JP4419452B2 - 画像表示方法及びプロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示方法及びプロジェクタ、特に、ビーム状の光を走査させることにより画像を表示する画像表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置として、画像信号に応じて強度を変調したビーム状のレーザ光をスクリーン面内で走査させるレーザ走査型の画像表示装置が知られている。レーザ走査型の画像表示装置の技術としては、例えば、特許文献1に提案されているものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−111733号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ走査型の画像表示装置は、画像を表示するためにある程度以上の大きな強度のレーザ光を用いる。例えば、観察者や使用者が画像表示装置のレーザ光の射出部分を覗き、直接レーザ光が使用者の眼に入射する場合があり得る。大きな強度のレーザ光を用いると、直接レーザ光が眼に入射した場合、眼に悪影響を及ぼすことがある。このように、従来のレーザ走査型の画像表示装置は、ビーム状の光が直接眼に入射するような事態において、眼に悪影響を及ぼすこと等の安全上の問題がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、ビーム状の光が直接使用者の眼に入射するような事態においても、眼への悪影響を低減できる安全な画像表示方法、及びその画像表示方法を用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、画像信号に応じて変調された少なくとも2個のビーム状の光を発生させるビーム光発生工程と、前記ビーム光発生工程において発生させた前記ビーム状の光を二次元方向に走査させて、観察者側へ射出する光走査工程と、を含み、前記光走査工程において走査された全ての前記ビーム状の光は、それぞれ所定値以下の強度を有し、かつ、前記観察者側の空間のいずれの面内において、相互に所定距離以上の空間的間隔であることを特徴とする画像表示方法を提供することができる。
【0007】
少なくとも2個のレーザ光を用いて画像を表示する場合に、光走査工程において走査させたすべてのレーザ光をそれぞれ所定値以下の強度とするため、1個のレーザ光が観察者の瞳に入射した場合であっても眼に悪影響を及ぼすことを低減できる。1個のレーザ光が所定値以下の強度であっても、2個以上のレーザ光が同時に瞳に入射した場合、眼に悪影響を及ぼす場合がある。このため、さらに、光走査工程において走査させた全てのレーザ光を、相互に所定距離以上の空間的間隔とする。所定距離としては、例えば観察者の瞳の直径の距離とすることができる。全てのレーザ光を相互に所定距離以上の空間的間隔とすることにより、同時に2個以上のレーザ光が瞳に入射することを防止できる。また、全てのレーザ光の空間的間隔は、観察者側の空間のいずれの面内においても相互に所定距離以上とする。これにより、観察者側がいずれの位置にいても、所定の強度以上の2個以上のレーザ光が観察者の瞳に同時に入射することを防止する。これにより、ビーム状の光が直接観察者の瞳に入射するような事態においても、眼への悪影響を低減できる安全な画像表示方法を提供できる。
【0008】
また、本発明の好ましい態様としては、前記所定距離は、7mmより長い距離であることが望ましい。観察者の瞳の直径は略7mm程度である。このため、光走査工程において走査させた全てのレーザ光が相互に有する所定距離を7mmより長い距離とすることにより、同時に2個以上のレーザ光が観察者の瞳に入射することを防止できる。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様としては、前記観察者側の空間のいずれの面内において、相互に前記所定距離以下の前記空間的間隔となる前記ビーム状の光を遮光する遮光工程をさらに含むことが望ましい。光走査工程において走査されたレーザ光のうち、相互に所定距離以下の空間的間隔となるレーザ光を遮光することによって、同時に2個以上のレーザ光が直接観察者の眼に入射することを防止できる。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼への悪影響が及ぶことを低減できる。
【0010】
さらに、本発明によれば、画像信号に応じて変調された少なくとも2個のビーム状の光を発生する光源部と、前記光源部が発生した前記ビーム状の光を二次元方向に走査させる光走査部と、を有し、前記光走査部で走査された全ての前記ビーム状の光は、所定値以下の強度を有し、かつ、前記観察者側の空間のいずれの面内において、相互に所定距離以上の空間的間隔であることを特徴とするプロジェクタを提供することができる。
【0011】
少なくとも2個のレーザ光を用いて画像を表示する場合に、光走査部により走査させたすべてのレーザ光をそれぞれ所定値以下の強度とする。このため、1個のレーザ光が観察者の瞳に入射した場合であっても眼に悪影響が及ぶことを低減できる。また、1個のレーザ光が所定値以下の強度であっても、2個以上のレーザ光が同時に瞳に入射した場合、眼に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、さらに、光走査部により走査させた全てのレーザ光を、相互に所定距離以上の空間的間隔とする。全てのレーザ光を相互に所定距離以上の空間的間隔、例えば、瞳の直径以上の空間的間隔とすることにより、同時に2個以上のレーザ光が瞳に入射することを防止できる。また、全てのレーザ光の空間的間隔は、観察者側の空間のいずれの面内においても相互に所定距離以上とする。これにより、観察者がいずれの位置にいても、所定の強度以上の2個以上のレーザ光が直接観察者の眼に同時に入射することを防止する。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様としては、前記光走査部で走査された前記ビーム状の光を、前記観察者側の空間の所定面に照射させることによって、画像を表示することが望ましい。画像表示装置から、観察者側のスクリーンにレーザ光を投写させるいわゆるフロント投写型のレーザプロジェクタにおいては、画像表示装置から射出させるレーザ光が直接観察者の眼に入射することによって、眼に悪影響を及ぼすおそれがある。本発明によれば、フロント投写型プロジェクタにおいてビーム状の光が直接観察者の眼に入射する事態であっても、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0013】
また、本発明の好ましい態様としては、少なくとも、前記光源部と、前記光走査部とを収納する筐体と、前記筐体から前記ビーム状の光を射出させる位置の近傍に、光学的に透明な硝子部材と、をさらに有することが好ましい。筐体からビーム状の光を射出させる位置の近傍に、光学的に透明な部材を設けることにより、同時に2個以上のレーザ光が直接観察者の眼に入射することを確実に防止できる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様としては、少なくとも、前記光源部と、前記光走査部とを収納する筐体と、前記筐体に設けられ、前記光走査部で走査された前記ビーム状の光を透過させることによって画像を表示するスクリーンと、をさらに有することが望ましい。筐体に設けられたスクリーンにレーザ光を透過させる、いわゆるリア型レーザプロジェクタは、スクリーンを透過させたレーザ光を観察する。本発明の好ましい態様によれば、リア型レーザプロジェクタにおいてビーム状の光が直接観察者の眼に入射する事態であっても、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0015】
また、本発明の好ましい態様としては、前記スクリーンは、少なくとも2個の前記ビーム状の光のうち所定距離以下の空間的間隔である前記ビーム状の光を遮光する遮光部をさらに有することが望ましい。光走査部により走査されたレーザ光のうち、相互に所定距離以下の空間的間隔となるレーザ光を遮光することによって、同時に2個以上のレーザ光が直接観察者の眼に入射することを低減できる。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す。プロジェクタ100は、画像信号に応じて変調されたビーム状のレーザ光により画像を表示する。筐体110は、少なくとも、光源部101と、光走査部であるガルバノミラー104とを収納している。光源部101は、赤色レーザ光(以下、「Rレーザ光」という。)LRを供給するR光用レーザ光源102Rと、緑色レーザ光(以下、「Gレーザ光」という。)LGを供給するG光用レーザ光源102Gと、青色レーザ光(以下、Bレーザ光」という。)LBを供給するB光用レーザ光源102Bと、を有する。各レーザ光源102R、102G、102Bには、例えば、半導体レーザ素子や、固体レーザを用いることができる。各光用レーザ光源102R、102G、102Bは、それぞれ制御部106からの画像信号に応じてレーザ光を変調して供給する。これにより、光源部101は、画像信号に応じて変調された3個の各色レーザ光LR、LG、LBを発生する。また、光源部101は、各色レーザ光LR、LG、LBのいずれも所定値以下の放射強度となるように、各色レーザ光LR、LG、LBを発生する。各色レーザ光LR、LG、LBの放射強度については、後述する。
【0017】
各光用レーザ光源102R、102G、102Bからの各色レーザ光LR、LG、LBは、それぞれガルバノミラー104に入射する。ガルバノミラー104は、略直交する2軸を中心に回動することにより、光源部101からの各色レーザ光LR、LG、LBを、二次元方向であるxy方向に走査させる。ガルバノミラー駆動部105は、制御部106からの画像信号に応じてガルバノミラー104を駆動する。ガルバノミラー104により走査された各色レーザ光LR、LG、LBは、カバー硝子107からプラスz方向へ射出され、観察者側の空間に設けられているスクリーン108に入射する。カバー硝子107は、光学的に透明な硝子部材からなり、筐体110から各色レーザ光LR、LG、LBを射出させる位置の近傍に設けられている。カバー硝子107と、スクリーン108とは、いずれも、各色レーザ光LR、LG、LBが走査されるxy方向に略平行となるように設けられている。なお、あおりの効果を意図的に得る場合は、スクリーン108とプロジェクタ100とを略平行としない場合もある。各色レーザ光LR、LG、LBをスクリーン108に入射させることにより、スクリーン108に画像を表示する。プロジェクタ100は、観察者側のスクリーン108にレーザ光を投写させるいわゆるフロント投写型のレーザプロジェクタである。
【0018】
図2は、カバー硝子107からレーザ光が射出されている様子を、観察者側から目視したものである。上述のように、ビーム状の各色レーザ光LR、LG、LBは、プラスz方向へ射出されている。各色レーザ光LR、LG、LBは、図2に示すxy平面において、スポット状に表すことができる。図2に示す破線は、カバー硝子107のxy平面において各色レーザ光LR、LG、LBが走査される軌跡である。ここで、上述のようにカバー硝子107とスクリーン108(図1参照)とは、いずれもxy平面に略平行に設けられている。このため、カバー硝子107のxy平面を走査された各色レーザ光LR、LG、LBは、そのままスクリーン108上の面においても走査される。図2に示す状態の各色レーザ光LR、LG、LBは、マイナスy方向に走査されている。ガルバノミラー104(図1参照)は、各色レーザ光LR、LG、LBをマイナスy方向に走査させた後、走査位置をプラスx方向に移動させる。そして、各色レーザ光LR、LG、LBを走査させていたマイナスy方向とは逆の方向であるプラスy方向へ走査方向を変換する。これを繰り返すことによって、スクリーン108(図1参照)の全体に各色レーザ光LR、LG、LBを照射させる。
【0019】
カバー硝子107のxy面内において、Rレーザ光LRとGレーザ光LGとの相互の空間的間隔d1は、所定距離である7mmより長い距離である。また、Gレーザ光LGとBレーザ光LBとの相互の空間的間隔d2と、Bレーザ光LBとRレーザ光LRとの空間的間隔d3とも、いずれも空間的間隔d1と同様に、7mmより長い距離である。カバー硝子107より観察者側の空間において、各色レーザ光LR、LG、LBは、カバー硝子107と等間隔の状態、又は発散する状態で射出される。このことから、各色レーザ光LR、LG、LBの各空間的間隔d1、d2、d3は、観察者側の空間のいずれの面内においても7mmより長い距離となる。ここで、観察者の平均的な瞳の直径は略7mmである。このため、各空間的間隔d1、d2、d3の7mmより長い距離とは、瞳の直径より略大きな距離である。このため、各色レーザ光LR、LG、LBのうち少なくとも2個以上のレーザ光が同時に瞳に入射することを防止できる。また、観察者側の空間のいずれの面内においても各空間的間隔d1、d2、d3を7mmより長い距離とすることにより、プロジェクタ100を観察者側のいずれの位置から目視した場合であっても、2個以上のレーザ光が同時に瞳に入射することを防止できる。なお、投写レンズ等を用いる場合には、各色レーザ光LR、LG、LBが投写レンズ等から射出された空間のいずれの面内においても、各色レーザ光LR、LG、LBの空間的間隔が7mmより長い距離となるように設定する。
【0020】
上述のように、各色レーザ光LR、LG、LBは、いずれも所定値以下の強度を有する。ここで、各色レーザ光LR、LG、LBは、例えば、レーザ製品に使用するレーザの安全基準であるJIS6802に規定されているレーザクラス2レベル以下の強度であることが望ましい。レーザクラス2レベルのレーザ光は、400nm〜700nmの波長範囲で可視放射を放出するレーザである。レーザクラス2レベルのレーザ光が眼に入射した場合、通常、まばたきの反射作用を含む嫌悪反応によって眼の保護がなされる。そのため、レーザクラス2レベルのレーザ光は、例えば、ガルバノミラー104によって走査させて瞬間的に瞳を通過した場合の危険性について考慮を要しないものである。従って、各色レーザ光LR、LG、LBの強度をレーザクラス2レベル以下とすることにより、各色レーザ光LR、LG、LBが単独で眼に入射した場合であっても眼の保護がなされ、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0021】
また、各色レーザ光LR、LG、LBが所定値以下の強度であっても、同時に各色レーザ光LR、LG、LBのうち2個以上のレーザ光が瞳に入射した場合、眼に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、上述のように、各色レーザ光LR、LG、LBを、いずれも相互に7mmより長い距離の空間的間隔とすることにより、同時に2個以上のレーザ光が瞳に入射することを防止できる。このようにして、観察者が観察者側のいずれの位置からプロジェクタ100を目視した場合であっても、同時に所定の強度以上のレーザ光が直接観察者の瞳に入射することを防止できる。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼に悪影響が及ぶことを低減できるという効果を奏する。さらに、筐体110から各色レーザ光LR、LG、LBを射出させる位置の近傍にカバーガラス107を設けることにより、確実に、各色レーザ光LR、LG、LBのいずれも相互に7mmより長い距離の空間的間隔にできる。
【0022】
なお、本実施形態のプロジェクタ100は、光走査部としてガルバノミラー104を用いているが、これに限られない。例えば、光走査部として、所定軸を中心に複数の反射面を回動させるポリゴンミラーを用いても良い。また、プロジェクタ100は、一つのガルバノミラー104によって各色レーザ光LR、LG、LBを走査させることとしているが、各色光についてそれぞれガルバノミラーを備え、各色レーザ光LR、LG、LBについて別個に走査させる構成としても良い。この場合も各色レーザ光LR、LG、LBがいずれも相互に7mmより長い距離の空間的間隔となるように各ガルバノミラーを駆動することにより、一つのガルバノミラー104を用いる場合と同様に、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。
【0023】
図3、図4を用いて、本実施形態のプロジェクタ100の第1及び第2の変形例についてそれぞれ説明する。図3に示すように、Rレーザ光LRとGレーザ光LGとの走査幅d11と、Gレーザ光LGとBレーザ光LBとの走査幅d12とを、予め7mmより長い距離としても良い。このように、各色レーザ光LR、LG、LBがy方向に走査されるときの走査幅を予め7mmより長い距離となるように設定する。3つのレーザ光源102R、102G、102Bの位置が固定されており、かつ光走査部であるガルバノミラー104が一つの場合、3つの各色レーザ光LR、LG、LBの位置関係は固定されている。これに対して、3つの各色レーザ光LR、LG、LBがそれぞれ別のガルバノミラー104によって走査される場合、3つの各色レーザ光LR、LG、LBの位置関係は固定されない。このため、例えば、各ガルバノミラー104の駆動の同期が合わなくなった場合、各色レーザ光LR、LG、LBが集中してしまうことも考えられる。このとき走査幅d11、d12を予め7mmより長い距離とすることにより、各色レーザ光LR、LG、LBのうち少なくとも2個のレーザ光が直径7mm以下の範囲に集中することを確実に防止できる。
【0024】
図4は、本実施形態の第2の変形例における、各色レーザ光の様子を示す。本変形例では、スクリーン108を3つの領域に分け、それぞれの領域を異なる光源部からのレーザ光によって画像を表示する。プロジェクタは、各色光用レーザ光源をそれぞれ備えた3つの光源部を有する。それぞれの光源部からの各色レーザ光LR、LG、LBは、各光源部に対応して設けられているガルバノミラーによって走査される。このとき、カバー硝子107のxy平面においてy方向に並列させた3つの矩形領域107aに、それぞれ各色レーザ光LR、LG、LBが走査される。なお、3つの矩形領域107aをy方向に並列させる構成とせず、x方向に並列させることとしても良い。カバー硝子107において一つの領域107aを走査させるレーザ光LR、LG、LBのそれぞれの放射強度を合計したときに所定値以下となるように、レーザ光LR、LG、LBの放射強度を設定する。そして、レーザ光LR、LG、LBを組み合わせて各領域107a、107a、107aに走査させたときに、レーザ光LR、LG、LBの3つの組合せどうしの空間的間隔を相互に7mmより長い距離とする。これにより、所定値以上の強度のレーザ光が、同時に観察者の瞳に入射することを防止できる。
【0025】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ500の概略構成を示す。上記第1実施形態のプロジェクタ100と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。プロジェクタ500は、筐体に設けられたスクリーンにレーザ光を透過させることによって画像を表示する、いわゆるリア型のレーザプロジェクタである。
【0026】
プロジェクタ500は、少なくとも光源部101と、光走査部であるガルバノミラー104とを収納する筐体510を有する。筐体510の観察者側の面には、透過型スクリーン507が設けられている。ガルバノミラー104からの各色レーザ光LR、LG、LBは、透過型スクリーン507の第1面S1に入射する。透過型スクリーン507に対して、筐体510の内部側の第1面S1に各色レーザ光LR、LG、LBが投写される。観察者は、筐体510の観察者側の第2面S2から投写像を観察する。なお、透過型スクリーン507の第1面S1は、フレネルレンズの形状に加工されている。第1面S1をフレネルレンズの形状とすることにより、透過型スクリーン507の法線、即ちz軸に平行な線に対して所定の角度をもって入射するレーザ光を観察者の方向へ偏向することができる。これにより、投写像の歪みを低減し、良質な投写像を得られる。
【0027】
プロジェクタ500では、筐体510に設けられた透過型スクリーン507に各色レーザ光LR、LG、LBを照射する。観察者は、透過型スクリーン507を透過した各色レーザ光LR、LG、LBを観察する。このため、例えば、透過型スクリーン507が破損した場合、観察者の眼に直接各色レーザ光LR、LG、LBが入射するおそれがある。そこで、上述の第1実施形態のプロジェクタ100と同様、各色レーザ光LR、LG、LBを、いずれも所定値以下の放射強度とする。また、各色レーザ光LR、LG、LBは、観察者側の空間のいずれの面内において、相互に7mmより長い距離の空間的間隔とする。このため、例えば透過型スクリーン507の破損によって各色レーザ光LR、LG、LBが観察者側の空間へ直接射出した場合であっても、所定値以上の放射強度の2個以上のレーザ光が観察者の瞳に同時に入射することを防止できる。これにより、リア型レーザプロジェクタにおいて、観察者の眼への悪影響を低減できるという効果を奏する。
【0028】
(第3実施形態)
図6を用いて、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。図6は、本実施形態のプロジェクタのカバー硝子607を、観察者側から目視した様子を示す。上記第1実施形態のプロジェクタ100と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態のプロジェクタは、相互に所定距離以下の空間的間隔となるレーザ光を遮光する遮光部を有することを特徴とする。
【0029】
本実施形態のプロジェクタは、上記の第1実施形態に係るプロジェクタ100と同様、フロント投写型のレーザプロジェクタである。カバー硝子607のxy平面を射出した各色レーザ光LR、LG、LBは、そのままスクリーン108(図1参照)上の面においても走査される。カバー硝子607のxy平面において、レーザ光LR、LG、LBを、いずれも7mmより長い距離の空間的間隔で、かつ、レーザ光LB、LG、LRの順に図6(a)に示す破線矢印で示す走査軌跡を走査させる。各色レーザ光LR、LG、LBは、例えば、それぞれ別のガルバノミラーを用いて走査される。図6(a)に示す状態から各色レーザ光LR、LG、LBがマイナスy方向に走査された後、レーザ光LBから順に走査位置をプラスx方向に移動させる。そして、各色レーザ光LB、LG、LRの走査方向を、それまでのマイナスy方向とは逆の方向である、プラスy方向に変換する。
【0030】
図6(a)に示す状態から各色レーザ光LR、LG、LBをマイナスy方向に走査させた後、走査位置をプラスx方向に移動させ、さらに走査方向をプラスy方向に変換している状態を、図6(b)に示す。このとき、図6(b)に示すように、各色レーザ光LR、LG、LBは、走査方向がマイナスy方向からプラスy方向に変換される前後において、カバー硝子607の外周付近の一部に集中することとなる。このため、各色レーザ光LR、LG、LBのうちの2個のレーザ光、あるいは3個すべてのレーザ光が、一時的に、カバー硝子607のxy平面において相互に7mm以内の空間的間隔となる場合がある。
【0031】
遮光部である防護硝子610は、カバー硝子607の外周のうち対向する2辺に設けられている。本実施形態のプロジェクタは、xy平面において略長方形を有するカバー硝子607の短辺付近において各色レーザ光LR、LG、LBの走査方向を変換させるため、カバー硝子607の短辺に沿って防護硝子610を設けている。このため、カバー硝子607の外周付近で各色レーザ光LR、LG、LBが相互に7mm以下の空間的間隔となる場合があっても、7mm以下の空間的間隔であるレーザ光を遮光することができる。このようにして防護硝子610を設けることによって、同時に2個以上のレーザ光が観察者の眼に入射することを防止できる。これにより、ビーム状の光が直接観察者の眼に入射するような事態においても、眼に悪影響が及ぶことを低減できるという効果を奏する。
【0032】
なお、本実施形態のプロジェクタはフロント投写型のレーザプロジェクタであるが、上記の第2実施形態のプロジェクタ500と同様の、リア型レーザプロジェクタとしても良い。リア型レーザプロジェクタに防護硝子610を設けることにより、本実施形態のプロジェクタと同様、眼に悪影響が及ぶことを低減できる。また、上記の各実施形態において、3つのレーザ光LR、LG、LBを走査させることとしているが、これに限らず、2個以上のレーザ光を走査させるプロジェクタについて、本発明を適用することができる。さらに、プロジェクタは、指向性を有するビーム状の光を走査させるものであれば、レーザ光を用いるものに限られない。例えば、光源にレーザダイオードを用いるプロジェクタにも、本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成図。
【図2】 レーザ光の走査方法についての説明図。
【図3】 他のレーザ光の走査方法についての説明図。
【図4】 他のレーザ光の走査方法についての説明図。
【図5】 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの概略構成図。
【図6】 本発明の第3実施形態に係るプロジェクタの一部の拡大図。
【符号の説明】
100 プロジェクタ、101 光源部、102R R光用レーザ光源、102G G光用レーザ光源、102B B光用レーザ光源、104 ガルバノミラー、105 ガルバノミラー駆動部、106 制御部、107 カバー硝子、107a 領域、108 スクリーン、110 筐体、500 プロジェクタ、507 透過型スクリーン、510 筐体、607 カバー硝子、610 防護硝子、d1、d2、d3、d11、d12 空間的間隔、LR、LG、LB レーザ光、S1 第1面、S2 第2面
Claims (2)
- 画像信号に応じて変調された少なくとも2個のビーム状の光を発生する光源部と、
前記光源部が発生した前記ビーム状の光を二次元方向に走査させる光走査部と、
少なくとも前記光源部と前記光走査部とを収納する筐体と、
前記光走査部によって走査された前記ビーム状の光を前記筐体の外部に射出させる、光学的に透明な硝子部材と、
前記光走査部によって走査された前記少なくとも2個のビーム状の光が前記硝子部材を透過する際の相互の空間的間隔が7mm以下になる場合に、前記少なくとも2個のビーム状の光のうちの少なくとも1個の光を遮光する遮光部と、を備え、
前記遮光部により遮光されない場合の前記少なくとも2個のビーム状の光は、相互の空間的間隔が等間隔を維持した状態、もしくは相互の空間的間隔が発散する状態で、前記硝子部材から射出可能とされたことを特徴とするプロジェクタ。 - 前記遮光部は前記硝子部材の外周に設けられ、前記硝子部材のうち、前記光走査部によって走査される前記ビーム状の光の走査方向が逆向きに変換される際に前記少なくとも2個のビーム状の光の相互の空間的間隔が7mm以下になる領域を遮光することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
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