JP5304982B2 - ロータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所定複数のセグメント磁石を外周面に固定して備えたロータの製造方法に関する。
従来、この種のロータの製造方法として、セグメント磁石が着磁処理される前の焼結磁性体を、ロータのラジアル方向と平行に磁気配向させた状態にして複数製造しておき、それら焼結磁性体をロータに固定した状態で着磁処理してセグメント磁石にするロータの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230239号公報(段落[0005]、第5図(b))
ところで、焼結磁性体の磁気配向方向は、製造上の誤差により、ラジアル方向に対してロータの回転方向に傾くことがある。そして、従来のロータの製造方法では、磁気配向方向がロータの一方の回転方向に傾いた焼結磁性体と、他方の回転方向に傾いた焼結磁性体とがランダムに混在した状態で集められてロータに固定されていた。このため、それら焼結磁性体が着磁処理されてセグメント磁石になったときには、同じロータに固定されたセグメント磁石同士の間で、ステータのティースに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角のばらつきが大きくなり、コギングトルクも大きくなっていた。また、そのモータを駆動源とした電動パワーステアリング装置では、操舵フィーリングが悪化するといる問題が生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、モータのコギングトルクを低減可能なロータの製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るロータ(22)の製造方法は、モータ(20)におけるステータ(21)の内側に回転可能に組み付けられ、所定複数のセグメント磁石(52)を外周面に固定して備えたロータ(22)の製造方法であって、セグメント磁石(52)が着磁処理される前の焼結磁性体(51)を、ロータ(22)のラジアル方向と平行に磁気配向させて複数製造する磁性体製造工程と、製造上の誤差により、磁気配向方向がロータ(22)のラジアル方向に対して回転方向に傾いた複数の焼結磁性体(51)のなかから同じ回転方向に傾いた焼結磁性体(51)を所定複数以上、集める磁性体選定工程と、磁性体選定工程で集めた焼結磁性体(51)をロータ(22)に固定する磁性体組付工程と、ロータ(22)に固定した焼結磁性体(51)を着磁処理して磁気配向方向にNS極が分極したセグメント磁石(52)に変える着磁工程とを行うロータ(22)の製造方法において、磁性体製造工程には、磁性粉体を成形金型(60)にて断面長方形の角柱体(50)に成形すると共に、その成形中に角柱体(50)の断面形状である長方形の短辺方向(Y)を向いた圧力と長辺方向(X)を向いた磁束とを付与する成形工程と、成形された角柱体(50)を焼結する焼結工程と、焼結後の角柱体(50)をその断面形状である長方形の長辺方向(X)で3つ以上の焼結磁性体(51)に縦割り分割する加工工程とが含められ、磁性体選定工程では、角柱体(50)のうち磁束付与方向の一端部に位置しかつ磁気配向方向がロータ(22)のラジアル方向に対して一方の回転方向に傾いた第1の焼結磁性体(51A)と、角柱体(50)のうち磁束付与方向の他端部に位置しかつ磁気配向方向がロータ(22)のラジアル方向に対して他方の回転方向に傾いた第2の焼結磁性体(51A)とに区別し、第1の焼結磁性体(51A)をその長手方向の両端部が入れ替わるように回転させてから第2の焼結磁性体(51A)と共に一纏めにするところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のロータ(22)の製造方法において、磁性体選定工程では、磁気配向方向がロータ(22)のラジアル方向に対して同じ回転方向に0〜2度の範囲で傾いた焼結磁性体(51)を所定複数以上、集めるところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の発明に係る製造方法で製造したロータでは、そのロータの外周面に固定された複数のセグメント磁石の分極方向が、ロータのラジアル方向に対して回転方向に傾いたとしても、それら傾きは全て同じ回転方向への傾きに統一される。これにより、同じロータに固定されたセグメント磁石同士の間で、ステータのティースに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角のばらつきが抑えられ、コギングトルクの低減を図ることができる。また、本発明の構成によれば、磁気配向方向がロータの一方の回転方向に傾いた第1の焼結磁性体をその長手方向の両端部が入れ替わるように回転させることで、磁気配向方向がロータの他方の回転方向に傾いた第2の焼結磁性体になる。これにより、磁気配向方向が一方側に傾いた第1の焼結磁性体と、他方側に傾いた第2の焼結磁性体とを一纏めにすることができる。さらに、本発明によれば、磁性粉体を成形金型にて断面長方形の角柱体に成形する際に、その角柱体は圧力と共に磁束を受ける。そして、角柱体が成形金型の内面から受ける摩擦によって、角柱体のうち磁束付与方向の両端部における磁気配向方向が磁束付与方向に対して斜めになり得る。そして、焼結後の角柱体が焼結磁性体に縦割り分割されるので、角柱体のうち磁束付与方向の一端部に位置した焼結磁性体を上記した第1の焼結磁性体とする一方、他端部に位置した焼結磁性体を上記した第2の焼結磁性体として扱うことができる。
[請求項2の発明]
同じロータに固定された複数のセグメント磁石の間で、ロータの回転方向における分極方向のばらつき角度と逆起電圧定数との関係をシミュレーションによって求めてグラフ化したところ、分極方向のばらつき角が約2度になったところを変曲点にして逆起電圧定数が悪化する(小さくなる)ことが分かった。また、分極方向のばらつき角度が大きくなるとコギングトルクが大きくなることも、シュミレーションによって確認することができた。そして、請求項2の発明によれば、同じロータに固定された複数のセグメント磁石の間で、ロータの回転方向における分極方向のばらつき角度が2度以下に抑えられるので、コギングトルクの低減と共に逆起電圧定数の向上を図ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1及び図2に示した成形金型60は、セグメント磁石52の母材となる角柱体50を成形するためのものである。この成形金型60は、ベース金型61と可動金型62とからなり、ベース金型61には角柱状の成形部屋63が形成されている。成形部屋63は、ベース金型61のうち可動金型62との対向面に開放した上面開口63Aを有しており、可動金型62に備えた角柱状の押圧突部64が上面開口63Aから成形部屋63内に嵌合挿入されて、成形部屋63内の磁性粉体を角柱体50に成形する。ここで、上面開口63Aは、図2に示すように、細長い長方形になっており、その上面開口63Aの長手方向が角柱体50の長軸方向Zになっている。
成形部屋63内で成形される角柱体50は、図3に示すように、その長軸方向Zと直交する断面の形状が長方形になっている。また、図1に示すように、ベース金型61には電磁コイル65が備えられ、角柱体50の断面形状である長方形の長辺方向Xを向いた磁束を成形部屋63内に付与する。具体的には、ベース金型61のうち前記長辺方向X(磁束付与方向)で対向した対向壁63X,63Xは、磁性体で構成される一方、成形部屋63の底壁63S及び可動金型62の押圧突部64及び、図2に示した上面開口63Aの長手方向で対向した対向壁63Y,63Yは、非磁性体で構成されている。そして、磁性体の対向壁63X,63X同士が、非磁性体の一方の対向壁63Yの外側で連絡されてC字形の磁路61Jが構成され、その磁路61Jの一部に電磁コイル65が巻回されている。
成形部屋63における底面と押圧突部64の押圧面のそれぞれの一角部寄り位置には、成形突起63T,64T(図1参照)が形成されている。また、成形突起63Tを近傍に備えた成形部屋63の一角部と、成形突起64Tを近傍に備えた押圧突部64の一角部とは、互いに対角位置に配置され、これにより、図3に示すように、角柱体50には、1対の対角の近傍に凹状目印58,58が刻印される。
以上が成形金型60の構成の説明である。以下、セグメント磁石52の着磁前の焼結磁性体51を磁性粉体から製造する製造工程を説明する。まず、図1に示したベース金型61の成形部屋63に所定量の磁性粉体を収容し、図示しない油圧プレスによって可動金型62の押圧突部64を成形部屋63内に押し込むと共に、電磁コイル65に直流電流を通電する。すると、成形部屋63内の磁性粉体は、図3に示した角柱体50に成形される。このとき角柱体50は、断面形状である長方形の短辺方向Yを向いた圧力を受けて成形されると共に、長辺方向Xを向いた磁束を受けて磁気配向される。また、角柱体50には上記した1対の凹状目印58,58が刻印される。
次いで、成形金型60から取り出した角柱体50を図示しない加熱炉で焼結させる。そして、焼結後の角柱体50(図3参照)を、図4に示すように、磁束付与方向で3枚以上(例えば、5枚)の焼結磁性体51に縦割り分割する。次いで、焼結磁性体51のうち板厚方向の一方の面を幅方向で湾曲した湾曲面51Wに加工する一方、その反対面を平坦面51Sに加工して、焼結磁性体51の製造が完了する。なお、角柱体50に刻印されていた凹状目印58,58は、角柱体50のうち磁束付与方向で両端部に位置した焼結磁性体51,51の一端部に配置されて残る。以下、焼結磁性体51のうち角柱体50の両端部に位置した焼結磁性体には符号「51A」を付し、中間部に位置した焼結磁性体には符号「51B」を付して区別するものとし、それらを区別しない場合には、符号「51」を付すこととする。
上記製造方法によって複数の角柱体50から製造された複数の焼結磁性体51を、磁性体選定工程にて分別する。その磁性体選定工程では、角柱体50の両端部の焼結磁性体51A,51Aと、中間部の焼結磁性体51B,51B,・・とに分ける。その理由は以下の通りである。即ち、上記した成形金型60によって製造された角柱体50は、その断面形状である長方形の短辺方向Yの圧力を受けかつ長辺方向Xの磁束を受けた状態で成形される。このとき、角柱体50のうち加圧方向(短辺方向Y)と直交する外側面は、成形金型の内面から摩擦力を受けるので、このときの製造誤差により、角柱体50のうち外側面寄りの部位の磁気配向方向(図3における矢印の方向)が磁束付与方向(長辺方向X)に対して斜めになり得る。このため、角柱体50の両端部に位置した焼結磁性体51A,51Aの磁気配向方向は、焼結磁性体51Aをロータ22に固定した場合のロータ22のラジアル方向に対して回転方向に傾く。一方、角柱体50の中間部に位置した焼結磁性体51Bの磁気配向方向は、ラジアル方向と平行な方向を向く。そこで、上記したように、磁性体選定工程では、角柱体50の両端部の焼結磁性体51A,51Aと、中間部の焼結磁性体51B,51B,・・とに分ける。具体的には、凹状目印58が刻印されている焼結磁性体51であるか否かによって角柱体50の両端部の焼結磁性体51Aと中間部の焼結磁性体51Bとを区別する。
ところで、図4に示すように、磁気配向方向のラジアル方向に対する傾きは、角柱体50の一端部の焼結磁性体51Aであるか、他端部の焼結磁性体51Aであるかによって相違する。具体的には、図4において角柱体50の一端部に位置しかつ凹状目印58を上端部に有した第1の焼結磁性体51Aと、角柱体50の他端部に位置しかつ凹状目印58を下端部に有した第2の焼結磁性体51Aとは、共に磁気配向方向がラジアル方向に対して傾斜している点では共通するが、その傾斜方向が右側か左側かで相違する。しかしながら、第1の焼結磁性体51Aをその長手方向の両端部が入れ替わるように回転させると、凹状目印58の位置及び磁気配向方向の傾きの方向が、第2の焼結磁性体51Aと同じになる。そこで、角柱体50の両端部の焼結磁性体51A,51Aは、共に凹状目印58を一端部に配置した状態に揃えて集める。
次いで、磁性体組付工程を行う。磁性体組付工程では、焼結磁性体51をロータ22に固定する。ここで、ロータ22は、円筒体の外周面を多角形に平面加工した構造にしておく。また、同じロータ22に固定する所定複数(例えば、14個)の焼結磁性体51は、角柱体50の両端部の焼結磁性体51Aで統一するか、或いは、角柱体50の中間部の焼結磁性体51Bで統一する。
そして、各焼結磁性体51の平坦面51Sに接着剤を塗布し、ロータ22を、図5に示した治具シャフト31の外側に取り付けておく。この状態で、サーボモータ32によってロータ22の回転位置を制御しながら、ロボット(図示せず)のハンド35にて焼結磁性体51を把持してロータ22の各平坦面に、順次、焼結磁性体51の平坦面51Sを接着固定していく。なお、角柱体50の両端部に位置した焼結磁性体51Aをロータ22に固定した場合には、それら全ての焼結磁性体51Aの凹状目印58がロータ22の一端側に集められた状態になる。
次いで、着磁工程を行う。この着磁工程では、ロータ22に固定された状態の焼結磁性体51に図6に示すように電磁コイル69を対向配置して磁束を付与する。また、この着磁工程では、ロータ22に固定された焼結磁性体51が角柱体50における両端部の焼結磁性体51Aか中間部の焼結磁性体51Bかに拘わらず、同じ方法で焼結磁性体51を着磁させる。そして、焼結磁性体51は、電磁コイル69から磁束を付与されることで、焼結磁性体51の磁気配向方向にN極とS極とが分極した状態に着磁し、セグメント磁石52になる。また、隣り合った電磁コイル69,69の間では磁束の向きを異ならせておく。これにより、ロータ22の外面で隣り合ったセグメント磁石52,52同士の間で、N極とS極の配置が相互に逆向きになるように着磁される。
さて、図6には、ロータ22に固定された焼結磁性体51が角柱体50の両端部の焼結磁性体51A(図4参照)であり、それらが着磁によってセグメント磁石52になったときのNS極の分極方向が矢印にして概念的に示されている。この場合、ロータ22の全てのセグメント磁石52におけるNS極の分極方向が、ロータ22のラジアル方向に対して同じ回転方向に傾斜した状態になる。ここで、セグメント磁石52におけるNS極の分極方向が、ロータ22のラジアル方向に対して異なる回転方向に傾斜した状態になると、それらセグメント磁石52同士の間で、後述するステータ21(図8参照)のティース21Tに対して磁気吸引力の向きが、回転方向に対して前側か後側かに分かれて互いに逆側を向き、コギングトルクが大きくなる。これに対し、本実施形態では、ロータ22の全てのセグメント磁石52の分極方向が、ロータ22のラジアル方向に対して同じ回転方向に傾斜しているので、セグメント磁石52のティース21Tに対する磁気吸引力の向きが、回転方向に対して前側又は後側の同じ側を向く。また、セグメント磁石52同士の間でティース21Tに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角のばらつきも抑えられる。これらにより、コギングトルクを抑えることができる。
なお、ロータ22に固定された焼結磁性体51が角柱体50における磁束付与方向の中間部の焼結磁性体51Bであり、それらが着磁によってセグメント磁石52になったときには、ロータ22の全てのセグメント磁石52におけるNS極の分極方向が、ロータ22のラジアル方向に対して平行な方向を向く。従って、この場合もセグメント磁石52同士の間で、後述するステータ21(図8参照)のティース21Tに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角のばらつきが抑えられ、コギングトルクを抑えることができる。
以上が、本実施形態のセグメント磁石52の製造方法の説明である。次に、セグメント磁石52を有してなるモータ20を駆動源とした電動パワーステアリング装置10(図7参照)の製造方法について説明する。この電動パワーステアリング装置10は、図7に示すように、シャフトケース11の内部に直動シャフト12を直動可能に収容して備えている。シャフトケース11の長手方向の中間部には、ステータ21が嵌合されている。図8に示すように、ステータ21は、シャフトケース11の内面に圧入固定された円筒体の内面から複数のティース21Tを突出させた構造をなしている。また、各ティース21Tにはコイル21Cが巻回されている。さらに、図7に示すように、ステータ21と直動シャフト12との間の円筒空間には、ロータ22が遊嵌され、シャフトケース11に両端部を回転可能に支持されている。そして、これらステータ21とロータ22とからモータ20が構成され、図8に示すように、ロータ22のセグメント磁石52とステータ21のティース21Tとがステータ21の径方向で対向している。
図7に示すように、直動シャフト12の軸方向の中間部には、ボールネジ24が形成され、そのボールネジ24に螺合したボールナット23がロータ22の内側に嵌合固定されている。また、直動シャフト12における一端寄り位置には、ラック30が形成され、そのラック30に噛合したピニオン34にステアリングシャフト29を介してハンドル28が連結されている。この電動パワーステアリング装置10は、直動シャフト12の両端部が車両(図示せず)の1対の転舵輪13,13に連結される一方、シャフトケース11が車両本体(図示せず)に固定されて車両に組み付けられる。そして、ハンドル28を操舵した際の操舵トルクによって直動シャフト12が直動すると共に、その操舵トルクに応じてモータ20が駆動される。そのモータ20の回転出力は、ボールネジ24とボールネジ24とからなるボールネジ機構25により直動シャフト12の軸力に変換されて、ハンドル28の操舵が補助される。
ここで、本実施形態の電動パワーステアリング装置10は、上記した製造方法にて製造されたセグメント磁石52を有するモータ20を駆動源としているので、従来より操舵フィーリングを向上させることができる。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、「磁場解析ソフトJ−Mag」というシミュレーションソフトを用いて、10極12スロット(10個のセグメント磁石と、12個のティースとを有した)のモータにおいて、ロータに固定された複数のセグメント磁石同士の間の分極方向のばらつき角度と逆起電圧定数との関係、及び、前記ばらつき角度とコギングトルクとの関係を求めてグラフ化し、図9に示した。ここで、図9のグラフの横軸において、ばらつき角度がθ[deg]とは、ロータに固定された複数のセグメント磁石の分極方向とロータのラジアル方向との間の傾斜角が、0〜θ[deg]の範囲でばらついていることを意味する。
このシミュレーション結果のグラフから、セグメント磁石の分極方向のばらつき角が約2[deg]になったところを変曲点にして逆起電圧定数が悪化する(小さくなる)ことが分かった。また、分極方向のばらつき角度が大きくなるとコギングトルクが大きくなることも、シュミレーションによって確認することができた。
従って、上記第1実施形態において、角柱体50の両端部の焼結磁性体51Aの磁気配向が、ラジアル方向に対して2度以内の傾斜に抑えられている場合、角柱体50の一端部の焼結磁性体51Aと他端部の焼結磁性体51Aの間で凹状目印58の位置を揃えれば、角柱体50の両端部の焼結磁性体51Aと中間部の焼結磁性体51Bとを混在させてロータ22に固定しても、コギングトルクを抑えることができると共に逆起電圧定数の向上を図ることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態の焼結磁性体51をロータ22に固定する前に着磁処理してセグメント磁石52にしてから、それらセグメント磁石52をロータ22に固定してもよい。この場合は、製造上の誤差により、分極方向がロータ22のラジアル方向に対して回転方向に傾いた複数のセグメント磁石52のなかから同じ回転方向に傾いたセグメント磁石52を所定複数以上、集めてロータ22に固定すればよい。
(2)磁気配向方向がランダムな複数の焼結磁性体51を納入し、それら焼結磁性体51の磁気配向方向の傾きを検査して、その傾きがモータの同じ回転方向を向くように仕分けしてもよい。また、分極方向がランダムな複数のセグメント磁石52を納入し、それらセグメント磁石52の磁気配向方向の傾きを検査して、その傾きがモータの同じ回転方向を向くように仕分けしてもよい。これら場合、例えば、焼結磁性体51(又は、セグメント磁石52)の幅方向にホール素子を移動して、焼結磁性体51の幅方向に位置に対するホール素子の出力強度の変化を調べ、そのホール素子の出力強度がピークとなる位置が、焼結磁性体51の幅方向の中心からどちら側にずれているかによって磁気配向方向の傾きの方向が分かる。
(3)本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記第1実施形態の電動パワーステアリング装置10の構造に限定されるものではなく、ステアリングシャフトの途中に駆動源としてのモータをギヤ連結した構造であってもよい。
(4)前記第1実施形態では、所謂、ボールネジ機構でモータを直動シャフト12に連結したラック電動パワーステアリング装置に本発明を適用した例を示したが、ラックアンドピニオン機構でモータを直動シャフト12に連結したピニオン電動パワーステアリング装置に本発明を適用してもよいし、ステアリングシャフトの途中にモータをギヤ連結したコラム電動パワーステアリング装置に本発明を適用してもよい。
本発明の第1実施形態における角柱体の成型金型の側断面図 その成型金型の平断面図 角柱体の斜視図 焼結磁性体の斜視図 焼結磁性体をロータに組み付ける装置の斜視図 ロータを軸方向から見た正面図 電動パワーステアリング装置の側断面図 モータの断面図 分極方向のばらつき角度とコギングトルク及び逆起電圧定数との関係を示したグラフ
符号の説明
10 電動パワーステアリング装置
20 モータ
21 ステータ
22 ロータ
50 角柱体
51 焼結磁性体
52 セグメント磁石
60 成形金型

Claims (2)

  1. モータにおけるステータの内側に回転可能に組み付けられ、所定複数のセグメント磁石を外周面に固定して備えたロータの製造方法であって、
    前記セグメント磁石が着磁処理される前の焼結磁性体を、前記ロータのラジアル方向と平行に磁気配向させて複数製造する磁性体製造工程と、
    製造上の誤差により、前記磁気配向方向が前記ロータのラジアル方向に対して回転方向に傾いた前記複数の焼結磁性体のなかから同じ回転方向に傾いた前記焼結磁性体を前記所定複数以上、集める磁性体選定工程と、
    前記磁性体選定工程で集めた前記焼結磁性体を前記ロータに固定する磁性体組付工程と、
    前記ロータに固定した前記焼結磁性体を着磁処理して前記磁気配向方向にNS極が分極した前記セグメント磁石に変える着磁工程とを行うロータの製造方法において、
    前記磁性体製造工程には、磁性粉体を成形金型にて断面長方形の角柱体に成形すると共に、その成形中に前記角柱体の断面形状である長方形の短辺方向を向いた圧力と長辺方向を向いた磁束とを付与する成形工程と、
    前記成形された前記角柱体を焼結する焼結工程と、
    前記焼結後の前記角柱体をその断面形状である長方形の長辺方向で3つ以上の前記焼結磁性体に縦割り分割する加工工程とが含められ、
    前記磁性体選定工程では、前記角柱体のうち磁束付与方向の一端部に位置しかつ前記磁気配向方向が前記ロータの前記ラジアル方向に対して一方の回転方向に傾いた第1の焼結磁性体と、前記角柱体のうち磁束付与方向の他端部に位置しかつ前記磁気配向方向が前記ロータの前記ラジアル方向に対して他方の回転方向に傾いた第2の焼結磁性体とに区別し、前記第1の焼結磁性体をその長手方向の両端部が入れ替わるように回転させてから前記第2の焼結磁性体と共に一纏めにすることを特徴とするロータの製造方法。
  2. 前記磁性体選定工程では、前記磁気配向方向が前記ロータの前記ラジアル方向に対して同じ回転方向に0〜2度の範囲で傾いた前記焼結磁性体を前記所定複数以上、集めることを特徴とする請求項1に記載のロータの製造方法。
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