JP5463453B2 - コア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造 - Google Patents

Description

本発明は、コア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造に関し、特に、板状コアの外周に設ける各マグネット片を台形型とすることにより、スキュー構造によるコギングの低減とトルクアップの両立を実現するための新規な改良に関する。

従来、用いられていたこの種のコア付筒状等のリニアモータとしては、特許出願を特に行っていないため、特許文献等を開示していないが、一般に、コアレスの直線可動子が主として、工作機械及びチップマウンタ等に採用されていたため、直線移動時のコギング現象は大きい問題とはならなかった。

しかし、直線移動時の推力を高めるためには、固定側又は可動側又はその両方にコアを設ける必要があり、おのずとコギングの問題が発生することになっていた。
前述の筒状のリニアモータと異なるフラット形のリニアモータでは、ステータにスキューを設けることでコギング低減を行っているが、図３及び図４で示される第１部材（可動子又は固定子）１の円板等の板状コア２の外周に貼着された各マグネット片３は、図３の場合は、交互に着磁方向を変える従来からのＮＳ磁石配列で構成され、図４では、各マグネット片３毎に着磁方向を９０°ずつずらせた構成が開示されている。

従来用いられていたこの種の筒状のリニアモータは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各々マグネット片３の側部の形状が、第１部材１の直線移動方向Ａと同一方向に揃えられているため、直線移動時のトルクムラであるコギングトルクが発生し、円滑な直線移動動作を得ることが困難であった。

本発明によるコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造は、円板状又は四角の非円板状からなり磁性でかつ軸体が設けられた板状コアの各端面と直交する面である外周面に多数のマグネット片を貼着し、前記各マグネット片の着磁方向は前記軸体の軸方向に沿う第１着磁方向と前記第１着磁方向とは異なる第２着磁方向の二種類からなると共に互いに隣接する前記各マグネット片の着磁方向を９０度異ならせてなる可動子又は固定子をなす第１部材と、前記第１部材の前記外周面の外側位置に配設された筒状で可動子又は固定子をなす第２部材と、前記第２部材の内面に設けられた励磁巻線と、を備え、前記各マグネット片は、前記軸方向に対して直交する直交方向からみた平面で互いに対向すると共に互いに長さが異なる長辺及び短辺と前記長辺及び短辺間を結ぶ一対の側部からなる台形をなし、互いに前記各マグネット片は、前記各側部同士が接触する状態で配設されていると共に前記長辺と短辺が前記端面に交互に位置し、前記側部の側部方向は前記第１部材の直動方向に対して非平行方向となるスキュー構造となるように前記板状コアに設けられている構成である。

本発明によるコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、板状コアの外周面に多数のマグネット片を貼着し、互いに隣接する前記各マグネット片の着磁方向を９０度異ならせてなる第１部材と、前記第１部材の外側位置に配設された筒状の第２部材と、前記第２部材の内面に設けられた励磁巻線と、を備え、前記各マグネット片は、全体形状が台形をなし、かつ、互いに接触する状態で前記板状コアに設けられていることにより、トルクアップとコギングの低減を両立することができる。
また、前記第１部材には軸体が設けられ、前記励磁巻線への励磁により、前記第１部材が直動することができるため、第１部材を用いて他の部材の円滑な直動を行うことができる。
また、前記第１部材を固定し、前記励磁巻線への励磁により、前記第２部材が直動することができるため、第２部材を用いて他の部材の円滑な直動を行うことができる。
また、前記第１部材は、全体形状が円板状をなし、前記第２部材は全体形状が円筒状をなすことにより、円筒状のリニアモータを得ることができる。

本発明によるコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造を示す平面構成図である。 図１の第１部材の他の形態を示す平面構成図である。 従来構成を示す平面図である。 他の従来構成を示す平面図である。

本発明は、板状コアの外周に設ける各マグネット片を台形型とすることにより、スキュー構造によるコギングの低減とトルクアップの両立を実現するようにしたコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造を提供することを目的とする。

以下、図面と共に本発明によるコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を用いて説明する。
図１において符号１で示されるものは、円板状又は四角等の非円板状からなり軸体１１を有し、かつ、一対の端面２aを有する磁性の板状コア２の前記端面２ａと直交する面である外周面２ｂに多数のマグネット片３を貼着して形成された第１部材であり、この各マグネット片３は前記軸体１１の軸方向Ｇに対して直交する直交方向からみた平面で互いに対向すると共に互いに長さが異なる長辺３ｂ及び短辺と前記長辺３ｂ及び短辺３ｃ間を結ぶ一対の側部３ａからなる台形で形成されている。

前記各マグネット片３の側部３ａ同士は、互いに接触する状態で配設されており、各側部３ａの側部方向Ｂは、前記第１部材１の直動方向Ｃに対して非平行方向となるスキュー構造となるように形成されている。また、前記マグネット片３の前記長辺３ｂ及び短辺３ｃは、前記端面２ａに交互に位置している。

前記第１部材１の前記外周面２ｂの外側位置には、円筒又は四角等の非円状筒体からなる筒状の第２部材４が配設され、この第２部材４の内面４ａには、励磁巻線５が図１の極ピッチＸに合わせて多数配設されている。
前記各マグネット片３の第１、第２着磁方向Ｄ _１ ，Ｄ _２ は、互いに隣接する各マグネット片３において互いに９０度異なるように形成されている（但し、この９０度着磁方向Ｄを変える構成は、トルク向上のための手段として周知である）。尚、第２部材４に磁性材を用いることができる。尚、前記第１着磁方向Ｄ _１ は軸体１１の軸方向Ｇに沿い、第２着磁方向Ｄ _２ は第１着磁方向Ｄ _１ に対して９０度異なっている。

前述の第１部材１と第２部材４とを組合わせて形成されるコア付筒状リニアモータ１０において、前記第１部材１に軸体１１を設けた場合には、固定子としての前記第２部材４の励磁巻線５に駆動信号を供給することにより、前記軸体１１を有する第１部材１が可動子としてその軸方向Ｇである直動方向Ｃに沿って直動することができる。

また、前述の直動動作とは逆に、前記軸体１１及び第１部材１を固定子として固定した状態で、前記励磁巻線５に駆動信号を供給すると、前記第２部材４が可動子として直動方向Ｃに沿って直動することができる。
また、図２は図１の第１部材１のみの他の形態を示すもので、同一極ピッチＸにおける前記各マグネット片３の配設位相を変化させた構成を示しているが、他の構成は図１と同一であるため、図示及び説明を省略する。

本発明は、コア付筒状リニアモータに限らず、リニアアクチュエータとして応用することができる。

１ 第１部材（可動子又は固定子）
２ 板状コア
２ａ 端面
２ｂ 外周面
３ マグネット片
３ａ 側部
３ｂ 長辺
３ｃ 短辺
４ 第２部材（可動子又は固定子）
４ａ 内面
５ 励磁巻線
１０ コア付筒状リニアモータ
１１ 軸体
Ｂ 側部方向
Ｄ _１ 第１着磁方向
Ｄ _２ 第２着磁方向
Ｃ 直動方向
Ｇ 軸方向

Claims (1)

1. 円板状又は四角の非円板状からなり磁性でかつ軸体(11)が設けられた板状コア(2)の各端面(2a)と直交する面である外周面(2b)に多数のマグネット片(3)を貼着し、前記各マグネット片(3)の着磁方向は前記軸体(11)の軸方向(G)に沿う第１着磁方向(D _１ )と前記第１着磁方向(D _１ )とは異なる第２着磁方向(D ₂ )の二種類からなると共に互いに隣接する前記各マグネット片(3)の着磁方向を９０度異ならせてなる可動子又は固定子をなす第１部材(1)と、前記第１部材(1)の前記外周面(2b)の外側位置に配設された筒状で可動子又は固定子をなす第２部材(4)と、前記第２部材(4)の内面に設けられた励磁巻線(5)と、を備え、
   前記各マグネット片(3)は、前記軸方向(G)に対して直交する直交方向からみた平面で互いに対向すると共に互いに長さが異なる長辺(3b)及び短辺(3c)と前記長辺(3b)及び短辺(3c)間を結ぶ一対の側部(3a)からなる台形をなし、互いに前記各マグネット片(3)は、前記各側部(3a)同士が接触する状態で配設されていると共に前記長辺(3b)と短辺(3c)が前記端面(2a)に交互に位置し、前記側部(3a)の側部方向(B)は前記第１部材(1)の直動方向(C)に対して非平行方向となるスキュー構造となるように前記板状コア(2)に設けられていることを特徴とするコア付筒状リニアモータの台形型マグネットスキュー構造。

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