1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の上下方向及び左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての上下方向及び左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ29が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示及び停止表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」、さらには「導出表示演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。大当たりに当選した場合の演出図柄8L,8C,8Rの停止態様を、特定の停止態様という。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像(演出保留表示)9Aを表示する第1演出保留表示エリア201と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像(演出保留表示)9Bを表示する第2演出保留表示エリア202とがある。演出保留画像の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお本形態では、実行中の変動(当該変動ともいう)に対応する演出保留画像(演出保留表示)9Cを表示する当該変動用演出保留表示エリア(当該保留表示領域)200も表示画面7aに設けられている(図49(a)参照)。演出保留画像9Cは、当該演出保留画像(当該演出保留表示)9Cともいう。また、第1演出保留表示エリア201と、第2演出保留表示エリア202と、当該変動用演出保留表示エリア200とを含めて、演出保留表示エリアという。演出保留表示エリアは、保留表示部に相当する。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上方には、文字や図形を表した装飾部材13が配されていて、装飾部材13の後方には装飾可動体15が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、固定入賞装置19よりも右方の遊技領域3、即ち遊技領域3の右下部には、図2に示すように、入球ユニットUNが配されている。入球ユニットUNは、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、普通可変入賞装置22と、ゲート28とを主に備えていて、これら各装置31,36,22及びゲート28がユニット化されたものである。
この入球ユニットUNは、遊技盤2に対して脱着可能になっている。そのため、上述した各装置31,36,22及びゲート28を一体として遊技盤2に組付けることができると共に、遊技盤2から取り外すことができる。よって、上述した各装置31,36,22及びゲート28を別々に遊技盤2に組付ける、又は遊技盤2から取り外す場合に比べて、組付け作業及び取り外し作業を容易にすることが可能である。
図2に示すように、入球ユニットUNの右部には、普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が配されている。電チュー22は、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、遊技盤2に対して前後方向に進退可能な進退部材(可動部材)23を備え、進退部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。進退部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。第2始動口21は、進退部材23が後方に退避した退避状態(開状態)であるときにのみ遊技球が入球可能となる。なお進退部材23は、前方に進出した進出状態(閉状態)であるときにおいて退避状態にあるときよりも低い入球率で遊技球の入球を許容するものであってもよい。
また図2に示すように、入球ユニットUNにおける第2始動口21の上方にはゲート28が配されている。ゲート28は、遊技球が上下方向に通過可能な通過領域28bを有し、通過領域28bへの遊技球の通過を検知するゲートセンサ28a(図5参照)が組み付けられたものである。ゲート28(通過領域28b)への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また図2に示すように、入球ユニットUNにおける電チュー22の左下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、第1特別入賞手段)31が配されている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第1大入賞装置31には、第1大入賞口30への遊技球の入球を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている(図3参照)。
また図2に示すように、入球ユニットUNにおける電チュー22の左方、即ち第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、第2特別入賞手段)36が配されている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞装置36には、第2大入賞口35への遊技球の入球を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている(図3参照)。
より詳細には、図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいう)39および非特定領域(非V領域ともいう)70が形成されている。なお、第2大入賞装置36には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aと、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aとが配されている。
また第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図5参照)とを備えている。振分部材71は、前後方向に沿う回転軸を中心に回転可能となっている。振分部材ソレノイド73は、通電の有無によって、振分部材71による遊技球の振り分けを切り替えるものである。
図3(A)に示すように振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は、遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態(通過許容状態)をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の表面を転動して特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
一方、図3(B)に示すように振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態(通過阻止状態)をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
なお図2に示すように、遊技盤2には、右打ちされた遊技球をゲート28の上方に向かわせる右打ちガイド部材150が設けられている。本形態では右打ちされた遊技球は、必ず右打ちガイド部材150内の球通路を通って出口部分150aから流出する。右打ちガイド部材150の出口部分150aは、ゲート28の通過領域28bの真上に配置されている。また、ゲート28の通過領域28bは、電チュー22の第2始動口21の真上に配置されている。よって右打ちされた遊技球は、右打ちガイド部材150の出口部分150aから流出されると、ゲート28を通過して、電チュー22の進退部材23の上方に到達し得るようになっている。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(所定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。
また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報に相当)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数及び第2特図保留の上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示するものである。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第1特図保留記憶部85aや第2特図保留記憶部85bは、記憶手段に当たる。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(第1入球検知手段)20a、第2始動口センサ(第2入球検知手段)21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の進退部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
本形態では、第1始動口20への入賞による払い出しの賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入賞による払い出しの賞球数は13球である。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。また本パチンコ遊技機1の発射装置112には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知している状態で遊技球の発射を停止させるための発射停止スイッチ116が設けられている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。
詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出SW63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図7及び図8に示す通りである。図7及び図8に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けてVロング大当たりとVショート大当たりとの2つがある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、図8に示すように、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.08秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.08秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図3(B)参照)から第1状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが60%、Vショート大当たりが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。演出図柄がリーチ状態で表示されていることを、演出図柄がリーチ態様で表示されているともいう。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)および普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0〜232までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図12参照)。つまり、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
具体的には、図12に示すように、非時短状態では、500msである変動時間が約33%(77/233)の割合で選択され、1500msである変動時間が約33.5%(78/233)の割合で選択され、2400mである変動時間が約33.5%(78/233)の割合で選択される。これに対して、時短状態では、300msである変動時間が約57%(133/233)の割合で選択され、1100msである変動時間が約21.5%(50/233)の割合で選択され、2000msである変動時間が約21.5%(50/233)の割合で選択される。
時短状態(後述する電サポ制御状態)において普通図柄の変動時間が300ms、1100ms、2000msの3種類から選択されるのは、以下の理由に基づく。すなわち本形態では、第2始動口21への入賞に基づく賞球が2球である。そのため、時短状態において発射停止スイッチ116を使った所謂止め打ちがなされると、遊技者が持ち球を増やすことができる可能性がある。そこで、このような攻略的な打ち方ができないように、普通図柄の変動時間として3種類の変動時間を設けているのである。
また時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。高ベース状態を電サポ制御状態とも称し、低ベース状態を非電サポ制御状態とも称する。
なお時短状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能および電チュー22の開放時間延長機能に加えて、補助遊技における電チュー22の開放回数を非時短状態より多くするようにしてもよい。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」ともいう。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図15〜図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図15に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図16に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値や普図変動パターン乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)、および保留球数処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図15参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図17に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図14の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第2始動入賞コマンド(第2の入賞情報)を特定(生成)する。具体的には、現在の遊技状態が時短状態であり、大当たり乱数が「10001」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、特図変動パターン乱数が「1」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ時短状態の箇所の数値範囲指定に従って、第2始動入賞コマンドとして「F2H11H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばF2H)と1バイトの下位コマンド(例えば11H))からなっている。
図14に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図10(A)の大当たり判定テーブル、図7の大当たり種別判定テーブル、図10(B)のリーチ判定テーブル、図11の変動パターン判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否、大当たりの種類(Vロング大当たり又はVショート大当たりの別)、リーチの有無、および後述のSPリーチを行うか否かの情報が含まれている。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、遊技状態(時短状態か非時短状態か)を指定する情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、大当たりの当否、大当たりの種類、及びリーチの有無を指定する情報である。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、リーチの種類(SPリーチ又はノーマルリーチの別)を指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。例えば始動入賞コマンドに、保留球数を指定する情報を含めるようにしてもよい。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図14の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第1始動入賞コマンド(第1の入賞情報)を特定(生成)する。具体的には、現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「10001」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、特図変動パターン乱数が「1」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ非時短状態の箇所の数値範囲指定に従って、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否、大当たりの種類、リーチの有無、および後述のSPリーチを行うか否かを指定する情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図18に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が「4」以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が「4」以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)及び普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1の値)を取得し(つまり図9(B)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図19に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、時短状態であれば図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうちの時短状態の部分(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定し、非時短状態であれば図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうちの非時短状態の部分(当たり判定値が「1」〜「6379」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、普図保留記憶部86に格納されている普図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−J1の値)を読み出し、図12に示す普通図柄変動パターン判定テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が300ms、1100ms、又は2000msのいずれかの普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が500ms、1500ms、又は2400msのいずれかの普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間(図12参照)が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]図20に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図21に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図7参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図22に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10263」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10792」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図23及び図24に基づいてまとめて説明する。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、変動パターンP1〜P5のいずれかが選択されることになる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。また、ノーマルリーチよりもSPリーチの方が大当たり期待度(信頼度)が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
また変動パターンが決まれば、疑似連(疑似連続予告演出)の実行の有無が決まる。疑似連とは、一回の特別図柄の変動表示に対する演出図柄変動演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全てを一旦仮停止表示させ、その後全ての演出図柄8L,8C,8Rを再変動表示させる演出である。仮停止表示において表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(すなわち仮停止出目)は、予め定めた演出図柄の組み合わせからなる特殊な停止態様であってもよいし、単なるバラケ目でもよい。本形態では、特殊な停止態様をとることとしている。特殊な停止態様としては、例えば、疑似連となることを示すために専用で設けた特殊演出図柄を含む出目や、いわゆるチャンス目(例えば「135」)などが挙げられる。本形態では特殊演出図柄GZ(図63(b)参照)を含む出目を表示するようにしている。
また本形態では、疑似連回数は最大で3回である(図11の備考欄参照)。疑似連ガセ(疑似連1回ともいう)とは、疑似連となるように見せかけて遊技者を煽り、疑似連とならないガセの演出である。すなわち、再変動へ繋がる特殊な停止態様の仮停止出目(疑似連出目)となるように見せかけたあと、仮停止出目ではないバラケ目で全ての演出図柄8L,8C,8Rを確定停止(最終停止)させるものである。具体的には、図63(a)に示すように特殊演出図柄GZが停止表示されるかのように見せた後、図63(c)に示すように特殊演出図柄GZを含まないバラケ目で全ての演出図柄8L,8C,8Rを確定停止させるものである。
疑似連2回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと1回の仮停止表示と1回の再変動表示を経て演出図柄の確定停止表示を行う演出である。疑似連3回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと仮停止表示と再変動表示のセットを2回行ってから演出図柄の確定停止表示を行う演出である。本形態では、疑似連回数が多いほど大当たり期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
図23に戻り、ステップS1603においてVロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP6〜P10のいずれかが選択されることになる。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP11〜P15のいずれかが選択されることになる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、疑似連ガセ(疑似連1回)が選択される場合を除いて、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP16〜P18が選択されることになる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図24に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。すなわち、Vロング大当たりであれば図11の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、変動パターンP31又はP32が選択されることになる。
またVショート大当たりであれば、図11の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP33又はP34が選択される。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。またリーチ有りハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1614)。具体的には、変動パターンP35又はP36が選択されることになる。またリーチ無しハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、変動パターンP37又はP38が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、疑似連が実行される変動パターンがない。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1616)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特別図柄の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図25に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図26に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(本形態では600ms、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。
一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1902)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7及び図8を参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図7参照)をセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1907)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1908)。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)処理を終える。
[遊技状態管理処理]図27に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図28に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図29に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「3」若しくは「1」であるか否かを判定する(S2205)。第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図31)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図30)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7及び図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、ラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放がラウンド遊技1回の中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンド(図7参照)を、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図29)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンド(図7参照)をセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図30に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「100」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「100」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]図31に示すように特定領域センサ検出処理(S107)では、遊技制御用マイコン81はまず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図29)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
[保留球数処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S107)に次いで保留球数処理(S108)を行う(図16参照)。保留球数処理(S108)では図32に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2801)。次いで、その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2802)。
詳細には、特図1保留球数の増加又は減少があれば、特図1保留球数をサブ制御基板90に通知するための特図1保留球数コマンドをセットする。また、特図2保留球数の増加又は減少があれば、特図2保留球数をサブ制御基板90に通知するための特図2保留球数コマンドをセットする。また、普通図柄保留球数の増加又は減少があれば、普通図柄保留球数をサブ制御基板90に通知するための普図保留球数コマンドをセットする。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図33〜図43に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。特に本形態では図44に示すように、RAM94には、「第1特図保留球数カウンタ」、「第2特図保留球数カウンタ」、「保留シナリオ実行フラグ」、「保留シナリオ実行No.」、「保留シナリオ実行カウンタ」、「保留シナリオ実行データ」、「保留変化段階」、及び「ミニキャラ演出シナリオ」といった各記憶領域が設けられている。これらの各記憶領域は後述する処理において適宜使用する。
サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出保留画像の最終表示態様を決定する保留変化乱数、演出保留画像の変化態様(変化パターン)の概要を決める保留シナリオ乱数、後述するミニキャラ演出の実行態様(実行パターン)を決めるミニキャラ演出乱数、等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図34に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4304)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4303)を行う。
その後、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド、又は普図保留球数コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する演出保留表示処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば変動演出終了処理(S4408)を行う。変動演出終了処理(S4408)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればオープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればラウンド演出選択処理(S4412)を行う。ラウンド演出選択処理(S4412)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればエンディング演出選択処理(S4414)を行う。エンディング演出選択処理(S4414)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4416)を行う。V通過報知演出開始処理(S4416)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4417)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握のために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[先読み演出判定処理]先読み演出判定処理(S4402)では、演出保留画像(図1の9A等)の最終表示態様を決定するとともに、通常表示態様とは異なる特殊表示態様にて表示すると決定した場合に、どのようにして最終表示態様まで表示態様を変化させるかの概略を示す保留シナリオを決定する。図38に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、現在の遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態のいずれか)であるか否かを判定する(S4601)。高ベース状態であれば、演出保留画像の表示態様の変化(保留変化)を行わない。よって、保留シナリオとして「保留変化なし」を設定する(S4612)。
これに対して、高ベース状態でなければ(ステップS4601でNO)、保留シナリオ実行フラグの値が、「実行中」を示す「1」又は「終了待機」を示す「2」(図38中の表参照)のいずれかであるか否かを判定する(S4602)。保留シナリオ実行フラグは、保留変化の演出の実行段階を示すフラグである。保留シナリオ実行フラグの値が「1」又は「2」のいずれかであれば、保留変化の演出を行っている最中であるため、複数の保留変化の演出が同時に実行されないように、保留シナリオとして「保留変化なし」を設定する(S4612)。
一方、保留シナリオ実行フラグの値が「1」又は「2」でなければ(S4602でNO)、保留シナリオ実行フラグの値は「停止中」を示す「0」であり、保留変化の演出は行われていない。よって、現在記憶されている特図保留にリーチ状態とする予定の特図保留があるか否かを判定する(S4603)。これは、現在記憶されている特図保留に対応する始動入賞コマンド(図14)に基づいて行う。なお本形態では、始動入賞コマンドは、そのコマンドに対応する特図保留に係る変動演出が終了するまでRAM94内に記憶されているものとする。ステップS4603においてリーチ状態とする予定の特図保留があれば、保留シナリオとして「保留変化なし」を設定する(S4612)。
一方、ステップS4603においてリーチ状態とする予定の特図保留がなければ(S4603でNO)、演出保留画像の最終表示態様を抽選するべく、ステップS4604に進む。ステップS4604では、受信した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)が大当たりと判定される特定の数値情報であるか否かを判定する。
既に述べたように、始動入賞コマンドには、図14のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりと判定される特定の数値情報であるか否かや、SPリーチの変動パターンが選択される数値情報であるか否か、ノーマルリーチの変動パターンが選択される数値情報であるか否かがわかる。具体的には図14に示すように、始動入賞コマンドは、その下位コマンドの上の桁が「1」又は「2」であれば大当たりと判定されることを示している。また、その下位コマンドの下の桁が「1」であればSPリーチの変動パターンが選択されることを示し、「2」であればノーマルリーチの変動パターンが選択されることを示している。そのため、上記したステップS4604の判定では、始動入賞コマンドの下位コマンドの上の桁に基づいて大当たりか否かを判定する。
そしてステップS4604の判定結果がYESであれば、保留変化乱数を取得し、図46に示す保留変化乱数判定テーブルの大当たりに該当する部分を参照して、演出保留画像の最終表示態様の抽選を行う(S4605)。これに対して、ステップS4604の判定結果がNOであれば、つまりハズレの場合には続いて、受信した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)がSPリーチの変動パターンと判定される数値情報であるか否かを判定する(S4606)。
そしてステップS4606の判定結果がYESであれば、保留変化乱数を取得し、図46に示す保留変化乱数判定テーブルのSPリーチハズレに該当する部分を参照して、演出保留画像の最終表示態様の抽選を行う(S4607)。これに対して、ステップS4606の判定結果がNOであれば、つまり大当たりでもSPリーチハズレでもない場合には続いて、受信した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)がノーマルリーチの変動パターンと判定される数値情報であるか否かを判定する(S4608)。
そしてステップS4608の判定結果がYESであれば、保留変化乱数を取得し、図46に示す保留変化乱数判定テーブルのノーマルリーチハズレに該当する部分を参照して、演出保留画像の最終表示態様の抽選を行う(S4609)。一方、ステップS4608の判定結果がNOであれば、つまり始動入賞コマンドに基づく判定の結果がリーチ無しハズレであれば、演出保留画像の最終表示態様の抽選を行うことなく、保留シナリオとして「保留変化なし」を設定して(S4612)、本処理を終える。つまり本形態では、リーチ無しハズレの変動演出が行われる場合には、その変動演出に対応する演出保留画像が特殊表示態様で表示されることはない。なお本形態では、始動入賞コマンドに基づくステップS4604,S4606,及びS4608の判定が事前判定にあたる。
ここで、本形態における演出保留画像の表示態様について説明する。図45に示すように、本形態では6種類の表示態様が設けられている。各表示態様は、演出保留画像の表示色が異なっている。具体的には、「白」の演出保留画像(保留表示態様データは「01H」)、「青」の演出保留画像(保留表示態様データは「02H」)、「緑」の演出保留画像(保留表示態様データは「03H」)、「赤」の演出保留画像(保留表示態様データは「04H」)、「紫」の演出保留画像(保留表示態様データは「05H」)、及び「金」の演出保留画像(保留表示態様データは「06H」)がある。
「白」の演出保留画像は、通常表示態様(通常の表示態様)に当たる。また、「青」〜「金」までの各演出保留画像は、第1特殊表示態様〜第5特殊表示態様に当たる。演出保留画像の表示態様は大当たり期待度を示す。大当たり期待度は、「白」の演出保留画像が最も小さく、「青」⇒「緑」⇒「赤」⇒「紫」⇒「金」の順に高くなっている。つまり、演出保留画像の表示態様と大当たり期待度とがこのような関係となるように、図46に示す保留変化乱数判定テーブルが設定されている。なお、「金」の演出保留画像は事前判定の結果が大当たりであるときのみ選択される。つまり、「金」の演出保留画像の表示は、遊技者に対する大当たり確定報知となっている。また、「紫」の演出保留画像は事前判定の結果が大当たりかSPリーチハズレであるときのみ選択される。なお、通常表示態様の演出保留画像を通常演出保留画像ともいい、各特殊表示態様の演出保留画像を特殊演出保留画像ともいう。
図38に戻り、上記のような演出保留画像の最終表示態様の抽選(ステップS4605,S4607,又はS4609)を行った後は、その抽選によって決定された最終表示態様に対応する保留表示態様データ(最終表示態様データ)をセットする(S4610)。そして、保留シナリオの抽選を行う(S4611)。保留シナリオとは、特図保留(特別図柄の変動表示を実行する権利)が発生してから消滅するまでの間におけるその特図保留に対応する演出保留画像の表示態様の推移の様子のことである。
保留シナリオの抽選(S4611)では、保留シナリオ乱数を取得する。そして、演出保留画像の最終表示態様と特図保留球数とに応じて定められている保留シナリオ乱数判定テーブル(図47参照)に基づいて、取得した保留シナリオ乱数を判定する。例えば、演出保留画像の最終表示態様の抽選(図46参照)において保留変化あり「金」が選択されており、現在の処理に係る始動入賞コマンドが特図1の保留4個目に対応する場合には、保留シナリオ乱数判定テーブル(図47)における最終表示態様データが「06H」且つ保留4個目の部分を参照して、保留シナリオ乱数を判定する。
より詳細には保留シナリオ乱数の値が「99」である場合には、保留シナリオNo.「062」の保留シナリオが選択される。保留シナリオNo.「062」の保留シナリオは、保留4個目のときにまず「白」の演出保留画像を表示し、保留3個目のときに「青」の演出保留画像に変化させ、保留2個目のときに「緑」の演出保留画像に変化させる。そして、保留1個目のときに「赤」の演出保留画像に変化させ、当該変動のときに「紫」の演出保留画像に変化させて、その後「金」の演出保留画像に変化させるという保留シナリオである。なお、現在実行している処理が保留何個目に対応するかは、演出制御用マイコン91において特図保留球数(特図1保留球数及び特図2保留球数)を把握するためのRAM94の特図保留球数カウンタ(図44に示す第1特図保留球数カウンタ又は第2特図保留球数カウンタ)の値を参照する。第1特図保留球数カウンタは特図1保留球数をカウントするためのカウンタである。また、第2特図保留球数カウンタは特図2保留球数をカウントするためのカウンタである。ステップS4611の保留シナリオの抽選を実行している段階では、保留球数コマンドに基づく処理(図39)の実行前であるため、特図保留球数カウンタの値が「3」であれば保留4個目ということになる。
ここで本形態では、表示態様を変化させると決定された演出保留画像(変化対象保留画像)は、当該変動以外の演出保留画像として表示されているときにおいて、最大で2回変化する場合がある(図47の保留シナリオNo.「061」等参照)。また、当該変動の演出保留画像として表示されているときにおいて、最大で5回変化する場合がある(図47の保留シナリオNo.「068」等参照)。なお、変化対象保留画像は、変化対象保留表示に相当する。
[演出保留表示処理]図39に示すように、演出保留表示処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド、又は普図保留球数コマンド)が、特図保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンド)であるか否かを判定する(S4701)。特図保留球数コマンドでなければ、その他の処理(例えば普図保留球数コマンドが示す普通図柄保留球数をRAM94に格納する処理等)を行って(S4712)、本処理を終える。
一方、ステップS4701において特図保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンド)であれば(S4701でYES)、特図保留球数コマンド(1バイトの上位コマンドと1バイトの下位コマンドとからなる)のうちの下位コマンドの値を、保留更新値として設定する(S4702)。特図1保留球数コマンドの下位コマンドは、特図1保留球数の値を示しており、特図2保留球数コマンドの下位コマンドは、特図2保留球数の値を示している。なお、特図1保留球数コマンドを受信した場合であっても、特図2保留球数コマンドを受信した場合であっても同様の処理を行うため、以下では区別せずに説明する。
続くステップS4703では、ステップS4702で設定した保留更新値が、特図保留球数の値に「1」を加算した値と同じであるか否かを判定する。特図保留球数の値とは、特図1保留球数コマンドに関する処理の場合にはRAM94に設けた第1特図保留球数カウンタ(図44参照)の値である。また、特図2保留球数コマンドに関する処理の場合にはRAM94に設けた第2特図保留球数カウンタ(図44参照)の値である。ステップS4703において両値が一致していなければ、特図1保留球数又は特図2保留球数の減少タイミングである。そのため、ステップS4710に進む。
これに対して、ステップS4703において一致していれば(S4703でYES)、特図1保留球数又は特図2保留球数の増加タイミングである。そのため、ステップS4704に進む。ステップS4704では、上述の先読み演出判定処理(図38)で決定した保留シナリオに基づいて、その保留シナリオが示す始めの表示態様と最終表示態様との情報を含む最終表示態様コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S4704)。この最終表示態様コマンドは、画像制御基板100に演出保留画像の始めの表示態様と最終表示態様とを通知するためのコマンドである。このようにすることで、保留シナリオが示す表示態様とは異なる表示態様に画像制御基板100が誤って制御してしまうことのないようにしている。
特に本形態では、後述するように多数の予告演出が実行され、その予告演出の一部として保留変化を伴う保留変化予告演出が実行される。よって、万が一サブ制御基板90と画像制御基板100との間に通信不良が生じたり、画像制御基板100による処理が遅延したりした場合の演出上の影響は大きい。そのため、本形態ではステップS4704の処理を行うように構成しておくことが有用である。但し、ステップS4704の処理を行わない構成とすることも勿論可能である。
ステップS4704に続いて演出制御用マイコン91は、上述の先読み演出判定処理(図38)で決定した保留シナリオが「保留変化なし」であるか否かを判定する(S4705)。「保留変化なし」であれば、保留変化の演出を行わないため、ステップS4710に進む。
これに対して、「保留変化なし」でなければ(S4705でNO)、保留変化の演出を行うため、保留シナリオ実行フラグ(図44参照)に、「実行中」を示す「1」を設定する(S4706)。そして、保留シナリオ実行No.(図44参照)に、上述の先読み演出判定処理(図38)で決定した保留シナリオのシナリオNo.(図47参照)を設定する(S4707)。次いで、変化対象保留画像に対応する変動演出が開始されるまでの変動回数をカウントする保留シナリオ実行カウンタ(図44参照)に、上述のステップS4702で設定した保留更新値を設定する(S4708)。それから、変化対象保留画像の現在の表示態様を示す保留シナリオ実行データ(図44参照)に、変化対象保留画像の入賞時(始動入賞時)の表示態様に対応する保留表示態様データ(図45参照)を設定して(S4709)、ステップS4710に進む。
ステップS4710では、上述のステップS4702で設定した保留更新値を特図保留球数に設定する。これにより、第1特図保留球数カウンタ又は第2特図保留球数カウンタ(図44)の値が更新される。その後、演出制御用マイコン91は、特図保留球数(第1特図保留球数カウンタ又は第2特図保留球数カウンタの値)に対応した演出保留画像の表示を行わせるための演出保留表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S4711)、本処理を終える。ステップS4711でセットされた演出保留表示コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、演出保留画像の追加表示(特図保留球数の増加時)を行ったり、演出保留画像のシフト表示(特図保留球数の減少時)を行ったりする。なお、シフト表示とは、演出保留画像の表示位置を消化される側に変えることである。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(図23)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図11参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、演出図柄変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S5002)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄抽選の結果として停止表示される特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「7・7・7」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S5003)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図11のP1等)などに応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、例えばリーチの種類(ノーマルリーチを行うのか、SPリーチを行うのか)や疑似連の回数に加えて、SPリーチに属する演出を複数設けている場合にどの演出を実行するのか等までを含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の演出時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
次いで演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄及び変動演出パターンにて演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5004)。なお、ステップS5004でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄変動演出を行う。
続いて演出制御用マイコン91は、RAM94に格納されているミニキャラ演出シナリオ(図44)をクリアする(S5005)。ミニキャラ演出シナリオは、後述するステップS5203で設定されるシナリオである。なお、ミニキャラ演出については後に詳述する。
その後、演出制御用マイコン91は、後述する保留変化予告演出設定処理(S5006)および予告演出(ミニキャラ)抽選処理(S5007)を行う。そして、ミニキャラ演出以外の予告演出(その他予告演出)を選択する(S5008)。その他予告演出としては、例えば所謂ステップアップ予告演出や、カットイン画像を表示する演出などがある。それから、選択したミニキャラ演出以外の予告演出を画像制御基板100に実行させるためのその他予告演出コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S5009)、本処理を終える。
[保留変化予告演出設定処理]図41に示すように、保留変化予告演出設定処理(S5006)ではまず、演出制御用マイコン91は、保留シナリオ実行カウンタの値を1ディクリメントする(S5101)。次いで演出制御用マイコン91は、保留シナリオ実行フラグの値が「実行中」を示す「1」であるか否かを判定する(S5102)。保留シナリオ実行フラグが「実行中」であれば(S5102でYES)、変化対象保留画像の表示中である。よって、ステップS5103に進む。
ステップS5103では、保留シナリオ実行カウンタの値が「0」か否かを判定する。保留シナリオ実行カウンタの値が「0」でなければ(S5103でNO)、変化対象保留画像に対応する変動演出に関する処理ではないため、ステップS5105に進む。一方、保留シナリオ実行カウンタの値が「0」であれば(S5103でYES)、変化対象保留画像に対応する変動演出に関する処理である。つまり、変化対象保留画像に対応する変動演出の開始時である。よって、保留シナリオ実行フラグに「終了待機」を示す「2」を設定して(S5104)、ステップS5105に進む。
ステップS5105では、「保留シナリオ実行No.」に設定されている保留シナリオNo.の値、および、「保留シナリオ実行カウンタ」の値に基づいて、本変動の終了時の変化対象保留画像の表示態様を取得する。ここでいう本変動とは、現在実行中の変動演出開始処理(ステップS4406)に係る変動演出のことである。具体的には例えば、「保留シナリオ実行No.」に設定されている保留シナリオNo.の値が「062」であり、「保留シナリオ実行カウンタ」の値が「0」であれば、本変動の終了時の変化対象保留画像の表示態様は「金」である(図47参照)。よって、「金」に対応する保留表示態様データ「06H」を取得する。
続くステップS5106では、ステップS5105で取得した本変動の終了時の変化対象保留画像の表示態様と、保留シナリオ実行データに設定されている現在の表示態様とに基づいて、本変動の実行中における保留変化段階を、RAM94の所定の記憶領域(図44参照)に設定する。保留変化段階とは、本変動の実行中に保留変化を何段階行うかということである。具体的に上記の例で言えば、本変動の終了時の変化対象保留画像の表示態様は「金」(保留表示態様データは06H)であり、現在の表示態様(保留1個目のとき)は「赤」(保留表示態様データは04H)である(図47参照)。よって、「06H」と「04H」との差である「2」を設定する。なお本形態では、演出保留画像の表示態様は必ず1段階ずつ昇格するようになっている。演出制御用マイコン91はステップS5106を実行したら本処理を終える。
これに対して、ステップS5102において保留シナリオ実行フラグが「実行中」でなければ(S5102でNO)、すなわち保留シナリオ実行フラグが「終了待機」又は「停止中」であれば、変化対象保留画像の表示中ではない。よって、ステップS5107に進む。
ステップS5107では、保留シナリオ実行フラグ(図44参照)に、「停止中」を示す「0」(図38の表参照)を設定する。そして、保留シナリオ実行No.、保留シナリオ実行カウンタ、及び保留シナリオ実行データ(図44参照)の各値をクリアして(S5108,S5109,及びS5110)、本処理を終える。
[予告演出(ミニキャラ)抽選処理]この処理では、どのようなミニキャラ演出を実行するかを決定する。ミニキャラ演出は、予告演出の一種である。予告演出とは、変動演出に並行して行われる演出であり、原則としては実行中の変動演出における大当たり期待度、つまりはその変動演出において大当たり当選が報知されることの期待度を示唆する演出である。但し本形態では、ミニキャラ演出として、変化対象保留画像の表示態様を変化させる保留変化予告演出を実行することがある。このミニキャラ演出としての保留変化予告演出(以下「ミニキャラ保留変化演出」ともいう)では、実行中の変動演出に対応しない演出保留画像を変化させることがある。よって、このようなミニキャラ保留変化演出は、実行中ではなく実行予定の変動演出における大当たり期待度を示唆し得る演出ということとなる。
〈ミニキャラ演出について〉
ここで、本形態において実行可能なミニキャラ演出の種類について図48〜図54に基づいて説明する。なお、ミニキャラ演出は、特定予告演出に相当する。図48に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、大きく分けて5種類のミニキャラ演出(ミニキャラ演出A〜E)を実行可能である。各ミニキャラ演出は、表示画面7aに登場させる(表示させる)ミニキャラの種類およびミニキャラの動作が異なっている。
具体的には、ミニキャラ演出Aは、図49に示すようにキャラクタA(ミニキャラ6a)がセリフを言う演出である。また、ミニキャラ演出Bは、図50に示すようにキャラクタB(ミニキャラ6b)が魔法を使う演出である。また、ミニキャラ演出Cは、図51に示すようにキャラクタC(ミニキャラ6c)がパラシュートをひらく演出である。また、ミニキャラ演出Dは、図52に示すようにキャラクタD(ミニキャラ6d)がシャボン玉を飛ばす演出である。また、ミニキャラ演出Eは、図53に示すようにキャラクタE(ミニキャラ6e)がターザンロープを揺らす演出である。
各ミニキャラ演出では、ミニキャラの動作に伴って文字画像が表示される。表示される文字画像の種類は、それぞれ5つある。「???」、「ワクワク」、「リーチ」、「激熱」、又は「変化」である(図48参照)。このうち、「???」、「ワクワク」、「リーチ」、又は「激熱」のいずれかの文字画像を表示する演出パターンは、第1演出パターンに相当する。これに対して、「変化」の文字画像を表示する演出パターンは、第2演出パターンに相当する。
第1演出パターンは、保留変化を行うことなく、実行中の変動演出において大当たり当選が報知される(具体的には「7・7・7」等の同一演出図柄のゾロ目という特定の停止態様で演出図柄が停止表示される)ことの期待度を示唆する演出パターンである。これに対して、第2演出パターンは、変化対象保留画像の表示態様を変化させる演出パターンである。なお、第1演出パターンには、文字画像を表示しない演出パターンがあってもよく、また、これら以外の文字画像(例えば「チャンス」等)を表示する演出パターンがあってもよい。
より詳細には、各ミニキャラ演出は、第1演出パターンと第2演出パターンとに共通の共通演出と、共通演出に続いて実行され、第1演出パターンと第2演出パターンとで異なる展開演出とを含んでいる。つまり、第1演出パターンのミニキャラ演出は、共通演出(図49〜図53までの各図の(a)参照)を経て、演出保留画像を変化させない第1展開演出(図49〜図53までの各図の(c)参照)を行う予告演出である。また、第2演出パターンのミニキャラ演出は、共通演出を経て、演出保留画像(変化対象保留画像)を変化させる第2展開演出(図49〜図53までの各図の(b)参照)を行う予告演出である。なお、図49〜図53までの各図の(b)では、演出保留画像(9Cや9A)の図にハッチングを付けることで演出保留画像が変化したことを示している。
次にこれらのミニキャラ演出の実行タイミングについて説明する。ミニキャラ演出A〜Eの実行タイミングを、Ta〜Teとする(図48参照)。各ミニキャラ演出の実行タイミングTa〜Teは、1回の変動演出中において演出図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、この順で設定されている。本形態では疑似連が実行されることがあるが、疑似連を伴う変動演出では、再変動表示を含む各変動表示から仮停止表示を含む各仮停止表示までの各変動期間において、実行タイミングTa〜Teが設けられている。詳細には例えば疑似連3回の変動演出であれば、図54に示すように、初回の変動表示の開始から1回目の仮停止表示までの第1変動期間に実行タイミングTa1〜Te1が設けられており、1回目の再変動表示の開始から2回目の仮停止表示までの第2変動期間に実行タイミングTa2〜Te2が設けられており、2回目の再変動表示から最終停止表示までの第3変動期間に実行タイミングTa3〜Te3が設けられている。なお本形態では、実行タイミングTa〜Teは、各変動期間において演出図柄がリーチ状態をとる前に設けられている。
また、これらのミニキャラ演出の実行回数には、特別図柄の変動時間に応じた上限回数が設けられている。具体的には図55に示すように、3.4秒変動(つまり短縮ありのリーチ無しハズレ(ドハズレ))であれば、ミニキャラ演出の上限実行回数は1回である。また、7.4秒変動(つまり短縮なしのリーチ無しハズレ(ドハズレ))であれば、ミニキャラ演出の上限実行回数は2回である。また、13.4秒以上の疑似連なし(疑似連ガセを含む)の変動であれば、ミニキャラ演出の上限実行回数は5回である。また、13.4秒以上の疑似連2回の変動であれば、ミニキャラ演出の上限実行回数は10回である。また、13.4秒以上の疑似連3回の変動であれば、ミニキャラ演出の上限実行回数は15回である。
さらに本形態では、ミニキャラ演出としての保留変化予告演出の実行回数にも、特別図柄の変動時間に応じた上限回数が設けられている。具体的には図55に示すように、3.4秒変動であれば、保留変化予告演出の上限実行回数(上限変化回数)はミニキャラ演出の上限実行回数と同じく1回である。また、7.4秒変動であれば、保留変化予告演出の上限実行回数はミニキャラ演出の上限実行回数と同じく2回である。また、13.4秒以上の変動であれば、疑似連回数に関わらず、保留変化予告演出の上限実行回数は5回である。つまり本形態では、1回の変動演出の実行中に最大で5回の保留変化が生じ得る。これは、本形態では通常表示態様と最大の大当たり期待度を示す特殊表示態様との差が5段階であることと対応している。なお、保留変化予告演出の上限実行回数を何秒の変動において何回とするかは適宜変更可能である。
〈予告演出(ミニキャラ)抽選処理の処理内容について〉
続いて予告演出(ミニキャラ)抽選処理(S5007)の処理内容について図42及び図43に基づいて説明する。図42及び図43に示すように、予告演出(ミニキャラ)抽選処理(S5007)ではまず、演出制御用マイコン91は、上述した保留変化予告演出設定処理(図41参照)のステップS5106で設定した保留変化段階の値に基づいて、ミニキャラ人数シナリオを選択する(S5201)。
具体的には図56に示すように、保留変化段階に応じたミニキャラ人数シナリオを選択する。例えば保留変化段階が「2」であれば、人数シナリオNo.「002」のミニキャラ人数シナリオを選択する。人数シナリオNo.「002」のミニキャラ人数シナリオは、保留変化用のミニキャラを原則的には2人登場させるシナリオである。つまり、ミニキャラ演出としての保留変化予告演出を原則的には2回行うシナリオである。但し後述するように、3.4秒変動が選択されている場合はミニキャラ演出を2回行うことができないため(図55参照)、保留変化予告演出を1回だけ行うこととなる。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS5201で選択したミニキャラ人数シナリオに基づいて、ミニキャラ演出シナリオを抽選する(S5202)。ミニキャラ演出シナリオの抽選は、ミニキャラ演出乱数を取得し、それを図57〜図59に示す演出シナリオ抽選テーブルを用いて判定することにより行う。演出シナリオ抽選テーブルは、変動時間に応じて複数設けられている。
つまり本形態では、変動開始コマンドを解析した結果、3.4秒変動が選択されていると判定した場合には、図57(A)に示す3.4秒変動用演出シナリオ抽選テーブルを用いて、ミニキャラ演出シナリオの抽選を行う。また、変動開始コマンドを解析した結果、7.4秒変動が選択されていると判定した場合には、図57(B)に示す7.4秒変動用演出シナリオ抽選テーブルを用いて、ミニキャラ演出シナリオの抽選を行う。また、変動開始コマンドを解析した結果、13.4秒以上の疑似連なし(疑似連ガセを含む)の変動が選択されていると判定した場合には、図57(C)に示す13.4秒以上(疑似連なし)変動用演出シナリオ抽選テーブルを用いて、ミニキャラ演出シナリオの抽選を行う。
また、変動開始コマンドを解析した結果、13.4秒以上の疑似連2回の変動が選択されていると判定した場合には、図58に示す13.4秒以上(疑似連2回)変動用演出シナリオ抽選テーブルを用いて、ミニキャラ演出シナリオの抽選を行う。また、変動開始コマンドを解析した結果、13.4秒以上の疑似連3回の変動が選択されていると判定した場合には、図59に示す13.4秒以上(疑似連3回)変動用演出シナリオ抽選テーブルを用いて、ミニキャラ演出シナリオの抽選を行う。
なお、図57〜図59に示す各表における保留変化予告の欄の値と、選択される保留変化予告演出のパターンとの関係は、図60に示す通りである。具体的に説明すれば、保留変化予告の欄の値が「2」であれば、ミニキャラ演出A(図49参照)とミニキャラ演出B(図50参照)との2つのミニキャラ演出を保留変化予告演出(つまり第2演出パターンのミニキャラ演出)として行うことがあったり、ミニキャラ演出C(図51参照)とミニキャラ演出D(図52参照)との2つのミニキャラ演出を保留変化予告演出として行うことがあったりするということである。
また、図57〜図59に示す各表における通常予告の欄の値と、選択される通常予告演出(ミニキャラ演出のうち保留変化予告演出でない予告演出、つまり第1演出パターンのミニキャラ演出)との関係は、以下の通りである。すなわち、例えばミニキャラ演出Aとミニキャラ演出Bとを保留変化予告演出として行い、且つ2つの通常予告演出を行う場合には、保留変化予告演出に使われないミニキャラ演出C,D,及びEの中から例えばミニキャラ演出CとDとを行うことがあったり、ミニキャラ演出CとEとを行うことがあったりするということである。
なお、疑似連2回又は疑似連3回の変動用の演出シナリオ抽選テーブルでは、再変動表示を含む各変動表示から仮停止表示を含む各停止表示までの各変動期間について、保留変化予告演出として何を行うかと通常予告演出として何を行うかが組まれている。つまり、各変動期間毎のパターンの組み合わせの分だけ演出のシナリオの数がある(図58及び図59参照)。
なお、図57〜図59に示す各演出シナリオ抽選テーブルに基づくミニキャラ演出シナリオの抽選の結果実行することとなる具体的な演出例については、各抽選テーブルにおける具体例の欄に示す通りである。
ここで、図57(A)に示す3.4秒変動用演出シナリオ抽選テーブルについて補足する。3.4秒変動用演出シナリオ抽選テーブルは、ミニキャラ人数シナリオが「002」であっても、1回の保留変化予告演出を行うミニキャラ演出シナリオが選択されるようになっている。3.4秒変動時には、ミニキャラ演出の上限実行回数が1回だからである(図55参照)。つまり本形態では、保留シナリオに基づいて保留変化段階が「2」に設定されても、保留変化が1回しか生じない(例えば保留変化予告演出としてミニキャラ演出Bが1回だけ実行される)ことがある。すなわち本形態では、始動入賞時に保留シナリオを決定するものの、完全に保留シナリオの通りに演出保留画像が変化していくとは限らない。言い換えれば本形態では、保留シナリオは保留変化の態様(パターン)の概略を決めているに過ぎない。
なお、ある変動演出の実行時における保留変化が保留シナリオの通りに行われなかった場合には、その次の変動演出の開始時に保留変化段階がその分大きく設定されることとなる(図41のステップS5105及びS5106参照)。つまり、保留シナリオ通りのタイミングで保留変化が行われなかった場合には、その後のタイミングで調整されて、最終的には保留シナリオが示す最終表示態様まで変化するということである。
図42に戻り、上記のようなミニキャラ演出シナリオの抽選(S5202)を実行した後は、演出制御用マイコン91は、その抽選によって決定されたミニキャラ演出シナリオをRAM94の所定の記憶領域(図44参照)にセット(設定)する(S5203)。そして、設定したミニキャラ演出シナリオがミニキャラ演出Aを実行するシナリオであるか否かを判定する(S5204)。ミニキャラ演出Aを実行するシナリオでなければ(S5204でNO)、ステップS5210に進む。
これに対して、ミニキャラ演出Aを実行するシナリオであれば(S5204でYES)、実行するミニキャラ演出Aが保留変化予告演出(第2演出パターンのミニキャラ演出)であるか否かを判定する(S5205)。保留変化予告演出であれば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Aを実行させるための保留変化予告用ミニキャラ演出Aコマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5206)。ここでセットされるコマンドの下位コマンドの値は図48に示す通りである。そして、保留シナリオ実行データの値を1インクリメントする(S5207)。このように、保留変化予告用ミニキャラ演出コマンドのセットの際に保留シナリオ実行データの値を更新することで、保留シナリオ実行データの値が、本変動の終了時の変化対象保留画像の表示態様を示すこととなるようにしている。
なお、ステップS5206でセットされた保留変化予告用ミニキャラ演出Aコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出す。そして、画像表示装置7の表示画面7aにて、図49(a)に示す共通演出及び図49(b)に示す第2展開演出からなるミニキャラ演出Aを行って、演出保留画像の表示態様を変化させる。
またステップS5205においてミニキャラ演出Aが保留変化予告演出でなければ、つまり通常予告演出であれば、通常予告演出としてのミニキャラ演出Aの内容の詳細を抽選する(S5208)。具体的には、図48に示す「???」、「ワクワク」、「リーチ」、又は「激熱」の文字画像の中からどの文字画像を表示するかを抽選する。この抽選は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、「???」⇒「ワクワク」⇒「リーチ」⇒「激熱」の順に遊技者に示唆する大当たり期待度が高くなるように行われる。なお、「リーチ」及び「激熱」はリーチ無しハズレ時には選択されないようになっている。
ステップS5208の抽選に続いて演出制御用マイコン91は、その抽選によって詳細が決定された通常予告演出としてのミニキャラ演出Aを実行させるための通常予告用ミニキャラ演出Aコマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5209)。ここでセットされるコマンドの下位コマンドの値は図48に示す通りである。
なお、ステップS5209でセットされた通常予告用ミニキャラ演出Aコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出す。そして、画像表示装置7の表示画面7aにて、図49(a)に示す共通演出及び図49(c)に示す第1展開演出からなるミニキャラ演出Aを行う。これにより実行中の変動演出における大当たり期待度が遊技者に対して示唆される。
続いて演出制御用マイコン91は、ミニキャラ演出Aに関して行った上記の処理(ステップS5204〜S5209)と同様の処理を、ミニキャラ演出B、ミニキャラ演出C、ミニキャラ演出D、及びミニキャラ演出Eに関して行う。ミニキャラ演出Bに関する処理は、ステップS5210〜S5215の処理である。ミニキャラ演出Cに関する処理は、ステップS5216〜S5221の処理である(図43参照)。ミニキャラ演出Dに関する処理は、ステップS5222〜S5227の処理である(図43参照)。ミニキャラ演出Eに関する処理は、ステップS5228〜S5233の処理である(図43参照)。これらの処理の詳細については、ミニキャラ演出Aの場合と同様であるため説明を省略する。
なお、ステップS5212でセットされた保留変化予告用ミニキャラ演出Bコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図50(a)に示す共通演出及び図50(b)に示す第2展開演出からなるミニキャラ演出Bを行って、演出保留画像の表示態様を変化させる。また、ステップS5215でセットされた通常予告用ミニキャラ演出Bコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図50(a)に示す共通演出及び図50(c)に示す第1展開演出からなるミニキャラ演出Bを行う。これにより実行中の変動演出における大当たり期待度が遊技者に対して示唆される。
また、ステップS5218でセットされた保留変化予告用ミニキャラ演出Cコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図51(a)に示す共通演出及び図51(b)に示す第2展開演出からなるミニキャラ演出Cを行って、演出保留画像の表示態様を変化させる。また、ステップS5221でセットされた通常予告用ミニキャラ演出Cコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図51(a)に示す共通演出及び図51(c)に示す第1展開演出からなるミニキャラ演出Cを行う。これにより実行中の変動演出における大当たり期待度が遊技者に対して示唆される。
また、ステップS5224でセットされた保留変化予告用ミニキャラ演出Dコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図52(a)に示す共通演出及び図52(b)に示す第2展開演出からなるミニキャラ演出Dを行って、演出保留画像の表示態様を変化させる。また、ステップS5227でセットされた通常予告用ミニキャラ演出Dコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図52(a)に示す共通演出及び図52(c)に示す第1展開演出からなるミニキャラ演出Dを行う。これにより実行中の変動演出における大当たり期待度が遊技者に対して示唆される。
また、ステップS5230でセットされた保留変化予告用ミニキャラ演出Eコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図53(a)に示す共通演出及び図53(b)に示す第2展開演出からなるミニキャラ演出Eを行って、演出保留画像の表示態様を変化させる。また、ステップS5233でセットされた通常予告用ミニキャラ演出Eコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aにて、図53(a)に示す共通演出及び図53(c)に示す第1展開演出からなるミニキャラ演出Eを行う。これにより実行中の変動演出における大当たり期待度が遊技者に対して示唆される。
上記したミニキャラ演出A〜Eに関する処理(S5204〜S5233)を行った後は、演出制御用マイコン91は、再変動表示を含む全ての変動表示分のミニキャラ演出コマンドのセット(設定)を終了したか否かを判定する(S5234)。これは、今実行を開始しようとしている変動演出が疑似連2回又は疑似連3回の変動演出である場合に、再変動表示を含む各変動表示から仮停止表示を含む各停止表示までの各変動期間のすべてについて、ミニキャラ演出コマンドのセットを終了させるためである。ステップS5234において、終了していると判定した場合には本処理を終える。これに対して、終了していないと判定した場合には(S5234でNO)、設定の済んでいない変動期間(図54に示す第1変動期間の設定が済んだ段階では第2変動期間、第2変動期間の設定が済んだ段階では第3変動期間)についてミニキャラ演出を設定するため、ステップS5204〜S5233までの処理を再び実行する。つまり本形態では疑似連実行回数の分だけ、ステップS5204〜S5233までの処理を繰り返すこととなる。
7.ミニキャラ演出の実行例の説明
次に、ミニキャラ演出の実行例を図61及び図62に基づいて説明する。まず図61に基づいて実行例1について説明する。
〈実行例1〉
実行例1は、保留シナリオNo.「062」(図47参照)の保留シナリオが選択された場合の例である。この例ではまず、「白」の変化対象保留画像(変化対象保留表示)が保留4個目として表示される。そして新たな変動演出が実行されると、変化対象保留画像は保留3個目にシフト表示される。この変動演出は3.4秒変動とする。この変動演出の実行中には例えば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Bが実行タイミングTb1で実行される。これにより、変化対象保留画像は「白」から「青」に変化する。なお、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出では、上述した通り「変化」の文字画像が表示画面7aに表示される。
次の変動演出が実行されると、変化対象保留画像は保留2個目にシフト表示される。この変動演出は7.4秒変動とする。この変動演出の実行中には例えば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Cが実行タイミングTc1で実行される。これにより、変化対象保留画像は「青」から「緑」に変化する。
さらに次の変動演出が実行されると、変化対象保留画像は保留1個目にシフト表示される。この変動演出は7.4秒変動とする。この変動演出の実行中には例えば、通常予告演出としてのミニキャラ演出B(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTb1で実行され、且つ、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Dが実行タイミングTd1で実行される。Td1でのミニキャラ演出Dにより、変化対象保留画像は「緑」から「赤」に変化する。
さらに次の変動演出が実行されると、変化対象保留画像は当該変動に対応する演出保留画像として当該変動用演出保留表示エリア200(図49(a)参照)にシフト表示される。この変動演出は13.4秒以上の疑似連2回の変動とする。この変動演出における最初の変動表示の開始から仮停止表示までには例えば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Aが実行タイミングTa1で実行される。これにより、変化対象保留画像は「赤」から「紫」に変化する。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出B(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTb1で実行され、通常予告演出としてのミニキャラ演出C(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTc1で実行され、通常予告演出としてのミニキャラ演出D(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTd1で実行され、通常予告演出としてのミニキャラ演出E(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTe1で実行される。
そして、この変動演出における仮停止表示からリーチ状態となるまでには例えば、通常予告演出としてのミニキャラ演出A(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTa2で実行され、通常予告演出としてのミニキャラ演出B(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTb2で実行される。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出C(表示される文字画像は「リーチ」)が実行タイミングTc2で実行される。これにより、遊技者に対して本変動演出において演出図柄8L,8C,8Rがリーチ状態となることが示唆される。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出D(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTd2で実行される。また、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Eが実行タイミングTe2で実行される。Te2でのミニキャラ演出Eにより、変化対象保留画像は「紫」から「金」に変化する。これにより、遊技者に対して大当たりへの当選確定が報知される。
〈実行例2〉
次に図62に基づいて実行例2について説明する。実行例2は、保留シナリオNo.「066」(図47参照)の保留シナリオが選択された場合の例である。この例ではまず、「白」の変化対象保留画像(変化対象保留表示)が保留2個目として表示される。
そして新たな変動演出が実行されると、変化対象保留画像は保留2個目にシフト表示される。この変動演出は7.4秒変動とする。この変動演出の実行中には例えば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Aが実行タイミングTa1で実行され、且つ、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Cが実行タイミングTc1で実行される。Ta1でのミニキャラ演出Aにより、変化対象保留画像は「白」から「青」に変化する。また、Tc1でのミニキャラ演出Cにより、変化対象保留画像は「青」から「緑」に変化する。つまり本形態のパチンコ遊技機1では、変化対象保留画像ではない演出保留画像に対応する変動演出の実行時に、その変動演出に並行して行われる予告演出によって、変化対象保留画像が複数回変化することがある。
次の変動演出が実行されると、変化対象保留画像は当該変動に対応する演出保留画像として当該変動用演出保留表示エリア200にシフト表示される。この変動演出は13.4秒以上の疑似連3回の変動とする。この変動演出における最初の変動表示の開始から1回目の仮停止表示までには例えば、通常予告演出としてのミニキャラ演出A(表示される文字画像は「???」)が実行タイミングTa1で実行される。また、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Bが実行タイミングTb1で実行される。これにより、変化対象保留画像は「緑」から「赤」に変化する。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出D(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTd1で実行される。さらには、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Eが実行タイミングTe1で実行される。これにより、変化対象保留画像は「赤」から「紫」に変化する。つまり本形態のパチンコ遊技機1では、疑似連ありの変動演出における再変動表示を含む各変動表示から仮停止表示を含む各仮停止表示までの各変動期間内で、変化対象保留画像が複数回変化することがある。
続いて、この変動演出における1回目の再変動表示から2回目の仮停止表示までには例えば、通常予告演出としてのミニキャラ演出B(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTb2で実行される。また、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出Cが実行タイミングTc2で実行される。これにより、変化対象保留画像は「紫」から「金」に変化する。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出D(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTd2で実行される。
さらに続いて、この変動演出における2回目の再変動表示からリーチ状態となるまでには例えば、通常予告演出としてのミニキャラ演出B(表示される文字画像は「激熱」)が実行タイミングTb3で実行される。これにより、通常予告演出としてのミニキャラ演出では最も高い大当たり期待度が示唆される。また、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出D(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTd3で実行される。また、通常予告演出としてのミニキャラ演出E(表示される文字画像は「ワクワク」)が実行タイミングTe3で実行される。
〈その他の実行例〉
なお、実行例2と同じ保留シナリオNo.「066」(図47参照)が選択された場合であっても、変化対象保留画像が保留1個目として表示されているときの当該変動の変動時間が3.4秒であれば(つまり特図保留が3個以上あり短縮変動が選択されれば(図11参照))、保留1個目として表示されているときは変化対象保留画像の表示態様の変化は「青」で止まる。3.4秒変動時の保留変化の上限回数は1回だからである(図55参照)。そして、当該変動に対応する演出保留画像として表示されているときに、変化対象保留画像の表示態様が、「青」から「緑」⇒「赤」⇒「紫」⇒「金」と4段階変化することとなる。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、演出保留画像の表示態様の変化(保留変化)を伴わない第1演出パターンのミニキャラ演出(特定予告演出)も、保留変化を伴う第2演出パターンのミニキャラ演出も途中までは同じ共通演出となっている(図49〜図53参照)。そのため、実行中の変動演出(当該変動)に関して大当たり期待度(付与判定期待度)を示唆する予告演出が実行されたと遊技者に思わせておきながら、つまり第1演出パターンのミニキャラ演出が実行されたのではと思わせておきながら、当該変動に対応しない演出保留画像を変化させることが可能となっている。その結果、従来にない斬新な保留変化の予告演出であるとの印象を与えることが可能となっており、遊技興趣を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出(第2演出パターンのミニキャラ演出)の実行により、当該変動に対応する演出保留画像(当該演出保留画像9C)の表示態様が変化することもある。従って、変化対象保留画像が当該演出保留画像9Cとなるまで表示態様の変化がなくても、当該演出保留画像9Cとなってからの表示態様の変化に期待させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、1回の変動演出の実行期間において保留変化の可能性のあるミニキャラ演出の実行タイミングが複数設けられている(図54参照)。そのため、ある実行タイミングで保留変化がなされなくても、別の実行タイミングで保留変化がなされることに期待させることが可能となっている。また、1回の変動演出の実行期間に複数回の保留変化が生じることもある(図55に示すように本形態では最大で5回)。つまり、1回の変動演出の実行中に何度も保留変化の発生に期待させることが可能となっており、このことにより遊技興趣を高めることが可能となっている。
特に本形態では、同種の予告演出(ミニキャラ演出)が多数実行される中で、様々なタイミングで保留変化が生じる。つまり、遊技者にとってみれば、保留変化の発生タイミングの予想が困難となっている。よって、いつでも保留変化が生じるような斬新な興趣性だと遊技者に感じさせることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、再変動表示を含む各変動表示の実行期間(図54に示す各変動期間)のそれぞれにおいて、保留変化の可能性のあるミニキャラ演出の実行タイミングが複数設けられている(図54参照)。従って、始動口への遊技球の入賞時や変動演出の実行開始時といった従来からあるタイミング以外の様々なタイミングにおいて、保留変化の発生に期待させることが可能となっている。つまり、遊技者に対して保留変化が生じるかもしれないとの期待感を常に持たせることが可能となっている。なおこのように疑似連が発生する際には、同種の予告演出(ミニキャラ演出)が最大で15回も生じ得る。そのため、上記した斬新な興趣性であるとの印象を一層強く感じさせることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、疑似連(再変動表示)の実行に期待している遊技者にとっては望ましくない疑似連ガセ(再変動表示ガセに相当)の変動演出の実行中に、保留変化が生じる可能性がある。具体的には例えば、図64(a)に示すように疑似連出目を構成する特殊演出図柄GZが停止表示されるかのようにみせる変動演出において、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出C(表示するのはミニキャラ6c)が実行されて、図64(b)に示すように演出保留画像の表示態様が変化する可能性がある。そのため、疑似連ガセの変動演出が実行されても、保留変化が生じた演出保留画像に係る変動演出に期待を持たせることが可能となっている。よって、疑似連ガセによる遊技意欲の減退を抑制することが可能となっている。なお、疑似連ガセが実行されると、疑似連が生じると期待したにもかかわらず疑似連がなされずに遊技意欲を減退させる遊技者が出るおそれもあり得る。
また本形態のパチンコ遊技機1では、従来のように始動入賞時に演出保留画像の表示態様の変化(保留変化)のシナリオを決めてそのシナリオに完全に沿って保留変化の表示制御を行うのではなく、特別図柄の変動表示の実行の際にその特別図柄の変動表示における変動時間に応じて保留変化予告演出の実行回数を決定している(図57等参照)。よって、保留変化のパターンが遊技の進行状況(何秒の変動時間が選ばれるか)に応じて変わるため、保留シナリオの通りに変化対象保留画像が変化しない場合がある。従って、飽き難く興趣性の高い保留変化の予告演出を行うことが可能となっている。
なお本形態では、特別図柄の変動表示の変動時間が長くなるほど、保留変化予告演出の上限実行回数は増える(図55参照)。また本形態では、変化対象保留画像に対応する変動演出は、少なくともリーチ状態に至る変動演出であるため(図38参照)、変動時間が比較的長い。よって、変化対象保留画像に対応する変動演出に伴う保留変化予告演出の上限実行回数は多い。従って、変化対象保留画像に対応する変動演出が開始されるまでの間に、変化対象保留画像の表示態様の変化があまり進行しなくても、変化対象保留画像に対応する変動演出の実行中に、十分に帳尻を合わせる(変化対象保留画像の表示態様を最終表示態様まで至らせる)ことが可能となっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記した第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
第2形態のパチンコ遊技機について図65〜図68に基づいて説明する。第1形態では、始動入賞時(第1始動口20又は第2始動口21への入賞時)に、演出保留画像(演出保留表示)の最終表示態様と保留シナリオを決定するように構成した(図38のステップS4604〜S4612)。これに対して第2形態では、始動入賞時に演出保留画像の最終表示態様だけを決定し、保留シナリオを決定しない構成としている。具体的には、以下のように構成する。すなわち、図38〜図43までの処理に代えて、図65〜図68までの処理を行うように構成する。以下、各処理について説明する。
[先読み演出判定処理]図65に示すように、第2形態における先読み演出判定処理ではまず演出制御用マイコン91は、保留変化フラグがONか否かを判定する(S6001)。保留変化フラグは後述するステップS6105(図66)でセットするフラグであり、保留変化の演出の実行決定後であって実行終了前であることを示すフラグである。保留変化フラグがONであれば(S6001でYES)、さらなる保留変化の演出は行わないため、RAM94内に設けた最終状態記憶領域(演出保留画像の最終表示態様を記憶しておく領域、各特図保留に対応して設けられている)に、通常表示態様に対応する保留表示態様データ(01H)を設定し(S6010)、本処理を終える。
これに対して、保留変化フラグがONでなければ(S6001でNO)、続いて、現在記憶されている特図保留にリーチ状態とする予定の特図保留があるか否かを判定する(S6002)。リーチ状態とする予定の特図保留があれば、保留変化の演出は行わないため、上記のステップS6010の処理を行う。
一方、ステップS6002においてリーチ状態とする予定の特図保留がなければ(S6002でNO)、事前判定を行ってその判定結果に基づいて演出保留画像の最終表示態様を決定する(ステップS6003〜S6008)。これらの処理は第1形態と同様である。なお、ステップS6007でNOあれば、上記のステップS6010の処理を行って本処理を終える。これに対して、ステップS6004,S6006,又はS6008の処理を行った場合には、各処理にて決定した最終表示態様に対応する保留表示態様データを、RAM94内の最終状態記憶領域に設定して(S6009)、本処理を終える。
[演出保留表示処理]第2形態における演出保留表示処理(図66)は、第1形態における演出保留表示処理(図39)に対して、図66に示すステップS6104〜S6107の処理が異なっている。つまり第2形態では演出制御用マイコン91は、ステップS6103において保留更新値が特図保留球数カウンタ(第1特図保留球数カウンタ又は第2特図保留球数カウンタ)の値に「1」を加算した値であると判定すると、続いて、増加した特図保留に対応する最終状態記憶領域に示されている最終表示態様が通常表示態様であるか否かを判定する(S6104)。そして、通常表示態様であれば(S6104でYES)、そのままステップS6107に進む。
これに対して、通常表示態様でなければ(S6104でNO)、保留変化の演出を行うため、保留変化フラグをONする(S6105)。そして、RAM94内に設けた保留変化カウンタ(変化対象保留画像に対応する変動演出が実行されるまでの変動回数をカウントするカウンタ)の値に、ステップS6102で設定した保留更新値をセット(設定)する(S6106)。そして、ステップS6107に進む。
ステップS6107では、RAM94内に設けられた保留状態記憶領域(現在の演出保留画像の表示態様を記憶しておく領域、各特図保留に対応して設けられている)に、通常表示態様に対応する保留表示態様データ(01H)を設定する。つまり第2形態では、始動入賞に伴って表示される演出保留画像の表示態様を必ず通常表示態様としている。なお、始動入賞に伴い演出保留画像が通常表示態様以外の表示態様で表示されることがあるように構成してもよい。具体的には例えば、最終表示態様までの表示態様の中から抽選で選んで決定するようにしてもよい。
その後、演出制御用マイコン91は、ステップS6108及びS6109の処理を行う。これらの処理は第1形態と同様である。ステップS6109に示す演出保留表示コマンドを画像制御基板100が受信すると、画像制御基板100は、現在の特図保留球数に応じた演出保留画像を、各特図保留に対応する保留状態記憶領域に示されている表示態様にて表示画面7aに表示する。
[変動演出開始処理]第2形態における変動演出開始処理(図67)は、第1形態における変動演出開始処理(図40)のステップS5005〜S5009の処理に代えて、図67に示すステップS6205の処理(予告演出選択処理)を行う。なお、第2形態における変動演出開始処理におけるステップS6201〜S6204の処理は第1形態と同様である。
[予告演出選択処理]図68に示すように予告演出選択処理(S6205)では、演出制御用マイコン91はまず、保留変化フラグがONか否かを判定する(S6301)。保留変化フラグがONでなければ(S6301でNO)、保留変化予告演出を実行することはないため、ステップS6317に進む。一方、保留変化フラグがONであれば(S6301でYES)、保留変化カウンタを1ディクリメントして(S6302)、保留変化カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S6303)。「0」でなければ(S6303でNO)、変化対象保留画像に対応する変動演出の開始時ではない。そのため、ステップS6304に進む。ステップS6304では、変化対象保留画像に対応する保留状態記憶領域に記憶されている保留表示態様データが、変化対象保留画像に対応する最終状態記憶領域に記憶されている保留表示態様データ(最終表示態様の保留表示態様データ)と一致するか否かを判定する。一致していれば(S6304でYES)、これ以上保留変化を行わないため、ステップS6317に進む。
これに対して一致していなければ(S6304でNO)、受信した変動開始コマンドを解析して(S6305)、その変動開始コマンドが示す変動パターンの変動時間に応じて、保留変化予告演出の実行回数(以下「保留変化回数」という)を設定する(S6306)。保留変化回数は、保留変化の上限回数(上限変化回数、図55参照)を超えない範囲で設定する。具体的には、変動時間が3.4秒変動であれば、保留変化回数を「1」に設定する。また、変動時間が7.4秒変動であれば、最終表示態様まで2段階以上あるときには保留変化回数を「2」に設定し、2段階以上ないときには保留変化回数を「1」に設定する。なお、変動時間が3.4秒変動の場合には、保留変化回数を「0」又は「1」に抽選にて決定するようにしてもよい。また、変動時間が7.4秒変動の場合には、最終表示態様まで2段階以上あるときには保留変化回数を「0」から「2」のいずれかに抽選にて決定し、2段階以上ないときには保留変化回数を「0」又は「1」に抽選にて決定するようにしてもよい。
続いてステップS6306で設定した保留変化回数に応じて、実行する保留変化予告演出を設定する(S6307)。具体的には、保留変化回数が「1」であれば例えば、保留変化予告演出として第2演出パターンのミニキャラ演出B(図50(a)及び(b)参照)を設定する。また保留変化回数が「2」であれば例えば、保留変化予告演出として第2演出パターンのミニキャラ演出C(図51(a)及び(b)参照)と、第2演出パターンのミニキャラ演出E(図53(a)及び(b)参照)とを設定する。
その後、ステップS6307で設定した第2演出パターンのミニキャラ演出を実行させるためのミニキャラ演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6308)。そして、変化対象保留画像に対応する保留状態記憶領域を、本変動(本処理に係る変動)の終了時点の演出保留画像の表示態様に対応する保留表示態様データに更新して(S6309)、ステップS6317に進む。
また、上記のステップS6303において保留変化カウンタの値が「0」であれば(S6303でYES)、変化対象保留画像に対応する変動演出の開始時である。そのため、ステップS6310に進む。ステップS6310では、変化対象保留画像に対応する保留状態記憶領域に記憶されている保留表示態様データと最終状態記憶領域に記憶されている保留表示態様データとが一致するか否かを判定する。一致していれば(S6310でYES)、これ以上保留変化を行わないため、ステップS6317に進む。
これに対して一致していなければ(S6310でNO)、最終表示態様までの保留変化段階(つまり最終表示態様と現在の表示態様との差分)を設定する(S6311)。具体的には例えば、最終表示態様が「金」(06H)であり、現在の表示態様が「赤」(04H)であれば、保留変化段階に「2」を設定する。そして、保留変化段階の値を保留変化回数に設定する(S6312)。続いてステップS6312で設定した保留変化回数に応じて、実行する保留変化予告演出を設定する(S6313)。具体的には、保留変化回数が「2」であれば例えば、保留変化予告演出として第2演出パターンのミニキャラ演出A(図49(a)及び(b)参照)と、第2演出パターンのミニキャラ演出D(図52(a)及び(b)参照)とを設定する。
その後、ステップS6313で設定した第2演出パターンのミニキャラ演出を実行させるためのミニキャラ演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6314)。そして、変化対象保留画像に対応する保留状態記憶領域及び最終状態記憶領域をクリアするとともに(S6315)、保留変化フラグをOFFして(S6316)、ステップS6317に進む。
ステップS6317では、受信した変動開始コマンドの解析結果に基づいて、実行する第1演出パターンのミニキャラ演出(通常予告演出)を抽選し、設定する。第1演出パターンのミニキャラ演出は、第2演出パターンのミニキャラ演出として実行予定となっていないミニキャラ演出の中から選択する。また、その他予告演出(カットイン画像の表示演出等)を抽選し、設定する。その後、ステップS6317で設定した各予告演出を実行させるための演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6318)、本処理を終了する。
以上のように構成した第2形態のパチンコ遊技機によれば、始動入賞時に保留シナリオを設定することなく、第1形態と同様の効果を奏することが可能である。なお第2形態において、ステップS6311にて設定した保留変化段階が、変動時間に応じた保留変化の上限実行回数(図55参照)を超えていないかを判定し、超えていれば保留変化の上限実行回数を保留変化回数に設定するようにしてもよい。このようにするメリットは、特に演出保留画像の表示態様の種類が10種類等と多い構成とした場合や、変化対象保留画像に対応する変動演出でも3.4秒等の短い変動時間が選択され得る構成とした場合にある。
また上記第2形態においては、保留変化回数を決めてから保留変化予告演出を決めるように構成した(ステップS6306及び6307参照)が、変動時間に応じてどの保留変化予告演出を行うかを決めることで、実質的に保留変化回数が決まるように構成してもよい。また、保留変化段階に基づいて保留変化回数を決め、その後に保留変化予告演出を決めるように構成した(ステップS6312及びS6313参照)が、保留変化段階に応じてどの保留変化予告演出を行うかを決めることで、実質的に保留変化回数が決まるように構成してもよい。
また上記第2形態では、ステップS6312にて保留変化段階の値をそのまま保留変化回数に設定したが、保留変化段階の値を超えない範囲で抽選にて決定した値を保留変化回数に設定してもよい。このように構成した場合、始動入賞時に決定した最終表示態様まで演出保留画像が変化しない場合が生じるが、このようなことが生じ得てもよいものとする。
また上記第2形態では、保留変化回数を決定してからどのミニキャラ演出の保留変化予告演出を実行するかを決定した。これに対して、ミニキャラ演出A〜Eのうちどの演出を実行するかを先に決め、その後、変化対象保留画像が最終表示態様か否かを判定し、既に最終表示態様であれば、通常予告演出としてのミニキャラ演出を行うこととし、最終表示態様でなければ、保留変化予告演出としてのミニキャラ演出を行うこととしてもよい。この場合、通常予告演出として、ミニキャラが保留変化に失敗する動画(例えば何ら文字画像の表示のない動画等)を表示してもよい。
〈その他の変更例〉
上記形態では、演出保留画像の表示態様の変化は、必ず1段階ずつの昇格であった。これに対して、演出保留画像の表示態様の変化を、段階を飛ばして昇格させ得る構成としてもよい。つまり、1回の保留変化予告演出において、演出保留画像を「青」から「赤」に昇格させることがあってもよい。
また上記形態では、事前判定に基づく演出保留画像の表示態様の変化は、高ベース状態ではない場合に限って行われるように構成した(図38のステップS4601等参照)。これに対して、高ベース状態であっても行われるように構成してもよい。
また上記形態では、複数の変化対象保留画像が同時に表示されることがないように構成した(図38のステップS4602等参照)。これに対して、複数の変化対象保留画像が同時に表示され得る構成としてもよい。この場合、1回の保留変化予告演出の実行によって、同時に表示されている複数の変化対象保留画像の表示態様が変化し得るように構成してもよい。
また上記形態では、事前判定に基づく演出保留画像の表示態様の変化は、始動入賞の際に、リーチ状態とする予定の特図保留がないときに限って行われるように構成した(図38のステップS4603等参照)。これに対して、始動入賞の際に、リーチ状態とする予定の特図保留が既にあっても行われるように構成してもよい。
また上記形態では、演出保留画像の表示態様を全部で6種類(図45参照)としたが、表示態様の種類の数は任意に変更可能である。例えば、上記形態で示した6種類の表示態様に加えて、演出保留画像の表示態様が「青」以上に変化することを示唆する表示態様(「白点滅」等)を設けてもよい。
また上記形態では、変化対象保留画像の表示態様の変化は、第2演出パターンのミニキャラ演出(保留変化予告演出)の実行のみによって生じるように構成した。これに対して、第2演出パターンのミニキャラ演出での保留変化に加えて、他の演出による保留変化が生じ得る構成としてもよい。例えば、演出保留画像のシフト表示時にも保留変化が生じ得る構成としてもよい。この場合、シフト表示時の保留変化とミニキャラ演出による保留変化とをどのように行うかの概要を保留シナリオによって決めるようにすればよい。勿論、複数のミニキャラ演出のうちの1つがシフト表示時の保留変化の演出となる構成としてもよい。
また上記形態では、特定予告演出は、ミニキャラ6a〜6e(図49〜図53参照)を用いたミニキャラ演出としたが、ミニキャラ以外の他の演出画像を用いた演出であってもよい。
また上記形態では、変動演出の実行開始時に、その変動演出の実行中に変化対象保留画像を何段階変化させるか(保留変化段階)を決定し(図41のステップS5106参照)、その保留変化段階に応じてミニキャラ人数シナリオを選択し(図42のステップS5201参照)、ミニキャラ人数シナリオに基づいてミニキャラ演出シナリオを決定する(図42のステップS5202参照)構成とした。そしてこれらの処理によって、(1)1回の変動演出の実行期間中におけるミニキャラ演出の総実行回数、(2)全5種類のミニキャラ演出のうちどのミニキャラ演出を実行するか、及び、(3)実行するミニキャラ演出を保留変化予告演出とするか通常予告演出とするか、が決定されるように構成した。これに対して、上記の(1)〜(3)までの事項の決定方法を適宜変更してもよい。
例えば、上記形態においてミニキャラ人数シナリオを選択せずに、保留変化段階の値に基づいてミニキャラ演出シナリオを選択するように構成してもよい。また、保留変化段階に基づいてミニキャラ人数シナリオを抽選することで、上記(1)の事項を決定し、ミニキャラ人数シナリオに基づいてミニキャラ演出シナリオを抽選することで、上記(2)及び(3)の事項を決定するように構成してもよい。このように構成する場合には、保留変化段階に基づいてミニキャラ人数シナリオを抽選する際に用いる抽選テーブルとして、変動時間に応じた複数の抽選テーブルを設けておくとよい。そして、3.4秒変動用の抽選テーブルでは、保留変化段階の値が「2」であっても、ミニキャラ演出の実行回数が「1」のミニキャラ人数シナリオが選択されるようにしておくとよい。
また上記形態では、1回の変動演出の実行期間中におけるミニキャラ演出の総実行回数は、最大で15回(疑似連3回の変動時)としたが、例えば9回や30回にするなど適宜変更可能である。また、再変動表示を含む各変動開始から仮停止表示を含む各変動停止までの各変動期間におけるミニキャラ演出の最大実行回数は5回としたが、例えば3回や7回とするなど適宜変更可能である。
また上記形態では、ミニキャラ演出A〜Eの各実行タイミングはA〜Eの順とした(図48及び図54参照)。これに対して、ミニキャラ演出A〜Eのうちの少なくとも一部の演出が同時に実行される(表示される)ように構成してもよい。
また上記形態では、実行可能なミニキャラ演出(特定予告演出)の種類を5種類設けたが(図48参照)、実行可能なミニキャラ演出の種類の数は適宜変更可能である。例えば1種類でもよい。この場合、1回の変動演出の実行期間中に同じミニキャラ演出が複数回実行される(つまり同じミニキャラ演出が異なる実行タイミングで何度も実行され得る)ようにしてもよい。
また上記形態では、始動入賞コマンドに基づく判定結果がリーチ無しハズレである場合には演出保留画像の表示態様の変化は行わないように構成した(図38のステップS4608等参照)。これに対して、リーチ無しハズレである場合であっても演出保留画像の表示態様の変化が行われ得るように構成してもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図14参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに遊技状態の情報を含めないようにしてもよい。なお、始動入賞コマンドには、少なくとも大当たりの当否に関する情報が含まれていればよく、好ましくは大当たりの当否とSPリーチの実行の有無に関する情報が含まれていればよい。
また、遊技制御用マイコン81が、始動入賞時に、その入賞により取得した各種乱数値のコピー(事前判定用乱数という)を作成し、その事前判定用乱数に基づいて大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を、事前に判定して(その入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行前に判定して)、その判定結果を反映させた始動入賞コマンドを生成するようにしてもよい。このようにしても、始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドを解析することにより、大当たりの当否やSPリーチの実行の有無を判断することができる。また、遊技制御用マイコン81が、始動入賞に基づき取得した各種乱数値の情報をそのまま演出制御用マイコン91に送信し、これを受信した演出制御用マイコン91が、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を事前に判定してもよい。この場合には、演出制御用マイコン91のROM93に各種乱数値の判定テーブルを格納しておく。このようにしても、演出制御用マイコン91は大当たりの当否やSPリーチの実行の有無を判断することが可能となる。
また上記実施形態では、第1始動口20又は第2始動口21を本発明の「入球口」としたが、ゲートを「入球口」としてもよい。この場合、「所定の利益」の付与は、電チュー22を開放する補助遊技の実行となる。またこの場合、普通図柄の変動表示に並行して、普通図柄の抽選結果を報知する変動演出を行うように構成する。またこの場合、普図保留に対応する演出保留表示を行うように構成する。
また上記形態では、保留変化予告演出は、通常予告演出と同じ共通演出を経て演出保留画像の表示態様を変化させる演出であった。その結果、通常予告演出と類似の演出となっていた。これに対して、共通演出と展開演出とを含まない演出としてもよい。つまり、通常予告演出と類似しない保留変化専用の演出としてもよい。
また上記形態では、当該演出保留表示(当該演出保留画像9C)を表示するように構成したが、当該演出保留表示を表示しない構成としてもよい。また上記形態では、疑似連や疑似連ガセを実行可能に構成したが、これらを実行し得ない構成としてもよい。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下の手段1〜3の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技領域(3)に設けられた入球口(第1始動口20又は第2始動口21)への遊技球の入球を検知する入球検知手段(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21a)と、
前記入球検知手段による入球検知に基づき数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数(「4」)まで記憶可能な記憶手段(第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85b)と、
所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報に基づいて遊技者に所定の利益を付与するか否かの利益付与判定を行う利益付与判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記利益付与判定が行われると、所定の図柄(特別図柄)を変動表示させた後その利益付与判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄表示を行う図柄表示手段(ステップS1406又はS1412等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄の変動表示における変動時間(図11参照)を決定する変動時間決定手段(ステップS1403又はS1409を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報の記憶の発生時から、少なくともその数値情報の記憶に基づく前記図柄の変動表示が開始されるまでの間、その数値情報の記憶の発生を示す演出保留表示(演出保留画像9A等)を、所定の保留表示部(第1演出保留表示エリア201又は第2演出保留表示エリア202を含む演出保留表示エリア)に表示する演出保留表示手段(ステップS4711等を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記記憶手段に記憶された前記数値情報が前記利益付与判定にて利益を付与すると判定される特定の数値情報であるか否かを、前記利益付与判定手段による判定前に判定する事前判定手段(ステップS4604を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記事前判定手段による判定の結果に基づいて、その判定に係る数値情報の記憶に対応する前記演出保留表示を、通常の表示態様よりも前記利益付与判定にて利益を付与すると判定される付与判定期待度(大当たり期待度)が高いことを示唆する特殊表示態様(図45参照)にて表示するか否かを決定する保留表示態様決定手段(ステップS4605,S4607,及びS4609を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記特殊表示態様として、前記付与判定期待度に応じた複数の表示態様が設けられており、
前記保留表示態様決定手段により特殊表示態様にて表示すると決定された前記演出保留表示(以下「変化対象保留表示」という)に対応する数値情報の記憶の発生から、その数値情報の記憶に基づく前記図柄表示にて前記図柄が停止表示されるまでの間に、前記変化対象保留表示の表示態様を前記付与判定期待度の高いものへ向けて段階的に変化させ得る遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記変化対象保留表示の表示態様を変化させる保留変化予告演出(例えば図49(a)及び(b)に示す演出等)を1回の前記図柄の変動表示の実行中に複数回実行可能な保留変化予告演出実行手段(ステップS5206,S5212,S5218,S5224,S5230等を実行可能な演出制御用マイコン91)と、
1回の前記図柄の変動表示の実行中に前記変化対象保留表示の表示態様を変化させる回数を、前記変動時間に応じて予め定められている上限変化回数(図55参照)を超えない範囲で決定する変化回数決定手段(ステップS5202を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記保留変化予告演出実行手段は、前記変化回数決定手段により決定された変化回数の前記保留変化予告演出を前記図柄の変動表示に並行して実行するものであり、
前記保留変化予告演出は、前記変化対象保留表示に対応する数値情報の記憶に基づく前記図柄の変動表示の実行開始前に行われ得ることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、従来のように始動入賞時に演出保留表示の表示態様の変化(保留変化)のシナリオを決めてそのシナリオに完全に沿って保留変化の表示制御を行うのではなく、図柄の変動表示の実行の際にその図柄の変動表示における変動時間に応じて保留変化の実行回数を決定し、その決定に基づいて保留変化を実行する。よって、保留変化のパターンが遊技の進行状況(何秒の変動時間が選ばれるか)に応じて変わるためワンパターンとならない。よって、飽き難く興趣性の高い保留変化の予告演出を行うことが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記演出保留表示手段は、前記図柄の変動表示が開始された後も、その図柄の変動表示に対応する演出保留表示を当該演出保留表示(当該演出保留画像9C)として前記保留表示部における当該保留表示領域(当該変動用演出保留表示エリア200)に表示するものであり、
前記保留変化予告演出は、前記当該演出保留表示または前記当該演出保留表示以外の演出保留表示のうち前記変化対象保留表示の表示態様を変化させる演出であることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、保留変化予告演出の実行により、当該演出保留表示の表示態様が変化することもある。従って、当該演出保留表示となるまで表示態様の変化がなくても、当該演出保留表示となってからの表示態様の変化に期待させることが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
所定の共通演出(例えば図49(a))を経て、前記演出保留表示の表示態様を変化させることなく、実行中の前記図柄表示において示される前記利益付与判定の結果を示唆する第1展開演出(例えば図49(c))を行う通常予告演出実行手段(ステップS5209等を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記保留変化予告演出は、前記共通演出を経て、前記変化対象保留表示の表示態様を変化させる第2展開演出(例えば図49(b))を行う演出であることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、演出保留表示の表示態様の変化(保留変化)を伴わない第1展開演出が実行される場合も、保留変化を伴う第2展開演出が実行される場合も、各展開演出の実行前には同じ共通演出が実行される。そのため、実行中の図柄の変動表示に関して付与判定期待度を示唆する予告演出が実行されたと遊技者に思わせておきながら、実行中の図柄の変動表示に対応しない演出保留表示を変化させることが可能となる。その結果、従来にない斬新な保留変化の予告演出であるとの印象を与えることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、本発明にいう「所定の判定条件」とは、上記形態では特別図柄の変動表示及び大当たり遊技の実行中でなく、第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85bに大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
また、本発明にいう「所定の利益」の付与とは、上記形態では大当たり遊技の実行である。