JPWO2020170297A1 - 遊星歯車装置 - Google Patents

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Abstract

遊星歯車装置(10)は、3K型の複合遊星歯車機構を備える。複合遊星歯車機構は、第1内歯車(11)、第2内歯車(12)及び外歯車(13)と、第1遊星歯車(14)及び第2遊星歯車(15)と、太陽ローラ(16)と、第1ローラ(17)及び第2ローラ(18)と、キャリア(19)と、第1リング(21)及び第2リング(22)と、を備える。第1リング(21)の直径は、第1ローラ(17)の回転軌跡の直径よりも小さく形成され、第2リング(22)の直径は、第2ローラ(18)の回転軌跡の直径よりも小さく形成されている。第1リング(21)及び第2リング(22)は、撓み変形することによって第1ローラ(17)及び第2ローラ(18)と転がり接触する。

Description

この発明は、遊星歯車装置に関する。
産業機械、車両、ロボット及びOA機器等の各種の駆動系又は動力等伝達系を構成する減速(増速)装置として、太陽歯車、遊星歯車、内歯車及びキャリアから構成される遊星歯車機構が知られている(非特許文献1:「歯車応用機構の設計」)。遊星歯車機構は、他の減速装置に比べて、比較的高い減速比を実現可能にするとともに、減速比及び伝達トルクに比して機構又は構造が比較的コンパクトである。しかも、遊星歯車機構は、入力軸及び出力軸を同軸配置し得ることから、多種多様な駆動装置又は動力伝達装置等の駆動系又は動力伝達系において広く実用に供されている。
ところで、従来、遊星歯車機構における歯車の噛み合いの遊び(バックラッシ)に起因する騒音及び振動の増大並びにトルク伝達の不具合等を解消するために、角度センサを用いたクローズループ制御を行う遊星歯車装置、又は、ギヤドライブとトラクションドライブとを組み合わせる遊星歯車装置(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
特開2005−195062号公報
矢田恒二著「歯車応用機構の設計」(2012年2月1日 社団法人機械技術協会発行)
しかしながら、上記従来技術に係る遊星歯車装置において、クローズループ制御における所望の精度を確保するためには、特別な制御処理が必要となり、処理内容が複雑化するという問題が生じる。また、ギヤドライブとトラクションドライブとを組み合わせる場合であっても、バックラッシを低減した逆駆動は困難であるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、順駆動及び逆駆動のバックラッシを低減することが可能な遊星歯車装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る遊星歯車装置は、複数の太陽歯車によって基本軸が構成される複合遊星歯車機構を備え、前記複合遊星歯車機構は、前記複数の太陽歯車として、相互の中心軸が同軸に配置される少なくとも第1内歯車及び第2内歯車と、前記第1内歯車に噛み合う少なくとも1つの第1遊星歯車と、前記第2内歯車に噛み合う少なくとも1つの第2遊星歯車と、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車を、各々の中心軸を回転中心として回転可能に支持するキャリアと、を備え、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車は、相互の歯数が異なるとともに相互の回転速度が同期されるように形成され、前記第1内歯車及び前記第2内歯車は、可撓性であり、前記第1内歯車の直径は、前記第1遊星歯車の回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2内歯車の直径は、前記第2遊星歯車の回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第1内歯車は、撓み変形することによって前記第1遊星歯車と噛み合い、前記第2内歯車は、撓み変形することによって前記第2遊星歯車と噛み合う。
(2)本発明の一態様に係る遊星歯車装置は、複数の太陽歯車によって基本軸が構成される複合遊星歯車機構を備え、前記複合遊星歯車機構は、前記複数の太陽歯車として、相互の中心軸が同軸に配置される少なくとも第1内歯車及び第2内歯車と、前記第1内歯車に噛み合う少なくとも1つの第1遊星歯車と、前記第2内歯車に噛み合う少なくとも1つの第2遊星歯車と、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車を、各々の中心軸を回転中心として回転可能に支持するキャリアと、前記第1内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第1リングと、前記第2内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第2リングと、前記第1リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第1ローラと、前記第2リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第2ローラと、を備え、前記第1リング及び前記第2リングは、可撓性であり、前記第1リングの直径は、前記第1ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2リングの直径は、前記第2ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第1リングは、撓み変形することによって前記第1ローラと転がり接触し、前記第2リングは、撓み変形することによって前記第2ローラと転がり接触する。
(3)上記(1)に記載の遊星歯車装置は、前記第1内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第1リングと、前記第2内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第2リングと、前記第1リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第1ローラと、前記第2リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第2ローラと、を備え、前記第1リング及び前記第2リングは、可撓性であり、前記第1リングの直径は、前記第1ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2リングの直径は、前記第2ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第1リングは、撓み変形することによって前記第1ローラと転がり接触し、前記第2リングは、撓み変形することによって前記第2ローラと転がり接触してもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の遊星歯車装置では、前記複合遊星歯車機構は、3つの前記太陽歯車(K)によって前記基本軸が構成される3K型の複合遊星歯車機構であって、前記3つの前記太陽歯車(K)として、相互の中心軸が同軸に配置される前記第1内歯車、前記第2内歯車及び外歯車を備え、前記外歯車は、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車の少なくとも何れかに噛み合ってもよい。
(5)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の遊星歯車装置では、前記複合遊星歯車機構は、2つの前記太陽歯車(K)及び1つの前記キャリア(H)によって前記基本軸が構成される2K−H型の複合遊星歯車機構であって、前記2つの前記太陽歯車(K)として、相互の中心軸が同軸に配置される前記第1内歯車及び前記第2内歯車を備えてもよい。
上記(1)に記載の態様に係る遊星歯車装置によれば、第1内歯車及び第2内歯車は、撓み変形することによって第1遊星歯車及び第2遊星歯車と噛み合うので、噛み合いの遊びを低減することができ、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができる。
上記(2)に記載の態様に係る遊星歯車装置によれば、各歯車によるギヤドライブと各ローラによるトラクションドライブとの組み合わせによって、広範なトルク領域において連続的かつ滑らかにトルクを伝達することができる。さらに、第1リング及び第2リングは、撓み変形することによって第1ローラ及び第2ローラと転がり接触するので、各リングと各ローラとの接触部位において所望の法線力及び接線力を確保して、すべりの発生を抑制することができる。これにより、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができ、相対的に低いトルク領域における位置制御の精度を向上させることができる。
さらに、上記(3)の場合、第1リング及び第2リングは、撓み変形することによって第1ローラ及び第2ローラと転がり接触するので、各リングと各ローラとの接触部位において所望の法線力及び接線力を確保して、すべりの発生を抑制することができる。これにより、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができ、相対的に低いトルク領域における位置制御の精度を向上させることができる。
さらに、上記(4)の場合、定格トルクを増大させることができる。
さらに、上記(5)の場合、伝達効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置の構成を示す概念図。 本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置の分解斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置においてケースを省略した斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置における、第1ローラの有無に応じた第1リングの内周面の形状と第1ローラの回転軌跡の外周面との対応関係を模式的に示す図。 本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置と、第1比較例及び第2比較例とにおける、出力軸トルクとねじれ角との対応関係を示すグラフ図、及び、入力軸角加速度と出力軸トルクとの対応関係を示すグラフ図。 本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置における指令値、出力角度及び入力トルクの時間変化を示すグラフ図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る遊星歯車装置の構成を示す概念図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る遊星歯車装置の分解斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る遊星歯車装置の構成を示す概念図。 本発明の第2の実施形態に係る遊星歯車装置の分解斜視図。
以下、本発明の第1の実施形態に係る遊星歯車装置について添付図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態による遊星歯車装置10は、図1から図3に示すように、いわゆる3つの太陽歯車Kによって基本軸(入力軸、出力軸及び補助軸)が構成される3K型の複合遊星歯車機構を備える。遊星歯車装置10は、2つの太陽歯車Kである第1内歯車11及び第2内歯車12と、1つの太陽歯車Kである外歯車13と、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、太陽ローラ16と、3対の第1ローラ17及び第2ローラ18と、キャリア19と、第1リング21及び第2リング22と、第1ケース23及び第2ケース24と、を備える。
第1内歯車11及び第2内歯車12は、例えば平歯車である。第1内歯車11及び第2内歯車12の相互の中心軸11a,12aは同軸に配置されている。第1内歯車11の直径(例えば、ピッチ円直径など)は、例えば第2内歯車12の直径(例えば、ピッチ円直径など)よりも大きく形成されている。第1内歯車11の歯数Zr1は、例えば第2内歯車12の歯数Zr2よりも大きく形成されている。
外歯車13は、例えば所定の歯数Zを有する平歯車である。外歯車13の中心軸13aは、第1内歯車11及び第2内歯車12の各中心軸11a,12aと同軸に配置されている。
第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15は、例えば平歯車である。対を成す第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15の相互の中心軸は同軸に配置されている。 対を成す第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15は、後述する対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18を介して、一体的に固定されている。
例えば、対を成す第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15において各中心軸に平行な方向で対向する端部同士は、対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18を各中心軸に平行な方向の両側から挟み込むようにして、対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18に連結されている。
第1遊星歯車14は、第1内歯車11及び外歯車13に噛み合うように設けられている。第2遊星歯車15は、第2内歯車12に噛み合うように設けられている。
第1遊星歯車14の直径(例えば、ピッチ円直径など)は、例えば第2遊星歯車15の直径(例えば、ピッチ円直径など)よりも大きく形成されている。第1遊星歯車14の歯数Zp1は、例えば第2遊星歯車15の歯数Zp2よりも大きく形成されている。
第1内歯車11及び第1遊星歯車14の組み合わせと、第2内歯車12及び第2遊星歯車15の組み合わせとのうち、何れか第1の組み合わせはダイヤメトラルピッチ歯車によって形成され、何れか第2の組み合わせはモジュールピッチ歯車によって形成されている。
例えば、第1内歯車11及び第1遊星歯車14は、例えばモジュールピッチ歯車によって形成されている。第2内歯車12及び第2遊星歯車15は、例えばダイヤメトラルピッチ歯車によって形成されている。
遊星歯車装置10は、モジュールピッチ歯車及びダイヤメトラルピッチ歯車の組み合わせによって形成されることによって、例えば単一のモジュールピッチ歯車のみで形成される場合などに比べて、第1内歯車11及び第2内歯車12のピッチ円半径の差が、より小さく形成されている。第1内歯車11及び第2内歯車12のピッチ円半径の差が小さく形成されることによって、第1内歯車11及び第1遊星歯車14の歯数比(Zr1/Zp1)と第2内歯車12及び第2遊星歯車15の歯数比(Zr2/Zp2)との差が小さく設定される。これにより、遊星歯車装置10の減速比gは、100:1を超える大きな減速比、好ましくは、200:1を超える大きな減速比に設定されている。
第1の組み合わせと第2の組み合わせとのうち、少なくとも何れか1つの組み合わせは、第1内歯車11及び第1遊星歯車14の軸間距離と第2内歯車12及び第2遊星歯車15の軸間距離とを所定距離に一致させるように、転位歯車によって形成されている。
太陽ローラ16の外形は、例えば円柱状に形成されている。太陽ローラ16の中心軸16aは、外歯車13の中心軸13aと同軸に配置されている。太陽ローラ16及び外歯車13は、例えば中心軸16aに平行な方向で対向する端部同士が一体的に連結されることによって、相互に固定されている。一体化された太陽ローラ16及び外歯車13は、太陽部Sを構成している。
太陽ローラ16の直径(2・r)は、外歯車13の直径(例えば、ピッチ円直径など)と同一に形成されている。
第1ローラ17及び第2ローラ18の各々の外形は、例えば円柱状に形成されている。対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18の相互の中心軸は、対を成す第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15の相互の中心軸と同軸に配置されている。
例えば、対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18は、相互の中心軸に平行な方向で対向する端部同士が一体的に連結されることによって、相互に固定されている。対を成す第1ローラ17及び第2ローラ18は、相互の中心軸に平行な方向の両側から挟み込まれるように配置される対を成す第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と一体的に連結されている。一体化された第1ローラ17及び第2ローラ18と第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15とは、遊星部Pを構成している。
第1ローラ17は、第1リング21及び太陽ローラ16と転がり接触するように設けられている。第2ローラ18は、第2リング22と転がり接触するように設けられている。
第1ローラ17の直径(2・rp1)は、第1遊星歯車14の直径(例えば、ピッチ円直径など)と同一に形成されている。第2ローラ18の直径(2・rp2)は、第2遊星歯車15の直径(例えば、ピッチ円直径など)と同一に形成されている。
キャリア19は、一体化された遊星部Pを、遊星部Pの中心軸(つまり各歯車14,15及び各ローラ17,18の中心軸)paを回転中心として、回転可能に支持する。キャリア19は、例えば、遊星部Pを中心軸paに平行な方向の両側から支持する2つの支持部材19aを備える。支持部材19aの外形は、例えば円環板状に形成されている。2つの支持部材19aは、周方向に等間隔をおいて配置された3つの遊星部Pを、各々の中心軸paを回転中心として回転可能に支持する。
第1リング21及び第2リング22の外形は、例えば円環状に形成されている。第1リング21及び第2リング22の相互の中心軸21a,22aは、第1内歯車11及び第2内歯車12の相互の中心軸11a,12aと同軸に配置されている。第1リング21及び第2リング22の各々は、例えば、第1内歯車11及び第2内歯車12の各々と別体に形成されている。
第1リング21の内径(つまり内周面21Bの直径(2・rr1))は、第1内歯車11の直径(例えば、ピッチ円直径など)と同一に形成されている。第1リング21の外径(つまり外周面21Aの直径)は、第1内歯車11の外径(つまり外周面11Aの直径)と同一に形成されている。
第2リング22の内径(つまり内周面22Bの直径(2・rr2))は、第2内歯車12の直径(例えば、ピッチ円直径など)と同一に形成されている。第2リング22の外径(つまり外周面22Aの直径)は、第2内歯車12の外径(つまり外周面12Aの直径)と同一に形成されている。
第1リング21の内径(内周面21Bの直径)は、第1ローラ17の回転軌跡の直径よりも所定値だけ小さく形成されている。第1ローラ17の回転軌跡は、第1リング21の中心軸21aを回転中心とする第1ローラ17の回転において、第1ローラ17の外周面17Aによって形成される円筒状の軌跡である。第1ローラ17の回転軌跡の直径は、円筒状の回転軌跡の外径である。
第2リング22の内径(内周面22Bの直径)は、第2ローラ18の回転軌跡の直径よりも所定値だけ小さく形成されている。第2ローラ18の回転軌跡は、第2リング22の中心軸22aを回転中心とする第2ローラ18の回転において、第2ローラ18の外周面18Aによって形成される円筒状の軌跡である。第2ローラ18の回転軌跡の直径は、円筒状の回転軌跡の外径である。
第1リング21及び第2リング22は、例えばクロムモリブデン鋼などの可撓性の材料により形成されている。第1リング21は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第1ローラ17と転がり接触する。第2リング22は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第2ローラ18と転がり接触する。つまり、第1リング21及び第2リング22の各々の外形は、第1ローラ17及び第2ローラ18の各々が内部に配置されていない場合に円環状であり、第1ローラ17及び第2ローラ18の各々が内接する場合に円環状から撓んだ形状である。第1リング21及び第2リング22の各々の撓み量は、例えば各内径の0.03%程度となるように設定されている。
例えば図4に示すように、第1ローラ17が内部に配置されていない第1リング21の内周面21B(21Ba)の直径(2・rr1)は、第1ローラ17の回転軌跡の外周面TAの直径(2・r0)よりも小さく形成されている。3つの第1ローラ17が内接する第1リング21の内周面21B(21Bb)の形状は、第1ローラ17が内部に配置されていない第1リング21の内周面21B(21Ba)の形状に比べて、各第1ローラ17の外周面17Aに接する部位が径方向の外方に突出するように撓み変形している。
なお、第1リング21及び第2リング22と、3対の第1ローラ17及び第2ローラ18と、太陽ローラ16とは、例えば、第1リング21の内部における3つの第1ローラ17に対する太陽ローラ16の圧入によって組み立てられる。
先ず、撓み変形していない円環状の第1リング21及び第2リング22の内部に3対の第1ローラ17及び第2ローラ18が配置される。次に、3つの第1ローラ17に外接するように太陽ローラ16が圧入される。これにより、3対の第1ローラ17及び第2ローラ18は、第1リング21及び第2リング22の内周面21B,22Bに接触して、各リング21,22の接触部位を径方向の外方に突出させるように各リング21,22を撓み変形させる。
第1内歯車11及び第1リング21は、相互の回転速度が同期されるように設けられている。例えば、第1内歯車11及び第1リング21は、相互の回転速度を同期するための第1同期部材を備える。第1同期部材は、例えば、第1内歯車11の外周面11Aから径方向の外方に突出する2つの第1歯車凸部11bと、第1リング21の外周面21Aから径方向の外方に突出する2つの第1リング凸部21bとである。
2つの第1歯車凸部11bと2つの第1リング凸部21bとは、例えば、各外周面11A,21Aにおいて周方向に等間隔をおいた2つの周方向位置で各中心軸11a,21aと平行な方向に並んで設けられている。
第2内歯車12及び第2リング22は、相互の回転速度が同期されるように設けられている。例えば、第2内歯車12及び第2リング22は、相互の回転速度を同期するための第2同期部材を備える。第2同期部材は、例えば、第2内歯車12の外周面12Aから径方向の外方に突出する2つの第2歯車凸部12bと、第2リング22の外周面22Aから径方向の外方に突出する2つの第2リング凸部22bとである。
2つの第2歯車凸部12bと2つの第2リング凸部22bとは、例えば、各外周面12A,22Aにおいて周方向に等間隔をおいた2つの周方向位置で各中心軸12a,22aと平行な方向に並んで設けられている。
第1ケース23の外形は、例えば円筒状に形成されている。第1ケース23は、第1内歯車11及び第1リング21を内部に収容する。第1ケース23は、第1リング21の撓み変形を許容する大きさに形成されている。
第1ケース23の内周面23Bには、第1歯車凸部11b及び第1リング凸部21bが噛み合わされる6つの第1噛合部23aが周方向に等間隔をおいて設けられている。例えば、第1噛合部23aには、第1歯車凸部11b及び第1リング凸部21bが挿入されるように径方向の外方に向かって凹む第1凹部が形成されている。第1凹部の径方向外方の寸法(深さ)は、第1リング21の撓み変形に伴う第1リング凸部21bの径方向の変位を許容するとともに第1リング凸部21bの第1噛合部23aに対する噛み合いを維持するように形成されている。
第1内歯車11及び第1リング21は、第1歯車凸部11b及び第1リング凸部21bが第1噛合部23aに噛み合うことで第1ケース23によって相互の回転速度が同期されている。同期回転する第1内歯車11及び第1リング21は、第1リング部R1を構成している。
第2ケース24の外形は、例えば円筒状に形成されている。第2ケース24は、第2内歯車12及び第2リング22を内部に収容する。第2ケース24は、第2リング22の撓み変形を許容する大きさに形成されている。
第2ケース24の内周面24Bには、第2歯車凸部12b及び第2リング凸部22bが噛み合わされる6つの第2噛合部24aが周方向に等間隔をおいて設けられている。例えば、第2噛合部24aには、第2歯車凸部12b及び第2リング凸部22bが挿入されるように径方向の外方に向かって凹む第2凹部が形成されている。第2凹部の径方向外方の寸法(深さ)は、第2リング22の撓み変形に伴う第2リング凸部22bの径方向の変位を許容するとともに第2リング凸部22bの第2噛合部24aに対する噛み合いを維持するように形成されている。
第2内歯車12及び第2リング22は、第2歯車凸部12b及び第2リング凸部22bが第2噛合部24aに噛み合うことで第2ケース24によって相互の回転速度が同期されている。同期回転する第2内歯車12及び第2リング22は、第2リング部R2を構成している。
遊星歯車装置10において、例えば、太陽部Sは入力軸を構成し、第1リング部R1は補助軸を構成し、第2リング部R2は出力軸を構成する。太陽部Sは、例えば回転駆動源の出力軸に連結され、第2リング部R2は、例えば被駆動系機器の動力伝達軸に連結され、第1リング部R1は、例えば固定される。
遊星歯車装置10の伝達効率ηは、例えば、各歯車11,12,13,14,15の歯数と転位係数とを変数として、所望の減速比範囲において伝達効率ηを最大とする変数の最適化によって、最大効率に増大させることができる。
以下に、第1の実施形態に係る遊星歯車装置10のバックラッシ(遊び)及びバックドライブ(逆駆動)について説明する。
図5は、入力軸から駆動した場合のねじれ角と出力軸トルクとの対応関係を示すグラフ図と、出力軸から駆動した場合の出力軸トルクと入力軸角加速度との対応関係を示すグラフ図である。図5において、第1比較例はトラクションドライブの遊星ローラ装置であり、第2比較例はギヤドライブの遊星歯車装置である。
図5に示すように、第1比較例においては、出力軸トルクのゼロ付近においてねじれ角の変化が相対的に大きく、バックラッシ(例えば、所定ねじれ角θ1による−θ1から+θ1のねじれ角範囲)が大きいことが認められる。また、第1比較例においては、出力軸トルクの増大に対して、入力軸角加速度の増大度合いが相対的に小さく、バックドライブし難いことが認められる。
第2比較例においては、出力軸トルクに対する許容トルク領域(例えば、所定出力軸トルクTR1による−TR1から+TR1の出力軸トルク範囲)が相対的に小さく、許容トルク領域を超えるとすべりの発生によりトルク伝達が困難になることが認められる。
第1の実施形態に係る遊星歯車装置10によれば、第1比較例及び第2比較例に比べて、より小さなねじれ角に対して、より広範囲の出力軸トルクが対応し、バックラッシがほぼゼロであることが認められる。また、伝達効率ηが最大化されていることによって、出力軸トルクの増大に対して、入力軸角加速度の増大度合いが相対的に大きく、より広範囲の出力軸トルクにおいてバックドライブし易いことが認められる。
以下に、第1の実施形態に係る遊星歯車装置10の動作例について説明する。
図6に示すように、時刻T0においてステップ状の指令値が入力されると、時刻T0以降において、出力角度はゼロから増大傾向に変化する。入力トルクは時刻T0の極大から減少傾向に変化し、マイナストルク領域において極小となった後に、ゼロに向かって増大傾向に変化する。入力トルクが相対的に小さな所定領域(例えば、所定入力トルクTR2による−TR2から+TR2の入力トルク範囲)に含まれる場合にトラクションドライブが可能となり、入力トルクが所定領域を超える場合にギヤドライブが行われる。時刻T1以降のように、入力トルクが所定領域に含まれる場合にトラクションドライブによる精密な位置制御が行われる。
上述したように、第1の実施形態の遊星歯車装置10によれば、各歯車13,14,15によるギヤドライブと各ローラ17,18によるトラクションドライブとの組み合わせによって、広範なトルク領域において連続的かつ滑らかにトルクを伝達することができる。さらに、第1リング21及び第2リング22は、撓み変形することによって第1ローラ17及び第2ローラ18と転がり接触するので、各リング21,12と各ローラ17,18との接触部位において所望の法線力及び接線力を確保して、すべりの発生を抑制することができる。これにより、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができ、相対的に低いトルク領域における位置制御の精度を向上させることができる。
さらに、遊星歯車装置10によれば、伝達効率ηを最大限に増大させつつ、100:1を超える高い減速比、好ましくは200:1を超える高い減速比を容易に実現することができ、従来に無い高性能の遊星歯車装置を提供することができる。
以下、上述した第1の実施形態の変形例について説明する。
上述した第1の実施形態において、遊星歯車装置10は、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、3対の第1ローラ17及び第2ローラ18とを備えるとしたが、これに限定されず、少なくとも各1対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と第1ローラ17及び第2ローラ18とを備えてもよい。
上述した第1の実施形態において、遊星歯車装置10は、第1内歯車11及び第1リング21を同期回転させる第1同期部材と、第2内歯車12及び第2リング22を同期回転させる第2同期部材とを備えるとしたが、これに限定されない。第1内歯車11及び第1リング21と、第2内歯車12及び第2リング22とは、各同期部材を必要とせずに各々一体的に形成されてもよい。
上述した第1の実施形態において、遊星歯車装置10は、第2ローラ18と転がり接触する第2の太陽ローラを備えてもよい。第2の太陽ローラは、いわゆるアイドラーであって、太陽ローラ16とは接続されずに独立して自由回転するように設けられる。
第2の太陽ローラを備えることによって、第2リング22と第2ローラ18との接触部位の法線力を増大させることができる。
上述した第1の実施形態において、遊星歯車装置10は、モジュールピッチ歯車及びダイヤメトラルピッチ歯車の組み合わせを備えることによって、100:1を超える高い減速比、好ましくは、200:1を超える高い減速比を容易に実現することができる。なお、この組み合わせは好適ではあるが、この組み合わせに限定されるものではない。
上述した第1の実施形態において、遊星歯車装置10は、3K型の複合遊星歯車機構を備えるとしたが、これに限定されず、2K−H型の複合遊星歯車機構を備えてもよい。
第1の実施形態の変形例による遊星歯車装置30は、図7及び図8に示すように、いわゆる2つの太陽歯車KとキャリアHとによって基本軸(入力軸、出力軸及び補助軸)が構成される2K−H型の複合遊星歯車機構を備える。遊星歯車装置30は、2つの太陽歯車Kである第1内歯車11及び第2内歯車12と、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、3対の第1ローラ17及び第2ローラ18と、キャリア(H)19と、第1リング21及び第2リング22と、第1ケース23及び第2ケース24と、を備える。すなわち、変形例の遊星歯車装置30の構成において、上述した第1の実施形態の遊星歯車装置10と異なる点は、外歯車13及び太陽ローラ16が省略されている点である。
第1の実施形態の変形例の遊星歯車装置30によれば、3K型の複合遊星歯車機構を備える場合に比べて、伝達効率を向上させることができる。
上述した第1の実施形態において、太陽部Sは入力軸を構成し、第1リング部R1は補助軸を構成し、第2リング部R2は出力軸を構成するとしたが、これに限定されない。太陽部S、第1リング部R1及び第2リング部R2Sと、基本軸(入力軸、出力軸及び補助軸)とは、他の対応関係に設定されてもよい。
以下、本発明の第2の実施形態に係る遊星歯車装置について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下において、上述した第1の実施形態と同一の構成については説明を省略又は簡略化し、主に上述した第1の実施形態と異なる構成について説明する。
第2の実施形態による遊星歯車装置50は、図9及び図10に示すように、いわゆる3つの太陽歯車Kによって基本軸(入力軸、出力軸及び補助軸)が構成される3K型の複合遊星歯車機構を備える。遊星歯車装置50は、2つの太陽歯車Kである第1内歯車11及び第2内歯車12と、1つの太陽歯車Kである外歯車13と、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、キャリア19と、第1ケース23及び第2ケース24と、を備える。第2の実施形態による遊星歯車装置50の構成において、上述した第1の実施形態の遊星歯車装置10と異なる点は、各ローラ16,17,18及び各リング21,22が省略されている点と、第1内歯車11及び第2内歯車12の構成とである。
第1内歯車11の直径(例えば、ピッチ円直径など)は、第1遊星歯車14の回転軌跡の直径よりも所定値だけ小さく形成されている。第1遊星歯車14の回転軌跡は、第1内歯車11の中心軸11aを回転中心とする第1遊星歯車14の回転において、第1遊星歯車14のピッチ面によって形成される円筒状の軌跡である。第1遊星歯車14の回転軌跡の直径は、円筒状の軌跡の外径である。
第2内歯車12の直径(例えば、ピッチ円直径など)は、第2遊星歯車15の回転軌跡の直径よりも所定値だけ小さく形成されている。第2遊星歯車15の回転軌跡は、第2内歯車12の中心軸12aを回転中心とする第2遊星歯車15の回転において、第2遊星歯車15のピッチ面によって形成される円筒状の軌跡である。第2遊星歯車15の回転軌跡の直径は、円筒状の軌跡の外径である。
第1内歯車11及び第2内歯車12は、例えばクロムモリブデン鋼などの可撓性の材料により形成されている。第1内歯車11は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第1遊星歯車14と噛み合う。第2内歯車12は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第2遊星歯車15と噛み合う。つまり、第1内歯車11及び第2内歯車12の各々の外形は、第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15の各々が内部に配置されていない場合に円環状であり、第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15の各々が噛み合う場合に円環状から撓んだ形状である。例えば、第1内歯車11及び第2内歯車12の各々は、第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15の各々と接する部位が径方向の外方に突出するように撓み変形している。第1内歯車11及び第2内歯車12の各々の撓み量は、例えば各ピッチ円直径の0.03%程度となるように設定されている。
なお、第1内歯車11及び第2内歯車12と、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、外歯車13とは、例えば、第1内歯車11の内部における3つの第1遊星歯車14に対する外歯車13の圧入によって組み立てられる。
先ず、撓み変形していない円環状の第1内歯車11及び第2内歯車12の内部に3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15が配置される。次に、3つの第1遊星歯車14に噛み合うように外歯車13が圧入される。これにより、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15は、第1内歯車11及び第2内歯車12に接触して、各内歯車11,12の接触部位を径方向の外方に突出させるように各内歯車11,12を撓み変形させる。
第1ケース23は、第1内歯車11の撓み変形を許容する大きさに形成されている。第1ケース23の内周面23Bの第1噛合部23aに設けられる第1凹部の径方向外方の寸法(深さ)は、第1内歯車11の撓み変形に伴う第1歯車凸部11bの径方向の変位を許容するとともに第1歯車凸部11bの第1噛合部23aに対する噛み合いを維持するように形成されている。
第2ケース24は、第2内歯車12の撓み変形を許容する大きさに形成されている。第2ケース24の内周面24Bの第2噛合部24aに設けられる第2凹部の径方向外方の寸法(深さ)は、第2内歯車12の撓み変形に伴う第2歯車凸部12bの径方向の変位を許容するとともに第2歯車凸部12bの第2噛合部24aに対する噛み合いを維持するように形成されている。
上述したように、第2の実施形態の遊星歯車装置50によれば、第1内歯車11及び第2内歯車12は、撓み変形することによって第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と噛み合うので、噛み合いの遊びを低減することができ、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができる。
また、例えばトラクションドライブなどの追加的な構成を設ける必要無しに、相対的に低いトルク領域から高いトルク領域にわたる広範な範囲において、ほぼバックラッシの無いトルク伝達を行うことができ、定格トルクを増大させることができる。
以下、上述した第2の実施形態の変形例について説明する。
上述した第2の実施形態において、遊星歯車装置50は、第2遊星歯車15と噛み合う第2の外歯車を備えてもよい。第2の外歯車は、いわゆるアイドラーであって、外歯車13とは接続されずに独立して自由回転するように設けられる。
第2の外歯車を備えることによって、キャリア19に加わる力を低減することができるとともに、第2内歯車12における所望の撓み量を的確に確保するができる。
上述した第2の実施形態において、遊星歯車装置50は、3K型の複合遊星歯車機構を備えるとしたが、これに限定されず、2K−H型の複合遊星歯車機構を備えてもよい。
第2の実施形態の変形例の遊星歯車装置は、いわゆる2つの太陽歯車KとキャリアHとによって基本軸(入力軸、出力軸及び補助軸)が構成される2K−H型の複合遊星歯車機構を備える。この変形例の遊星歯車装置は、2つの太陽歯車Kである第1内歯車11及び第2内歯車12と、3対の第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と、キャリア(H)19と、第1ケース23及び第2ケース24と、を備える。すなわち、この変形例の遊星歯車装置の構成において、上述した第2の実施形態の遊星歯車装置50と異なる点は、外歯車13が省略されている点である。
この変形例の遊星歯車装置によれば、3K型の複合遊星歯車機構を備える場合に比べて、伝達効率を向上させることができる。
上述した第2の実施形態の遊星歯車装置50は、上述した第1の実施形態の遊星歯車装置10と同様に各ローラ16,17,18及び各リング21,22を備えてもよい。また、上述した第2の実施形態の変形例における2K−H型の複合遊星歯車機構を備える遊星歯車装置は、上述した第1の実施形態の変形例の遊星歯車装置30と同様に各ローラ17,18及び各リング21,22を備えてもよい。
これらの変形例によれば、第1内歯車11及び第2内歯車12は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第1遊星歯車14及び第2遊星歯車15と噛み合い、第1リング21及び第2リング22は、塑性変形が生じないように撓み変形することによって第1ローラ17及び第2ローラ18と転がり接触する。
この場合、各歯車13,14,15によるギヤドライブと各ローラ17,18によるトラクションドライブとの組み合わせによって、広範なトルク領域において連続的かつ滑らかにトルクを伝達することができる。さらに、第1リング21及び第2リング22は、撓み変形することによって第1ローラ17及び第2ローラ18と転がり接触するので、各リング21,12と各ローラ17,18との接触部位において所望の法線力及び接線力を確保して、すべりの発生を抑制することができる。これにより、順駆動及び逆駆動のバックラッシをほぼゼロとすることができ、相対的に低いトルク領域における位置制御の精度を向上させることができる。
なお、これらの変形例において、第1リング21の内径(内周面21Bの直径)は、第1ローラ17の回転軌跡の直径と同一に形成され、第2リング22の内径(内周面22Bの直径)は、第2ローラ18の回転軌跡の直径と同一に形成されてもよい。この場合、第1リング21及び第2リング22は、撓み変形せずに第1ローラ17及び第2ローラ18と転がり接触する。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明は、産業機械、車両、ロボット及びOA機器等のような各種機械又は機器の駆動系又は動力等伝達系を構成する遊星歯車装置に適用される。本発明の遊星歯車装置は、例えば、多関節構造のロボットに用いられる小型且つ軽量な減速機として、好ましく使用することができる。
10…遊星歯車装置、11…第1内歯車、11a…中心軸、12…第2内歯車、12a…中心軸、13…外歯車、13a…中心軸、14…第1遊星歯車、15…第2遊星歯車、16…太陽ローラ、16a…中心軸、17…第1ローラ、18…第2ローラ、19…キャリア、21…第1リング、21a…中心軸、22…第2リング、22a…中心軸、23…第1ケース、24…第2ケース、pa…中心軸

Claims (5)

  1. 複数の太陽歯車によって基本軸が構成される複合遊星歯車機構を備え、
    前記複合遊星歯車機構は、
    前記複数の太陽歯車として、相互の中心軸が同軸に配置される少なくとも第1内歯車及び第2内歯車と、
    前記第1内歯車に噛み合う少なくとも1つの第1遊星歯車と、
    前記第2内歯車に噛み合う少なくとも1つの第2遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車を、各々の中心軸を回転中心として回転可能に支持するキャリアと、を備え、
    前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車は、相互の歯数が異なるとともに相互の回転速度が同期されるように形成され、
    前記第1内歯車及び前記第2内歯車は、可撓性であり、
    前記第1内歯車の直径は、前記第1遊星歯車の回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2内歯車の直径は、前記第2遊星歯車の回転軌跡の直径よりも小さく形成され、
    前記第1内歯車は、撓み変形することによって前記第1遊星歯車と噛み合い、前記第2内歯車は、撓み変形することによって前記第2遊星歯車と噛み合う
    ことを特徴とする遊星歯車装置。
  2. 複数の太陽歯車によって基本軸が構成される複合遊星歯車機構を備え、
    前記複合遊星歯車機構は、
    前記複数の太陽歯車として、相互の中心軸が同軸に配置される少なくとも第1内歯車及び第2内歯車と、
    前記第1内歯車に噛み合う少なくとも1つの第1遊星歯車と、
    前記第2内歯車に噛み合う少なくとも1つの第2遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車を、各々の中心軸を回転中心として回転可能に支持するキャリアと、
    前記第1内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第1リングと、
    前記第2内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第2リングと、
    前記第1リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第1ローラと、
    前記第2リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第2ローラと、を備え、
    前記第1リング及び前記第2リングは、可撓性であり、
    前記第1リングの直径は、前記第1ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2リングの直径は、前記第2ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、
    前記第1リングは、撓み変形することによって前記第1ローラと転がり接触し、前記第2リングは、撓み変形することによって前記第2ローラと転がり接触する
    ことを特徴とする遊星歯車装置。
  3. 前記第1内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第1リングと、
    前記第2内歯車と回転速度が同期されるように設けられる第2リングと、
    前記第1リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第1ローラと、
    前記第2リングの内周面に転がり接触するとともに、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車と回転速度が同期されるように設けられる少なくとも1つの第2ローラと、を備え、
    前記第1リング及び前記第2リングは、可撓性であり、
    前記第1リングの直径は、前記第1ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、前記第2リングの直径は、前記第2ローラの回転軌跡の直径よりも小さく形成され、
    前記第1リングは、撓み変形することによって前記第1ローラと転がり接触し、前記第2リングは、撓み変形することによって前記第2ローラと転がり接触する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車装置。
  4. 前記複合遊星歯車機構は、
    3つの前記太陽歯車(K)によって前記基本軸が構成される3K型の複合遊星歯車機構であって、
    前記3つの前記太陽歯車(K)として、相互の中心軸が同軸に配置される前記第1内歯車、前記第2内歯車及び外歯車を備え、
    前記外歯車は、前記第1遊星歯車及び前記第2遊星歯車の少なくとも何れかに噛み合う
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊星歯車装置。
  5. 前記複合遊星歯車機構は、
    2つの前記太陽歯車(K)及び1つの前記キャリア(H)によって前記基本軸が構成される2K−H型の複合遊星歯車機構であって、
    前記2つの前記太陽歯車(K)として、相互の中心軸が同軸に配置される前記第1内歯車及び前記第2内歯車を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊星歯車装置。
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