1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置(表示手段)7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、非時短状態中において後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留画像表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお、後述の第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像は、本形態では表示されない。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、固定始動口、固定又は第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、可変始動口、可変又は第2入球部)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球部開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。
そのため図2(a)に示すように、第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となっている。すなわち図2(a)は、電チューソレノイド24の通電時を示していて、可動部材23が遊技盤2に対して後方に退いて、第2始動口21への遊技球の入球を許容する開状態にある。可動部材23が開状態にある(電チュー22が開放している)ときには、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、第2始動口21へ入球する。なお、普通可変入賞装置22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21aが配されている。
一方図2(b)に示すように、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。すなわち図2(b)は、電チューソレノイド24の非通電時を示していて、可動部材23が遊技盤2に対して前方に進出して、第2始動口21への遊技球の入球を妨げる閉状態にある。可動部材23が閉状態にある(電チュー22が閉鎖している)ときには、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、可動部材23の右方へ転動して、後述の第2大入賞口35へ向かう。
また、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
ここで本形態では、遊技球がゲート28を通過してから電チュー22が開放されるまでの時間は、極めて短く設定されている(後述する0.188秒)。また、ゲート28を通過した遊技球はほぼ必ず第2始動口21(可動部材23の上)に到達するようになっている。上記したほぼ必ず第2始動口21に到達するとは、ゲート28を通過した遊技球が100%の確率で第2始動口21に到達するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)で第2始動口21に到達するという意味である。従って、ゲート28を通過した遊技球が第2始動口21に到達する確率は、第2始動口21に到達しない確率よりも高くなっていて、第2始動口21の外側に到達する確率よりも高くなっている。なお、「第2始動口21に到達する」とは、流下する遊技球が第2始動口21の直ぐ上側に到達し、閉鎖している可動部材23によって可動部材23の右方へ転動する場合を含む。また「第2始動口21の外側に到達する」とは、流下する遊技球が第2始動口21の直ぐ上側に到達しないことを意味する。
また本形態では、遊技球がゲート28を通過してから第2始動口21へ到達するまでの時間が、0.1秒になっている。即ち、ゲート28を通過した遊技球が第2始動口21に至るのに要する時間が0.1秒になるように、ゲート28が第2始動口21の直ぐ上方に配されている。
図1に戻り、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、前後に進退可能な開閉部材(特定入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(a)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域、Vゲート)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(シャッター部材)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図5参照)とを備えている。なお、振分部材71は、遊技盤2に対して前後に進退する進退式であり、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける退状態(第1の状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける進状態(第2の状態)をとる。
図3(a)は、振分部材ソレノイド73(図5参照)の通電時を示している。図3(a)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(b)は、振分部材ソレノイド73(図5参照)の非通電時を示している。図3(b)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20、および第1大入賞口30への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
なお、左打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第1流路R1といい、右打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第2流路R2という。第1流路R1上には、第1始動口20および第1大入賞口30が配されている。第2流路R2上には、ゲート28、第2始動口21、第2大入賞口35、および、第1大入賞口30が配されている。つまり、第1大入賞口30は、第1流路R1にも第2流路R2にも配されていることとなる。
本パチンコ遊技機1では、右打ちによって第2流路R2に向かって発射された遊技球がほぼ必ずゲート28を通過するように、ゲート28が配されている。上記したほぼ必ずゲート28を通過するとは、第2流路R2に向かって発射された遊技球が100%の確率でゲート28を通過するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)でゲート28を通過するという意味である。こうして、第2流路R2に向かって発射された遊技球がゲート28を通過する確率は、第1流路R1に向かって発射された遊技球が第1始動口20に入球する確率よりも高くなっていて、ゲート28を通過しない確率よりも高くなっている。なお、左打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第2流路とし、右打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第1流路として、その第2流路上、つまり左遊技領域3Aを主とする領域に、ゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35を配し、第1流路上、つまり右遊技領域3Bを主とする領域に第1始動口20を配してもよい。
また図1および図4に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(第1図柄に相当)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄(第2図柄に相当)の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112(遊技球発射手段)が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)及び発射停止ボタン64(図1参照、発射停止手段)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。
発射制御回路111は、遊技球の発射に関する制御を行うものであり、払出制御基板110との間でコマンドや信号の送受信を行う。発射制御回路111には、発射モータ113、遊技者がハンドル60へ接触しているか否かを検知するタッチスイッチ114、発射する遊技球の飛距離を調整する発射ボリューム115、発射停止ボタン64(図1参照)の押圧操作を検知して遊技球の発射を停止させる発射停止スイッチ116がそれぞれ接続され、図5の矢印で示すように、タッチスイッチ114、発射ボリューム115、発射停止スイッチ116からは発射制御回路111に信号が入力され、発射モータ113には発射制御回路111から信号が出力される。発射モータ113は、タッチスイッチ114、発射ボリューム115、発射停止スイッチ116からの信号に基づいて駆動して遊技球を遊技領域3に向けて発射するとともに、停止制御されて遊技球の発射を停止するようになっている。
主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。RAM94には、後述する隠し残BPカウンタ95、表示残BPカウンタ96、および累積獲得賞球数カウンタ98が設けられている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4306にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技(特別遊技)」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種類については図9〜図11に示す通りである。図9〜図11に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32,37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32,37を作動させる大当たりである。「Vロング大当たり」も「Vショート大当たり」も、2R〜5Rまでの4種類の大当たりがある。但し、Vショート大当たりは、大入賞口の開放時間が極めて短く、出玉のない大当たりである(図11参照)。これに対してVロング大当たりは、1R目を除いて出玉を獲得することが可能な大当たりである。各ラウンド数の大当たりにおいて獲得可能な賞球数は、図9に賞球予定数として示す通りである。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図9に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のた
めの乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。なお補助遊技には、可動部材23の開閉動作を開始する前の補助遊技オープニングと、可動部材23の開
閉動作と、可動部材23の開閉動作を終了した後の補助遊技エンディングとが含まれるが、本形態の補助遊技では後述するように、可動部材23(電チュー22)を1回開閉す
る開閉動作と補助遊技エンディングのみを実行し、補助遊技オープニングを実行しないよ
うになっている。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図12参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図7(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
さらに補助遊技において、時短状態での電チュー22の開放時間(4秒)が、非時短状態での電チュー22の開放時間(0.232秒)よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。なお本形態では、時短状態及び非時短状態の両方で普通図柄の変動時間が極めて短く、同じ時間(0.18秒、図8(D)参照)になっている。すなわち、時短状態であっても普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動しない。また補助遊技における電チュー22の開放回数が、時短状態及び非時短状態の両方で1回である(図13参照)。すなわち、時短状態であっても電チュー22の開放回数増加機能が作動しない。
普通図柄表示器42の確率変動機能と、電チュー22の開放時間延長機能とが作動している状況では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を
「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態
では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。なお、普通図柄表示器42の確率変動機能と電チュー22の開放時間延長機能に加えて、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能と電チュー22の開放回数増加機能を作動させても良い。
但し、高ベース状態(電サポ制御状態)は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、原則として高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図10参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり、高確高ベース状態の終了条件は、実質的に次の大当たり当選までとなっている。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
但し、本形態では大当たり遊技後に連続して高確率状態に制御され得る上限回数を39回(大当たりの連チャン回数としては40回)としている(この点については後述する)。そのため、高確率状態の上限回数に至っている場合には、Vロング大当たりに当選してその大当たり遊技中に特定領域39への通過があっても、その大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態に制御する(図10参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、図10に示すように、当選した大当たりの種類および当選時の遊技状態に従って設定される所定回数(本形態では11回、21回又は26回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非電サポ制御状態であり、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である(図10参照)。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「低確低ベース状態」である。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させて第2流路R2を通過させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させて第1流路を通過させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図37に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAM84の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球数(例えば大入賞口であれば15球、第2始動口21であれば1球)を払い出す旨を指定する賞球コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。賞球コマンドは、出力処理(S101)においてサブ制御基板90に送信されるのみならず、払出制御基板110にも送信される。また、入力処
理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)、および保留球数処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図16に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が
検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、
後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS208に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S208でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S209でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S211)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。続いて遊技制御用マイコン81は、非正常遊技確認処理(S304)を行う。
[非正常遊技確認処理]図18に示すように非正常遊技確認処理(S304)では、時短フラグ(時短状態であることを示すフラグ)がONであるか否かを判定し(S401)、ONでなければ、続いて大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S402)。ステップS402においてもONでなければ、異常報知コマンドをセットする(S403)。一方、ステップS401やS402で判定結果がYESであれば、異常報知コマンドをセットすることなく本処理を終える。つまり本形態では、時短状態中又は大当たり遊技の実行中である場合を除いて、右打ちにて遊技がなされている場合(右打ちにて遊技がなされた結果、ゲートセンサ28aが遊技球を検知した場合)には異常報知コマンドをセットすることとしている。すなわち、ゲートセンサ28aは、第2流路R2へ遊技球が打ち込まれていることを検知する打込流路検知手段として機能している。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図19に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図20に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図21に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図8(C))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図8(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図8(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「210」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。なお本形態では、非時短状態であってもおよそ1/8の確率で普通図柄抽選に当選し、電チュー22が開放されるようになっている。これは、大当たり遊技のエンディング中に、第2特図保留を発生可能とするためである。この点については、後に詳述する。
普通図柄待機処理(図20)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が0.18秒で且つ普通図柄の停止時間(確定時間)が0.008秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態でも、普通図柄の変動時間が0.18秒で且つ普通図柄の停止時間(確定時間)が0.008秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。なお、時短状態及び非時短状態で、普通図柄の変動時間と普通図柄の停止時間の両方を異ならせても良く、いずれか一方を異ならせても良い。普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が「当たり」である場合は普通当たり図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、「ハズレ」である場合は普通ハズレ図柄(「●○」)である。
普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図22に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図23に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通図柄の停止時間(本形態では0.008秒)が経過したか否かを判定する(S1101)。経過していなければ(S1101でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより普通図柄の停止表示が継続される。
一方、停止時間が経過していれば(S1101でYES)、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1102)。普通当たりフラグがONでなければ(S1102でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1108)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1102でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1103)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S1104)。時短状態中の開放パターンとは、図13の電チュー開放TBL2に示すように、4.000秒の開放を1回行い、閉鎖後に閉鎖後休止時間として0.300秒の補助遊技エンディングを行う開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「1」をセットする。なお電チュー22の開放回数が1回であるため、電チュー22の開放間のインターバル時間が設定されることはない。
ここで、上記した閉鎖後休止時間とは、補助遊技の実行時間のうち、可動部材23の閉鎖終了時点より後に行う補助遊技エンディングの実行時間を意味している。そして本形態と異なり、可動部材23が複数回開閉する場合には、閉鎖後休止時間は複数回開閉する可動部材23の最終の閉鎖終了時点より後の時間を意味することとなる。
一方、非時短状態中であれば(S1103でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S1105)。非時短状態中の開放パターンとは、図13の電チュー開放TBL1に示すように、0.232秒の開放を1回行い、閉鎖後に閉鎖後
休止時間として2.800秒の補助遊技エンディングを行う開放パターンである。従っ
て、電チュー開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット
(S1104、S1105)に続いて、補助遊技を開始するべく、普通当たり開始処理を行う
(S1106)。なお本形態では、補助遊技のうち補助遊技オープニングを行わないため、補助
遊技が実行されると電チュー22の開放動作が直ぐに開始されることになる。普通当たり開始処理の後、普通動作ステータスを「4」にセットし(S1107)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図24に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させる(S1204)。なお本形態と異なり、補助遊技オープニングを行い、可動部材23の開閉回数が複数回である場合には、ステップS1203において、補助遊技オープニングの実行時間が経過して第2始動口21を初めて開放させる時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した第2始動口21を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。こうして、時短状態中であれば第2始動口21が開放してから4.000秒経過した後に第2始動口21が閉鎖し、非時短状態中であれば第2始動口21が開放してから0.232秒経過した後に第2始動口21が閉鎖する。
そして第2始動口21の閉鎖(S1206)に次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技エンディングを開始するべく、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。なお電チュー開放カウンタは、時短状態中及び非時短中において電チュー22の開放(可動部材23の開放)が1回なされると「0」になる。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、ステップS1103又はS1104にてセットされた回数の電チュー22の開放動作は終了しているので、補助遊技エンディングの実行時間である閉鎖後休止時間が経過したか否かを判定し(S1211)、閉鎖後休止時間が経過していなければ(S1211でNO)処理を終える。一方、閉鎖後休止時間が経過していれば(S1211でYES)、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1212)、普通当たりフラグをOFFし(S1213)、普通動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S1214)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図19)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)
に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図25に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に
関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,
4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301
でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合
には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図26に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2
始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する
(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待
機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413で
YES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画
面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図9)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図27に基づいてまとめて説明する。図27に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個
目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図
1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領
域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図8(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図8(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「627」〜「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「600」〜「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。なお、第1始動口20への進入により取得された乱数に基づく当否判定(大当たり種別の判定を含む)を、第1入球部当否判定といい、第2始動口21への進入により取得された乱数に基づく当否判定(大当たり種別の判定を含む)を、第2入球部当否判定という。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図28及び図29に基づいてまとめて説明する。図28及び図29に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、変動パターンP1又はP2が選択されることとなる。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
図28のステップS1603において、Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、変動パターンP3が選択されることとなる。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。なお、図8(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「値なし」である。すなわち本形態では、非時短状態ではリーチとなることがある一方で時短状態ではリーチとなることがないようになっている。これにより、時短状態では非時短状態よりも変動時間の短い変動パターンが多く選択されるようになっており、特図保留の消化スピードが早くなっている。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP4又はP5が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP6又はP7が選択されることとなる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図29に示すように、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1609)。ONであれば、当選した大当たりの種類に関係なく、時短状態中大当たりテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。具体的には、変動パターンP8が選択されることとなる。
一方、大当たりフラグがONでなければ(S1609でNO)、リーチ乱数カウンタ値に関係なく、時短状態中ハズレテーブル(図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、変動パターンP9が選択されることとなる。なお、図12に示すように、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図28に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図12参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図31に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、後述の遊技状態管理処理(S1801)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1802)。大当たりフラグがONであれば(S1802でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図10及び図11を参照)をセットする(S1803)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。1回のラウンド遊技において大入賞口が複数回開放されることもある。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1803に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1804)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1805)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1806)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1807)。
また、ステップS1802において大当たりフラグがONでなければ(S1802でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1808)処理を終える。
[遊技状態管理処理]図32に示すように、遊技状態管理処理(S1801)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「11」、「21」、「26」又は「10000」のいずれかにセットされるようになっている(図10参照)。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図33に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図34に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第2ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「2」か否かを判定する(S2205)。第2ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第2ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図36)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、後述のリミッタ機能が作動する場合を除いて、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図35)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図10及び図11参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第2ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第2ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理(図34)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図11参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口
(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ス
テップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウ
ンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するた
めにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理とし
て、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエン
ディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。なおラウンドカウンタは、2R大当たりであれば大入賞口の開放が2回なされ
ると「0」になり、3R大当たりであれば大入賞口の開放が3回なされると「0」になり、4R大当たりであれば大入賞口の開放が4回なされると「0」になり、5R大当たり
であれば大入賞口の開放が5回なされると「0」になる。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図25)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図35に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、リミッタ作動カウンタが所定の制限回数(本形態では「39」)であるか否かを判定する(S2301)。リミッタ作動カウンタとは、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数をカウントするカウンタである。
リミッタ作動カウンタの値が制限回数に至っていなければ(S2301でNO)、VフラグがONか否かを判定する(S2302)。VフラグがONでなければ(S2302でNO)、ステップS2307に進むが、VフラグがONであれば(S2302でYES)、確変フラグをONするとともに(S2303)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2304)。これにより、実質的に次回の大当たり当選まで遊技状態が高確率状態に制御されることとなる。なお本形態では、高確率状態に制御された場合には実質的に次回の大当たり当選まで高確率状態が継続することとなるので、高確率状態への制御の終了条件を、大当たり当選のみとし、所定回(10000回)にわたる特別図柄変動の実行という確変終了条件のない構成としてもよい。この場合には、確変カウンタは不要となる。ステップS2304に次いで、リミッタ作動カウンタの値を「1」加算して(S2305)、VフラグをOFFし(S2306)、ステップS2307に進む。
これに対して、リミッタ作動カウンタの値が制限回数(「39」回)に至っていれば(S2301でYES)、VフラグがONか否かを判定することなく、VフラグをOFFして(S2306)、ステップS2307に進む。従って本形態では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御され得る回数の上限は39回となっている。すなわち、本形態のパチンコ遊技機1は、初当たりを含めた大当たりの連チャン回数が40回に至ると、大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていても、その大当たり遊技後の遊技状態を通常確率状態に制御する(高確率状態に制御しない)遊技機となっている。
ステップS2307では、遊技制御用マイコン81は、電サポ制御状態(時短状態且つ電サポ制御状態)に移行させるか否かを判定する。本形態では、電サポ制御状態に移行させる
か否かは、図10に示すように、大当たりの種類(セットされている特図停止図柄データ)と、大当たり当選時の遊技状態によって決められている。図10に示すテーブルに照らして電サポ制御状態に移行させると判定した場合には、時短フラグをONするとともに
(S2308)、時短カウンタに時短回数をセットして(S2309)、ステップS2310に進む。一方、
電サポ制御状態に移行させないと判定した場合には(S2307でNO)、ステップS2308及びS2309を実行することなく、ステップS2310に進む。
なお、時短カウンタにセットする値(時短回数)は、電サポ制御状態への制御が高確率状態への制御に伴ってなされる場合(確変フラグがONである場合)には、「10000」であり、高確率状態への制御に伴わない場合(確変フラグがOFFである場合)には、セットされている特図停止図柄データに応じて定められる値(「11」、「21」、又は「26」)である(図10参照)。時短回数が「10000」回であることは、実質的に次回の大当たり当選まで電サポ制御状態への制御は終了しないということである。
ステップS2310では、確変フラグがONか否かを判定し、ONでなければ、リミッタ作動カウンタに「0」をセットする(S2311)、すなわちリミッタ作動カウンタをクリアする。続いて遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S2312)、現在のリミッタ作動カウンタの値の情報を含む高確連続回数コマンドをセットして(S2313)、本処理を終える。
ここで、本形態では、特図1に係る大当たり抽選にて大当たりに当選した場合には、特定領域39への通過が可能なVロング大当たりに50%の確率で振り分けられる。そして、Vロング大当たり後の遊技状態が高確率状態に制御される場合には、必ず実質的に次回の大当たりまで電サポ制御状態に制御される。電サポ制御状態では、右打ちにて遊技している限り第2始動口21への入賞が頻繁に生じるため、第2特図保留がある限り、特図2に係る大当たり抽選ばかりが実行される。そして、特図2に係る大当たり抽選にて大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりに振り分けられる。従って本パチンコ遊技機1は、非電サポ制御状態にて第1始動口20への入賞に基づいてVロング大当たりに当選すれば、以後、高確率状態への制御を制限するリミッタ機能が作動するまで(ステップS2301にてYESと判定されるまで)、大当たりが連チャンするセット機(セット回数40回)となっている。
[特定領域センサ検出処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1の状態(図3(a))に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図34)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第2ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、現在実行中の大当たり遊技が「初当たり」であるか否かを判定する(S2404)。そして、初当たりでなければ(S2404でNO)処理を終え、初当たりであれば(S2404でYES)、V通過コマンドをセットして(S2405)処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
なお、初当たりとは、「高確率状態且つその高確率状態の終了まで継続する電サポ制御状態(以下「特定遊技状態」という)」以外の遊技状態で当選した大当たりであって、その大当たり遊技後に特定遊技状態に移行するものをいう。
[保留球数処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S107)に次いで保留球数処理(S108)を行う。保留球数処理(S108)では図37に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2502)。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図38〜図63に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図38に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAM94の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。なお、演出決定用乱数には、後述の上乗せ演出の実行の有無および上乗せ演出における上乗せ数を決定するための上乗せ演出用乱数がある。その他の演出決定用乱数としては、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
ここで本形態のパチンコ遊技機1は、上乗せ演出(図67参照)を実行可能なものとなっている。本形態における上乗せ演出とは、特定の遊技期間において、大入賞口への入賞によって獲得可能な賞球の予定数を、実際の賞球予定数よりも少なく表示しておき、表示している賞球予定数と実際の賞球予定数との差分を、表示している賞球予定数の値に上乗せ表示する演出である。
特定の遊技期間とは、本形態では特定遊技状態に制御されやすい期間である。特定の遊技期間は、例えば、「初当たり」の終了後に特定遊技状態(高確且つ高確の終了まで継続する電サポ)に制御されてからリミッタ機能が作動するまで継続する。但しリミッタ機能が作動する前に、大当たり遊技後に通常確率状態に移行した場合(例えばVロング大当たり中に特定領域39への遊技球の通過がなかった場合)には、その通常確率状態への移行によって終了する。特定の遊技期間が終了する際の大当たり遊技のエンディングは、特定の遊技期間に含まれても、含まれなくてもよい。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100、音声制御基板106、およびランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各基板は、コマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、枠ランプ66及び装飾可動体15等)を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、上乗せ演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図39に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図40に示すよう
に、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63aからの
検知信号い基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図41に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301,図42)、モード移行表示処理(S4302,図53)、メインシナリオ制御処理(S4303,図54)を順次行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4304)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する後述のスイッチ処理(S4305,図62)を行う。その後、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4306)。
[受信コマンド解析処理]図42に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば、後述の客待ち待機処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば保留関連処理を行う(S4404)。保留関連処理(S4404)では、保留球数コマンドに含まれている保留球数の情報に基づいて、サブ制御基板90のRAM94に設けられている第1特図保留演出カウンタおよび第2特図保留演出カウンタの値を更新する。第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(入賞情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。また、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(入賞情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。なお演出制御用マイコン91は、非電サポ制御状態においては、第1特図保留演出カウンタの値に基づいて第1特図保留の数に応じた数の演出保留画像9(図1参照)を表示する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から異常報知コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば異常報知処理を行う(S4406)。異常報知処理(S4406)では、異常報知開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。異常報知開始コマンドは、メーカーの意図とは異なる遊技方法で遊技が行われている旨を所定の異常報知態様にて報知するためのコマンドである。本形態では、異常報知開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて送信されると、画像制御基板100のCPU102が、所定の異常報知画像(例えば「左打ちに戻してください」等の文字画像等)を表示画面7aに表示する。異常報知態様は、異常報知画像を表示するもの以外でもよく、例えば、盤ランプ5や枠ランプ66を点灯させたり、スピーカ67から警告音を出力したりするなどであってもよい。これにより、電サポ制御状態への制御中又は大当たり遊技の実行中ではないのに右打ちにて遊技が行われることを防止することができる。なお、ゲートセンサ28aによる検知があった場合には、遊技制御用マイコン81が必ず異常報知コマンドを送信するようにし、これを受信した演出制御用マイコン91が、電サポ制御状態への制御中又は大当たり遊技の実行中か否かを判定して、そうでなければ異常報知開始コマンドをセットするようにしてもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する遊技状態ステータス設定処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理を行う(S4416)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4418)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4419)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4420)。V通過報知演出開始処理(S4420)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(図64(d)参照)を表示画面7aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から賞球コマンドを受信したか否か判定し(S4421)、受信していれば後述する賞球関連表示処理を行う(S4422)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から連続高確回数コマンドを受信したか否か判定し(S4423)、受信していれば、連続高確回数コマンドに含まれているRAM84のリミッタ作動カウンタの値の情報に基づいて、RAM94に設けられている連続高確回数カウンタに連続高確回数をセットする(S4424)。このようにして、サブ制御基板90側でもリミッタ作動カウンタの値を把握するようにしている。
続いて、その他の処理(S4425)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[客待ち処理]図43に示すように、客待ち処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ち用のデモ演出(客待ち演出ともいう)に対応したシナリオデータ(01H)を、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5001)。次に、客待ち演出を実行するための演出コマンド(客待ち演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S5002)。そして、客待ち演出中であることを示す客待ちフラグをONして(S5003)、本処理を終える。
[遊技状態ステータス設定処理]図44に示すように、遊技状態ステータス設定処理(S4408)では、演出制御用マイコン91は、受信した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報に基づいて、遊技状態ステータスを設定する。具体的には、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ非電サポ制御状態であれば(S5101でYES)、遊技状態ステータスを「1」にセットし(S5102)、その後、RAM94における大当たり時の使用領域を初期化して(S5103)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が高確率状態且つ電サポ制御状態であれば(S5104でYES)、遊技状態ステータスを「2」にセットして(S5105)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ電サポ制御状態であれば(S5106でYES)、遊技状態ステータスを「3」にセットして(S5107)、本処理を終える。
[変動演出開始処理]図45に示すように、変動演出開始処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5201)。変動開始コマンドには、特図1の変動開始であるか特図2の変動開始であるかの情報、及び変動パターン選択処理(図28)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図12参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドが特図2の変動開始を示すものであるか否かを判定する。特図2の変動開始を示すものでなければ、すなわち特図1の変動開始を示すものであれば、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットし(S5203)、このテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合する変動演出パターンを選択する(S5204)。このとき演出決定用乱数(演出図柄決定用乱数や変動演出パターン決定用乱数、予告演出決定用乱数)の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出(演出図柄変動演出)としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S5205)、ステップS5208に進む。
ステップS5205でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄変動演出を行う。
一方、ステップS5202において特図2の変動開始を示すものであれば(S5202でYES)、続いて現在の遊技状態ステータスが「2」であるか否か、すなわち高確率状態且つ電サポ制
御状態であるか否かを判定する(S5206)。そして、NOであれば、ステップS5208に進むが、YESであれば、後述の確変変動処理(S5207)を実行してからステップS5208に進む。
ステップS5208では、客待ちフラグがONであるか否かを判定する。そして、ONであれ
ば、客待ちフラグをOFFして(S5209)本処理を終える。このように本形態のパチンコ遊
技機1は、特図2の変動に同期した演出図柄変動演出を行わない構成となっている。
[確変変動処理]図46に示すように、確変変動処理(S5207)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ちフラグがONであるか否かを判定する(S5301)。客待ちフラグがONでなければ処理を終える。一方、客待ちフラグがONであれば(S5301でYES)、現在のモードがいずれのモードであるかを、RAM94のモードステータスを参照して判定し(S5302等)、客待ち演出から各モードに応じた演出に復帰するための処理(S5303等)を行う。
ここで、モード(演出モード)とは、画像表示装置7における演出態様であり、モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なったものとなる。本形態ではモードとして、まず、特訓モード(対応するモードステータスは「1」)、乱闘モード(対応するモードステータスは「2」)、PVモード(対応するモードステータスは「3」)の3つのモードを実行可能である。上記の3つのモードはいずれも、JPモードという特定の演出モードに含まれ、特定の演出態様に相当する。特定の演出態様としては、上記の3つのモードのうちいずれか一つのモードが実行できればよい。また、上記の3つのモードはいずれも、本形態では特定遊技状態(高確且つ高確に伴って継続する電サポ)に制御されている場合に実行されるものである。つまりこれらのモードの実行(つまり特定の演出態様への制御)は、遊技者に対する特定遊技状態の報知となっている。なお本形態では、JPモードでの演出は、上述の特定の遊技期間にわたって実行され続ける。つまり、特定遊技状態と特定遊技状態の間の大当たり遊技の実行中も実行される。
さらに本形態では、通常確率状態且つ電サポ制御状態に対応した「CTモード」(モードステータスは「4」)と、通常確率状態且つ非電サポ制御状態に対応した「通常モード」(モードステータスは「5」)とを実行可能である。「CTモード」へは、通常確率状態且つ電サポ制御状態へ制御される直前の大当たり遊技のエンディング以降に制御される。なお本形態では、大当たり遊技のエンディング中にモードステータスの値を「4」に変更する。「CTモード」への制御は、電サポ制御状態の終了とともに終了する。「CTモード」における電サポ上限回数の最後の特別図柄変動がハズレであれば、特別図柄の停止表示時に、モードステータスを「通常モード」に対応した値「5」に変更し、次回の特別図柄変動から「通常モード」への制御を開始する。なお、上記したモード以外のモードを実行可能に構成してもよい。
図46に戻り確変変動処理では具体的には、現在のモードステータスの値が特訓モードを示す値「1」であれば(S5302でYES)、特訓モードにおける標準演出(特訓モード標準演出ともいう、図66(e)参照)に対応したシナリオデータ(02H)を、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5303)。そして、特訓モード標準演出を実行するための演出コマンド(特訓モード標準演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S5304)。その後、特訓モード標準演出の実行時間(3000ms)をシナリオタイマにセットして(S5305)、本処理を終える。なおセットしたシナリオタイマは、後述のメインシナリオ制御処理(図54)におけるステップS6202にて減算される。
また、現在のモードステータスの値が乱闘モードを示す値「2」であれば(S5306で
YES)、乱闘モードにおける標準演出(乱闘モード標準演出ともいう)に対応したシナリオ
データ(03H)を、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5307)。そして、乱
闘モード標準演出を実行するための演出コマンド(乱闘モード標準演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S5308)。その後、乱闘モード標準演出の実行時間(5000ms)をシナリオタイマにセットして(S5309)、本処理を終える。
また、現在のモードステータスの値がPVモードを示す値「3」であれば(S5310でYES)、PVモードにおける演出(PVモード演出ともいう)に対応したシナリオデータ(04H)を、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5311)。そして、PVモー
ド演出を実行するための演出コマンド(PVモード演出コマンド)を、RAM94の出力
バッファにセットして(S5312)、本処理を終える。なお、PVモードである場合には、後述の直上乗せ演出を除いて上乗せ演出は実行されない。
[変動演出終了処理]図47に示すように、変動演出終了処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S5401)。変動停止コマンドには、特図1の変動停止であるか特図2の変動停止であるかの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン91は、受信した変動停止コマンドが特図2の変動停止を示すものであるか否かを判定する(S5402)。特図2の変動停止を示すものでなければ(S5402でNO)、すなわち特図1の変動停止を示すものであれば、演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットして(S5403)本処理を終える。一方、ステップS5402において特図2の変動停止を示すものであれば(S5402でYES)、本形態では特図2の変動に同期した演出図柄変動演出を行っていないため、ステップS5403を実行することなく本処理を終える。
[オープニング演出選択処理]図48に示すように、オープニング演出選択処理(S4414)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5501)。続いて、実行中の大当たり遊技が高確率状態且つ電サポ制御状態における大当たり当選によって行われているものか否か、つまり大当たり当選時の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態であったか否か
を判定する(S5502)。なお、大当たり当選時の遊技状態に関する情報は、遊技状態ステー
タスを参照することで取得してもよいし、オープニングコマンドに含まれるようにしてもよい。
大当たり当選時の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態であれば(S5502でYES)、後述する上乗せ計数処理を行って(S5503)、本処理を終える。なお、上乗せ計数処理とは、上乗せ演出での上乗せ表示に用いることが可能な賞球予定数をRAM94の隠し残BPカウンタ95に加算するための処理である。隠し残BPカウンタ95は、特定の遊技期間の終了までに実際に獲得可能な賞球の予定数をカウントするためのカウンタである。
一方、ステップS5502でNOであれば、続いて、現在実行中の大当たりが「初当たり」か否かを判定する(S5504)。なお、現在実行中の大当たりの種類に関する情報(当選した大当たりの種類を示す図柄情報)は、本形態ではオープニングコマンドに含まれている。なお、オープニングコマンドに含まれていない構成であってもよい。この場合には、例えば、変動開始コマンドの解析時に取得した図柄情報を参照して判定すればよい。
ステップS5504において初当たりであれば、RAM94の隠し残BPカウンタ95に最低賞球予定数(「4680」)をセットする(S5505)。そして、後述の上乗せ計数処理を実行して(S5506)、ステップS5507に進む。一方、ステップS5504において初当たりでなければ、ステップS5505およびS5506を行うことなくステップS5507に進む。なお、ステップS5504においてNOである場合には、ステップS5505〜ステップS5508までの処理をすることなく、本処理を終えるように構成してもよい。
ここで、最低賞球予定数とは、特定の遊技期間中にリミッタ機能が作動するまで大当たり遊技が全て基準大当たり遊技で実行された場合に得られる予定の賞球数である。基準大当たり遊技とは、所定数の賞球が獲得可能な大当たり遊技であり、本形態ではVロング2R大当たりである。これに対して、本形態における3Rから5RのVロング大当たりは、基準大当たり遊技より多い賞球が獲得可能な非基準大当たり遊技に相当する。なお、各大当たりにおいて獲得可能な賞球数は、図9に示す通りである。
よって、本形態における最低賞球予定数は、1回の2R大当たりで獲得可能な賞球数(120球)に、初当たりの終了からリミット機能が作動するまで連続して高確率状態に制御された場合に当選することができる大当たりの回数(39回)を乗じた数(4680球)となる。
ステップS5507では、ステップS5501で解析したオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S5507)。そして、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出(大当たり演出の一つ)を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットして(S5508)、本処理を終える。
ステップS5508でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。なお、本形態では、初当たり時のオープニング演出として、「JPチャレンジ」の文字画像(図64(a)参照)を表示して、JPモードへ移行させることができるかのチャレンジ期間であることを示すようにしている。なお、このようなオープニング演出は、非電サポ制御状態にて当選した初当たり時に限って行うようにしてもよい。
また本形態のパチンコ遊技機1では、高確率状態且つ電サポ制御状態中は(ステップS5502でYESのときは)、オープニング演出を実行しない(S5508を実行しない)。従って、このような状態下では、遊技者は大当たり遊技のオープニングであることを意識しないで遊技することとなる。
[上乗せ計数処理]図49に示すように、上乗せ計数処理(S5503,5506)では、実行中の大当たりの種類を判定し(S5601等)、その判定結果に基づいて、上乗せ演出での上乗せ表示に用いることが可能な賞球予定数(以下「上乗せ可能数」ともいう)を、隠し残BPカウンタ95の値に加算する(S5602,S5607等)。
具体的には、実行中の大当たり遊技のオープニングが、5RVロング大当たりのオープニングであれば(S5601でYES)、上乗せ可能数として「360」を選択し(S5602)、隠し残BPカウンタ95の値に「360」を加算する(S5607)。また、実行中の大当たり遊技のオープニングが、4RVロング大当たりのオープニングであれば(S5603でYES)、上乗せ可能数として「240」を選択し(S5604)、隠し残BPカウンタ95の値に「240」を加算する(S5607)。また、実行中の大当たり遊技のオープニングが、3RVロング大当たりのオープニングであれば(S5605でYES)、上乗せ可能数として「120」を選択し(S5606)、隠し残BPカウンタ95の値に「120」を加算する(S5607)。なお、実行中の大当たり遊技のオープニングが、2RVロング大当たりのオープニングであれば(S5605でNO)、隠し残BPカウンタ95の値を加算することなく本処理を終える。
このように本パチンコ遊技機1では、2RVロング大当たりよりもラウンド数の多いVロング大当たりに当選した場合には、リミット機能が作動するまでの賞球予定数が最低賞球予定数よりも増加するようになっている。そして、この増加分を、上乗せ演出における上乗せ数に用いるようにしている。
[ラウンド演出選択処理]図50に示すように、ラウンド演出選択処理(S4416)ではまず、ラウンド指定コマンドを解析する(S5701)。続いて、現在実行中の大当たりが「初当たり」か否かを判定する(S5702)。なお、現在実行中の大当たりの種類に関する情報(当選した大当たりの種類を示す図柄情報)は、変動開始コマンドの解析時に取得した図柄情報を参照して取得してもよいし、ラウンド指定コマンドに含まれているようにしてもよい。
ステップS5702において初当たりでなければ本処理を終えるが、初当たりであれば、現在実行中のラウンド遊技が1R目のラウンド遊技か否かを判定する(S5703)。1R目のラウンド遊技であれば、V打込報知演出を伴うラウンド演出を選択し(S5704)、そのラウンド演出を実行するためのラウンド演出開始コマンドをセットして(S5706)、本処理を終える。V打込報知演出とは、特定領域39を通過させるように遊技球を打ち込むべき旨を報知する演出である。本形態では、V打込報知演出は、図64(b)に示すV打込報知画像を表示画面7aに表示する演出である。
一方、1R目のラウンド遊技でなければ、その他のラウンド演出(例えば、図64(c)に示すような、表示画面7aの中央に「右打ち」と表示する演出)を選択し(S5705)、そのラウンド演出を実行するためのラウンド演出開始コマンドをセットして(S5706)、本処理を終える。
このように本パチンコ遊技機1では、初当たり以外の大当たり遊技においてはラウンド遊技に伴うラウンド演出(大当たり演出の一つ)を実行しないようにしている。特に本パチンコ遊技機1では、初当たり以外の大当たり遊技においては、V打込報知演出を行わないようにしている。つまり、初当たりからリミッタ機能が作動するまでの最大40回の大当たり遊技のうち、2回目から40回目までの大当たり遊技では、特定領域39への打込が報知されることはない。従って遊技者は、初当たり以外の大当たり遊技においてはラウンド遊技中であるのかを意識することなく遊技することとなる。
なお、前述したとおり本形態では、初当たりからリミッタ機能が作動するまでの最大40回の大当たり遊技のうち、最後(40回目)の大当たり遊技中に特定領域39への通過があっても、特定領域39に通過した旨の報知(図64(d)参照)はしない。これにより、リミッタ機能が作動して通常確率状態に制御される場合に、高確率状態に制御されると遊技者に誤って認識させてしまうことを防止している。
また、初当たりからリミッタ機能が作動するまでの最大40回の大当たり遊技のうち、2回目から39回目までの大当たり遊技中に特定領域39への通過があっても、特定領域39に通過した旨の報知(図64(d)参照)はしない。このような構成も、遊技者にラウンド遊技中であると意識させない効果を奏している。
[エンディング演出選択処理]図51に示すように、エンディング演出選択処理
(S4418)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5801)。続いて、現在実行中の大当
たりが「初当たり」か否かを判定する(S5802)。なお、現在実行中の大当たりの種類に関
する情報(当選した大当たりの種類を示す図柄情報)は、変動開始コマンドの解析時に取得した図柄情報を参照して取得してもよいし、エンディングコマンドに含まれているようにしてもよい。
ステップS5802において初当たりであれば、エンディング開始フラグ(ED開始フラグ)をONするとともに(S5803)、エンディングタイマ(EDタイマ)によるエンディング開始からの経過時間の計測を開始する(S5804)。そして、エンディング中に行うエンディング演出として第2特図保留の貯留演出を選択し(S5805)、そのエンディング演出を実行するためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S5806)、本処理を終える。
第2特図保留の貯留演出とは、第2特図保留を発生させるために、電チュー22への入球を狙って右打ちにて遊技球を打ち込むべき旨を報知する演出である。本形態における第2特図保留の貯留演出では、その演出の開始時に、図65(a)に示す電チュー打込報知画像を表示画面7aに表示する。より具体的には、第2特図保留の貯留演出の実行開始を指示するエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像(第2特図保留の貯留演出用の動画)をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。これにより、電チュー22(第2始動口21)へ遊技球を入賞させて、第2特図保留を発生させるべきことが遊技者に示される。なお本形態では、図65(a)に示す電チュー打込報知画像は、エンディングの開始から10秒間にわたって表示される。また、右打ちの表示は第2特図保留の貯留演出中は常時なされている。
また、この第2特図保留の貯留演出では、エンディングの経過状況を示す演出画像を表示している。すなわち、経過状況示唆表示を行っている。具体的には、図65(a)に示す表示画面7aの左上のドクロマーク画像Kが経過状況示唆表示に当たる。本形態では、非電サポ制御状態において当選した初当たりの大当たり遊技(特定大当たり遊技(特定特別遊技)の一例)のエンディングの時間は、図10に示すように60秒である。そのため、経過状況示唆表示として、初めにドクロマーク画像Kを6つ表示し、10秒経過毎に一つずつ消すようにしている(図65(b)参照)。よって、表示されているドクロマーク画像Kの数が「0」になればエンディングが終了したこととなる。このようして、遊技者に対してエンディングの経過状況を報知している。つまり、本形態の経過状況示唆表示は、ドクロマーク画像Kを用いてエンディング時間の経過をカウントダウンで表示するものとなっている。
また、ドクロマーク画像Kの周囲には、1秒かけて時計回りで消えていく円状のエフェクト画像Gを表示している。これにより、1秒経過したことを遊技者に報知するようにしている。なお本形態では、エンディングの開始から10秒経過後からは、図65(b)に示すような、キャラクタが疾走している画像を表示するようにしている。
本形態のパチンコ遊技機1において、上記のような第2特図保留の貯留演出を行う理由は次の通りである。すなわち、本形態は特図2の変動が特図1の変動よりも優先され、且つ、特図2の抽選の方が特図1の抽選よりも遊技者にとっての特典の量が大きい大当たり(具体的にはVロング大当たり)に当選し易くなっている。よって、エンディング(ED)が終了して高確率状態且つ電サポ制御状態に制御された場合には、特図1の変動が開始されないことが望ましい。しかしながら、初当たり後においては、第1特図保留のみがあり第2特図保留がないという状況が生じやすい。このような場合には、遊技者に不利な
第1特図保留に基づく抽選が開始されてしまう。特に本形態では、大当たり遊技における
ラウンド数が2R〜5Rと少なく、大当たり遊技中に第2特図保留が発生する可能性は、ラウンド数が10R等比較的多い遊技機に比して低い。しかも、第1特図保留に基づく抽選にてVショート大当たりに当選してしまうと、リミッタ機能が作動するまで大当たりの連チャンを生起させることができずに非高確率状態に制御されてしまうため、遊技者が受ける不利益は大きい。
そこで本形態のパチンコ遊技機1では、初当たり時のED時間を初当たり以外の大当たりに比して長い60秒に設定して、その間に遊技者が第2特図保留を発生させられるようにしている。また、この60秒のEDにおけるエンディング演出として、電チュー22への入賞を狙った右打ち報知をすることで、遊技者に対してED中は電チュー22への入賞を狙う特殊な遊技期間であることを報知している。さらには、上述の経過状況示唆表示を行うことで、ED中に電チュー22に入賞させたいという遊技者の心理を煽り、遊技興趣を高めるようにしている。なお本形態では、60秒にわたるエンディング中に少なくとも1つの第2特図保留が生じる確率が、95%以上となっている。つまりこのような確率となるように、エンディングの時間、非電サポ制御状態における普通図柄の変動時間、普通図柄抽選の当選確率、及び、非電サポ制御状態における電チュー22の開放パターン(開放時間)が決められている。エンディング中に少なくとも1つの第2特図保留が生じる確率は、90%以上あることが望ましく、少なくとも60%以上あることが望ましい。
なお、エンディング演出(第2特図保留の貯留演出)における画像は、少なくともエンディングの期間(60秒間)に及ぶ一本の動画であってもよいし、シナリオ制御にて複数の動画をつなげて表示するものでもよい。シナリオ制御では、例えば、まず複数のドクロマーク画像Kを含む第1画像(第1シナリオの画像)を表示し、10秒経過後に、それよりも一つ少ない数のドクロマーク画像Kを含む第2画像(第2シナリオの画像)を表示するようにして、これを繰り返せばよい。また、レイヤー制御にて、ドクロマーク画像Kを背景画像に重ねて表示するようにしてもよい。この場合も、ドクロマーク画像Kはシナリオ制御によって表示してもよい。また、ドクロマーク画像Kに関する表示制御を画像制御基板100が行うようにしてもよい。本形態では、この表示制御を画像制御基板100が行っている。
図51に戻り、ステップS5802において初当たりでなければ(S5802でNO)、RAM94の連続高確回数カウンタの値を参照して(S5807)、リミット到達か否か、すなわち、実行中の大当たり遊技がリミット機能の作動対象となる大当たり遊技であるか否かを判定する。そして、リミット到達時のエンディングである場合には(S5807でYES)、第2特図保留の貯留演出ではないエンディング演出を選択し(S5808)、そのエンディング演出を実行するためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S5806)、本処理を終える。
なお、ステップS5807において、リミット到達か否かではなく、この大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ電サポ制御状態に制御されるか否かを判定し、制御される場合はステップS5808に進み、制御されない場合は本処理を終了するようにしてもよい。この場合、有効なV通過がなされたときには必ずその情報(V通過コマンド)を主制御基板80から受け取るようにして、サブ制御基板90で大当たり遊技後の遊技状態を判定できるようにするとよい。
ステップS5807においてリミット到達と判定されなければ(S5807でNO)、エンディング演
出開始コマンドをセットすることなく(ステップS5806を実行することなく)、本処理を終える。このように本パチンコ遊技機1では、初当たり及びリミット到達時の大当たり遊技以外の大当たり遊技においてはエンディングに伴うエンディング演出を実行しないようにしている。これにより、遊技者に大当たり遊技のエンディング中であることを意識させることのないようにしている。既に述べたとおり、本形態では、初当たり後に高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されたあと、大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態に制御されるまでは、オープニング演出もラウンド演出も行われない。従って、本形態のパチン
コ遊技機1は、その間は大当たり遊技の実行を遊技者に意識させない遊技機となっている。なお非電サポ制御状態にて当選した初当たりに限って、第2特図保留の貯留演出を行
うようにし、電サポ制御状態にて当選した初当たり(所謂引き戻しの大当たり)では、第
2特図保留の貯留演出を行わないようにしてもよい。後者の場合には、エンディング前に第2特図保留があるケースが多いからである。
[賞球関連表示処理]図52に示すように、賞球関連表示処理(S4422)ではまず、受信した賞球コマンドが大入賞口に対する賞球を示すコマンドであるか否かを判定する(S6001)。そして、大入賞口に関する賞球コマンドであれば、RAM94の表示残BPカウンタ96の値が「0」か否かを判定する(S6002)。表示残BPカウンタ96は、表示画面7a上に表示する特定の遊技期間の終了までの賞球予定数(表示予定数、表示残BP、又は残りBPという、図68(a)参照)に対応するカウンタである。ステップS6002にて「0」であれば、ステップS6006に進む。一方、ステップS6002にて「0」でなければ、RAM94の表示残BPカウンタ96および隠し残BPカウンタ95から、賞球コマンドが示す賞球数に応じた値(大入賞口への1球の入賞に対する賞球は15球)をそれぞれ減算する(S6003,S6004)。そして、賞球コマンドが示す賞球数に応じた値を表示残BPから減算表示する演出を行うための演出コマンド(減算表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットして(S6005)、ステップS6006に進む。
減算表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに表示している表示残BPを減算表示する。例えば、図68(a)に示す表示残BP(残りBP)は、複数回の減算表示を経て図68(b)に示す表示残BP(残りBP)になる。このような減算表示により、遊技者は特定の遊技期間の終了までに獲得可能な賞球予定数を把握することができる。但し、この表示残BPは、実際の賞球予定数よりも少なく表示されていることもある。
ステップS6006では、RAM94の表示残BPカウンタ96の値が「0」か否かを判定する。「0」でなければ、ステップS6010に進む。一方、「0」であれば、続いて、RAM84の隠し残BPカウンタ95の値が「0」か否かを判定する(S6007)。「0」であれば、ステップS6010に進む。一方、「0」でなければ、表示残BPカウンタ96に隠し残BPカウンタ95の値をセットする(S6008)。そして、今セットした隠し残BPカウンタ95の値に応じた上乗せ数を、表示画面7aに表示している表示残BP(残りBP)に上乗せする直上乗せ演出を行うための演出コマンド(直上乗せ演出コマンド)をセットして(S6009)、ステップS6010に進む。
ステップS6010では、賞球コマンドが示す賞球数に応じた値をRAM94の累積獲得賞球数カウンタ98に加算する。そして、賞球コマンドが示す賞球数に応じた値を、表示画
面7aに表示している累積獲得賞球数(獲得BP)に加算表示するための演出コマンド(加算表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットして(S6011)、本処理
を終える。
加算表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに表示している獲得BPを加算表示する。例えば、図68(a)に示す獲得BPは、複数回の加算表示を経て図68(b)に示す獲得BPになる。このような加算表示により、遊技者は特定の遊技期間中に実際に獲得した賞球の数を把握することができる。
またステップS6001で大入賞口に関する賞球コマンドではないと判定された場合には、続いて第2始動口21に対する賞球コマンドであるか否かを判定する(S6012)。そして、第2始動口21に対する賞球コマンドであれば、上述のステップS6010およびS6011を実行して、本処理を終える。すなわち、表示画面7aに表示している獲得BPの値は、第2始動口21への入賞によって獲得した賞球も含む値である。つまり本形態では、電サポ制御状態に制御されていることによって受ける利益の分(第2始動口21への入賞に対する賞球)も獲得BPに含まれるようにしている。
これに対して、ステップS6012でNOであれば、加算表示演出コマンドをセットすることなく、本処理を終える。すなわち、表示画面7aに表示している獲得BPの値には、第1始動口20への入賞に対する賞球や、普通入賞口27への入賞に対する賞球は含まれない。なお、これらの入賞口への入賞に対する賞球も、獲得BPの値に含まれるように構成してもよい。また、本賞球関連表示処理は、特定の遊技期間中のみ行われる。
[モード移行表示処理]図53に示すように、モード移行表示処理(S4302)ではまず、ED開始フラグ(S5803でONされるフラグ)がONか否かを判定する(S6101)。ONでなければ本処理を終える。一方、ONであれば、続いて、エンディングの開始から所定時間(本形態では15秒)が経過したか否かを、EDタイマの値に基づいて判定する(S6102)。そして、経過していなければ本処理を終える。一方、経過していれば、第2特図保留があるか否かを、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値に基づいて判定する(S6103)。
そして、第2特図保留がなければ本処理を終える。一方、第2特図保留があれば、モード移行表示演出に対応したシナリオデータ(11H)を、RAM94のシナリオバッファにセットするとともに(S6104)、モード移行表示演出を行うための演出コマンド(移行表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6105)。次に、モード移行表示演出の実行時間に応じた値をシナリオタイマにセットする(S6106)。その後、ED開始フラグをOFFするとともに(S6107)、EDタイマをリセットして(S6108)本処理を終える。
移行表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図66(a)に示す移行表示画像を表示画面7aに表示する。すなわち、演出態様移行表示を行う。これにより、遊技者に対して、JPモード(特定の演出態様)への移行が報知される。このように本形態では、特定遊技状態への制御を行う際には第2特図保留がある場合に限って、JPモード(特定の演出態様)へ移行させるようにしている。つまり、「特定遊技状態への制御開始時に第2特図保留がないために第1特図保留に基づく抽選がなされてVショート大当たりに当選するという不利益」を回避した場合に限って、JPモード(特定の演出態様)へ移行させるようにしている。従って、本形態では、JPモードへの移行報知(演出態様移行表示)は、遊技者に対して上記の不利益を回避したことを祝う意味の演出となっている。
[メインシナリオ制御処理]図54に示すように、メインシナリオ制御処理(S4303)ではまず、シナリオタイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S6201)。大きくなければ本処理を終える。一方、「0」より大きければシナリオタイマを減算する(S6202)。続いて、シナリオタイマの値が「0」であるか否かを判定する(S6203)。「0」でなければ本処理を終える。一方、「0」であれば、次シナリオセット処理(S6204)およびシナリオ処理(S6205)を実行して、本処理を終える。
[次シナリオセット処理]図55に示すように、次シナリオセット処理(S6204)では、RAM94のシナリオバッファにセットされているシナリオデータ(以下「シナリオバッファのシナリオデータ」ともいう)を参照して(S6301等)、シナリオバッファのシナリオデータに応じた各処理を実行する(S6302等)。具体的には、シナリオバッファのシナリオデータがモード移行表示演出に対応したシナリオデータ(11H)であれば(S6301でYES)、後述するモード選択演出(図66(b)参照)に対応したシナリオデータ(12H)を、RAM94のシナリオバッファにセットして(S6302)処理を終える。
また、シナリオバッファのシナリオデータがモード選択演出に対応したシナリオデータ(12H)であれば(S6303でYES)、後述する賞球予定数表示演出(図66(d)参照)に
対応したシナリオデータ(13H)を、RAM94のシナリオバッファにセットして(S6304)処理を終える。また、シナリオバッファのシナリオデータが賞球予定数表示演出に対応したシナリオデータ(13H)であれば(S6305でYES)、モードステータスを参照し
て(S6306)、現在のモード(特訓モード、乱闘モード、又はPVモードのいずれか)に応
じた演出(例えば特訓モードであれば図66(e)参照)のシナリオデータ(02H,
03H,又は04H)を、RAM94のシナリオバッファにセットするとともに
(S6307)、モード開始フラグをONして(S6308)処理を終える。
[シナリオ処理]図56及び図57に示すように、シナリオ処理(S6205)ではまず、シナリオバッファのシナリオデータを参照する(S6401)。そして、シナリオデータに応じた演出を実行するための各処理を実行する(S6402,S6403等)。具体的には、シナリオバッファのシナリオデータがモード選択演出に対応したシナリオデータ(12H)であれば(S6402でYES)、モード選択演出を実行するための演出コマンド(モード選択演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6403)。その後、モード選択演出の実
行時間をシナリオタイマにセットして(S6404)、本処理を終える。
モード選択演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図66(b)に示すモード選択画像を表示画面7aに表示する。図66(b)に示すように、モード選択演出とは、JPモード中の詳細なモードを遊技者に選択させる演出である。本形態ではJPモード中の詳細なモードには、上述した特訓モード、乱闘モード、PVモードの3つがある。
なお、モード選択演出は、演出ボタン63を遊技者に押下させるSW演出を含んでいる。後述するが、モード選択演出におけるSW演出にて演出ボタン63の操作が検知された場合には、演出制御用マイコン91はモードステータスの値を、上記の3つのモードのうち遊技者の選択に係るモードに応じた値にセットする。モード選択は内部的な抽選により行われるものであってもよい。
また、ステップS6401にて参照したシナリオバッファのシナリオデータが賞球予定数表示演出に対応したシナリオデータ(13H)であれば(S6405でYES)、賞球予定数表示演出を実行するための演出コマンド(賞球予定数表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6406)。その後、賞球予定数表示演出の実行時間をシナリオタイマにセットして(S6407)、本処理を終える。
賞球予定数表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、まず、図66(c)に示す演出ボタン63の押下指示画像を表示画面7aに表示する。つまり賞球予定数表示演出も、演出ボタン63を遊技者に押下させるSW演出を含んでいる。
後述するが、賞球予定数表示演出におけるSW演出にて演出ボタン63の操作が検知された場合には、そのときに特図1の変動であって当否判定結果がVショート大当たりであるものが実行されていなければ、つまり、大当たり遊技中に特定領域39への通過が見込めない大当たりに当選してしまっているのでなければ、図64(d)に示すように、初期表示予定数として、最低賞球予定数(「4680」)を超えない値(「4000」)を表示する。なお、大当たり遊技中に特定領域39への通過が見込めない大当たりに当選してい
たとしても、初期表示予定数として、最低賞球予定数(「4680」)を超えない値
(「4000」)を表示するようにしてもよい。また、賞球予定数表示演出は、SW演出
を含まない演出としてもよい。
なお本形態では、初期表示予定数の表示タイミングは、エンディング中となることもあるし、エンディング後となることもある。また、特図1の変動中となることもある。すくなくとも特定の遊技期間の開始時期(この開始時期には、特定遊技状態に移行する前の大当たり遊技のエンディングも含む)以降であって、第2特図保留があるときに表示するようになっている。なお、第2特図保留の有無に関わらず表示するようにしてもよい。また、必ずエンディング中に表示するようにしてもよい。また、エンディング後の初回の特図の変動開始時に表示するようにしてもよい。
また、ステップS6402及びステップS6405にて共にNOである場合には、続いてモードステータスを参照して現在のモードが特訓モードであるか否かを判定する(S6408)。特訓モードであれば、続いてモード開始フラグ(S6308でセットされるフラグ)がONか否かを判定する(S6409)。ONであれば、特訓モードの標準演出を実行するための演出コマンド(特訓モード標準演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6410)。その後、特訓モード標準演出の実行時間(3000ms)をシナリオタイマにセットし(S6411)、モード開始フラグをOFFして(S6412)、本処理を終える。
特訓モード標準演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図66(e)に示す特訓モード中であることを示す演出画像を表示画面7aに表示する。図66(e)に示すように、特訓モード中は表示画面7aの上部に、RAM94の表示残BPカウンタ96の値と、累積獲得賞球数カウンタ98の値とが表示される。表示されている表示残BPカウンタ96の値を、表示予定数(表示残BP、残りBP)という。表示されている累積獲得賞球数カウンタ98の値を、累積獲得賞球数(獲得BP)という。表示予定数によって、遊技者はリミッタ機能が作動するまで(特定の遊技期間が終了するまで)の今後の遊技によって獲得可能な賞球数を知ることができる。また、累積獲得賞球数によって、遊技者は特定の遊技期間中に実際に獲得した賞球数を知ることができる。なお、下皿62が満杯で下皿62に払い出されない賞球も実際に獲得した賞球数に含まれる。また、後述の乱闘モード中やPVモード中も同様に、表示予定数(残りBP)および累積獲得賞球数(獲得BP)を表示画面7aに表示する。つまりJPモード中は、表示予定数および累積獲得賞球数を表示画面7aに表示する。
ステップS6409でNOであれば、続いて、上乗せ演出フラグがONか否かを判定する(S6413)。ONでなければ、後述の特訓モード演出処理を実行して(S6414)、本処理を終える。一方、ONであれば、後述の特訓モード上乗せ演出処理を実行して(S6415)、本処理を終える。
また、ステップS6408でNOである場合には、続いてモードステータスを参照して現在のモードが乱闘モードであるか否かを判定する(S6416)。乱闘モードであれば、続いてモード開始フラグ(S6308でセットされるフラグ)がONか否かを判定する(S6417)。ONであれば、乱闘モードの標準演出を実行するための演出コマンド(乱闘モード標準演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6418)。その後、乱闘モード標準演出の実行時間(5000ms)をシナリオタイマにセットし(S6419)、モード開始フラグをOFFして(S6420)、本処理を終える。乱闘モード標準演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、乱闘モード中であることを示す演出画像(不図示)を表示画面7aに表示する。
ステップS6417でNOであれば、続いて、上乗せ演出フラグがONか否かを判定する(S6421)。ONでなければ、後述の乱闘モード演出処理を実行して(S6422)、本処理を終える。一方、ONであれば、後述の乱闘モード上乗せ演出処理を実行して(S6423)、本処理を終える。
また、ステップS6416でNOである場合には、シナリオバッファにセットされているシナリオデータに従った他の演出を実行するための演出コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S6424)処理を終える。
[特訓モード演出処理]図58に示すように、特訓モード演出処理(S6414)ではまず、表示残BPカウンタ96の値と隠し残BPカウンタ95の値を元に、上乗せ演出を実行するか否かや、実行する場合の上乗せ数等を抽選にて決定する(S6501)。抽選には前述の上乗せ演出用乱数を用いる。より詳細には、この抽選にて、上乗せ演出を実行するか否か、実行する場合に行う特訓演出の内容(特訓の種類)、その特訓演出の結果(特訓成功か失敗か)、特訓演出後に実行される上乗せ演出の内容(上乗せ成功か失敗か)、上乗せ演出にて上乗せがなされる場合の上乗せ数等を決定する。上乗せ数は、隠し残BPカウンタ95の値と表示残BPカウンタ96の値の差を上限数として決定される。
本形態では、非基準大当たり(3R〜5RのVロング大当たり)に当選することにより基準大当たり(2RVロング大当たり)よりも増えた賞球予定数(増加賞球予定数)と、最低賞球予定数(4680)と初期表示予定数(4000)との差分の賞球予定数との合計が、上乗せ数として用いることができる数となっている。従って、仮に特定の遊技期間中の大当たりが全て基準大当たり(2RVロング大当たり)であったとしても、表示予定数に上乗せ数が加算される上乗せ演出は実行され得るようになっている。
続いて演出制御用マイコン91は、上乗せ演出の抽選に外れた場合には(S6502でNO)、再び特訓モードの標準演出を行うために、特訓モード標準演出の実行時間である3000msをシナリオタイマに再セットして(S6503)処理を終える。
これに対して、上乗せ演出の抽選に当選した場合には(S6502でYES)、その抽選にて選択された特訓演出を実行するための演出コマンド(特訓モード特訓演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットするとともに(S6504)、特訓モード特訓演出のシナリオデータ(05H)をシナリオバッファにセットする(S6505)。そして、特訓モード特訓演出の実行時間をシナリオタイマにセットするとともに(S6506)、上乗せ演出フラグをONして(S6507)処理を終える。
特訓モード特訓演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図67(a)に示すようなキャラクタが特訓をしていることを示す演出画像を表示画面7aに表示する。
[特訓モード上乗せ演出処理]図59に示すように、特訓モード上乗せ演出処理(S6415)ではまず、シナリオバッファのシナリオデータが特訓モード特訓演出のシナリオデータ(05H)か否かを判定する(S6601)。YESであれば、特訓モード上乗せ演出を実行するための演出コマンド(特訓モード上乗せ演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットするとともに(S6602)、特訓モード上乗せ演出のシナリオデータ(06H)をシナリオバッファにセットする(S6603)。そして、特訓モード上乗せ演出の実行時間をシナリオタイマにセットして(S6604)、処理を終える。
特訓モード上乗せ演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、例えば、図67(b)に示すように、特訓後のキャラクタが課題(重い扉を開ける等)にチャレンジしていることを示す演出画像を表示画面7aに表示する。
ステップS6601にてNOであれば、続いてシナリオバッファのシナリオデータが特訓モード上乗せ演出のシナリオデータ(06H)か否かを判定する(S6605)。NOであれば処理を終えるが、YESであれば、ステップS6501の抽選にて決定した上乗せ数を表示残BPカウンタ96に加算するとともに(S6606)、その上乗せ数を表示画面7aの表示予定数(表示残BP)に上乗せ表示するための演出コマンド(上乗せ表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6607)。
そして、上乗せ表示演出の実行時間をシナリオタイマにセットして(S6608)、上乗せ演出フラグをOFFする(S6609)。その後、モード開始フラグをONするとともに(S6610)、特訓モードの標準演出に対応したシナリオデータ(02H)をシナリオバッファにセットして(S6611)、処理を終える。
上乗せ表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、上乗せ成功時には、図67(c)に示すような上乗せ成功画像を表示画面7aに表示し、上乗せ失敗時には、図67(e)に示すような上乗せ失敗画像を表示画面7aに表示する。
その後、再びシナリオ処理(図56)が実行され、ステップS6410でセットされた特訓モード標準演出コマンドが出力されると、画像制御基板100のCPU102は、図67(d)又は(f)に示す演出画像を表示画面7aに表示する。上乗せ成功の上乗せ演出の後であれば、図67(d)に示すように、上乗せ演出前より表示予定数は増加している。これに対して上乗せ失敗の上乗せ演出の後であれば、図67(f)に示すように、表示予定数は上乗せ演出前と変わらない。
[乱闘モード演出処理]図60に示すように、乱闘モード演出処理(S6422)ではまず、表示残BPカウンタ96の値と隠し残BPカウンタ95の値を元に、上乗せ演出を実行するか否かや、実行する場合の上乗せ数等を抽選にて決定する(S6701)。なお乱闘モードでは、特訓モードよりも大きい上乗せ数が選択されやすくなっている。
続いて演出制御用マイコン91は、上乗せ演出の抽選に外れた場合には(S6702でNO)、再び乱闘モードの標準演出を行うために、乱闘モード標準演出の実行時間である5000msをシナリオタイマに再セットして(S6703)処理を終える。
これに対して、上乗せ演出の抽選に当選した場合には(S6702でYES)、その抽選にて選択された乱闘モード上乗せ演出を実行するための演出コマンド(乱闘モード上乗せ演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットするとともに(S6704)、乱闘モード上乗せ演出のシナリオデータ(07H)をシナリオバッファにセットする(S6705)。そして、乱闘モード上乗せ演出の実行時間をシナリオタイマにセットするとともに(S6706)、上乗せ演出フラグをONして(S6707)処理を終える。乱闘モード上乗せ演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、キャラクタが乱闘していることを示す演出画像(不図示)を表示画面7aに表示する。
[乱闘モード上乗せ演出処理]図61に示すように、乱闘モード上乗せ演出処理(S6423)ではまず、ステップS6701の抽選にて決定した上乗せ数を表示残BPカウンタ96
に加算するとともに(S6801)、その上乗せ数を表示画面7aの表示予定数(表示残BP)
に上乗せ表示するための演出コマンド(上乗せ表示演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S6802)。
そして、上乗せ表示演出の実行時間をシナリオタイマにセットして(S6803)、上乗せ演出フラグをOFFする(S6804)。その後、モード開始フラグをONするとともに(S6805)、乱闘モードの標準演出に対応したシナリオデータ(03H)をシナリオバッファにセットして(S6806)、処理を終える。なお、乱闘モードにおける上乗せ表示演出は、必ず上乗せ成功となる演出である。すなわち、乱闘モードでは、ステップS6701の演出抽選で上乗せ演出を実行することとなった場合には、必ず表示画面7aの表示予定数に上乗せ数が加算表示されることとなる。
[スイッチ処理]図62に示すように、スイッチ処理(S4305)ではまず、演出ボタン63(任意に操作可能な操作部)を用いた演出(SW演出)の実行中か否か、すなわち、SW演出における演出ボタン63の有効期間中か否かを判定する(S7001)。SW演出中でなければ、処理を終える。一方、SW演出中であれば、後述するSW演出処理を行う(S7002)。その後、SW演出における演出ボタン63の有効期間を計測するSWタイマの値が「0」より大きいか否かを判定し(S7003)、大きければSWタイマを減算して(S7004)、本処理を終える。
[SW演出処理]図63に示すように、SW演出処理(S7002)ではまず、演出ボタン63が操作されたか否か、すなわち演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かを判定する(S7101)。ここでは、演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かは、スイッチ状態取得処理(S4304)にて格納されたスイッチデータに基づいて判定される。そしてONされたと判定しなかった場合には(S7101でNO)処理を終えるが、ONされたと判定した場合には(S7101でYES)、シナリオバッファのシナリオデータを確認してモード選択演出(図66(b)参照)中かを判定する(S7102)。そしてその判定結果がYESであれば、モードステータスの値を、遊技者の選択したモードに応じた値にセットして(S7103)処理を終える。
またステップS7102の判定結果がNOであれば、続いて、シナリオバッファのシナリオデータを確認して賞球予定数表示演出(図66(c)参照)中かを判定する(S7104)。そしてその判定結果がYESであれば、特図1の変動であって当否判定結果がVショート大当たりであるものが実行されているか否かを判定する(S7105)。そしてその判定結果がNOであれば、表示残BPカウンタ96の値を「4000」にセットするとともに(S7106)、初期表示予定数として「4000」を表示するための初期賞球予定数表示演出コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S7107)、処理を終える。なお、本形態では、初期表示予定数を最低賞球予定数(「4680」)よりも小さい値(「4000」)にしているため、JPモードの開始時点において既に上乗せ可能数として「680」をもっていることとなる。
初期賞球予定数表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図66(d)に示すように、初期表示予定数が「4000」であることを示す演出画像を表示画面7aに表示する。この後は既に述べたように、遊技の進行に伴って上乗せ演出がなされることで表示予定数が増えたり、大入賞口に関する賞球の度に表示予定数が減ったりすることとなる。
7.払出制御基板110及び発射制御回路111の動作
次に図69に基づいて遊技球の発射制御処理について説明する。発射制御処理は、払出制御基板110(図5参照)及び発射制御回路111(図5参照)により実行される。発
射制御処理では、先ずタッチスイッチ114がONされているか否かを判定し(S8001)、
次に発射停止スイッチ116がONであるか否かを判定する(S8002)。タッチスイッチ114がONされ(S8001でYES)、発射停止スイッチ116がOFFされていれば(S8002でNO)、遊技球の発射準備を行う(S8003)。一方、タッチスイッチ114がOFFされている
か(S8001でNO)、又は発射停止スイッチ116がONされていれば(S8002でYES)、遊技球
の発射準備を行うことなく本処理を終了する。
遊技球の発射準備(S8003)では、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように、発射モータ113に出力するための信号を生成する。その後、生成した信号を発射モータ113に出力し、発射モータ113を駆動させて(S8004)、発射制御処理を一旦終了する。
こうして、遊技者がハンドル60を回転操作すると、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知してONになり(S8001でYES)、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。これにより、遊技球の発射準備が行われ(S8003)、発射モータ113が駆動して(S8004)、ハンドル60の回転量に応じた強さで遊技球が発射される。但し、ハンドル60の回転操作があっても発射停止ボタン64(図1参照)の押圧操作があった場合には、発射停止スイッチ116がONになる(S8002でYES)。これにより、遊技球の発射準備が行われず、発射モータ113の駆動が停止することとなる。従って、遊技者がハンドル60の回転操作中に発射停止ボタン64を押圧操作すると遊技球の発射が停止され、発射停止ボタン64の押圧操作を解除すると遊技球の発射が再開される。なお、遊技者がハンドル60から手を離し、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知しない場合にも(S8001でNO)、発射モータ113の駆動が停止し、遊技球の発射がされることはない。
本パチンコ遊技機1においては、遊技者が発射停止ボタン64を押圧操作しないでハンドル60の回転操作を維持した場合、0.6秒(基準発射時間)で一発の遊技球を発射し、1分間で合計100発の遊技球を連発的に発射するようになっている。ここで、基準発射時間は、発射モータ113の回転ムラ(発射ムラ)、発射制御回路111による制御遅れ、外乱(ノイズ)の影響等によって時間誤差を含み、0.6秒で一定にならない場合があり得る。つまり、発射モータ113の回転ムラ等によって、遊技球が時折、0.5秒(−0.1秒の時間誤差)や0.7秒(+0.1秒の時間誤差)の発射時間間隔で発射する可能性がある。そのため基準発射時間は、時間誤差が生じることを考慮して、或る所定時間(例えば1分間)に発射される遊技球の平均的な発射時間間隔である。なお基準発射時間は発射装置に応じて0.6秒以外に適宜変更可能である。
本形態では、遊技者が基準発射時間(0.6秒)毎に遊技球を連発的に発射させる打方を打ちっぱなしと呼ぶこととする。一方、遊技者が発射停止ボタン64を押圧操作して、打ちっぱなし以外の方法で遊技球を発射させる打方を単発打ちと呼ぶこととする。なお単発打ちには、ハンドル60から一時的に手を離したり、ハンドル60の回転操作を一時的に完全に戻して、その後に遊技球を発射させる打方も含まれる。つまり単発打ちは、遊技球の発射を任意に停止させて、遊技球の発射間隔時間を基準発射時間(0.6秒)より長くする打方である。
ところで、本パチンコ遊技機1では、上述したように初当たり時のED時間に、遊技者が第2特図保留を発生させられるように、電チュー22への入賞(ゲート28への通過)を狙った右打ちを行うようになっている。言い換えると、初当たりのエンディングは非電サポ制御状態であるため、非電サポ制御状態で第2特図保留を発生させられるように、普通図柄抽選の当選確率がおよそ1/8の確率になっている。そして、右打ちで第2流路R2に向かって発射された遊技球がほぼ必ずゲート28を通過し、ゲート28を通過した遊技球がほぼ必ず第2始動口21に到達するように、ゲート28と電チュー22とが配されている。
このような構成の遊技機を想定した場合、初当たりのエンディングより前、即ち大当たり遊技が実行される前の非電サポ制御状態であっても、遊技者が右打ちで第2始動口21への入賞を狙うおそれがある。しかしこの点については、右打ちで第2始動口21へ入球する確率が左打ちで第1始動口20に入球する確率よりも低くなるように、普通図柄抽選の当選確率、電チュー22(可動部材23)の開放時間、可動部材23の開放タイミング等を設定することで、大当たり遊技が実行される前に右打ちが左打ちよりも有利になることを防止できる。具体的に本遊技機1の場合、1分間打ちっぱなしで右打ちすると第2始動口21へ約4球の遊技球が入球するのに対して、1分間打ちっぱなしで左打ちすると第1始動口20へ約5球以上の遊技球が入球するように設定されていて、非電サポ制御状態で左打ちを右打ちよりも有利にしている。但しこれはあくまで単発打ちではなく、打ちっぱなしを行うという条件の話である。
つまり、打ちっぱなしを行って第2流路R2に向かって遊技球を発射させる場合、ゲート28を通過した遊技球が第2始動口21に到達したときに、普通図柄の変動中や補助遊技のエンディング中により電チュー22が閉鎖していると、遊技球が第2始動口21の外側へこぼれ、電チュー22が開放していると第2始動口21への入賞を獲得できる。これに対して、単発打ちを行って第2流路R2に向かって遊技球を発射させる場合、遊技球の発射間隔時間を調節して、電チュー22が開放するタイミングを見計らって、遊技球を発射させることができる。そのため仮に、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球がそのまま第2始動口21へ入球し得る構成だと、単発打ちによってゲート28を通過した遊技球が第2始動口21の外側へこぼれる量を少なくしつつ、第2始動口21への入賞を獲得し得る事態が生じてしまう。
そこで、本パチンコ遊技機1は、非電サポ制御状態において単発打ちで第2流路R2に向かって遊技球を発射させた場合に、意図しない過剰な特典を遊技者に与えることを防止できるように構成されている。つまり、大当たり遊技中を除く非電サポ制御状態中において、単発打ちで第2始動口21への入賞を狙う方が、打ちっぱなしで第1始動口20への入賞を狙うよりも有利になることを防止できるように構成されている。以下では図70〜図72を参照して、補助遊技が実行される際の動作を説明する。
8.補助遊技が実行される際の動作
図70は、非電サポ制御状態で打ちっぱなしを行ったときに閉鎖後休止時間Dがない場合と閉鎖後休止時間Dがある場合とを比較したタイムチャートである。非電サポ制御状態において、本遊技機1の補助遊技中には電チュー22が1回開放した後に比較的長い時間である閉鎖後休止時間(2.8秒)が設けられている。これは以下の理由に基づく。図70に示すように、遊技球X1がゲート28を通過すると普通図柄の変動が開始され、普通図柄の変動時間A(0.18秒)が経過すると普通図柄が確定する。普通図柄の確定では普通図柄が停止していて、普通図柄の抽選結果が当たりである場合には普通図柄の停止時間B(0.008秒)が経過したときから第2始動口21(電チュー22)が開放する。そして、電チュー22の開放時間C(0.232秒)が経過するまで、電チュー22が開放することとなる。
ここで、遊技球X1がゲート28を通過してから電チュー22が開放されるまでの時間(時間A+時間B)が0.188秒であるのに対して、遊技球X1がゲート28を通過してから第2始動口21へ到達する時間が0.1秒になっている。このため、ゲート28を通過した遊技球X1が第2始動口21に到達したときには、電チュー22がまだ閉鎖している。従って、遊技球X1が開放された電チュー22に進入(第2始動口21に入球)することがない。つまり本遊技機1は、打ちっぱなし又は単発打ちの何れの場合であっても、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球が、開放された電チュー22に進入できないようになっている。
そして、打ちっぱなしを行う場合、遊技球X1がゲート28を通過したタイミングと、遊技球X1の次に発射された遊技球X2がゲート28を通過したタイミングとの間は0.6秒(基準発射時間)であるのに対して、遊技球X1がゲート28を通過してから電チュー22が閉鎖するまでの時間(時間A+時間B+時間C)は0.42秒であるため、電チュー22が閉鎖するまでに遊技球X2がゲート28を通過することはない。従って、補助遊技の実行時間に閉鎖後休止時間Dがない場合には、補助遊技中に遊技球X2のゲート28への通過による普図保留が生成されない。これに対して、補助遊技の実行時間に閉鎖後休止時間Dがある場合には、補助遊技中(閉鎖後休止時間Dの間)に遊技球X2がゲート28を通過することによって普図保留が生成される。
こうして、遊技球X1がゲート28を通過してから電チュー22が閉鎖するまでの時間(0.42秒)に閉鎖後休止時間D(2.8秒)を加算し、これらの加算値(時間A+時間B+時間C+時間D)を基準発射時間(0.6秒)よりも大きくすることで、打ちっぱなしで補助遊技中に普図保留を生成できるようにしている。逆に言えば、閉鎖後休止時間Dを加算しなければ、遊技球X1がゲート28を通過してから電チュー22が閉鎖するまでの時間(時間A+時間B+時間C)を基準発射時間(0.6秒)よりも小さくして、単発打ちで補助遊技中に普図保留を生成し難くしている。これについて図71を参照して説明する。
図71は、非電サポ制御状態で打ちっぱなしを行った場合と非電サポ制御状態で単発打ちを行った場合とを比較したタイムチャートである。打ちっぱなしを行った場合、遊技球X1のゲート28への通過に基づく普通図柄の抽選結果が当たりであると、閉鎖後休止時間D(2.8秒)が経過するまでに、遊技球X2,X3,X4,X5,X6がゲート28を通過し、普図保留が上限数である4個生成されることとなる。これにより、閉鎖後休止時間Dが経過したときから普通図柄の変動表示が開始し、普通図柄の抽選で当たりに当選しない限り、連続して4回の普通図柄の変動表示が生じる。なお、図71では連続して4回実行された普通図柄の変動表示のうち、4回目に普通図柄の抽選で当たりに当選して、補助遊技が実行(第2始動口21が開放)される状況を示している。
こうして、非電サポ制御状態で打ちっぱなしを行うと、閉鎖後休止時間Dが経過したときに普通図柄の変動表示が開始(普通図柄の抽選が実行)される。つまり、遊技球がゲート28を通過したときに普通図柄の変動表示が開始しない状況が生じる。これにより、閉鎖後休止時間Dが経過したときから、連続して開始される普通図柄の抽選で当たりに当選すると、電チュー22の開放時間Cのタイミングがずれる。以上により、閉鎖後休止時間Dの間に普図保留が生成されることで、遊技球がゲート28を通過するタイミングと普通図柄の変動表示が開始するタイミングがずれて、可動部材23の開放タイミングの周期がずれ易くなる。その結果、打ちっぱなしで第2始動口21の外側へ遊技球をこぼしながら、第2始動口21への入賞を狙うことが可能となる。
一方、図71に示すように、仮に遊技球Y1の発射から遊技球Y2の発射までに4秒の間隔が空くように単発打ちを行った場合、遊技球Y1のゲート28への通過に基づく普通図柄の抽選結果が当たりであっても、閉鎖後休止時間D(2.8秒)が経過するまでに、遊技球Y2がゲート28を通過しない。そのため、閉鎖後休止時間Dの間に普図保留が生成されない。これにより、閉鎖後休止時間Dが経過したときから普通図柄の変動表示が開始されず、遊技球Y2がゲート28を通過したときに普通図柄の変動表示が開始される。
こうして、非電サポ制御状態で単発打ちを行うと、閉鎖後休止時間Dの間に普図保留が生成されないことにより、遊技球がゲート28を通過したタイミングのみで普通図柄の変動が開始し易い。よって、遊技球がゲート28を通過するタイミングと普通図柄の変動表示が開始するタイミングとが同じになり易く、可動部材23の開放タイミングの周期が同じになり易い。その結果、単発打ちを行う場合、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球が、開放された電チュー22に進入できない以上、第2始動口21への入賞を狙うことが難しくなる。つまり、単発打ちを行っても、遊技球の発射時間間隔を基準発射時間(0.6秒)に近くなるように短くして、第2始動口21の外側へ遊技球をこぼしながら、第2始動口21への入賞を狙うしか方法がなくなる。以上により、初当たりのエンディングを除く非電サポ制御状態においては、単発打ちで右打ちによる第2始動口21への入賞は難しい。そして、右打ちよりも左打ちの方が有利に設定されているため、左打ちで第1始動口20への入賞を狙う以外の方法で遊技されないようになっている。
なお本形態では、打ちっぱなしで1回の補助遊技の閉鎖後休止時間Dの間にできるだけ多く(上限数である4個)の普図保留を生成し、閉鎖後休止時間Dが経過した後に補助遊技が実行される確率を高くして、可動部材23の開放タイミングの周期がずれ易い状況を作り出している。つまり、閉鎖後休止時間Dの間に生成される普図保留の数が多いほど、閉鎖後休止時間Dが経過した後に普通図柄の抽選が実行される回数が多くなる。普通図柄の抽選が実行される回数が多いほど、普通図柄の抽選で当たりに当選する確率が高くなり、閉鎖後休止時間Dが経過した後に補助遊技が実行される(第2始動口21が開放する)可能性が高くなる。補助遊技が実行される可能性が高くなるということは、可動部材23の開放タイミングの周期がずれ易くなるということである。要するに、閉鎖後休止時間Dの間にできるだけ多く(4個)の普図保留を生成した方が、閉鎖後休止時間Dが経過した後に可動部材23の開放タイミングの周期がずれ易くなり、遊技球が第2始動口21へ入球する確率が高くなる。
従って、単発打ちで閉鎖後休止時間Dの間に普図保留が生成されない場合には、閉鎖後休止時間Dが経過した後に可動部材23の開放タイミングの周期がずれなくて、遊技球が第2始動口21へ全く入球しない。仮に単発打ちで閉鎖後休止時間Dの間に1個又は2個の普図保留が生成されたとしても、打ちっぱなしで閉鎖後休止時間Dの間に4個の普図保留が生成される場合に比べて、閉鎖後休止時間Dが経過した後に可動部材23の開放タイミングの周期がずれ難く(ずれる確率が低く)、遊技球が第2始動口21へ入球し難い。以上により本形態では、1回の補助遊技の閉鎖後休止時間Dの間にできるだけ多くの普図保留を生成するため、普通図柄の変動時間Aと普通図柄の停止時間Bと補助遊技の実行時間(時間C+時間D)との加算値(3.22秒)が基準発射時間(0.6)の4倍よりも大きくなるように閉鎖後休止時間Dを設定している。その結果、閉鎖後休止時間Dが経過した後に可動部材23の開放タイミングの周期を最もずれ易く(ずれる確率を高く)して、打ちっぱなしで遊技球が第2始動口21へより入球し易い状況を作り出している。
次に図72を参照して、電サポ制御状態で普通図柄の抽選が当たり(普図当たり)である場合の動作について説明する。図72では、非電サポ制御状態で普図当たりの場合と電サポ制御状態で普図当たりの場合との比較を示しているが、非電サポ制御状態で普図当たりの場合は上述しているため(図71参照)、その説明を省略する。図72に示すように、電サポ制御状態においては、遊技球X1のゲート28への通過に基づく普通図柄の抽選結果が当たりであると、普通図柄の変動時間A(0.18秒)及び普通図柄の停止時間B(0.008秒)が経過したときから第2始動口21(電チュー22)が開放する。このとき、電サポ制御状態での電チュー22の開放時間Eは4.0秒(図13参照)であるため、電チュー22は非電サポ制御状態に比べて十分長く開放することになる。これにより、遊技球X1の次に発射された遊技球X2,X3,X4…が第2始動口21へ順に入球していく。
こうして本形態では、補助遊技の実行の契機となった遊技球X1が、開放された可変始動口21へ入球できないものの、電サポ制御状態において、遊技球X1の次に発射された遊技球X2が開放された可変始動口21へ確実に入球するようになっている。つまり、普通図柄の変動時間A(0.18秒)と普通図柄の停止時間B(0.008秒)との加算値(0.188秒、以下「普通図柄表示に要する時間」という)は、基準発射時間(0.6秒)とゲート28を通過した遊技球が第2始動口21に到達するまでの時間V(0.1秒)との加算値(0.7秒)よりも短いため、電チュー22が開放し始める前に、遊技球X1の次に発射された遊技球X2が第2始動口21に到達していることはない。そして、普通図柄表示に要する時間と電チュー22の開放時間E(4.0秒)(閉鎖前時間)との加算値(4.188秒)が、基準発射時間(0.6秒)と上記した時間V(0.1秒)との加算値(0.7秒)よりも長いため、遊技球X2が第2始動口21に到達したときには、電チュー22が開放している。その結果、電サポ制御状態で打ちっぱなしを行う場合に、第2始動口21が開放されてからすぐに遊技球が入球し易い構成になっている。なお、電サポ制御状態において電チュー22の開放時間Eの後に閉鎖後休止時間F(0.3秒、図13参照)が設けられているが、開放時間Eによって補助遊技の実行時間が十分長くなっているため、電サポ制御状態での閉鎖後休止時間F(0.3秒)は非電サポ制御状態での閉鎖後休止時間D(2.8秒)に比べて十分短く設定されている。
9.本形態の効果
本形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されていて、右打ちで第2流路R2向かって発射された遊技球がほぼ必ずゲート28を通過し、ゲート28を通過した遊技球がほぼ必ず第2始動口21に到達するように、ゲート28と電チュー22とが配されている。そのため、非電サポ制御状態において単発打ちで右打ちにより遊技球を発射させて、第2始動口21への入賞を狙う不正な遊技がなされるおそれがある。
そこで、本形態のパチンコ遊技機1によれば、先ず、普通図柄の変動時間A(0.18秒)と普通図柄の停止時間B(0.008秒)との加算値(0.188秒)は、遊技球がゲート28を通過してから第2始動口21へ到達するまでの時間(0.1秒)よりも長いくなっている。これにより、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球が、第2始動口21に入球することはない。つまり、打ちっぱなしを行っても、単発打ちを行っても、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球は、第2始動口21の外側へこぼれることになる。
そして本形態では、非電サポ制御状態において、普通図柄の変動時間A(0.18秒)と普通図柄の停止時間B(0.008秒)と電チュー22の開放時間C(0.232秒)と閉鎖後休止時間D(2.8秒)との加算値(3.22秒)が、基準発射時間(0.6秒)よりも大きくなっている。これにより、打ちっぱなしで右打ちを行う場合、補助遊技の閉鎖後休止時間Dの間に普図保留が生成され、この普図保留に基づく普通図柄の抽選で電チュー22が開放したり、開放しなかったりする。その結果、可動部材23の開放タイミングの周期がずれて、第2始動口21への入賞が可能となる。但しこのときには、普通図柄抽選の当選確率がおよそ1/8の確率で、電チュー22の開放時間Cが0.232秒であるため、ゲート28を通過した遊技球のうち7/8以上の遊技球が第2始動口21の外側へこぼれることになる。つまり、打ちっぱなしで遊技球を第2始動口21の外側へこぼさないと、第2始動口21への入賞を狙うことができない。
要するに本形態では、非電サポ制御状態において、単発打ちで右打ちを行うと、補助遊技の閉鎖後休止時間Dの間に普図保留を生成し難く、可動部材23の開放タイミングの周
期がずれ難い。特に、普通図柄の変動時間A(0.18秒)と普通図柄の停止時間B(0.008秒)が極めて短く、電チュー22の開放時間C(0.232秒)も極めて短
いため、単発打ちで可動部材23の開放タイミングを見計らって、遊技球を第2始動口21へ入球させることは実質的に不可能である。従って、非電サポ制御状態において、第2始動口21へ入賞させるには、打ちっぱなしで右打ちにより、遊技球を第2始動口21
の外側へこぼしながら入賞を狙う方法しかない。こうして非電サポ制御状態において、遊
技球の発射を任意に停止させつつゲート28を狙って遊技球が打ち込まれても、意図しない過剰な特典を遊技者に与えることが防止可能となる。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、非電サポ制御状態で実行される補助遊技において、補助遊技オープニングを行っていないが、補助遊技オープニングを行っても良い。この場合には、補助遊技の実行時間が、補助遊技オープニングの実行時間である開放前休止時間と、電チュー22の開放時間(0.232秒)との加算値(閉鎖前時間)に、閉鎖後休止時間を加算した値となる。従って、普通図柄表示に要する時間(普通図柄の変動時間と普通図柄の停止時間との加算値である0.188秒)と上記した閉鎖前時間と加算値が、基準発射時間(0.6秒)より小さくなり、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と上記した補助遊技の実行時間と加算値が、基準発射時間(0.6)より大きくなるように設定すれば良い。
また上記形態では、非電サポ制御状態で実行される補助遊技において、電チュー22が開放される回数(所定回数)が1回であったが、2回以上であっても良い。この場合には、電チュー22が開放される回数が例えば2回に設定されると、閉鎖前時間は、1回目の電チュー22の開放時間と、1回目と2回目の電チュー22の開放間のインターバル時間と、2回目の電チュー22の開放時間との加算値となる。つまり、所定回数が2回以上である場合には、閉鎖前時間は、所定回数の電チュー22の開放時間と電チュー22の各開放間のインターバル時間との加算値となる。こうして、所定回数が2回以上である場合、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と上記した閉鎖前時間と加算値が、基準発射時間(0.6秒)より小さく、普通図柄表示に要する時間と、上記した閉鎖前時間と閉鎖後休止時間との加算値(補助遊技の実行時間)が、基準発射時間(0.6秒)より大きくなるように設定すれば良い。
また上記形態では、非電サポ制御状態において、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と補助遊技の実行時間(3.032秒)との加算値が、基準発射時間(0.6秒)より十分大きくなるように設定したが、基準発射時間より僅かに大きくなるように設定しても良い。つまり、普通図柄表示に要する時間と補助遊技の実行時間との加算値が例えば0.7秒であっても良い。
また上記形態では、電サポ制御状態において、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と電チュー22の開放時間(4.000秒)との加算値(4.188秒)が、基準発射時間(0.6秒)と、遊技球がゲート28を通過してから第2始動口21へ到達するまでの時間(0.1秒)との加算値(0.7秒)より十分大きくなるように設定したが、その加算値(0.7秒)より僅かに大きくなるように設定しても良い。つまり、ゲートを通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球の次に発射された遊技球が、第2始動口21へ入球する条件が成立すれば良く、例えば電サポ制御状態での電チュー22の開放時間を0.6秒に設定し、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と電チュー22の開放時間(0.6秒)との加算値(0.788秒)を0.7秒より僅かに大きくしても良い。
また上記形態では、電サポ制御状態で実行される補助遊技において、電チュー22が開放される回数が1回であったが2回以上であっても良い。また上記形態では、電サポ制御状態で実行される補助遊技において、補助遊技オープニングを実行していないが、補助遊技オープニングを実行しても良い。これらの場合には、補助遊技の実行時間のうち閉鎖前時間は、開放前休止時間(補助遊技オープニングの実行時間)と、2回以上の電チュー22の開放時間と、電チュー22の各開放間のインターバル時間を含むことになる。そのため例えば、電サポ制御状態において補助遊技オープニングを実行し、電チュー22が2回開放する場合、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と開放前休止時間との加算値Z1を、0.7秒よりも短くし、上記した加算値Z1と1回目の電チュー22の開放時間との加算値を、0.7秒よりも長く設定する。又は、普通図柄表示に要する時間(0.188秒)と、開放前休止時間と、1回目の電チュー22の開放時間と、電チュー22による1回目と2回目の開放間のインターバル時間との加算値Z2を、0.7秒よりも短くし、上記した加算値Z2と2回目の電チュー22の開放時間との加算値を、0.7秒よりも長く設定する。つまり、普通図柄表示に要する時間と、閉鎖前時間のうち電チュー22が開放し始めるタイミングまでの時間との加算値を、0.7秒よりも短くし、普通図柄表示に要する時間と、閉鎖前時間のうち電チュー22が閉鎖し終えるタイミングまでの時間との加算値を、0.7秒よりも長く設定する。これにより、ゲート28を通過して補助遊技の実行の契機となった遊技球の次に発射された遊技球が、第2始動口21へ入球する条件を満たすこととなる。
上記形態では、特定大当たり遊技(特定特別遊技)の一例として、非電サポ制御状態で当選した初当たりを挙げたが、特定大当たり遊技は、非電サポ制御状態における第1入球部当否判定の結果に基づき実行された大当たり遊技のうちその後の遊技状態が電サポ制御状態に制御されるものであればよい。そして、実行可能な特定大当たり遊技の全てを、EDの時間が長い大当たり遊技として構成してもよいし、実行可能な特定大当たり遊技のうちの少なくとも一部を、EDの時間が長い大当たり遊技として構成してもよい。但し、特定大当たり遊技の終了時点では第2特図保留がないケースが多いため、前者のように構成するのが好ましい。また、特定大当たり遊技以外の大当たり遊技の中に、EDの時間が上記形態のように長いものがあってもよい。その場合、特定大当たり遊技以外の大当たり遊技のエンディングにおいて第2特図保留の貯留演出を行ってもよい。また、特定大当たり遊技のEDの長さが複数種類(例えば60秒と45秒の2種類)あって、大当たりの種類(特別図柄の種類)に応じてエンディングの長さが決まるような構成としてもよい。このようにすると、エンディング中の第2特図保留の発生し易さを特別図柄の種類に応じて変えることができるため、遊技興趣をさらに向上させることができる。
また上記形態では、特図1変動開始コマンドと同様、特図2変動開始コマンドにも変動パターンの情報が含まれていたが、特図2変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれていない構成としてもよい。つまり、特図2変動開始コマンドには、大当たりの当否判定結果の情報や変動時間の情報が含まれていなくてもよい。上記形態のパチンコ遊技機1では、特図2の変動に対する演出図柄変動演出を遊技状態に関わらず行わないようになっているからである(図45および図47参照)。すなわち、特図2変動開始コマンドには、少なくとも特図2の変動表示が開始することの情報が含まれていればよい。なお、特図2変動開始コマンドに変動パターンの情報を含まないように構成した場合には、特図2変動開始コマンドの生成に関する処理負担を軽減できる。また、特図2変動開始コマンドを少ないビット数のデータとして構成することが可能となり、データ通信の負担も軽減できる。
また上記形態では、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機としたが、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御するものでなくてもよい。すなわち、図柄の種類(大当たりの種類)に応じて、高確率状態に制御する構成でもよい。具体的には、遊技状態設定処理(図35)において、特図停止図柄データを確認して確変フラグをONするように構成してもよい。この場合、例えば第1始動口20での抽選では50%で電サポ付き確変大当たり、50%で電サポなし確変大当たりとし、第2始動口21での抽選では100%で電サポ付き確変大当たりとなるような構成として、所定の連続回数にわたって高確率状態に制御された場合にはリミッタ機能を作動させる構成の遊技機であってもよい。そしてこの場合には、第1始動口20での抽選での電サポなし確変大当たりは、実質的に出玉のない所謂潜確大当たりであってもよい。また、第1始動口20での抽選での電サポ付き確変大当たりは、時短回数が、次回大当たり当選までではなく、10回など比較的少ない回数に設定されていてもよい。これに対して、第2始動口21での抽選での電サポ付き確変大当たりは、時短回数が、次回大当たり当選までであるとよい。このように構成すれば、第1始動口20での抽選で電サポ付き確変大当たりにまず当選し、その後の時短状態にて第2始動口21での抽選で電サポ付き確変大当たりに当選すれば、以後リミッタ機能が作動するまでは、大当たり遊技後の遊技状態が、終了条件をともに次回の大当たり当選まで(実質的にでよい)とする高確率状態且つ電サポ制御状態に制御され続け得る遊技性の遊技機とすることができる。
このような遊技性の遊技機とした場合には、通常確率状態での遊技の開始から、初めて第2始動口21での抽選で電サポ付き確変大当たりに当選して、高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されたときに、連チャン状態に移行する。そのため、上乗せ演出を行うにあたっては、その高確率状態且つ電サポ制御状態への制御からリミッタ機能が作動するまでの期間を特定の遊技期間として、その間に予定されている最低賞球数を超えない値を表示予定数として表示するようにすればよい。つまりこの構成では、最低賞球予定数は、特定の遊技期間の開始時におけるリミッタ機能の作動までの残回数に応じて変化することとなる。
また上記形態では、1回のラウンド遊技の上限入賞個数よりも多いオーバー入賞があった場合には、主制御基板80からサブ制御基板90へ賞球コマンドへの賞球コマンドの送信をしないようにしている。従って、オーバー入賞に対する賞球分が表示予定数から減算されることはない。なお、賞球コマンドにオーバー入賞の情報も含むようにして、サブ制御基板90がオーバー入賞か否かを判定し、オーバー入賞であればその賞球分を表示予定数から減算しないようにしてもよい。これに対して、累積獲得賞球数の方は、オーバー入賞に対する賞球分も加算するようにしてもよいし、加算しないようにしてもよい。
また上記形態では、非基準大当たり遊技として、3Rから5RのVロング開放パターンの大当たり遊技を実行可能に構成したが、実行可能な非基準大当たり遊技は少なくとも1種類あればよい。
また上記形態では、特定の遊技期間は、特定遊技状態(高確且つ高確の終了まで継続する電サポ)に制御され易い期間であった。しかし特定の遊技期間は、高確率状態に制御され易い期間であってもよい。すなわち、電サポ制御状態に制御されるか否かに関わらない期間であってもよい。
また上述の実施形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(入賞情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、ゲートセンサ28aを、右打ちにて遊技がなされていることを検知するための右打ち検知センサとして用いたが、右打ち検知センサを別途設けてもよい。
また上記形態では、リミッタ機能が作動することとなる大当たり遊技において特定領域39への通過があった場合でも、VフラグをONするように構成したが、VフラグをONしないようにしてもよい。この場合、遊技状態設定処理(図35)のS2301の判定処理を行わなくてよい。
また上記形態では、リミッタ機能が作動するまで大当たりを引いたあとには非高確率状態に移行するが、そのときの時短回数は特別図柄の種別に応じて11回、21回、又は26回をとるようになっている(図9参照)。この非高確率状態且つ電サポ制御状態の期間中にVロング大当たりに当選したときも、V打込報知およびV通過報知はしないようにしてもよい。すなわち、非電サポ制御状態にて当選して実行された大当たり遊技中だけ、V打込報知およびV通過報知を行うようにしてもよい。
また上記形態では、初当たり以外ではV通過報知をしないように構成した(図36参照)が、初当たりか否かにかかわらず、特図2の抽選によって当選した大当たりでは、V通過報知をしないように構成してもよい。
また、リミッタ機能の作動対象となる大当たり遊技以外では、V通過時にはV通過報知を行うようにしてもよい。すなわち、上記形態における40回のセットのうち2回から39回までにあたる大当たり遊技では、V通過報知を行うようにしてもよい。これらの大当たり遊技後には高確率状態に制御されるので、V通過報知をしても遊技者に誤解を与えることにはならないからである。
また上記形態では、実質的に次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されるように構成したが、次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されているとは限らない遊技機(所謂ST機)として構成することもできる。
また、第2大入賞口35が特定領域39を兼ねる構成としてもよい。このように構成した場合には、大当たり遊技における第2大入賞口35の開放期間のうちの一部の期間が特定領域39として機能するように構成するとよい。そして、第1開放パターン(Vロング開放パターン)の大当たり遊技では特定領域39として機能する期間を長くし、第2開放パターン(Vショート開放パターン)の大当たり遊技では特定領域39として機能する期間を短くするとよい。
また上記形態では、大当たり遊技後に高確率状態に制御された連続回数が所定の制限回数に及んだ場合には、リミッタ機能が作動するように構成したが、リミッタ機能のない遊技機としてもよい。また、高確率状態に制御されることのない遊技機(大当たり判定の確率が一つのみの遊技機)であってもよい。