1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図14参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ29が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図7参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図7参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上方には、文字や図形を表した装飾部材13が配されていて、装飾部材13の後方には装飾可動体15が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、固定始動口、第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
本形態では、固定入賞装置19よりも右方の遊技領域3、即ち遊技盤2の右斜め下方に、図3及び図4に示すように、入球ユニットUNが配されている。入球ユニットUNは、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、普通可変入賞装置22と、ゲート28とを主に備えていて、これら各装置31,36,22及びゲート28とがユニット化されたものである。
この入球ユニットUNは、遊技盤2に対して脱着可能になっている。そのため、上述した各装置31,36,22及びゲート28を一体として遊技盤2に組付けることができると共に、遊技盤2から取り外すことができる。よって、上述した各装置31,36,22及びゲート28を別々に遊技盤2に組付ける、又は遊技盤2から取り外す場合に比べて、組付け作業及び取り外し作業を容易にすることが可能である。
ここで、上述した各装置31,36,22及びゲート28を遊技盤2の右斜め下方に一カ所に集めて配置した理由を説明する。近年のパチンコ遊技機においては、演出効果を高めるために、画像表示装置、センター装飾体、装飾可動体等を大型化する傾向がある。しかし、大型化した画像表示装置等を遊技盤2に設けようとすると、遊技球が流下する遊技領域3を小さくしなければならない。遊技領域3が小さいと、第1大入賞装置31、第2大入賞装置36、普通可変入賞装置22、ゲート28を配置する領域をそれぞれ別個の場所で確保することが難しくなる。そこで本形態では、上述した各装置31,36,22及びゲート28を遊技盤2の右斜め下方に一カ所に集めることで、画像表示装置等の大型化を達成しつつ、小さい遊技領域3でも上述した各装置31,36,22及びゲート28を配置できるようにしている。
図3に示すように、入球ユニットUNの右方には、普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が配されている。電チュー(可変入球手段)22は、第2始動口(第2始動入賞口、入球部、可変始動口)21と、本体部材25とを備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、遊技盤2に対して前後方向に進退可能な進退部材23を備え、進退部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。進退部材23は、電チューソレノイド24(図13参照)により駆動される。
そのため図5(A)に示すように、第2始動口21は、進退部材23が後方に退避した退避状態であるときにのみ遊技球が入球可能となっている。すなわち図5(A)は、電チューソレノイド24の通電時を示していて、進退部材23が遊技盤2に対して後方に退いて、第2始動口21への遊技球の入球を許容する開状態(開位置)にある。進退部材23が退避状態にある(電チュー22が開放している)ときには、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、第2始動口21へ入球する。なお、電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21aが配されている。
一方図5(B)に示すように、第2始動口21は、進退部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能となっている。すなわち図5(B)は、電チューソレノイド24の非通電時を示していて、進退部材23が遊技盤2に対して前方に進出して、第2始動口21への遊技球の入球を妨げる閉状態(閉位置)にある。進退部材23が進出状態にある(電チュー22が閉鎖している)ときには、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、進退部材23の左方へ転動して、後述する第2大入賞口35及び第1大入賞口30へ向かう。
また図3に示すように、第2始動口21の上方にはゲート28が配されている。ゲート28は、遊技球が上下方向に通過可能な通過領域28bを有し、通過領域28bへの遊技球の通過を検知するゲートセンサ28aを組付けている。ゲート28(通過領域28b)への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また図3に示すように、電チュー22の左下方には、第1大入賞口(上側特別入球部)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、上側特別入球手段)31が配されている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材、上側開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図13参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第1大入賞装置31において、第1大入賞口30への遊技球の入球を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている(図6参照)。
また図3に示すように、電チュー22の左方、即ち第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(下側特別入球部)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、下側特別入球手段)36が配されている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、下側開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図13参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞装置36において、第2大入賞口35への遊技球の入球を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている(図6参照)。
より詳細には、図6(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいう)39および非特定領域(非V領域ともいう)70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aと、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
また第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図13参照)とを備えている。振分部材71は、遊技盤2に対して下端部を中心に回転可能に取付けられている。振分部材ソレノイド73は、通電の有無によって、振分部材71による遊技球の振り分けを切り替えるものである。
そのため、図6(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71が遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
一方、図6(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71が遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお遊技盤2には、右打ちされた遊技球をゲート28の上方に向かわせる右打ちガイド部材150が設けられている。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、図7に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。
また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当する値)は、特図保留記憶部85(図13参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図13参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図13参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数及び第2特図保留の上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図7参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図13参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.電チュー22に向かう遊技球の流れ
次に図8〜図10に基づいて、電チュー22に向かう遊技球の流れについて説明する。本形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、比較的大きな画像表示装置7等を配置するために、第1大入賞装置31、第2大入賞装置36、電チュー22、及びゲート28を遊技盤2の右斜め下方に一カ所に集めて配置している(図1参照)。そのため、図8に示すように、ゲート28と電チュー22とが上下方向に近くに配置されている。
特に本形態では、右打ちガイド部材150の出口部分150aがゲート28の通過領域28bの真上に配置されていて、ゲート28の通過領域28bが電チュー22の第2始動口21の真上に配置されている。即ち、右打ちガイド部材150の出口部分150aとゲート28の通過領域28bは、出口部分150aから流出された遊技球が流下する方向を変えることなく通過領域28bを通過できるように、上下に配されている。また、ゲート28の通過領域28bと電チュー22の第2始動口21は、通過領域28bを通過した遊技球が流下する方向を変えることなく第2始動口21に入球できるように、上下に配されている。
そして進退部材23の左方には、電チュー22の本体部材25の左側部分25Lが配されていて、進退部材23の右方には、電チュー22の本体部材25の右側部分25Rが配されている。進退部材23の上面と、本体部材25の左側部分25Lの上面と、右側部分25Rの上面とは、それぞれ左斜め下方に向かって傾斜していて、ほぼ同一の平面(傾斜面)を構成している。なお本体部材25の左側部分25Lの上面、進退部材23の上面、本体部材25の右側部分25Rの上面において、水平面に対して傾斜している角度θは約10度である。
こうして、右打ちされた遊技球は、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出されると、ゲート28を通過して、電チュー22の進退部材23の上方に到達し得る。そして、進退部材23の上方に到達した遊技球は、進退部材23が退避状態であれば(図5(A)参照)、第2始動口21に入球する。一方、進退部材23が進出状態であれば(図5(B)参照)、進退部材23の上面と電チュー22の左側部分25Lの上面に沿って左斜め下方に流下するようになっている。
本形態では、右打ちガイド部材150の出口部分150aとゲート28との間に、4本の遊技くぎ29が配されている。そのため、遊技球が右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出されると、その遊技球は4本の遊技くぎ29によって流下する方向を変えられる場合がある。従って、出口部分150aから流出された遊技球は、必ずゲート28を通過するわけではない。
4本の遊技くぎ29のうち、左上に配されている遊技くぎ29を「左上遊技くぎ29c」と呼び、右上に配されている遊技くぎ29を「右上遊技くぎ29d」と呼び、左下に配されている遊技くぎを「左下遊技くぎ29e」と呼び、右下に配されている遊技くぎを「右下遊技くぎ29f」と呼ぶことにする。これら遊技くぎ29c,29d,29e,29fが配されている理由は、以下に基づく。
先ずゲート28では、遊技球を通過させる入口部分の大きさを13mm以下にしなければならない。ここで仮に、遊技くぎ29c,29d,29e,29fが配されていなくて、右打ちガイド部材150の出口部分150aの直ぐ下方にゲートを配してしまうと、ゲートの入口部分が何処にあるのかが分からなくなる。その結果、ゲートの入口部分の大きさが13mm以下であるか否かが判断し難くなる。
そこで本形態では、右打ちガイド部材150の出口部分150aとゲート28との間に、4本の遊技くぎ29c,29d,29e,29fを配して、左下遊技くぎ29eと右下遊技くぎ29fとの間でゲート28の入口部分の大きさを規定(例えば11.5mmに)するようにしている。こうして4本の遊技くぎ29c,29d,29e,29fによって、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球は、ゲート28に向かって真っすぐ下方に流下しない場合があり得ることになる。
本形態において、図9に示すように、遊技球が左下遊技くぎ29eと右下遊技くぎ29fとの間から、ゲート28を通過して進退部材23の上面に向かう流路を、「ゲート通過流路S1」と呼ぶことにする。このゲート通過流路S1が本発明の「第1流路」に相当する。そして、遊技球が電チュー22の右側部分25Rの上面と進退部材23の上面と左側部分25Lの上面に沿って左斜め下方に向かう流路を、「斜め流下流路S2」と呼ぶことにする。この斜め流下流路S2が本発明の「第2流路」に相当する。また、ゲート通過流路S1と斜め流下流路S2との合流部分を「合流部G1」と呼び、合流部G1よりも下流側の斜め流下流路S2へ遊技球を流下させる部分を「合流出口部分G2」と呼ぶことにする。即ち、ゲート28の左方部分(下流側の部分)28Lの下端28Laと、電チュー22の左側部分25Lの上面との間が、合流出口部分G2である。
よって、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球がゲート通過流路S1の方に向かうと、その遊技球はゲート28(通過領域28b)を通過して、合流部G1に到達する場合がある。このとき、進退部材23が進出状態(図5(B)参照)であれば、合流部G1に到達した遊技球は合流出口部分G2を通って電チュー22の左側部分25Lの上面に沿って流下する。なお、図9に示すその他の流路S3,S4については後述する。
ところで、上述したようにゲート28の通過領域28bが電チュー22の第2始動口21の真上に配置されているため、ゲート28を通過した遊技球が流下する方向を変えることなく第2始動口21に入球し得る。しかしこのような構成において、仮にゲート28を通過した遊技球しか第2始動口21に入球できないようにすると、第2始動口21への遊技球の入球率が、ゲート28への遊技球の通過率に大きく影響してしまう。つまり、右打ちされた遊技球がゲート28を通過しない場合が比較的多く生じると、後述する電サポ制御状態において、遊技者が第2始動口21への入賞による賞球を多く獲得できずに、持ち球を大きく減らしながら遊技しなければならなくなる。
そこで本形態では、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球が、ゲート28を通過しなくても第2始動口21へ入球し得るように構成されている。即ち、図9に示すように、合流部G1より斜め流下流路S2の上流側から当該合流部G1へ遊技球を進入させる合流入口部分G3が設けられている。つまり、ゲート28の右方部分(上流側の部分)28Rの下端28Raと、電チュー22の右側部分25Rの上面との間が、合流入口部分G3である。
また、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fは、1つの遊技球が通過できるように鉛直方向で(真っ直ぐ)上下に配されている。即ち、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間の距離が、11mm以上且つ22mmよりも小さくなっていて、本形態では例えば12mmになっている。そして、ゲート28の右方部分28Rよりも右方には、ガイド部材170が配されていて、このガイド部材170とゲート28の右方部分28Rとの間で遊技球が下方に向かって流下可能になっている。こうして、遊技球が右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間から、合流入口部分G3及び電チュー22の右側部分25Rの上面に向かうゲート非通過流路S3が形成されている。このゲート非通過流路S3が本発明の第3流路に相当する。
よって、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球が、例えば左上遊技くぎ29cや左下遊技くぎ29eによって流下する方向を右向きに変えられると、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間を通って、ゲート非通過流路S3に向かう場合がある。この場合、ゲート非通過流路S3を流下する遊技球は、ゲート28を通過しなくて、合流入口部分G3を通って合流部G1に到達する。このとき、進退部材23が退避状態(図5(A)参照)であれば、ゲート非通過流路S3を流下した遊技球は第2始動口21に入球し、進退部材23が進出状態であれば、合流出口部分G2を通って電チュー22の左側部分25Lの上面に沿って流下することになる。
このように、ゲート28を通過しない遊技球であっても、ゲート非通過流路S3を流下することによって、第2始動口21に入球し得る。つまり、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球は、ゲート28を通過して第2始動口21に入球する場合の他に、ゲート28を通過しないでも第2始動口21に入球する場合があり得る。よって、第2始動口21への遊技球の入球率が、ゲート28への遊技球の通過率に大きく影響されるのを抑制することが可能である。こうして、後述する電サポ制御状態において、右打ちされた遊技球がゲート28を通過しない場合が比較的多く生じたとしても、ゲート非通過流路S3を流下した遊技球が第2始動口21へ入球することにより、遊技者の持ち球の減少を抑制することが可能である。
しかしながら本形態においては、第2始動口21に入球し得る2つの流路(ゲート通過流路S1とゲート非通過流路S3)を設けたため、ゲート通過流路S1を通って合流部G1に到達した遊技球と、ゲート非通過流路S3を通って合流部G1に到達した遊技球とが、ぶつかる場合が生じ得る。この場合、仮に合流出口部分で1球の遊技球しか通過できない構造であると、ぶつかった2つの遊技球が合流出口部分(ゲートの左方部分の下端と電チューの左側部分の上面との間)で上下に重なり合って、詰まる(球噛みが生じる)おそれがあった(図10の二点鎖線参照)。
そこで本形態では、図8に示すように、合流出口部分G2の上下方向の長さL1、即ちゲート28の左方部分28Lの下端28Laと電チュー22の左側部分25Lの上面との間の長さL1が、遊技球の直径(11mm)の2倍(22mm)以上になるように、例えば22.35mmに形成されている。そのため、ゲート通過流路S1を流下した遊技球とゲート非通過流路S3を流下した遊技球とがぶつかって、合流出口部分G2で上下に重なった場合でも、詰まる(球噛みが生じる)のを抑制することが可能である。また、続けざまに(連続して)ゲート通過流路S1を流下した2つの遊技球が、合流出口部分G2で詰まるのを抑制することも可能である。
ここで、合流出口部分G2の上下方向の長さL1(22.35mm)は、遊技球の直径の2倍(22mm)よりも僅かに大きくなっている。これは、合流出口部分G2の上下方向の長さL1が大きくなるほど、ゲート28を通過した遊技球が合流部G1よりも上方で、左方へ流下し易くなるためである。言い換えると、ゲート通過流路S1を流下する遊技球が合流部G1に向かわずに、合流出口部分G2の上側から左方へ流下してしまう場合が生じ易くなるためである。その場合、ゲート通過流路S1を流下する遊技球の第2始動口21への入球率が下がってしまう。よって、合流出口部分G2の上下方向の長さL1は遊技球の直径の2倍以上であっても大き過ぎない方が良く、遊技球の直径の3倍(33mm)よりも小さいことが好ましい。
また本形態では、図8に示すように、合流入口部分G3の上下方向の長さL2、即ちゲート28の右方部分28Rの下端28Raと電チュー22の右側部分25Rの上面との間の長さL2が、遊技球の直径(11mm)以上であり且つ遊技球の直径の2倍(22mm)よりも小さくなるように、例えば13.6mmに形成されている。これは以下の理由に基づく。先ず、長さL2の下限値については、ゲート非通過流路S3から合流部G1に遊技球を進入させなければならないため、当然11mm以上になる。
一方、長さL2の上限値については、遊技球の直径の2倍(22mm)以上に構成しても良いが、仮に22mm以上であると、合流入口部分G3で2球以上の遊技球が同時に通過できるようになってしまう。この場合、複数の遊技球がゲート通過流路S1を勢い良く流下して、進出状態である進退部材23に跳ね返されると、合流入口部分G3の方へ向かう事態が生じ易くなる。そして、跳ね返された遊技球が合流入口部分G3を通って、ゲート非通過流路S3の方へ(斜め流下流路S2の上流側へ)逆流し、後述する流出口26から排出されるおそれがある。
また長さL2が22mmよりも大きいと、ゲート非通過流路S3を流下した複数の遊技球が、合流入口部分G3から同時に合流部G1に到達する事態が生じてしまう。この場合、ゲート非通過通路S3を流下して合流部G1に同時に到達した複数の遊技球と、ゲート通過流路S1を流下して合流部G1に到達した遊技球とがぶつかる場合が生じ得る。つまり、一度に合流部G1に到達し得る遊技球の数が3球以上になり得る。その結果、3球以上の遊技球が合流出口部分G2で上下に重なって、詰まるおそれが少なからず生じ得る。
そこで本形態では、長さL2の上限値は、遊技球の直径の2倍(22m)よりも小さくしている。これにより、複数の遊技球がゲート通過流路S1を勢い良く流下して、進出状態である進退部材23に跳ね返されても、合流入口部分G3では遊技球が1球ずつしか通過できないため、流入口部分G3の方へ向かい難くなる。つまり、進出状態である進退部材23に跳ね返された遊技球は、合流入口部分G3からゲート非通過流路S3の方へ逆流し難くなり、後述する流出口26から排出されるのを抑制することが可能である。
また合流入口部分G3では、ゲート非通過流路S3から2球以上の遊技球が同時に通過することができなくなる。そのため、ゲート非通過流路S3を流下した複数の遊技球と、ゲート通過流路S1を通過した1球の遊技球とが、合流部G1でほぼ同時にぶつかる場合は生じ得ない。その結果、ゲート非通過流路S3を通過した複数の遊技球と、ゲート通過流路S1を通過した1球の遊技球とが合流出口部分G2で詰まるのを防止することが可能である。
また本形態では、図8に示すように、ゲート非通過流路S3のうち合流入口部分G3よりも上流には、流出口(流出部)26が設けられている。この流出口26は、流下する遊技球をゲート非通過流路S3の外側へ流出させることが可能なものである。流出口26から流出された遊技球は、流出流路S4(図9参照)を通って、図示しないアウト口から遊技領域3の外側へ排出されるようになっている。流出口26が設けられている理由は、以下に基づく。
先ず電チュー22の第2始動口21では、進退部材23が退避状態になったときに(第2始動口21が開放したときに)、遊技球を通過させる入口部分の大きさを55mm以下にしなければならない。ここで仮に、流出口26が設けられていなくて、ゲート非通過流路S3を通過する遊技球が必ず合流入口部分G3(合流部G1)に到達するようにしてしまうと、第2始動口21の入口部分の大きさがゲート非通過流路S3を形成する部分の全体を考慮した大きさになるおそれがある。その結果、第2始動口21の入口部分の大きさが55mm以下という条件を満たし難くなる。
そこで本形態では、ゲート非通過流路S3に流出口26を設けることで、第2始動口21の入口部分の大きさがゲート非通過流路S3を形成する部分の全体を考慮した大きさにならないようにして、第2始動口21の入口部分の大きさが55mm以内という条件を満たし易くしている。
ここでゲート非通過流路S3に流出口26が設けられていることにより、仮にゲート非通過流路S3を流下する遊技球が流出口26から多く流出してしまうと、ゲート非通過流路S3を流下する遊技球の第2始動口21への入球率が低下してしまう。そこで本形態では、図8に示すように、ゲート28の右方部分28Rよりも右方に、ガイド部材170が配されている。また、電チュー22の右側部分25Rの上面の右端に、ガイド突起25fが形成されている。
ガイド部材170とガイド突起25fは、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間を通過した遊技球が、流出口26よりも合流入口部分G3の方へ向かい易くするもの(誘導手段)である。ガイド部材170は、左側にガイド面170aを有し、ガイド面170aは、上下方向の真ん中が右方へ窪むように円弧状になっている。ガイド突起25は、電チュー22の右側部分25Rの上面の右端から右斜め上方に向かって延びている。なお、ガイド突起25fは、合流入口部分G3から斜め流下流路S2の上流側へ逆流しようとする遊技球を流出口26から流出し難くする機能も有している。
こうして、ガイド部材170のガイド面170aとガイド突起25fとによって、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間を通過した遊技球は、流出口26の方へ向かうことはほとんど無く、実質的に(約99%)合流入口部分G3の方へ向かうようになっている。なお、右上遊技くぎ29dと右下遊技くぎ29fとの間を通過した遊技球のうち、少なくとも90%以上の遊技球が、合流入口部分G3の方へ向かうように誘導手段を設けることが好ましい。
次に、右打ちガイド部材150の出口部分150aとゲート28との間に設けられている4本の遊技くぎ29c,29d,29e,29fの配置について説明する。右上遊技くぎ29dは、右下遊技くぎ29fの真上に位置に配されている。これにより右上遊技くぎ29dは、出口部分150aから流出した遊技球を弾いたときに、できるだけ遊技球をゲート通過流路S1、又は左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eとの間の方へ向かわせるようになっている。左上遊技くぎ29cは、左下遊技くぎ29eの左上方の位置に配されている。これにより、左上遊技くぎ29cは、出口部分150aから流出した遊技球を弾いたときに、できるだけゲート通過流路S1の方へ向かわせるようになっている。
こうした4本の遊技くぎ29c,29d,29e,29fの配置によって、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球は、ゲート通過流路S1の方へ最も向かい易い。次に左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eとの間の方に向かい易い。そして、ゲート非通過流路S3の方には最も向かい難くなっている。
なお、左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eとの間を通過した遊技球は、第1大入賞口30及び第2大入賞口35の方へ向かうことになる(図1参照)。また、ゲート通過流路S1を流下して合流部G1に到達した遊技球と、ゲート非通過流路S3を流下して合流部G1に到達した遊技球は、第2始動口21に入球しなかった場合、進退部材23の上面及び電チュー22の左側部分25Lの上面に沿って左斜め下方に流下し、後述する遊技くぎ29a,29b(図11参照)の上方に向かうことになる。
3.第1大入賞口30及び第2大入賞口35に向かう遊技球の流れ
次に図11〜図12に基づいて、第1大入賞口30及び第2大入賞口35に向かう遊技球の流れについて説明する。本形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、遊技盤2の右斜め下方に、第1大入賞装置31、第2大入賞装置36、電チュー22、及びゲート28が入球ユニットUNとして一カ所に集めて配置されている(図1参照)。そのため、図11に示すように、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36と、電チュー22とが左右方向に近くに配置されている。
図11に示すように、第1大入賞装置31と第2大入賞装置36とは、第2大入賞口35よりも上方を流下する遊技球が、第2大入賞口35又は第1大入賞口30に入球可能となるように、上下に配されている。即ち、第2大入賞装置36の開閉部材37が閉鎖しているときに、第2大入賞口35よりも上方から流下する遊技球が、第2大入賞口35に入球しなくても、第1大入賞装置31の開閉部材32が開放していれば、第1大入賞口30に入球し得るように、第1大入賞装置31と第2大入賞装置36とが上下に配されている。
遊技球が第2大入賞装置36よりも上方から第2大入賞口35及び第1大入賞口30に向かう流路を、「入賞流路R1」と呼ぶことにする。また、第2大入賞口35及び第1大入賞口30と電チュー22との間で遊技球が流下可能な流路を、「非入賞流路R2」と呼ぶことにする。なお、図11及び図12では、分かり易くするために、第1大入賞口30と第2大入賞口35とが共に開放している状態を示しているが、実際には、第1大入賞口30と第2大入賞口35が同時に開放していることはなく、大入賞口が開放する場合にはいずれか一方のみが開放するようになっている。
本形態においては、第1大入賞口30と開閉部材32と第1大入賞口ソレノイド33の構成と、第2大入賞口35と開閉部材37と第2大入賞口ソレノイド38の構成とが、上下一対で同じになっている。つまり、第1大入賞口30等の左端位置及び右端位置と、第2大入賞口35等の左端位置及び右端位置とは、上下方向の位置が異なっているだけである。こうして、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36において、できるだけ同じ構成及び配置関係の部材を用いることで、コンパクトに配置することができると共に、製造コストを抑えることが可能になる。
ここで図11に示すように、第2大入賞口35の右上方であって、電チュー22の左側部分25Lの上面の左下方には、2本の遊技くぎ29a,29bが設けられている。遊技くぎ29a,29bは、遊技球の流下する方向を変えることができるものである。2本の遊技くぎ29a,29bのうち、左下方に配されている遊技くぎを「下側遊技くぎ29a」と呼び、右上方に配されている遊技くぎを「上側遊技くぎ29b」と呼ぶことにする。下側遊技くぎ29aの位置は、第2大入賞口35及び第1大入賞口30の右端位置よりも左方になっているが、上側遊技くぎ29bの位置は、第2大入賞口35及び第1大入賞口30の右端位置よりも右方になっている。
上側遊技くぎ29bと下側遊技くぎ29aとの間の距離D1は、11.25mmである。そして、2本の遊技くぎ29a,29bのうち左下方に下側遊技くぎ29aが配され、右上方に上側遊技くぎ29bが配されていることによって、1球分の遊技球のみが右斜め下方(第2大入賞口35及び第1大入賞口30から離れる方向)に向かって通過できるようになっている。こうして、遊技くぎ29a,29bは、流下する遊技球を当該遊技くぎ29a,29bの間を通過させないで入賞流路R1に誘導するか、当該遊技くぎ29a,29bの間を通過させて非入賞流路R2に誘導する。
上述したように、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出された遊技球は、ゲート通過流路S1又はゲート非通過流路S3(図9参照)を流下したあと、電チュー22の左側部分25Lの上面に沿って流下すると、遊技くぎ29a,29bの上方に到達し得る。また、ゲート28よりも上方に配されている左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eの間を通過した遊技球であっても、左斜め下方に向かって流下しながら(図1参照)、遊技くぎ29a,29bの上方に到達し得る。
遊技くぎ29a,29bの上方に到達した遊技球は、下側遊技くぎ29a又は上側遊技くぎ29bによって左方に弾かれると、入賞流路R1に誘導されて、第2大入賞口35又は第1大入賞口30に入球することが可能である。一方、遊技くぎ29a,29bの上方に到達した遊技球は、主に下側遊技くぎ29aによって右斜め下方に弾かれると、当該遊技くぎ29a,29bの間を通過して、非入賞流路R2に誘導される。そして、非入賞流路R2に誘導された遊技球は、第2大入賞口35及び第1大入賞口30から離れる方向(右斜め下方)に向かって流下するため、第2大入賞口35及び第1大入賞口30にほぼ入球しないようになっている。
よって、遊技くぎ29a,29bの上方に到達した複数の遊技球のうち一部の遊技球を非入賞流路R2に誘導することによって、大当たり遊技の実行中に、遊技球が短時間で第2大入賞口35又は第1大入賞口30に過剰に入球するのを抑制することが可能である。つまり、仮に遊技くぎ29a,29bが無いと、大当たり遊技の実行中に、遊技球が短時間で第2大入賞口35又は第1大入賞口30の規定数(本形態では9球)まで入球してしまい、大当たり中のラウンド遊技がすぐに終了してしまう。そのため、遊技くぎ29a,29bによって、第2大入賞口35又は第1大入賞口30への入球をコントロールすることにより、大当たり中のラウンド遊技の遊技興趣が低下するのを抑制することが可能である。
ここで本形態においては、図11に示すように、電チュー22と第2大入賞装置36及び第1大入賞装置31とが、非入賞流路R2を挟んで比較的近くに配置されている。具体的には、第2大入賞口35の右端位置と、電チュー22の左側に形成されている壁部25a(後述する上側壁部25b)との間の距離D2が、17.8mmである。なお、第2大入賞口35の右端位置と、後述する下側壁部25cとの間の距離D2+D5は、22.5mmである。そのため、非入賞流路R2は、左右方向に1,2球の遊技球が並ぶことができる程度の狭い流路である。従って、遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球は、電チュー22の壁部25a(後述する下側壁部25c)によって左斜め下方に跳ね返ることがあり得るようになっている。言い換えれば、電チュー22は、壁部25aによって遊技球を第1大入賞口30(第2大入賞口35)側へ向けて跳ね返すことができるように、第1大入賞装置31(第2大入賞装置36)側へ寄せて配されている。
これにより、遊技者に対して、遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球が、電チュー22の壁部25aによって左斜め下方に跳ね返されて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35に入球するかもしれないとの印象を与えることが可能である。つまり、電チュー22が第1大入賞装置31(第2大入賞装置36)側へ寄せて配されていることにより、あからさまに遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球が第1大入賞口30又は第2大入賞口35に入球しない感じを抑制することが可能である。
しかしながら仮に、図12(A)に示すように、電チュー22の壁部25Xが、鉛直方向に起立した壁面になっていて、この壁部25Xと第1大入賞口30(第2大入賞口35)との間の距離D7が、上下方向に渡って17.8mmである場合、以下の問題が生じ得る。即ち、遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球が、電チュー22の壁部25Xによって左斜め下方に跳ね返されると、第1大入賞口30に入球し得る。これでは、遊技くぎ29a,29bによって、大当たり遊技の実行中に遊技球が第1大入賞口30(第2大入賞口35)に過剰に入球しないようにしているのも拘わらず、意図しないで第1大入賞口30に入球してしまい、遊技くぎ29a,29bによる入球のコン
トロールが無意味になってしまう。
そこで本形態では、図11に示すように、電チュー22の壁部25aの下側が切り欠かれていて、壁部25aに上側壁部25bと下側壁部25cと段部25dとが形成されている。上側壁部25bは、鉛直方向に起立した壁面になっていて、上下方向の長さD3が12.4mmになっている。この上側壁部25bの下端位置P2、即ち段部25dの上端位置P2は、第2大入賞口35の右上端部分の位置P1よりも僅かに上方になっている。
ここで上側壁部25bの上下方向の長さD3は、当該上側壁部25bが遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球を左斜め下方に跳ね返すことがほぼ無いように設定されている。即ち、遊技くぎ29a,29bの間の距離D1は11.25mmしかなく、直径が11mmである遊技球を通過させるには、余裕が0.25mmしかない。そのため、遊技くぎ29a,29bの間を通過する遊技球は、大体遊技くぎ29a,29bにぶつかることになり、流下する勢いが減らされる。その結果、遊技くぎ29a,29bの間を通過した遊技球には、重量の影響が大きく作用して、流下する方向が右斜め下方であっても下方向の影響が強くなる。従って、上側壁部25bが遊技くぎ29a,29bの間を通過した遊技球を左斜め下方に跳ね返すことは実質的には無く、上側壁部25bによって跳ね返された遊技球が第2大入賞口35又は第1大入賞口30に入球することがないようになっている。
下側壁部25cは、上下方向に起立した壁面になっている。そして下側壁部25cは、第1大入賞口30の右上端部分の位置P4よりも上方の位置で、遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球を左斜め下方に跳ね返すようになっている(図12(B)参照)。下側壁部25cの上下方向の長さD6は、26.8mmである。
段部25dは、下側壁部25cを上側壁部25bよりも第1大入賞口30及び第2大入賞口35から離間させるものであり、右斜め下方に向かって傾斜している。段部25の上下方向の長さD4は3.5mmであり、段部25dの左右方向の長さD5(後述する退避空間P1の左右方向の長さD1)は4.7mmである。また段部25dにおいて、水平方向から右斜め下方に傾斜している角度φは約30度である。
このように段部25dが右斜め下方に向かって傾斜しているのは、壁部25aに直角(90度)部分や鋭角部分を形成しないで、遊技球の衝突によって欠け易い部分を無くすためである。また、段部を水平状に形成する場合に比べて、電チュー22の壁部25aが切り欠かれた部分を減らことができ、電チュー22の上方部分の幅(肉厚)を少しでも確保するためである。段部25dの下端位置P3、即ち下側壁部25cの上端位置P3は、第2大入賞口35の右上端部分の位置P1よりも下方になっている。
こうして本形態では、図12(B)に示すように、遊技くぎ29a,29bによって右斜め下方に誘導された遊技球が、下側壁部25cによって左斜め下方に跳ね返されても、第1大入賞口30に入球し難いように、第1大入賞口30と下側壁部25cとの間の距離(D2+D5=22.5mm)が設定されている。つまり、段部25dと下側壁部25cとによって、下側壁部25cが跳ね返した遊技球が第1大入賞口30に入球し難いように、電チュー22の壁部25aと第1大入賞口30とを離す退避空間SP1が形成されている。この退避空間SP1によって、遊技球が遊技くぎ29a,29bによって第2大入賞口35又は第1大入賞口30に入球しないように誘導されたにときに、電チュー22の壁部25aによって意図しないで第1大入賞口30に入球するのを抑制することが可能である。
また本形態では、第2大入賞口35と第1大入賞口30とが上下一対で配されていて、第2大入賞口35よりも上方に、遊技くぎ29a,29bが配されている。遊技くぎ29a,29bは、非入賞流路R2に進入する入口部分の幅(図11に示す遊技くぎ29a,29bの間の距離D1)を調整可能なものである。そのため、例えば遊技機メーカー等が距離D1を11.25mmよりも小さくすれば、遊技球が非入賞流路R2に誘導され難くなる。そのため、入賞流路R1を流下する遊技球の数が相対的に多くなる。その結果、遊技球が第2大入賞口35及び第1大入賞口30に比較的入球し易い状況になる。
一方、例えば遊技機メーカー等が距離D1を11.25mmよりも大きくすれば、遊技球が非入賞流路R2に誘導され易くなる。このとき、遊技くぎ29a,29bによって非入賞流路R2に誘導された遊技球は、電チュー22の壁部25a(下側壁部25c)によって跳ね返っても、第1大入賞口30及び第2大入賞口35に入球し難い。その結果、遊技球が第1大入賞口30及び第2大入賞口35に比較的入球し難い状況になる。こうして遊技くぎ29a,29bの調整によって、第1大入賞口30の入球率及び第2大入賞口35の入球率を同時に調整することが可能である。
また本形態では、図12(A)(B)に示すように、電チュー22の壁部25a(下側壁部25c)が跳ね返した遊技球を第1大入賞口30に入球させない構成を、壁部25aに段部25d及び下側壁部25cを形成することによって、簡易に構成することが可能である。そして、上側壁部25bをできるだけ第2大入賞口35及び第1大入賞口30側(左方)に寄せつつ、下側壁部25cを上側壁部25bよりも第2大入賞口35及び第1大入賞口30から離れるように右方に形成することで、あからさまに遊技くぎ29a,29bによって誘導された遊技球が第1大入賞口30又は第2大入賞口35に入球しない感じを与え難くすることと、下側壁部25cによって跳ね返った遊技球を第1大入賞口30に入球させないことの両立を図ることが可能である。
ここで本形態では、図4に示すように、電チュー22よりも前方に、透明板160が配されている。この透明板160も、入球ユニットUNの構成部材である。なお図1〜図3、図5、図11、図12では、透明板160が省略して示されている。透明板160は、電チュー22、第1大入賞口30、第2大入賞口35の周りの遊技球の流れを視認し易いように、透明になっている。しかし透明板160の右下方には、例としてハート形状で赤色に着色された着色部分(視認難化手段)27aが形成されている。この着色部分160aは、段部25d及び下側壁部25cのうち下端部を除く大部分を遊技者から視認させないものである。つまり、着色部分160aよりも後方は、遊技者から見えないようになっている。そのため、着色部分160aによって、遊技者に対してあからさまに段部25d及び下側壁部25cが遊技球を第1大入賞口30に入球させないようにしていることを把握し難くすることが可能である。
4.遊技機の電気的構成
次に図13及び図14に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図13及び図14に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の進退部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
本形態では、第1始動口20への入賞による払い出しの賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入賞による払い出しの賞球数は13球である。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図14に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。
詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出SW63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図15及び図16に示す通りである。図15及び図16に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、図16に示すように、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.08秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.08秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図6(B)参照)から第1状態(図6(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図15に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが60%、Vショート大当たりが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図17(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図17(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)および普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0〜232までの範囲で値をとる。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図18(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図19参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図18(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図20参照)。つまり、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
具体的には、図20に示すように、非時短状態では、500msである変動時間が約33%(77/233)の割合で選択され、1500msである変動時間が約33.5%(78/233)の割合で選択され、2400mである変動時間が約33.5%(78/233)の割合で選択される。これに対して、時短状態では、300msである変動時間が約57%(133/233)の割合で選択され、1100msである変動時間が約21.5%(50/233)の割合で選択され、2000msである変動時間が約21.5%(50/233)の割合で選択される。
時短状態(後述する電サポ制御状態)において、普通図柄の変動時間が300ms、1100ms、2000msの3種類が選択されるのは、以下の理由に基づく。本形態では図8に示すように、右打ちされて右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出した遊技球は、左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eの間や、ゲート非通過流路S3よりも、ゲート通過流路S1(図9参照)の方へ向かい易い。そして、第2始動口21の鉛直方向の上方にゲート28の通過領域28bが配されているため、ゲート通過流路S1を流下する遊技球はゲート28を通過したのち、第2始動口21の直ぐ真上に到達する。このとき、補助遊技によって進退部材23が退避状態であれば、遊技球が第2始動口21へ入球する。
ここで本形態では、ゲート28を通過した遊技球が第2始動口21の直ぐ真上に到達したときに、進退部材23が退避状態となっていることがあり得るように設定されている。即ち、遊技球がゲート28を通過した(詳細には遊技球がゲートセンサ28aに検知された)タイミングから、その遊技球が第2始動口21(進退部材23)の直ぐ真上に到達するタイミングまでの時間が300msよりも僅かに大きくなるように(例えば350ms)、ゲートセンサ28aと第2始動口21(進退部材23)とが上下に離れて配されている。そのため、遊技球がゲート28を通過したことを契機として普通図柄の抽選が実行されて、300msである普通図柄の変動時間が選択され且つ普通当たりに当選すると、補助遊技の実行で進退部材23が退避状態をとるため、ゲート28を通過した遊技球をそのまま第2始動口21に入球させることが可能である。
しかしながら本形態では、第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球であるため、仮に普通図柄抽選で300msである普通図柄の変動時間のみが選択されるようにすると、ゲート28を通過した遊技球が頻繁に第2始動口21に入賞するようになり、時短状態で遊技者の持ち球が増えるようになってしまう。これに対して、仮に第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数を1球にすると、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出した遊技球は、左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eとの間(図8参照)に向かう場合もあって、第2始動口21の直ぐ真上に到達しないことがあるため、遊技者が持ち球を大きく減らしながら遊技をしなければならなくなってしまう。
そこで本形態では、第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数を2球としつつ、普通図柄の変動時間として300ms、1100ms、2000msの3種類がランダムで選択されるようにしている。更に、ゲート28を通過した遊技球が補助遊技の実行の契機となってそのまま第2始動口21に入球する場合の普通図柄の変動時間300msが、50%よりも僅かに大きい確率(本形態では約57%)で選択されるようにしている。これにより、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出した遊技球は、左上遊技くぎ29cと左下遊技くぎ29eとの間に向かう場合があったとしても、右打ちされた遊技球のうち約半分の遊技球が第2始動口21に入球する可能性が高くなる。その結果、時短状態(後述する電サポ制御状態)では、遊技者がほぼ持ち球を減らすことなく遊技を行うことが可能である。
図21に示すように、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。しかし時短状態及び非時短状態において、補助遊技における電チュー22の開放回数は共に1回である。すなわち、時短状態では電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお時短状態では、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記した複数の機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図22〜図44に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図22に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図17に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図23に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図13参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図22の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図23に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図22参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図24に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図17(A)に示す乱数値群を取得し)、取得したそれら乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図17(A)に示す乱数値群を取得し)、取得したそれら乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図25に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)、及び普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1の値)を取得し(つまり図17(B)に示す乱数値群を取得し)、取得したそれら乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図26に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図27に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図28に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図18(C))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図18(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図18(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「6379」)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
[普通図柄変動パターン処理]普通図柄待機処理(図27)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。図29に示すように、普通図柄変動パターン選択処理(S703)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S901)。そして、時短状態でなければ(S901でNO)、すなわち非時短状態であれば、普通当たりフラグがONか否かを判定し(S902)、ONであれば(S902でYES)、非時短状態中普図当たりテーブル(図20に示す普図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ当たりに該当する部分)を参照して、普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1)に基づいて変動パターンを選択する(S903)。具体的に、変動パターンQ1又はQ2或いはQ3が選択されることになる。
またステップS902において、普通当たりフラグがONでなければ(S902でNO)、非時短状態中普図ハズレテーブル(図20に示す普図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1)に基づいて変動パターンを選択する(S904)。具体的に、変動パターンQ4又はQ5或いはQ6が選択されることになる。
一方ステップS901において、遊技状態が時短状態であれば(S901でYES)、普通当たりフラグがONか否かを判定する(S905)。普通当たりフラグがONであれば(S905でYES)、時短状態中普図当たりテーブル(図20に示す普図変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ当たりに該当する部分)を参照して、普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1)に基づいて変動パターンを選択する(S906)。具体的に、変動パターンQ11又はQ12或いはQ13が選択されることになる。
またステップS905において、普通当たりフラグがONでなければ(S905でNO)、時短状態中普図ハズレテーブル(図20に示す普図変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1)に基づいて変動パターンを選択する(S907)。具体的に、変動パターンQ14又はQ15或いはQ16が選択されることになる。
上記のようにして普通図柄の変動パターンの選択を行った後は、図29に示すように、選択した変動パターンをセットして(S908)、本処理を終える。セットした普通図柄変動パターンの情報は普通図柄の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
図27に示すように、普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄の変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図30に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図31に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通図柄の停止時間が経過したか否かを判定し(S1101)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1101でYES)、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1102)。普通当たりフラグがONでなければ(S1102でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1108)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1102でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1103)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図21参照)をセットする(S1104)。一方、非時短状態中であれば(S1103でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図21参照)をセットする(S1105)。そして、開放パターンのセット(S1104、S1105)に続いて、補助遊技を開始するべく普通当たり開始処理を行い(S1106)、普通動作ステータスを「4」にセットして(S1107)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図32に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ(S1203でNO)処理を終え、至っていれば(S1203でYES)第2始動口21を開放させる(S1204)。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。そして、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。なお電チュー開放カウンタは、時短状態中又は非時短状態中において電チュー22の開放(進退部材23の退避動作)が1回なされると「0」になる(図21参照)。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、電チュー22の閉鎖時間(図21参照)が経過したか否かを判定する(S1211)。閉鎖時間が経過していなければ処理を終え(S1211でNO)、閉鎖時間が経過していれば(S1211でYES)、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1212)、普通当たりフラグをOFFする(S1213)。そして、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1214)処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図26)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図33に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図34に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図15参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図35に基づいてまとめて説明する。図35に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図18(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図18(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10263」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図18(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10792」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図15に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図15参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図36及び図37に基づいてまとめて説明する。図36及び図37に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図19に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP1が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではP21が選択されることになる。
またステップS1603において、Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図19に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP2が選択されることになる。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。なお、図18(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図19に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP3又はP4が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではP22又はP23が選択されることになる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図19に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP5又はP6が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP24又はP25が選択されることになる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図37に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図19に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。すなわち、Vロング大当たりであれば図19の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP11が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP31が選択されることになる。
またVショート大当たりであれば、図19の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP12が選択される。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。またリーチ有りハズレであれば、図19の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1614)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP13又はP14が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP32又はP33が選択されることになる。またリーチ無しハズレであれば、図19の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP15又はP16が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP34又はP35が選択されることとなる。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図18に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1616)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特別図柄の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図38に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図19参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図39に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(本形態では600ms、図19参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。
一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1902)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図15及び図16を参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図15参照)をセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1907)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1908)。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)処理を終える。
[遊技状態管理処理]図40に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図41に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図42に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「3」若しくは「1」であるか否かを判定する(S2205)。第2ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第2ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図26)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図43)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図15及び図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンド(図15参照)を、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図42)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり9個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンド(図15参照)をセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図33)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図43に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに所定数(例えば「100」)をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「100」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに所定数(例えば「100」)をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]図44に示すように特定領域センサ検出処理(S107)では、遊技制御用マイコン81はまず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1状態(図6(A))に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図42)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
8.本形態の効果
本形態(第1形態)のパチンコ遊技機1によれば、図8及び図9に示すように、ゲート28の上方から流下する複数の遊技球のうち、一部の遊技球はゲート通過流路S1を流下することでゲート28を通過するのに対して、別の遊技球はゲート非通過流路S3を流下することでゲート28を通過しない。そして、ゲート通過流路S1を通過した遊技球も、ゲート非通過流路S3を通過した遊技球も合流部G1に到達し、進退部材23が進出状態であれば合流出口部分G2を通って左斜め下方に流下する。ここで、合流出口部分G2の上下方向の長さL1(22.35mm)は、遊技球の直径の2倍以上となっている。そのため、ゲート通過流路S1を通過した遊技球とゲート非通過流路S3を通過した遊技球とが合流出口部分G2で上下に重なった場合でも詰まる(球噛みが生じる)のを抑制することが可能である。
また本形態によれば、進退部材23が退避状態であるときに、ゲート28を通過した遊技球がゲート通過流路S1を流下して第2始動口21に入球可能である。更に、ゲート28を通過しなかった遊技球であっても、ゲート非通過流路S3を流下して第2始動口21に入球可能である。つまり本形態のように、ゲート28を通過した遊技球が流下する方向を変えずに第2始動口21へ入球できる構造において、ゲート28を通過しなかった遊技球でも第2始動口21へ入球させることが可能である。よって、第2始動口21への遊技球の入球率がゲート28への遊技球の入球率に大きく影響されるのを抑制することが可能である。
また本形態によれば、図1及び図4に示すように、電チュー22と、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、ゲート28とが遊技盤2のうち右斜め下方に一カ所に集められていて、ユニット化された入球ユニットUNとして構成されている。そのため、画像表示装置7、センター装飾体10、装飾可動体15等の遊技盤2に配する構造物を大きく構成することが可能であり、演出効果を高めることが可能である。また入球ユニットUNとして、電チュー22とゲート28とを一体として遊技盤2に組付けることができると共に、一体として遊技盤2から取り外すことができる。従って、電チュー22とゲート28とを別々に遊技盤2に組付ける、又は別々に遊技盤2から取り外す場合に比べて、組付け作業及び取り外し作業を容易にすることが可能である。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図45に基づいて第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、図11に示すように、電チュー22の壁部25aに段部25dを形成したが、第2形態では、図45に示すように、電チュー22の壁部25gに段部が形成されていない。即ち、第2形態では、電チュー22の左側が、鉛直方向に起立した壁部25gになっている。そして、この壁部25gによって、電チュー22よりも左方で電チュー22の下端から上端までにわたって退避空間SP2が形成されている。第2形態では第2大入賞口35の右端位置と電チュー22の壁部25gとの間の距離D8は、上記した第1形態で説明した第2大入賞口35の右端位置と下側壁部25cとの間の距離(D2+D5)と同様、22.5mmである。また退避空間SP2の左右方向の長さD9は、上記した第1形態の退避空間SP1の左右方向の長さD5と同様、4.7mmである。
こうして第2形態によれば、第1形態と同様、遊技くぎ29a,29bによって誘導された遊技球が壁部25gで跳ね返っても、第1大入賞口30及び第2大入賞口35に入球するのを抑制することが可能である。なお第2形態では、退避空間SP2が第1形態の退避空間SP1よりも上方まで形成されているため、遊技くぎ29bと壁部25gの上端部との間に比較的大きな空間が生じてしまう。そこで、遊技くぎ29bと壁部25gの上端部との間に遊技くぎ29gを新たに配するなどしてもよい。
<第3形態>
図46に基づいて第3形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、図8に示すように、電チュー22の左方に第1大入賞装置31と第2大入賞装置36が上下一対に配されていたが、第3形態では、電チュー22の左方に第1大入賞装置31のみが配されている。そのため、この第3形態においても、第1形態と同様、遊技くぎ29a,29bによって誘導された遊技球が電チュー22の下側壁部25cで跳ね返っても、第1大入賞口30に入球するのを抑制することが可能である。なお第3形態として、図8に示す第1大入賞装置31のみが設けられている遊技機であっても良く、また図8に示す第1大入賞装置31の他に、図示しない場所に第2大入賞装置が設けられている遊技機であっても良い。
<第4形態>
図47に基づいて第4形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、図9に示すように、合流出口部分G2はゲート28の左方部分28Lの下端28Laと電チュー22の左側部分25Lの上面との間であり、合流入口部分G3はゲート28の右方部分28Rの下端28Raと電チュー22の右側部分25Rの上面との間であった。しかしながら、合流出口部分と合流入口部分は、ゲートと電チューとの間に限られるものではなく、図47に示す第4形態のように、遊技くぎと電チュー22との間であっても良い。
即ち第4形態では、ゲート28の左方部分28Lよりも下方に遊技くぎ29hが配されている。そのため、第4形態の合流出口部分G4は、遊技くぎ29hと電チュー22の左側部分25Lの上面との間になっている。そして、この合流出口部分G4の上下方向の長さは、第1形態の合流出口部分G2の上下方向の長さL1と同様、22.35mmになっていて、遊技球の直径の2倍以上である。そのため、第1形態で説明した作用効果と同様、ゲート通過流路S1(図9参照)を流下した遊技球と、ゲート非通過流路S3(図9参照)を流下した遊技球とが合流部G1でぶつかって、合流出口部分G4で上下に重なっても、詰まる(球噛みが生じる)のを抑制することが可能である。
また、ゲート28の右方部分28Rよりも下方に遊技くぎ29jと遊技くぎ29kが配されている。そのため、第4形態の合流入口部分G5は、遊技くぎ29kと電チュー22の右側部分25Rの上面との間になっている。そして、この合流入口部分G5の上下方向の長さは、第1形態の合流入口部分G3の上下方向の長さL2と同様、13.6mmになっていて、遊技球の直径以上であり且つ遊技球の直径の2倍よりも小さい。そのため、合流入口部分G5では、遊技球が1球ずつしか通過することができない。よって、第1形態で説明した作用効果と同様、ゲート通過流路S1を流下した複数の遊技球が合流部G1から合流入口部分G5の方へ流れよう(逆流しよう)とするのを抑制することが可能である。
<第5形態>
図48に基づいて第5形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、図8に示すように、ゲート(上側部材)28の下方に電チュー(下側部材)22が配されていたが、図48に示す第5形態のように、ゲート28の下側に、電チュー22以外の部材として例えば電飾部品140が配されていても良い。電飾部品140は、上記した第1形態の電チュー22の本体部材25と同様の形状である。つまり、電飾部品140は上方に左斜め下方に傾斜している上面部140aを有している。そのため、ゲート通過流路S1を流下した遊技球も、ゲート非通過流路S3を流下した遊技球も、合流部G1に到達したあと、電飾部品の上面部140aに沿って左斜め下方に流下するようになっている。
また図48に示すように、電チュー22は、電飾部品140の左斜め下方に配されていても良い。そのため、第1形態と異なり、第2始動口21の入口部分の大きさを55mm以下にするという制限を満たし易くなる。よって第5形態では、第1形態のようにゲート非通過流路S3に流出口26(図8参照)を設ける必要がなくなり、ガイド部材170Xの左下端部と電飾部品140の右上端部とが接触している。
<第6形態>
図49及び図50に基づいて第6形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、図16で示す大入賞口の開閉態様のように、1R〜13R目では第1大入賞口30が開放し、14R及び16R目では第2大入賞口35が開放した。しかしながら、第6形態では、図49で示す大入賞口の開閉態様のように、1〜16R目までの各ラウンド毎に、第1大入賞口30と第2大入賞口35とが交互に開放するようになっている。
即ち、1,3,5,7,9,11,13,15R目(奇数のラウンド)においては、第1大入賞口30が開放し、2,4,6,8,10,12,14,16R目(偶数のラウンド)においては、第2大入賞口35が開放する。そして、第1大入賞口30が閉鎖してから第2大入賞口が開放するまでのラウンドインターバル(第1微少待機時間Δx1、図50参照)は、0.1秒であって、非常に短い時間になっている。また、第2大入賞口35が閉鎖してから第1大入賞口30が開放するまでのラウンドインターバル(第2微少待機時間Δx2、図50参照)は、0.1秒であって、非常に短い時間になっている。
ここで第6形態でも、第1形態と同様、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)と第1大入賞口30(第1大入賞装置31)とが上下一対で配されている(図6参照)。そして、第1大入賞口30に入球した遊技球を遊技領域3よりも後方に排出する排出流路に、第1大入賞口センサ30aが配され、第2大入賞口35に入球した遊技球を遊技領域3よりも後方に排出する排出流路に、第2大入賞口センサ35aが配されている。
遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30の開放(開閉部材32の開放動作)後から、第1大入賞口30の閉鎖(開閉部材32の閉鎖動作)後の所定の第1残留排出検出期間X1(図50参照)が経過するまでに、第1大入賞口センサ30aが遊技球を検出した場合に、第1大入賞口30への遊技球の入球を有効と判断する。つまり、第1大入賞口30の開放中と第1残留排出検出期間X1以外で、第1大入賞口センサ30aが遊技球を検出しても、第1大入賞口30への遊技球の入球は無効と判断されることになる。第1残留排出検出期間X1は、第1大入賞口30が閉鎖する直前に遊技球が第1大入賞口30に入球した場合でも、その入球を有効と判断するための期間であり、いわゆる球はけ時間である。第1残留排出検出期間X1は例えば2秒に設定される。
遊技制御用マイコン81は、第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)後から、第2大入賞口35の閉鎖(開閉部材37の閉鎖動作)後の所定の第2残留排出検出期間X2(図50参照)が経過するまでに、第2大入賞口センサ35aが遊技球を検出した場合に、第2大入賞口35への遊技球の入球を有効と判断する。つまり、第2大入賞口35の開放中と第2残留排出検出期間X2以外で、第2大入賞口センサ35aが遊技球を検出しても、第2大入賞口35への遊技球の入球は無効と判断されることになる。第2残留排出検出期間X2は、第2大入賞口35が閉鎖する直前に遊技球が第2大入賞口35に入球した場合でも、その入球を有効と判断するための期間であり、いわゆる球はけ時間である。第2残留排出検出期間X2は例えば2秒に設定される。
ところで、大当たり遊技の各ラウンド遊技において、大入賞口を閉鎖してから残留排出検出期間(球はけ時間)が経過した後に、大入賞口を開放する方法がある。この方法の場合、例えば残留排出検出期間が2秒であると、この2秒の間は大入賞口が閉鎖していることになる。つまり残留排出検出期間の間、遊技球が大入賞口に入球することはなくて、大入賞口の周りで遊技球がこぼれることになる。よって、例えば大当たり遊技で16Rのラウンド遊技が実行される場合には、大当たり遊技中に合計約32秒(2秒×16R)の残留排出期間が存在することになり、この残留排出検出期間の間、遊技者は持ち球を減らしながら遊技を行うことになる。
そこで第6形態では、上下に配された第1大入賞口30と第2大入賞口35とが、大当たり遊技中の各ラウンド毎に交互に開放する。そして、図50に示すように、第1大入賞口30が閉鎖したタイミングから、第1残留排出検出期間X1(2秒)よりも大幅に短いラウンドインターバル(第1微少待機時間Δx1、0.1秒)が経過したあと、第2大入賞口35が開放するようになっている。また、第2大入賞口35が閉鎖したタイミングから、第2残留排出検出期間X2(2秒)よりも大幅に短いラウンドインターバル(第2微少待機時間Δx2、0.1秒)が経過したあと、第1大入賞口30が開放するようになっている。
こうして第6形態によれば、16Rのラウンド遊技において、ラウンドインターバルが非常に短くなっていて、遊技者にとっては第1大入賞口30が閉鎖した直後に第2大入賞口35が開放し、第2大入賞口35が閉鎖した直後に第1大入賞口30が開放するように感じる。よって大当たり遊技において、遊技球が大入賞口30,35に入球できない期間の合計を約1.6秒(0.1秒×16R)にまで減らすことが可能であり、持ち球の減少を抑制しながら遊技を行うことが可能である。
なお、大当たり遊技において、第1大入賞口30と第2大入賞口35とが同時に開放しているタイミングが存在することはない。そのため、第1微少待機時間Δx1は、開閉部材32,37の開閉タイミングが遊技球の衝突や摩擦抵抗でずれたりすることも考慮して、第2大入賞口35が開放したタイミングにおいて第1大入賞口30が確実に閉鎖しているように設定された時間である。よって、第1微少待機時間Δx1(0.1秒)は、0秒に設定されることはないが、第1残留排出検出期間X1(2秒)よりも短ければ適宜変更可能である。
同様に、第2微少待機時間Δx2は、開閉部材32,37の開閉タイミングが遊技球の衝突や摩擦抵抗でずれたりすることも考慮して、第1大入賞口30が開放したタイミングにおいて第2大入賞口35が確実に閉鎖しているように設定された時間である。よって、第2微少待機時間Δx2(0.1秒)は、0秒に設定されることはないが、第2残留排出検出期間X2(2秒)よりも短ければ適宜変更可能である。
なお第6形態の遊技機は、第1形態のパチンコ遊技機1に対して更に以下の特徴を備えているものである。即ち、第1形態のパチンコ遊技機1において、
第2大入賞口(上側特別入球部)35に入球した遊技球を検出する第2大入賞口センサ(上側遊技球検出手段)35aと、
第1大入賞口(下側特別入球部)30に入球した遊技球を検出する第1大入賞口センサ(下側遊技球検出手段)30aと、
大当たり遊技(特別遊技)の実行中に、
第1大入賞口30の開放後から、第1大入賞口30の閉鎖後の所定の第1残留排出検出期間X1が経過するまでに第1大入賞口センサ30aが遊技球を検出した場合に、第1大入賞口30への遊技球の入球を有効と判断すると共に、
第2大入賞口35の開放後から、第2大入賞口35の閉鎖後の所定の第2残留排出検出期間X2が経過するまでに第2大入賞口センサ35aが遊技球を検出した場合に、第2大入賞口35への遊技球の検出を有効と判断する遊技制御用マイコン(入球有効判断手段)81と、を備え、
遊技制御用マイコン(特別遊技実行手段)81は、
大当たり遊技の実行中に、第1大入賞口30と第2大入賞口35とを交互に開放すると共に、
第1大入賞口30の閉鎖後から第1残留排出検出期間X1よりも短い第1微少待機時間Δx1が経過したときに第2大入賞口35を開放し、
第2大入賞口35の閉鎖後から第2残留排出検出期間X2よりも短い第2微少待機時間Δx2が経過したときに第1大入賞口30を開放するものであることを特徴とする遊技機である。
<その他の変更例>
上記した第1形態では、図5に示すように、電チュー22の進退部材23が後方に退避した退避状態であるときに遊技球が第2始動口21に入球し、進退部材23が前方に進出した進出状態であるときに遊技球が第2始動口21に入球しない。しかしながら、進退部材が進出状態であるときに遊技球が第2始動口21に入球し、進退部材が退避状態であるときに遊技球が第2始動口に入球しない電チューであっても良い。そして電チューは、第2始動口21を開閉する開閉部材が進退部材23になっているものに限られるわけではなく、例えば左右一対の羽根部材が第2始動口を開閉するチューリップタイプの電チューであっても良く、適宜変更可能である。また電チューは、開閉部材が第2始動口を開かせる開位置であるときの方が第2始動口を閉じる閉位置であるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、開閉部材が閉位置であるときに第2始動口への入球が不可能になるものでなくても良い。
また上記した第1形態では、図11に示すように、第1大入賞口30と第2大入賞口35とが上下一対に配されていて、開閉部材32,37が前後方向に開閉動作することにより各大入賞口30,35が開閉するものであった。しかしながら、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)と第2大入賞装置36(第2大入賞口35)とは、その左右方向の位置がずれているように配されていても良い。また、例えば第1大入賞装置31と第2大入賞装置36の少なくとも一方において、羽根部材が左右方向に開閉動作することにより大入賞口が開閉するタイプの大入賞装置であっても良い。即ち、第1大入賞装置31と第2大入賞装置36とは、上下一対で同様の構成のものでなくても良い。
また上記した第1形態では、図3に示すように、入球ユニットUNが第1大入賞装置31と第2大入賞装置36と電チュー22とゲート28とを含んでユニット化されたものであったが、電チュー22とゲート28とを少なくとも含んでユニット化されたものであっても良い。また入球ユニットUNは、遊技盤2の右斜め下方に配されている場合に限られず、遊技盤2の中央下方や左斜め下方に配されていても良い。
また上記した第1形態では、図8に示すように、電チュー22の右側部分25Rの上面と進退部材23の上面と電チュー22の左側部分25Lの上面(下側部材の上面部)とが左斜め下方に向かって傾斜していたが、右斜め下方に向かって傾斜していても良い。この場合、ゲート非通過流路S3は、ゲート28よりも左方に配される。なお、電チュー22の右側部分25Rの上面と進退部材23の上面と電チュー22の左側部分25Lの上面とは、同一平面状の傾斜面を形成している必要はなく、遊技球が右斜め下方又は左斜め下方に流下すれば、形状は適宜変更可能である。
また上記した第1形態では、図8に示すように、遊技球が通過可能に構成されている上側部材がゲート28であったが、例えばワープ部12(図1参照)のような部材であっても良い。またゲート28よりも下方に配される下側部材は、第1形態では電チュー22であり、第5形態では電飾部品140であったが、単なる飾り部材であっても良い。
また上記した第6形態では、図49に示すように、奇数のラウンドにおいて第1大入賞口30が開放し、偶数のラウンドにおいて第2大入賞口35が開放した。しかしながら、奇数のラウンドにおいて第2大入賞口35が開放し、偶数のラウンドにおいて第1大入賞口30が開放するようにしても良い。また第1残留排出検出期間X1と第2残留排出検出期間X2とが同じ時間(2秒)に設定されていたが、異なっていても良く、第1微少待機時間Δx1と第2微少待機時間Δx2とが同じ時間(0.1秒)に設定されていたが、異なっていても良い。
なお上述した長さL1(22.35mm)、長さL2(13.6mm)、角度θ(10度)、角度φ(30度)、距離D1(11、25mm)、距離D2(17.8mm)、長さD3(12.4mm)、長さD4(3.5mm)、長さD5(4.7mm)、長さD6(26.8mm)、距離D8(22.5mm)、長さD9(4.7mm)は、あくまで各形態で示した一例であって適宜変更可能である。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機として説明したが、特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機や、所謂1種2種混合機、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)等、他の種類の遊技機として構成してもよい。また上記形態では、図43に示すように、時短カウンタに100(S2303,S2307参照)をセットし、確変カウンタに100(S2305参照)をセットしたが、これらカウンタにセットする数(時短回数、ST回数)はこれらに限らなくても良い。
また上記した各形態では、図16又は図49に示すように大入賞口を開放させたが、大入賞口の開放態様はこれらに限られなくても良い。また、図18(A)に示す大当たり判定テーブル、図18(B)に示すリーチ判定テーブル、図18(C)に示す普通図柄当たり判定テーブル、図19に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル、図20に示す普通図柄の変動パターン判定テーブルを用いたが、これら以外の各テーブルを用いることは勿論可能である。また上記した各形態の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することも勿論可能である。
なお、上記した実施の形態には、以下の手段1〜6の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が形成された遊技盤(遊技盤2)と、
前記遊技領域に配されていて流下する遊技球が通過可能に構成されている上側部材(ゲート28)と、
前記遊技領域のうち前記上側部材よりも下方に配されていて上方に上面部(本体部材25の右側部分25Rの上面と進退部材23の上面と本体部材25の左側部分25Lの上面)を有する下側部材(電チュー22)と、を備え、
前記遊技領域には、
前記上側部材の上方から流下する遊技球を当該上側部材を通過させて前記下側部材の上面部に向かわせる第1流路(ゲート通過流路S1)と、
前記下側部材の上面部に沿って斜め下方向に遊技球を流下させる第2流路(斜め流下流路S2)と、
前記第1流路と前記第2流路との合流部(合流部G1)より前記第2流路の下流側へ遊技球を流下させる合流出口部分(合流出口部分G2)と、が形成されている遊技機において、
前記遊技領域には、
前記合流部より前記第2流路の上流側から当該合流部へ遊技球を進入させる合流入口部分(合流入口部分G3)と、
前記上側部材の上方から流下する遊技球を当該上側部材を通過させないで、前記下側部材の上面部及び前記合流入口部分に向かわせる第3流路(ゲート非通過流路S3)と、が形成されていて、
前記合流出口部分は、上下方向の長さ(L1)が遊技球の直径の2倍以上になるように形成されていることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、上側部材の上方から流下する複数の遊技球のうち、一部の遊技球は第1流路を流下することで上側部材を通過するのに対して、別の遊技球は第3流路を流下することで上側部材を通過しない。そして、第1流路を通過した遊技球も第3流路を通過した遊技球も、第1流路と第2流路との合流部に到達し、合流出口部分を通って流下し得る。ここで、合流出口部分の上下方向の長さは、遊技球の直径の2倍以上になっている。そのため、第1流路を通過した遊技球と第3流路を通過した遊技球とが合流出口部分で上下に重なった場合でも詰まる(球噛みが生じる)のを抑制することが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記合流入口部分は、上下方向の長さ(L2)が遊技球の直径以上であり且つ遊技球の直径の2倍よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、合流入口部分では、1球ずつ遊技球が通過し、2球以上の遊技球が同時に通過することができない。そのため、仮に第1流路を流下した複数の遊技球が合流部から合流入口部分の方へ流れよう(逆流しよう)としても、1球ずつしか合流入口部分を通過しない。よって、第1流路を流下した多くの遊技球が第3流路を逆流するような事態を抑制することが可能である。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
前記上側部材は、遊技球が通過する通過領域を有するゲートであり、
前記下側部材は、入球部(第2始動口21)と、前記上面部の少なくとも一部を構成していて前記合流部に到達した遊技球が前記入球部に入球する開位置と入球しない閉位置とに変位可能な可動部材(進退部材23)と、を備えた可変入球手段であり、
前記通過領域への遊技球の通過に基づいて当たりか否かの当否判定を実行可能な当否判定手段(S702を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定結果が当たりである場合に、前記可動部材が前記閉位置から前記開位置に変位する補助遊技を実行する補助遊技実行手段(S607を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記ゲートと前記可変入球手段は、前記ゲートを通過した遊技球が流下する方向を変えずに前記入球部に入球できるように、配されていることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、可動部材が開位置にあるときに、ゲートを通過した遊技球が第1流路を流下して入球部に入球可能である。更に、ゲートを通過しなかった遊技球でも、第3流路を流下して入球部に入球可能である。つまり、ゲートを通過した遊技球が流下する方向を変えずに入球部に入球できる構造において、ゲートを通過しなかった遊技球でも入球部へ入球させることが可能である。よって、入球部への遊技球の入球率がゲートへの遊技球の通過率に大きく影響されるのを抑制することが可能である。
手段4に係る発明は、
手段3に記載の遊技機であって、
前記第3流路には、前記合流入口部分よりも当該第3流路の上流で流下する遊技球を当該第3流路の外側へ流出させることが可能な流出部(流出口26)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、第3流路に設けられている流出部によって、第3流路を流下する遊技球の全てが合流入口部分に向かうわけではなく、第3流路を流下する一部の遊技球が流出部に向かうことがあり得る。そのため、入球部の入口の大きさが第3流路を形成する部分の全体を考慮した大きさにはならない。よって、入球部の入口の大きさを予め定められた規定値以内に設定し易くすることが可能である。
手段5に係る発明は、
手段4に記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、前記第3流路を流下する遊技球が前記流出部よりも前記合流入口部分の方へ向かい易くする誘導手段(ガイド部材170、ガイド突起25f)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、誘導手段によって、第3流路を流下する遊技球が流出部よりも合流入口部分の方へ向かうようになる。よって第3流路に流出部が設けられていても、第3流路を流下する遊技球の可変入球部への入球率が低下するのを抑制することが可能である。
手段6に係る発明は、
手段3乃至手段5の何れかに記載の遊技機であって、
前記可変入球手段及び前記ゲートは、少なくとも当該可変入球手段と当該ゲートとを含む入球ユニット(入球ユニットUN)によって構成されていることを特徴とする遊技機である。
手段6に係る発明によれば、入球ユニットによって、可変入球手段及びゲートを一体として遊技盤に組付けることができると共に、遊技盤から取り外すことができる。そのため、可変入球手段及びゲートを別々に遊技盤に組付ける、又は遊技盤から取り外す場合に比べて、組付け作業及び取り外し作業を容易にすることが可能である。