図1は、本発明の実施例1に係る画像表示装置100の概略構成を示す。画像表示装置100は、スクリーン110の一方の面にレーザ光を供給し、スクリーン110の他方の面から出射される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタである。画像表示装置100に設けられた光走査装置120は、画像信号に応じて変調されたレーザ光を走査させる。画像表示装置100は、光走査装置120からのレーザ光をスクリーン110に透過させることで画像を表示する。
光走査装置120は、5つの光源部101R、101Y、101G1、101G2、101Bを備える光源部群101を有する。光源部101R、101Y、101G1、101G2、101Bは、互いに異なる波長スペクトルを有するビーム状の光であるレーザ光を、画像信号に応じて変調して供給する。「互いに異なる波長スペクトルを有する」とは、ピーク波長同士の差が±5nmの範囲以外の範囲である場合、あるいはピーク波長に対するピーク波長同士の差が±1%の範囲以外の範囲である場合をいうものとする。R光源部101Rは、650ナノメートルにピークを有する波長スペクトルの赤色光を供給する赤色光用光源部である。G1光源部101G1は、520ナノメートルにピークを有する波長スペクトルの緑色光を供給する緑色光用光源部である。B光源部101Bは、440ナノメートルにピークを有する波長スペクトルの青色光を供給する青色光用光源部である。
Y光源部101Yは、570ナノメートルにピークを有する波長スペクトルの黄色光を供給する光源部である。G2光源部101G2は、490ナノメートルにピークを有する波長スペクトルのエメラルドグリーン光を供給する光源部である。R光源部101R、B光源部101Bとしては、レーザ光を変調するための変調部を設けた半導体レーザ光源や、固体レーザ光源を用いることができる。Y光源部101Y、G1光源部101G1、G2光源部101G2としては、波長変換素子であるSHG素子を備えるSHGレーザ光源を用いることができる。
各光源部は、波長スペクトルのピーク波長が上記するものである構成に限られない。R光源部101Rは、600〜700ナノメートルにピーク波長を有するものであれば良い。G1光源部101G1は、500〜550ナノメートルにピーク波長を有するものであれば良い。B光源部101Bは、400〜470ナノメートルにピーク波長を有するものであれば良い。Y光源部101Yは、550〜590ナノメートルにピーク波長を有するものであれば良い。G2光源部101G2は、470〜500ナノメートルにピーク波長を有するものであれば良い。
図2は、G2光源部101G2の構成を説明するものである。G2光源部101G2に設けられた半導体レーザ光源221は、980ナノメートルにピークを有する波長スペクトルのレーザ光を供給する。半導体レーザ光源221からのレーザ光は、レンズ系222で平行化された後、SHG素子223に入射する。半導体レーザ光源221には、レーザ光を変調するための変調部が設けられている。SHG素子223は、半導体レーザ光源221からのレーザ光を、2分の1の波長のレーザ光に変換して出射させる。980ナノメートルにピークを有する波長スペクトルのレーザ光は、490ナノメートルにピークを有する波長スペクトルのレーザ光に変換される。SHG素子223としては、例えば、非線形光学結晶を用いることができる。
G2光源部101G2は、470〜500ナノメートルにピーク波長を有するレーザ光を供給するために、940〜1000ナノメートルにピーク波長を有するレーザ光を供給する半導体レーザ素子221を用いることができる。Y光源部101Y及びG2光源部101G2は、SHG素子を用いることにより、入手が容易な汎用の半導体レーザ光源を用いることが可能となる。各光源部に用いられる半導体レーザ光源や固体レーザ光源としては、画像信号に応じてレーザ光を変調できるものであることを要する。
Y光源部101Y及びG1光源部101G1も、G2光源部101G2と同様の構成を有する。例えば、Y光源部101Yは、550〜590ナノメートルにピーク波長を有するレーザ光を供給するために、1100〜1180ナノメートルにピーク波長を有するレーザ光を供給する半導体レーザ光源221を用いることができる。なお、Y光源部101Y、G1光源部101G1、G2光源部101G2は、DPSS(Diode Pumped Solid State)レーザ発振器を用いることとしても良い。DPSSレーザ発振器は、レーザ光源からのレーザ光を用いて固体結晶を励起することにより、レーザ光を供給するものである。各光源部は、それぞれが最大階調のレーザ光を供給するときに良好なホワイトバランスが得られるように構成されている。また、互いに異なる波長スペクトルの光を供給する各光源部は、互いに独立して変調される。
図3は、走査部200の概略構成を示す。走査部200は、反射ミラー202と、反射ミラー202の周囲に設けられた外枠部204とを有する、いわゆる二重ジンバル構造をなしている。外枠部204は、回転軸であるトーションばね206によって、不図示の固定部に連結されている。外枠部204は、トーションばね206の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね206を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね206に略直交する回転軸であるトーションばね207によって、外枠部204に連結されている。反射ミラー202は、各光源部からのレーザ光を反射する。反射ミラー202は、高反射性の部材、例えばアルミニウムや銀等の金属薄膜を形成することにより構成できる。
反射ミラー202は、外枠部204がトーションばね206を中心として回動することにより、スクリーン110においてレーザ光をY方向(図1参照)へ走査させるように変位する。また、反射ミラー202は、トーションばね207の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね207を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動することにより、反射ミラー202で反射したレーザ光をX方向へ走査させるように変位する。このように、走査部200は、各光源部からのレーザ光を、被照射領域であるスクリーン110において第1の方向であるX方向と、第1の方向に略直交する第2の方向であるY方向へ走査させる。
図4は、走査部200を駆動するための構成を説明するものである。反射ミラー202がレーザ光を反射する側を表側とすると、第1の電極301、302は、外枠部204の裏側の空間であって、トーションばね206に関して略対称な位置にそれぞれが設けられている。第1の電極301、302に電圧を印加すると、第1の電極301、302と、外枠部204との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。外枠部204は、第1の電極301、302に交互に電圧を印加することにより、トーションばね206を中心として回動する。
トーションばね207は、詳細には、第1のトーションばね307と第2のトーションばね308とで構成されている。第1のトーションばね307と第2のトーションばね308との間には、ミラー側電極305が設けられている。ミラー側電極305の裏側の空間には、第2の電極306が設けられている。第2の電極306に電圧を印加すると、第2の電極306とミラー側電極305との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。第2の電極306のいずれにも同位相の電圧を印加すると、反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動する。走査部200は、このようにして反射ミラー202を回動させることで、レーザ光を二次元方向へ走査させる。走査部200は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により作成することができる。
走査部200は、例えば画像の1フレーム期間において、垂直方向であるY方向へ1回レーザ光を走査させる間に、水平方向であるX方向について複数回レーザ光を往復させるように反射ミラー202を変位させる。このように、走査部200は、第1の方向であるX方向へレーザ光を走査させる周波数が、第2の方向であるY方向へレーザ光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動される。なお、X方向へのレーザ光の走査を高速に行うために、走査部200は、トーションばね207を中心として反射ミラー202を共振させる構成とすることが望ましい。反射ミラー202を共振させることにより、反射ミラー202の変位量を増大させることができる。反射ミラー202の変位量を増大させることにより、走査部200は、少ないエネルギーで効率良くレーザ光を走査させることができる。なお、反射ミラー202は、共振を用いず駆動することとしても良い。
なお、走査部200は、電位差に応じた静電力によって駆動する構成に限られない。例えば、電磁力を用いて駆動する構成や、圧電素子の伸縮力を用いて駆動する構成であっても良い。電磁力を用いる場合、電流に応じて反射ミラー202と永久磁石との間に電磁力を発生させることにより、走査部200を駆動できる。また、走査部200は、X方向にレーザ光を走査させる反射ミラーと、Y方向にレーザ光を走査させる反射ミラーとを設ける構成としても良い。さらに、各色光を分担して走査させる複数の走査部を設ける構成としても良い。
図1に戻って、走査部200からのレーザ光は、投写光学系103を透過した後、反射部105に入射する。反射部105は、筐体107の内面であって、スクリーン110と対向する位置に設けられている。反射部105は、光走査装置120からのレーザ光をスクリーン110の方向へ反射する。筐体107は、筐体107内部の空間を密閉する。スクリーン110は、筐体107の所定の一面に設けられている。スクリーン110は、画像信号に応じて変調された光走査装置120からのレーザ光を透過させる透過型スクリーンである。反射部105からの光は、スクリーン110の、筐体107の内部側の面から入射した後、観察者側の面から出射する。観察者は、スクリーン110から出射する光を観察することにより、画像を鑑賞する。
図5に、光走査装置120からの各色光の波長特性について説明するためのxy色度図を示す。すべての色は、R、G、Bの各強度比(刺激値)を座標表示することにより、三次元空間上に表される(RGB表色系)。各色光の刺激値は、混合した色が色温度4800Kの白色に見えるときに必要な各色の輝度を1とし、それに対する相対比で表される。RGB表色系の三次元空間からすべての色度を正の値で表わせるよう座標軸を適当に変換したのが、XYZ表示系である。三次元空間であるXYZ表示系をXY面上に投影したものがxy色度図である。xy色度図には、色の要素のうち明度に係る情報を除外して、色相と彩度のみが表される。
点NR、NG、NBは、通常の3原色を用いた映像表示方式に用いられるR光、G光、B光の各色度座標である。点NR、NG、NBを頂点とする三角形で囲まれる範囲S1は、通常の3原色を用いた映像表示方式において、加色混合により得られる色彩の範囲を表すものである。点Rは、R光源部101Rから供給されるR光の色度座標を示す。点G1は、G1光源部101Gから供給されるG光の色度座標を示す。点Bは、B光源部101Bから供給されるB光の色度座標を示す。
レーザ光源から供給される各色光は単色性が高いことから、点R、G、Bは、点NR、NG、NBよりも色度図の外縁側にスポットされる。このことから、R光源部101R、G1光源部101G、B光源部101Bを用いて得られる色彩の範囲S2は、範囲S1よりも広範囲となる。光走査装置は、R光源部101R、G1光源部101G、B光源部101Bの3つを用いる場合、通常の3原色を用いた映像表示方式を用いる場合と比較して広範囲な色彩を表現することが可能である。
点Yは、Y光源部101Yから供給される黄色光の色度座標を示す。点G2は、G2光源部101Gから供給されるエメラルドグリーン光の色度座標を示す。本実施例の光走査装置120は、5つの色光の加色混合により、点R、Y、G1、G2、Bを頂点とする五角形で囲まれる範囲S3の色彩を表現することができる。範囲S3は、ハッチングを付して示した2つの部分、点Y、R、G1で囲まれる部分と、点G2、G1、Bで囲まれる部分とが範囲S2に加えられた範囲である。従って、光走査装置120は、Y光源部101Y及びG2光源部101G2を設けることにより、R、G、Bの各ピーク波長から離れた波長にピークを有する黄色やエメラルドグリーンを十分に表現することが可能となる。
図6は、各色光の走査を制御するための構成を説明するものである。画像信号入力部111は、入力端子から入力された画像信号の特性補正や増幅等を行う。画像信号は、アナログ方式及びディジタル方式のいずれであっても良い。同期/画像分離部112は、画像信号入力部111からの信号を、画像情報信号、垂直同期信号、水平同期信号に分離し、制御部113へ出力する。制御部113のうち、走査制御部123は、垂直同期信号、水平同期信号に基づいて、走査部200を駆動する駆動信号を生成する。走査駆動部115は、制御部113からの駆動信号に応答して走査部200を駆動する。
水平角度センサ125は、スクリーン110にてレーザ光をX方向へ走査させる反射ミラー202(図3参照)の振り角を検出する。垂直角度センサ126は、スクリーン110にてレーザ光をY方向へ走査させる反射ミラー202の振り角を検出する。信号処理部127は、垂直角度センサ126の変位からフレーム開始信号F_Sync、水平角度センサ125の変位からライン開始信号L_Syncをそれぞれ生成し、制御部113へ出力する。
R、G、Bについての画像情報信号が制御部113に入力される場合、原色変換部601は、R、G、Bについての画像表示信号を、各光源部により供給される各色光についての画像表示信号に変換する。原色変換部601における画像表示信号の変換は、例えば、マトリクス変換及び階調補正により行うことができる。多数の原色により画像を表示するための表示信号の変換についての技術は、例えば、特開2000−338950号公報、特開2004−86245号公報に開示されている。
画像処理部121は、制御部113に入力された画像情報を走査線ごとの情報に分けてフレームメモリ114に出力する。フレームメモリ114は、画像処理部121からの画像信号をフレーム単位で格納する。光源制御部122は、フレームメモリ114から読み出される行ごとの画像情報信号を出力する。また、制御部113は、フレーム開始信号F_Sync、ライン開始信号L_Syncから演算された線速度、及び垂直同期信号、水平同期信号に基づいて、画素タイミングクロックを生成する。画素タイミングクロックは、レーザ光が各画素上を通るタイミングを知るための信号であって、画像信号に応じて変調されたレーザ光を正確な位置に入射させるためのものである。
R駆動信号生成部603Rは、原色変換部601で生成されたR光についての画像情報信号に基づいて、画素タイミングクロックに同期させた駆動信号を生成する。R光源駆動部605Rは、R駆動信号生成部603Rからの駆動信号に応じて、R光源部101Rを駆動する。Y駆動信号生成部603Yは、原色変換部601で生成された黄色光についての画像情報信号に基づいて、画素タイミングクロックに同期させた駆動信号を生成する。Y光源駆動部605Yは、Y駆動信号生成部603Yからの駆動信号に応じて、Y光源部101Yを駆動する。G1駆動信号生成部603G1は、原色変換部601で生成されたG光についての画像情報信号に基づいて、画素タイミングクロックに同期させた駆動信号を生成する。G1光源駆動部605G1は、G1駆動信号生成部603G1からの駆動信号に応じて、G1光源部101G1を駆動する。
G2駆動信号生成部603G2は、原色変換部601で生成されたエメラルドグリーン光についての画像情報信号に基づいて、画素タイミングクロックに同期させた駆動信号を生成する。G2光源駆動部605G2は、G2駆動信号生成部603G2からの駆動信号に応じて、G2光源部101G2を駆動する。B駆動信号生成部603Bは、原色変換部601で生成されたB光についての画像情報信号に基づいて、画素タイミングクロックに同期させた駆動信号を生成する。B光源駆動部605Bは、B駆動信号生成部603Bからの駆動信号に応じて、B光源部101Bを駆動する。振幅変調を用いて各光源部のアナログ制御を行う場合、各駆動信号生成部は、画像情報に応じて振幅が制御されたパルスを有する駆動信号を生成する。パルス幅変調を用いて各光源部のディジタル制御を行う場合、各駆動信号生成部は、画像情報に応じてパルス幅が制御されたパルスを有する駆動信号を生成する。かかる構成により、各光源部は、互いに独立して変調される。
本実施例の光走査装置120を用いると、R、G、Bの各色光を走査させる従来の光走査装置を用いる場合よりも広範囲な色彩を表現することができる。また、互いに異なる波長スペクトルの光を供給する各光源部を互いに独立して変調することにより、互いに異なる波長スペクトルの光を用いて色再現性の高い画像を表示することが可能である。これにより、レーザ光を用いて色再現性の高い画像を表示することができるという効果を奏する。また、従来用いる各色光用光源部に加えて、他の波長スペクトルの光を供給するための光源部を用いることから、画像を表示するのに必要なレーザ光のパワーをより分散させることが可能となる。これにより、各光源部の負荷を軽減することもできる。
なお、各色光の走査を制御する構成として、R、G、Bについての画像情報信号を5つの色光についての画像表示信号に変換するものとして説明しているが、本実施例の光走査装置120は、R、G、Bについての画像信号が入力される構成に限られない。例えば、R、G、B以外の他の色光についての画像情報が取り込まれた画像信号が入力される構成であっても良い。この場合、R、G、Bについての画像信号が入力される場合と比較して、さらに広範囲な色彩を表現することが可能となる。
本実施例では、R光源部101R、G1光源部101G1、B光源部101B以外にY光源部101Y及びG2光源部101G2を設けることとしているが、Y光源部101Y及びG2光源部101G2のうち少なくとも一方を設ける構成としても良い。R、G、Bに黄色、エメラルドグリーンのいずれか一方を追加して用いることにより、R、G、Bの各色光を走査させる従来の光走査装置よりも広範囲な色彩を表現することが可能となる。
例えば、R光源部101R、G1光源部101G1、B光源部101B及びG2光源部101G2の4つを用いる場合、それぞれが最大階調のレーザ光を供給するときの光量バランスをR:G1:B:G2=59%、23%、14%、4%とすることが望ましい。これにより、良好なホワイトバランスを得ることができる。これと同様に、R光源部101R、G1光源部101G1、B光源部101B及びY光源部101Yの4つを用いる場合は、それぞれが最大階調のレーザ光を供給するときの光量バランスをR:G1:B:Y=56%、21%、16%、4%とすることが望ましい。
また、R、G、Bを必ずしも含む場合に限らず、互いに異なる波長スペクトルを有するレーザ光を供給する少なくとも4つの色光を用いる構成であれば、広範囲な色彩を表現できる効果を得られる。さらに、5つ以上の色光を用いる構成としても良い。本実施例では、R、G、Bに追加する色光として、R及びGのピーク波長同士の略中間にピークを有する黄色や、G及びBのピーク波長同士の略中間にピークを有するエメラルドグリーンを用いている。R、G、Bに追加する色光としては、R、G、Bのいずれか1つのピーク波長の近くにピークを有する色光を選択することとしても良い。例えば、Gのピーク波長の近くにピークを有する色光を選択して用いることにより、Gに近い色光の再現性を向上させ、かつG光のパワーを分散させることが可能となる。
光源部は、各色光について1つずつを設ける構成に限られない。光源部は、互いに異なる波長スペクトルのうちの少なくとも1つに対して1つ以上設けられれば良く、ある色光については2つ以上設けることとしても良い。特に、SHGレーザ光源を用いるY光源部101Y、G1光源部101G1、G2光源部101G2については、半導体レーザ光源等であるR光源部101RやB光源部101Bよりも最大光量が小さくなることが考えられる。このように最大光量に差がある場合であっても、出力バランスに応じて各光源部の個数を決定することにより、効率的に良好なホワイトバランスを得られる。
SHGレーザ光源を用いる光源部は、半導体レーザ光源に変調部を設けることにより、波長変換素子であるSHG素子へ入射させる基本波を変調することができる。基本波を変調することで、波長変換を行わない光源部を用いる場合と同様に階調を表現することができる。なお、SHG素子の出射光量は、図7に示すように、基本波の光密度の変化に伴って指数関数に近い変化を示す。振幅変調を用いて階調を表現する場合、SHG素子による波長変換効率の変化を考慮した駆動信号を生成する必要がある。なお、基本波の光密度が一定であればSHG素子の波長変換効率は変化しないことから、パルス幅変調を用いて階調を表現する場合は、波長変換効率の変化についての考慮は不要である。
波長変換素子としては、SHG素子を用いる場合に限られない。波長変換素子として、SHG素子以外の他の素子、例えば、第三高調波発生(Third Harmonic Generation;THG)素子や、光パラメトリック発振(Optical Parametric Oscillation)素子を用いても良い。THG素子には、いずれも和周波を発生させる第1の非線形光学結晶、及び第2の非線形光学結晶を用いることができる。第1の非線形光学結晶は、SHG素子と同様にして第2高調波を出射させる。第2の非線形光学結晶は、第2高調波と、第1の非線形光学結晶で波長変換されなかった基本波とを用いて、第2高調波と基本波の和周波である第3高調波を出射させる。第3高調波は、基本波の3分の1の波長を有する。THG素子は、半導体レーザ光源からのレーザ光を、3分の1の波長のレーザ光に変換して出射させる。THG素子を用いることにより、例えば、赤外光である1240nmの基本波を用いて、紫色光である413nmの第3高調波を出射させることができる。
SHG素子及びTHG素子が基本波の短波長変換を行うのに対して、OPO素子は、基本波の長波長変換を行う。OPO素子には、1つの高周波を2つの低周波に分割して出射させる非線形光学結晶を用いることができる。また、OPO素子には、2つのミラーを用いた光共振器が併用される。OPO素子へ入射させる基本波としては、例えば、THG素子からの高周波を用いることができる。例えば、THG素子により1060nmの赤外光から355nmの紫外光を発生させた後、OPO素子による長波長変換を行うことで、1300nmの赤外光とともに488nmの可視光を出射させることができる。このように、半導体レーザ光源と波長変換素子とを適宜組み合わせることで、所望の波長のレーザ光を供給することができる。
図8は、本発明の実施例2に係る光走査装置800の要部概略構成を示す。本実施例の光走査装置800は、レーザ光をX方向へ走査させる第1反射ミラー801、802、803と、レーザ光をY方向へ走査させる第2反射ミラー806を備える走査部を用いて各色光を走査させる。G1光源部101G1からの緑色光、及びY光源部101Yからの黄色光が入射する位置には、第1ダイクロイックミラー804が設けられている。第1ダイクロイックミラー804は、G1光源部101G1からの緑色光を透過させ、かつY光源部101Yからの黄色光を反射させることにより、両色光を合成してG1Y用第1反射ミラー801へ入射させる。
R光源部101Rからの赤色光は、R用第1反射ミラー802へ入射する。B光源部101Bからの青色光、及びG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光が入射する位置には、第2ダイクロイックミラー805が設けられている。第2ダイクロイックミラー805は、B光源部101Bからの青色光を透過させ、かつG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光を反射させることにより、両色光を合成してBG2用第1反射ミラー803へ入射させる。
R用第1反射ミラー802は、R光源部101Rからの赤色光を反射して第2反射ミラー806へ導く。G1Y用第1反射ミラー801は、G1光源部101G1からの緑色光、及びY光源部101Yからの黄色光を反射して第2反射ミラー806へ導く。BG2用第1反射ミラー803は、B光源部101Bからの青色光、及びG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光を反射して第2反射ミラー806へ導く。第2反射ミラー806は、各第1反射ミラー801、802、803からの各色光を反射してスクリーン110へ導く。各第1反射ミラー801、802、803、及び第2反射ミラー806は、例えば、誘電体多層膜をコーティングすることで形成できる。第1反射ミラー801、802、803、第2反射ミラー806は、誘電体多層膜を用いる構成の他、金属膜を用いる構成としても良い。
R光源部101R、G1光源部101G1、B光源部101B、G2光源部101G2、Y光源部101Yからの各レーザ光のピーク波長がそれぞれ650nm、520nm、440nm、490nm、570nmであるとする。この場合、最大階調における光量バランスを、例えばR:G1:B:G2:Y=56%:21%:16%:4%:4%とすると、良好なホワイトバランスを得られる。
R用第1反射ミラー802は、R用第1反射ミラー802へ入射するレーザ光の赤色とは異なる他の色の光と比較して、赤色光を高い反射率で反射する。G1Y用第1反射ミラー801は、G1Y用第1反射ミラー801へ入射するレーザ光の緑色及び黄色とは異なる他の色の光と比較して、緑色光及び黄色光を高い反射率で反射する。BG2用第1反射ミラー803は、BG2用第1反射ミラー803へ入射するレーザ光の青色及びエメラルドグリーン色とは異なる他の色の光と比較して、青色光及びエメラルドグリーン光を高い反射率で反射する。
反射ミラーは、広範囲な波長領域の光と比較して、狭い波長領域の光に対して容易に高反射率を実現することができる。例えば、一つの色光のみを反射させるR用第1反射ミラー802の場合、容易に100%近い反射率を実現できる。また、複数の色光を反射させる反射ミラーの場合、一つの色光のみを反射させる反射ミラーと比較して、反射率が低下することが考えられる。本実施例では、G1Y用第1反射ミラー801は、5つの色光のうち比較的波長差が小さい緑色光と黄色光とを反射する。BG2用第1反射ミラー803は、5つの色光のうち比較的波長差が小さい青色光とエメラルドグリーン光とを反射する。比較的波長差が小さい2つの色光を選択することで、G1Y用第1反射ミラー801及びBG2用第1反射ミラー803についても、広範囲な波長領域の光を反射させる場合よりも高い反射率を実現できる。
高い反射率にできる波長領域の光のみを各第1反射ミラー801、802、803へ入射させることで、各第1反射ミラー801、802、803へ吸収される光を低減することができる。反射ミラーへの光の吸収を低減することで反射ミラーへの熱の蓄積を低減することができる。反射ミラーへの熱の蓄積を低減することで、反射ミラーの劣化を低減でき、高い信頼性を得ることができる。また、G1Y用第1反射ミラー801及びBG2用第1反射ミラー803でそれぞれ2つの色光を反射することで、色光ごとに反射ミラーを設ける場合よりも反射ミラーの数を少なくすることができる。反射ミラーの数を少なくすることで、光走査装置800の部品点数を減少させ、簡易な構成とすることができる。
図9は、G1Y用第1反射ミラー801の反射特性について説明するものである。上記のように、良好なホワイトバランスを得るには、G1光源部101G1からの緑色光の光量を21%とするのに対して、Y光源部101Yからの黄色光の光量は4%程度となる。G1Y用第1反射ミラー801は、緑色光及び黄色光のうち、最大階調における光量が大きい緑色光について、黄色光より高い反射率で反射する。図9に示す反射特性によると、520nmの緑色光について100%近い反射率が実現されるのに対して、570nmの黄色光について99%程度の反射率となる。BG2用第1反射ミラー803についても、青色光及びエメラルドグリーン光のうち、最大階調における光量が大きい青色光について、エメラルドグリーン光より高い反射率とすることができる。
このように、反射ミラーで反射する複数の色光の全てについて最大反射率を実現できなくても、最大階調における光量が最大である一の色光について、他の色光よりも高い反射率とすることが可能である。最大階調における光量が小さい色光については反射ミラーへ熱を蓄積させる影響が少ないことから、最大階調における光量が最大である一の色光について他の色光よりも高い反射率とすることで、熱の蓄積を低減することが可能となる。
なお、第1反射ミラー801、802、803及び色光の組合せは上述のものに限られない。比較的波長差が小さい複数の色光を組み合わせて第1反射ミラーへ入射させる構成であれば良い。例えば、G1光源部101G1からの緑色光とG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光を1つの第1反射ミラーで反射させることとしても良い。また、光走査装置800を用いて走査させる色光の波長に応じて、反射ミラーの数や色光の組合せを決定することができる。例えば、1つの第1反射ミラーで3つ以上の色光を反射させることとしても良い。この場合、反射ミラーは、3つ以上の色光のうち、最大階調における光量が最大である一の色光について、他の色光と比較して高い反射率とすることができる。
さらに、5つの色光に対して5つの第1反射ミラーを用いる構成としても良い。この場合、各反射ミラーについて100%近い反射率を実現することで、反射ミラーにおける熱の蓄積を最小限とすることができる。本実施例は、第1反射ミラー及び第2反射ミラーを備える走査部を用いる構成に限られず、上記実施例1のように2方向へレーザ光を走査させる走査部を用いる構成としても良い。
図10は、本発明の実施例3に係る光走査装置の要部概略構成を示す。本実施例の光走査装置は、8個のG1光源部101G1、2個のB光源部101B、2個のR光源部101R、2個のG2光源部101G2、1個のY光源部101Yを有する。G1光源部101G1は、第1色光である緑色光を供給する第1色光用光源部である。R光源部101Rは、第2色光である赤色光を供給する第2色光用光源部である。第1色光用光源部であるG1光源部101G及び第2色光用光源部であるR光源部101Rが出力バランスに応じて互いに異なる個数で設けられる他、他の光源部101B、101G2、101Yについても出力バランスに応じて個数が決定されている。
G1光源部101G1以外の各色光用光源部101B、101Y、101R、101G2は、G1光源部101G1が緑色光を供給する方向に対して略直交する方向を向けて配置されている。G1光源部101G1と、G1光源部以外の他の光源部101B、101Y、101R、101G2を離して配置することで、個数が最大となるG1光源部101G1に対して十分なスペースを確保することができる。B光源部101Bからの青色光及びY光源部101Yからの黄色光と、G1光源部101G1からの緑色光とが交差する位置には、第1ダイクロイックミラー1003が設けられている。第1ダイクロイックミラー1003は、緑色光を透過し、青色光及び黄色光を反射する。G1光源部101G1及び第1ダイクロイックミラー1003の間には、凸レンズ1001及び凹レンズ1002が設けられている。凸レンズ1001及び凹レンズ1002は、不図示の走査部に合わせて、G1光源部101G1からの8本のレーザ光の集束及び平行化を行う。
R光源部101Rからの赤色光及びG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光と、G1光源部101G1からの緑色光とが交差する位置には、第2ダイクロイックミラー1004が設けられている。第2ダイクロイックミラー1004は、緑色光、青色光及び黄色光を透過し、赤色光及びエメラルドグリーン光を反射する。なお、G1光源部101G1からの8本のレーザ光を走査部へ入射可能であれば凸レンズ1001及び凹レンズ1002に代えて他の構成を用いても良い。
G1光源部101G1からの緑色光は、凸レンズ1001及び凹レンズ1002で間隔が狭められた後、2つのダイクロイックミラー1003、1004を透過する。B光源部101Bからの青色光、及びY光源部101Yからの黄色光は、第1ダイクロイックミラー1003で反射し光路が90度折り曲げられた後、第2ダイクロイックミラー1004を透過する。R光源部101Rからの赤色光、及びG2光源部101G2からのエメラルドグリーン光は、第2ダイクロイックミラー1004で反射し光路が90度折り曲げられた後、第2ダイクロイックミラー1004を透過した緑色光、青色光及び黄色光とともに、不図示の走査部の方向へ進行する。このようにして、各色光を合成して走査部へ入射させる。走査部は、合成された各色光を走査させる。
例えば、一般に、赤色レーザ光源は安価かつ大出力であるのに対して、緑色レーザ光源は高価かつ低出力である。G1光源部101G1及びR光源部101Rを同じ個数とすると、良好なホワイトバランスを得るためには、R光源部101Rの出力をG1光源部101G1の出力と同じ程度にまで落とす必要が生じ、無駄を生じさせてしまう。緑色光及び赤色光以外の色光についても、出力差が認められるにもかかわらず光源部の数を揃える場合、無駄が生じることとなる。光源部の無駄が生じる場合、光学系の大型化、複雑化も招くこととなり、価格の高騰や小型化の妨げが引き起こされる。
本実施例では、各色光用光源部のうち少なくとも2つを互いに異なる個数で設けることにより、互いに最大出力に差がある場合に、出力バランスに応じて各色光用光源部の個数を決定することができる。そのため、最大出力が大きい光源部の出力を、最大出力が小さい他の光源部の出力と同じ程度にまで落とす必要が無く、最大出力が大きい光源部が無駄になるようなことを回避できる。これにより、各色光の出力バランスに応じて効率良く複数の色光を走査させることが可能な光走査装置を得られる。また、最大出力が大きい光源部を必要以上に多く設ける必要が無くなることから、光走査装置を簡易かつ安価な構成とすることができる。色光ごとに光源部の数を異ならせる場合、レーザ光ごとに走査部を設けることとすると、光走査装置の構成が複雑になるばかりでなく駆動が困難となる。本実施例のように各色光を合成して走査部へ入射させることで、色光ごとに異なる数の光源部を設ける構成としても、構成の複雑化や駆動の負担を軽減することができる。
なお、各色光を合成するための構成や各色光用光源部の個数及び配置は、本実施例で説明するものに限られない。各色光用光源部から供給される色光の波長や出力差に応じて適宜構成を設定することができる。また、1つに合成された各色光を走査部へ入射させる構成に限られず、図8に示す光走査装置800のように複数の反射ミラーを用いる場合も、各色光用光源部のうち少なくとも2つを異なる個数で設けることとしても良い。
ここで、赤色、緑色、青色以外の色光の追加に関して、光走査装置を用いる画像表示装置の利点について説明する。例えば、3つの空間光変調装置を用いるいわゆる3板式プロジェクタの場合、3つの空間光変調装置からの変調光をクロスダイクロイックプリズムで合成するのが一般的である。4つ以上の色光の合成は、クロスダイクロイックプリズムを追加することで可能となる。また、複数のクロスダイクロイックプリズムを用いて複数の色光を合成する場合、クロスダイクロイックプリズムへ色光を入射させる位置によって空間光変調装置から投写レンズまでの光学距離に差が生じることとなる。空間光変調装置から投写レンズまでの光学距離の調整を行うには、さらに補正レンズ等が必要となる。3板式プロジェクタの場合、色光の追加とともにクロスダイクロイックプリズムや補正レンズを追加することにより光学系が複雑になることが考えられる。
1つの空間光変調装置を用いるいわゆる単板式プロジェクタの場合、例えば、1フレームを分割して、色光ごとの変調を順次行う手法が採られる。この場合、色光の数が多くなるほど1フレームのうち各色に割り当てられる期間が短くなる上、階調数を増加させることも困難となる。さらに、カラーブレイクアップを低減するには、色光の数が多くなるほどフレーム周波数を増加させねばならないという困難もある。
光走査装置により各色光を走査させる画像表示装置の場合、色光ごとにフレームを分割せず、1フレーム中にて各色光を同時に走査させることができるという利点がある。また、画像信号に応じて各色光を走査させることが可能であれば光源部や走査部を追加する以外に構造を複雑にする必要が無く色光の数を容易に増やすことができ、かつ光学系を簡易な構成にできるという利点もある。
光走査装置を用いて各色光を走査させる場合、互いに近似する色の色光について、他の色光と比較して、被走査面における間隔を狭くして走査させることが望ましい。互いに近似する色とは、各色光用光源部からの各色光のうちピーク波長が近い色をいうものとする。例えば、図11に示すように、赤色光(R)、緑色光(G1)、青色光(B1)の他、緑色に近似する色光(G2)、青色に近似する色光(B2)を走査させるとする。互いに近似する色のG1及びG2は、他の色光であるR、B1、B2と比較して、スクリーン110上における間隔を狭くして走査させる。また、互いに近似する色のB1及びB2は、他の色光であるR、G1、G2と比較して、スクリーン110上における間隔を狭くして走査させる。このように、互いに近似する色の色光について走査位置を近づけ、かつ他の色光について走査位置を遠ざけることで、フリッカを低減することが可能となる。
図12は、各色光用光源部付近の好適な構成について説明するものである。図12に示すR光源部1200R及びG1光源部1200G1は、1つのパッケージ中に設けられている。G1光源部1200G1は、第1色光である緑色光を供給する第1色光用光源部である。R光源部1200Rは、第2色光である赤色光を供給する第2色光用光源部である。
G1光源部1200Gは、それぞれコリメータレンズ1203を経た3つのG1光源用半導体レーザ1201からの光をSHG素子1204へ入射させる。SHG素子1204は、第1レーザ光源であるG1光源用半導体レーザ1201からの光を波長変換する第1色光用波長変換素子である。G1光源部1200Gは、SHG素子1204で波長変換された光を供給する。R光源部1200Rは、第2色光である赤色光を供給する第2レーザ光源である3つのR光源用半導体レーザ1202を有する。R光源部1200Rは、それぞれコリメータレンズ1203を経た3つのR光源用半導体レーザ1202からの光を供給する。
3つのG1光源用半導体レーザ1201及び3つのR光源用半導体レーザ1202は、いずれも放熱部1205上に配置されている。放熱部1205は、G1光源用半導体レーザ1201及びR光源用半導体レーザ1202の駆動により発生した熱をパッケージ外へ放出する。SHG素子1204と接するように設けられた温度制御部1207は、SHG素子1204の温度を制御する。
波長変換素子であるSHG素子1204は、温度により波長変換効率が変化する特性を示す。温度制御部1207は、SHG素子1204の温度が基準値の所定範囲、例えば±1度となるように、SHG素子1204の温度を制御する。温度制御部1207及び放熱部1205の間には、断熱部1206が設けられている。断熱部1206は、温度制御部1207及び放熱部1205を介して、第1レーザ光源であるG1光源用半導体レーザ1202及び第2レーザ光源であるR光源用半導体レーザ1202と、第1色光用波長変換素子であるSHG素子1204とを断熱する。断熱部1206は、例えば、硝子部材やセラミック部材により構成することができる。
SHG素子1204と、発熱体である半導体レーザ1201、1202とを断熱部1206により熱的に絶縁することにより、半導体レーザ1201、1202からの熱による波長変換効率の変化を低減することができる。また、R光源部1200R及びG1光源部1200G1は、1つのパッケージに収める場合であっても、両光源部の半導体レーザ1201、1202とSHG素子1204の間に断熱部1206を介在させることで、波長変換効率の変化を低減することができる。これにより、波長変換効率の変化を低減し、かつ光源部をコンパクトにすることができる。
なお、R光源部1200R及びG1光源部1200G1の他、他の色光用光源部を集積させる構成としても良い。また、波長変換素子を用いる光源部と波長変換素子を用いない光源部とを集積させる場合のみならず、波長変換素子を用いる光源部同士を集積させる場合にも、断熱部を設けることで波長変換効率の変化を低減することができる。さらに、2つの色光について光源部を集積させる場合のみならず、3つ以上の色光について光源部を集積させることとしても良い。