1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置(表示手段)7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(図4参照)にて表示される第1特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。なお本形態では、後述の第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の表示は行わない。これにより本パチンコ遊技機1は、第2特別図柄の抽選がなされていることを遊技者に感じさせにくい遊技機となっている。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、非時短状態中において後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留画像表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお、後述の第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像は、本形態では表示されない。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、固定入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定、当否判定手段による当否の判定)の契機となっている。
遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口30(特別入賞口)を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(大入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、可変入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(始動口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
ここで本形態では、遊技球がゲート28を通過してから電チュー22が開放されるまでの時間は、極めて短くなっている(0.1秒〜1秒程度)。また、ゲート28を通過した遊技球は必ず第2始動口21の上側(可動部材23の上)を通るようになっている。また、遊技球がゲート28を通過してから第2始動口21に至るのに要する時間は、ゲート通過から電チュー開放までに要する時間とほぼ等しい。従って、ゲート28への遊技球の通過によって電チュー22が開放された場合には、ゲート28を通過したその遊技球(当たりとなった普通図柄抽選の契機としての遊技球)が、開放された電チュー22内に進入(第2始動口に進入)するようになっている。なお、電チュー22が閉塞している場合には、遊技球は可動部材23上を転動して、後述の第2大入賞口35へ向かう。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第2大入賞口35(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、前後に進退可能な開閉部材(大入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2(a)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域、Vゲート)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(シャッター部材)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図4参照)とを備えている。なお、振分部材71は、遊技盤2に対して前後に進退する進退式であり、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける退状態(第1の状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける進状態(第2の状態)をとる。
図2(a)は、振分部材ソレノイド73(図4参照)の通電時を示している。図2(a)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図2(b)は、振分部材ソレノイド73(図4参照)の非通電時を示している。図2(b)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20、および第1大入賞口30への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
なお、左打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第1流路といい、右打ちによって打ち込まれた遊技球がアウト口16に至るまでの流路を第2流路という。第1流路上には、第1始動口20および第1大入賞口30が配されている。第2流路上には、ゲート28、第2始動口21、第2大入賞口35、および、第1大入賞口30が配されている。つまり、第1大入賞口30は、第1流路にも第2流路にも配されていることとなる。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41(図柄表示手段)では、特別図柄(識別情報)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選(当否判定手段による当否の判定))の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される(入賞情報取得手段により取得される)。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(特定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7(演出手段)の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4303にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技(特別遊技実行手段による特別遊技)」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種類については図8〜図10に示す通りである。図8〜図10に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32,37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32,37を作動させる大当たりである。「Vロング大当たり」も「Vショート大当たり」も、2R〜5Rまでの4種類の大当たりがある。但し、Vショート大当たりは、大入賞口の開放時間が極めて短く入賞し難いことから、ほとんど出玉のない大当たりである(図10参照)。これに対してVロング大当たりは、1R目を除いて出玉を獲得することが可能な大当たりである。各ラウンド数の大当たりにおいて獲得可能な賞球数は、図8に賞球予定数として示す通りである。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図6(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図7(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図7(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では0.2秒であるが、時短状態では0.1秒である(図7(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行(入球サポート状態制御手段により入球サポート状態に制御)されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、原則として高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図9参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり、高確高ベース状態の終了条件は、実質的に次の大当たり当選までとなっている。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
但し、本形態では大当たり遊技後に連続して高確率状態に制御され得る上限回数を39回(大当たりの連チャン回数としては40回)としている(この点については後述する)。そのため、高確率状態の上限回数に至っている場合には、Vロング大当たりに当選してその大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過があっても、その大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態に制御する(図9参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、図9に示すように、当選した大当たりの種類および当選時の遊技状態に従って設定される時短回数(本形態では11回、21回又は26回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
つまり、本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後に連続して高確率状態に制御された連続回数が39回に至った場合、連チャン回数が40回目の大当たり遊技後に、40回目の大当たりの種類に従って、上限回数(時短回数)が11回、21回、又は26回にわたる特別図柄の可変表示が実行され得る低確高ベース状態に制御される。なお、大当たりの連チャン回数が40回に至る前に、Vロング大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過がない場合でも、そのVロング大当たり後に、上限回数が11回、21回、又は26回にわたる特別図柄の可変表示が実行され得る低確高ベース状態に制御される。そしてVロング大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなく、大当たり後の低確高ベース状態において上限回数にわたる特別図柄の可変表示が終了した場合は、大当たりの連チャン回数が40回に至る前でも、通常確率状態となる。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非電サポ制御状態であり、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である(図9参照)。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「低確低ベース状態」である。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させて第2流路を通過させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させて第1流路を通過させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図40に基づいて遊技制御用マイコン81(メイン制御部)の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAM84の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球数(例えば大入賞口であれば15球、第2始動口21であれば1球)を払い出す旨を指定する賞球コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。賞球コマンドは、出力処理(S101)においてサブ制御基板90に送信されるのみならず、払出制御基板110にも送信される。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)、および保留球数処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図16に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS208に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、RAM84(図4参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S208でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S209でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S211)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、RAM84(図4参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、RAM84(図4参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。続いて遊技制御用マイコン81は、非正常遊技確認処理(S304)を行う。
[非正常遊技確認処理]図18に示すように非正常遊技確認処理(S304)では、時短フラグ(時短状態であることを示すフラグ)がONであるか否かを判定し(S401)、ONでなければ、続いて大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S402)。ステップS402においてもONでなければ、異常報知コマンドをセットする(S403)。一方、ステップS401やS402で判定結果がYESであれば、異常報知コマンドをセットすることなく本処理を終える。つまり本形態では、時短状態中又は大当たり遊技の実行中である場合を除いて、右打ちにて遊技がなされている場合(右打ちにて遊技がなされた結果、ゲートセンサ28aが遊技球を検知した場合)には異常報知コマンドをセットすることとしている。すなわち、ゲートセンサ28aは、第2流路へ遊技球が打ち込まれていることを検知する打込流路検知手段として機能している。尚、異常報知は所定回数異常を検知した場合に報知するように構成してもよいとする。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図19に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階と「普通動作ステータス」とを対応させている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「1」「2」「3」のいずれでもない場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図20に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図21に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図7(C))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図7(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図7(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「210」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
普通図柄待機処理(図20)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図7(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が0.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が0.2秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が「当たり」である場合は普通当たり図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、「ハズレ」である場合は普通ハズレ図柄(「●○」)である。
普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図22に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図23に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1101)。普通当たりフラグがONでなければ(S1101でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1106)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1101でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1102)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S1103)。時短状態中の開放パターンとは、図12の電チュー開放TBL2に示すように、一回当たり2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「3」をセットする。なお開放間のインターバル時間は1秒である。
これに対して、非時短状態中であれば(S1102でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S1104)。非時短状態中の開放パターンとは、図12の電チュー開放TBL1に示すように、一回当たり0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、電チュー開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S1103、S1104)に続いて、普通動作ステータスを「4」にセットし(S1105)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図24に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させる(S1204)。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。
そして第2始動口21の閉鎖(S1206)に次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技のエンディングを開始する等、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。なお電チュー開放カウンタは、時短状態中であれば電チュー22の開放(可動部材23の開放)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば電チュー22の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、ステップS1103又はS1104にてセットされた回数の電チュー22の開放動作は終了しているので、補助遊技のエンディングの終了を待って普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1211)、普通当たりフラグをOFFし(S1212)、普通動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S1213)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図19)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図25に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階と特別動作ステータスとを対応させている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「1」「2」「3」のいずれでもない場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図26に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、図13に示す特図2変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。特図2変動開始コマンドに含まれる情報については後述する。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、図13に示す特図1変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。特図1変動開始コマンドに含まれる情報ついては後述する。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図8)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図27に基づいてまとめて説明する。図27に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図7(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「627」〜「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図7(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「600」〜「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]特別図柄待機処理(図26)では、特図2大当たり判定処理(S1402)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1403)。図28および図29に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、変動パターンP1又はP2が選択されることとなる。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP4又はP5が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP6又はP7が選択されることとなる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図29に示すように、確変フラグがONであるか否かを判定する(S1609)。そして、確変フラグがON、すなわち遊技状態が高確率状態であれば(S1609でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1610)。ONであれば(S1610でYES)、当選した大当たりの種類に関係なく、時短状態且つ高確率状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図2に関する時短状態且つ高確率状態中で大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、変動パターンP21が選択されることとなる。
一方、大当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、リーチ乱数カウンタ値に関係なく、時短状態中ハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図2に関する時短状態且つ高確率状態中でハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、変動パターンP22が選択されることとなる。
またステップS1609において、確変フラグがONでない、すなわち遊技状態が通常確率状態であるであると判定した場合(S1609でNO)には、遊技状態フラグを参照する(S1613)。なお遊技状態フラグの種類については後述するが(図38参照)、遊技状態フラグは遊技制御用マイコン81が現在の遊技状態を把握するためのフラグであり、「1」〜「6」までの値をとる。遊技状態フラグに基づいて後述する第1の特殊変動パターンテーブル、第2の特殊変動パターンテーブル、第3の特殊変動パターンテーブル、第4の特殊変動パターンテーブルのうちいずれが参照されるかが決定される。
遊技状態フラグを参照した後(S1613)、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1614)。ONであれば(S1614でYES)、時短状態且つ通常確率状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図2に関する時短状態且つ通常確率状態中で大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、遊技状態フラグが「3」である場合には第1の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP23が選択され、遊技状態フラグが「4」である場合には第2の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP25が選択され、遊技状態フラグが「5」である場合には第3の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP27が選択され、遊技状態フラグが「6」である場合には第4の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP29が選択されることとなる。
一方、大当たりフラグがONでなければ(S1614でNO)、時短状態且つ通常確率状態中ハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図2に関する時短状態且つ通常確率状態中でハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1616)。具体的には、遊技状態フラグが「3」である場合には第1の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP24が選択され、遊技状態フラグが「4」である場合には第2の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP26が選択され、遊技状態フラグが「5」である場合には第3の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP28が選択され、遊技状態フラグが「6」である場合には第4の特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンP30が選択されることとなる。なお、図11に示すように、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして特図2に関する変動パターンの選択を行った後は、図28に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1617)、本処理を終える。本形態では、セットした特図2に関する変動パターンの情報は、特図2変動開始コマンド(第2のコマンド)に含められずに、その特図2変動開始コマンドが出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。特図2変動開始コマンドについては後述する。
[特図1変動パターン選択処理]図30および図31に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1409)では、図28および図29に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1901〜S1917)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、図29に示す特図2に関する処理のうち遊技状態フラグを参照する処理(S1613)に相当する処理が設けられていない。すなわち、特図1変動パターン選択処理では、時短状態且つ通常確率状態である場合(ステップS1901でYESの場合且つステップS1909でNOの場合)、遊技状態フラグを参照することなく、大当たりフラグがONであれば(S1914でYES)、図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図1に関する時短状態且つ通常確率状態中で大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1915)。具体的には、変動パターンP13が選択されることとなる。
また、ステップS1914において大当たりフラグがONでなければ、図11に示す変動パターン判定テーブルのうち、特図1に関する時短状態且つ通常確率状態中でハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1916)。具体的には、変動パターンP14が選択されることとなる。このように時短状態且つ通常確率状態である場合には、特図1に関する変動パターンは特殊変動パターンテーブルを参照しないで選択されるのに対して、特図2に関する変動パターンは特殊変動パターンテーブルを参照して選択されるようになっている。これは、以下の理由に基づく。
上述したように、本形態のパチンコ遊技機1は、大当たり遊技後に連続して高確率状態に制御された連続回数が39回に至った場合、連チャン回数が40回目の大当たり遊技後に、40回目の大当たりの種類に従って、上限回数(時短回数の上限回数のことであり、以下では単に「時短回数」ともいう)が11回、21回、又は26回にわたる特別図柄の可変表示が実行される低確高ベース状態に制御される。この低確高ベース状態(電サポ制御状態)では、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっているため、右打ちにより遊技球が第2始動口21へ入賞するのに対して、第1始動口20へほとんど入賞しない。そのため電サポ制御中には、特図2の変動表示が実質的に実行され、特図1の変動表示がほとんど実行されることがない。
このため、時短回数が11回、21回、26回のうちいずれかに設定された電サポ制御状態では、第2特図保留がある限り(又は電サポ制御状態中に大当たりにならない限り)、特図2の変動表示のみ実行されることとなる。ここで、仮に時短回数が11回に設定される電サポ制御状態と、時短回数が26回に設定される電サポ制御状態とにおいて、1回の特図2表示に要する時間が同じであると、各時短回数の上限回数(11回と26回)までに至る連続的な特図2表示に要する合計時間に大きな差が出る。つまり、時短回数が11回に設定される電サポ制御状態では、時短回数が26回に設定される電サポ制御状態に比べて、連続的な特図2表示に要する合計時間が短くて、電サポ制御状態が早く終了してしまう。なお、特図2表示に要する時間とは、特図2の変動時間と特図2の停止時間を含む意味である。そして、連続的な特図2表示とは、特図2の変動表示と特図2の停止表示とが連続的に繰り返されることを意味する。
そこで、本形態のパチンコ遊技機1は、異なる時短回数(11回、21回、又は26回)が設定される電サポ制御状態において、各時短回数のラスト1回(最終)を除いた連続的な特図2表示に要する合計時間が予め定めた所定時間範囲内(後述する所定時間50000msで一致、或いは所定時間±10%の時間の範囲内(45000ms〜55000ms内)で整合するように、第1の特殊変動パターンテーブルと第2の特殊変動パターンテーブルと第3の特殊変動パターンテーブルとが設けられている。つまり、異なる時短回数が設定された場合に、特図2の変動時間を可変させるために、特図2に関する変動パターンが複数の特殊変動パターンテーブルの中から選択される。こうして複数種類の特殊変動パターンテーブルを用いることで、異なる時短回数が設定される電サポ制御状態でも、後述するように各時短回数のラスト1回(最終)を除いた連続的な特図2表示に要する合計時間が予め定めた所定時間範囲内で整合する状況を作り出している。上記した理由に基づき、電サポ中に特図1の変動表示がほとんど実行されずに、特図1の変動時間を可変させる必要がないため、特図1に関する変動パターンは特殊変動パターンテーブルを参照しないで選択されるようになっている。
なお、上記のようにして特図1に関する変動パターンの選択を行った後は、図30に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1912)、本処理を終える。セットした特図1に関する変動パターンの情報は、特図1変動開始コマンド(第1のコマンド)に含められて出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
本形態の特図1変動開始コマンド及び特図2変動開始コマンドは、図13に示す変動開始コマンド特定テーブルが参照されて、セットされた変動パターンに基づいて設定される。図13に示す変動開始コマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばA1H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H)からなっている。変動開始コマンドにおいて、上位2桁のうち上の桁の値は、コマンドの種類(変動開始コマンドであること)を指定する情報である。また、上位2桁のうち下の桁の値は、特別図柄の種類(特図1又は特図2)を指定する情報である。また、下位2桁の値は、変動パターンに基づいて決定される変動時間、当否判定結果、停止時間、リーチの有無等を指定する情報等である。なお、このような変動開始コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
例えば変動パターンP1が選択されると、図13に示す変動開始コマンド特定テーブルの参照により、特図1変動開始コマンドとして「A1H01H」が生成される。この特図1変動開始コマンドでは、変動パターンP1に基づいて下位2桁の値が「01」に指定されていて、少なくとも特図1の変動時間(75000ms)と、大当たりの当否判定結果(Vロング大当たり)の情報が含まれている(図11参照)。これに対して、例えば変動パターンP21が選択されても、特図2変動開始コマンドとして「A2H00H」が生成され、変動パターンP22が選択されても特図2変動開始コマンドとして「A2H00H」が生成される。特図2変動開始コマンドの下位2桁の値が「00」に指定されていることは、特図2の変動時間及び大当たりの当否判定結果の情報等(変動パターンから求まる情報)が含まれていないことを意味している。つまり本形態では、特図1変動開始コマンドには、特図1の変動時間と大当たりの当否判定結果の情報が含まれてるに対して、特図2変動開始コマンドには、特図2の変動時間と大当たりの当否判定結果の情報が含まれないようになっている。ただし、特図2の変動開始コマンドには、少なくとも特図2の変動表示が開始することの情報が含まれている。このように構成(特図2変動開始コマンドを「A2H00H」として1つのコマンドで構成)することで、特図2変動開始コマンドの種類が少なく構成され、特図2の変動時間が極端に短い場合(例えば80ms)でも柔軟に対応でき、またこの特図2変動開始コマンドを受信するサブ制御基板90側で抽選した演出を行うことが可能となる。
[特別図柄変動中処理]図32に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。なお第1特別図柄の変動を停止させる場合には、変動停止コマンドとして第1変動停止コマンドがセットされ、第2特別図柄の変動を停止させる場合には、変動停止コマンドとして第2変動停止コマンドがセットされる。ただし、本形態のように第1変動停止コマンドと第2変動停止コマンドとを明確に分けることなく、1つの変動停止コマンドとして特図1の変動停止であるか特図2の変動停止であるかの情報を含むコマンドであっても良い。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図33に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図11参照、本形態では500ms)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。
一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1802)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図9及び図10を参照)をセットする(S1804)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。1回のラウンド遊技において大入賞口が複数回開放されることもある。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1804に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1805)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(第3のコマンド)をセットするとともに(S1806)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1807)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1808)。
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図34に示すように、遊技状態管理処理(S2001)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。確変フラグをOFFした後、遊技状態フラグに「1」をセットしてステップS2006に進む(S2005)。なお遊技状態フラグが「1」にセットされているということは、現在の遊技状態が通常確率状態且つ非電サポ制御状態になっていることを意味している(図38参照)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2006に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2006)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントする(S2007)。続いて、時短カウンタの値が「1」か否か、すなわち時短回数がラスト1回であるか否かを判定し(S2008)、時短カウンタの値が「1」であれば確変フラグがOFFか否か判定する(S2009)。ステップS2008及びS2009の判定結果が共にYES、すなわち時短回数がラストであり且つ通常確率状態であれば、ステップS2010に進み、遊技状態フラグに「6」をセットしてステップS2011に進む。つまり、遊技状態フラグが「6」にセットされているということは、現在の遊技状態が通常確率状態且つ電サポ制御状態で時短回数がラスト1回になっている状態を意味している。
一方、ステップS2008又はS2009の判定結果がNOであれば、ステップS2011に進む。そして、ステップS2011で時短カウンタの値が「0」か否か判定して、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2012)。時短フラグをOFFした後、遊技状態フラグに「1」をセット(S2013)してステップS2014に進む。ステップS2006又はS2011の判定結果がNOであれば、ステップS2014に進む。本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「11」、「21」、「26」又は「10000」のいずれかにセット(サポート終了条件が設定)されるようになっている(図9参照)。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報、即ち遊技状態フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2014)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図35に示すように、遊技状態リセット処理(S1805)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図36に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第2ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「2」か否かを判定する(S2205)。第2ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第2ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図39)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、後述のリミッタ機能が作動する場合を除いて、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図37)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図9及び図10参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第2ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第2ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできず、仮に入賞できたとしても特定領域39を通過することがほぼできないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理(図36)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図10参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。なおラウンドカウンタは、2R大当たりであれば大入賞口の開放が2回なされると「0」になり、3R大当たりであれば大入賞口の開放が3回なされると「0」になり、4R大当たりであれば大入賞口の開放が4回なされると「0」になり、5R大当たりであれば大入賞口の開放が5回なされると「0」になる。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図25)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図37に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、リミッタ作動カウンタが所定の制限回数(本形態では「39」)であるか否かを判定する(S2301)。リミッタ作動カウンタとは、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数をカウントするカウンタである。
リミッタ作動カウンタの値が制限回数に至っていなければ(S2301でNO)、VフラグがONか否かを判定する(S2302)。VフラグがONでなければ(S2302でNO)、ステップS2307に進むが、VフラグがONであれば(S2302でYES)、確変フラグをONする(高確率状態制御手段(遊技制御用マイコン81)により高確率状態に制御される)とともに(S2303)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2304)。これにより、実質的に次回の大当たり当選まで遊技状態が高確率状態に制御されることとなる。次いで、リミッタ作動カウンタの値を「1」加算して(S2305)、VフラグをOFFし(S2306)、ステップS2307に進む。
これに対して、リミッタ作動カウンタの値(高確率状態に制御された状態で当選した大当たり遊技の連続実行回数)が制限回数(「39」回)に至っていれば(S2301でYES)、VフラグがONか否かを判定することなく、VフラグをOFFして(S2306)、ステップS2307に進む(リミッタ手段によりリミッタ機能が作動する)。従って本形態では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御され得る回数の上限は39回となっている。すなわち、初当たりを含めた大当たりの連チャン回数が40回に至ると、40回目の大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていても、その大当たり遊技後の遊技状態を通常確率状態に制御する(高確率状態に制御しない)遊技機となっている。
ステップS2307では、遊技制御用マイコン81は、電サポ制御状態(時短状態且つ電サポ制御状態)に移行させるか否かを判定する。本形態では、電サポ制御状態に移行させるか否かは、図9に示すように、大当たりの種類(セットされている特図停止図柄データ)と、大当たり当選時の遊技状態によって決められている。図9に示すテーブルに照らして電サポ制御状態に移行させると判定した場合には、時短フラグをONする(入球サポート状態制御手段が入球サポート状態に制御する)とともに(S2308)、時短カウンタに時短回数をセットして(S2309)、ステップS2310に進む。一方、電サポ制御状態に移行させないと判定した場合には(S2307でNO)、ステップS2308及びS2309を実行することなく、ステップS2310に進む。ステップS2310では、遊技状態フラグ設定処理を行う。
なお、時短カウンタにセットする値(時短回数)は、電サポ制御状態への制御が高確率状態への制御に伴ってなされる場合(確変フラグがONである場合)には、「10000」であり、高確率状態への制御に伴わない場合(確変フラグがOFFである場合)には、セットされている特図停止図柄データに応じて定められる値(「11」、「21」、「26」)である(図9参照)。時短回数が「10000」回であることは、実質的に次回の大当たり当選まで電サポ制御状態への制御は終了しないということである。
また、図9及び図10に示すように、電サポ制御状態で2R大当たりに当選し且つ非高確率状態へ移行する場合(セットされている特図停止図柄データの値が「11」、「21」、「15」である場合)、その大当たり遊技後に時短回数が11回に設定される電サポ制御状態になる。また、電サポ制御状態で3R大当たりまたは4R大当たりに当選し且つ非高確率状態へ移行する場合(セットされている特図停止図柄データの値が「12」、「22」、「13」、「23」、「16」、「17」である場合)、その大当たり遊技後に時短回数が21回に設定される電サポ制御状態になる。また、電サポ制御状態で5R大当たりに当選し且つ非高確率状態に移行する場合(セットされている特図停止図柄データの値が「14」、「24」、「18」である場合)、その大当たり遊技後に時短回数が26回に設定される電サポ制御状態になる。なお、非電サポ制御状態で2RVロング大当たり、3Rまたは4RVロング大当たり、5RVロング大当たりに当選して非高確率状態へ移行する場合でも、その後の大当たり遊技後に時短回数が11回、21回、26回に設定される電サポ制御状態になる。
[遊技状態フラグ設定処理]図38に示すように、遊技状態フラグ設定処理(S2310)では、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技が終了した直後に現在の遊技状態を把握するために遊技状態フラグを設定する。具体的には、通常確率状態且つ非電サポ制御状態(低確低ベース状態)である場合(S2320でYES)、すなわち確変フラグがOFFで且つ時短フラグがOFFである場合、遊技状態フラグに「1」をセットし(S2321)、本処理を終える。また、高確率状態且つ電サポ制御状態(高確高ベース状態)である場合(S2322でYES)、すなわち確変フラグがONで且つ時短フラグがONである場合、遊技状態フラグに「2」をセットし(S2323)、本処理を終える。
また、通常確率状態且つ時短回数が11回に設定される電サポ制御状態(低確高ベース状態)である場合(S2324でYES)、すなわち確変フラグがOFFで且つ時短フラグがONであり、更にセットされている特図停止図柄データの値が「11」、「21」、「15」のいずれかである場合(図9参照)、遊技状態フラグに「3」をセットし(S2325)、本処理を終える。また、通常確率状態且つ時短回数が21回に設定される電サポ制御状態(低確高ベース状態)である場合(S2326でYES)、すなわち確変フラグがOFFで且つ時短フラグがONであり、更にセットされている特図停止図柄データの値が「12」、「22」、「13」、「23」、「16」、「17」のいずれかである場合(図9参照)、遊技状態フラグに「4」をセットし(S2327)、本処理を終える。また、通常確率状態且つ時短回数が26回に設定される電サポ制御状態(低確高ベース状態)である場合(S2328でYES)、すなわち確変フラグがOFFで且つ時短フラグがONであり、更にセットされている特図停止図柄データの値が「14」、「24」、「18」のいずれかである場合(図9参照)、遊技状態フラグに「5」をセットし(S2329)、本処理を終える。
図37に示すように遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ設定処理(S2310)に次いで、ステップS2311では、確変フラグがONか否かを判定し、ONでなければ、リミッタ作動カウンタに「0」をセットする(S2312)、すなわちリミッタ作動カウンタをクリアする。続いて遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S2313)、現在のリミッタ作動カウンタの値の情報を含む高確連続回数コマンドをセットして(S2314)、本処理を終える。
ここで、本形態では、特図1に係る大当たり抽選にて大当たりに当選した場合には、特定領域39への通過が可能なVロング大当たりに50%の確率で振り分けられる。そして、Vロング大当たり後の遊技状態が高確率状態に制御される場合には、必ず実質的に次回の大当たりまで電サポ制御状態に制御される。電サポ制御状態では、右打ちにて遊技している限り第2始動口21への入賞が頻繁に生じるため、第2特図保留がある限り、特図2に係る大当たり抽選ばかりが実行される。そして、特図2に係る大当たり抽選にて大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりに振り分けられる。従って本パチンコ遊技機1は、非電サポ制御状態にて第1始動口20への入賞に基づいてVロング大当たりに当選すれば、以後、高確率状態への制御を制限するリミッタ機能が作動するまで(ステップS2301にてYESと判定されるまで)、大当たりが連チャンするセット機(セット回数40回)となっている。
[特定領域センサ検出処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図39に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1の状態(図2(a))に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図36)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第2ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、現在実行中の大当たり遊技が「初当たり」であるか否かを判定する(S2404)。そして、初当たりでなければ(S2404でNO)処理を終え、初当たりであれば(S2404でYES)、V通過コマンドをセットして(S2405)処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
なお、初当たりとは、「高確率状態且つその高確率状態の終了まで継続する電サポ制御状態(以下「特定遊技状態」という)」以外の遊技状態で当選した大当たりであって、その大当たり遊技後に特定遊技状態に移行するものをいう。
[保留球数処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S107)に次いで保留球数処理(S108)を行う。保留球数処理(S108)では図40に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2502)。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図41〜図61に基づいて演出制御用マイコン91(サブ制御部)の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAM94の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数としては、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100、音声制御基板106、およびランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各基板は、コマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、枠ランプ66及び装飾可動体15等)を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、エンディング演出))を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図42に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図43に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図44に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、後述する受信コマンド解析処理(S4301,図45)、メインシナリオ制御処理(S4302,図52)を順次行う。その後、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4303)。
[受信コマンド解析処理]図45に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば、後述の客待ち待機処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば保留関連処理を行う(S4404)。保留関連処理(S4404)では、保留球コマンドに含まれている保留球数の情報に基づいて、サブ制御基板90のRAM94に設けられている第1特図保留演出カウンタおよび第2特図保留演出カウンタの値を更新する。なお演出制御用マイコン91は、非電サポ制御状態においては、第1特図保留演出カウンタの値に基づいて第1特図保留の数に応じた数の演出保留画像9(図1参照)を表示する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から異常報知コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば異常報知処理を行う(S4406)。異常報知処理(S4406)では、異常報知開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。異常報知開始コマンドは、メーカーの意図とは異なる遊技方法で遊技が行われている旨を所定の異常報知態様にて報知するためのコマンドである。本形態では、異常報知開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて送信されると、画像制御基板100のCPU102が、所定の異常報知画像(例えば「左打ちに戻してください」等の文字画像等)を表示画面7aに表示する。異常報知態様は、異常報知画像を表示するもの以外でもよく、例えば、盤ランプ5や枠ランプ66を点灯させたり、スピーカ67から警告音を出力したりするなどであってもよい。これにより、電サポ制御状態への制御中又は大当たり遊技の実行中ではないのに右打ちにて遊技が行われることを防止することができる。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する遊技状態ステータス設定処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図1変動開始コマンドまたは特図2変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4416)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4418)。V通過報知演出開始処理(S4418)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(図61(b)参照)を表示画面7aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から連続高確回数コマンドを受信したか否か判定し(S4419)、受信していれば、連続高確回数コマンドに含まれているRAM84のリミッタ作動カウンタの値の情報に基づいて、RAM94に設けられている連続高確回数カウンタに連続高確回数をセットする(S4420)。このようにして、サブ制御基板90側でもリミッタ作動カウンタの値を把握するようにしている。
続いて、その他の処理(S4421)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[客待ち処理]図46に示すように、客待ち処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ち用のデモ演出(客待ち演出ともいう)に対応したシナリオデータ(01H)を、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5001)。次に、客待ち演出を実行するための演出コマンド(客待ち演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットして(S5002)、本処理を終える。
[遊技状態ステータス設定処理]図47に示すように、遊技状態ステータス設定処理(S4408)では、演出制御用マイコン91は、受信した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(遊技状態指定フラグの情報)に基づいて、遊技状態ステータスを設定する。具体的には、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ非電サポ制御状態であれば(S5101でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「1」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「1」にセットし(S5102)、その後、RAM94における大当たり時の使用領域を初期化して(S5103)、本処理を終える。
また、遊技状態指定コマンドの解析結果が高確率状態且つ電サポ制御状態であれば(S5104でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「2」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「2」にセットして(S5105)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ時短回数が11回に設定される電サポ制御状態であり、時短回数がラスト1回でなければ(S5106でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「3」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「3」にセットして(S5107)、本処理を終える。
また、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ時短回数が21回に設定される電サポ制御状態であり、時短回数がラスト1回でなければ(S5108でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「4」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「4」にセットし(S5109)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ時短回数が26回に設定される電サポ制御状態であり、時短回数がラスト1回でなければ(S5110でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「5」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「5」にセットして(S5111)、本処理を終える。
また、遊技状態指定コマンドの解析結果が通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であれば(S5112でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態指定フラグが「6」(図38参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「6」にセットして(S5113)、本処理を終える。
[変動演出開始処理]図48に示すように、変動演出開始処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドまたは特図2変動開始コマンド)を解析する(S5201)。次に演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドが特図2変動開始コマンドであるか否か、すなわち特図1変動開始コマンドと特図2変動開始コマンドのどちらかであるかを判定する(S5202)。
特図1変動開始コマンドであれば(S5202でNO)、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットし(S5203)、このテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合する変動演出パターンを選択する(S5204)。このとき演出決定用乱数(演出図柄決定用乱数や変動演出パターン決定用乱数、予告演出決定用乱数)の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出(演出図柄変動演出)としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S5208)、本処理を終える。
ステップS5208でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄変動演出を行う。
なお、上記した演出図柄の変動演出は、3つの演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出ではなく、他の態様の変動演出であっても良い。他の態様の変動演出とは、例えば表示画面7aの左上隅に、2つの(ドクロ)マークの演出図柄を表示し、各(ドクロ)マークが変動表示において白と黒とに変化するようにし、ハズレであれば、両演出図柄を白と黒とで停止表示し、当たりであれば、黒と黒とで停止表示するといった演出である。本形態では、電サポ制御中の特図1の変動表示に同期した演出図柄の変動演出は、この態様で実行すると良い。
一方、ステップS5202において特図2変動開始コマンドであれば(S5202でYES)、続いて現在の遊技状態ステータスが「6」であるか否か、すなわち通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるか否かを判定する(S5205)。そして、NOであれば本処理を終えるが、YES(高確率状態且つ時短状態がラスト1回である電サポ制御状態)であれば、後述する外れシナリオデータ1AをRAM94のシナリオバッファにセットする(S5206)。そして、外れシナリオデータ1Aの実行時間(1500ms)をシナリオタイマにセットして、本処理を終える。こうして本形態では、時短回数がラスト1回である電サポ制御状態で特図2変動開始コマンドを受信したときに、大当たり判定の当否結果に拘わらず、外れシナリオデータ1Aをセットするようになっている。
なお、ステップS5202において通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるか否かを判定しないで、特図2変動開始コマンドに時短状態がラスト1回である情報が予め含まれていて、その情報が含まれているか否かを判定してもよい。
こうして本形態のパチンコ遊技機1は、特図1の変動に同期した演出図柄変動演出を行うが、特図2の変動に同期した演出図柄変動演出を行わない構成となっている。これは、上述したように、特図1変動開始コマンドに、特図1の変動時間と大当たりの当否判定結果の情報が含まれ、特図2変動開始コマンドには、特図2の変動時間と大当たりの当否判定結果の情報が含まれていないことに基づいている。
すなわち本形態では、特図2の変動に同期した演出図柄変動演出を行わないため、特図2変動開始コマンドに含まれる情報を少なくして、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を軽減するとともに、演出制御用マイコン91の制御処理の負担を軽減している。つまり、特図2の変動開始コマンドの生成に関する処理負担を軽減できるとともに、特図2の変動開始コマンドを少ないビット数のデータとして構成することが可能となり、データ通信の負担を軽減でき、更に特図2の変動開始コマンドを解析する処理の負担も軽減することが可能となる。また、本形態では時短状態で当否判定結果が大当たりである場合の特図2の変動時間は80ms(図11の変動パターンP21、P23、P25、P27、P29参照)であるため極めて短く、仮にその場合の特図2の変動演出を実行しても遊技者にほとんど把握させることができない。従って、遊技者に対して特図2の変動演出をほとんど把握させることができないにも拘わらず特図2の変動演出を実行する無駄を省いている。
[変動演出終了処理]図49に示すように、変動演出終了処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(第1変動停止コマンドまたは第2変動停止コマンド)を解析する(S5301)。次に演出制御用マイコン91は、受信した変動停止コマンドが特図2変動開始コマンドであるか否か、すなわち特図1変動停止コマンドと特図2変動停止コマンドのどちらかであるかを判定する(S5302)。特図1変動停止コマンドであれば(S5302でNO)、演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットして(S5303)本処理を終える。一方、ステップS5302において特図2変動停止コマンドであれば(S5302でYES)、本形態では特図2の変動に同期した演出図柄変動演出を行っていないため、ステップS5303を実行することなく本処理を終える。
[オープニング演出選択処理]図50に示すように、オープニング演出選択処理(S4414)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5401)。続いてオープニングコマンドが時短回数ラスト1回用であるか否か、すなわち大当たり当選時の遊技状態が通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるか否かを判定する(S5402)。なお、大当たり当選時の遊技状態に関する情報は、遊技状態ステータスを参照することで取得してもよいし、オープニングコマンドに含まれるようにしてもよい。
大当たり当選時の遊技状態が通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であれば(S5402でYES)、後述する当たりシナリオデータ2AをRAM94のシナリオバッファにセットする(S5403)。そして、当たりシナリオデータ2Aの実行時間(920ms)をシナリオタイマにセットして、本処理を終える。こうして本形態では、上述したように、時短回数がラスト1回である電サポ制御状態で特図2変動開始コマンドを受信したときに外れシナリオデータ1Aをセットするものの(S5206)、オープニングコマンドを受信したときには外れシナリオデータ1Aから当たりシナリオデータ2Aへのセットに切換えるようになっている。
一方、ステップS5402でNOであれば、続いて、実行中の大当たり遊技が高確率状態且つ電サポ制御状態における大当たり当選によって行われているものか否か、つまり大当たり当選時の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態であったか否かを判定する(S5405)。大当たり当選時の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態であれば(S5405でYES)、本処理を終える。一方、ステップS5405でNOであればステップS5406に進む。ステップS5406では、ステップS5401で解析したオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S5406)。そして、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットして(S5407)、本処理を終える。
ステップS5407でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。こうして、時短回数がラスト1回以外で(S5402でNO)、更に大当たり当選時の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態でなければ(S5405でNO)、オープニング演出を実行することになる(S5407を実行する)。なお、本形態では、初当たり時のオープニング演出として、「JPチャレンジ」の文字画像(図61(a)参照)を表示して、JPモードへ移行させることができるかのチャレンジ期間であることを示すようにしている。また、これに対して本形態のパチンコ遊技機1では、高確率状態且つ電サポ制御状態中は(ステップS5405でYESのときは)、オープニング演出を実行しない(S5407を実行しない、当たり演出不可手段(演出制御用マイコン91)により当たり演出が実行されない)。従って、このような状態(特定遊技状態)下では、遊技者は大当たり遊技のオープニングであることを意識しないで遊技することとなる。
[エンディング演出選択処理]図51に示すように、エンディング演出選択処理(S4416)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5501)。続いて、演出制御用マイコン91は、リミット到達か否か、すなわち、実行中の大当たり遊技がリミッタ機能の作動対象となる大当たり遊技であるか否かを判定する(S5502)。そして、リミット到達時のエンディングである場合には(S5502でYES)、通常確率状態且つ電サポ制御状態に移行する状態を示唆するチャンスタイム演出(特殊演出)を選択し(S5503)、そのエンディング演出を実行するためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S5506)、本処理を終える。
なお、ステップS5502において、リミット到達か否かではなく、この大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ電サポ制御状態に制御されるか否かを判定し、制御される場合はステップS5503に進み、制御されない場合はステップS5504に進むようにしてもよい。この場合、有効なV通過がなされたときには必ずその情報(V通過コマンド)を主制御基板80から受け取るようにして、サブ制御基板90で大当たり遊技後の遊技状態を判定できるようにするとよい。
ステップS5502においてリミット到達と判定されなければ(S5502でNO)、現在実行中の大当たりが「初当たり」か否かを判定する(S5504)。なお、現在実行中の大当たりの種類に関する情報は、エンディングコマンドに含まれているようにしてもよい。ステップS5504において初当たりであれば、チャンスタイム演出ではないその他の演出を選択し(S5505)、そのエンディング演出を実行するためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S5506)、本処理を終える。
ここで本形態のパチンコ遊技機1は、上述したように初当たり後に高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されてからリミッタの機能が作動するまで、すなわち大当たり遊技の連チャン回数が40回目に至るまでは、高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されやすい特定の遊技期間が生起される。つまり、特定の遊技期間は、例えば初当たりの終了後に上述した特定遊技状態(高確率状態且つ高確率状態の終了まで継続する電サポ制御状態)に制御されてからリミッタ機能が作動するまで継続する。但しリミッタ機能が作動する前に、大当たり遊技後に通常確率状態に移行した場合(例えばVロング大当たり中に特定領域39への遊技球の通過がなかった場合)には、特定の遊技期間がその通常確率状態への移行によって終了する。特定の遊技期間が終了する際の大当たり遊技のエンディングは、特定の遊技期間に含まれていても、含まれていなくても良い。
本形態では、ステップS5504において初当たりであれば、その他の演出としてまず図62(a)に示す特定の遊技期間への移行表示画像を表示し、その後に特定の遊技期間において図62(b)に示す特定の演出態様での画像を表示するための演出を選択する。一方、ステップS5504において初当たりでなければ、エンディング演出開始コマンドをセットすることなく(ステップS5506を実行することなく)、本処理を終える。
このように本パチンコ遊技機1では、初当たり及びリミット到達時の大当たり遊技以外の大当たり遊技においてはエンディングに伴うエンディング演出を実行しないようにしている。これにより、遊技者に大当たり遊技のエンディング中であることを意識させることのないようにしている。既に述べたとおり、本形態では、初当たり後に高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されたあと、大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態に制御されるまでの特定の遊技期間、オープニング演出を行わず、更にラウンド演出を行わない。従って、本形態のパチンコ遊技機1は、その特定の遊技期間、大当たり遊技の実行を遊技者に意識させない遊技機となっている。そしてその特定の遊技期間中に、特定の演出態様での演出により(図62(b)参照)、特定の遊技期間を大当たり遊技が把握し難い一連の遊技期間として認識させるようになっている。
なお本形態では、リミット到達時の大当たり遊技(連チャン回数が40回目の大当たり遊技)において、上述したようにオープニング演出及びラウンド演出を行わないが、エンディングに伴うエンディング演出(後述するチャンスタイムを説明する演出)のみは行う。こうして本形態において、特定の遊技期間では大当たり遊技に関するオープニングコマンドを受信しても、大当たり演出を実行しないようになっているが、「オープニングコマンドを受信しても特定の遊技期間において大当たり演出(当たり演出)を実行しない」とは、オープニング演出とラウンド演出とエンディング演出とを含む大当たり演出のうち、少なくともオープニング演出を実行しないという意味である。
[メインシナリオ制御処理]図52に示すように、メインシナリオ制御処理(S4302)ではまず、シナリオタイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S5601)。大きくなければ本処理を終える。一方、「0」より大きければシナリオタイマを減算する(S5602)。続いて、シナリオタイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5603)。「0」でなければ本処理を終える。一方、「0」であれば、次シナリオセット処理(S5604)およびシナリオ処理(S5605)を実行して、本処理を終える。
[次シナリオセット処理]図53に示すように、次シナリオセット処理(S5604)ではまず、RAM94のシナリオバッファにセットされているシナリオデータ(以下「シナリオバッファのシナリオデータ」ともいう)を参照する(S5701)。そして、シナリオバッファのシナリオデータが外れシナリオデータ1Aであれば(S5702でYES)、後述する外れシナリオデータ1BをRAM94のシナリオバッファにセットする(S5703)。そして、外れシナリオデータ1Bの実行時間(18500ms)をシナリオタイマにセットして(S5704)、本処理を終える。なお、外れシナリオデータ1Bは、時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるときに(電サポ制御状態で時短回数の最後の図柄変動を行うときに)、当否判定結果がハズレである外れ報知の演出(図64(a)(c)参照)を実行するためのシナリオデータである。
また、ステップS5702においてシナリオバッファのシナリオデータが外れシナリオデータ1Aでなければ、ステップS5705に進む。ステップS5705においてシナリオバッファのシナリオデータが当たりシナリオデータ2Aであれば(S5705でYES)、後述する当たりシナリオデータ2BをRAM94のシナリオバッファにセットする(S5706)。そして、当たりシナリオデータ2Bの実行時間(18500ms)をシナリオタイマにセットして(S5707)、本処理を終える。なお、当たりシナリオデータ2Bは、時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるときに、当否判定結果が大当たりである当たり報知の演出(図64(a)(b)参照)を実行するためのシナリオデータである。一方、シナリオバッファのシナリオデータが外れシナリオデータ1A又は当たりシナリオデータ2Aでない場合には(S5702,S5705で共にNO)、その他のシナリオデータをRAM94のシナリオバッファにセットして(S5708)、本処理を終える。
[シナリオ処理]図54に示すように、シナリオ処理(S5605)ではまず、シナリオバッファにセットされているシナリオデータが外れシナリオデータ1Bであれば(S5801でYES)、外れシナリオデータ1Bに基づく外れ報知の演出を実行するための演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5802)、本処理を終える。また、ステップS5801においてシナリオバッファのシナリオデータが外れシナリオデータ1Bでなければ、ステップS5803に進む。ステップS5803においてシナリオバッファのシナリオデータが当たりシナリオデータ2Bであれば(S5803でYES)、当たりシナリオデータ2Bに基づく当たり報知の演出を実行するための演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5804)、本処理を終える。一方、シナリオバッファのシナリオデータが外れシナリオデータ1B又は当たりシナリオデータ2Bでない場合には(S5801,S5803で共にNO)、その他のシナリオデータに基づく演出を実行するための演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5805)、本処理を終える。
7.画像制御基板100の動作
[4msタイマ割り込み処理]次に図55〜図58に基づいて画像制御基板100の動作について説明する。画像制御基板100は、図示しない画像制御メイン処理に対して4msec周期の割り込みパルスが入力される度に、図55に示す4msタイマ割り込み処理を実行する。図55に示すように、4msタイマ割り込み処理では、受信コマンド解析処理(S6001)を行い、次に補助画像制御処理(S6002)を行う。
[受信コマンド解析処理]図56に示すように、受信コマンド解析処理(S6001)ではまず、画像制御基板100は、サブ制御基板90からエンディング演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S6101)、受信していれば後述のエンディング処理を行う(S6102)。一方、エンディング演出開始コマンドを受信していなければ(S6101でNO)、その他の処理を行って(S6103)、受信コマンド解析処理を終える。
[エンディング処理]図57に示すように、エンディング処理(S6102)ではまず、エンディングコマンドを解析して、解析したエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて、リミット到達か否か、すなわち、実行中の大当たり遊技がリミッタ機能の作動対象となる大当たり遊技であるか否かを判定する(S6201)。つまりステップS6201において、受信したエンディングコマンドがリミット到達時のエンディング開始コマンドであるか、すなわち上述したチャンスタイム演出(時短回数が11回、21回、26回のいずれかに設定される電サポ制御状態であることを示唆する演出)を実行するためのエンディング演出コマンドであるか否かを判定する。
リミット到達時のエンディング開始コマンドであれば(S6201でYES)、画像制御基板100のCPU102は、チャンスタイム演出の基本画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、リミット到達時のエンディング演出コマンドでなければ(S6201でNO)、本処理を終える。なお、本形態では、リミット到達時のエンディング演出として、「チャンスタイム突入」の文字画像(図63(a)参照)を表示して、通常確率状態且つ電サポ制御状態であるチャンスタイム期間に移行することを示すようにしている。なお、ステップS6201において、リミット到達か否かではなく、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ電サポ制御状態に制御されるか否かを判定し、その状態に制御されている場合はステップS6202に進み、制御されない場合は本処理を終えるようにしてもよい。
また、画像制御基板100のCPU102は、ステップS6202に続いて、時間経過表示画像をROM103から読み出して画像表示装置7の表示画面7aに表示させる(S6203)。なお本形態では、時間経過表示画像として、チャンスタイム演出の基本画像の表示の開始から、電サポ制御状態で各時短回数(11回、21回、26回)から1回を引いた各回数(10回、20回、又は25回)(以下、「特定回数」という)にわたる図柄表示が終わるまでの予定時間である「残り60秒」の画像が表示される(図63(a)参照)。そして、この時間経過表示画像では、時間の経過に伴って残りの秒数が減算表示(カウントダウン表示)されて、「残り0秒」になるまで減算表示されるようになっている(図63(b)(c)参照)。
そして、エンディング処理(S6102)では、画像制御基板100のCPU102は、ステップS6202及びステップS6203に続いて、上記した予定時間(60000ms)をシナリオタイマにセットして(S6204)、本処理を終える。なお上記した60000msのうち始めの10000msは、リミット到達時の40回目の大当たり遊技のエンディング演出が実行される時間である。
[補助画像制御処理]図58に示すように、補助画像制御処理(S6002)ではまず、シナリオタイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S6301)。大きくなければ本処理を終える。一方、「0」より大きければシナリオタイマを減算する(S6302)。続いて、シナリオタイマの値が「0」であるか否かを判定する(S6303)。「0」でなければ本処理を終える。一方、「0」であれば、上記した予定時間が経過しているため、画像制御基板100のCPUは、上記した時間経過表示画像の表示を止めて、延長表示画像をROM103から読み出して画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。なお本形態では、延長表示画像として、「LOSSTIME」の文字画像が表示される(図63(d)参照)。この延長表示画像は、電サポ制御状態で時短回数がラスト1回(最終)の図柄変動の表示が開始される時点、すなわち外れシナリオデータ1B又は当たりシナリオデータ2Bに基づく演出が開始されるまで、表示されるようになっている。
すなわち、本形態のパチンコ遊技機1では、チャンスタイム演出の基本画像の表示の開始から上述した特定回数(時短回数が10回、20回、25回)にわたる連続的な図柄表示が終わるまでの予定時間が60秒に設定されているが、この予定時間の間に特定回数にわたる連続的な図柄表示が終わらない場合があり得る。つまり、電サポ制御状態で遊技球が第2始動口21に連続的に入賞しなくて特図2の保留消化が連続的に行われない場合や、遊技者が一時的に遊技を中断した場合には、連続的な特図2表示が行われない。言い換えると、特図2が停止したときから特図2が変動を開始するまでに時間が空いて、特図2の変動表示と特図2の停止表示とが連続的に繰り返されない場合には、連続的な特図2表示が行われない。したがってこのような場合にも対応できるように、特定回数にわたる連続的な図柄表示が終わるまで、延長表示画像を表示することにしている。これにより、遊技者は延長表示画像を視認することで、電サポ制御状態が継続していることを把握することが可能となる。なお、特定回数にわたる連続的な特図2表示とは、特定回数にわたり大当たりの当否判定結果が全て外れである場合の連続的な特図2表示を意味する。
8.リミッタ機能が作動した後の電サポ制御状態の制御
次にリミッタ機能が作動した後の電サポ制御状態の制御について詳細に説明する。前提として、初当たり後に高確率状態に制御された連続回数が39回に至り、40回の大当たり遊技でリミッタ機能が作動したこととする。リミッタ機能が作動すると40回の大当たり遊技後に、通常確率状態で且つ時短回数が11回、21回、又は26回に設定される電サポ制御状態に移行する。そこで以下では、時短回数が11回に設定される電サポ制御状態へ移行する場合と、時短回数が21回に設定される電サポ制御状態に移行する場合と、時短回数が26回に設定される電サポ制御状態に移行する場合とに分けて説明する。
[時短回数が11回に設定される電サポ制御状態に移行する場合]40回目の大当たりにおいて2R大当たりに当選して、2回のラウンド遊技が終了すると、主制御基板80は大当たり終了処理としてエンディングコマンドをセットする(S2214)。そして、エンディングコマンドを受信したサブ制御基板90は、リミット到達時のエンディングコマンドであると判定して(ステップS5502でYES)、チャンスタイム演出を実行するためのエンディング演出コマンドをセットする(S5506)。これにより画像制御基板100は、受信したエンディング演出コマンドがリミット到達時のエンディング演出コマンド(チャンスタイム演出を実行するためのエンディング演出コマンド)であると判定して(ステップS6201でYES)、チャンスタイム演出の基本画像(例えば背景にキャラクタを表示したもの)を画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
ここで図59に示すように、チャンスタイム演出の基本画像は、上述した延長表示画像を表示する場合を除き、サブ制御基板90がエンディング(ED)コマンドを受信してから時短回数がラスト1回であるときの図柄変動を開始(変動開始コマンドを受信)するときまで、60000msの間連続的に表示される。そして、60000msのうち、始めの10000msの間にチャンスタイムの説明が表示されてエンディング演出が終了し、10000msが経過したときから時短回数が11回に設定される電サポ制御状態に移行することとなる。つまり、本形態ではリミット到達時の大当たり遊技のエンディング演出と電サポ制御状態での演出とが一連の演出として実行される。この電サポ制御状態(低確高ベース状態)においては、上述したように電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞するため、右打ちにより特図2表示が連続して実行されることになる。
上記した40回目の2R大当たり遊技後、主制御基板80は、時短回数が11回に設定される電サポ制御状態への移行に伴い、遊技状態フラグ設定処理(S2310)にて遊技状態フラグを「3」にセットする(S2325)。これにより、主制御基板80は特図2変動パターン選択処理(S1403)において、図11に示す第1の特殊変動パターンテーブルを参照して、特図2に関する大当たりの当否判定結果がハズレである場合に、変動パターンP24を選択する(S1616)。つまり、特図2の変動時間として4500msを決定する。また特図2の停止時間として500msを決定する。この変動時間と停止時間が変動に要する時間であり、変動パターンによって設定される変動演出時間でもある。こうして図60に示すように、時短回数が11回に設定される電サポ制御状態において、最終(時短回数ラスト1回)を除いた連続的な特図2表示に要する合計時間は、以下の式1により50000msになる。
[式1](4500(変動時間)+500(停止時間))×(11(時短回数)−1)=50000
[時短回数が21回に設定される電サポ制御状態に移行する場合]40回目の大当たりにおいて3Rまたは4R大当たりに当選して、3回または4回のラウンド遊技が終了すると、主制御基板80は大当たり終了処理としてエンディングコマンドをセットする(S2214)。以下、チャンスタイム演出の基本画像が表示されて、電サポ制御状態に移行するまでの制御は上述した内容と同様であるため説明を省略する。
上記した40回目の3Rまたは4R大当たり遊技後、主制御基板80は、時短回数が21回に設定される電サポ制御状態への移行に伴い、遊技状態フラグ設定処理(S2310)にて遊技状態フラグを「4」にセットする(S2327)。これにより、主制御基板80は特図2変動パターン選択処理(S1403)において、図11に示す第2の特殊変動パターンテーブルを参照して、特図2に関する大当たりの当否判定結果がハズレである場合に、変動パターンP26を選択する(S1616)。つまり、特図2の変動時間として2000msを決定する。また特図2の停止時間として500msを決定する。こうして図60に示すように、時短回数が21回に設定される電サポ制御状態において、最終(時短回数ラスト1回)を除いた連続的な特図2表示に要する合計時間は、以下の式2により50000msになる。
[式2](2000(変動時間)+500(停止時間))×(21(時短回数)−1)=50000
[時短回数が26回に設定される電サポ制御状態に移行する場合]40回目の大当たりにおいて5R大当たりに当選して、5回のラウンド遊技が終了すると、主制御基板80は大当たり終了処理としてエンディングコマンドをセットする(S2214)。以下、チャンスタイム演出の基本画像が表示されて、電サポ制御状態に移行するまでの制御は上述した内容と同様であるため説明を省略する。
上記した40回目の5R大当たり遊技後、主制御基板80は、時短回数が26回に設定される電サポ制御状態への移行に伴い、遊技状態フラグ設定処理(S2310)にて遊技状態フラグを「5」にセットする(S2329)。これにより、主制御基板80は特図2変動パターン選択処理(S1403)において、図11に示す第3の特殊変動パターンテーブルを参照して、特図2に関する大当たりの当否判定結果がハズレである場合に、変動パターンP28を選択する(S1616)。つまり、特図2の変動時間として1500msを決定する。また特図2の停止時間として500msを決定する。こうして図60に示すように、時短回数が26回に設定される電サポ制御状態において、最終(時短回数ラスト1回)を除いた連続的な特図2表示に要する合計時間は、以下の式3により50000msになる。
[式3](1500(変動時間)+500(停止時間))×(26(時短回数)−1)=50000
次に、時短回数がラスト1回の電サポ制御状態で行われる演出制御について説明する。なお、時短回数が11回、21回、26回のうちいずれに設定された場合でも、時短回数がラスト1回で行われる演出制御は同様である。以下では、時短回数がラスト1回で大当たりの当否判定結果がハズレである場合と大当たりである場合とに分けて説明する。
[時短回数がラスト1回で大当たりの当否判定結果がハズレである場合]時短回数がラスト1回になると、主制御基板80は特図2変動開始コマンドをセットし(S1406)、特図2変動開始コマンドを受信したサブ制御基板90は、通常確率状態且つ時短回数がラスト1回である電サポ制御状態であるか否かを判定し(S5206でYES)、外れシナリオデータ1Aをセットする(S5206)。そしてサブ制御基板90は、後述するように時短回数ラスト1回用のオープニングコマンドを受信しなければ、外れシナリオデータ1Aの次に、外れシナリオデータ1Bをセットして(S5703)、演出コマンドを画像制御基板100に送信する。これにより画像制御基板100は、時短回数ラスト1回用の演出として、外れシナリオデータ1Bに基づく外れ報知の画像を画像表示装置7の表示画面7aに表示して(図64(a)(c)参照)、大当たりの当否判定結果がハズレであることを報知する。
[時短回数がラスト1回で大当たりの当否判定結果が大当たりである場合]時短回数がラスト1回になると、上述したようにサブ制御基板90は、外れシナリオデータ1Aをセットする(S5207)。ここで時短回数がラスト1回では、主制御基板80は、時短カウンタの値が「1」であり且つ通常確率状態であることにより、遊技状態管理処理(S1802)にて遊技状態フラグを「6」にセットする(S2009)。これにより、主制御基板80は特図2変動パターン選択処理(S1403)において、図11に示す第4の特殊変動パターンテーブルを参照する。そして、特図2に関する大当たりの当否判定結果が大当たりである場合、変動パターンP29を選択する(S1616)。つまり、特図2の変動時間として80msを決定する。また特図2の停止時間として500msを決定する。
こうして図59に示すように、特図2の停止時間が経過したとき、主制御基板80は大当たりのオープニングコマンドをセットする(S1806)。これによりサブ制御基板90は、受信したオープニングコマンドが時短回数ラスト1回用であることを判定し(S5402でYES)、当たりシナリオデータ2Aをセットする(S5403)。そしてサブ制御基板90は、当たりシナリオデータ2Aの次に、当たりシナリオデータ2Bをセットして(S5706)、演出コマンドを画像制御基板100に送信する。これにより画像制御基板100は、時短回数のラスト1回用の演出として、当たりシナリオデータ2Bに基づく当たり報知の画像を画像表示装置7の表示画面7aに表示して(図64(a)(b)参照)、大当たりの当否判定結果が大当たりであることを報知する。なお本形態では、図64(b)に示す演出画像は、連チャン回数が40回の大当たり遊技(特定遊技状態へ)のセットを引き戻したことを報知する画像となっている。ここで上述した当たり報知の演出(第2の演出)は、オープニングコマンドによって開始されることから変動中ではなく大当たり中の演出となり、図59に示すように、当たりシナリオデータ2Aをセットしてから電サポ制御状態の終了(時短回数ラスト1回の演出終了)までの19420msの一連の演出を意味する。このように構成することで、例えば外れシナリオデータ1Aの期間と、時短回数ラスト1回用当否判定結果が大当たりの場合の変動・停止時間及び当たりシナリオデータ2Aの期間の演出を同じにし、更に外れシナリオデータ1Bと当たりシナリオデータ2Bの開始タイミングを合わせることで、外れシナリオデータ1Bと当たりシナリオデータ2Bの開始タイミングに合わせた演出を実行することが可能(例えば図64(a)のようにラストチャンス等の表示タイミングを合わすことが可能)となり、そして外れシナリオデータ1Bと当たりシナリオデータ2Bの演出時間を合わせることで、その時間内の演出を合わせることができ、例えばボタン操作演出を促す演出を同タイミングで実行し、その結果が出るタイミングを合わせることで外れ変動なら外れ結果(例:失敗(図64(c))、オープニングコマンドに基づいていれば当たり結果(例:成功(図64(b))を同タイミングで実行することが可能となる。
なお外れシナリオデータ1Aまたは当たりシナリオデータ2Aは、時短回数がラスト1回であるときの演出の開始時点を調整して、外れシナリオデータ1Bまたは当たりシナリオデータ2Bを連続的に開始するためのものである。そのため外れシナリオデータ1Aまたは当たりシナリオデータ2Aに基づく画像は、画像表示装置7の表示画面7aに表示されるものではない。但し、外れシナリオデータ1Aをセットしたときに、外れシナリオデータ1Aに基づく演出画像(例えば雀が飛ぶ画像)を1500msの間、画像表示装置7の表示画面7aに表示させても良い。
上述したように本形態では、サブ制御基板90は、時短回数がラスト1回になって特図2変動開始コマンドを受信したときに、大当たりの当否判定結果に拘わらず外れシナリオデータ1Aを一旦セットし、外れ報知の演出を実行する。そして、サブ制御基板90は、外れ報知の演出の実行中に大当たりのオープニングコマンドを受信したときに、外れシナリオデータ1Aのセットから当たりシナリオデータ2Aのセットに切換える。これにより外れ報知の演出の実行を止めて、当たり報知の演出を実行するようになっている。
こうして、特図2変動開始コマンドに変動時間と大当たりの当否判定結果の情報が含まれていなくても、サブ制御基板90は大当たりのオープニングコマンドを受信することで当たり報知することが可能となる。そのため、主制御基板80で大当たりと判定した制御とサブ制御基板90で当たり報知する演出との整合性を図ることが可能となっている。なお当たり報知の演出は、時短回数がラスト1回であるときに当選した大当たり遊技のオープニング演出であり、そのオープニング時間は、当たりシナリオデータ2Aをセットした時間(920ms)と当たりシナリオデータ2Bをセットした時間(18500ms)の合計(19420ms)であって十分に長くなっている。
ここで、リミッタ機能が作動してから電サポ制御状態が終了するまでの演出について説明する。図59に示すように、サブ制御基板90はリミッタ到達時のエンディング演出コマンドの受信(エンディングの開始)から時短回数がラスト1回の演出を開始するまでの期間(延長表示画像を表示する場合を除く60000ms)、上述したチャンスタイム演出の基本画像を画像表示装置7の表示画面7aに表示する(図63(a)参照)。これにより上記した期間を一連の遊技期間として認識させることができる。そして、チャンスタイム演出の間、特定回数(設定される各時短回数から1を引いた回数)にわたる連続的な図柄表示が終わるまでの予定時間の画像(図63(a))が表示され、予定時間が減算表示される(図63(b)(c)参照)。
これにより、上述したチャンスタイムの演出が連続している状況が把握し易くなる。また遊技者を煽って、電サポ制御状態中に大当たり遊技の当選に対する遊技意欲を掻き立てることが可能となる。更に、減算表示される予定時間を視認することで、電サポ制御状態の終了に近づいていることを把握させて、電サポ制御状態の終了までに至る危機感を煽ることが可能となる。また、チャンスタイム演出の基本画像は、時短回数が11回、21回、26回のいずれに設定される場合でも同じ時間だけ同じ内容で表示されるため、異なる時短回数が設定される場合でも同じ一連の電サポ制御状態であると認識させることができる。そしてサブ制御基板90と画像制御基板100による制御を簡素化できるとともに、画像制御基板100が有するデータ量を軽減することが可能となる。加えて、電サポ制御状態で時短回数がラスト1回の図柄変動の際に、外れ演出又は当たり演出を実行することで(図64参照)、時短回数がラスト1回の演出を効果的に盛り上げることが可能となる。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、非電サポ制御状態(低確低ベース状態)で遊技球が第1始動口20へ入球すると、大当たりの当否判定結果を示す特図1の変動に同期した演出図柄の変動演出を行うが、電サポ制御状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)で遊技球が第2始動口21へ入球しても、大当たりの当否判定結果を示す特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出を行わない。そのため電サポ制御状態において、演出図柄の変動演出を視認して大当たりか否かを把握することができなくなる。従って電サポ制御状態では非電サポ制御状態と異なり、いつ大当たりに当選しているか把握し難い新たな遊技興趣を提供することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、初当たり後(非電サポ制御状態(低確低ベース状態)での当たり後)に高確率状態且つ電サポ制御状態に制御されてからリミッタの機能が作動するまの特定の遊技期間(高確率状態且つ電サポ制御状態の遊技状態を含む)において、特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出が実行されないことに加えて、大当たりに当選してもオープニングコマンドに基づく大当たり演出が実行されない。そのため特定の遊技期間において、いつ大当たりに当選しているか把握し難いとともに、大当たり遊技が実行されている状態か否かも把握し難い新たな遊技興趣を提供することが可能となる。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、可変入球口として第2始動口21を1つ有する遊技機であったが、可変入球口として第2始動口21と第3始動口を有する遊技機であっても良い。この場合には、第2始動口21又は第3始動口への遊技球の入球に基づく演出図柄の変動演出を行わないように構成しても良く、第2始動口21への遊技球の入球及び第3始動口への遊技球の入球に基づく演出図柄の変動演出を行わないように構成しても良い。また、固定始動口としての第1始動口20と可変始動口としての第2始動口21と固定入球口としての第3始動口とを有する遊技機であっても良い。
また上記形態において、特図1の変動表示時は、演出図柄の変動演出に伴って、所謂第4図柄(補助図柄)の変動演出(補助変動演出)も実行すると良い。第4図柄の変動演出とは、例えばセンター装飾体10の枠部に設けたランプを点灯等させるもので、ハズレであれば、点滅のあと消灯させ、当たりであれば、点滅のあと点灯させる演出である。これに対して、特図2の変動表示時は、演出図柄の変動演出のみならず、補助変動演出も実行しない構成である。つまり本発明における「第2のコマンド(特図2変動開始コマンド)を受信しても演出図柄の変動演出を行わない」とは、補助変動演出も実行しないことを意味する。但し、第2特別図柄表示器41bでは表示している。
なお、電サポ制御状態時に特図1の変動表示がなされたときには、演出図柄の変動演出を行わないこととしても良い。つまり、非電サポ制御状態に限って特図1の変動表示に同期した演出図柄の変動演出を実行することとしても良い。また、非電サポ制御状態時に特図2の変動表示がなされたときには、演出図柄の変動演出を行うこととしても良い。
また上記形態において、特図2変動開始コマンドに大当たりの当否判定結果と変動時間の情報(変動パターンから求まる情報)が含まれていても良い。この場合には、特図2変動開始コマンドを受信した演出制御用マイコン91が、特図2変動開始コマンドに含まれる大当たりの当否判定結果と変動時間の情報を無視して、特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出を行わないようにしても良い。
また上記形態において、演出制御用マイコン91が高確率状態且つ電サポ制御状態の遊技状態で、第2始動口21への入球に基づくオープニングコマンドを受信しても、大当たり演出を実行していないが、特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出を行わなければ、大当たり演出を実行しても良い。
また上記形態において、演出制御用マイコン91が高確率状態且つ電サポ制御状態の遊技状態で、第2始動口21への入球に基づくオープニングコマンド及び第1始動口20への入球に基づくオープニングコマンドを受信しても、大当たり演出を実行していないが、第1始動口20への入球に基づくオープニングコマンドを受信したときには、大当たり演出を実行しても良い。
また上記形態において、演出制御用マイコン91が、通常確率状態且つ電サポ制御状態の遊技状態で、時短回数がラスト1回用のオープニングコマンドを受信したときにのみ、当否判定結果が大当たりである当たり報知の演出(オープニング演出、図64(a)(b)参照)を実行したが、時短回数がラスト1回用のオープニングコマンドを受信しても当たり報知の演出を実行しないようにしても良い。
また上記形態では、リミッタ機能を有する遊技機(所謂セット機)であったが、リミッタ機能を有していない遊技機において、特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出を行わないようにしても良い。
上記形態では、時短回数が11回、21回、又は26回に設定される電サポ制御状態において、特定回数にわたる連続的な図柄表示に要する合計時間が予め定めた所定時間範囲内で整合(例えば予め定められた時間内に収まるようなほぼ同じような時間等も含む)する遊技機としたが、特定回数にわたる連続的な図柄表示に要する合計時間がそれぞれ整合しない遊技機であっても良い。そして、設定される時短回数は11回、21回、又は26回以外でも良い。また設定される時短回数の種類は3種類(11回と21回と26回)に限られるものではなく、2種類(例えば11回と21回のみ)又は4種類以上であっても良い。
また、上記形態では、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機としたが、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御するものでなくてもよい。すなわち、図柄の種類(大当たりの種類)に応じて、高確率状態に制御する構成でもよい。また上限回数(本形態では40回)の大当たり当選まで高確率状態に制御されるように構成したが、図柄の種類(大当たりの種類)によって高確率状態を継続したり、通常確率状態にしてもよい。そして高確率状態の場合から通常確率状態になる場合に通常確率状態且つ電サポ制御状態にしてもよい。
また上記形態では、高確率状態に制御される遊技機であったが、高確率状態に制御されない遊技機において、特図2の変動に同期した演出図柄の変動演出を行わないようにしても良い。
また上記形態では、特定の遊技期間は、特定遊技状態(高確率状態且つ高確率状態の終了まで継続する電サポ制御状態)に制御され易い期間であった。しかし特定の遊技期間は、高確率状態に制御され易い期間であってもよい。すなわち、電サポ制御状態に制御されるか否かに関わらない期間であってもよい。
また上記形態では、実質的に次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されるように構成したが、次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されているとは限らない遊技機(所謂ST機)として構成することもできる。
また上記形態では、時短回数(時短カウンタ)を主制御基板80で計測しているが、サブ制御基板90で計測しても良いし、主制御基板80とサブ制御基板90の両方で計測しても良いとする。
また上記形態では、確変回数(確変カウンタ)を設定しているが、設定しなくても良いし、次回の大当たりに当選するまで確変回数を∞(無限大)としても良いとする。また、高確率状態時の確変カウンタの変動回数も計測しなくても良いとする。
また上記形態では、特図2変動開始コマンドに特図2の変動時間と大当たりの当否判定結果の両方の情報が含まれていないが、特図2変動開始コマンドに特図2の変動時間の情報が含まれていないものの大当たりの当否判定結果の情報が含まれていても良く、特図2変動開始コマンドに大当たりの当否判定結果の情報が含まれていないものの特図2の変動時間の情報が含まれていても良い。
なお、上記した実施の形態には、以下の手段1〜5の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技球の入球し易さが変わらない固定入球口(本実施例では第1始動口20)と、
遊技球の入球し易さが変化可能な可変入球口(本実施例では第2始動口21)と、
開閉可能な特別入賞口(本実施例では第1大入賞口30又は第2大入賞口35)と、
遊技の進行を制御するメイン制御部(本実施例では遊技制御用マイコン81)と、
前記メイン制御部による遊技の進行に伴う演出を制御するサブ制御部(本実施例では演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記メイン制御部は、
前記固定入球口への遊技球の入球又は前記可変入球口への遊技球の入球に基づいて入賞情報を取得する入賞情報取得手段(本実施例ではステップS206又はS211を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入賞情報取得手段により取得された入賞情報に基づいて当たりの当否を判定する当否判定手段(本実施例ではステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定結果を示す図柄を変動表示するとともに、その判定結果が当たりである場合には、特定の停止態様で図柄を表示する図柄表示手段(本実施例ではステップS1304を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄表示手段により特定の停止態様で図柄が表示されたあと、前記特別入賞口を開放する特別遊技を実行する特別遊技実行手段(本実施例ではステップS1307を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特別遊技後の遊技状態を、非入球サポート状態より前記可変入球口へ遊技球が入球し易い入球サポート状態に制御可能な入球サポート状態制御手段(本実施例ではステップS2308を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記固定入球口への遊技球の入球に基づく前記図柄の変動開始及び前記当否判定手段による判定結果を示す第1のコマンド(本実施例では特図1変動開始コマンド)を前記サブ制御部に送信するとともに、前記可変入球口への遊技球の入球に基づく前記図柄の変動開始を少なくとも示す第2のコマンド(本実施例では特図2変動開始コマンド)を前記サブ制御部に送信するものであり、
前記サブ制御部は、前記第1のコマンドに基づいて当たりの当否判定結果を示す演出図柄の変動演出を演出手段(本実施例では画像表示装置7)で行う(本実施例ではS5202でNO、S5208で変動演出開始コマンドをセットする)一方、前記第2のコマンドを受信しても前記変動演出を行わない(本実施例ではS5202でYES、S5208を実行しない)ものであり、
前記第2のコマンドには、少なくとも前記図柄の変動時間或いは当たりの当否判定結果の何れか一方の情報が含まれていない(本実施例では図13参照)ことを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、非入球サポート状態で遊技球が固定入球口へ入球すると、演出手段で演出図柄の変動演出を行うが、入球サポート状態で遊技球が可変入球口へ入球しても、演出手段で演出図柄の変動演出を行わない。そのため入球サポート状態において、演出図柄の変動演出を視認して当たりか否かを把握することができなくなる。従って、入球サポート状態では非入球サポート状態と異なり、いつ当たりに当選しているか把握し難い新たな遊技興趣を提供することが可能となる。
また第2のコマンドに含まれる情報が少なくなるため、メイン制御部及びサブ制御部の制御処理の負担を軽減することが可能となる。つまり、第2のコマンドの生成に関する処理の負担を軽減できるとともに、データ通信の負担を軽減でき、更に第2のコマンドを解析する処理の負担も軽減することが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記メイン制御部は、
前記特別遊技後の遊技状態を、通常確率状態よりも当たり当選確率が高い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段(本実施例ではステップS2303を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記特別遊技の実行開始を示す第3のコマンド(本実施例ではオープニングコマンド)を前記サブ制御部に送信するものであり、
前記サブ制御部は、
少なくとも前記通常確率状態且つ前記非入球サポート状態の遊技状態(本実施例ではS5402でNO、S5405でNO)では、前記第3のコマンドの受信に基づいて前記特別遊技に伴う当たり演出を実行(本実施例ではS5407でオープニング演出開始コマンドをセット)可能なものである一方、
少なくとも前記高確率状態且つ前記入球サポート状態の遊技状態(本実施例ではS5402でNO、S5405でYES)で、前記可変入球口への入球に基づいて発生した前記第3のコマンドを受信した場合は、前記当たり演出を実行しない当たり演出不可手段(S5407を実行しない演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、高確率状態且つ入球サポート状態の遊技状態では、演出図柄の変動演出が実行されないことに加えて、当たりに当選しても第3のコマンドに基づく当たり演出が実行されないため、特別遊技が実行されている状態か否かが遊技者にとって把握し難くなり、新たな遊技興趣を提供することが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機であって、
前記メイン制御部は、前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御された状態で当選した特別遊技の連続実行回数が所定の制限回数に至っている場合には、前記特別遊技後の遊技状態を前記通常確率状態に制御するリミッタ機能を作動させるリミッタ手段(本実施例ではステップS2301でYESならS2303を実行しない遊技制御用マイコン81)を備え、
特定の種類の当たり(本実施例では例えば図8のVロング2R大当たり)に当選してその特別遊技後に前記高確率状態且つ前記入球サポート状態に制御されてから前記リミッタ機能が作動するまでは、前記高確率状態且つ前記入球サポート状態に制御されやすい特定の遊技期間が生起され得る構成であることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、リミッタ機能が作動するまでの所定の制限回数の特別遊技が実行され得る特定の遊技期間において、いつ当たりに当選しているか把握し難いとともに、特別遊技が実行されている状態か否かも把握し難い新たな遊技興趣を提供することが可能となる。
手段4に係る発明は、
手段3に記載の遊技機であって、
前記サブ制御部は、前記特定の遊技期間において前記演出手段を用いて特定の演出態様での演出(本実施例では図62(b)に示す演出)を行うものであることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、特定の遊技期間で特定の演出態様での演出を行うことにより、特定の遊技期間を一連の遊技期間として遊技者に認識させることが可能となる。