1.遊技機の構造
図1〜図3に基づいて、本発明の一実施形態としての遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている(図1〜図2参照)。遊技機枠50は、外枠(図示せず)と、内枠(図示せず)と、前枠53とを備えている。外枠(基枠部)は、遊技機の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠は、外枠の内側に配置される縦長方形状のユニットであり、中空の領域に遊技盤2が取り付けられる。前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、遊技盤2を保護する。
前枠53は、ベース枠56と、上側装飾ユニット200と、左側装飾ユニット210と、右側装飾ユニット220と、操作機構ユニット230と、を備えている。前枠53には、ガラス板55が取り付けられている。ベース枠56は、表面側(前面側)において、上側装飾ユニット200、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220、および、操作機構ユニット230のそれぞれを着脱可能に取付ける枠体である。図1に示すように、ベース枠56の左上方と右上方には、スピーカ67が設けられており、ベース枠56の左下方には、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。また、図1に示すように、ベース枠56の下端には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構(図示せず)が設けられている。打球供給皿61はベース枠56に取り付けられているが、操作機構ユニット230と一体化(ユニット化)されている。
上側装飾ユニット200は、ベース枠56の上方側であって、前方に突出するように配置されている。これにより、従来の前枠に比べて大きなインパクトを与えることができる。上側装飾ユニット200は、枠可動体600と、枠ランプ66と、を備えている。この枠可動体600は、演出部材として機能する。枠可動体600は、上側装飾ユニット200の上部に設けられた可動式のいわゆる可動役物(ギミック)である。枠可動体600は、上側装飾ユニット200の内部に格納されている格納状態(図1)から、上側装飾ユニット200の上方に突出する露出状態(図45)に変位可能に構成されている。枠ランプ66は、遊技者等から特に目立つように上側装飾ユニット200の前壁部に設けられ、左側から右側に向かって第1発光部341、第2発光部342、第3発光部343、第4発光部344が順に並んで構成されている。発光部341,342,343,344は、遊技の進行に伴う種々の演出等で発光する。第1発光部341は正面視で「O」字状であり、第2発光部342は正面視で「A」字状であり、第3発光部343は正面視で「R」字状であり、第4発光部344は正面視で「O」字状である。発光部341,342,343,344によって、上側装飾ユニット200が「OARO」から成る一連の意味ある文字として発光する。ここでは、「OARO」は、遊技機1の機種名ロゴを意味している。なお、発光部341,342,343,344の形状は「OARO」以外の任意の形状とすることができる。
左側装飾ユニット210は、ベース枠56の左側に配置され、左側装飾部材211を備えている。右側装飾ユニット220は、ベース枠56の右側に配置され、右側装飾部材221と、剣部材222とを備えている。剣部材222は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が下方向に押し込むことができる。
操作機構ユニット230は、ベース枠56の下側に配置され、ハンドル60と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、セレクトボタン(十字キー)68と、を備えている。この演出ボタン63は、操作手段として機能する。ハンドル60は、操作機構ユニット230の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。余剰球受皿(下皿)62は、ハンドル60の左側に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。演出ボタン63およびセレクトボタン(十字キー)68は、操作機構ユニット230の上側に配置され、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作される。
図2に示すように、遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、普通入賞口27と、アウト口16と、表示器類40と、を備えている。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄8L、8C、8Rが可変表示(変動表示ともいう)される演出図柄表示領域と、保留画像群9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄(左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8R)を可変表示可能である。演出図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「1」〜「8」までの数字を表した複数の図柄を有している。演出図柄8L、8C、8Rの可変表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示と同期している。画像表示装置7は、演出図柄の組み合わせ(図柄配列)によって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bによって表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。演出図柄を装飾図柄とも呼ぶ。
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を後述する第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bのほか、画像表示装置7によって把握することができる。なお、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様が例示できる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄変動演出」、「装飾図柄変動演出」または、単に「変動演出」と呼ぶ。
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示するようになっている。なお、識別表示(第四図柄)は、表示画面7aに表示する代わりに、表示画面7a外の遊技領域3に設けられたランプ(LED)などの発光器を所定の態様で制御することにより(例えば、特別図柄が変動中は点灯、停止中は消灯、第1特別図柄は青、第2特別図柄は赤)、その機能を持たせるようにしてもよい。この識別表示(第四図柄)は、常時遊技者に認識可能に表示され、例えば役物が動作した場合等で隠されないように設けられる。このような識別表示(第四図柄)を設けることにより、遊技者は現在の遊技状況を適正に判断することが可能になる。
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像群9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像群9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像群9A、9Bの表示によって、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数と、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在行われている演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)を用いた変動演出に対応する保留の大当たり期待度などを示唆することが可能となっている。また、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。センター装飾体10の上部には、格納状態の盤可動体15が配置されている。
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、大当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
普通可変入賞装置(電チュー)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、第2始動口21の前方に可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置され、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28への遊技球の通過は、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得および当たり判定等の契機となっている。
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示器41aまたは第2特別図柄表示器41bにおいて特別図柄の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が停止後確定表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。また、画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームにより、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、後述の普通図柄表示器42(図3)において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止後確定表示(点灯または消灯)して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。
第1大入賞装置(第1アタッカー、第1特別可変入賞装置)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置される。第1大入賞装置31は、第1大入賞口(第1特別入賞口)30と、V領域39と、V開閉部材71と、非V領域70と、を備えている(図2)。第1大入賞口30は、前方において、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備えている。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のとき遊技球が入球可能となる。V開閉部材71は、第1大入賞口30に遊技球が入賞した場合において、閉状態とすることで、当該入賞した遊技球を非V領域70に入球可能とし、開状態とすることで、当該入賞した遊技球をV領域39に入球可能とする。
第2大入賞装置(第2アタッカー、第2特別可変入賞装置)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置される。第2大入賞装置36は、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えている(図2)。第2大入賞口35は、前方において、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、羽根部材)37を備えている。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
普通入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。なお、普通入賞口27は複数設けるようにしてもよい。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器類40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。表示器類40の詳細については後述する。
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
図3は、表示器類40の拡大図である。表示器類40は、第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄表示器41bと、普通図柄表示器42と、第1特図保留表示器43aと、第2特図保留表示器43bと、普図保留表示器44と、を含んでいる。第1特別図柄表示器41aは、第1特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示器41bは、第2特別図柄を可変表示する。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示する。第1特図保留表示器43aは、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する。第2特図保留表示器43bは、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する。普図保留表示器44は、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する。第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。以下では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」とも呼ぶ。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器41」とも呼ぶ。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器43」とも呼ぶ。
特別図柄表示器41は、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによって第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)がおこなわれる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、ハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。特別図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域85(図8)に特図保留(特図保留情報)として一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域85a(図8)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域85b(図A8)に記憶される。各々の特図保留記憶領域85は、それぞれ、4つの記憶領域を備えたFIFO構造となっており、各々の特図保留記憶領域85に記憶可能な特図保留の数の上限値はそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。各々の特図保留記憶領域85における4つの記憶領域は、特図保留の消化順序と対応付けられており、特図保留の消化が実行される場合には、4つの記憶領域に記憶された保留を消化順に対応するようにシフトする。以上より、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。特図保留表示器43は、例えば、4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることによって特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機としておこなわれる。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによってゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。普図停止図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶領域86(図8)に普図保留(普図保留情報)として一旦記憶される。普図保留記憶領域86は、4つの記憶領域を備えたFIFO構造となっており、普図保留記憶領域86に記憶可能な特図保留の数の上限値は4個となっている。普図保留記憶領域86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。普図保留記憶領域86における4つの記憶領域は、普図保留の消化順序と対応付けられており、普図保留の消化が実行される場合には、4つの記憶領域に記憶された保留を消化順に対応するようにシフトする。以上より、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。普図保留表示器44は、例えば、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることによって普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
図4〜図6に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。図4は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図5は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図6は、遊技機1の枠中継基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80と、サブ制御基板90と、枠中継基板99と、画像制御基板100と、ランプ制御基板107と、音声制御基板106と、払出制御基板110と、を備えている。主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、RAMクリアスイッチ89と、を備えている(図4)。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROM83と、ワークメモリとして使用されるメインRAM84と、メインROM83に記憶されているプログラムを実行するメインCPU82と、を含んでいる。メインROM83に記憶されているデータの詳細、および、メインRAM84に設けられている記憶領域の詳細については後述する。メインROM83は外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
RAMクリアスイッチ89は、RAMクリアスイッチ89の操作によって、メインRAM84から、遊技状態や未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報が消去(クリア)されるように構成されている。RAMクリアスイッチ89は、主制御基板80を保護する図示しない保護カバー(主基板ケース)から露出している。そのため、主制御基板80から保護カバーを外すことなく操作することができる。RAMクリアスイッチ89は、遊技機1の裏側(背面側)に配置されているため、表側と対面する遊技者は操作することができない。一方、ホール管理者は、遊技機1の前枠53および内枠を外枠から開放することで、RAMクリアスイッチ89を操作できるようになっている。このように、RAMクリアスイッチ89は、遊技者が操作できない位置であり、かつ、ホール管理者が操作可能な位置に配置されている。
主制御基板80には、入出力回路87および中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板80は、各センサから出力された信号が入力するとともに、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板88を介して接続されるセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、および、普通入賞口センサ27a、が例示される。中継基板88を介して接続されるソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および、V開閉部材ソレノイド73が例示される。第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、第1大入賞口30の内部のV領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、第1大入賞口30の内部の非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31のV開閉部材71を駆動する。
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器類40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44についての表示制御おこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、前枠開放スイッチ58と、内枠開放スイッチ59と、が接続され、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。賞球払出装置120は、賞球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しをおこなう。払い出される賞球は、計数のために賞球センサ122によって検知される。貸球払出装置130は、貸球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しをおこなう。払い出される貸球は、計数のために貸球センサ132によって検知される。カードユニット135は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。前枠開放スイッチ58は、前枠53の開放を検知する。前枠53が開放されると、前枠開放スイッチ58から出力された信号(前枠開放スイッチ58の「ON」状態を示す信号)が払出制御基板110を介して主制御基板80に入力され、さらに、主制御基板80からサブ制御基板90に入力される。内枠開放スイッチ59は、内枠の開放を検知する。内枠が開放されると、内枠開放スイッチ59から出力された信号(内枠開放スイッチ59の「ON」状態を示す信号)が払出制御基板110を介して主制御基板80に入力され、さらに、主制御基板80からサブ制御基板90に入力される。発射装置112は、ハンドル60(図1)と、発射モータ113と、タッチスイッチ114と、発射ボリューム115と、を備えている。発射装置112は、遊技者によるハンドル60の操作があった場合に、タッチスイッチ114によってハンドル60の接触を検知し、発射ボリューム115によってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータ113を駆動する。
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROM93と、ワークメモリとして使用されるサブRAM94と、サブROM93に記憶されているプログラムを実行するサブCPU92と、を含んでいる。サブROM93に記憶されているデータの詳細、および、サブRAM94に設けられている記憶領域の詳細については後述する。サブROM93は外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、枠中継基板99(図6)とが接続されている。
画像制御基板100は、画像制御用マイコン101と、入力回路105aと、出力回路105bとを備えている。画像制御用マイコン101は、画像制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう。画像制御用マイコン101は、CPU102と、ROM103と、RAM104とを含んでいる。ROM103には、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。RAM104は、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPU102は、ROM103に記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御をおこなわせる。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて表示制御をおこなう。
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、スピーカ67を制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のサブROM93に格納されている。なお、音声制御基板106は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよい。さらに、音声制御基板106は、ROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらに、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、盤可動体15と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のサブROM93に格納されているデータが用いられる。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、盤可動体15(図A2)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(ここでは上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図A2)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態に変位可能に構成されている。
図6に示すように、枠中継基板99には、入出力回路96を介して、演出ボタン検出スイッチ63aと、セレクトボタン検出スイッチ68aと、タッチセンサ321と、役物駆動用モータ641と、フォトセンサ531とが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1)が押下操作されたことを検出する。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから、枠中継基板99を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68(図1)が押下操作されたことを検出する。セレクトボタン68が押下されるとセレクトボタン検出スイッチ68aから、枠中継基板99を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。タッチセンサ321は、前枠53に設けられており、人体が接触すると、枠中継基板99を介してサブ制御基板90に検出信号が出力される。役物駆動用モータ641は、枠可動体600(図1)を駆動させる。サブ制御基板90から枠中継基板99を介して役物駆動用モータ641に駆動信号が出力されると、役物駆動用モータ641が駆動する。フォトセンサ531は、枠可動体600の位置を検出する。フォトセンサ531の検出信号は、枠中継基板99を介してサブ制御基板90に出力される。
演出制御用マイコン91は、盤可動体15や枠可動体600の動作態様を決める駆動データ(後述の演出パターンの一部)を作成し、駆動データに従って盤可動体15や枠可動体600の動作を制御する。駆動データの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づくランプの点灯制御を実行させてもよい。また、枠可動体600は、ランプ制御基板107に接続され、ランプ制御基板107に動作制御されてもよい。この場合、ランプ制御基板107はROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機のデータ構成
図7〜図10に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。図7は、メインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。図8は、メインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。図9は、サブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。図10は、サブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
メインROM83には、図7に示すように、大当たり判定テーブルT1と、リーチ判定テーブルT2と、普通図柄当たり判定テーブルT3と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4と、大当たり種別判定テーブルT5と、変動パターン判定テーブルT6と、電チュー開放パターン判定テーブルT7と、大入賞口開放パターン判定テーブルT8と、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9と、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。各判定テーブルの具体的な内容については後述する。
メインRAM84には、図8に示すように、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域85と、普図保留記憶領域86とが設けられている。コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなどがセットされる。フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、Vフラグ、確変フラグ、時短フラグなどがセットされる。カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、確変カウンタ、時短カウンタ、ラウンドカウンタ(図示せず)などがセットされる。特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。特図保留記憶領域85は、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域85aと、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域85bとを含んでいる。第1特図保留記憶領域85aには、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する大当たり乱数等の乱数値群を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域85bには、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。普図保留記憶領域86は、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(あたり乱数)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。なお、メインRAM84には、上記の領域の他に、特図停止図柄データがセットされる大当たり種別セットバッファなどの種々のバッファが設けられている。
サブROM93には、図9に示すように、停止図柄パターン決定テーブルT51と、オープニング演出パターン決定テーブルT52と、ラウンド演出パターン決定テーブルT53と、エンディング演出パターン決定テーブルT54と、客待ち演出パターン決定テーブルT55と、基幹演出パターン決定テーブルT100と、チャンスアップ決定テーブルT101と、ボタン演出パターン決定テーブルT102とが格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。各決定テーブルの具体的な内容については後述する。
サブRAM94には、図10に示すように、コマンド記憶領域94aと、演出開始コマンドセット領域94bと、カウンタセット領域94dと、フラグセット領域94eとが設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなどが格納される。演出開始コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、枠中継基板99に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。カウンタセット領域94dは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタなどがセットされる。フラグセット領域94eは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるフラグがセットされる領域であり、ボタン演出フラグ、ボタン演出開始フラグなどがセットされる。
図11は、遊技機1において使用される各種の乱数を説明するための図である。図11(A)は、メイン制御部側の遊技制御用マイコン81が取得する乱数を示しており、図11(B)は、サブ制御部側の演出制御用マイコン91が取得する乱数を示している。遊技制御用マイコン81は、「大当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数(当たり乱数)」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「大当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0〜65535までの範囲の値をとる。「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態
であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(大当たりを示唆する大当たり図柄配列のうちの一つの図柄が異なる状態:例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲の値をとる。「大当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域85aに記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域85bに記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域86に記憶される。
演出制御用マイコン91は、「チャンスアップ乱数」と、「タイミング規定乱数」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「タイミング規定乱数」は、後述のボタン演出役物駆動処理で用いられ、枠可動体600の駆動タイミングを規定し得る乱数であり、0〜98までの範囲の値をとる。取得された乱数値群はサブRAM94に記憶される。
図12は、判定テーブルT1〜T4を説明するための図である。図12(A)には、大当たり判定テーブルT1を説明するための図が示され、図12(B)には、リーチ判定テーブルT2を説明するための図が示され、図12(C)には、普通図柄当たり判定テーブルT3を説明するための図が示され、図12(D)には、普通図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図が示されている。
大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり乱数値(0〜65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図12(A)では、「通常確率状態」において、大当たり乱数値が「0〜164」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0〜164以外の数値(165〜65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「高確率状態」において、大当たり乱数値が「0〜649」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0〜649以外の数値(650〜65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。「通常確率状態」および「高確率状態」の内容については後述する。
リーチ判定テーブルT2は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0〜127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図12(B)では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0〜13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0〜13以外の数値(14〜127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0〜5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0〜5以外の数値(6〜127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。「時短状態」および「非時短状態」の内容については後述する。リーチ判定テーブルT2では、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。
普通図柄当たり判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0〜255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図12(C)では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0〜2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0〜2以外の数値(3〜255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0〜254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0〜254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
普通図柄変動パターン判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。図12(D)では、「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定されることが示されている。
図13は、大当たり種別判定テーブルT5を説明するための図である。大当たり種別判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0〜127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」と「特別図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。図13では、第1特別図柄(特図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0〜24」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図1の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「25〜49」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄2」と判定される。大当たり種別乱数値が「50〜55」の場合には、大当たり種別が「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄3」と判定される。大当たり種別乱数値が「56〜59」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄4」と判定される。大当たり種別乱数値が「60〜63」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。大当たり種別乱数値が「64〜67」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄6」と判定される。大当たり種別乱数値が「68〜127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄7」と判定される。一方、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した場合、大当たり種別乱数値によらず(0〜127のいずれであっても)、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図2の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定されることが示されている。なお、大当たり種別判定テーブルT5を参照することによって、特図停止図柄に対応する「特図停止図柄データ」、特別遊技の「オープニング(OP)コマンド」、「ラウンド指定コマンド」、「エンディング(ED)コマンド」も特定することができる。「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の具体的な内容については後述する。
図14は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。図15は、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。変動パターン判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0〜127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図14では、例えば、非時短状態において第1始動口20に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルT2において「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1〜2」であり、変動パターン乱数値が「0〜60」の場合には、変動パターンが「P7」と判定されることが示されている。図15では、例えば、時短状態において第2始動口21に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、大当たり種別判定テーブルT5において「16RV通過予定大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「0〜10」の場合には、変動パターンが「P61」と判定されることが示されている。図14,15に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。大当たりの場合は、必ずスーパーリーチとなる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、スーパーリーチは、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また、図14,15に示されるように、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもノーマルリーチとなる確率が低く、スーパーリーチとなる確率が高くなっている。つまり、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、保留球数の多いときの方が、ノーマルリーチの出現率が高く、スーパーリーチの出現率が低くなっている。さらに、この傾向は、第1始動口20よりも第2始動口21の方が顕著である。
また、図14,15に示されるように、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもノーマルリーチの変動時間が長くなっている。同様に、「ハズレ」と判定されたときにリーチにならない場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもリーチ無しハズレの変動時間が長くなっている。つまり、「ハズレ」と判定されたときのノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間は、保留球数の多いときの方が短くなっている。ここで、第1始動口20と第2始動口21の対応するノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間を比較すると、非時短状態(図14)および時短状態(図15)の双方で、第1始動口20よりも第2始動口21の方が短くなっている(P7>P24、P11>P28、P15>P32、P16>P33、P47>P64、P51>P68、P55>P72、P56>P73)。さらに、ノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間は、第1始動口20では、非時短状態(図A14)と時短状態(図A15)とで同一となっている(P7=P47、P11=P51、P15=P55、P16=P56)が、第2始動口21では、非時短状態(図A14)の方が時短状態(図A15)よりも長くなっている(P24>P64、P28>P68、P32>P72、P33>P73)。
このように構成することにより、第1始動口20および第2始動口21において、保留球数が多いとき(所定数以上のとき)は、変動時間を短くして速やかに保留数を消化することができる。その結果、保留がオーバーフローしてしまうことを低減することができ、興趣が向上する。また、「ハズレ」と判定された場合、第2始動口21は、第1始動口20よりも変動時間が相対的に短く、且つ、非時短状態よりも時短状態の方が変動時間が相対的に短くなっている。すなわち、第2始動口21に係る特図2は、第1始動口20に係る特図1よりも消化が早くなっている。その結果、特に時短状態で第2始動口21のハズレに係わる変動時間を短くして速やかに次の大当たりを狙うことができ、興趣が向上する。なお、第1始動口20の変動時間は、非時短状態と時短状態とで同一としたが、第2始動口21に準じて、非時短状態の方を時短状態よりも長くするようにしてもよい。
図16は、電チュー開放パターン判定テーブルT7を説明するための図である。電チュー開放パターン判定テーブルT7は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図16(A)では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定されることが示されている。図16(B)には、開放パターン11と開放パターン12の内容が示されている。開放パターン11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大10個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
図17は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8およびV開閉部材開放パターン判定テーブルT9を説明するための図である。図17(A)は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8を示し、図17(B)は、大入賞口開放パターンの内容を示し、図17(C)は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9を示している。なお、図17では、後述する大当たり遊技におけるラウンド遊技を「R」で表記している。例えば、1Rは、1回目のラウンド遊技を示している。
大入賞口開放パターン判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(図13)に応じて、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図17(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンは「開放パターン21」と判定され、特図停止図柄データが「14H」、「15H」、「16H」、または、「17H」のとき、開放パターンは「開放パターン22」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン23」と判定されることが示されている。図17(B)には、開放パターン21、開放パターン22および開放パターン23の内容が示されている。開放パターン21では1〜13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン22では1〜13R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、15R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第1大入賞口30の開放(ショート開放)をおこなう。開放パターン23では1〜13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。ただし、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
図17(C)に示すV開閉部材開放パターン判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(図13)に応じて、V開閉部材71の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図17(C)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、「13H」、「14H」、「15H」、「16H」、または、「21H」のとき、V開閉部材71の開放パターンは「開放パターン31」と判定され、特図停止図柄データが「17H」のとき、開放パターンは「開放パターン32」と判定されることが示されている。また、開放パターン31は、大当たり遊技の2R目において、第1大入賞口30に2個目の入賞があったときに、開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこない、開放パターン32は、大当たり遊技の2R目において、第1大入賞口30に2個目の入賞があったときに、開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなうことが示されている。
4.大当たり等の説明
遊技機1における大当たり等について説明する。遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果としての「大当たり」と「ハズレ」がある。「大当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については、図13に示すとおりである。ここでは、大当たりの種別としては、大きく分けて「V通過予定大当たり」と「V非通過予定大当たり」の2つある。「V通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能な開放パターン(V通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが11H〜16H,21Hの大当たりが「V通過予定大当たり」に該当する。図17(A)に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、図17(C)に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが(開放パターン21:開放パターン31)、(開放パターン22:開放パターン31)、または、(開放パターン23:開放パターン31)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能となる。「V非通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能な開放パターン(V非通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが17Hの大当たりが「V非通過予定大当たり」に該当する。図17(A)に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、図17(C)に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが、(開放パターン22:開放パターン32)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能となる。
「V通過予定大当たり」は、「16RV通過予定大当たり」と、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と、を含んでいる。「16RV通過予定大当たり」は、実質的な総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する(図17(A):開閉部材32および開閉部材37の開放パターン21)。2R目に、V開閉部材71がロング開放され(図17(C):V開閉部材71の開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図17(A):開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、実質13Rの大当たりとなっている。2R目に、V開閉部材71がロング開放され(図17(C):V開閉部材71の開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16Rでは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rでは第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図17(A):開閉部材32および開閉部材37の開放パターン23)。従って、この「16R(実質15R)V通過予定大当たり」では14Rは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、実質15Rの大当たりとなっている。2R目に、V開閉部材71がロング開放され(図17(C):V開閉部材71の開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「V非通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13となる開放パターン22の「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図17(A):開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は実質13Rの大当たりとなっている。2R目に、V開閉部材71は開放されるもののその開放はショート開放であり(図17(C):V開閉部材71の開放パターン32)、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
上記の説明から明らかなように、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、第1大入賞口30と第2大入賞口35(開閉部材32と開閉部材37)との開放パターンが同一(開放パターン22)であり、V開閉部材71の開放パターンのみが異なっている(開放パターン31と開放パターン32)。そして、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は低確時短状態(低確高ベース状態)となる。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39への遊技球の通過が容易に可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は高確時短状態(高確高ベース状態)となる可能性高い。このことから、遊技者は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とを見分けることが困難になり、遊技者に対して、実質13R大当たりの場合には、高確時短状態への期待感を残すことができるので、興趣を向上させることができる。
また、図13に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、V通過予定大当たりが68/128(約53%)、V非通過予定大当たりが60/128(約47%)となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てV通過予定大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずV通過予定大当たりとなる。このように遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
5.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41に表示する特別図柄および普通図柄表示器42に表示する普通図柄に対して、それぞれ、「確率変動制御」と「変動時間短縮制御」とを実行可能である。ここでは、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御している状態を「高確率状態」と呼び、確率変動制御していない状態を単に「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確率変動制御として、大当たりと判定される大当たり乱数値の数が通常確率状態よりも多い高確率状態における大当たり判定テーブル(図12(A))を用いた大当たり判定をおこなうことにより、高確率状態を実現する。従って、高確率状態は、通常確率状態よりも大当たりの確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を単に「非時短状態」という。遊技制御用マイコン81は、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルT6(図14、図15)を用いた変動パターンの判定をおこなうことにより、時短状態を実現する。従って、時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)の平均値が、非時短状態よりも短くなっている。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。なお、遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41の特別図柄に対して、確率変動制御と変動時間短縮制御とを同時に実行することもあるし、片方のみ実行することもある。
遊技制御用マイコン81は、普通図柄表示器42の普通図柄に対する「確率変動制御」および「変動時間短縮制御」を、特別図柄表示器41の特別図柄に対する変動時間短縮制御に同期して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルT3(図12(C))を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄表示器42の普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図12(D))。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図16)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図16)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。遊技制御用マイコン81が、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」ともいい、実行されていない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。時短状態は、高ベース状態であり、非時短状態は、低ベース状態である。
遊技機1では、V通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」、または、「高確時短状態」ともいう。高確高ベース状態は、所定回数(ここでは160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。また、V非通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39の通過がなされていなければ(なされることはほぼない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」、「低確時短状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(ここでは100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」、または、「低確非時短状態(単に、非時短状態とも呼ぶ)」、と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(図2)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(図2)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.遊技制御用マイコン81の動作
図18〜図35に基づいて主制御基板80に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。
[主制御メイン処理]
図18は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。
主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、電源投入時処理をおこなう(ステップS001)。電源投入時処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。電源投入時処理では、遊技制御用マイコン81は、電源投入後、所定時間内にRAMクリアスイッチ89の操作があった場合には、メインRAM84の全領域クリアを実行し、メインRAM84の作業領域の初期設定をおこない、RAMクリア報知コマンドをコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセット(記憶)する。生成する。一方、RAMクリアスイッチ89の操作がなかった場合には、チェックサムを算出し、当該算出値が、後述の電源断監視処理で記憶した電源断時のメインRAM84のデータにおけるチェックサムの値と一致している否かを判定するチェックサム判定を行う。チェックサム判定の結果、一致していないとの判定の場合には、メインRAM84の全領域クリアを実行し、メインRAM84の作業領域の初期設定をおこない、RAMクリア報知コマンドをコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセット(記憶)する。チェックサム判定の結果、一致しているとの判定の場合には、作業領域を設定し、メインROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をメインRAM84の作業領域にセットする。なお、本実施形態では、RAMクリア報知コマンドの入力に基づいて、演出制御用マイコン91が後述するRAMクリアの報知をおこなう。
電源投入時処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、図11(A)で示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)でメインCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに、メインCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
図19は、メイン側タイマ割り込み処理(図18:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普通図柄乱数(図11(A)参照)を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(図18)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a(図4)である。
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)、普通動作処理(ステップS104)、特別動作処理(ステップS105)、V領域センサ検出処理(ステップS106)、保留球数処理(ステップS107)、を順に実行する。これらの処理の詳細については後述する。
遊技制御用マイコン81は、保留球数処理後には、電源断監視処理(ステップS108)を実行する。この電源断監視処理では、遊技制御用マイコン81は、電源断信号の入力があった場合に、現在の状態に関するデータをメインRAM84に記憶し、チェックサムを作成する。
電源断監視処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理(ステップS109)を実行する。出力処理では、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。
[始動口センサ検出処理]
図20は、始動口センサ検出処理(図19:ステップS103)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、ゲート28に遊技球が通過したか否かの判定をおこなう(ステップS201)。この判定は、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。ゲート28を遊技球が通過していない場合(ステップS201:NO)、処理はステップS205にスキップする。ゲート28を遊技球が通過した場合(ステップS201:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数が4であるか否かの判定をおこなう(ステップS202)。普通図柄保留球数とは、普図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた普図保留の数をカウントするカウンタの値である。普通図柄保留球数が4であれば(ステップS202:YES)、処理はステップS205にスキップする。普通図柄保留球数が3以下の場合(ステップS202:NO)、普通図柄保留球数に「1」を加算した後(ステップS203)、普通図柄乱数取得処理をおこなう(ステップS204)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、普通図柄乱数カウンタの値(図11:ラベル−TRND−Hの値)を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域86の第1〜第4記憶領域のうち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(ステップS205:NO)、処理はステップS210にスキップする。遊技球が入賞した場合(ステップS205:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数が4(上限値)以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS206)。特図2保留球数とは、第2特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図2保留球数が4であれば(ステップS206:YES)、処理はステップS210にスキップする。特図2保留球数が3以下の場合(ステップS206:NO)、特図2保留球数に「1」を加算した後(ステップS207)、特図2関係乱数取得処理をおこなう(ステップS208)。ここでは、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値とは、それぞれ、図11のラベル−TRND−Aの値、ラベル−TRND−ASの値、ラベル−TRND−RCの値、ラベル−TRND−T1の値である。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値)を第2特図保留記憶領域85bの第1〜第4記憶領域うち、現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に特図2保留(特図2保留情報)として格納する。なお、遊技制御用マイコン81は、いわゆる先読み処理(事前判定処理)のために、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bとは異なるバッファにも一時的に記憶(保持)させるようにしてもよい。
ステップS210では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(ステップS210:NO)、本処理を終了する。第1始動口20に遊技球が入賞した場合(ステップS210:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数が4(上限値)以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS211)。特図1保留球数とは、第1特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図1保留球数が4であれば(ステップS211:YES)、本処理を終了する。特図1保留球数が3以下の場合(ステップS211:NO)、特図1保留球数に「1」を加算した後(ステップS212)、特図1関係乱数取得処理をおこなう(ステップS213)。ここでは、上述の特図2関係乱数取得処理(ステップS208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aの第1〜第4記憶領域うち、現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に特図1保留(特図1保留情報)として格納する。遊技制御用マイコン81は、いわゆる先読み処理(事前判定処理)のために、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aとは異なるバッファにも一時的に記憶(保持)させるようにしてもよい。
[普通動作処理]
図21は、普通動作処理(図19:ステップS104)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー22が作動中か否かの判定をおこなう(ステップS501)。電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、処理はステップS520に移行する。電チュー22が作動中ではない場合(ステップS501:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動中か否かの判定をおこなう(ステップS502)。普通図柄の変動中の場合(ステップS502:YES)、処理はステップS508にスキップする。普通図柄の変動中ではない場合(ステップS502:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」か否かの判定をおこなう(ステップS503)。保留球数が「0」の場合(ステップS503:YES)、本処理を終了する。保留球数が1以上ある場合(ステップS503:NO)、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(ステップS504)。従って、普通図柄の保留球数が「0」の状態でゲート28を遊技球が通過した場合、始動口センサ検出処理(図A20)のステップS203において、一旦、普通図柄の保留球数が「1」になり、その後、本ステップS504において保留が消化され即座に普通図柄の保留球数が「0」になる。これは、特別図柄の保留球数についても同様である。すなわち、始動口センサ検出処理(図20)のステップS207およびステップS212において、一旦、特別図柄の保留数が「1」になり、その後、後述の特別図柄待機処理(図A23)におけるステップS1404およびステップS1410において保留が消化され特別図柄の保留球数が「0」になる。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり判定テーブルT3(図12(C))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS505)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域(普図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての普通図柄乱数値(当たり乱数値)を読み出す。そして、普通図柄乱数値と、遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり判定テーブルT3とを用いて当たりか否かを判定する。例えば、非時短状態において、普通図柄乱数値が「0」〜「2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値がそれ以外の場合には、「ハズレ」と判定される。
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルT4(図12(D))を参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS506)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4とを用いて、普通図柄変動パターンとしての普通図柄の変動時間を選択する。ここでは、非時短状態のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、時短状態のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる(ステップS507)。
ステップS508では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう。普通図柄の変動時間とは、ステップS506で選択された変動時間である(図12(D)参照)。変動時間が終了していない場合(ステップS508:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS508:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動表示を停止させ(ステップS509)、上述の当たり判定(ステップS505)において「ハズレ」の場合には(ステップS510:NO)、本処理を終える。一方、上述の当たり判定で「当たり」の場合には(ステップS510:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターンのセットをおこなう(ステップS511)。電チュー22の開放パターンは、電チュー開放パターン判定テーブルT7(図16(A))を参照して選択される。具体的には、遊技制御用マイコン81は、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、電チュー開放パターン判定テーブルT7とを用いて電チュー22の開放パターンを選択する。ここでは、非時短状態のとき、「開放パターン11」が選択され、時短状態のとき、「開放パターン12」が選択される。開放パターンの選択後、遊技制御用マイコン81は、選択した開放パターンに従うように電チュー作動を開始させ(ステップS512)、本処理を終える。
上述のステップS501において、電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS520)。ここでの閉鎖条件は、電チュー22への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば6個)に達したこと、または、電チュー22の作動時間が経過して電チュー22を閉鎖させる時間に至ったことのいずれかが満たされていることである。電チュー22の作動時間とは、ステップS511で選択された開放パターンに対応する作動時間である(図16参照)。電チュー22の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS520:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の閉鎖条件が成立している場合(ステップS520:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22を閉鎖(閉塞)してその作動を停止し(ステップS521)、本処理を終える。
[特別動作処理]
図22は、特別動作処理(図19:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、大当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO)、特別電動役物処理をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図23は、特別図柄待機処理(図22:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、第2始動口21の保留球数(特図2保留)が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域85bに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する
特図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域85bに格納されている特図2保留(各種乱数値)を現在の位置から読み出される側に1つシフトするシフト処理を実行する(S1402)。この場合、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に記憶されている特図2保留(各種乱数値)は、メインRAM84の所定のバッファに設けられる判定領域に移動される。このステップにより、第2特図保留が保留された順に消化される。なお、このとき、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に対応する保留画像群9Bのうち左端の保留画像が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示され、また、第2特図保留記憶領域85bの第2〜第4記憶領域に対応する保留画像群9Bの保留画像(左中、右中、右端)がある場合には、それぞれ左側に1つシフトする(図2参照)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1403)、および、変動パターン選択処理(ステップS1404)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特図2保留球数を1つディクリメントする(ステップS1405)。次に、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特図2変動開始処理では、変動開始コマンドをセットして第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、特別動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1403)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1404)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
ステップS1401において、特図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20の保留球数(特図1保留)が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。
特図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域85aに格納されている特図1保留(各種乱数値)を現在の位置から読み出される側に1つシフトするシフト処理を実行する(S1408)。この場合、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に記憶されている特図1保留(各種乱数値)は、メインRAM84の所定のバッファに設けられる判定領域に移動される。このステップにより、第1特図保留が保留された順に消化される。なお、このとき、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に対応する保留画像群9Aのうち右端の保留画像が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示され、また、第1特図保留記憶領域85aの第2〜第4記憶領域に対応する保留画像群9Aの保留画像(左端、左中、右中)がある場合には、それぞれ右側に1つシフトする(図2参照)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1409)、および、変動パターン選択処理(ステップS1410)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特図1保留球数を1つディクリメントする(ステップS1411)。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特図1変動開始処理では、変動開始コマンドをセットして第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、特別動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1409)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1410)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
ステップS1407において、特図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルT5(図13)によれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選しやすくなっている。
[大当たり判定処理]
図24は、大当たり判定処理(図23:ステップS1403、S1409)のフローチャートである。特図2の大当たり判定処理(ステップS1403)と特図1の大当たり判定処理(ステップS1409)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。大当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1501)。確変フラグがONの場合(ステップS1501:YES)、遊技制御用マイコン81は、S1402またはS1408の保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された保留(各種乱数値)に含まれる大当たり乱数値と、大当たり判定テーブルT1(図12(A))のうちの高確率状態用テーブルとに基づいて大当たり判定をおこなう(ステップS1502)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特図2の大当たり判定処理では、S1402の特図2保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された大当たり乱数値と、大当たり判定テーブルT1のうちの高確率状態用テーブルとに基づいて大当たり判定を行う。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
ステップS1501において、確変フラグがOFFの場合(ステップS1501:NO)、遊技制御用マイコン81は、遊技制御用マイコン81は、S1402またはS1408の保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された保留(各種乱数値)に含まれる大当たり乱数値と、大当たり判定テーブルT1(図12(A)参照)のうちの通常確率状態用テーブルとに基づいて大当たり判定をおこなう(ステップS1504)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特図1の大当たり判定処理では、S1408の特図2保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された大当たり乱数値と、大当たり判定テーブルT1のうちの通常確率状態用テーブルとに基づいて大当たり判定を行う。ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
大当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1503、S1505:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをONにし(ステップS1506)、次に、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、S1402またはS1408の保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された保留(各種乱数値)に含まれる大当たり種別乱数値と、大当たり種別判定テーブルT5(図13参照)とに基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。例えば、遊技制御用マイコン81は、特図1の大当たり判定処理では、S1408の特図2保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された大当たり種別乱数値と、大当たり種別判定テーブルT5とに基づいて、大当たり種別の判定を行う。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図13参照)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。一方、ステップS1503またはステップS1505において、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。上述のように、遊技制御用マイコン81は、当否判定手段として機能する。
[変動パターン選択処理]
図25および図26は、変動パターン選択処理(図23:ステップS1404、S1410)のフローチャートである。特図2の変動パターン選択処理(ステップS1404)と特図1の変動パターン選択処理(ステップS1410)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。変動パターン選択処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、遊技状態が時短状態であるか否かの判定をおこなう(ステップS1600)。この場合、時短フラグがONのときには、時短状態であると判定し、時短フラグがOFFであるときには、時短状態ではないと判定する。時短状態である場合(ステップS1600:YES)、処理はステップS1612に移行する。時短状態でない場合(ステップS1600:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1602)。大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、ステップS1607の処理に移行する。大当たりフラグがONの場合(ステップS1602:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりが特図2か否かの判定をおこなう(ステップS1603)。大当たりが特図2の場合(ステップS1603:YES)、大当たり種別が必ずV通過予定大当たりとなるため、ステップS1605の処理に移行する。大当たりが特図1の場合(ステップS1603:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別がV通過予定大当たりか否かの判定をおこなう(ステップS1604)、大当たり種別の判定は、メインRAM84にセットされている特図停止図柄データに基づいておこなわれる。
大当たり種別がV通過予定大当たりの場合(ステップS1604:YES)、遊技制御用マイコン81は、S1402またはS1408の保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された保留(各種乱数値)に含まれる変動パターン乱数値と、変動パターン判定テーブルT6(図14参照)のうち、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとに基づいて変動パターンの選択をおこなう(ステップS1605)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特図2の大当たり判定処理では、S1402の特図2保留記憶領域シフト処理によって判定領域に移動された変動パターン乱数値と、変動パターン判定テーブルT6のうち、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとに基づいて大当たり判定を行う。ここでは、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとして、図14に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特図1では変動パターンが「P1」〜「P3」の部分、特図2では変動パターンが「P21」〜「P23」の部分)が参照される(アドレスがセットされる)。読み出した変動パターン乱数値から、特図1では変動パターンとして「P1」〜「P3」のいずれか、特図2では「P21」〜「P23」のいずれかが選択される。
大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合(ステップS1604:NO)、遊技制御用マイコン81は、判定領域の変動パターン乱数値と、変動パターン判定テーブルT6(図14参照)のうち、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルとに基づいて変動パターンの選択をおこなう(ステップS1606)。ここでは、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルとして、図14に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P4」〜「P6」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P4」〜「P6」のいずれかが選択される。
ステップS1602において、大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、遊技制御用マイコン81は、判定領域のリーチ乱数値と、リーチ判定テーブルT2(図12(B)参照)のうちの非時短状態用のテーブルとに基づいてリーチの有無を判定する(ステップS1607)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、判定領域のリーチ乱数が0〜13のいずれかである場合には、リーチであると判定する。
リーチである場合(ステップS1607:YES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、判定領域の変動パターン乱数値と、変動パターン判定テーブルT6(図14参照)のうち、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルとに基づいて変動パターンの選択をおこなう(ステップS1608)。ここでは、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルとして、図14に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ有りハズレに該当する部分(特図1では変動パターンが「P7」〜「P14」の部分、特図2では変動パターンが「P24」〜「P31」の部分)が参照される。特図1では、判定領域の変動パターン乱数値と、現在の特図1保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P7」〜「P14」のいずれかが選択される。特図2では、判定領域の変動パターン乱数値と、現在の特図2保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P24」〜「P31」のいずれかが選択される。保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特図1および特図2のいずれにおいても、保留球数が「3」〜「4」であるときは、保留球数が「1」〜「2」であるときに比べて変動時間の短い変動パターンがより多く選択されるようになっている。これにより、保留球数が多いときに特図保留の消化スピードを速めることができる。
リーチでない場合(ステップS1607:NO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、判定領域の変動パターン乱数値と、変動パターン判定テーブルT6(図14参照)のうち、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルとに基づいて変動パターンの選択をおこなう(ステップS1609)。ここでは、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルとして、図14に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ無しハズレに該当する部分(特図1では変動パターンが「P15」〜「P16」の部分、特図2では変動パターンが「P32」〜「P33」の部分)が参照される。特図1では、判定領域の変動パターン乱数値と、現在の特図1保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P15」、「P16」のいずれかが選択される。特図2では、判定領域の変動パターン乱数値と、現在の特図2保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P32」、「P33」のいずれかが選択される。ここでも、保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。
ステップS1600において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(図26:ステップS1612)。以後、ステップS1613〜S1619の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1603〜S1609の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1613〜S1619の処理とステップS1603〜S1609の処理との違いは、ステップS1615、S1616、S1618、S1619において、参照される変動パターン判定テーブルT6の部分が既述のステップS1605、S1606、S1608、S1609と異なる。具体的には、S1605、S1606、S1608、S1609では、非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図14)が参照されるのに対して、ステップS1615、S1616、S1618、S1619では、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図15)が参照される。例えば、ステップS1615の場合、すなわち、大当たり種別がV通過予定大当たりの場合、図15に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特図1では変動パターンが「P41」〜「P43」の部分、特図2では変動パターンが「P61」〜「P63」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、特図1では変動パターンとして「P41」〜「P43」のいずれか、特図2では「P61」〜「P63」のいずれかが選択される。また、例えば、ステップS1616の場合、すなわち、大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合、図15に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P44」〜「P46」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P44」〜「P46」のいずれかが選択される。
上記のように変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1630)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(図19:ステップS109)においてサブ制御基板90に送信される。これにより画像表示装置7を用いた特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が開始される。
[特別図柄変動中処理]
図27は、特別図柄変動中処理(図22:ステップS1304)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS1701)。特別図柄の変動時間とは、上述の変動パターン選択処理(図25、図26)で選択された変動パターンに応じて決定される時間である(図14、図15参照)。変動時間が終了していない場合(ステップS1701:NO)、本処理を終える。すなわち、特別図柄待機処理(図23)のステップS1406またはS1412において開始された特別図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS1701:YES)、変動停止コマンドをセットし(ステップS1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(ステップS1703)。また、遊技制御用マイコン81は、変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS1704)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41を用いた特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理等をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。上述のように、遊技制御用マイコン81は、図柄制御手段として機能する。
[特別図柄確定処理]
図28は、特別図柄確定処理(図22:ステップS1306)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理をおこなう(ステップS1801)。遊技状態管理処理とは、ST回数や時短回数を管理するための処理であり内容について後述する。遊技状態管理処理の後、大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1802)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1802:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「1」にセットして(ステップS1808)、本処理を終了する。これにより、大当たり遊技は開始されず、再度、特別図柄待機処理(図23)に移行し、次の特図保留に対する大当たり判定等が実行される。
大当たりフラグがONの場合(ステップS1802:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1803)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8(図17(A))を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、大入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9(図17(C))を参照して、特図停止図柄データからV開閉部材71の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、V開閉部材71の開放パターンとして「開放パターン31」がセットされる。大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(図17(B))。
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理をおこなう(ステップS1804)。遊技状態リセット処理とは、確変フラグや時短フラグをリセットする(OFFに戻す)ための処理であり内容について後述する。遊技状態リセット処理の後、大当たり遊技を開始するために、大当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS1805)、オープニングを開始する(ステップS1806)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1807)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]
図29は、遊技状態管理処理(図28:ステップS1801)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2001)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2001:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2001:YES)、確変カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2002)。確変カウンタとは、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものであり、後述の遊技状態設定処理(図33参照)で値がセットされる。遊技制御用マイコン81は、確変カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2003)。確変カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2003:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変カウンタの値が「0」の場合(ステップS2003:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2004)。
ステップS2005では、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2005:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS2005:YES)、時短カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2006)。時短カウンタとは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものであり、後述の遊技状態設定処理(図33参照)で値がセットされる。遊技制御用マイコン81は、時短カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2007)。時短カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2007:NO)、ステップS2009の処理に移行する。時短カウンタの値が「0」の場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2008)。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した現在の遊技状態に関する情報(確変状態か否か、確変カウンタ値、時短状態か否か、時短カウンタ値など)が含まれている。
[遊技状態リセット処理]
図30は、遊技状態リセット処理(図28:ステップS1804)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2101:NO)、ステップS2103の処理に移行する。確変フラグがONの場合(ステップS2101:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2102)。ステップS2103において、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2103:NO)、本処理を終える。時短フラグがONの場合(ステップS2103:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2104)。
[特別電動役物処理]
図31は、特別電動役物処理(図22:ステップS1308)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、ステップS2230の処理に移行する。大当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2200:NO)、V開閉部材71を作動させるためのV開閉部材動作処理をおこなう(ステップS2201)。本実施形態のV開閉部材71は、第1大入賞口30に所定個数の遊技球が入賞した時に作動するように構成されており、V開閉部材動作処理では、V開閉部材開放パターンに応じて所定番目の遊技球の入賞時にV開閉部材71を所定期間開放させる。V開閉部材動作処理の詳細については後述する。V開閉部材動作処理の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、ステップS2210の処理に移行する。
大入賞口が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2203)。大入賞口を開放する時間には、例えば、大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口を開放する時間ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
大入賞口を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2207)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たりの種類に応じた開放パターン(図17(A)(B)参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドのセットをおこなう(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の大当たり遊技のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84の出力バッファにセットする。なお、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることがない。しかし、他の実施形態として、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされる場合には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の開放が1回のラウンド中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放の場合のみ、ラウンド指定コマンドをセットするようにしてもよい。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
上述のステップS2202において、大入賞口の開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(図17)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合には(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(ステップS2211)。
上述のステップS2203において、大入賞口を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、大入賞口が閉鎖してから所定の時間(ここでは2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は本処理を終了する。
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメンとし(ステップS2221)、S2226の処理に移行する。
S2226では、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かの判定をおこなう。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、次のラウンド遊技を開始するために本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(ステップS2227)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2228)。本実施形態では、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合のエンディング時間(例えば18秒)は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間と同じ長さになっている。これにより、遊技者に対して、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合であっても、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かったと認識させることができる。なお、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間もこれらと同じ長さになっている。大当たりのエンディングの開始後、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2229)、本処理を終える。
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、最終ラウンドが終了しているので、遊技制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(ステップS2230)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2232)、特別動作ステータスを「1」にセットする(ステップS2233)。これにより、次回の特別動作処理において、再び特別図柄待機処理(ステップS1302)が実行される。その後、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し本処理を終える。
[V開閉部材動作処理]
図32は、V開閉部材動作処理(図31:ステップS2201)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、現在のラウンド遊技(当該ラウンド)がV開閉部材71の開放ラウンドであるか否かの判定をおこなう(ステップS2501)。ここでは、第2ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドに該当する(図17(C)参照)。遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「15」のとき、開放ラウンドであると判定することができる。V開閉部材71の開放ラウンドではない場合(ステップS2501:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいてV開閉部材71を作動させる必要がないためである。
V開閉部材71の開放ラウンドである場合(ステップS2501:YES)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドにおいて第1大入賞口30への2球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2503)。2球目の入賞を検出していない場合(ステップS2503:NO)、ステップS2511の処理に移行する。
2球目の入賞を検出した場合(ステップS2503:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図停止図柄データとV開閉部材開放パターン判定テーブルT9とに基づき、V開閉部材71の開放パターンが開放パターン31か否かを判定する(ステップS2505)。
遊技制御用マイコン81は、開放パターン31である場合(ステップS2505:YES)には、V開閉部材71をロング開放(最大31.5秒)させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2507)。このV開閉部材71のロング開放は、V開閉部材71の開放時間が比較的長いため、第1大入賞口30に入賞した2球目以降の遊技球の少なくとも一部は、V領域39を通過するように構成されている。これにより、当該大当たり遊技後の遊技状態を高確時短状態とすることが可能となる。遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71のロング開放後、ステップS2511の処理に移行する。
遊技制御用マイコン81は、開放パターン31でない場合(ステップS2505:NO)には、V開閉部材71をショート開放(0.1秒)させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2509)。このV開閉部材71のショート開放は、V開閉部材71の開放時間が非常に短いため、第1大入賞口30に入賞した2球目以降の遊技球は、V領域39を通過せずに非V領域70を通過するように構成されている。これにより、当該大当たり遊技後の遊技状態を低確時短状態とすることが可能となる。遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71のショート開放後、ステップS2511の処理に移行する。
ステップS2511では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が開放中か否かの判定をおこなう。V開閉部材71が開放中の場合(ステップS2511:YES)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2513)。既述のように、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間(ここでは2秒)が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2513:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこなう(ステップS2517)。ここでは、当該ラウンド遊技の終了時に遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71を強制的に閉鎖させ、V開閉部材71の閉鎖後数秒間(ここでは1秒間:球ハケ期間)経過後から、V無効期間に設定し、本処理を終える。
当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2513:NO)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2515)。V開閉部材71の閉鎖条件とは、例えば、ショート開放であれば、V開閉部材71の開放後に所定期間(例えば0.1秒)が経過していることや、V領域39の遊技球の通過を感知したこと等が例示できる。閉鎖条件が成立している場合(ステップS2515:YES)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこない(ステップS2517)、本処理を終える。閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2515:NO)、V開閉部材71を開放状態、V有効期間を継続したまま本処理を終える。
ステップS2511において、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が閉鎖中と判定した場合(ステップS2511:NO)、そのまま本処理を終える。
なお、図17(C)に示すV開閉部材開放パターン判定テーブルT9において記載を省力しているが、開放パターン31、および、開放パターン32は、1R目の2球目入賞時にそれぞれV開閉部材71のショート開放を行うように設定されている。このV開閉部材動作処理においても、当該ショート開放の処理を省略して示しているが、1R目の2球目入賞時において、開放パターン31、および、開放パターン32のいずれであっても、V開閉部材71のショート開放を行う処理が実行される。
[遊技状態設定処理]
図33は、遊技状態設定処理(図31:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、VフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2301)。VフラグがOFFの場合(ステップS2301:NO)、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタに「100」をセットする(ステップS2303)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「非高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、低確高ベース)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
一方、ステップS2301において、VフラグがONの場合(ステップS2301:YES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをONにし(ステップS2304)、確変カウンタに「160」をセットし(ステップS2305)、VフラグをOFFにする(ステップS2306)。また、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS2307)、時短カウンタに「160」をセットする(ステップS2308)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、高確高ベース)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した遊技状態に関する情報が含まれている。
[V領域センサ検出処理]
図34は、V領域センサ検出処理(図19:ステップS106)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこなう(ステップS2601)。V領域センサ39aによる遊技球の検知がない場合には(ステップS2601:NO)、本処理を終える。一方、検知がある場合には(ステップS2601:YES)、遊技制御用マイコン81は、V有効期間中か否かの判定をおこなう(ステップS2602)。V有効期間は、V開閉部材動作処理(図32)のV有効期間設定処理(ステップS2507,S2509)によって設定される期間である。V有効期間は、第2ラウンド中のV開閉部材71の開放時や閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)に設定される。V有効期間中ではない場合には(ステップS2602:NO)、本処理を終える。一方、V有効期間中である場合(ステップS2602:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをONするとともに(ステップS2603)、V通過コマンドをセットして(ステップS2604)、本処理を終える。
[保留球数処理]
図35は、保留球数処理(図19:ステップS107)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう(ステップS2701)。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする(ステップS2702)。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。保留球数コマンドのセット後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終了する。
7.演出制御用マイコン91の動作
図36〜図45に基づいてサブ制御基板90(図5)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]
図36は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。サブ制御メイン処理は、遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91によってサブROM93から読み出されて実行される。ステップS4000では、演出制御用マイコン91は、CPU初期化処理を行う。CPU初期化処理では、サブCPU92に関する各種設定、および、カウンタおよびフラグのリセットをおこなう。カウンタおよびフラグは、サブRAM94のカウンタセット領域94dおよびフラグセット領域94eに記憶されている。
ステップS4015では、演出制御用マイコン91は、割り込みを禁止する。ステップS4020では、演出制御用マイコン91は、乱数の更新をおこなう。ここでは、種々の乱数値を更新する。乱数には、チャンスアップ乱数、タイミング規定乱数等がある(図11参照)。乱数値は、1ずつ加算して更新される。乱数値は、上限値まで達すると「0」に戻される。なお、初期値は「0」以外の数であってもよく、ランダムに変更される数であってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。
ステップS4025では、演出制御用マイコン91は、割り込みを許可する。割り込み許可中は、受信割り込み処理およびサブ側タイマ割り込み処理(ステップS4035)の実行が可能となる。その後、ステップS4015へ移行し、処理を繰り返す。つまり、割り込み許可中において、受信割り込み処理およびサブ側タイマ割り込み処理は、所定時間間隔で割り込みを試みる。
演出制御用マイコン91は、受信割り込み処理として、コマンド(主制御基板80から送信されてきた各種のコマンド)を受信した場合には、受信したコマンドをサブRAM94に格納する。サブ側タイマ割り込み処理についての詳細は、以下に示す。
[サブ側タイマ割り込み処理]
図37は、サブ側タイマ割り込み処理(図36:ステップS4035)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4300では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。ステップS4305では、演出制御用マイコン91は、ボタン演出役物駆動処理を実行する。このボタン演出役物駆動処理は、後述のボタン演出中に役物(枠可動体600)を駆動するための処理であり、詳細については後述する。ステップS4310では、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理では、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の出力バッファにセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカから音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。
[変動演出の説明]
本実施形態では、特別図柄の変動中に行われる種々の演出を、変動演出とも呼ぶ。変動演出は、後述する変動演出パターン決定処理(図40参照)において決定される変動演出パターンに基づいて実現される。変動演出は、基幹演出、チャンスアップ演出、ボタン演出等を含む。なお、今まさに実行されている特別図柄の変動を「当該変動」とも呼ぶ。
[受信コマンド解析処理]
図38は、受信コマンド解析処理(図37:ステップ4300)の詳細を示すフローチャートである。
ステップS4445では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4445:YES)、ステップS4450にて保留表示処理を行い、ステップS4455へ移行する。一方、受信していなければ(ステップS4445:NO)、ステップS4455へ移行する。ステップS4450の保留表示処理は、画像制御基板100を介して画像表示装置7に保留画像を表示するためのコマンドをセットする処理である。
ステップS4455では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4455:YES)、ステップS4460にて変動演出開始処理を実行し、その後、ステップS4465へ移行する。ステップS4460の変動演出開始処理の詳細については後述する。一方、受信していなければ(ステップS4455:NO)、ステップS4465へ移行する。
ステップS4465では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4465:YES)、ステップS4470にて変動演出終了処理を実行し、その後、ステップS4475へ移行する。変動演出終了処理は、演出図柄を確定停止させる処理である。一方、受信していなければ(ステップS4465:NO)、ステップS4475へ移行する。
ステップS4475では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4475:YES)、ステップS4480にてオープニング演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4485へ移行する。オープニング演出パターン決定処理は、オープニング演出を実現するためのオープニング演出パターンを決定する処理である。一方、受信していなければ(ステップS4475:NO)、ステップS4485へ移行する。
ステップS4485では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4485:YES)、ステップS4490にてラウンド演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4495へ移行する。ラウンド演出パターン決定処理は、ラウンド演出を実現するためのラウンド演出パターンを決定するための処理である。一方、受信していなければ(ステップS4485:NO)、ステップS4495へ移行する。
ステップS4495では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4495:YES)、ステップS4500にてエンディング演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4525へ移行する。エンディング演出パターン決定処理は、エンディング演出を実現するためのエンディング演出パターンを決定するための処理である。一方、受信していなければ(ステップS4495:NO)、ステップS4525へ移行する。
ステップS4525では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4525:YES)、ステップS4530にて客待ち演出処理を実行し、その後、ステップS4535へ移行する。ステップS4530の客待ち演出処理では、画像表示装置7で客待ち用のデモ演出(客待ち演出ともいう)を実行するための客待ち演出コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。一方、受信していなければ(ステップS4525:NO)、ステップS4535へ移行する。
ステップS4535では、その他の処理を実行する。その他の処理として、例えば、RAMクリア報知コマンドを受信した場合には、RAMクリア報知処理を実行する。RAMクリア報知は、演出制御用マイコン91が音声制御基板106を制御することで実現される処理であり、スピーカ67から所定の音声(例えば「RAMクリアしました」などの音声)を報知する処理である。なお、RAMクリアの報知として、スピーカ67を用いた報知の他に、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66及び盤ランプ5を点灯させることによる報知や、画像制御基板100を介して画像表示装置7に所定の画像を表示する報知などが挙げられる。またこれらの報知を単独で実行しても組み合わせて実行してもよい。なお、RAMクリア報知処理後、所定時間経過後、RAMクリア報知停止処理を実行する。これは、RAMクリア報知を停止するための処理である。その他の処理終了後、受信コマンド解析処理を終了する。
[変動演出開始処理]
図39は、変動演出開始処理(図38:ステップS4460)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5000では、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する。これは、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データ、および、変動パターンの情報をサブRAM94にセットする処理である。ステップS5005では、演出制御用マイコン91は、保留表示シフト処理を実行する。これは、画像表示装置7における保留画像を制御するための画像制御基板100へのコマンドをサブRAM94にセットする処理である。
ステップS5015では、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン決定処理を実行する。変動演出パターン決定処理の詳細については後述する。ステップS5020では、演出制御用マイコン91は、ステップS5015にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。このように、演出制御用マイコン91は、演出実行手段として機能する。
[変動演出パターン決定処理]
図40は、変動演出パターン決定処理(図39:ステップS5015)を表すフローチャートである。まず、変動演出パターン決定処理のステップS5100では、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定テーブルT100に基づいて、基幹演出を実現するための基幹演出パターン(演出プログラム)を決定する。基幹演出パターン決定処理の具体例、基幹演出パターン決定テーブルT100の詳細
、および、基幹演出パターンに基づく基幹演出の例についての説明は後述する。この処理についての詳細は後述する。
ステップS5105では、演出制御用マイコン91は、チャンスアップパターン決定処理を実行する。この処理では、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数とチャンスアップ決定テーブルT101(図9参照)とに基づいて、チャンスアップパターン(演出プログラム)を決定する。チャンスアップパターンは、画像表示装置7を用いた表示演出のチャンスアップ演出(単にチャンスアップとも呼ぶ)を実現する。「チャンスアップ」とは、遊技者に大当たりの期待感を増幅させるための演出である。
ステップS5110では、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターン決定処理を実行する。この処理では、変動パターンとタイミング規定乱数とボタン演出パターン決定テーブルT102(図9、図42参照)とに基づいてボタン演出パターン(演出プログラム)を決定し得る。ボタン演出パターンは、ボタン演出を実現する。この「ボタン演出」とは、演出ボタン63と、役物(枠可動体600)と、画像表示装置7(表示画面7a)とを用いて基幹演出中に実現される演出であり、例えば、演出ボタン63の押下に基づいて枠可動体600を駆動させたりする演出である。この処理、および、ボタン演出についての詳細は後述する。
ステップS5115では、演出制御用マイコン91は、S5100で決定した基幹演出パターンに、ステップS5105、S5110で決定した演出パターン(演出プログラム)を付加して、1つの変動演出パターンを作成させる。このようにして、変動演出パターンが決定される。この変動演出パターンに基づく演出は、基幹演出に加えて、ステップS5105、S5110で決定した演出を含む。演出制御用マイコン91は、ステップS5115の処理後、変動演出開始処理にリターンする。
[基幹演出パターン決定処理]
図41は、基幹演出パターン決定テーブルT100を表す図である。この基幹演出パターン決定テーブルT100は、変動パターン情報と、変動時間と、基幹演出パターンとが対応付けられている。本実施形態の基幹演出パターンは、大きく分けて、「SP1」、「SP2」、「SP3」「ノーマルリーチ」、または、「リーチ無しハズレ」に区分される。これら基幹演出パターンは、それぞれ、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類(枠ランプ66、盤ランプ5等)の点灯制御などの予め決められた演出を実現するためのプログラムである。
「SP1」、「SP2」、または、「SP3」は、変動開始演出、リーチ形成演出後、いわゆる、スーパーリーチ演出を実現し、その後、スーパーリーチ発展演出、当たり演出(またはハズレ演出)を介して、変動中の演出図柄8L,8C,8Rを確定停止させる図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。SP1とSP2は、演出時間(変動時間)など基本的に同じ基幹演出である。SP1およびSP2と、SP3とは、例えば、演出時間(変動時間)の長さと、スーパーリーチ演出またはスーパーリーチ発展演出などの演出内容が異なる。
変動開始演出は、演出図柄8L,8C,8Rをそれぞれ変動表示させる演出である。リーチ形成演出は、演出図柄8Lと演出図柄8Rとを同じ図柄で仮停止表示させて、いわゆる、リーチ状態を形成する演出である。スーパーリーチ演出は、リーチ形成演出(リーチ状態)から発展する演出であり、例えば、所定のキャラクタが登場したり、所定のアクションを実行したり、背景を切り換えたりする演出である。スーパーリーチ発展演出は、スーパーリーチ演出からさらに発展する演出であり、例えば、スーパーリーチ演出とは異なるキャラクタが登場したり、スーパーリーチ演出とは異なるアクションを実行したり、スーパーリーチ演出とは異なる背景に切り換えたりする演出である。当たり演出は、演出図柄8L,8C,8Rを同じ文字で仮停止表示させる大当たり図柄配列を表示させつつ、例えば、所定のアクションを実行したり、背景を切り換えたりすることで、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを遊技者に報知する演出である。ハズレ演出は、演出図柄8L,8Rと演出図柄8Cとを異なる文字で仮停止表示させるハズレ図柄配列を表示させつつ、例えば、所定のアクションを実行したりすることでハズレであることを遊技者に報知する演出である。図柄停止演出は、当たり演出、または、ハズレ演出で仮停止表示した演出図柄8L,8C,8Rを確定表示させる演出である。これら変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出についての例は後述する。
「ノーマルリーチ」は、リーチ形成演出を実現し、その後、スーパーリーチ演出を介さずに、図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。「リーチ無しハズレ」は、リーチ形成演出を介さずに、図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。この場合の図柄停止演出では、演出図柄8L,8C,8Rをハズレ図柄配列で確定停止表示させる。
演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理(図40のS5100)において、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報(コマンド記憶領域94aに記憶される変動開始コマンドに含まれる)が「P5」であった場合には、図41の基幹演出パターン決定テーブルT100に基づいて、変動時間が40000[ms]である「SP2」を基幹演出パターンとして決定する。
[ボタン演出パターン決定処理]
図42は、ボタン演出パターン決定テーブルT102を表す図である。このボタン演出パターン決定テーブルT102は、グループを表す「群」と、当該群に対応する「変動パターン」と、当該変動パターンに対応する特別図柄の当否判定の結果を表す「当否」と、「タイミング規定乱数」と、「ボタン演出パターン」と、「ボタン受付タイマ値」と、「タイミング規定タイマ値」と、「開始タイミングタイマ値」と、「ボタン受付期間」とが対応付けられている。なお、図42に示す役物駆動タイミングは、備考として記載しており、後述のボタン演出役物駆動処理によって規定される。
遊技制御用マイコン81から送信されてきた変動パターン情報が「P1,P4,P21,P41,P44,P61」のいずれかである場合(すなわち、基幹演出パターンがSP1に対応する共に、大当たりに対応する変動パターンである場合)には、当該変動パターンは、A群に属し、ボタン演出パターンAに対応する。遊技制御用マイコン81から送信されてきた変動パターン情報が「P2,P5,P22,P42,P45,P62」のいずれかである場合(すなわち、基幹演出パターンがSP2に対応する共に、大当たりに対応する変動パターンである場合)には、当該変動パターンは、B群に属し、ボタン演出パターンBに対応する。また、ボタン演出パターンBは、3つのボタン演出パターン、すなわち、ボタン演出パターンB1と、ボタン演出パターンB2と、ボタン演出パターンB3とに区分されている。ボタン演出パターンBにおいて、タイミング規定乱数値が「0〜32」の場合には、ボタン演出パターンB1が選択され、タイミング規定乱数値が「33〜65」の場合には、ボタン演出パターンB2が選択され、タイミング規定乱数値が「66〜98」の場合には、ボタン演出パターンB3が選択される。このように、ボタン演出パターンBのうち、ボタン演出パターンB1、B2、B3がそれぞれ選択される確率は1/3に設定されている。遊技制御用マイコン81から送信されてきた変動パターン情報が「P8,P9,P12,P13,P25,P26,P29,P30,P48,P49,P52,P53,P65,P66,P69,P70」のいずれかである場合(すなわち、基幹演出パターンがSP1またはSP2に対応する共に、ハズレに対応する変動パターンである場合)には、当該変動パターンは、C群に属し、ボタン演出パターンCに対応する。
各ボタン演出パターンには、それぞれボタン受付タイマ値、タイミング規定タイマ値、開始タイミングタイマ値、および、最大ボタン受付期間が対応付けられている。
ボタン受付タイマ値は、後述のボタン演出役物駆動処理で用いられ、ボタン受付期間を規定する。ボタン受付期間とは、ボタン演出において、遊技者による演出ボタン63の操作を受け付けることが可能な期間である。このボタン受付期間では、例えば、演出ボタン63を赤く発光させたり、演出ボタン63を突出させたりすることにより、遊技者に演出ボタン63の操作を受け付けていることを示唆する。また、ボタン受付期間では、画像表示装置7の表示画面7aにボタンを示す画像を表示したり、遊技機枠50などを発光させたり、「ボタンを押せ!」などボタン受付期間であることを示す音声を発したりして、ボタン受付期間であることを示唆してもよい。
タイミング規定タイマ値は、後述のボタン演出役物駆動処理で用いられ、枠可動体600の駆動タイミングを規定し得る。
開始タイミングタイマ値は、ボタン演出の開始タイミングを規定する。
最大ボタン受付期間は、変動演出(基幹演出)の開始からのボタン受付期間の開始タイミングと、演出ボタン63が押下されなかった場合におけるボタン受付期間の終了タイミングとを規定する。例えば、図42に示すように、ボタン演出パターンB1では最大ボタン受付期間が「30〜34秒」であるので、ボタン演出パターンB1に基づくボタン演出は、変動演出パターンに基づく変動演出(図40:S5115参照)の開始(特別図柄の変動開始)から30秒経過するとボタン受付期間の開始タイミングとなり、演出ボタン63の押下がない場合には、変動演出(基幹演出)の開始から34秒経過するとボタン受付期間の終了タイミングとなる。なお、最大ボタン受付期間よりも前に演出ボタン63が押下されるとボタン受付期間は終了する。
演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターン決定処理(図40のS5110)において、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が、図42のボタン演出パターン決定テーブルT102に属する変動パターン情報である場合に、ボタン演出パターンを決定する。また、ボタン演出パターンを決定した場合には、ボタン演出フラグをONにする。さらに、当該ボタン演出パターンに対応する開始タイミングタイマ値をセットすると共に、ボタン受付タイマ値、および、タイミング規定タイマ値を決定する。
例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P1」であった場合には、ボタン演出パターン決定テーブルT102に基づいて、ボタン演出パターンとしてボタン演出パターンAを決定する。この場合、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグをONにし、開始タイミングタイマ値を30秒にセットする。また、ボタン受付タイマ値を4秒、タイミング規定タイマ値を5秒に決定する。
また、演出制御用マイコン91は、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P2」であり、タイミング規定乱数が「0」であった場合には、ボタン演出パターン決定テーブルT102に基づいて、ボタン演出パターンとしてボタン演出パターンB1を決定する。この場合、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグをONにし、開始タイミングタイマ値を30秒にセットする。また、ボタン受付タイマ値を1秒、タイミング規定タイマ値を1秒に決定する。
さらに、演出制御用マイコン91は、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P5」であり、タイミング規定乱数が「32」であった場合には、ボタン演出パターン決定テーブルT102に基づいて、ボタン演出パターンとしてボタン演出パターンB2を決定する。この場合、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグをONにし、開始タイミングタイマ値を30秒にセットする。また、ボタン受付タイマ値を2秒、タイミング規定タイマ値を2秒に決定する。
また、演出制御用マイコン91は、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P22」であり、タイミング規定乱数が「66」であった場合には、ボタン演出パターン決定テーブルT102に基づいて、ボタン演出パターンとしてボタン演出パターンB3を決定する。この場合、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグをONにし、開始タイミングタイマ値を30秒にセットする。また、ボタン受付タイマ値を3秒、タイミング規定タイマ値を3秒に決定する。
また、演出制御用マイコン91は、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P8」であった場合には、ボタン演出パターン決定テーブルT102に基づいて、ボタン演出パターンとしてボタン演出パターンCを決定する。この場合、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグをONにし、開始タイミングタイマ値を30秒にセットする。また、ボタン受付タイマ値を4秒、タイミング規定タイマ値を5秒に決定する。
なお、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報がボタン演出パターン決定テーブルT102の変動パターン情報と一致しない場合(図42のA群〜C群に属さない変動パターン情報の場合)には、ボタン演出パターンを決定せずに、このボタン演出パターン決定処理を終了する。この場合、各種フラグ、タイマ値のセット、決定を行わない。
[ボタン演出役物駆動処理]
図43は、ボタン演出役物駆動処理(図37:ステップS4305)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5610では、演出制御用マイコン91は、フラグセット領域94e(図10参照)に記憶されるボタン演出フラグがONであるか否かを判定する。ボタン演出フラグがOFFである場合(ステップS5610:NO)には、このボタン演出役物駆動処理を終了する。
ボタン演出フラグがONである場合(ステップS5610:YES)には、次に、演出制御用マイコン91は、フラグセット領域94e(図10参照)に記憶されるボタン演出開始フラグがONであるか否かを判定する(S5615)。
ボタン演出開始フラグがOFFである場合(ステップS5615:NO)には、次に、演出制御用マイコン91は、開始タイミングタイマ値が0より大きいか否か、すなわち、ボタン受付期間の開始時間(開始タイミング)か否かを判定する(ステップS5620)。この場合、例えば、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターン決定処理で決定したボタン演出パターンがボタン演出パターンB1である場合には、最大ボタン受付期間(図42参照)が「30〜31秒」であるので、変動演出(基幹演出)の開始から「30秒」経過した場合に、ボタン受付期間の開始タイミングであると判定され、「30秒」経過していない場合には、ボタン受付期間の開始タイミングではないと判定される。
開始タイミングタイマ値が0より大きい場合、すなわち、ボタン受付期間の開始タイミングとなっていない場合(S5620:YES)には、このボタン演出役物駆動処理を終了する。一方、開始タイミングタイマ値が0の場合、すなわち、ボタン受付期間の開始タイミングとなった場合(S5620:NO)には、ボタン演出開始フラグをONにし、変動演出パターン決定処理(図40)のS5111の処理で決定したボタン受付タイマ値(図42参照)、および、タイミング規定タイマ値(図42参照)をセットする(ステップS5625)。そして、このボタン演出役物駆動処理を終了する。
一方、演出制御用マイコン91は、フラグセット領域94e(図10参照)に記憶されるボタン演出開始フラグがONである場合(ステップS5615:YES)には、次に、タイミング規定タイマ値が0より大きいか否かを判定する(ステップS5630)。タイミング規定タイマ値が0より大きい場合(ステップS5630:YES)には、演出制御用マイコン91は、続いて、ボタン受付タイマ値が0より大きいか否かを判定する(ステップS5635)。
ボタン受付タイマ値が0より大きい場合(ステップS5635:YES)には、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターン決定処理(図40:S5110)で決定したボタン演出パターンがボタン演出パターンAであるか否かを判定する(ステップS5640)。ボタン演出パターンAである場合(ステップS5640:YES)には、演出制御用マイコン91は、演出ボタン63が押下されたか否かを判定する(ステップS5645)。
演出ボタン63が押下された場合(ステップS5645:YES)には、枠可動体600を駆動させて役物完成演出を実現する役物駆動処理を実行すると共に、後述の当たり演出を開始する。この役物完成演出は、当該変動が大当たりであることを示唆する大当たり示唆演出であり、いわゆる、決め演出である。役物完成演出、および、当たり演出についての具体例は後述する。次に、演出制御用マイコン91は、ボタン演出フラグ、および、ボタン演出開始フラグをOFFにし、開始タイミングタイマ値、ボタン受付タイマ値、および、タイミング規定タイマ値を0にして、このボタン演出役物駆動処理を終了する。演出ボタン63が押下されていない場合(ステップS5645:NO)には、このボタン演出役物駆動処理を終了する。
一方、ボタン演出パターンがボタン演出パターンAでない場合、すなわち、ボタン演出パターンBまたはボタン演出パターンCである場合(ステップS5640:NO)には、演出制御用マイコン91は、演出ボタン63が押下されたか否かを判定する(ステップS5660)。演出ボタン63が押下された場合(ステップS5660:YES)には、演出制御用マイコン91は、ボタン受付タイマ値を0にし、すなわち、ボタン受付期間を終了して、このボタン演出役物駆動処理を終了する。演出ボタン63が押下されなかった場合(ステップS5660:NO)には、演出制御用マイコン91は、そのままボタン演出役物駆動処理を終了する。
また、ボタン受付タイマ値が0より大きくない場合、すなわち、ボタン受付タイマ値が0である場合(ステップS5635:NO)には、後述する敗北演出を開始させる(ステップS5670)。この敗北演出は、役物完成演出が実行されず、当該変動がハズレであることを示唆するハズレ示唆演出である。その後、ボタン演出役物駆動処理を終了する。このように、演出制御用マイコン91は、示唆演出実行手段として機能する。
一方、タイミング規定タイマ値が0より大きくない場合、すなわち、タイミング規定タイマ値が0である場合(ステップS5630:NO)には、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターン決定処理(図40:S5110)で決定したボタン演出パターンがボタン演出パターンAまたはボタン演出パターンBのどちらか一方であるか否かを判定する(ステップS5675)。ボタン演出パターンAまたはボタン演出パターンBのどちらか一方である場合(ステップS5675:YES)には、演出制御用マイコン91は、ステップS5650の処理に移行する。ボタン演出パターンAまたはボタン演出パターンBのどちらか一方ではなく、すなわち、ボタン演出パターンCである場合(ステップS5675:NO)には、演出制御用マイコン91は、ステップS5655の処理に移行する。
[ボタン演出のタイミングチャート]
図44は、ボタン演出におけるタイミングチャートを表す図である。詳しくは、このタイミングチャートは、各ボタン演出パターンにおいて、ボタン演出役物駆動処理(図43参照)での役物駆動タイミングを表している。
図44(A)は、ボタン演出パターンAで実現されるボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が遊技者によって押下される場合のタイミングチャートを示している。ボタン演出パターンAで実現されるボタン演出では、図44(A)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されると、そのタイミングで枠可動体600が駆動され後述の役物完成演出が実現される。一方、図44(B)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されないと、規定タイミング(ボタン受付期間開始から5秒)で枠可動体600が駆動され後述の役物完成演出が実現される。
図44(C)は、ボタン演出パターンB1で実現されるボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が遊技者によって押下される場合、または、押下されない場合のタイミングチャートを示している。ボタン演出パターンB1で実現されるボタン演出では、図44(C)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されても押下されなくても、規定タイミング(ボタン受付期間開始から1秒)で枠可動体600が駆動され役物完成演出が実現される。
図44(D)は、ボタン演出パターンB2で実現されるボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が遊技者によって押下される場合、または、押下されない場合のタイミングチャートを示している。ボタン演出パターンB2で実現されるボタン演出では、図44(D)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されても押下されなくても、規定タイミング(ボタン受付期間開始から2秒)で枠可動体600が駆動され役物完成演出が実現される。
図44(E)は、ボタン演出パターンB3で実現されるボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が遊技者によって押下される場合、または、押下されない場合のタイミングチャートを示している。ボタン演出パターンB3で実現されるボタン演出では、図44(E)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されても押下されなくても、規定タイミング(ボタン受付期間開始から3秒)で枠可動体600が駆動され役物完成演出が実現される。
図44(F)は、ボタン演出パターンCで実現されるボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が遊技者によって押下される場合、または、押下されない場合のタイミングチャートを示している。ボタン演出パターンCで実現されるボタン演出では、図44(F)に示すように、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されても押下されなくても、また、規定タイミングとなっても枠可動体600が駆動されず役物完成演出が実現されない。
なお、上記規定タイミングは、ボタン受付期間の開始タイミングを基準に規定されているが、本発明はこれに限られるものではなく、遊技者によって演出ボタン63が押下されたタイミングを基準に規定されていてもよい。すなわち、演出ボタン63が押下されてから所定時間経過したタイミングで役物完成演出を実行するようにしてもよい。
また、ボタン演出パターンB(図44(C)〜(E)参照)において、ボタン受付期間開始から役物完成演出を行う上記規定タイミングまでの期間は、ボタン演出パターンAの最大ボタン受付期間の長さよりも短く設定されているが、本発明はこれに限られるものではなく、ボタン演出パターンAの最大ボタン受付期間の長さよりも長く設定されていてもよい。この構成によれば、最大ボタン受付期間を過ぎても、突然、役物完成演出が実行され得るので、ボタン演出にサプライズ感を創出することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
8.可動役物演出の具体例
図45は、可動役物演出の一例を示す説明図であり、枠可動体600が駆動された様子を示している。枠可動体600は、右側可動体600Rと、左側可動体600Lとに分かれている。右側可動体600Rは、図1に示す枠可動体600の上面中央に前後方向に設けられた軸(前後方向軸とも呼ぶ)を中心にして、正面視反時計回りに回転駆動され、左側可動体600Lは、前後方向軸を中心にして、正面視時計回りに回転駆動される。これにより、右側可動体600Rと左側可動体600Lとでキャラクタの頭部が構成される。枠可動体600の駆動は、演出制御用マイコン91が枠中継基板99を介して役物駆動用モータ641を制御することで実現される。
9.本実施形態の演出例
[基幹演出のみの変動演出の例(チャンスアップなし)]
図46は、基幹演出のみの変動演出の例(チャンスアップなし)を示す図である。すなわち、図46は、基幹演出自体を示している。この表示演出は、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7(表示画面7a)上で実行される。図46(A)〜(F)に示す表示演出は、上述の変動パターンP1(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1」を含み、チャンスアップやボタン演出を含まない変動演出パターンに基づく表示演出の例であり、一連の表示演出(変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出)を時系列に示している。なお、基幹演出パターン「SP2」は、「SP1」と同様の演出である。
図46(A)〜(F)に示す一連の表示演出では、まず、図46(A)に示すように、画像表示装置7において、演出図柄8L,8C,8Rが変動を開始する変動開始演出が実行される。次に、図46(B)に示すように、2つの演出図柄8L,8Rを仮停止表示させ、リーチを形成するリーチ形成演出が実行される。なお、図A46(B)では、リーチ図柄として「7」が用いられている。
次に、図46(C)に示すように、リーチ形成演出からの発展演出としてスーパーリーチ演出が実行される。このスーパーリーチ演出では、背景画像が薄い色(例えば、水色)に設定され、演出図柄8L,8Rがリーチ形成演出時と比較してやや上方に移動し、小さく形成される。また、このスーパーリーチ演出では、図46(C)に示すように、鎧を着用した味方キャラクタCRAが登場する演出が実現される。このスーパーリーチ演出では、味方キャラクタCRAの鎧の色は、基幹演出に基づいて銅色となっている。
次に、図46(D)に示すように、スーパーリーチ演出からの発展演出としてスーパーリーチ発展演出が実行される。このスーパーリーチ発展演出では、演出図柄8L,8Rの位置および大きさはスーパーリーチ演出時と同じ状態であり、味方キャラクタCRAが変身する演出が実現される。
次に、図46(E)に示すように、当たり演出が実行される。この当たり演出では、味方キャラクタCRAによって大当たりを示唆する演出が実現されると共に、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりであることを示す大当たり図柄配列(本実施形態では、数字のゾロ目)で仮停止表示される。
次に、図46(F)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rを拡大表示し、大当たり図柄配列で確定停止する確定停止演出が実行される。なお、図46(A)〜(F)には、特図1の保留数を示す保留画像群9Aと、特図2の保留数を示す保留画像群9Bと、当該変動に関わる遊技情報を示す保留消化画像9Cとが示されている。保留画像群9A、および、保留画像群9Bでは、保留数を玉の数で表示する構成となっている。なお、以下で説明する表示演出例では、これらの保留に関する画像を省略する。
[ボタン演出例1(ボタン演出パターンA#演出ボタン押下の場合)]
図47は、ボタン演出例1(ボタン演出パターンA#演出ボタン押下の場合)を示す図である。このボタン演出は、演出ボタン63と、枠可動体600と、画像表示装置7(表示画面7a)とを用いる演出であり、演出制御用マイコン91によって実行される。図47のボタン演出は、ボタン演出パターンA(基幹演出がSP1)に基づくボタン演出であり、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下された場合を示している。
具体的には、基幹演出としてSP1(図46参照)が実行されてスーパーリーチ発展演出後、ボタン受付期間(図42参照)の開始タイミングとなると、図47(A)に示すように、画像表示装置7にボタン画像BTNを表示して、遊技者に対して演出ボタン63の押下を促進するボタン押下促進演出が実行される。このボタン押下促進演出と共に、演出ボタン63を所定色(例えば、赤色)に発光させるボタン発光演出も行われる。
次に、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下されると、図47(B1)に示すように、当たり演出が実行されると共に、図47(B2)に示すように、枠可動体600が駆動され決め演出としての役物完成演出が実行される。次に、図47(C)に示すように、大当たり図柄配列を表示する図柄停止演出が実行される。なお、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下された場合には、ボタン発光演出が終了される。これにより遊技者はボタン受付期間が終了したことを認識することができる。以下のボタン演出例でも、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下された場合には、同様に、ボタン発光演出が終了される。
[ボタン演出例2(ボタン演出パターンA#演出ボタン未押下の場合)]
図48は、ボタン演出例2(ボタン演出パターンA#演出ボタン未押下の場合)を示す図である。このボタン演出は、演出ボタン63と、枠可動体600と、画像表示装置7(表示画面7a)とを用いる演出であり、演出制御用マイコン91によって実行される。図48のボタン演出は、ボタン演出パターンA(基幹演出がSP1)に基づくボタン演出であり、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下されなかった場合を示している。
具体的には、基幹演出としてSP1(図46参照)が実行されてスーパーリーチ発展演出後、ボタン受付期間(図42参照)の開始タイミングとなると、図48(A)に示すように、画像表示装置7にボタン画像BTNを表示して、遊技者に対して演出ボタン63の押下を促進するボタン押下促進演出が実行される。このボタン押下促進演出と共に、演出ボタン63を所定色(例えば、赤色)に発光させる発光演出も行われる。
次に、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下されずに最大ボタン受付期間が経過すると、図48(B)に示すように、味方キャラクタCRAが敗北した様子を示す敗北演出が実行される。この敗北演出は、役物完成演出が実行されないこと、言い換えれば、大当たりとならないことを示唆する演出である。この敗北演出を実行する演出制御用マイコン91は、示唆演出実行手段として機能する。
次に、最大ボタン受付期間が経過して規定タイミング(ボタン受付期間開始から5秒:図44(B)参照)となると、図48(C1)に示すように、当たり演出が実行されると共に、図48(C2)に示すように、枠可動体600が駆動され決め演出としての役物完成演出が実行される。この当たり演出は、一旦敗北演出後に行われるので、復活を意識させるような文言を表示してもよい。次に、図48(D)に示すように、大当たり図柄配列を表示する図柄停止演出が実行される。
[ボタン演出例3(ボタン演出パターンB1#演出ボタン未押下の場合)]
図49は、ボタン演出例3(ボタン演出パターンB1の場合)を示す図である。このボタン演出は、演出ボタン63と、枠可動体600と、画像表示装置7(表示画面7a)とを用いる演出であり、演出制御用マイコン91によって実行される。図49のボタン演出は、ボタン演出パターンB1(基幹演出がSP2)に基づくボタン演出であり、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下された場合と、押下されなかった場合とを示している。
具体的には、基幹演出としてSP2(図46のSP1と同じ)が実行されてスーパーリーチ発展演出後、ボタン受付期間(図42参照)の開始タイミングとなると、図49(A)に示すように、画像表示装置7にボタン画像BTNを表示して、遊技者に対して演出ボタン63の押下を促進するボタン押下促進演出が実行される。このボタン押下促進演出と共に、演出ボタン63を所定色(例えば、赤色)に発光させる発光演出も行われる。
次に、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下されると、図49(B)に示すように、味方キャラクタCRAが敗北した様子を示す敗北演出が実行される。この敗北演出は、役物完成演出が実行されないこと、言い換えれば、大当たりとならないことを示唆する演出である。
次に、規定タイミング(ボタン受付期間開始から1秒:図44(C)参照)となると、図49(C1)に示すように、当たり演出が実行されると共に、図49(C2)に示すように、枠可動体600が駆動され決め演出としての役物完成演出が実行される。なお、この当たり演出は、一旦敗北演出後に行われるので、復活を意識させるような文言を表示してもよい。
一方、ボタン押下促進演出後、遊技者によって演出ボタン63が押下されずに規定タイミング(ボタン受付期間開始から1秒:図44(C)参照)となると、図49(C1)に示すように、当たり演出が実行されると共に、図49(C2)に示すように、枠可動体600が駆動され決め演出としての役物完成演出が実行される。当たり演出、および、役物完成演出後、図48(D)に示すように、大当たり図柄配列を表示する図柄停止演出が実行される。
なお、ボタン演出パターンB2、または、ボタン演出パターンB3に基づくボタン演出例は、ボタン演出パターンB1に基づくボタン演出例における「規定タイミング」が相違するだけであるので、その説明は省略する。
[ボタン演出例4(ボタン演出パターンB#演出ボタン未押下の場合)]
図50は、ボタン演出例4(ボタン演出パターンCの場合)を示す図である。このボタン演出は、演出ボタン63と、枠可動体600と、画像表示装置7(表示画面7a)とを用いる演出であり、演出制御用マイコン91によって実行される。図50のボタン演出は、ボタン演出パターンC(基幹演出がSP1またはSP2)に基づくボタン演出であり、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下された場合と、押下されなかった場合とを示している。
具体的には、基幹演出としてSP1(またはSP2)が実行されてスーパーリーチ発展演出後、ボタン受付期間(図42参照)の開始タイミングとなると、図50(A)に示すように、画像表示装置7にボタン画像BTNを表示して、遊技者に対して演出ボタン63の押下を促進するボタン押下促進演出が実行される。このボタン押下促進演出と共に、演出ボタン63を所定色(例えば、赤色)に発光させる発光演出も行われる。
次に、ボタン受付期間内に遊技者によって演出ボタン63が押下されると、図50(B)に示すように、味方キャラクタCRAが敗北した様子を示す敗北演出が実行される。この敗北演出は、役物完成演出が実行されないこと、言い換えれば、大当たりとならないことを示唆する演出である。
次に、規定タイミング(ボタン受付期間開始から5秒:図44(F)参照)となると、図50(C)に示すように、大当たりとならないことを示すはずれ演出が実行される。この場合、枠可動体600は駆動されず、すなわち、役物完成演出が実行されない。このはずれ演出では、演出図柄8L,8C,8Rを用いてはずれ図柄配列が示されている。
一方、ボタン押下促進演出後、遊技者によって演出ボタン63が押下されずに規定タイミング(ボタン受付期間開始から5秒:図44(C)参照)となると、敗北演出を実行せずに、図50(C)に示すように、大当たりとならないことを示すはずれ演出が実行される。はずれ演出後、図50(D)に示すように、はずれ図柄配列を表示する図柄停止演出が実行される。
10.本実施形態の効果例
従来、操作装置(ボタンやレバーなど)を備え、遊技者にとって有益な状態に移行するか否かの分岐時等において、遊技者に操作装置を操作させて、有益な状態に移行する場合には当該操作に応じて所定の演出(例えば、役物を可動させる演出)を実行することで、有益な状態への移行を報知する遊技機が知られている。
しかしながら、このような遊技機では、遊技者が操作装置を操作したときに、当該操作に応じて所定の演出が実行されなかった場合には、最後まで所定の演出が実行されず、操作装置を用いた演出が面白味にかけた演出になる可能性があった。
なお、遊技者にとって有益な状態とは、例えば、大当たりが確定する状態(大当たり図柄配列が示された状態)、大当たりとなる期待度が高い演出が行われる状態、または、希少価値が高い演出(プレミア演出)が行われる状態などを含む。
[効果1]
一方、本実施形態の遊技機1によれば、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターンAに基づくボタン演出(図47参照)を実行する場合には、遊技者による演出ボタン63の押下に基づいて、枠可動体600を用いた役物完成演出を実行し得るが、ボタン演出パターンB1,B2,B3に基づくボタン演出(図49参照)を実行する場合には、演出ボタン63の押下が行われたか否かによらずに、それぞれ異なる規定タイミング(図42、図44(C)〜(E)参照)で、枠可動体600を用いた役物完成演出を実行するようにしている。この構成によれば、ボタン演出時において、遊技者が演出ボタン63を操作したときに、当該操作に応じて役物完成演出が実行されるときもあれば、遊技者が演出ボタン63を操作したか否かにかかわらずに、複数のタイミングで、突然、役物完成演出が実行されるときもある。従って、遊技者による演出ボタン63の操作に応じて役物完成演出が実行されない場合であっても、規定タイミングになると役物完成演出が実行される場合があるので、最後までボタン演出への期待感を保つことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果2]
本実施形態の遊技機1によれば、ボタン演出パターンA〜Cに基づくボタン演出で規定される上記規定タイミングは、ボタン受付期間の開始タイミングを基準に規定されている(図42、図44(C)〜(E)参照)。この構成によれば、ボタン演出の開始を基準に役物完成演出が実行されるタイミングが規定されるので、正確に役物完成演出を実行することができ、ボタン演出の興趣を向上させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果3]
本実施形態の遊技機1によれば、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターンAに基づくボタン演出(図47、48参照)において、ボタン受付期間内に演出ボタン63の押下が行われた場合には当該操作に基づいて枠可動体600を用いた役物完成演出を実行し、ボタン受付期間内に演出ボタン63の押下が行われなかった場合にはボタン受付期間後の規定タイミング(図44(B)参照)で枠可動体600を用いた役物完成演出を実行するようにしている。また、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターンBに基づくボタン演出(図49参照)において、ボタン受付期間内に演出ボタン63の操作が行われたか否かにかかわらず、規定タイミング(図44(C)〜(E)参照)で、枠可動体600を用いた役物完成演出を実行するようにしている。そして、ボタン演出パターンBに基づくボタン演出におけるボタン受付期間の開始から役物完成演出を実行する規定タイミングまでの期間は、ボタン演出パターンAに基づくボタン演出におけるボタン受付期間よりも短くなるように設定されている(図42参照)。この構成によれば、遊技者が演出ボタン63を操作しようとしたときに、突然、役物完成演出が実行され得るので、ボタン演出にサプライズ感を創出することができ、遊技の興趣を向上させることができる。例えば、ボタン演出パターンAに基づくボタン演出を体験した遊技者は、ボタン演出が実行された場合には、ボタン演出パターンAに対応するボタン受付期間内に演出ボタン63を押下することが考えられるが、ボタン演出がボタン演出パターンBに基づくボタン演出であった場合には、演出ボタン63を押下しようとしたときに、遊技者の思惑に反して、突然、役物完成演出が実行されることになるので、ボタン演出にサプライズ感を創出することができる。
[効果4]
本実施形態の遊技機1によれば、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターンBに基づくボタン演出(図49参照)において、規定タイミング(図44(C)〜(E)参照)よりも前に、演出ボタン63の押下(操作)が行われたときには、枠可動体600を用いた役物完成演出が実行されないことを示唆する敗北演出を実行するようにしている(図43:S5670、図49参照)。そして、敗北演出後、役物完成演出(および、当たり演出)を実行するようにしている。この構成によれば、遊技者は、演出ボタン63を押下すると、敗北演出が行われるため一旦落胆するが、その後に遊技者にとって嬉しい役物完成演出が実行されるので、敗北演出が実行されずに単に役物完成演出が実行される場合と比較して、ボタン演出への興味を向上させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果5]
本実施形態の遊技機1によれば、演出制御用マイコン91は、ボタン演出パターンCに基づくボタン演出(図50参照)において、ボタン受付期間内に演出ボタン63の押下が行われた場合には当該押下に基づいて敗北演出を実行し、ボタン受付期間の終了後において役物完成演出を実行せずに、はずれ演出を実行するようにしている。この構成によれば、このボタン演出パターンCに基づくボタン演出を遊技者が体験することで、遊技者は、演出ボタン63の押下(操作)が行われたときに敗北演出を実行し、その後役物完成演出を実行するボタン演出(ボタン演出パターンBに基づくボタン演出)を体験したときに、当該ボタン演出に驚きを感じることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
11.本実施形態の変形例
[変形例1]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出B1〜B3に基づくボタン演出において、枠可動体600が駆動されて役物完成演出が実行される規定タイミング(それぞれ変動開始開始から1秒、2秒、3秒)は、最大ボタン受付期間の終了タイミングと同じであるが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ボタン演出B1〜B3に基づくボタン演出において、役物完成演出が実行される規定タイミングは、最大ボタン受付期間よりも後のタイミングであってもよい。この場合、タイミング規定タイマ値は、ボタン受付タイマ値よりも長い値が設定される。
[変形例2]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出における役物完成演出を、大当たりであるのかはずれであるのかを遊技者に報知する分岐時(スーパーリーチ発展演出後)において、当該変動が大当たりであることを示唆する大当たり示唆演出(決め演出)として用いているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、役物完成演出を、大当たり期待度の低い演出から大当たり期待度の高い演出(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチ)に発展するか否かの分岐時において、大当たり期待度の高い演出に発展することを示唆する高期待度演出発展示唆演出として用いてもよい。また、役物完成演出を、大当たり遊技前の演出、大当たり遊技中、または、大当たり遊技後の演出時において、遊技者に有利な遊技状態(例えば、高確時短状態、低確時短状態、ラウンド遊技が多い大当たり遊技状態)に移行することを示唆する有利遊技状態移行示唆演出として用いてもよい。
[変形例3]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出パターンA,B1,B2,B3に基づくボタン演出において、演出ボタン63に対応した演出として、役物完成演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ボタン演出において、演出ボタン63に対応した演出として、内枠に装着された役物を可動させる演出や、画像表示装置7とは異なる表示装置を用いた表示演出を実行するようにしてもよい。画像表示装置7とは異なる表示装置としては、例えば、画像表示装置7よりも前面であって、遊技者から見た場合に少なくとも一部が画像表示装置7と重なる配置され、表示部が透過性部材(有機ELなど)で構成される表示装置を採用することができる。
[変形例4]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出におけるボタン受付期間(図42〜44参照)は、ボタン受付期間の終了予定時間よりも前に遊技者により演出ボタン63が押下された場合には、その時点で終了するように構成されているが、本発明はこれに限られるものではなく、ボタン受付期間は、固定期間であってもよい。
[変形例5]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出パターンB1,B2,B3に基づくボタン演出(図44、図49参照)において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されなかった場合には、敗北演出を実行せず、役物完成演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ボタン演出パターンB1,B2,B3に基づくボタン演出において、ボタン受付期間内に演出ボタン63が押下されなかった場合であっても、演出ボタン63の押下時と同様に、一旦、敗北演出を実行後、役物完成演出を実行するようにしてもよい。
[変形例6]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出パターンB1,B2,B3に基づくボタン演出(図44、図49参照)において、規定タイミングになると、役物完成演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ボタン受付期間内に複数回の演出ボタン63の押下があった場合には、規定タイミングになってなくても、役物完成演出を実現するボタン演出パターンを採用してもよい。
[変形例7]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出パターンBは、ボタン演出パターンB1,B2,B3の3つ用意されているが、本発明はこれに限られるものではなく、1つ、または、2つでもよいし、4つ以上でもいい。
[変形例8]
本実施形態の遊技機1では、演出ボタン63を用いてボタン演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、演出ボタン63に代えて、剣部材222を用いてボタン演出を実行するようにしてもよい。また、遊技機1は、遊技者が操作する操作装置として、レバー、ハンドル、トリガーなどを備え、これらを演出ボタン63の代わりにボタン演出で用いるようにしてもよい。また、ボタン演出では、遊技者が操作する操作装置として演出ボタン63のみを用いているが、本発明はこれに限られるものではなく、2つ以上の操作装置を用いてボタン演出を実行するようにしてもよい。この場合、これらの操作装置にそれぞれにボタン受付期間、役物完成演出に対応する規定タイミングなどを設定してもよい。
[変形例9]
本実施形態の遊技機1では、ボタン演出において、演出ボタン63に対応して1つの役物(枠可動体600)を駆動させて役物完成演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ボタン演出において、演出ボタン63に対応して2つ以上の可動役物を駆動させて役物完成演出を実行するようにしてもよい。
[変形例10]
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
[変形例11]
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。また、上述した複数の変形例のうち、2つ以上の変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
[変形例12]
上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現することができる。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現することができる。さらに、上記実施形態で例示した表示演出等も単なる一例であって、他の表示演出を採用することができる。
12.実施態様
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
◇[態様1]
遊技領域に設けられた入球口への遊技球の入球に基づいて、当否判定を行う当否判定手段(81)と、
図柄の変動をおこない、停止図柄に基づいて前記当否判定の結果を報知する図柄制御手段(81)と、
前記図柄の変動中において所定の演出を実行可能な演出部材(600)と、
遊技者によって操作可能な操作手段(63)と、
前記図柄の変動中に前記操作手段の操作が行われた場合において、当該操作から遅れて前記演出部材に前記所定の演出を実行可能な演出実行手段(91)と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記操作から遅れて前記演出部材に前記所定の演出を実行させる場合において、前記所定の演出の実行タイミングが互いに異なる複数の演出パターンを実行可能である、
を備えることを特徴とする遊技機(1)。
◇[態様2]
前記実行タイミングは、前記図柄の変動中に前記操作手段の操作が行われた場合において、当該操作の操作受付期間の開始から所定時間経過したタイミングである、
ことを特徴とする態様1に記載の遊技機。
◇[態様3]
前記演出実行手段(91)は、前記図柄の変動中に前記操作手段の操作が行われなかった場合において、当該操作の操作受付期間の終了に応じて前記演出部材に前記所定の演出を実行させる他の演出パターンを実行可能であり、
前記複数の演出パターンのうちの少なくとも一つの演出パターンにおいて、当該演出パターンに用いられる操作受付期間の開始から前記実行タイミングまでの期間は、前記他の演出パターンに用いられる操作受付期間よりも短い、
ことを特徴とする態様1または態様2に記載の遊技機。
◇[態様4]
前記演出実行手段(91)が前記演出部材に前記所定の演出を前記実行タイミングで実行させる場合において、前記実行タイミングよりも前に前記操作手段の操作が行われたときには、前記演出部材による前記所定の演出が実行されないことを示唆する示唆演出を当該操作から前記実行タイミングまでの間に実行する示唆演出実行手段(91)を備える、
ことを特徴とする態様1から態様3までのいずれか一項に記載の遊技機。
◇[態様5]
前記演出実行手段(91)は、前記操作手段の操作が行われた場合には当該操作に基づいて前記示唆演出を実行させ、当該操作の操作受付期間の終了後において前記演出部材による前記所定の演出を実行させずに、前記演出部材による前記所定の演出とは異なる演出を実行させる演出パターンを実行可能である、
ことを特徴とする態様4に記載の遊技機。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。