JP5305433B2 - 浸透桝、浸透側溝及びこれらを用いた浸透装置 - Google Patents
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この種の浸透桝などは、例えば下記特許文献1、2に開示されている。
下記特許文献1の浸透桝は、側壁に多数の排水孔を設け、この排水孔から桝内部の水を周囲の土壌(砕石)に浸透させるものである。
下記特許文献2の浸透桝は、側壁に鉛直方向の長穴を設け、この長穴から桝内部の水を周囲の土壌(砕石)に浸透させるものである。
その他にも、側壁の全部又は一部をポーラスコンクリートで形成し、そのポーラスコンクリートから水を外部に浸透させるものもある。
また、下記特許文献3には、塵を除去する皿状のフィルタを桝の蓋受部や、縁塊と側塊の間に支持させて装着する技術が開示されている。
このように、側壁に多数の排水孔を設けた浸透桝は排水孔が単粒度砕石で塞がれ、排水機能が著しく低下するおそれがあるという問題があった。
また、枯葉などの塵が桝内に入り込むのを防止する塵除去フィルタを所望の高さに容易に装着し、またフィルタを容易に取り出して清掃できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、外周にJIS A 5001−1988における単粒度砕石が充填される浸透桝であって、
鉛直方向に延びた筒状のコンクリート製側壁を有し、前記側壁外面に側壁のコンクリートを切欠して設けた溝を形成すると共に、該溝底のコンクリート面に複数の排水孔を該溝の長さ方向に沿って一列に開口した桝であって、各排水孔はその外側部分全体が溝底のコンクリート面に開口していて側壁外表面には形成されておらず、前記溝の側壁表面における幅が、浸透桝の外周に充填する前記単粒度砕石の呼び径以下であることを特徴とする浸透桝である。
単粒度砕石の呼び径とは、JIS A 5001−1988における単粒度砕石の呼び名の数字部分(単位はmm)である。
また本発明は、前記溝が、鉛直方向又は水平方向に形成されている請求項1の浸透桝である。
溝を鉛直方向に形成することにより、桝の内側の水が外側に拡散する効率がよくなる。
溝を水平方向に形成することにより、型枠で桝を製造するときに有利となる場合がある。
また本発明は、両端を、相対する2つの前記排水孔に支持された複数の支持棒を浸透桝内に設置し、該支持棒の上で塵除去フィルタを支持せしめた請求項1又は2の浸透桝である。
また本発明は、外周にJIS A 5001−1988における単粒度砕石が充填されるコンクリート製の浸透側溝であって、
筒状、U字状又は逆U字状の断面を有し、その側壁外面に側壁のコンクリートを切欠して設けた溝を形成すると共に、該溝底のコンクリート面に複数の排水孔を該溝の長さ方向に沿って一列に開口した側溝であって、各排水孔はその外側部分全体が溝底のコンクリート面に開口していて側壁外表面には形成されておらず、前記溝の側壁表面における幅が、側溝の外側に充填する前記単粒度砕石の呼び径以下であることを特徴とする浸透側溝である。
また本発明は、前記溝が、鉛直方向又は水平方向に形成されている請求項4の浸透側溝である。
溝を鉛直方向に形成することにより、側溝の内側の水が外側に拡散する効率がよくなる。
溝を水平方向に形成することにより、型枠で側溝を製造するときに有利となる場合がある。
また本発明は、請求項1、2又は3の浸透桝を地中に埋設すると共に、その側壁の外周に単粒度砕石を充填したことを特徴とする浸透装置である。
また本発明は、請求項4又は5の浸透側溝を地中に埋設すると共に、その側壁の外側に単粒度砕石を充填したことを特徴とする浸透装置である。
このため、同図に示されるように、溝4の一部は砕石14によって塞がれるが、溝のほとんどの部分は塞がれることがない。また、排水孔5も砕石14によって塞がれることがほとんどない。したがって、ほぼ全部の排水孔5が排水機能を発揮し、砕石で塞がれ排水機能が低下するおそれがない。さらに、溝4の中を水が流れることができるので、排水孔5から溝4に出た水は、浸透性の優れた砕石部分から多量に砕石内に浸透し、排水効率が非常に高くなる。
また、本発明の浸透桝は、塵除去フィルタを流入管よりも低い位置に容易に装着することが可能となり、またフィルタを容易に取り出して清掃し、再装着できる。
図1は浸透桝1本体の側面図、図2は浸透桝1本体の上面図、図3は図1におけるA−A線断面図、図4は塵除去フィルタの上面図、図5は塵除去フィルタを装着した浸透桝1の断面図、図6は浸透桝1の施工例の断面説明図、図7は浸透側溝20の側面図、図8は図7におけるB−B線断面図、図9は本発明における溝4及び排水孔5の断面説明図である。
溝4の形状(正面視)は、本実施例の長方形に限らず、例えば、上端及び/又は下端が半円形、半楕円形になっていてもよい。
各溝4の底面(奥の面)には、上下方向にほぼ等間隔並んで排水孔5が桝の内外を連通するように開口している。排水孔5も、型抜きの関係で外側ほど径が広がるテーパ状となっている。排水孔5の最大径は溝4の最小幅とほぼ等しくなっている。
図5において、浸透桝1本体には雨水などの流入管を接続するための管穴7が設けられ、塵除去フィルタ8はそれよりも下側(すなわち流入管よりも下側)に装着されている。管穴7は、現場において穿設してもよいし、工場において穿設し、又はブロック製造時に予め設けておいてもよい。
支持棒11は、任意の高さの排水孔に挿通できるので、塵除去フィルタは任意の高さに装着することができる。
支持棒11の素材は自由であるが、例えば金属製、プラスチック製などとすることができる。
塵除去フィルタの材質は金属に限らず、プラスチック、コンクリート等、又はこれらを複合したものであってもよい。
また塵除去フィルタとしては、実施例の皿状に限らず、例えばフランジ部を有する有底筒状や袋状のもの等を使用できる。前者は筒周壁部及び/又は底面部をフィルタ構造とし、後者は袋の素材をフィルタ状のものとし、いずれもフランジ部を支持棒で支持することで桝内に装着できる。
浸透桝1は、単独で用いることも可能であるが、この場合は側塊13の上に積み重ねて使用している。側塊13は浸透桝1の最上部13が欠如したもので、浸透桝1と同じ四角筒状をなし、側壁には同様の溝4及び排水孔5が形成されている。このように側塊13と共に用いることで、浸透桝の容量を増し、集中豪雨時の洪水防止効果をより高めることができる。側塊13の下部には更に底塊を設置することができる(例えば前記特許文献1参照)が、この場合は底塊を用いず下部にフィルタ15として砂を敷き詰めいている。
浸透桝1には雨水の流入管12が接続されている。
浸透桝1及び側塊13の側壁2の外周には単粒度砕石14が充填される。溝4の幅は単粒度砕石14の呼び径以下となっている。
単粒度砕石14の外側には透水シート16が設けられ、その外側が土壌17となっている。土壌17の表面は舗装面とすることもある。
各溝4の底面(奥の面)には、上下方向にほぼ等間隔並んで排水孔5が側溝の内外を連通するように開口している。排水孔5も、型抜きの関係で外側ほど径が広がるテーパ状となっている。排水孔5の最大径は溝4の最小幅とほぼ等しくなっている。
U字状の側溝は、対向する2枚の側壁の下部を底板部で連結一体化したもので、いわゆるU字溝である。
逆U字状の側溝は、対向する2枚の側壁の上部を上板部で連結一体化したもので、いわゆる自由勾配型側溝である。
また、排水孔は実施例の円形断面に限らず、楕円形断面、四角形断面などとすることもできる。
2 側壁
3 最上部
4 溝
5 排水孔
6 蓋受部
7 管穴
8 塵除去フィルタ
9 小孔
10 把手
11 支持棒
12 流入管
13 側塊
14 単粒度砕石
15 フィルタ
16 透水シート
17 土壌
20 浸透側溝
21 側壁
22 上板部
23 底板部
24 排水孔
Claims (7)
- 外周にJIS A 5001−1988における単粒度砕石が充填される浸透桝であって、
鉛直方向に延びた筒状のコンクリート製側壁を有し、前記側壁外面に側壁のコンクリートを切欠して設けた溝を形成すると共に、該溝底のコンクリート面に複数の排水孔を開口した桝であって、各排水孔はその外側部分全体が溝底のコンクリート面に開口していて側壁外表面には形成されておらず、前記溝の側壁表面における幅が、浸透桝の外周に充填する前記単粒度砕石の呼び径以下であることを特徴とする浸透桝。 - 前記溝が、鉛直方向又は水平方向に形成されている請求項1の浸透桝。
- 両端を、相対する2つの前記排水孔に支持された複数の支持棒を浸透桝内に設置し、該支持棒の上で塵除去フィルタを支持せしめた請求項1又は2の浸透桝。
- 外周にJIS A 5001−1988における単粒度砕石が充填されるコンクリート製の浸透側溝であって、
筒状、U字状又は逆U字状の断面を有し、その側壁外面に側壁のコンクリートを切欠して設けた溝を形成すると共に、該溝底のコンクリート面に複数の排水孔を開口した側溝であって、各排水孔はその外側部分全体が溝底のコンクリート面に開口していて側壁外表面には形成されておらず、前記溝の側壁表面における幅が、側溝の外側に充填する前記単粒度砕石の呼び径以下であることを特徴とする浸透側溝。 - 前記溝が、鉛直方向又は水平方向に形成されている請求項4の浸透側溝。
- 請求項1、2又は3の浸透桝を地中に埋設すると共に、その側壁の外周に単粒度砕石を充填したことを特徴とする浸透装置。
- 請求項4又は5の浸透側溝を地中に埋設すると共に、その側壁の外側に単粒度砕石を充填したことを特徴とする浸透装置。
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