遊技者は、遊技球がVゾーン35を通過して大当たり遊技が実行される前に、第2始動口51bへの入賞保留数の増加を図ることができる。
さらに、遊技球が保持片61により保持される際、遊技球は保持SW70に検知されるため(S501参照)、遊技球が保持片61により保持されている間、保留チャンス演出が実行され、図25(a)に示すような画像が画像表示器4に表示される(S503,S1708〜S1710参照)。なお、図25(a)に示す保留チャンス演出の画面では、中央下部に入賞保留数の増加を狙う第2保留数の表示を大きくし、右側下部に第1保留数の表示を小さくしており、第2始動口51bへの入賞保留数の増加を強調した画面となっている。このような演出により、遊技者は、第2始動口51bへの入賞保留数を増加させるよう遊技すべきことに気づくとともに、この保留数の増加を図る遊技自体を楽しむことができる。
第2大入賞口31の開放から所定時間(実施形態では、10秒に設定されている)が経過したとき、保持機構60は作動を終了する(S1310,S1312参照)。これにより、遊技球の保持が解除されて、遊技球はVゾーン35を通過する。
なお、保持機構60の作動は、図24(a)のタイミングチャートに示すように、第2大入賞口31の開放から所定時間経過後に終了するほか、図24(b)のタイミングチャートに示すように、第2大入賞装置30内に流入し第2大入賞SW34に検知された遊技球の数が、第2大入賞口31が閉塞された後、第2大入賞装置30から流出し排出口SW48に検知された遊技球の数と一致したときにも終了する(S1310,S1311参照)。従って、第2大入賞装置30内に流入した遊技球がVゾーン35を通過しない場合には、保持機構60の作動時間の終了を待たずに、小当たり遊技一回の時間を短縮して、迅速に次の小当たり動作を実行することができる。
また、保持機構60の作動が終了した後所定時間が経過しても、第2大入賞装置30内に流入した遊技球の数と第2大入賞装置30外へ流出した遊技球の数とが一致しない場合(V有効時間が終了しない場合)には、遊技球が第2大入賞装置30内に滞留していると考えられるので、図25(b)に示すようなエラー表示が表示部4aに表示される(S1417〜S1419,S1717,1718参照)。これにより、遊技者は、球詰まりが生じていることに即座に気づくことができ、パチンコホールの店員を呼ぶなどの対応をとることができる。
その後、遊技球がVゾーン35を通過し大当たり遊技が実行された場合には、遊技者は、発射した遊技球が遊技領域3の左側部分を転動落下するようハンドルを操作し、開放状態の第1大入賞口71への入賞を狙って遊技する。
(V)時短遊技状態後の通常遊技状態
先の小当たり遊技が、16R通常小当たりであった場合には、大当たり遊技後に通常遊技状態に移行する(S1218参照)。通常遊技状態では、遊技球が第2始動口51bへ入賞しなくなるため、遊技者は、再び第1始動口51aを狙って遊技する。
ここで、通常遊技状態が開始されると、まず、大当たり遊技の実行前に第2保留記憶部27bに記憶された大当たり乱数を用いて大当たり判定処理がなされる(S611参照)。第2保留記憶部27bに記憶された大当たり乱数は、図23(a)に示すように、殆どの場合小当たり乱数値に該当すると判定される(S705でYES)。このため、通常遊技状態であっても、小当たり遊技(第2大入賞口遊技処理、S1104参照)が実行されることになり、第2大入賞口31が開放される。これにより、遊技者は、通常遊技状態の開始時に、Vゾーン35の通過による大当たり遊技の開始を狙うことが可能となる。
(6)実施形態の効果
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1では、第2大入賞口51bに入賞した遊技球が、第2大入賞装置30内のVゾーン35を通過する前に、保持機構60により一旦保持される。そのため、大当たり遊技が開始される前に、時短遊技状態であることを利用して、効率よく第2始動口51bへの入賞保留数の増加を図ることができる。
そして、大当たり遊技開始前に保留された入賞に基づく図柄の変動は、大当たり遊技終了後になされるため、大当たり遊技後の遊技状態が通常遊技状態であっても、第2大入賞口31が開放され得ることとなり、第2始動口51bへの入賞保留数の分だけ、遊技者は、再びVゾーン35の通過による大当たり遊技を狙うことができる。特に、大当たり遊技の後、4/5の確率で時短遊技状態に移行するにもかかわらず通常遊技状態に移行して落胆している遊技者に対しては、大当たり後の遊技への関心を高めさせることができる。
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技球が保持機構60に保持されたとき、第2始動口51bへ遊技球を入賞させて保留数の増加を図るよう遊技者に報知する演出が実行される。これにより、遊技者は、保留数の増加を狙って遊技すべきであることに気付くとともに、演出による遊技興趣の向上により、高い遊技意欲をもって、大当たり遊技開始前の保留数増加の遊技を楽しむことができる。
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、保持機構60の近傍に、遊技球の通過を検知する保持SW70を設けているため、第2大入賞装置30内に流入した遊技球が保持機構60に保持されたことを確実に検知することができる。
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、保持機構60の作動は、第2大入賞口31の開放から所定時間後に終了するほか、第2大入賞装置30内に流入した遊技球の数と第2大入賞装置30外へ流出した遊技球の数とが一致するときにも、終了するため、遊技球がVゾーン35を通過しない場合には、次の小当たり動作を速やかに開始することができる。
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、保持機構60は、電磁ソレノイド66と、電磁ソレノイド66のプランジャー67に取り付けられ、第2大入賞装置30内のVゾーン35の直前に出没する保持片61とによる簡易な構成とされているため、第2大入賞装置30内に遊技球を保持する機構を、低コストで実現することができる。
2.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
実施形態では、保持機構60は、保持片61と、電磁ソレノイド66とを備える構成としたが、遊技球がVゾーン35を通過する前に一旦保持されるのであれば、例えば、ステージ部45の下方に電磁石を配置し、電磁石が通電状態にある間は、遊技球がステージ部45の前縁45a側の左右方向中央位置で保持され、非通電状態とすると、保持が解除されて、遊技球がVゾーン35へ向かって落下するよう構成してもよい。
また、保持機構60の他の構成として、遊技球を保持する保持部を有した水車のような可動体を設け、遊技球が保持部に保持されるとVゾーンの通過が確定するように構成してもよい。これによれば、遊技球が水車に保持されることにより、Vゾーンを通過するのが遅延するため、この間に入賞保留数の増加を図ることができる。
また、保持機構60のさらに他の構成として、螺旋状の長い通路部を設けて、この通路部に遊技球が流入するとVゾーンの通過が確定するように構成してもよい。これによれば、遊技球が通路部を通過している間に、入賞保留数の増加を図ることができる。
また、実施形態では、遊技球の入賞し易さが常時変わらない第1始動口51aと、時短遊技状態中は通常遊技状態中よりも遊技球が入賞し易くなる第2始動口51bとを設けて構成したが、第1始動口51aを設けなくても、第2始動口51bを、電チュー52が閉じている間は遊技球が入賞し難くなり、電チュー52が開いている間は遊技球が入賞し易くなるように構成してもよい。
また、実施形態では、Vゾーンを有していない第1大入賞装置7と、Vゾーン35を有する第2大入賞装置30とを備えて構成したが、第1大入賞装置7を設けず、第2大入賞装置30のみを設けて構成してもよい。この場合、大当たり遊技は、第2大入賞口31を所定ラウンド数開放するよう構成する。
また、実施形態では、第2始動口51bへの遊技球の入賞を契機とする抽選は、ほとんど全てが小当たりに当選するように構成し(図23(a)参照)、大当たり遊技後に第2始動口51bへの入賞保留が消化されたときは、入賞保留数の数だけほぼ確実に第2大入賞口51bが開放されて、再び大当たりを狙うことができるよう構成したが、この点を考慮しなければ、第2始動口51bへの入賞による小当たり確率は、自由に設定することができる。なお、実施形態で示したその他の確率は、実施するパチンコ遊技機にあわせて任意に変更することができる。
また、実施形態では、保持機構60の作動時間は、第2大入賞口31の開放から10秒に設定したが、実施する第2大入賞装置の構造に合わせて、適宜変更可能である。なお、実施形態で示したその他の可動物の作動時間は、実施するパチンコ遊技機にあわせて任意に変更することができる。