JP5305163B2 - 回転伝達装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、加振源となる駆動源の出力歯車や回転伝達機構の歯車は、経時使用によって磨耗したり変形したりする。このような経時的な摩耗や変形によっても、低周波回転速度変動の周波数が異なってくる。そのため、初期の状態で、固有振動周波数が低周波回転速度変動の加振周波数と一致しないようにフライホイール枚数を調整できても、経時においては低周波回転速度変動の加振周波数が固有振動周波数に一致又は近接して、低周波回転速度変動が増大するという事態が起こり得る。
したがって、画像形成装置の個体差や経時変化をも考慮すると、フライホイール枚数の調整により回転伝達機構の固有振動周波数が加振周波数と一致しないようにすることは非常に困難である。
図14は、感光体ドラムを駆動するための歯車2段減速機構を感光体ドラム軸方向から見たときの模式図である。
感光体ドラム1を回転周波数2Hzで駆動した場合において、モータ軸に固定されたモータギヤ105、このモータギヤ105に噛み合う第2アイドラギヤ104、この第2アイドラギヤ104と同軸で一体的に回転する第1アイドラギヤ103、この第1アイドラギヤ103に噛み合うドラム駆動ギヤ102のそれぞれの回転数、回転周波数、歯数、モジュールは、下記の表1に示すとおりである。
図15(b)は、感光体ドラム軸101にフライホイールを搭載した状態においてモータを一定速度で駆動したときの感光体ドラム1の回転速度変動の周波数特性を示すグラフである。
これらのグラフからもわかるように、各歯車の回転周波数(2Hz、4Hz、40Hz)において回転速度変動が発生している。これらは、各歯車の歯ピッチ誤差、歯車取付誤差、モータ軸振れなどに起因して発生する。また、図15(a)に示すように、感光体ドラム軸101にフライホイールを搭載していない状態では、ドラム駆動ギヤ102と第1アイドラギヤ103との間の1ピッチ噛み合い周波数(160Hz)、及び、第2アイドラギヤ104とモータギヤ105との間の1ピッチ噛み合い周波数(480Hz)における回転速度変動も発生している。
フライホイールが無い状態では固有振動周波数が約250Hzに存在するが、フライホイールを搭載することで、その固有振動周波数が低周波側へシフトして約80Hzとなった。この周波数応答特性は、フライホイールを搭載した状態において、駆動伝達系で発生する100Hz以上の回転速度変動については減衰して感光体ドラム1には伝達しないことを示している。このことは、図15(a)に示したグラフで100Hz以上に存在した2つの1ピッチ噛み合い周波数の回転速度変動が図15(b)に示したグラフでは減衰していることからも把握できる。すなわち、本例においては、フライホイールを搭載することで、100Hz以上の周波数をもつ回転速度変動が大幅に低減される。
また、これと同様に、フライホイールを大きくして固有振動周波数を10Hz付近に設計した場合も、ドラム駆動ギヤ102や2つのアイドラギヤ103,104の回転周波数(2Hz、4Hz)の高次高調波成分による回転速度変動が経時的に大きくなって、バンディングの画質劣化を引き起こすおそれがある。
加えて、加振源となるモータギヤ105、アイドラギヤ103,104、ドラム駆動ギヤ102が経時使用によって磨耗したり変形したりしてその回転周波数が変化すると、初期の状態ではすべての高調波成分と固有振動周波数とが一致又は近接しないように設定されていたとしても、経時ではいずれかの高調波成分と固有振動周波数とが一致又は近接してしまい、バンディングの画質劣化を引き起こすこともある。
また、請求項2の発明は、駆動源からの回転駆動力を減速して画像形成装置に使用される回転体へ伝達する回転伝達装置において、第1遊星歯車部と歯数又は歯形状が該第1遊星歯車部とは異なる第2遊星歯車部とが互いに固定又は一体に構成された複数の段付遊星歯車と、前記第1遊星歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第2遊星歯車部に噛み合う第2歯車と、前記複数の段付遊星歯車を回動自在に支持するとともに、駆動源から回転駆動力が入力される入力軸に固定され、かつ、ケーシングに回動自在に支持されていて、その回転駆動力を前記段付遊星歯車に伝達するキャリアとを有し、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの一方の歯車が回転不能に固定され、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの他方の歯車の回転軸が前記回転体に固定された差動遊星歯車減速機構を備えており、前記他方の歯車の回転軸には慣性体が固定されており、前記他方の歯車の回転軸は、浮動支持され、かつ自在継ぎ手を介して前記回転体に連結されており、前記入力軸から前記他方の歯車の回転軸までの駆動伝達系の固有振動周波数が、前記画像形成装置の画像形成時における前記遊星歯車の回転周波数よりも低周波帯域であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の回転伝達装置において、前記入力軸から前記他方の歯車の回転軸までの駆動伝達系の固有振動周波数は、18Hz以上であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置において、前記慣性体は、前記回転体の内部に設置されることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置において、前記慣性体は、前記回転体の外部に設置されることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、ドラム状回転体の表面上に形成した画像を最終的に記録材上へ転写して該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、前記ドラム状回転体を回転させるための回転駆動力を伝達する回転伝達装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転伝達装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、駆動ローラを含む複数の支持ローラに張架された無端ベルト状回転体の表面上に形成した画像を最終的に記録材上へ転写して該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、前記駆動ローラを回転させるための回転駆動力を伝達する回転伝達装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転伝達装置を用いたことを特徴とするものである。
ここで、遊星歯車の一公転周期に相当する周波数をもつ回転速度変動を引き起こす原因は、主に段付遊星歯車及びこれに噛み合う歯車の製造誤差や取付誤差による噛み合い誤差である。本発明において、3K型の差動遊星歯車減速機構については、複数の段付遊星歯車を回動自在に支持するキャリアがケーシングに回動自在に浮動支持されている。また、2K―H型の差動遊星歯車減速機構については、段付遊星歯車の遊星歯車部と噛み合いかつ出力軸に連結された歯車(第1歯車又は第2歯車)が浮動支持されていて、その出力軸が自在継ぎ手を介して回転体に連結されている。そのため、段付遊星歯車及びこれに噛み合う歯車の製造誤差や取付誤差があっても、段付遊星歯車が適切な遊星回転位置へ移動する自動調心効果が得られ、段付遊星歯車とこれに噛み合う歯車との間の噛み合い誤差が軽減される。よって、駆動伝達系全体において生じ得る回転速度変動のうち最も周波数が低い遊星歯車の一公転周期に相当する周波数をもつ回転速度変動は、十分に軽減される。したがって、本発明において、駆動伝達系全体において生じ得る回転速度変動は、実質的には、遊星歯車の回転周波数(数十Hz)をもつ回転速度変動が最も周波数が低い回転速度変動となる。なお、本回転伝達装置は回転駆動力を減速して伝達するものであるため、その入力軸よりも回転伝達経路上流側で生じ得る回転速度変動の周波数は当該入力軸に入力される回転周波数よりも大きいものである。したがって、入力軸よりも回転伝達経路上流側で生じ得る回転速度変動の周波数は、差動遊星歯車減速機構内で生じ得る回転速度変動よりも大きい。
このように、本発明によれば、駆動伝達系全体における加振周波数が存在する周波数帯域を数十Hz以上という比較的高い周波数帯域とすることが可能となる。このような周波数帯域における回転速度変動は、一般的な大きさの慣性体を用いて十分に低減させることができる。よって、本発明のように、回転伝達機構の固有振動周波数を駆動伝達系で最も低い周波数(遊星歯車の回転周波数)よりも低周波帯域としても、極端に大きな慣性体を用いる必要はない。
この複写機は、図示しない画像読取部から画像情報である画像データを受け取って画像形成処理を行う。この複写機には、図に示すように、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の各色用の4個の回転体としての潜像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
この感光ドラム1Yの軸方向両端には、その感光体ドラム1Yの軸方向端部面を塞ぐように、円板状のドラムフランジ1aが固定されている。このドラムフランジ1aの円板は、感光体駆動装置10の固定内歯歯車11の固定支持部材12によって回転自在に支持されており、ドラムフランジ1aに固定されている出力内歯歯車13の回転力が伝達されるように構成されている。また、このドラムフランジ1aは、滑らかな回転が可能となるように、本実施形態の複写機の内部筺体を構成する側板100のモータ軸受100aと同軸となるように回転可能に軸受けされ、支持されている。また、感光体駆動装置10は、側板100に対して感光体ドラム側に位置し、その側板100に固定されている。また、同側板100には駆動モータ14も固定されている。感光ドラム軸方向にドラムフランジ1aは、固定された感光ドラム1Yと出力内歯歯車13と供に感光体駆動装置10から着脱可能となっている。また、感光体ドラム1Yの表面、又は、ドラムフランジ1aに固定されたNS極を等間隔に着磁してなる磁気リング15と回転を感光体駆動装置10の側面に固定されたMRセンサ16とを有しており、感光体ドラム1Yが感光体駆動装置10に装着されると速度検出機構が構成され、磁気リング15、すなわち感光体ドラム1Yの回転速度が検出され、検出結果はモータ駆動制御コントローラに送られ、一定回転速度に制御される。
遊星歯車機構は、入力軸、出力軸、機構全体の運動を規制する固定軸(補助軸)の3本の基本軸からなり、これら基本軸は同軸上に配置される。基本軸となる太陽歯車(太陽外歯歯車、太陽内歯歯車を含む。)の軸をK、キャリア軸をH、遊星歯車軸をVで表すと、遊星歯車機構は、2K−H型、3K型、K−H−V型および2個以上の2K−H型の連結による複合遊星歯車機構に分類される。差動遊星歯車機構は2K−H型と3K型であり、それぞれに不思議遊星歯車機構に関するものがある。不思議遊星歯車機構とは、歯数の同じ遊星歯車に2つの歯数の異なる歯車が噛み合い伝達する遊星歯車機構を言う。3K型は、2K−H型の不思議遊星歯車機構と同様に、遊星歯車に噛み合う2つの歯車の歯数差で減速比が決定され、高減速比が得られる差動遊星歯車減速機構である(非特許文献2参照)。
図中符号cはキャリア、sは太陽外歯歯車、fは固定内歯歯車、rは回転内歯歯車、pは遊星歯車をそれぞれ示す。
図4は、2K−H型の遊星歯車機構の一例を示す構成図である。
図示の遊星歯車機構では、キャリアc1の回転軸が入力軸となっており、回転内歯歯車r1の回転軸が出力軸となっている。キャリアc1の回転により、回転駆動される第1遊星歯車p11は固定側の第1内歯歯車f1と噛み合う。第1遊星歯車p11と一体に回転する第2の遊星歯車p12は、回転側の第2の内歯歯車r1と噛み合う。第1及び第2の一体に回転する遊星歯車は2個以上あり、キャリアc1の回転中心回りに等角度間隔でキャリアc1により保持されている。ここで、固定側の第1内歯歯車f1の歯数は、回転側の第2の内歯歯車r1の歯数よりも多く構成されており、この歯数差が小さいほど大きな減速比が得られる。特に、第1遊星歯車p11と第2の遊星歯車p12の歯数を一致させ、固定側の第1内歯歯車f1と回転側の第2の内歯歯車r1の歯数差を2歯程度とする不思議遊星歯車機構とすることで、より大きな減速比が得られる。図4の内歯歯車を用いた構成の他に、固定側及び回転側の両方を外歯歯車で構成した実施形態もある。
太陽外歯歯車s2の回転軸が入力軸となっており、キャリアc2の回転軸が出力軸となっている。太陽外歯歯車s2の回転により、第1遊星歯車p21は回転駆動され、一体に回転する第2の遊星歯車p22は固定内歯歯車f2に噛み合う。第1及び第2の一体に回転する遊星歯車は2個以上あり、キャリアc2の回転中心回りに等角度間隔でキャリアc2により保持されている。遊星歯車の公転回転はキャリアc2の回転となり出力される。ここで、第1遊星歯車p21の歯数は、第2の遊星歯車p22の歯数よりも多く構成されており、この歯数差が大きいほど大きな減速比が得られる。
図7は、本発明の荷重等配装置がキャリアに適用された遊星歯車減速機構の全体構成を示す断面図である。
図8は、図7中におけるキャリアの斜視図である。
この遊星歯車減速機構では、第1遊星歯車部の噛み合い周波数は780.7Hzであり、第2遊星歯車部の噛み合い周波数は642.9Hzであった。本実施形態では、この遊星歯車減速機構により、モータの回転数(回転速度)を1/38.36に減速して感光体ドラム1Yへ伝達することができる。
この遊星1段減速機構では、モータの回転数(回転速度)を1/4.62に減速して感光体ドラム1Yへ伝達することになる。
図9に示すグラフは、バンディングの空間周波数を横軸にとり、ユーザーが許容するバンディング強度を感光体ドラムや中間転写ベルトの速度変動率に換算したものを縦軸にとったものである。この調査結果によれば、例えば、空間周波数が1、つまり1mmにつき1周期で発生するバンディングについて、ユーザーは、速度変動率0.4%の回転速度変動により生じるバンディング強度までを許容することができる。人間には視覚感度があり、空間周波数によって許容値は異なるが、一番厳しいところでは、空間周波数0.5〜1cycle/mmの許容値である速度変動率0.3%以下が要求される。よって、ここでは、速度変動率が0.3%を超える回転速度変動の周波数を加振周波数とする。
図10(b)は、図7に示した3K−A1型の遊星歯車減速機構において感光体ドラム1Yを回転周波数2Hzで駆動するように駆動モータを4600rpmで駆動した場合の感光体ドラム1の回転速度変動の周波数特性を示すグラフである。
図11は、遊星歯車機構における内歯歯車と遊星歯車の噛み合いモデルを示す説明図である。
太陽歯車Sが反時計回りに回転する場合、図中符号Aで示す部分のように、太陽歯車Sの歯と遊星歯車P1の歯は、遊星歯車P1が時計回りに回転する方向に動力伝達するように噛み合う。また同時に、遊星歯車P1は、図中符号B1で示す部分のように、内歯歯車Fと噛み合う。このとき、遊星歯車P1は図中矢印の方向の歯面応力を受けている。同様に、他の遊星歯車P2,P3も同時に各矢印が示す方向に歯面応力を受ける。この歯面応力は、内歯歯車Fの歯車精度誤差や取付位置誤差によって生じる噛み合い状態の違いで異なってくる。ここで、キャリアCを浮動支持すると、各歯面応力が歯車噛合いの接触圧力角に応じて中心方向に傾いているため、各歯面応力が均等となる位置にキャリアCは自動的に移動する。これによって各歯面応力が一致する。各歯面応力は、内歯歯車Fが1回転、および、キャリアCが内歯歯車Fに沿って1回転する間、一定となるため、出力軸の回転周波数をもつ回転速度変動が大幅に低減される。
図12(b)は、図7に示した3K−A1型の遊星歯車減速機構のフライホイール50を取り付けたまま、キャリア23を入力軸17に対してボールベアリングで軸受け支持した状態のものを用いて、感光体ドラム1Yを回転周波数2Hzで駆動するように駆動モータを4600rpmで駆動した場合の感光体ドラム1の回転速度変動の周波数特性を示すグラフである。
なお、図12(a)及び(b)には、駆動モータから感光体ドラム1Yまでの駆動伝達系における周波数応答特性を示すグラフ(図中破線のグラh)をそれぞれ重ねて表している。
図13(b)は、フライホイール50を搭載した場合の図10(b)のグラフに、駆動モータから感光体ドラム1Yまでの駆動伝達系における周波数応答特性を示すグラフを重ねて表したものである。
図13(a)に示すようにフライホイールが無い状態では固有振動周波数が約160Hzに存在する。本実施形態の駆動伝達系において、最も低い加振周波数は、図10(a)や図13(a)に示すグラフからわかるように、遊星歯車19,20の回転周波数(45.92Hz)である。よって、本実施形態では、固有振動周波数が遊星歯車19,20の回転周波数(45.92Hz)よりも低周波側へシフトするように、フライホイール50を設計して搭載し、図13(b)に示すように固有振動周波数を約24Hzとした。このような構成とすることで、本実施形態の駆動伝達系で発生する回転速度変動は、図10(b)や図13(b)に示すように、フライホイール50の慣性力によりすべて減衰し、感光体ドラム1Yには伝達されない。経時使用により各歯車に摩耗や変形等が生じても、最も低い加振周波数よりも低い帯域に加振周波数が現れることはないので、本実施形態によれば、経時においても固有振動周波数との共振による回転速度変動が発生する心配はない。
特に、3K−A1型の遊星歯車減速機構について説明した事項については、2K−H型の遊星歯車減速機構についても同様である。例えば、2K−H型の遊星歯車減速機構における出力軸を浮動支持し、かつ、自在継ぎ手を介して感光体ドラム軸に連結される構成とすることで、出力軸の回転周波数(2Hz)をもつ回転速度変動等が自動調心効果により非常に小さくできる。
現実的に設けることが可能なフライホイールの直径Dは、100〜150mm程度である。例えば、最も厳しい条件となるタンデム型の画像形成装置では、ステーション間ピッチが100〜150mmなので、この場合に各感光体ドラムにフライホイール同士を干渉なく搭載できるフライホイール直径は最大150mmとなる。それ以上のサイズのフライホイールは、感光体ドラム軸方向に取付位置をずらして入れ子状に搭載することもできるが、他の駆動系(現像、転写ベルト、定着)や書込みユニットへの干渉も発生するため、そのような配置は困難である。
また、現実的に設けることが可能なフライホイールの厚みLは、20mm程度である。フライホイールの長さは、そのまま、装置の奥行方向の大きさに影響してしまうので、オフィス向けの装置では奥行方向の大きさは重要で一般に奥行サイズは650〜700mm程度であることから、感光体ドラム軸長が440mmであるとすると、その他に駆動系(ギヤ、モータ、電装部品)、パネル(前面、背面)等を考慮して、現実的には20mm程度が限界である。
また、フライホイールの軸径は重量を支持するために15mm程度が一般的である。
以上より、現実的に用いることが可能な最大サイズのフライホイールでは、一般的な材質SUS(比重7.8)の場合、その慣性Jは、円柱のイナーシャ計算式より、7.753×10-3[kg・m2]となる。
一般に、駆動系の剛性Kは、100[N・m/rad]なので(非特許文献3参照)、前記JとKを下記の式(1)に代入して固有振動周波数を計算すると、18Hzとなる。
fn=(1/2)×(K/J)1/2 ・・・(1)
したがって、固有振動周波数が18Hz以上となるフライホイールならば、最も厳しい条件となるタンデム型の画像形成装置でも搭載可能な大きさに収まることができる。
また、フライホイール50は、図3に示したように。感光体ドラムの外部、好ましくは感光体ドラムのドラムフランジ1aに設置してもよい。この場合、回転軸受け及び側板100に近い場所にフライホイール50を設置しやすいので、フライホイール50の安定した支持を容易に実現することができる。
1a ドラムフランジ
10 感光体駆動装置
11 固定内歯歯車
12 ハウジング
13 回転内歯歯車
14 駆動モータ
17 入力軸
18 太陽歯車
19 第1遊星歯車
20 第2遊星歯車
23 キャリア
50 フライホイール
100 側板
101 感光体ドラム軸
102 ドラム駆動ギヤ
103,104 アイドラギヤ
105 モータギヤ
Claims (7)
- 駆動源からの回転駆動力を減速して画像形成装置に使用される回転体へ伝達する回転伝達装置において、
第1遊星歯車部と歯数又は歯形状が該第1遊星歯車部とは異なる第2遊星歯車部とが互いに固定又は一体に構成された複数の段付遊星歯車と、前記第1遊星歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第2遊星歯車部に噛み合う第2歯車と、駆動源から回転駆動力が入力される入力軸に固定されていてその回転駆動力を前記段付遊星歯車に伝達する太陽歯車と、前記複数の段付遊星歯車を回動自在に支持するとともに、ケーシングに回動自在に浮動支持されたキャリアとを有し、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの一方の歯車が回転不能に固定され、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの他方の歯車の回転軸が前記回転体に固定された差動遊星歯車減速機構を備えており、
前記他方の歯車の回転軸には慣性体が固定されており、
前記入力軸から前記他方の歯車の回転軸までの駆動伝達系の固有振動周波数が、前記画像形成装置の画像形成時における前記遊星歯車の回転周波数よりも低周波帯域であることを特徴とする回転伝達装置。 - 駆動源からの回転駆動力を減速して画像形成装置に使用される回転体へ伝達する回転伝達装置において、
第1遊星歯車部と歯数又は歯形状が該第1遊星歯車部とは異なる第2遊星歯車部とが互いに固定又は一体に構成された複数の段付遊星歯車と、前記第1遊星歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第2遊星歯車部に噛み合う第2歯車と、前記複数の段付遊星歯車を回動自在に支持するとともに、駆動源から回転駆動力が入力される入力軸に固定され、かつ、ケーシングに回動自在に支持されていて、その回転駆動力を前記段付遊星歯車に伝達するキャリアとを有し、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの一方の歯車が回転不能に固定され、前記第1歯車及び前記第2歯車のうちの他方の歯車の回転軸が前記回転体に固定された差動遊星歯車減速機構を備えており、
前記他方の歯車の回転軸には慣性体が固定されており、
前記他方の歯車の回転軸は、浮動支持され、かつ自在継ぎ手を介して前記回転体に連結されており、
前記入力軸から前記他方の歯車の回転軸までの駆動伝達系の固有振動周波数が、前記画像形成装置の画像形成時における前記遊星歯車の回転周波数よりも低周波帯域であることを特徴とする回転伝達装置。 - 請求項1又は2の回転伝達装置において、
前記入力軸から前記他方の歯車の回転軸までの駆動伝達系の固有振動周波数は、18Hz以上であることを特徴とする回転伝達装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置において、
前記慣性体は、前記回転体の内部に設置されることを特徴とする回転伝達装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置において、
前記慣性体は、前記回転体の外部に設置されることを特徴とする回転伝達装置。 - ドラム状回転体の表面上に形成した画像を最終的に記録材上へ転写して該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
前記ドラム状回転体を回転させるための回転駆動力を伝達する回転伝達装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転伝達装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 駆動ローラを含む複数の支持ローラに張架された無端ベルト状回転体の表面上に形成した画像を最終的に記録材上へ転写して該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
前記駆動ローラを回転させるための回転駆動力を伝達する回転伝達装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転伝達装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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