JP5306543B2 - 膜タンパク質の捕捉及び操作を目的とする、両親媒性モノマーを過半数含むポリマー - Google Patents

膜タンパク質の捕捉及び操作を目的とする、両親媒性モノマーを過半数含むポリマー Download PDF

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Description

本発明は、水溶液中の疎水性化合物の操作に有用な両親媒性ポリマー、疎水性化合物(特に膜タンパク質)と該ポリマーとの間で形成される水溶性複合体、該複合体の調製方法、及び該複合体の適用、特に診断方法又は分析方法への適用に関する。
内在性膜タンパク質は、タンパク質の特定のクラスであって、in vivoでは生体膜の脂質二重層を貫通して生体膜に挿入されている。自然に膜と接触した状態になるこれらタンパク質の表面(膜貫通領域)は特に疎水性であり、膜外表面は主に親水性である。膜タンパク質は、特に様々な細胞コンパートメント間の情報又は分子の交換、及び細胞とその環境との間の情報又は分子の交換に関して、必須の生物学的機能を担っている。
上記の点から、膜タンパク質には、医薬分野において多大な関心が寄せられている。膜タンパク質は、例えば、医薬分子の特別な標的である。膜タンパク質はまた、ヒトの多数の病気にも関与しており、そのいくつか(例えば、多発性硬化症又は重症筋無力症)は、膜タンパク質に対する自己抗体が血清中に存在することにより示される、自己免疫成分を有する。
水溶液中での膜タンパク質の操作は、通常、膜タンパク質の精製、並びに膜タンパク質の構造及び機能の研究の必須条件である。操作には、疎水性ドメインの自発的な凝集を避けること、且つそのために膜貫通領域周辺を両親媒性環境に維持することが必要となる。
水溶性状態にあるこのようなタンパク質の従来の調製物には、超ミセル(supramicellaires)濃度の特定の界面活性剤(tensioactif)、洗剤(detergent)が含まれる。この方法が成功しているのは、これら両親媒性化合物及び分散剤が膜貫通タンパク質領域上に吸着することによる。それにも関わらず、この方法により形成される複合体の操作は、正確には洗剤の存在に起因して、可溶性タンパク質の操作よりも非常にデリケートである。洗剤は、研究対象のタンパク質を含む全溶液中、臨界ミセル濃度(cmc)よりも高い濃度で存在しなければならない。洗剤の消費により生じ得るコストの問題は別としても、当該実験は、膜タンパク質が洗剤溶液中では通常不安定であるという事実により、多くの場合デリケートなものとなる。従って、界面活性剤が不足すれば、通常、膜タンパク質の沈殿がもたらされる一方で、過剰なミセルの存在下では、膜タンパク質は不可逆的に変性する傾向にある。
このような状況から、洗剤の使用に代わるものの探索が行われており、それらのうち、例えばバイセル(bicell)(バイセルとは、界面活性剤により安定化された小さな脂質ディスクである)、ナノディスク(その構造は同様のものであるが、界面活性剤はタンパク質である)、ペプチタージェント(peptitergent)(ペプチタージェントとは両親媒性ペプチドである)、リポペプチド(ペプチド性ではあるが炭化水素鎖を有している)、フッ素化又は半フッ素化界面活性剤、及びアンフィポル(amphipol)(本特許出願の主題を形成する分子はこのファミリーに属する)を挙げることができる。
アンフィポルは両親媒性ポリマーであり、特に、膜タンパク質の膜貫通表面での洗剤に置き換わるものとして設計されている(Tribetら、WO1998/027434)。該特許では、水性媒体中に膜タンパク質を保持するための両親媒性コポリマーの使用が記載されている。
アンフィポル又は今日までに記載されたそのように呼ばれる分子の大多数は、イオン性ポリマー、特にアニオン性ポリマーであり、様々な分析系(等電集束法(isoelectrofocalisation))又は分離系(イオン交換カラムでのクロマトグラフィー)での使用が禁じられており、膜タンパク質の結晶化(それにより安定化される)にとって好ましい因子ではない。従って、膜タンパク質の操作のために、既存のアンフィポルの利点を有し、非イオン性である両親媒性ポリマーが必要とされている。
非イオン性アンフィポルは、Prataら及びSharmaらの文献に記載されている。Prataらの文献では、アンフィポルは、2種のモノマーを含むコポリマーであって(該文献の図2を参照されたい)、1種は親水性であり(2つのOHと1つの糖、又は3つのOH)、もう1種は両親媒性である(2つのOHと脂肪鎖)。該文献において、親水性モノマーと両親媒性モノマーとのモル比は、3.0と6.7との間で維持されており、これは、75〜87%の親水性モノマーと13〜25%の両親媒性モノマーに対応し、従って、両親媒性モノマーは少数派である。
Sharmaらの文献では、アンフィポルは、2種のモノマーを含むコポリマーであって(該文献のスキーマ1を参照されたい)、1種は親水性であり(2つのOHと1つの糖)、もう1種は両親媒性である(1つのOH、1つの糖及び1つの脂肪鎖)。該文献において、親水性モノマーAと両親媒性モノマーBとのモル比は、3と5との間で維持されており、これは、75〜83%の親水性モノマーA及び17〜25%の両親媒性モノマーBに対応し、従って、両親媒性モノマーは少数派である。このことは、著者らが、最も高い割合(25%)の両親媒性モノマーを含むアンフィポルが低い水溶解度を既に有していたと指摘している事実により説明される。
特許出願WO2008/058963には、異なる種類のモノマー(親水性、両親媒性又は疎水性)を含むコポリマーであるアンフィポルによる支持体上への膜タンパク質の固定が記載されており、ここで、親水性モノマー全体の割合に対する、疎水性モノマー又は両親媒性モノマー全体の割合の比率は、0.25と2.5との間に含まれる(WO2008/058963の請求項3を参照されたい)。例となるアンフィポルは、親水性モノマーと疎水性モノマーとを含むイオン性コポリマーである(該文献の図1Aを参照されたい)。さらに、該出願において両親媒性として定義される基には、同一の「グラフト」内の混合された親水性官能基と疎水性官能基とが含まれ、側鎖上に別々にグラフトされた親水性基と疎水性基とを分けていない。
従って、アンフィポル及び今日までに記載されたそのように呼ばれる分子は全て、異なる特性の単位を含むコポリマーであって、そのうちあるものは親水性であり、他のものは疎水性及び/又は両親媒性であり、両親媒性モノマーが存在する場合には両親媒性モノマーは少数派である、コポリマーである。
さらに、Sharmaらの文献で示される結果は、アンフィポルの水溶解度を十分に保つためには、両親媒性モノマーに加えて親水性モノマーを含める必要があることを示唆している。
しかし、今日までに記載された全ての分子のコポリマー構造は、重大な欠点を有している:その構造により1つのバッチから次のバッチへと、同一の化学構造を正確に再現することが難しくなっているのである。事実、合成には、ラジカル共重合か、又はホモポリマー型前駆体のランダムな官能基化のいずれかが必要であり、これら2つは、本質的に非選択的な反応タイプである。従って、疎水性化合物、特に膜タンパク質の操作のために、従来のものと同等の利点を有し、且つその調製方法が1つのバッチから次のバッチへと、より再現性が高い、両親媒性ポリマーが必要とされている。
[発明の説明]
Sharmaらにより示唆されたものとは異なって(4)、本発明者らは、驚くべき方法で、両親媒性モノマーからなる両親媒性ホモポリマー(homoAPol)、又は過半数のこのような両親媒性モノマーを含むコポリマー(「準(quasi)ホモポリマー」)が、十分な水溶解度を有して、当該分野で公知のコポリマーアンフィポルと同様に、膜タンパク質を操作できることを示した。さらに、これらのホモポリマー又は準ホモポリマーは、完全に再現性のある方法で製造でき、従って、当該分野で公知のコポリマーアンフィポルの欠点を有さないものである。
従って、本出願は、少なくとも75%、少なくとも80%、有利には少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はさらには100%の式(I):
[式中、
及びRは、独立して、H又はC−Cアルキル基(好ましくはメチル)から選択され;
X及びYは、独立して、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ(−(CO)O−)又はオキシカルボニル(−O(CO)−)基、ウレタン基(−OCONH−)、及び式(−CONR−)又は(−NRCO−){式中、Rは、水素原子又はC−Cアルキル(好ましくはメチル又はエチル)である}のアミド基から選択され;
及びRは、独立して、以下から選択され:
a)グリコシド基、
b)双性イオン残基、
c)式−(O(CH−OHのポリ(オキシアルキレン)基{式中、xは1と6の間(有利には、xは2である)に含まれ、yは4と30の間、有利には4と20の間又は4と10の間に含まれる}、
d)式−(CHCONR又は−(CHNRCORのアルキルアミド基{式中、nは1と4の間に含まれ、R及びRは、独立して、水素原子(−H)、C−Cアルキル基(好ましくはメチル)、グリコシド基、双性イオン残基、又は式−(O(CH−OHのポリ(オキシアルキレン)基(式中、xは1と6の間(有利には、xは2である)に含まれ、yは4と30の間、有利には4と20の間又は4と10の間に含まれる)から選択される};
は、5〜16個の炭素原子を含む、飽和若しくは不飽和(1つ以上不飽和)の、環式炭化水素鎖(Rは、特にシクロヘキサン、シクロペンタン又は芳香族タイプの、1つ又は2つの飽和環又は不飽和環を含んでよい)若しくは非環式炭化水素鎖(直鎖状又は分枝状)、又は式C2t+1(CHの半フッ素化炭素(hemifluorocarbonee)鎖(式中、tは2と10の間に含まれ、mは2と10の間に含まれる)である
の両親媒性モノマーを含む両親媒性ポリマーであって、ポリマーの平均モル質量が、800と100,000の間(1と120の間に含まれるモノマー数に対応する)、有利には50,000以下、好ましくは8000と50,000の間に含まれる、両親媒性ポリマーに関する。平均モル質量は、重量により示す。
「C−Cアルキル」とは、式−C2j+1(式中、x<j<yである)の直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素ラジカルを意味することを意図する。特に、C−Cアルキルは、C(メチル)、C(エチル)、C(n−プロピル又はイソプロピル)、C(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチル)、C(例えば、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル)又はC(例えば、n−ヘキシル)アルキルであってよい。
本発明のポリマーが式(I)以外の他のモノマーを含む場合には、該モノマーは、親水性基又は疎水性基により置換された側鎖を有するアクリル官能基又はビニル官能基を有するモノマーである。特に、側鎖の親水性基又は疎水性基は、PCT公報WO2008/058963の請求項3及び4に定義されるものから選択されてよく、その請求項の内容は参照により援用される。
有利には、R及びRは、独立して、H又はメチル基から選択される。より有利には、R及び/又はRは水素原子である。
また、有利には、Xは酸素原子である。
また、有利には、Yはウレタン基(−OCONH−)である。
「グリコシド基」は、糖を含む任意の基を意味することを意図する。R及び/又はRに有利なグリコシド基は、特に:
単糖若しくは二糖、又は
アミノ化された単糖若しくは二糖である。
「単糖(「monosaccharide」又は「ose」)」は、加水分解できない炭水化物モノマーを意味することを意図する。有利には、単糖は、ヘキソース(6個の炭素原子を有する単糖)から選択され、特に、グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、イドース又はマルトースから選択される。
「二糖(「disaccharide」又は「diholoside」)」は、化学的経路(熱濃酸の使用)又は酵素的経路により加水分解可能なグリコシド結合(liaison osidique)により結合された2つの単糖から形成された糖を意味することを意図する。有利には、二糖は、ラクトース(ガラクトースβ(l→4)グルコース)、セロビオース(グルコースβ(l→4)グルコース)、マルトース(グルコースα(l→4)グルコース)などの、2つのヘキソースから形成されるジヘキソースから選択される。
「多糖」は、上記で定義したような単糖から選択される少なくとも2つのモノマーからなる、直鎖状又は分枝状のポリマーから構成される糖を意味することを意図し、ある種のアミロースなど、20単位に達し得る。従って、多糖という用語には、二糖(又は二単糖(dioses))、三糖(又は三単糖(trioses))など、最大20の単糖単位が含まれる。好ましくは、単糖単位は、上記で定義したようなヘキソース単位である。
「アミノ化された単糖、二糖又は多糖」は、1つ以上のアルコール官能基(−OH)が、アミン(−NH)で置換されている、上記で定義したような任意の単糖、二糖又は多糖を意味することを意図する。グルコサミン、ガラクトサミン、フルクトサミン又はマンノサミンをアミノ化された単糖の例として挙げることができ、アミノラクチトールをアミノ化された二糖の例として挙げることができる。
単糖又は二糖は、特に、グルコース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、イドース、ラクトース、マルトース又はセロビオースのタイプのモノヘキソース又はジヘキソースが特に好ましく;グルコース、マンノース及びガラクトースが特に好ましく、とりわけグルコースが好ましい。
これらのグリコシド基は、特にXが酸素原子である場合には、アノマー炭素の酸素を介して(Oグリコシル化)、又は1位の(primaire)ヒドロキシルの酸素を介して(エステル結合)、又はアミノ化された官能基を介して(アミド結合)、又は最後はニトリド基を介して(ヒドロキシル基の置換でアノマー炭素が予め提供されている)、グラフトされる。後者の場合、糖は、予めX官能基(この特定例では酸素原子である)上にグラフトされたプロパルギル官能基でのホイヘンス反応(reaction de Huygens)により導入される。有利には、グリコシド基は、アノマー炭素の酸素を介してグラフトされる(Oグリコシル化)。
「双性イオン残基」は、非近接原子上に通常位置する、反対符号の一単位の形式電荷を有する基を意味することを意図する。これらの化合物は、同時に正電荷と負電荷とを有し、極性溶媒である水に高溶解性である。有利な双性イオン残基は、例えば、単純な(simples)ベタイン(特に、−N(CHC(CHCO 、−N(CHC(CHSO (CHC(CHOSO タイプのものであって、式中、iは1と10の間に含まれる)、又はアミノ酸官能基(特にリジン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸など)から生じ、CH=CHCONH−(CH−(式中、jは2と5の間に含まれる)などの重合可能なアクリル基を提供する。
有利な実施態様において、R及び/又はRは、グリコシド基、好ましくは単糖若しくは二糖又はアミノ化された単糖若しくは二糖、有利には単糖若しくは二糖である。好ましくは、単糖又は二糖は、モノヘキソース又はジヘキソースであり、特にグルコース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、イドース、ラクトース、マルトース又はセロビオースタイプであり、有利にはグルコース、マンノース又はガラクトースであり、再度好ましくはグルコースである。
有利には、Rは、5〜16個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和(1つ以上不飽和)の、有利には直鎖状及び/又は飽和の、環式炭化水素鎖(Rは、特にシクロヘキサン又はシクロペンタンタイプの、1つ又は2つの飽和環又は不飽和環を含んでよい)又は非環式炭化水素鎖(直鎖状又は分枝状)である。好ましくは、Rは、C−C16アルキル基、好ましくはC−C12アルキル基、特にC11アルキル基であり、有利には直鎖状である。
より正確には、本発明の有利なポリマーは、少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、有利には少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はさらには100%の式(II):
[式中、
及びRは、独立して、H又はC−Cアルキル基(好ましくはメチル)から選択され、
及びRは、上記で定義したとおりのグリコシド基であり、
は、上記で定義したとおりの5〜16個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和(1つ以上不飽和)の、環式炭化水素鎖(Rは、特にシクロヘキサン又はシクロペンタン又は芳香族タイプの、1つ又は2つの飽和環又は不飽和環を含んでよい)又は非環式炭化水素鎖(直鎖状又は分枝状)である]
の両親媒性モノマーを含む。
有利には、R及びRは、同一又は異なって、好ましくは同一の、単糖又は二糖であり、好ましくはモノヘキソース又はジヘキソースであり、特にグルコース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、イドース、ラクトース、マルトース又はセロビオースタイプであり、好ましくはグルコース、マンノース又はガラクトースであり、有利には、R及びRはグルコースである。
有利には、Rは、C−C16アルキル、好ましくはC−C12アルキル、特にC11アルキルであり、好ましくは直鎖状である。
有利な実施態様において:
− R及びRは同一であって、グルコース、マンノース又はガラクトース、好ましくはグルコースを表し、且つ
− Rは、C−C16アルキル、好ましくはC−C12アルキル、特にC11アルキルであり、有利には直鎖状である。
本発明の特に有利なポリマーは、少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、有利には少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はさらには100%の式(III):
の両親媒性モノマーを含む。
上記で定義したとおりの式(I)、(II)又は(III)のモノマーは、1つの疎水性脂肪鎖と2つの親水性基(グリコシド基又は双性イオン残基)とを含むアクリル又はビニル単位を有するモノマーである。これらは、グリコシル化、アミド化反応などの当業者に周知の化学的反応により、又はイソシアネートの使用を介して、合成されてよい。式(III)のモノマーの合成は、実施例に詳細に記載する。グルコースの代わりにガラクトース又はマンノースをグラフトするため、及び/又は別のタイプの脂肪鎖、特に任意の他のアルキル鎖をグラフトするために、完全に同等の合成経路を使用してよい。
本発明のポリマーは、主に両親媒性モノマーを含む。有利な実施態様において、本発明のポリマーは、均一な鎖を形成する、上記で定義したとおりの式(I)、(II)又は(III)のモノマーを100%含むホモポリマーであって、鎖の端で別の基と結合されていてもよい。
実際に、本発明のポリマーは、最低でも60℃まで加熱された、THF、アセトニトリル、他にメタノールなどの無水溶媒中(好ましい溶媒はTHFである)、AIBN、過酸化ベンゾイルなどのラジカル開始剤により開始される重合により調製されてよい。有利には、合成の間のポリマーサイズは、チオールタイプの連鎖移動剤の添加により調節され、モノマーに対する連鎖移動剤の濃度比によりポリマーサイズが調節される。この移動剤の存在による第二の利点(interet)は、特定の特性のために使用され得る特定の基を、鎖末端に導入することが可能となることである。従って、この場合には、本発明のポリマーは、ポリマー鎖の端に特定の基を含む。従って、本発明のホモポリマーについて言及する場合、この言及は、連鎖移動剤に由来する特定の異なる基がポリマー鎖の端に存在する可能性を含み、結果としてホモポリマーは修飾され得る。
特に、本発明のポリマーは、式R−S−のチオール官能基を含む基を鎖の端(すなわち、鎖末端の1つ)にさらに含んでよく、式中、Rは、有利には、以下から選択される:
−(CHCOOH(m=1〜11)、
−(CH−NH(m=2〜11)、
−(CH−X−R10(m=1〜11であり、X=O、NH、COO、CONH、S、ホスホネートP(O)(O−R10であり、R10は、H、CH、ベンゾイル基又はベンジル基、蛍光剤(NBD、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体など)、ビオチン、ヘキソースを含む直鎖状又は分枝状の多糖(特に三糖)、フリーラジカル捕捉剤(ニトロン、ニトロキシドタイプの環状の常磁性種など)から選択される)、
−(CH)m−CONH(CHS−R11(mは1と10の間に含まれ、pは2と11の間に含まれ、R11は、H、−C(C、蛍光剤(NBD、フルオレセインなど)、フリーラジカル捕捉剤(ニトロン、ニトロキシドタイプの環状の常磁性種など)、アクリル系又はビニル系モノマー(メチルアクリレート、アクリルアミド、THAM、ビニルアセテートなど)のオリゴマー誘導体から選択される)、
−(CH−CO(OCHCHOCO(CHS−R11(mは1と10の間に含まれ、xは3と100の間に含まれ、pは2と11の間に含まれ、R11は上記で定義したとおりである)、
−(CH−(−OCHCH−O−R10(q=1〜100であり、R10は上記で定義したとおりである)、
−(CHCONHC(CHOR12、−CHCONHC(CH)(CHOR12、又はCHCONHCH(CHOR12(rは1と11の間に含まれ、R12は、H、ベンジル基又はベンゾイル基、蛍光剤(NBD、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体など)、ビオチン、単糖又は直鎖状若しくは分枝状の多糖(アミノ化されていてもよく、好ましくは、マンノース、ガラクトース、グルコース、シアル酸、グルコサミン、ガラクトサミン及び/又はマンノサミンのモノマーからなる)、フリーラジカル捕捉剤(ニトロン、ニトロキシドタイプの環状の常磁性種など)から選択される)、
−(CHP(O)(OR13(mは2と11の間に含まれ、R13は、置換されていてもよい直鎖状C〜C16アルキル基を表す)、
−特に1つ以上のOH基で置換されていてもよい、3〜20個の炭素原子を含む直鎖状の飽和又は不飽和炭化水素鎖(有利には1つ以上のOH基で置換されていてもよい、直鎖状C−C20アルキル基又は直鎖状C−C20アルケニル基(例えばフィトールなど))、又は
−全フッ素置換鎖である式C2t+1(CH(tは2と10の間に含まれ、mは2と10の間に含まれる)。
これらのチオールタイプの化合物はすべて、商業的に入手可能であるか、又は単純で高収率な化学反応により容易に調製されるかのいずれかである。
「直鎖状C−C20アルケニル」は、3〜20個の炭素原子と少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖状炭化水素鎖を意味することを意図する。
有利には、Rは、−(CHCONHC(CHOR12、CHCONHC(CH)(CHOR12又は−CHCONHCH(CHOR12(rは1と11の間に含まれ、Rは、H、ベンジル基又はベンゾイル基、蛍光剤(NBD、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体など)、ビオチン、又は単糖又は直鎖状若しくは分枝状の多糖であって、アミノ化されていてもよく、好ましくはマンノース、ガラクトース、グルコース、シアル酸、グルコサミン、ガラクトサミン及び/又はマンノサミンのモノマーの化合物を表す。
特に好ましい連鎖移動剤は、Rが(CHCONHC(CHOH)であるものである。
本発明のポリマーが、式(I)のモノマーを100%含む場合、結果として式(IV):
(式中、R〜R及びRは上記で定義したとおりであり、nは、ポリマーが、800と100,000の間(nが1と120の間に含まれる場合に相当)、有利には50,000以下(nは60以下)、好ましくは8000と50,000の間(nは1と60の間に含まれる)の平均モル質量を有するようなものである)
のポリマーとなる。
本発明のとりわけ好ましいポリマーは、式(V):
(式中、nは1と120の間、好ましくは1と60の間に含まれる)
のポリマーである。
本発明は、少なくとも60℃で、無水溶媒中、ラジカル開始剤の存在下で、上記の式(I)、(II)又は(III)のモノマーと連鎖移動剤とを反応させる工程を含む、本発明の両親媒性ポリマーの調製方法にも関する。
連鎖移動剤は、チオールタイプの化合物、好ましくは式(VI):
−SH (VI)
(式中、Rは上記で定義したとおりである)
の化合物である。
ラジカル開始剤は、特に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は過酸化ベンゾイルであってよい。
本発明は、疎水性又は両親媒性化合物、有利には膜タンパク質と本発明の両親媒性ポリマーとの水溶性複合体にも関する。有利には、膜タンパク質は、膜酵素、膜受容体、膜イオンチャネル、膜抗原(微生物又は腫瘍のもの)、及び医薬タンパク質(特に抗体など)からなる群から選択される。さらに、本発明の複合体は、凍結又は凍結乾燥形態であってよい。
本発明は、本発明の1つ以上の複合体を、1g/L超、有利には2g/L超、3g/L超又は4g/L超、好ましくは5g/L超、6g/L超、7g/L超、8g/L超、9g/L超又は10g/L超の濃度で有する水溶液にも関する。該濃度は、有利には500g/L未満である。好ましくは、溶液の濃度は、10g/Lと500g/Lの間である。
本発明は、支持体と、少なくとも1つの本発明の複合体とを含む製品であって、該複合体が、本発明の両親媒性ポリマーを介して該支持体上に固定されている製品にも関する。
最後に、本発明は、生物学的サンプル中の前記疎水性又は両親媒性化合物のリガンドの存在又は不在を検出するための、本発明の複合体、水溶液又は製品の使用に関する。
図1には、両親媒性テロマー粒子のサイズ及び分散度について、分子篩濾過による推定を示す。ホモテロマーの保存溶液100μL(バッチSS174)を900μLのトリス/HClバッファー(20mM トリス、100mM NaCl、pH=8.5)で希釈し、Superose 12 10−300GLカラムに注入した。トリスバッファーで溶出を行い、220nmで検出した。Vo及びVrは、それぞれ、カラムの排除体積及び全体積を示す(それぞれ、7.53及び19.9mL)。見かけのストークス半径は2.6nmである。比較のために、従来のアニオン性アンフィポルA8−35タイプのサンプルを同一条件で分析した(バッチFGH20)。A8−35粒子の見かけのストークス半径は、3.15nmである。 図2には、tOmpA/両親媒性テロマー複合体のサイズ及び分散度について、分子篩濾過による推定を示す。バクテリア大腸菌の外膜タンパク質OmpAの膜貫通ドメイン(tOmpA)を、1:4(中心のピーク)又は1:10(右側のピーク)の2つの異なるタンパク質/ポリマー質量比で、両親媒性ホモテロマーにより捕捉し、トリス/HClバッファー(20mM トリス、100mM NaCl、pH=8.5)で希釈したサンプルをSuperose 12 10−300GLカラムに注入した。トリスバッファーで溶出を行い、280nmで検出した。ピークは、同一の最大値に対して正規化されている。Vo及びVrは、それぞれ、カラムの排除体積及び全体積を示す。比較のために、従来のアニオン性アンフィポルA8−35タイプで捕捉したtOmpAのサンプルを同一条件で分析した(左側のピーク)。溶出量は、左から順に、11.9、12.2及び12.6mLである:半分の高さ(mi−hauteur)のピーク幅は、それぞれ、1.00、1.13及び0.89mLである。 図3には、A8−35又は非イオン性ホモテロマーで捕捉した後のバクテリオロドプシンのUV/可視吸収スペクトルを示す。1:5のタンパク質/アンフィポル質量比でBRを捕捉した。アンフィポルは、A8−35(バッチ5FGH20;黒)又は非イオン性ホモテロマー(バッチSS174:グレー;バッチSS298:黒破線)のいずれかである。洗剤を除去した直後にスペクトルを記録した(BioBeadsとともに4℃で2時間インキュベートし、16,000×gで30分間遠心分離)。
実施例1:両親媒性ホモポリマーの調製
1.1 ジグルコシル化アクリルアミドモノマーの合成:N−(1.1−ジ(O−β−D−グルコピラノシルオキシメチル)−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)メチル)アクリルアミドの実施例
残りの実施例で使用するモノマーを生産する第一の方法では、市販のTHAM(トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタンから90%超の収率で得られうる)から下記スキーマ1に従い、3つの工程で合成を行う。
スキーマ1:ジグルコシル化アクリルアミドモノマーを合成する第一の方法
試薬及び反応条件:a)(CHC(OCH、CHCN、apts、20°、R=80%;CH(CH10NCO、DABCO、トルエン、80℃、R=98%;樹脂MK−10、48時間、CHC1、84%);HgCN2、ドライエライト、トルエン、アセトブロモグルコース(3当量)、)))、r=63%。
イソプロピリデンTHAMの合成
初めに、周囲温度で、アセトニトリル中、触媒量のパラトルエンスルホン酸の存在下で、THAMをジメトキシプロパンで24時間処理することにより、イソプロピリデン基の形態で2つのヒドロキシル官能基をブロックする。通常の処理後、イソプロピリデンTHAMは結晶化し、80%の収率で単離される。
5−アクリルアミド−5−ウンデシルカルバモイルオキシメチル−2,2ジメチル−シクロール,3ジオキサへキサン
イソプロピリデンTHAM(2.64g、12.28mmol、1.0当量)及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンDABCO(4.05g、14.74mmol、1.2当量)を無水トルエンに溶解し、混合物をアルゴン下で30分間加熱還流する。ドデシルイソシアネート(2.91g、14.74mmol、1.2当量)のトルエン溶液を、80℃に維持した溶液に滴下する。12時間撹拌した後、5滴のメタノールを添加し、混合物を酢酸エチル(150mL)中に投入する。有機相を1N HC1(3×100mL)及びNaCl飽和溶液(2×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、カルバメート基により結合されたウンデシル鎖を備えるイソプロピリデンTHAM化合物を白色粉末の形態で得る(5.0g、12.12mmol、98%)。R約0.7、酢酸エチル/シクロヘキサン(7:3 v/v)。H NMR(CDC1δ7.01(s,1H),6.21(dd,J=1.6及び17.0Hz,1H),6.08(dd,J=10.0及び17.0Hz,1H),5.65(dd,J=1.6及び10.0Hz,1H),4.99(m,1H),4.72(d,J=12.1Hz,2H),3.62(d,J=12.0Hz,2H),3.20(q,J=6.7Hz,2H),1.62(s,3H),1.48(m,2H),1.42(s,3H),1.27(s,18H),0.89(t,J=6.6Hz,3H).13C NMR(CDC1δ165.7,157.6(CO),131.4(CH),126.5(CH),98.5(C),64.9,60.5(CH),53.5(C),43.0,41.3,10 31.9,31.3,29.8,29.6,29.6,29.5,29.3,26.7(CH),26.6(CH),22.7(CH),21.0,14.1(CH)。
N−(1,1−(2’,3’,4’,6’テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ−メチル)−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)−メチル)−アクリル−アミド
上記化合物(5.0g、12.12mmol)及び樹脂MK−10(30g)をジクロロメタン(200mL)中、48時間撹拌し、次いで短いセライトカラムで樹脂を濾過し、メタノール(2×100mL)ですすぐ。有機相を減圧下で濃縮して、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)メチル)−アクリルアミド(3.8g、10.2mmol、84%)を得る。この化合物(2.0g、5.37mmol、1.0当量)、シアン化水銀(2.13g、16.10mmol、3.0当量)及びドライエライトをアルゴン下、トルエン中で混合する。2分間超音波処理をした後、ブロモテトラアセチルグルコースTAGB(6.62g、16.10mmol、3当量)を添加し、混合物を30分間超音波処理に供する。次いで、反応混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(100mL)ですすぐ。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×100mL)、水(100mL)、10%ヨウ化カリウム溶液(4×50mL)、チオ硫酸塩飽和溶液(4×50mL)及び水(2×50mL)で連続して洗浄する。有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーに供し、酢酸エチル/シクロヘキサン(3:7 v/v)で溶出して、所期のモノマーを白色粉末の形態で得る(3.5g、3.39mmol、63%)。R約0.35、酢酸エチル/シクロヘキサン(7:3 v/v)。Mp=58.0℃。[α 25]=−12.70(c,1,CHC1)。H NMR(CDC1)δ6.92(s,1H),6.24(dd,J=1.4及び16.0Hz,1H),6.04(dd,J=10.0及び16.9Hz,1H),5.64(dd,J=1.4及び10.0Hz,1H),5.3−4.9(m,7H),4.5(m,2H),4.4−3.9(m,10H),3.71(dt,J=2.4及び7.3Hz,2H),3.16(q,J=6.5Hz,2H),2.11,2.07,2.05,2.02(5s,24H),1.34(m,18H),0.89(t,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(CDCl)δ170.8,170.7,170.7,170.2,169.6,169.5,169.5,169.5,165.7,157.2(CO),131.3(CH),126.6(CH),101.0,100.8,77.3,72.6,72.5,71.8,71.8,71.1,68.3,68.2,(CH),68.6,68.3,68.0,64.5,61.7,60.4(CH),59.6(C),41.2,31.9,29.8,29.6,29.3,26.8,26.8,22.7(CH),21.1,20.8,20.8,20.7,20.7,20.6,20.6,20.6,14.2(CH)。HRMS(ESI+)C477223について計算値([M+H]+):1033.4599 実測値:1033.4609[M+H]+。
別法として、アクリルアミドモノマー(N−(1,1−ジ(−O−β−D−グルコピラノシルオキシメチル)−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)メチル)アクリルアミド)の合成を、市販のTHAM(トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタンから90%超の収率で得られうる)から下記スキーマ1に従い、2つの工程で行う。
スキーマ2:ジグルコシル化アクリルアミドモノマーを合成する第二の方法
試薬及び反応条件:a)THAM(5当量)、CH(CH10NCO(1当量)、DABCO(0.5当量)、DMF、60℃、3H、R=80%;b)HgCN、ドライエライト、トルエン、アセトブロモグルコース(3当量)、)))、r=63%
N−1,1−ジ(ヒドロキシメチルメチル)−1(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)−メチル)アクリルアミド
60℃まで加熱した40mLのDMF中、THAM(21.9g、125mMol、5当量)及びジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)(1.5g、13.4mMol、0.5当量)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、10mLの塩化メチレンに予め可溶化したウンデシルイソシアネート(5g、25mMol、1当量)を滴下する。ウンデシルイソシアネートが完全に消失するまで、反応混合物を60℃で維持する(約30分間)。次いで、減圧下で溶媒を留去し、沈殿を200mLの塩化メチレンで回収する。懸濁液を周囲温度で15分間機械的に撹拌する。残った沈殿を濾過し、再度100mLの塩化メチレン懸濁物中に回収し、次いでもう一度濾過する。この操作を2回繰り返す。残った沈殿を無水メタノールですぐに再結晶化して、16.5gのTHAMを得、これは再度反応に置くことができる。有機相を合わせ、2×50mLの1N HCl溶液、2×50mLの炭酸ナトリウム飽和溶液及び2×50mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。2/8のAcOEt/ヘキサン溶液中で粗生成物を結晶化して、N−1,1−ジ(ヒドロキシメチルメチル)−1(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)−メチル)アクリルアミドを白色粉末の形態で得る(7.55g、R=80%)。R約0.5(酢酸エチル/シクロヘキサン(8:2 v/v)。H NMR(DMSOd)δ7.56(s,1H),7.12(t,J=5,1H),6.36(dd,J=10及び17.5Hz,25 1H),6.04(dd,J=2.2及び17.5Hz,1H),5.56(dd,J=2.2及び10Hz,1H),4.87(m,2H),4.17,(s,2H),3.63(s,2H),3.61(s,2H),2.95(m,2H),1.37(m,2H),1.24(m,16H),0.86(t,J=6.75,3H)。13C NMR(DMSOd)δ166.5,156.8,132.8,125.5(CO),62.6,61.5,60.4(CH),31.8,29.9,29.5,29.2,29.3,26.7,22.6,14.5(CH)。
N−(1,1−(2’,3’,4’,6’テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ−メチル)−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)−メチル)−アクリル−アミド
上記化合物(2.0g、5.37mmol、1.0当量)、シアン化水銀(2.13g、16.10mmol、3.0当量)及びドライエライトをアルゴン下、トルエン中で混合する。2分間超音波処理した後、ブロモテトラアセチルグルコースTAGB(6.62g、16.10mmol、3当量)を添加し、混合物を30分間超音波処理に供する。次いで、反応混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(100mL)ですすぐ。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×100mL)、水(100mL)、10%ヨウ化カリウム溶液(4×50mL)、チオ硫酸塩飽和溶液(4×50mL)及び水(2×50mL)で連続して洗浄する。有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーに供し、酢酸エチル/シクロヘキサン(3:7 v/v)で溶出して、所期のモノマーを白色粉末の形態で得る(3.5g、3.39mmol、63%)。R約0.35、酢酸エチル/シクロヘキサン(7:3 v/v)。Mp58.0°C。[α 25]=−12.70(c,1,CHC1)。H NMR(CDC1)δ6.92(s,1H),6.24(dd,J=1.4及び16.0Hz,1H),6.04(dd,J=10.0及び16.9Hz,1H),5.64(dd,J=1.4及び10.0Hz,1H),5.3−4.9 15(m,7H),4.5(m,2H),4.4−3.9(m,10H),3.71(dt,J=2.4及び7.3Hz,2H),3.16(q,J=6.5Hz,2H),2.11,2.09,2.07,2.05,2.02(5s,24H),1.34(m,18H),0.89(t,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(CDCl)δ170.8,170.7,170.7,170.2,169.6,169.5,169.5,169.5,165.7,157.2(CO),131.3(CH),126.6(CH),101.0,100.8,77.3,72.6,72.5,71.8,71.8,71.1,68.3,68.2,(CH),68.6,68.3,68.0,64.5,61.7,60.4(CH),59.6(C),41.2,31.9,29.8,29.6,29.3,26.9,26.8,26.8,22.7(CH),21.1,20.8,20.8,20.7,20.7,20.6,20.6,20.6,14.2(CH)。HRMS(ESI+)C477223の計算値([M+H]+):1033.4599実測値:1033.4609[M+H]+。
1.2 NAPolの合成
テロマーの合成(スキーマ3)は、ポリベンゾイル化されたトリス基を有するメルカプトプロピオン酸誘導体移動剤の使用による。これらの異なるベンゾイル基は、強いUV吸収を有し、ポリマー鎖の末端に位置する。結果として、それらは、最終生成物のUV吸収を測定することによる、テロマー質量の正確な測定、ひいては平均重合度の正確な測定を可能にする。ここで、トリベンゾイル化官能基の選択は、関心のある官能基(フルオレセイン、コレステロール、ビオチン、ニトロンなど)の導入(使用した移動剤の特性による)、すなわち鎖末端官能化の可能性の一例としてみなしてよいことに留意すべきである。この官能化は、テロゲンに予め導入された活性エステル型基の中間体(ヒドロキシスクシンイミド、パラニトロ−ベンゾアート、ペンタフルオロ−ベンゾアートなど)を介したテロ重合(telomerisation)の後に行うこともできる。
NAPolの合成は以下のスキーマ3に続く:
スキーマ3:ホモテロマー合成の略図
試薬及び条件:(a)AIBN(0.5当量)、THF、Ar、66℃、24h、約51%;(b)MeONa、MeOH、pH=8〜9、周囲温度、12h、約65%(透析後)。
モノマーTHAM、N−(1,1−(2’,3’,4’,6’テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ−メチル)−1−(ウンデシルカルバモイルオキシメチル)−メチル)−アクリル−アミド(1.0g、0.968mmol、40.0当量)をTHF(15mL)に溶解する。溶液をアルゴンバブリングにより脱気し、30分間加熱還流する。次いで、THFに溶解したテロゲン剤TA(12.62mg、0.024mmol、1.0当量)(その合成は、以前に記載されている(Sharmaら))及びAIBN(1.98mg、0.012mmol、0.5当量)をマイクロシリンジで添加する。モノマーが完全に消失するまで、反応混合物を還流状態で撹拌する(約24時間)。次いで、減圧下で濃縮し、粗テロマーをサイズ排除クロマトグラフィー(Sephadex(登録商標)LH−20)により、MeOH/CHCl混合物(1:1,v/v)で溶出することにより単離し、次いで減圧下で乾燥する。保護形態のテロマーが白色粉末の形態で単離される(0.524g、52%)。R=0.0酢酸エチル/シクロヘキサン(6:4 v/v)。H NMR(250MHz,CDClδppm)0.8(アルキル鎖の−CH),1.3−1.7(アルキル鎖の(−CH10,2.1−2.4(broad s,−OCOCH),3.1(−NH− 隣接メチレン),4.8−5.3(m,グルコース単位 2H,3H,4H,5H,及び6H),6.6(−NH),7.4−8.1(3つのt,TAのC)。
H NMR及びUVによりモル質量を決定した後、ホモテロマー(2.0g、1.91mmol)をアルゴン雰囲気下で無水メタノール(50mL)に溶解する。触媒量のナトリウムメトキシドMeONaを添加し、溶液を周囲温度で一晩撹拌する。次いで、溶液を酸性樹脂IRC50で、15分間撹拌することにより(pH=8まで)中和する。樹脂を濾過し、溶媒留去した後、カットオフポイントが6〜8kDaである膜でテロマーを透析する。精製したポリマーを凍結乾燥により単離し、該ポリマーを白色粉末の形態で得る(0.850mg、65%)。H NMR(250MHz,DMSO−d,δppm)0.8(アルキル鎖の−CH),1.2−1.6(アルキル鎖の(−CH10),3.2(−NH−隣接メチレン),4.8−5.2(m,グルコース単位 2H,3H,4H,5H,及び6H),7.1(−NH)。
開発された技術は普遍的であり、種々の糖(特にガラクトース及びマンノース)を有するモノマー官能基及びフッ素化炭素鎖を有するモノマーに適用でき、既に適用されている。さらに、親水性モノマーと疎水性モノマーとの混合物について本発明者らが以前に立証したように、この技術は、両親媒性であるか、疎水性であるか、又は親水性であるかに関わらず、各種モノマーを組み込んだコテロマーに容易に拡張することができる。
実施例2:得られたホモテロマーの再現性
モノマー及びテロゲン剤TAの相対量の関数として、異なるホモテロマーを合成した。合成条件及び合成されたホモテロマーの化学構造を表1に要約する。
表1:種々のNAPolの合成条件及び化学構造
さらに、同一の前駆体及び同一条件で、複数の異なるバッチを介してSS298及びSS325を合成した。SS298バッチの再現性分析を以下の表2に示す。
表2:SS298バッチの再現性
これらの結果から、本発明の両親媒性ホモテロマーバッチの良好な再現性が示される。
実施例3:ホモテロマーの特徴付け及び物理化学的性質
実施例3及び4において、本発明の新規両親媒性ホモテロマーを、下記式のコポリマーアニオン性アンフィポルである参照アンフィポルA8−35と比較する:
スキーマ4:アンフィポルA8−35の化学式
実施例1で調製した本発明の両親媒性ホモテロマーはすべて、エステル官能基の加水分解後に、100g/L超の水溶解度を有する。溶液は無色で、激しく撹拌した後わずかに泡立つ。表面張力測定によっては、いずれの臨界ミセル濃度(CMC)も臨界凝集濃度(CAC)も検出できず、これにより、参照アンフィポルA8−35に関しては、CACが極めて低いことが示される。小角中性子散乱測定(SANS;示さず)及び分子篩濾過(SEC;図1)は、このタイプのテロマーが水溶液中で合わさって、50kDaのオーダーの総質量を有する粒子を形成することを示しており、これは、2つのテロマー分子の会合に実質的に相当し、従来のA8−35タイプのアンフィポルで以前に測定された値(約40kDa)と近い。有効半径は、A8−35粒子の半径と同程度(約2.6nm対約3.15nm)であり、その分散度も同程度である(図1)。擬弾性光散乱(QLS)により観察されるように、これらテロマー溶液は、直径5〜6nmの均一サイズの粒子を形成しているようであり、これは、SECデータと十分に一致する(表3)。粒子サイズは、濃度(表3)又は温度(表4)にあまり影響されない。
表3:異なる温度でQLSにより測定された、10、50及び100g/Lの濃度での非イオン性ホモテロマーSS174の粒径
表4:異なる温度でQLSにより測定された、50g/Lの濃度での非イオン性ホモテロマーSS298、SS293及びSS292の粒径
このように、本発明の非イオン性両親媒性ホモテロマーの物理的/化学的性質の特徴付けは、これらのアンフィポルが、コポリマーアニオン性アンフィポルA8−35の性質と類似する性質を有することを示す。
実施例4:ホモテロマーと膜タンパク質との複合体形成(complexation)
定義により、アンフィポルとは、洗剤の不在下において、膜タンパク質を溶解性のままにし、生化学的に安定なままにするために設計された両親媒性ポリマーである。これら2つの機能を満たす本発明の非イオン性ホモテロマーの能力を、2つのタンパク質(大腸菌の外膜タンパク質OmpAの膜貫通領域(tOmpA)及びバクテリオロドプシン(BR))で試験した。これら2つのタンパク質は、膜貫通タンパク質が取る2つの主要な構造タイプであるβバレル(tOmpA)とヘリックスバンドル(BR)を代表する。さらに、BRは、洗剤溶液中で比較的不安定なタンパク質であり、その変性は、補因子であるレチナールの放出によって生じる約564nmでの吸収損失(ホロタンパク質の消失)及び380nmでのピーク出現(遊離レチナールに起因する)により容易に測定される。
表5に要約したデータは、洗剤の濃度が、洗剤を含まないバッファーで希釈するか(tOmpA)、又はポリスチレンビーズに吸着させることにより(BR)、その臨界ミセル濃度を下回った後でも、試験したホモテロマーの2つのバッチが、参照アニオン性アンフィポルA8−35と事実上同程度に、溶液中、2つのタンパク質を効率的に維持することを示す:溶液中での保持率は、A8−35による複合体形成後には89〜98%になったのに対し、75から94%まで変動するが、tOmpAで観察された差異(約75%対約90%)は、おそらく、非イオン性アンフィポルとともに形成された複合体がより高密度であるために、溶液中での保持試験として使用した高速遠心分離の間にわずかな沈殿がもたらされたことに起因する。BRについてはより低速を使用したが、これにより、溶液中での保持における差があまり重要でない理由が説明される(アンフィポル不在下でのタンパク質の沈殿(ライン2)はあまり完全ではない)。
表5:溶液中で膜タンパク質を保持する非イオン性テロマーの能力
tOmpA及びBRの洗剤溶液に、指定の質量比で、バッチSS174(4〜5)又はバッチSS298(6〜7)のいずれかの、上記スキーマ3に記載のタイプの非イオン性ホモテロマーを添加した。20分間インキュベートした後、tOmpA溶液を、洗剤を含まないバッファーで希釈して、洗剤の濃度をcmc未満に低下させ、他方、BR溶液にはポリスチレンビーズ(BioBeads)を添加し、洗剤をそこに吸着させた。2時間インキュベートした後、溶液を200,000×g(tOmpA)又は16,000×g(BR)で30分間遠心分離した。上清中に存在するタンパク質画分は、280nm(tOmpA、BR)又は554nm(BR)での吸収を測定することにより推定した。コントロールには、洗剤溶液中のタンパク質サンプルを、そのcmcを超える濃度の洗剤溶液で希釈したもの(1)、又は洗剤を含まないバッファーで希釈したもの(2)、及びアニオン性アンフィポルA8−35で捕捉する実験(3)が含まれ、これらは実験4〜7と同一条件で実施した。n.d.:測定せず。
予備データ(示さず)は、非イオン性BR/テロマー複合体が、BR/A−35複合体と同程度のサイズであり(SEC)、ひいては生化学及び生物物理学での使用に適合する小さなサイズであることを示す。図2で明確に示されるとおり、非イオン性tOmpA/テロマー複合体も同様である。
BRに対して非イオン性ホモテロマーが悪影響を及ぼさないことは、A8−35で捕捉されたBR、又は試験した2つのバッチの非イオン性ホモテロマーのそれぞれで捕捉されたBRのUV/可視スペクトルにより説明される(図3)。3つのケースにおいて、554及び280nmでの吸収の比率、並びに380nmに有意なピークが存在しないことは、タンパク質がネイティブであって、その補因子を放出していないことを示す(バッチSS174で捕捉されたサンプルについて、280nmでの吸光度がわずかに高いのは、わずかな濁りに起因する)。
要約すると、実施した生化学試験により、本発明の非イオン性両親媒性ホモテロマーが、a)効率的に膜タンパク質を捕捉し、洗剤の不在下において、溶液中で膜タンパク質を保持し:b)A8−35などのアニオン性アンフィポルとともに形成される複合体と同程度のサイズ及び分散度の小さな複合体を膜タンパク質とともに形成し:且つc)洗剤溶液と比較して膜タンパク質を安定させる、ことを確認することが可能になる。すなわち、これらのポリマーは、アンフィポルを作製する特性の全てを有し、アンフィポルの適用全てに役立つことができ、その非イオン性の特徴がそれらに与える更なる利点を有し、それらの合成の高い再現性を有し、テロマー鎖ごとに、決められた単一の官能基をその上にグラフトするか、又はA8−35について以前に実施されたように、確率的な方法でそれらを官能化するかのいずれかが可能であるという容易性を有する。
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Claims (25)

  1. 式(I):
    [式中、
    及びRは、独立して、H又はC−Cアルキル基から選択され;
    X及びYは、独立して、酸素原子、カルボニルオキシ(−(CO)O−)又はオキシカルボニル(−O(CO)−)基、ウレタン基(−OCONH−)、及び式(−CONR−)又は(−NRCO−){式中、Rは、水素原子又はC−Cアルキルである}のアミド基から選択され;
    及びRは、独立して、グリコシド基から選択され;
    は、5〜16個の炭素原子を含む、飽和若しくは不飽和の、環式炭化水素鎖若しくは非環式炭化水素鎖(直鎖状又は分枝状)、又は式C2t+1(CHの半フッ素化炭素鎖(式中、tは2と10の間に含まれ、mは2と10の間に含まれる)である
    の両親媒性モノマーを少なくとも75%含む両親媒性ポリマーであって、ポリマーの重量平均モル質量が、800と100,000の間に含まれる、両親媒性ポリマー
  2. 及び/又はRが水素原子であることを特徴とする、請求項1記載の両親媒性ポリマー。
  3. Xが酸素原子であることを特徴とする、請求項1又は2記載の両親媒性ポリマー。
  4. Yがウレタン基(−OCONH−)であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項記載の両親媒性ポリマー。
  5. 及び/又はRが、
    − 単糖若しくは二糖、又
    ミノ化された単糖若しくは二糖
    から選択されるグリコシド基であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項記載の両親媒性ポリマー。
  6. 前記単糖若しくは二糖が、グルコース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、イドース、ラクトース、マルトロース及びセロビオースのタイプのモノヘキソース若しくはジヘキソースから選択されることを特徴とする、請求項5記載の両親媒性ポリマー。
  7. 前記アミノ化された単糖若しくは二糖が、グルコサミン、アミノ化ガラクトース、フルクトサミン、アミノ化マンノース及びアミノラクチトールから選択されることを特徴とする、請求項5記載の両親媒性ポリマー。
  8. 及びRがグルコースであることを特徴とする、請求項5記載の両親媒性ポリマー。
  9. がC−C16アルキル基であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項記載の両親媒性ポリマー。
  10. が直鎖状C 11 アルキル基であることを特徴とする、請求項9記載の両親媒性ポリマー。
  11. 式(III):
    のモノマーを少なくとも75%含むことを特徴とする、請求項1記載の両親媒性ポリマー。
  12. 式(I)又は(III)の両親媒性モノマーを100%含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項記載の両親媒性ポリマー。
  13. 式R−S−
    [式中、Rは、
    −(CHCOOH(m=1〜11)、
    −(CH−NH(m=2〜11)、
    −(CH−OR10(m=1〜11であり、R 10は、H、CH、ベンゾイル基又はベンジル基、蛍光剤、ビオチン、ヘキソースを含む直鎖状又は分枝状の多糖、フリーラジカル捕捉剤から選択される)、
    −(CH−CONH(CHS−R11(mは1と10の間に含まれ、pは2と11の間に含まれ、R11は、H、−C(C、蛍光剤、フリーラジカル捕捉剤、アクリル系又はビニル系モノマーのオリゴマー誘導体から選択される)、
    −(CH−CO(OCHCHOCO(CHS−R11(mは1と10の間に含まれ、xは3と100の間に含まれ、pは2と11の間に含まれ、R11は、H及び−C(Cから選択される)、
    −(CH(OCHCH−O−R10(q=1〜100であり、R10は、H、CH、ベンゾイル基又はベンジル基、蛍光剤、ビオチン、アミノ化されていてもよい、単糖又は直鎖状若しくは分枝状の多糖から選択される)、
    −(CHCONHC(CHOR12、−CHCONHC(CH)(CHOR12、又はCHCONHCH(CHOR12(rは1と11の間に含まれ、R12は、H、ベンジル基又はベンゾイル基、蛍光剤、ビオチン、アミノ化されていてもよい、単糖又は直鎖状若しくは分枝状の多糖から選択される)、
    −(CHP(O)(OR13(mは2と11の間に含まれ、R13は、置換されていてもよい直鎖状C〜C16アルキル基を表す)、
    −置換されていてもよい、3〜20個の炭素原子を含む直鎖状の飽和又は不飽和炭化水素鎖、又は
    −全フッ素置換鎖である式C2t+1(CH(tは2と10の間に含まれ、mは2と10の間に含まれる)
    から選択される]
    のチオール官能基を含む基を鎖の端にさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項記載の両親媒性ポリマー。
  14. 両親媒性ポリマーが、式(V):
    (式中、nは1〜120の間に含まれる
    で表されることを特徴とする、請求項1記載の両親媒性ポリマー。
  15. nが1と60の間に含まれることを特徴とする、請求項14記載の両親媒性ポリマー。
  16. 少なくとも60℃で、無水溶媒中、ラジカル開始剤の存在下で、式(I)又は(III)のモノマーと連鎖移動剤とを反応させる工程を含む、請求項1乃至1のいずれか一項記載の両親媒性ポリマーの調製方法。
  17. 疎水性又は両親媒性化合物と、請求項1乃至1のいずれか一項記載の両親媒性ポリマーとの、水溶性複合体。
  18. 疎水性又は両親媒性化合物が膜タンパク質であることを特徴とする、請求項17記載の水溶性複合体。
  19. 膜タンパク質が、膜酵素、膜受容体、膜イオンチャネル、微生物又は腫瘍の膜抗原、及び医薬タンパク質からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の水溶性複合体。
  20. 医薬タンパク質が抗体であることを特徴とする、請求項19記載の水溶性複合体。
  21. 凍結形態又は凍結乾燥形態である、請求項17乃至20のいずれか一項記載の水溶性複合体。
  22. 請求項1乃至21のいずれか一項記載の水溶性複合体の1つ以上を1g/L超の濃度で有する水溶液。
  23. 請求項17乃至21のいずれか一項記載の水溶性複合体の1つ以上を10g/Lと500g/Lの間の濃度で有することを特徴とする、請求項22記載の水溶液。
  24. 支持体と、請求項1乃至21のいずれか一項記載の水溶性複合体の少なくとも1つとを含む製品であって、請求項1乃至1のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマーを介して、水溶性複合体が支持体に固定されている、製品。
  25. 生物学的サンプル中の疎水性又は両親媒性化合物のリガンドの存在又は不在を検出するための、請求項1乃至21のいずれか一項記載の水溶性複合体又は請求項22若しくは23記載の水溶液又は請求項24記載の製品、の使用。
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