JP5310986B2 - セグメント磁石の製造方法及び電動パワーステアリング装置の製造方法 - Google Patents
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Description
請求項1の発明に係るセグメント磁石の製造方法では、磁性粉体の成形工程において、角柱体の長軸方向に圧力を付与すると共に、角柱体の長軸方向と直交する断面形状である長方形の長辺方向に磁束を付与するので、角柱体の外側面が成形金型の内面から摩擦力を受けて、その外側面寄りの部位の配向方向が磁束付与方向に対して傾斜角を有しても、その傾斜角は角柱体から分割された磁性体プレートの長手方向に対する傾斜角としては出現し得るが、幅方向に対する傾斜角として出現することはない。よって、角柱体から縦割り分割された複数の磁性体プレートが、磁束付与方向の両端に位置した磁性体プレートであるか否かに拘わらず、それら磁性体プレートを着磁してなるセグメント磁石は、幅方向に対して直交した方向の磁束を発生させるように着磁する。従って、本発明の製造方法で製造された複数のセグメント磁石が組み付けられたロータでは、それら複数のセグメント磁石同士の間で、ステータのティースに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角が同じになり、コギングトルクを抑えることができる。
請求項2の発明に係るセグメント磁石の製造方法では、角柱体の成形工程において、角柱体をその長軸方向と直交する断面形状である長方形の長辺方向に磁束と圧力との両方を付与するので、角柱体の外側面が成形金型の内面から摩擦力を受けても、その外側面寄りの部位の配向方向が、磁束付与方向に対して斜めになることはない。これにより、角柱体から縦割り分割された複数の磁性体プレートが、磁束付与方向の両端に位置した磁性体プレートであるか否かに拘わらず、それら磁性体プレートを着磁してなるセグメント磁石は、幅方向に対して直交した方向の磁束を発生させるように着磁する。従って、本発明の製造方法で製造された複数のセグメント磁石が組み付けられたロータでは、それら複数のセグメント磁石同士の間で、ステータのティースに対して最も磁気吸引力が大きくなる電気角が同じになり、コギングトルクを抑えることができる。
請求項3の発明に係る電動パワーステアリング装置の製造方法によれば、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本実施形態のセグメント磁石の製造方法で用いる成形金型60が示されている。この成形金型60は、ベース金型61と可動金型62とからなり、ベース金型61には角柱状の成形部屋63が形成されている。成形部屋63は、ベース金型61のうち可動金型62との対向面に開放した上面開口63Aを有しており、可動金型62に備えた角柱状の押圧突部64が上面開口63Aから成形部屋63内の嵌合挿入されて、成形部屋63内の磁性粉体を角柱体50に成形する。ここで、本実施形態では、成形部屋63のうち上面開口63Aから奥側に向かう方向が角柱体50の長軸方向Zになっている。
図9及び図10には、本実施形態のセグメント磁石の製造方法で用いる成形金型70が示されている。この成形金型70のベース金型71に形成された成形部屋73は、前記第1実施形態で説明した角柱体50(図3参照)に対応した形状をなし、上面開口73Aから奥側に向かう方向が角柱体50の断面形状における長辺方向X(図3参照)に相当している。また、成形部屋73の底壁73Sと可動金型72における押圧突部74は磁性体で構成され、成形部屋73を囲む側壁部73Zは非磁性体で構成されている。そして、図10に示すように、底壁73Sを側壁部73Zの外側で屈曲させて上方に延ばした起立連絡壁78を備えると共に、その起立連絡壁78に摺接可能に接合される摺動連絡壁79が押圧突部74から張り出している。これにより、成形部屋73内の磁性粉体を一部に含んだ環状磁路71Jが構成され、その環状磁路71Jの途中に電磁コイル75が巻回されている。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、セグメント磁石52がロータ22の外面に固定されていたが、セグメント磁石をロータの内部に埋め込んだ構成にしてもよい。
20 モータ
22 ロータ
50 角柱体
51 磁性体プレート
51S 平坦面
51W 湾曲面
52 セグメント磁石
X 長辺方向
Z 長軸方向
Claims (3)
- 磁性粉体を成形金型にて角柱体に成形した後、焼結し、焼結後の前記角柱体をその長軸方向と直交する断面形状である長方形の長辺方向で3枚以上の磁性体プレートに縦割り分割し、前記磁性体プレートのうち板厚方向の一方の面を幅方向で湾曲した湾曲面に加工すると共に、断面多角形のロータの外面に、前記磁性体プレートのうち前記湾曲面と反対側の平坦面を固定した状態にして、それら磁性体プレートの板厚方向に磁束を付与して着磁させ、モータのロータに使用可能な複数のセグメント磁石を製造する方法において、
前記磁性粉体を前記角柱体に成形する成形工程で、前記角柱体の長軸方向に圧力を付与すると共に、前記角柱体の断面形状である長方形の長辺方向に磁束を付与することを特徴とするセグメント磁石の製造方法。 - 磁性粉体を成形金型にて角柱体に成形した後、焼結し、焼結後の前記角柱体をその長軸方向と直交する断面形状である長方形の長辺方向で3枚以上の磁性体プレートに縦割り分割し、前記磁性体プレートのうち板厚方向の一方の面を幅方向で湾曲した湾曲面に加工すると共に、断面多角形のロータの外面に、前記磁性体プレートのうち前記湾曲面と反対側の平坦面を固定した状態にして、それら磁性体プレートの板厚方向に磁束を付与して着磁させ、モータのロータに使用可能な複数のセグメント磁石を製造する方法において、
前記磁性粉体を前記角柱体に成形する成形工程で、前記角柱体の断面形状である長方形の長辺方向に磁束と圧力との両方を付与することを特徴とするセグメント磁石の製造方法。 - 請求項1又は2のセグメント磁石の製造方法で製造したセグメント磁石を備えたモータを電動パワーステアリング装置の駆動源として組み付けることを特徴とする電動パワーステアリング装置の製造方法。
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