JP5306916B2 - レンズ鏡筒の繰出収納構造 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ鏡筒における繰出収納構造に関し、特にカム環の回転によって進退環を光軸方向に移動させる繰出収納構造に関する。
特許文献1のレンズ鏡筒は、固定環(固定環16)からの繰出量が異なる2段階の繰出段部を有する、いわゆる2段繰出鏡筒である。固定環からの繰出量の大きい内側(先端側)の繰出段部は、回転駆動されるカム環(カム環15)の外周面に形成したカム溝(外カム溝65)とカムフォロア(カムピン98)によって光軸方向に移動制御される内側進退環(1群環10と化粧環112の結合体)を有する。カム環は、それ自身が回転しながら固定環に対して光軸方向に進退可能に支持されており、固定環からの繰出量の小さい外側(基端側)の繰出段部を構成する外側進退環(直進環14と化粧環102の結合体)が、カム環の外側を覆っている。この外側進退環は、固定環に対して光軸方向に直進案内されており、内側進退環を直進案内する機能を有する。外側進退環とカム環は、相対回転可能かつ光軸方向には共に移動するように結合されている。つまり、カム環のすぐ外側に内側進退環が支持され、その外側に外側進退環が支持された構造となっている。レンズ鏡筒の収納状態では、カム環、内側進退環及び外側進退環のそれぞれの筒状部が互いに重畳量を大きくすることでレンズ鏡筒の光軸方向長を短くさせる。
特開2007-114530号公報
特許文献1のレンズ鏡筒では、カム環と外側進退環の結合部が内側進退環の光軸方向後方の延長上に位置しているため、この結合部によって内側進退環の光軸方向後方への移動が規制される。ゆえに、カム環と外側進退環に対する内側進退環の重畳量をできるだけ大きくさせて鏡筒収納長のコンパクト化を図るために、カム環と外側進退環の結合部は、カム環のできるだけ後方に設置することが好ましい。例えば、この結合部がカム環の最後端部に位置していれば、ほぼカム環全体と重なる位置まで内側進退環を深く後退させることができる。
ところが、カム環の構造上の制約によって、外側進退環との結合部をこのような理想的な位置に配置できない場合がある。例えば、特許文献1におけるカム環は、その後端部外周面に、回転駆動力を受けるためのギヤ(ギア部60)が形成されている。また、固定環の内周面に形成したカム環繰出案内用の溝(カム溝37A、37B、37C)に係合する突起部(カム突部57A、57B、57C)も有している。特許文献1ではこのギヤと突起部がカム環後端(フランジ部15b)の同一の光軸方向位置に形成されているが、カム環に対してより大きな回転量を与えるべく周方向へのギヤの形成領域を広げようとすると、ギヤとの干渉を避けるために突起部をその前方にずらす必要が生じる。外側進退環との結合部は、この突起部のさらに前方に設ける必要があるため、カム環後端の望ましい位置に当該結合部を設けることができなくなる。その結果、カム環後端よりも前方にシフトさせて設けた結合部に制限されて、鏡筒収納時において内側進退環をカム環に対して充分に後退させることができなくなる。仮に、カム溝に係合するカムフォロア(カムピン98)の位置を変えずに内側進退環の筒状部の後端の一部を切除すれば、上記結合部との干渉を避けて内側進退環を深く後退させることは可能である。しかし、内側進退環はレンズ鏡筒の繰出段部における外観部品であるため、このような筒状部後端の一部切除を行った場合、カム環に対して最大に繰り出したときに、同じく鏡筒外観部品である外側進退環との間に鏡筒半径方向の隙間ができてしまう。すると、カム環などの内部部品が外観に露出して見栄えを損なったり、鏡筒の光路内に有害光が入って光学性能に悪影響を及ぼしたりするおそれがある。
本発明は、以上の問題意識に基づき、カム環の外側に位置し該カム環の回転によって光軸方向に移動制御される内側進退環と、該内側進退環の外側に位置しカム環と結合される外側進退環とを有するレンズ鏡筒において、カム環と外側進退環の結合部の制約を受けずに、カム環に対する内側進退環の光軸方向移動量を高い自由度で設定することが可能なレンズ鏡筒の繰出収納構造を提供することを目的とする。
本発明は、外周面にカム溝を有するカム環と、このカム環の外側に位置する筒状部とカム溝に係合するカムフォロアを有してカム環の回転により光軸方向に移動される内側進退環と、この内側進退環の外側に位置し、カム環に対して相対回転可能かつ光軸方向に相対移動不能に結合された外側進退環とを備えたレンズ鏡筒に関するものである。カム環は、カム溝が形成されたカム溝形成筒部と、カム溝形成筒部の光軸方向の像面側端部である後端から外径方向へ突出する後端フランジと、後端フランジから光軸方向の被写体側である前方に延出されカム溝形成筒部の外周面に対して径方向隙間を空けて対向する環状の大径部を有し、該大径部上に外側進退環との結合手段を有する。そして、カム環に対して内側進退環が光軸方向の最も像面側である後方移動端に位置するとき、該内側進退環の筒状部の光軸方向の像面側端部である後端がカム環の大径部とカム溝形成筒部の間の径方向隙間に進入することを特徴としている。
カム環のカム溝形成筒部の外周面には、大径部に対向して径方向隙間に臨む周面領域と、該周面領域よりも光軸方向の被写体側である前方の周面領域に亘ってカム溝を形成することが好ましい。これにより、大径部に対向する周面領域の前方の周面領域にのみカム溝を形成する場合に比して、内側進退環に大きな光軸方向移動量を与えることができる。
カム環の後端フランジに光軸方向への貫通部を形成し、該貫通部を通してカム環の光軸方向の像面側端部である後端にカム溝の光軸方向の像面側端部である後端部を開口させる一方、内側進退環には、筒状部から光軸方向の像面側である後方へ突出してカムフォロアを支持する後方突出部を設け、カム環に対して内側進退環が前述の後方移動端に位置するとき、該内側進退環の後方突出部がカム環後端フランジの貫通部に進入するように構成することが好ましい。これにより、カム環の光軸方向長さを短くする効果が得られる。
ム溝形成筒部と後端フランジが一体に形成され、カム溝形成筒部及び後端フランジとは別体として大径部が形成され、大径部を後端フランジに取り付けてカム環が構成されることが好ましい。このように分割形成することで、カム環を構成する各部の成形が容易になり生産性が向上する。
カム環は、光軸方向に移動しない固定環に対して回転しながら光軸方向移動を行う回転進退部材とさせることができる。そして本発明は、外側進退環が、カム環と共に光軸方向に移動して固定環に対する光軸方向の繰出量を変化させる、レンズ鏡筒の第1の繰出段部の外観構成部材であり、内側進退環が、カム環の回転に応じて外側進退環及びカム環に対する光軸方向の繰出量を変化させる、レンズ鏡筒の第2の繰出段部の外観構成部材であるレンズ鏡筒に好適である。この場合、固定環に設けた直進案内部によって外側進退環を光軸方向に直進案内し、さらに外側進退環に設けた直進案内部によって内側進退環を光軸方向に直進案内するとよい。
カム環の大径部に設ける外側進退環との結合手段は、任意の構成とすることができるが、例えば、カム環の大径部の外周面と外側進退環の内周面の間に設けた、該カム環と外側進退環の特定の相対回転位置で光軸方向に結合解除可能なバヨネット結合部とすることができる。より詳しくは、カム環の大径部の外周面上には、周方向に位置を異ならせて配置した複数の爪部と、該複数の爪部の光軸方向の像面側である後方に位置し光軸方向の被写体側である前方を向く周方向壁部を設ける。これに対する外側進退環の内周面には、該複数の爪部と周方向壁部の間に嵌って光軸方向移動が規制される周方向リブと、カム環に対する特定の回転位置で複数の爪部に対する該周方向リブの光軸方向の被写体側である前方への通過を許す複数の挿脱許容部を設ける。
内側進退環はレンズ群の保持環であることが好ましい。
本発明によれば、カム環と外側進退環の結合部分を、内側進退環の進退移動を妨げることのない外側位置に配置させたため、このカム環と外側進退環の結合部分の制約を受けることなく、カム環に対する内側進退環の光軸方向移動量を高い自由度で設定することが可能となる。
本発明による繰出収納構造を備えたズームレンズ鏡筒の一実施形態を示すズーム撮影領域(上半部がワイド端で下半部がテレ端)における断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の収納状態における断面図である。 同ズームレンズ鏡筒のハウジングから可動レンズブロックを取り外した状態の分解斜視図である。 可動レンズブロックの分解斜視図である。 第2繰出筒とそれに支持される第1レンズ群の分解斜視図である。 第2繰出筒の後方斜視図である。 第1繰出筒の前方斜視図である。 2群レンズ移動枠とそれに支持される第2レンズ群の分解斜視図である。 カム環を構成するカム環本体環の前方斜視図である。 カム環を構成するカム環結合環の前方斜視図である。 カム環結合環の後方斜視図である。 カム環結合環をカム環本体環に組み付けた完成状態のカム環の前方斜視図である。 (A)はカム環本体環の展開平面図、(B)はカム環本体環の後端フランジ付近のみを示した展開平面図である。 ズームレンズ鏡筒の撮影状態(ワイド端)におけるカム環付近を拡大した断面図である。 ズームレンズ鏡筒の収納状態におけるカム環付近を拡大した断面図である。
図1及び図2は、本発明による繰出収納構造を備えたズームレンズ鏡筒ZLの一実施形態を示している。このズームレンズ鏡筒ZLの撮像光学系は、物体(被写体)側から順に第1レンズ群LG1、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及び撮像素子26を備えている。以下の説明中で光軸方向とは、この撮影光学系の光軸Oと平行な方向を意味し、前方とは光軸方向の前方(被写体側)、後方とは光軸方向の後方(像面側)を意味する。
ローパスフィルタ25と撮像素子26はユニット化されて撮像素子ホルダ23に固定され、撮像素子ホルダ23がハウジング(固定環)22の後部に固定される。
第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51は、ハウジング22に対して光軸方向に移動可能に支持されていて、AFモータ160(図3)によって駆動される。
ハウジング22の内側には、図3に示すように、可動レンズ(カム環)ブロック110が移動可能に支持されている。可動レンズ(カム環)ブロック110は、図4に示すように、2群用直進案内環10、カム環本体環11、第2繰出筒(内側進退環、第2の繰出段部の外観構成部材)12、第1繰出筒(外側進退環、第1の繰出段部の外観構成部材)13、カム環結合環(大径部)14及び2群レンズブロック80を含んでいる。カム環本体環11とカム環結合環14は一体化されてカム環(カム環アッセンブリ)60を構成する。ズームレンズ鏡筒ZLは、図2の収納状態から図1のズーム撮影領域(使用状態)になるとき、ハウジング22に対して異なる繰出量で繰り出される2段階の繰出段部を有している。第1繰出筒13は、光軸方向に移動しないハウジング22に対してカム環60と共に繰り出される、第1の繰出段部の外観構成部材である。第2繰出筒12は、カム環60及び第1繰出筒13と繰出量が異なる(ハウジング22からの繰出量が大きい)、第2の繰出段部の外観構成部材である。第2繰出筒12と第1繰出筒13は、後述するように、カム環60の回転に応じて光軸方向の重畳量を変化させる。
図9や図13に示すように、カム環本体環11は、光軸Oを略中心とする筒状部(カム溝形成筒部)11aと、筒状部11aの後端から外径方向へ突出する後端フランジ11bを有している。後端フランジ11bには、ハウジング22の内周面に形成したカム環ガイド溝22aに対して摺動可能に嵌るガイド突起11cが突設されている。図3に示すように、カム環ガイド溝22aは、光軸Oに対して傾斜するリード溝部22a1と、該リード溝部22a1の前端部に接続する光軸Oを中心とした環状溝部22a2とを有している。また、カム環本体環11の後端フランジ11bにはギヤ11dが形成され、このギヤ11dに対してズームギヤ28(図3に一部のみ示す)が噛合し、ズームギヤ28はズームモータ150(図3)の駆動力によって回転される。カム環本体環11は、ズームギヤ28とギヤ11dを介してズームモータ150の駆動力を受けて回転されると、ズームレンズ鏡筒ZLの収納状態(図2)からズーム撮影領域(図1)までの間は、ガイド突起11cがリード溝部22a1の案内を受けて回転しながら光軸方向に移動し、ズーム撮影領域(図1)では、ガイド突起11cが環状溝部22a2の案内を受けて光軸方向には定位置で回転される。
図13(B)に示すように、カム環本体環11の後端フランジ11b上で、3つのガイド突起11cはギヤ11dよりも前方に形成されている。3つのガイド突起11cは、カム環本体環11の周方向に略均等間隔(約120度間隔)で設けられており、この配置によってハウジング22に対してカム環本体環11を安定支持させている。一方、ズームレンズ鏡筒ZLでは、収納状態でのコンパクト化と撮影状態での高変倍化を達成するべく、カム環本体環11に必要とされる回転量(回転角)は120度よりも大きく、3つのガイド突起11cの間にギヤ11dを配置することができない。そこで、ガイド突起11cとギヤ11dの光軸方向位置をずらし、ガイド突起11cをギヤ11dよりも前方に位置させることで、ガイド突起11cに制約されることなく周方向に長いギヤ11dの形成が可能となっている。後端フランジ11bにはさらに、3つのガイド突起11cのそれぞれの基部に角柱部11eを有し、この3つの角柱部11eのそれぞれの両側部に計6つ(3対)の取付孔11fが形成されている。また、3つのガイド突起11cの間の周方向位置に、後端フランジ11bを光軸方向に貫通する計3つの貫通部11gが形成されている。
カム環本体環11の筒状部11aの外周面には、同一軌跡の3本の1群制御カム溝CG1が形成されている。図9や図13(A)に示すように、1群制御カム溝CG1の光軸方向後方の端部は、貫通部11gを通して筒状部11aの後端面に臨む位置まで延びて開口されている。換言すれば、1群制御カム溝CG1の後端部は、後端フランジ11bと重なる位置まで延びている。筒状部11aの内周面には、1群制御カム溝CG1と異なる軌跡の3本の2群制御カム溝CG2が形成されている。後端フランジ11bの内周面にはさらに、周方向位置を異ならせて複数の回転案内爪11hが形成されている。
図10や図11に示すように、カム環結合環14は周方向に途切れのない完全環体形状をしており、その環体部14aの後端部内周面に、カム環本体環11の6つ(3対)の取付孔11fに対して係合する6つ(3対)の取付爪14bを有し、対をなす2つの取付爪14bの間に、カム環本体環11の3つの角柱部11eに嵌合可能な3つの回転規制凹部14cが形成されている。カム環結合環14はさらに、環体部14aから光軸方向前方に突出する複数の部分環状部14dを有し、部分環状部14dの外周面上に周方向位置を異ならせて複数の抜止爪(結合手段、爪部)14eが形成されている。また、環体部14aには、抜止爪14eの後方に、光軸方向前方を向く周方向壁部(結合手段)14fが形成されている。カム環結合環14は、3つの回転規制凹部14cをそれぞれ3つの角柱部11eに嵌合させ、かつ6つの取付爪14bをそれぞれ6つの取付孔11fに係合させることでカム環本体環11に結合されてカム環60が構成される(図12)。カム環60として組んだ状態では、カム環結合環14はカム環本体環11に対して光軸方向への相対移動と周方向への相対回転のいずれも規制される。図14や図15に示すように、カム環60においてカム環結合環14はカム環本体環11の筒状部11aの外側に離間して対向しており、この筒状部11aの外周面とカム環結合環14の間に環状空間Sが形成されている。換言すれば、カム環60は、内側に筒状部11a、外側にカム環結合環14を有する二重環構造になっている。環状空間Sは、光軸方向前方に向けて開かれており、光軸方向後方には貫通部11gの形成領域を除いて後端フランジ11bによって閉じられている。カム環結合環14の環体部14aには、カム環60構成時に3つの貫通部11gの前方に位置する薄肉部14gが3箇所形成されている(図10、図11)。薄肉部14gは、部分環状部14dの形成領域よりもカム環本体環11の筒状部11aとの隙間を大きくするように、すなわち環状空間Sを外径側に拡径させるように形成されている。
第1繰出筒13と直進案内環10は、カム環60を挟んで位置している。第1繰出筒13は、カム環本体環11の筒状部11aの外側に位置する筒状部13aを有し、ハウジング22に形成された光軸方向の直進案内溝22bに対して、筒状部13aの後端部に設けた直進案内突起13bを摺動可能に係合させることで、該ハウジング22に対して光軸方向に相対移動可能に直進案内されている。筒状部13aの後端部付近の内周面には、カム環60を構成するカム環結合環14の抜止爪14eと周方向壁部14fの間に回転方向へ摺動自在に嵌る周方向リブ(結合手段)13cが設けられている。周方向リブ13cは、周方向壁部14fによって後方への相対移動が規制され、抜止爪14eによって前方への相対移動が規制される。つまり、第1繰出筒13とカム環60は、相対回転は可能で光軸方向の相対移動は規制されるように結合(バヨネット結合)されている。周方向リブ13cには、光軸方向に貫通する複数の爪通過部(結合手段、挿脱許容部)13d(図7に一つのみ見えている)が周方向に所定の間隔で形成され、第1繰出筒13とカム環60には、全ての抜止爪14eと爪通過部13dの位相が一致して、周方向リブ13cを抜止爪14eの前方へ通過させることが可能な組立分解用の特定の回転位置が存在する。
直進案内環10は、カム環本体環11の後端フランジ11bの後方に隣接するリング部10aから外径方向に突出する直進案内突起10bを、ハウジング22の直進案内溝22bに対して摺動可能に係合させることで、ハウジング22に対して光軸方向に相対移動可能に直進案内されている。リング部10aには、カム環本体環11の回転案内爪11hと係合する回転案内爪10cが設けられ、この爪係合によって、直進案内環10はカム環本体環11に対して相対回転は可能で光軸方向の相対移動は規制されるように結合(バヨネット結合)されている。回転案内爪10cと回転案内爪11hの係合は、直進案内環10に対するカム環60の特定の回転位置でのみ解除させることができる。
つまり、直進案内環10、第1繰出筒13及びカム環60は、光軸方向には共に移動するように一体化されており、かつハウジング22に対して光軸方向に直進案内された直進案内環10と第1繰出筒13に対してカム環60が相対回転可能という関係になっている。
直進案内環10は、光軸方向前方に突出する3つの直進案内バー10dを介して、2群レンズブロック80(図4)を光軸方向へ相対移動可能に直進案内している。2群レンズブロック80は、図8に示すように、第2レンズ群LG2を保持する2群レンズ保持枠2を内部に支持した2群レンズ移動枠8を有し、この2群レンズ移動枠8に形成した光軸方向の直進案内溝8aに対して直進案内バー10dが摺動可能に係合することで直進案内される。2群レンズ移動枠8には、2群レンズ保持枠2の前後にそれぞれ位置させて、可変開口絞機構70とシャッタブロック100がそれぞれ光軸方向に可動に支持されている(図1、図2)。
第1レンズ群LG1を保持する第2繰出筒12は、ハウジング22に対して光軸方向に直進案内された第1繰出筒13と、直進案内環10を介して光軸方向に直進案内された2群レンズ移動枠8の2つの部材によって、光軸方向へ移動可能に直進案内されている。第2繰出筒12は、図5や図6に示すように、筒状部12aと、該筒状部12aの内側に位置し第1レンズ群LG1を保持する環状フランジ部12bを有している。筒状部12aの後端部には外側直進案内キー12cが周方向に略等間隔で3つ設けられ、環状フランジ部12bから後方に突出する3つの後方突出片12d上にはそれぞれ内側直進案内キー12eが設けられている。第1繰出筒13の筒状部13aと第2繰出筒12の筒状部12aはそれぞれ、周方向に途切れなく円筒状の壁部で囲まれた完全環体(筒体)形状をなしている。そして、図14や図15から分かるように、第2繰出筒12の筒状部12aは、光軸Oを中心とする半径方向においてカム環本体環11の筒状部11aと第1繰出筒13の筒状部13aの間に位置している。より厳密には、筒状部12aはカム環60の環状空間Sと同じ半径方向位置にあり、筒状部12aの一部を前方から環状空間S内に進入させることができる。第1繰出筒13の筒状部13の前端部付近の内周面には、第2繰出筒12の筒状部12aの外周面との間を光密に塞ぐ遮光環49が支持されている。
第1繰出筒13の筒状部13aの内周面に直進案内溝13eが形成されている。直進案内溝13eは光軸方向の前後端部がいずれも開口された光軸方向への長溝となっており、第1繰出筒13と第2繰出筒12の光軸方向の相対位置変化に応じて、外側直進案内キー12cが直進案内溝13eに対して光軸方向に摺動可能に嵌る状態と、該直進案内溝13eから外側直進案内キー12cが離脱した状態とに変化する。外側直進案内キー12cと直進案内溝13eの嵌合状態では、第2繰出筒12は第1繰出筒13によって光軸方向に相対移動可能に直進案内される。
また、図8に示すように、2群レンズ移動枠8の内周面には、直進案内溝8bが周方向に略等間隔で3つ形成されている。直進案内溝8bは、光軸方向の前方端部が開口された光軸方向への長溝となっており、2群レンズ移動枠8と第2繰出筒12の光軸方向の相対位置変化に応じて、内側直進案内キー12eが直進案内溝8bに対して光軸方向に摺動可能に嵌る状態と、該直進案内溝8bから内側直進案内キー12eが離脱した状態とに変化する。内側直進案内キー12eと直進案内溝8bの嵌合状態では、第2繰出筒12は2群レンズ移動枠8によって光軸方向に相対移動可能に直進案内される。
第2繰出筒12には、筒状部12aの後端部から後方に突出させて前述の3つの外側直進案内キー12cが形成されており、この3つの外側直進案内キー12cよりもさらに後方の同一周方向位置に、3つのカムフォロア支持座(後方突出部)12fが形成されている。それぞれのカムフォロア支持座12fは内径方向に突出する1群用カムフォロアCF1を支持し、1群用カムフォロアCF1は、カム環本体環11の外周面に形成した1群制御カム溝CG1に摺動可能に支持されている。第2繰出筒12は第1繰出筒13と2群レンズ移動枠8を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環60が回転すると、1群制御カム溝CG1の形状に従って、第2繰出筒12すなわち第1レンズ群LG1がカム環60に対して光軸方向へ所定の軌跡で相対移動する。図13(A)に示すR、W、Tはそれぞれ、ズームレンズ鏡筒ZLの収納状態(図2)、ワイド端(図1の上半)、テレ端(図1の下半)における、1群制御カム溝CG1の軌跡上の1群用カムフォロアCF1の位置を示している。また、同図のCG1-Pは、1群制御カム溝CG1における収納用位置Rからワイド端位置Wまでの収納制御領域であり、同じくCG1-Zは、ワイド端位置Wからテレ端位置Tまでのズーム制御領域である。前述のように、1群制御カム溝CG1の後端部が貫通部11gを通して筒状部11aの後端面に開口されているが、この後端開口部は収納制御領域CG1-Pの途中に存在する。よって、1群制御カム溝CG1の収納用位置Rは、実体的なカム溝としては存在しない。1群制御カム溝CG1の形成領域は、カム環本体環11の筒状部11aの光軸方向全域に及んでおり、その後端部は前述の通り筒状部11aの後端面に開口され、収納制御領域CG1-Pは、カム環結合環14と重なる環状空間Sの内側領域を通って筒状部11aの前端付近まで延設されている。ズーム制御領域CG1-Zは光軸方向後方へ向けて凸となる山形形状をなし、テレ端位置Tの先は1群用カムフォロアCF1挿脱用の開口部として筒状部11aの前端面に開口されている。
カム環本体環11の内周面に形成した2群制御カム溝CG2に対し、2群レンズ移動枠8の外周面に設けた2群用カムフォロアCF2が係合している。2群レンズ移動枠8は直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環60が回転すると、2群制御カム溝CG2の形状に従って、2群レンズ移動枠8すなわち第2レンズ群LG2がカム環60に対して光軸方向へ所定の軌跡で相対移動する。
2群レンズ移動枠8と第2繰出筒12の間には、圧縮ばねからなる群間付勢ばね27が挿入されており、2群レンズ移動枠8と第2繰出筒12は互いに離間する方向に付勢されている。
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒ZLは次のように動作する。図2に示す鏡筒収納状態では、図1に示す撮影状態よりも光軸方向の光学系の長さ(第1レンズ群LG1の物体側の面から撮像素子26の撮像面までの距離)が短くなっている。この鏡筒収納状態では、1群用カムフォロアCF1が、1群制御カム溝CG1から後方に離脱した収納用位置Rに位置している。1群用カムフォロアCF1を当該後方離脱位置まで移動させるために、第2繰出筒12の外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fは、カム環本体環11の後端フランジ11bに形成した貫通部11gに進入している。また、図15に示すように、カム環本体環11、第2繰出筒12及び第1繰出筒13は互いの筒状部11a、12a及び13aの重畳量が最大となっており、第2繰出筒12の筒状部12aの後端部付近が、カム環60の環状空間Sに進入している。この鏡筒収納状態では、内側直進案内キー12eが2群レンズ移動枠8の直進案内溝8bに嵌ることで第2繰出筒12が直進案内され、外側直進案内キー12cは第1繰出筒13の直進案内溝13eから後方に離脱されている。
鏡筒収納状態において撮影状態への移行信号(例えば、ズームレンズ鏡筒ZLが搭載されるカメラに設けたメインスイッチのオン)が入力されると、ズームモータ150が鏡筒繰出方向に駆動され、カム環ガイド溝22aのリード溝部22a1とガイド突起11cの関係によって、ハウジング22に対してカム環60が回転しながら光軸方向前方へ繰り出される。直進案内環10と第1繰出筒13はカム環60と共に前方へ直進移動し、第1繰出筒13の筒状部13aが徐々にハウジング22からの突出量を大きくする。
カム環60が回転すると、その外側では、2群レンズ移動枠8を介して直進案内された第2繰出筒12が、1群制御カム溝CG1の収納制御領域CG1-P内を1群用カムフォロアCF1が移動することにより、カム環60と第1繰出筒13と直進案内環10の結合体に対して光軸方向前方に繰り出され、第2繰出筒12の筒状部12aが徐々に第1繰出筒13からの突出量を大きくする。この第2繰出筒12の前方への繰出動作により、筒状部12aの後端部がカム環60の環状空間Sから前方へ離脱する。また、外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fもカム環60の貫通部11g及び環状空間Sから前方に離脱する。図15に示すように、外側直進案内キー12cやカムフォロア支持座12fは筒状部12aよりも厚肉であるが、この離脱時に外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fは、環状空間Sの径サイズが大きくなっている薄肉部14gの内側を通って前方に抜けるため、カム環結合環14と干渉することがない。
また、カム環11が回転すると、その内側では、直進案内環10を介して直進案内された2群レンズ移動枠8が、2群用カムフォロアCF2と2群制御カム溝CG2の関係によって、カム環11に対して第2繰出筒12とは異なる所定の軌跡で光軸方向に移動される。これにより、鏡筒繰出動作の途中で、内側直進案内キー12eと直進案内溝8bによる直進案内が解除される。代わりに、第1繰出筒13に対する第2繰出筒12の相対移動によって、外側直進案内キー12cが直進案内溝13eに嵌って直進案内を受けるようになる。つまり、2群レンズ移動枠8が第2繰出筒12を直進案内する状態から、第1繰出筒13が第2繰出筒12を直進案内する状態へと変化する。
やがて、ズームレンズ鏡筒ZLが所定量繰り出されると、1群制御カム溝CG1のワイド端位置Wに1群用カムフォロアCF1が達し、図1の上半断面及び図14に示すズーム撮影領域のワイド端に達する。ズーム撮影領域に達すると、カム環本体環11のガイド突起11cがカム環ガイド溝22aの環状溝部22a2内に位置され、カム環60の光軸方向移動が停止される。このワイド端において、外側直進案内キー12cが直進案内溝13eの前端部近くに達しており、第1繰出筒13に対する第2繰出筒12の前方への繰出量が大きくなっている。図13(A)に示す1群制御カム溝CG1の詳細軌跡から分かるように、収納用位置Rからテレ端位置Tまでのカム溝使用域で第1繰出筒13に対する第2繰出筒12の前方への繰出量が最大になるのは、1群用カムフォロアCF1がワイド端位置Wに達する直前(収納制御領域CG1-Pの前端部)であるが、第2繰出筒12における筒状部12aの光軸方向長さは、この最大前方繰出位置において、光軸直交方向(図14の矢印V)から見て第1繰出筒13の筒状部13dとの間に隙間(径方向の貫通箇所)が形成されないように(筒状部12aの後端部付近と筒状部13aの前端部付近をオーバーラップさせるように)設定されている。
鏡筒収納状態からの第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出量はそれぞれ、前者が、ハウジング22に対するカム環60の前方移動量と、該カム環60に対する第2繰出筒12のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、ハウジング22に対するカム環60の前方移動量と、該カム環60に対する2群レンズ移動枠8のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸Oに沿って移動することにより行われ、このとき1群用カムフォロアCF1は、1群制御カム溝CG1のズーム制御領域CG1-Z内で移動される。図1の上半断面に示すワイド端の繰出状態において、望遠方向(鏡筒収納状態からワイド端までの繰出時と同じ方向)にズームモータ150を駆動させると、やがて図1の下半断面に示すテレ端の繰出状態となり、1群用カムフォロアCF1は、1群制御カム溝CG1のテレ端位置Tに達する。このワイド端からテレ端までのズーム撮影領域では、カム環60はカム環ガイド溝22aの環状溝部22a2に案内されて光軸方向の一定位置で回転を行い、光軸方向へは進退しない。1群制御カム溝CG1のズーム撮影領域CG1-Zでは、第2繰出筒12が前述の最大前方繰出位置を超えて前方に移動されることがないため、第2繰出筒12の筒状部12aと第1繰出筒13の筒状部13aの一部が常に重なった状態が維持され、これら筒状部12a、13aの間に隙間(径方向の貫通箇所)ができることはない。そして、筒状部12a、13aの間は遮光環49によって光密に塞がれる。
撮影状態(ズーム撮影領域)から収納状態への移行信号(例えば、カメラのメインスイッチのオフ)が入力されると、ズームモータ150が鏡筒収納方向に駆動され、ズームレンズ鏡筒ZLは以上の繰出動作とは逆の収納動作を行う。カム環60は、カム環ガイド溝22aのリード溝部22a1の案内を受けて回転しながら光軸方向後方へ移動され、第1繰出筒13と直進案内環10がカム環60に伴って光軸方向後方に直進移動される。第2繰出筒12は、1群用カムフォロアCF1が1群制御カム溝CG1の収納制御領域CG1-Pに案内されることで、後退動作を行っているカム環60に対してさらに光軸方向後方に相対移動される。すると、第2繰出筒12の筒状部12aと、カム環本体環11の筒状部11a及び第1繰出筒13の筒状部13aとの重畳量が徐々に大きくなり、図2及び図15に示すズームレンズ鏡筒ZLの収納状態では、筒状部12aの後端部がカム環60における環状空間Sに進入する。また、3つの外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fがそれぞれ、環状空間Sを通過してカム環本体環11の後端フランジ11bの貫通部11gに進入する。このとき、ズームレンズ鏡筒ZLの繰出動作時と同様に、外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fは、環状空間Sのうち径サイズが大きくなっている薄肉部14gの内側を通って貫通部11gまで進むため、カム環結合環14と干渉することがない。
第3レンズ群LG3を支持する3群レンズ枠51は、以上のズームモータ150による第1レンズ群LG1及び第2レンズ群LG2の駆動とは独立して、AFモータ160によって光軸方向に前後移動させることができる。そして、光学系がワイド端からテレ端までのズーム撮影領域にあるとき、測距手段によって得られた被写体距離情報に応じてAFモータ160を駆動することにより、第3レンズ群LG3が光軸方向に移動してフォーカシングが実行される。
収納状態でのズームレンズ鏡筒ZLの光軸方向長さ(収納長)を短くするには、図2や図15のように、第2繰出筒12と第1繰出筒13とカム環60の関係において筒状部11a、12a及び13aの互いの重畳量を大きくさせることがよい。そのためには、第2繰出筒12の筒状部12aの後端から突出させて設けた1群用カムフォロアCF1を、カム環本体環11の1群制御カム溝CG1の後端(より厳密には、1群制御カム溝CG1から後方に離脱した収納用位置R)まで移動させる必要がある。一方、図13(A)に示すように、1群制御カム溝CG1の使用域における光軸方向の前端位置はカム環本体環11の前端付近にあり、この前端位置まで1群用カムフォロアCF1を案内した状態、すなわちカム環60と第1繰出筒13の結合体に対して第2繰出筒12を最大に繰り出した状態で、鏡筒の外観環を構成する第1繰出筒13と第2繰出筒12の間に有害光を通す隙間が形成されないように、第2繰出筒12の筒状部12aには第1繰出筒13の筒状部13aと同程度の光軸方向長さが必要とされる。ここで、前述したように、カム環60においては、3つのガイド突起11cによる安定支持性と、ギヤ11dの周方向長さ(カム環60に与える回転量)の確保を両立させるために、ギヤ11dに対してガイド突起11cを光軸方向前方にずらして形成するという制約がある。さらに、カム環60と第1繰出筒13を相対回転可能に結合させるための結合手段を構成する抜止爪14eや周方向壁部14fは、ガイド突起11cと第1繰出筒13の干渉を回避するために、ガイド突起11cよりも前方に位置させる必要がある。端的に言えば、抜止爪14eや周方向壁部14fをカム環本体環11の後端部に設けることができない。
このような条件下で、本実施形態とは異なり、抜止爪14eや周方向壁部14fに相当する結合手段をカム環本体環11の筒状部11aの外周面に直接に形成する態様を仮定すると、この結合手段(抜止爪14eと周方向壁部14f)に筒状部12aの後端部が干渉するので、第2繰出筒12を図2や図15に示す後方移動端まで移動させることができず、これより前方で第2繰出筒12を止める必要がある。カムフォロア支持座12fの位置は変えずに、筒状部12aの後端位置を前方にずらせば(筒状部12aの後方一部を切除すれば)、上記干渉を回避して図2や図15に示す後方移動端まで第2繰出筒12を後退させることが可能になるが、筒状部12aの光軸方向長さが不足するため、カム環本体環11に対して第2繰出筒12を最大に繰り出したときに、第1繰出筒13の筒状部13aと第2繰出筒12の筒状部12aとの間に隙間ができてしまい、鏡筒の外観環として不適となる。したがって、カム環本体環11の筒状部11aの外周面に第1繰出筒13との結合手段(抜止爪14eと周方向壁部14f)を直接に設ける構造を採用した場合、第2繰出筒12(第1レンズ群LG1)の繰出量を大きくさせつつ、収納時に第2繰出筒12を深く後退させて鏡筒収納長の短縮化を図るという両立が達成できず、鏡筒収納長のコンパクト化と第1レンズ群LG1の前方繰出量のいずれかが犠牲になる。
これに対して本実施形態では、カム環60を筒状部11aとカム環結合環14を有する二重環構造とし、第1繰出筒13と結合させるための抜止爪14eと周方向壁部14fを二重環の外側に設け、その内側に第2繰出筒12(筒状部12a)の後端部が進入可能な環状空間Sを設けたため、これら抜止爪14eや周方向壁部14fとの干渉を生じさせずに第2繰出筒12を後方の深い位置まで移動させることが可能となっている。また、第2繰出筒12の筒状部12aから後方に突出する外側直進案内キー12cとカムフォロア支持座12fについてはさらに、環状空間Sの後方に形成した貫通部11gに進入させることとしたので、カム環結合環14上の抜止爪14eや周方向壁部14fのみならず、後端フランジ11b(ガイド突起11cやギヤ11d)とも干渉させずに深く後退させることができる。
以上のように本実施形態のズームレンズ鏡筒ZLでは、カム環本体環11の後端から離れた前方位置に第1繰出筒13との結合部分(抜止爪14e、周方向壁部14f)を設けるという制約がありながら、該第1繰出筒13とカム環本体環11の間に位置する第2繰出筒12に対して、カム環本体環11の光軸方向の全域に亘って形成した1群制御カム溝CG1によって大きな移動量を付与することを可能とし、かつ鏡筒収納状態では第2繰出筒12の後退量を制限せず収納長を短くすることも達成している。
なお、カム環60がカム環本体環11とカム環結合環14の二部材で構成されているのは、主として生産性の観点からである。周面にカム溝を有するカム環を成形するに際しては、成形用の型をその半径方向に離型させるのが一般的であるが、この方向の型抜きでは、筒状部11aの外側にカム環結合環14が位置するような二重環構造を形成することができない。よって、カム環60を一部材として成形することは難しく、また成形するにしても手間やコストがかかる。これに対して、カム環本体環11とカム環結合環14の二つの環状体に分けて成形してから結合させる構成であれば、各々の環状体を成形しやすく、製造コストを下げて生産性を高めることができる。但し、本発明は、カム環60に相当する部材を一部材で構成することを排除するものではない。また、カム環を複数部材に分ける場合でも、カム環本体環11とカム環結合環14のような分け方以外の態様にすることも可能である。
また、図示実施形態では、鏡筒収納状態から撮影状態になるときにカム環60と第1繰出筒13が前方に繰り出されるものとしたが、これらが移動を行わずに光軸方向の一定位置で保持されているようなタイプのレンズ鏡筒にも、本発明を適用することができる。
8 2群レンズ移動枠
8a 直進案内溝
8b 直進案内溝
10 2群用直進案内環
11 カム環本体
11a 筒状部(カム溝形成筒部)
11b 後端フランジ
11c ガイド突起
11d ギヤ
11e 角柱部
11f 取付孔
11g 貫通部
11h 回転案内爪
12 第2繰出筒(内側進退環、第2の繰出段部の外観構成部材
12a 筒状部
12b 環状フランジ部
12c 外側直進案内キー
12b 内側直進案内キー
12d 後方突出片
12e 内側直進案内キー
12f カムフォロア支持座(後方突出部)
13 第1繰出筒(外側進退環、第1の繰出段部の外観構成部材
13a 筒状部
13b 直進案内突起
13c 周方向リブ(結合手段)
13d 爪通過部(結合手段、挿脱許容部)
13e 直進案内溝(外側進退環における直進案内部)
14 カム環結合環(大径部)
14a 環体部
14b 取付爪
14c 回転規制凹部
14d 部分環状部
14e 抜止爪(結合手段、爪部
14f 周方向壁部(結合手段)
14g 薄肉部
22 ハウジング(固定環)
22b 直進案内溝(固定環における直進案内部)
49 遮光環
60 カム環
80 2群レンズブロック
110 可動レンズ(カム環)ブロック
150 ズームモータ
160 AFモータ
CF1 1群用カムフォロア
CF2 2群用カムフォロア
CG1 1群制御カム溝
CG2 2群制御カム溝
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
O 光軸
S カム環の環状空間
ZL ズームレンズ鏡筒

Claims (8)

  1. 外周面にカム溝を有するカム環と、
    上記カム環の外側に位置する筒状部と上記カム溝に係合するカムフォロアを有し、カム環の回転により光軸方向に移動される内側進退環と、
    上記内側進退環の外側に位置し、上記カム環に対して相対回転可能かつ光軸方向に相対移動不能に結合された外側進退環と、
    を備えたレンズ鏡筒において、
    上記カム環は、外周面に上記カム溝を形成したカム溝形成筒部と、上記カム溝形成筒部の光軸方向の像面側端部である後端から外径方向へ突出する後端フランジと、上記後端フランジから光軸方向の被写体側である前方に延出され上記カム溝形成筒部の外周面に対して径方向隙間を空けて対向する環状の大径部を有し、該大径部上に上記外側進退環との結合手段を有すること;及び
    上記カム環に対して上記内側進退環が光軸方向の最も像面側である後方移動端に位置するとき、該内側進退環の上記筒状部の光軸方向の像面側端部である後端が上記カム環の上記大径部と上記カム溝形成筒部の間の上記径方向隙間に進入すること;
    を特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  2. 請求項1記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記カム環のカム溝形成筒部の外周面には、上記大径部に対向し上記径方向隙間に臨む周面領域と、該周面領域よりも光軸方向の被写体側である前方の周面領域に亘って上記カム溝が形成されていることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  3. 請求項1または2記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記後端フランジには光軸方向への貫通部が形成され、上記カム溝の光軸方向の像面側端部である後端部は該貫通部を通してカム環の光軸方向の像面側端部である後端に開口され、
    上記内側進退環は、上記筒状部から光軸方向の像面側である後方へ突出し、上記カムフォロアを支持する後方突出部を有し、
    上記カム環に対して上記内側進退環が上記光軸方向の後方移動端に位置するとき、該内側進退環の上記後方突出部が上記貫通部に進入することを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記カム溝形成筒部と上記後端フランジが一体に形成され、上記カム溝形成筒部及び上記後端フランジとは別体として上記大径部が形成され、上記大径部を上記後端フランジに取り付けて上記カム環が構成されることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、光軸方向に移動しない固定環を備え、上記カム環は上記固定環に対して回転しながら光軸方向に移動可能に支持され、
    上記外側進退環は、上記カム環と共に光軸方向に移動して上記固定環に対する光軸方向の繰出量を変化させる、レンズ鏡筒の第1の繰出段部の外観構成部材であり
    上記内側進退環は、上記カム環の回転に応じて上記外側進退環及び上記カム環に対する光軸方向の繰出量を変化させる、レンズ鏡筒の第2の繰出段部の外観構成部材であることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  6. 請求項記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記外側進退環は上記固定環に設けた直進案内部によって光軸方向に直進移動可能に案内され、該外側進退環に設けた直進案内部によって上記内側進退環が光軸方向に直進移動可能に案内されることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記カム環と外側進退環を結合させる結合手段は、
    上記カム環の大径部の外周面上に周方向に位置を異ならせて配置した複数の爪部と、該複数の爪部の光軸方向の像面側である後方に位置し光軸方向の被写体側である前方を向く周方向壁部;及び
    上記外側進退環の内周面に設けた、上記複数の爪部と周方向壁部の間に嵌って光軸方向移動が規制される周方向リブと、上記カム環に対する特定の回転位置で上記複数の爪部に対する該周方向リブの光軸方向の被写体側である前方への通過を許す複数の挿脱許容部;
    を備えていることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項記載のレンズ鏡筒の繰出収納構造において、上記内側進退環は内部にレンズ群を保持していることを特徴とするレンズ鏡筒の繰出収納構造。
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