JP5303960B2 - 位置調整式ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次衝突時の衝撃吸収機能を備えた位置調整式ステアリング装置に関する。
チルト調整式のステアリング装置として、例えば特許文献1,2に示すように、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムの車両前方側を弾性変形自在な車両前方側ブラケットを介して車体側支持部に支持し、前記ステアリングコラムの車両後方側を、上下方向に移動自在となるようにチルト機構を介して車体側部材で支持してなる装置が知られている。
特許文献1の装置の車両前方側ブラケットは、金属板を折曲して形成した部材であり、車体側部材に固定される車体取付部と、この車体取付部に直交した支持部と、この支持部に穿設されステアリングコラムの車両前方側を貫通させる円孔と、円孔の周縁部に間欠的に設けられた複数の円弧壁とを備え、コラム外周を複数の円弧壁に当接させながらステアリングコラムの車両前方側を円孔に挿通し、ステアリングコラムをチルト調整する際に、複数の円弧壁が径方向に弾性変形するようになっている。また、二次衝突時にステアリングコラムが車両前方に移動すると、ステアリングコラムの外周及び円弧壁の間で発生する摺動摩擦力により衝撃吸収荷重が発生し、二次衝突時の衝突エネルギが吸収されるようになっている。
また、特許文献2の装置の車両前方側ブラケットは、車両前後方向を向く円環部に弾性を有する合成樹脂材からなる円環状のカラーが圧入され、このカラー内にステアリングコラムの車両前方側が内嵌されている。また、カラーには、円環部の車両前方側の端面に係合する係止片が径方向外方に突出して形成されている。そして、ステアリングコラムをチルト調整する際には、円環部に圧入されたカラーが弾性変形するようになっている。また、二次衝突時にステアリングコラムが車両前方に移動すると、カラーの係止片が破断することで衝撃吸収荷重が発生し、二次衝突時の衝突エネルギが吸収されるようになっている。
実用新案登録第2567793号公報 特開平7−285445号公報特許第3591284号公報
しかし、特許文献1は、例えば、ステアリング操舵時の操舵力がステアリングコラムに伝達する場合や、エンジン等からの車体振動がステアリングコラムに伝達される場合、金属板を折曲した部材である車両前方側ブラケットの支持部及び複数の円弧壁の剛性が小さいとステアリングコラムが揺動してしまい、正確なステアリング操舵が阻害されて運転者の操舵フィーリングが悪化するおそれがある。また、車両前方側ブラケットの支持部及び複数の円弧壁の剛性が小さいと、チルト調整のためにステアリングコラムが上下方向に回動する際にガタツキが発生するおそれがある。
また、二次衝突の際に円弧壁がステアリングコラムの外周に引っ掛かりやすく、衝撃吸収荷重を安定して発生することが難しいという問題もある。
一方、特許文献2は、ステアリングコラムの外周をカラーを介して円環部が支持することで車両前方側ブラケット剛性を高くすることができるが、合成樹脂材からなるカラーは、チルト調整時の弾性変形量が少なく、ステアリングコラムのスムーズなチルト傾動を阻害するおそれがある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ステアリングコラムのスムーズなチルト傾動を可能とし、且つ二次衝突時に安定した衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる位置調整式ステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の位置調整式ステアリング装置は、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムの車両前方側コラムが、車両前方側ブラケットを介して車体側部材に支持され、前記ステアリングコラムの車両後方側コラムが、上下方向に移動自在となるようにチルト機構を介して前記車体側部材に支持されてなる位置調整式ステアリング装置において、前記車両前方側ブラケットは、前記車両前方側コラムの外周に対して、車幅方向外方から押付け力を付与して支持するチルト支点ピンと、車両上下方向から押付け力を付与して支持するチルト調整ピンと、車体側部材に固定されたコラム支持部と、このコラム支持部に固定され、前記車両前方側コラムを挿通している環状のスペーサとを備え、前記チルト機構の操作により前記車両前方側コラムが前記チルト支点ピンに支持されている部位回りに上下方向に回動する際に、前記チルト調整ピンは、車両上下方向に移動しながら弾性的に前記車両前方側コラムを支持し、前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンは、二次衝突の際に、車両前方に移動する前記ステアリングコラムの外周に摺動して衝撃荷重を吸収するとともに、前記チルト支点ピンは、前記スペーサの内周から所定量だけ突出するように固定されて前記車両前方側コラムの車幅方向の外周を支持し、前記チルト調整ピンは、前記スペーサに内蔵された弾性部材に前記車両前方側コラムに向かう方向に押付け力が付与されながら前記車両前方側コラムの車両上下方向の外周を支持するようにした。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の位置調整式ステアリング装置において、車両前方側コラムの外周に、前記前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンの先端が入り込むことで前記ステアリングコラムの回転を規制する係合凹部を設けた。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の位置調整式ステアリング装置において、前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンの先端を球面形状とし、前記係合凹部を曲面形状とした。
また、請求項記載の発明は、請求項2又は3記載の位置調整式ステアリング装置において、前記係合凹部は、前記ステアリングコラムの軸線に沿って直線状に延在する長溝である。
さらに、請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項に記載の位置調整式ステアリング装置において、前記チルト支点ピンの基端側にねじ部を設け、前記スペーサの内周側に設けたねじ孔に所定量だけ突出するようにねじ込まれているようにした。
本発明に係る位置調整式ステアリング装置によると、チルト調整を行なう際に、ステアリングコラムは、チルト支点ピンに押付け力が付与されながら支持された車幅方向の部位回りに上下方向に回動するが、ステアリングコラムの上下方向移動に対して、前記チルト調整ピンが車両上下方向に移動しながら弾性的にステアリングコラムを支持するので、ステアリングコラムのスムーズなチルト傾動を行うことができる。
また、チルト支点ピン及びチルト調整ピンは、二次衝突の際に、車両前方に移動するステアリングコラムの外周に摺動して衝撃荷重を吸収するので、二次衝突時に安定した衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係るチルト調整式のステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図、図2は本発明によるチルト調整式のステアリング装置を車幅方向から示した図、図3は図2のA−A線矢視図、図4は図2のB−B線矢視図、図5は図4のC−C線矢視図、図6は車両前方側ブラケットを構成するスペーサの形状を示す図、図7はステアリングコラムの車両前方側の外周形状を示す図、図8は、図7と異なるステアリングコラムの車両前方側の外周形状を示す図である。
図1において、ステアリング装置10は、車両の水平方向に対して車両後方上がりに所定角度だけ傾斜して配置されており、ステアリングシャフト11を、車両前方側に配置した転がり軸受(図5の符号24で示す部材)及び車両後方側に配置した転がり軸受(不図示)を介して回動自在に支持するステアリングコラム12を有する。ステアリングシャフト11には、その後端にステアリングホイール13が装着され、ステアリングシャフト11の前端にはユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15が連結されている。中間シャフト15にはその前端にユニバーサルジョイント16を介してラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ17が連結されている。このステアリングギヤ17の出力軸がタイロッド18を介して操舵輪19に連結されている。
そして、運転者がステアリングホイール13を操舵すると、ステアリングシャフト11、ユニバーサルジョイント14、中間シャフト15、ユニバーサルジョイント16を介してその回転力がステアリングギヤ17に伝達され、ラックアンドピニオン機構で回転運動が車両幅方向の直線運動に変換されてタイロッド18を介して操舵輪19を操舵する。
図2に示すように、ステアリングコラム12は、車両前方側に配置したロアブラケット20により車体前方側が車体側部材22に支持され、車両後方側に配置したチルト機構21により車体後方側が車体側部材22に支持されている。
ここで、ステアリングコラム12の車両前方側の外周には、図7にも示すように、車両上方を向く面及び車両下方を向く面に、車両前方の端部から車両後方に向けて浅い凹曲面でステアリングコラム12の軸に沿って直線状に延在している車両上下位置長溝12a,12bと、これら車両上下位置長溝12a,12bに対して直交する位置の車幅方向において車両前方の端部から車両後方に向けて浅い凹曲面でステアリングコラム12の軸に沿って直線状に延在している車幅方向長溝12c,12dが形成されている、
チルト機構21は、図3に示すように、車体側部材22に固定された支持ブラケット30と、ステアリングコラム12に一体に形成され、支持ブラケット30に対して昇降自在に結合されている昇降ブラケット31と、支持ブラケット30に対する昇降ブラケット31の結合・解除動作を行なうクランプ装置32を備えている。
昇降ブラケット31は、ステアリングコラム12の車両前後方向の略中央部の下部外周に固定されており、車幅方向に貫通した一対の円形状の貫通孔31a,31bが形成されている。
支持ブラケット30は、下方に開口している逆U字形状のブラケット本体30aと、このブラケット本体30aに固定されて車幅方向に離間している一対の側板30b,30cとを備え、一対の側板30b,30cの上端には、互いに車幅方向の外方に離間するフランジ30d,30eが形成されている。
一対の側板30b,30cには、長軸が上下方向に延在するチルト用長孔30b1,30c1が形成されている。また、フランジ30d,30eには、車両後方端部にスリット30fが形成されており、これらスリット30fに離脱用カプセル34が嵌め込まれている。この離脱用カプセル34にはボルト貫通孔34aが形成されており、離脱用カプセル34の下方からボルト貫通孔34aに貫通した固定ボルト(不図示)を車体側部材22にねじ込むことで、フランジ30d,30eが車体側部材22に取付けられている。そして、一対の側板30b,30cの内側に、昇降ブラケット31の車幅方向を向く側面が当接している。
クランプ装置32は、一対の側板30b,30cのチルト用長孔30b1,30c1及び昇降ブラケット31の貫通孔31a,31bに挿通する締付けボルト32aを備えている。この締付けボルト32aは、一端に頭部32a1が形成され、他端に雄ねじ32a2が形成されており、この雄ねじ32a2に、一方の側板30bに当接した状態でクランプ部材32bが螺合している。クランプ部材32bは、ねじ孔32b1を貫通して設けた部材であり、このねじ孔32b1の一方の端部側に雄ねじ32a2が螺合し、外周に操作レバー32cのレバー連結部32c1が外嵌している。また、クランプ部材32bのねじ孔32b1の他方の端部側にレバー固定ボルト32dが螺合してレバー連結部32c1を締付け固定している。
そして、操作レバー32cをクランプ方向に回動すると、同時に回転するクランプ部材32bが雄ねじ32a2と螺合することで締付けボルト32aに対して軸力が発生する。このとき、クランプ部材32bが一方の側板30bを図3右方に押圧し、締付けボルト32aの頭部32a1が他方の側板30cを図3左方に押圧するので、一対の側板30b,30c間の間隔が狭められ、昇降ブラケット31を強固に挟持するロック状態となる。逆に、操作レバー32cをアンクランプ方向に回動すると、同時に回転するクランプ部材32bが雄ねじ32a2との螺合状態が緩められるので、締付けボルト32aの軸力が解除される。このとき、一方の側板30bに対するクランプ部材32bの図3右方の押圧が解除され、他方の側板30cに対する締付けボルト32aの頭部32a1の図3左方の押圧力が解除されるので、一対の側板30b,30c間の間隔が広がり、昇降ブラケット31がアンロック状態となる。
一方、ロアブラケット20は、図4及び図5に示すように、車体側部材22に固定される固定部40と、固定部40から略直角に交差して下方に延在しているコラム取付部41と、コラム取付部41に設けた円形の貫通孔41a内に装着され、ステアリングコラム12の車両前方側を支持するコラム支持部42とを備えている。
固定部40及びコラム取付部41は、金属板をプレス成形することにより一体形成した部材である。
コラム支持部42は、図4に示すように、貫通孔41a内に嵌合されている円環状のスペーサ43と、このスペーサ43に固定されてステアリングコラム12に車幅方向外方に係合している一対のチルト支点ピン44,44と、スペーサ43に配置されてステアリングコラム12の車両上下方向外方に係合している一対のチルト調整ピン45,45と、これら一対のチルト調整ピン45,45をステアリングコラム12に向けて押圧するコイル形状のバネ部材46,46とを備えている。
すなわち、スペーサ43は、図6に示すように、内周面の軸対称位置に一対の嵌合孔43a,43bが形成され、一対の嵌合孔43a,43bの軸中心を結んだ直線に対して直交する位置に両端面側が開口する空洞部43c,43dが形成されて、これら空洞部43c,43dの内径側に、空洞部43c,43dに向けて連通する一対の連通孔43e,43fが形成されている。
そして、図4に示すように、スペーサ43の一対の嵌合孔43a,43bに、一対のチルト支点ピン44,44を所定量だけ突出するように嵌め込んで固定し、これら一対のチルト支点ピン44,44の球面形状に形成した先端を、ステアリングコラム12の車幅方向長溝12c,12dに押付け力が発生するように係合している。
また、スペーサ43の一対の連通孔43e,43fにチルト調整ピン45,45を挿入し、これらチルト調整ピン45,45の球面形状に形成した先端を、ステアリングコラム12の車両上下位置長溝12a,12bに係合している。そして、空洞部43c,43dに配置したバネ部材46,46でチルト調整ピン45,45を径方向内方に向けて押し付け、チルト調整ピン45,45が車両上下位置長溝12a,12bに向けて押付け力が発生するようにしている。
なお、本発明の車両前方側コラムがステアリングコラム12の車両前方側に対応し、本発明の車両前方側ブラケットがロアブラケット20に対応し、本発明のコラム支持部がコラム取付部41に対応し、本発明の係合凹部が車両上下位置長溝12a,12b、車幅方向長溝12c,12dに対応している。
次に、本実施形態のステアリング装置10の動作及び作用効果について、図面を参照しながら説明する。
ステアリングコラム12のチルト調整を行なうには、先ず、チルト機構21の操作レバー32cをアンクランプ方向(図2に示した車両前方位置)に回動し、レバー連結部32c1とともに回転するクランプ部材32bが一方の側板30bから離間する方向に移動する。これにより、他方の側板30cに対する締付けボルト32aの頭部32a1の押圧力も解除され、一対の側板30b,30cの間の間隔が広がり、昇降ブラケット31がアンロック状態となる。
そして、締付けボルト32aを支持ブラケット30の一対の側板30b,30cのチルト用長孔30b1,30c1に沿って車両上下方向にスライドさせてステアリングコラム12の車両上下方向の位置を変更し、ステアリングコラム12の傾きを変更する。
この際、ステアリングコラム12の車両前方側は、ロアブラケット20を構成するコラム支持部42のチルト支点ピン44を支点として上下方向に回動する。そして、ステアリングコラム12には、その外周の上部に当接している上部のチルト調整ピン45及び外周の下部に当接している下部のチルト調整ピン45を介してバネ部材46が上方及び下方から押付け力を付与しているので、ステアリングコラム12が上下方向に回動する際のガタツキが発生しない。
したがって、チルト調整を行うステアリングコラム12は、車幅方向がロアブラケット20の一対のチルト支点ピン44に支持され、車両上下方向が一対のチルト調整ピン45を介してバネ部材46に弾性的に支持されるので、ステアリングコラム12のスムーズなチルト傾動を行うことができる。
そして、操作レバー32cをクランプ方向(車両後方位置)に回動すると、レバー連結部32c1とともに回転するクランプ部材32bが一方の側板30bに近接する方向に移動する。これにより、他方の側板30cに対する締付けボルト32aの頭部32a1の押圧力が発生し、一対の側板30b,30cの間の間隔が狭められて昇降ブラケット31が支持ブラケット30に結合されるので、ステアリングコラム12の車両上下方向の位置が固定されてチルト調整が完了する。
ここで、ステアリングホイール13を操舵する際の操舵力がステアリングコラム12に伝達し、或いは、エンジン等からの車体振動がステアリングコラム12に伝達しても、ロアブラケット20の上下方向に配置されて一対のチルト調整ピン45を介してステアリングコラム12を弾性的に支持しているバネ部材46が、操舵力或いはエンジン等からの振動を吸収するので、ステアリングコラム12の揺動を防止して運転者の操舵フィーリングを良好とすることができる。
一方、車両の二次衝突時、ステアリングホイール13に運転者から車両前方を向く衝撃力が入力すると、ステアリングコラム12の車両後方側を車体側部材22に支持しているチルト機構21に車両前方側への衝撃力が入力する。このとき、チルト機構21の支持ブラケット30は、その一対のフランジ30d,30eが離脱用カプセル34を介して車体側部材22に固定されており、一対のフランジ30d,30eに車両前方側への衝撃力が入力すると、離脱用カプセル34から一対のフランジ30d,30eが抜け出しながら衝撃吸収荷重を発生して二次衝突時の衝撃力を吸収する。
この二次衝突の際に、離脱用カプセル34から一対のフランジ30d,30eが抜け出してステアリングコラム12が車両前方に移動すると、ロアブラケット20を構成するコラム支持部42のチルト支点ピン44及びチルト調整ピン45は、その曲面形状に形成した先端がステアリングコラム12の車両前方側の外周の車両上下位置長溝12a,12b及び車幅方向長溝12c,12d内に引っ掛かりや食い込み等を発生せずに摺動していくので、所定の摺動摩擦力を発生しながら二次衝突時の衝撃力を吸収することができる。
また、チルト支点ピン44及びチルト調整ピン45は、ステアリングコラム12の外周に対して所定の押付け力を作用しており、二次衝突の初期から終期にかけて車両前方に移動するステアリングコラム12に対するロアブラケット20の接触面圧が一定となり、二次衝突時の初期から終期まで一定の衝撃吸収荷重を発生するので、安定した衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる。
また、二次衝突の際、コラム支持部42のチルト支点ピン44及びチルト調整ピン45が係合する車両上下位置長溝12a,12b及び車幅方向長溝12c,12dは、ステアリングコラム12の軸に沿って直線状に延在しており、二次衝突時に車両前方に移動するステアリングコラム12の回転が規制されて一対のフランジ30d,30eに対する離脱用カプセル34の引っ掛かり等が防止されるので、二次衝突時の初期から終期まで一定の衝撃吸収荷重を発生することができる。
なお、本実施形態では、ロアブラケット20のコラム支持部42を構成するスペーサ43の一対の嵌合孔43a,43bに一対のチルト支点ピン44,44を所定量だけ突出するように嵌め込んで固定したが、嵌合孔43a,43bに代えてねじ孔とし、一対のチルト支点ピン44,44の外周にねじを形成し、ねじ孔にねじ込む一対のチルト支点ピン44,44の突出量を変化させると、二次衝突時におけるロアブラケット20の摺動摩擦力(衝撃吸収力)を変化させることができる。
また、本実施形態では、図7に示したように、ステアリングコラム12の車両前方側の外周に、ステアリングコラム12の軸に沿って直線状に延在する車両上下位置長溝12a,12b及び車幅方向長溝12c,12dを形成したが、図8に示すように、ステアリングコラム12の車両前方側の外周に、ロアブラケット20の一対のチルト支点ピン44,44が係合する円形状に浅く凹んだ車幅方向凹部12e,12f、一対のチルト調整ピン45,45が係合する円形状に浅く凹んだ車両上下位置凹部12g,12hを形成していてもよい。
また、スペーサ43の空洞部43c,43dに配置され、チルト調整ピン45を径方向内方に押し付ける部材としてコイル形状のバネ部材46を使用したが、板形状のバネ部材であっても、他の形状の弾性変形によりチルト調整ピン45を押しつける部材であってもよい。
また、本実施形態のステアリング装置10に、ステアリングシャフト11に操舵補助力を伝達する電動パワーステアリング装置を備える場合には、ステアリングシャフト11に操舵補助力を伝達したときの反力がコラム軸方向の回転としてステアリングコラム12に伝達されるが、前述したように、コラム支持部42のチルト支点ピン44及びチルト調整ピン45が、図7に示すようにステアリングコラム12に形成した車両上下位置長溝12a,12b及び車幅方向長溝12c,12dに係合したり、図8に示すようにステアリングコラム12の外周に形成した車幅方向凹部12e,12f及び車両上下位置凹部12g,12hに係合し、ステアリングコラム12の回転に対して高剛性の支持構造としているので、電動パワーステアリング装置を備えても、運転者の操舵フィーリングを良好とすることができる。なお、本発明の係合凹部が車幅方向凹部12e,12f及び車両上下位置凹部12g,12hに対応する。
また、上記実施形態のスペーサ43は、内周面に有底形状の嵌合孔43a,43bを形成したが、スペーサ43の外周面まで貫通した嵌合孔を形成してもよい。
さらに、上述した実施形態では、手動のチルト機構のみを備えた場合について説明したが、手動のチルト・テレスコ機構を備えた装置であってもよい。
本発明に係るチルト調整式のステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図である。 本発明によるチルト調整式のステアリング装置を車幅方向から示した図である。 図2のA−A線矢視図である。 図2のB−B線矢視図である。 図4のC−C線矢視図である。 車両前方側ブラケットを構成するスペーサの形状を示す図である。 ステアリングコラムの車両前方側の外周形状を示す図である。 図7と異なるステアリングコラムの車両前方側の外周形状を示す図である。
符号の説明
10…ステアリング装置、11…ステアリングシャフト、12…ステアリングコラム、12a,12b…車両上下位置長溝、12c,12d…車幅方向長溝、12e,12f…車幅方向凹部、12g,12h…車両上下位置凹部、13…ステアリングホイール、14…ユニバーサルジョイント、15…中間シャフト、16…ユニバーサルジョイント、17…ステアリングギヤ、18…タイロッド、19…操舵輪、20…ロアブラケット、21…チルト機構、22…車体側部材、24…転がり軸受、30…支持ブラケット、30a…ブラケット本体、30b,30c…側板、30b1,30c1…チルト用長孔、30d,30e…フランジ、30f…スリット、31…昇降ブラケット、31a,31b…貫通孔、32…クランプ装置、32a…締付けボルト、32a1…頭部、32b…クランプ部材、32b1…ねじ孔、32c…操作レバー、32c1…レバー連結部、32d…レバー固定ボルト、34…離脱用カプセル、34a…ボルト貫通孔、40…固定部、41…コラム取付部、41a…貫通孔、42…コラム支持部、43…スペーサ、43a,43b…嵌合孔、43c,43d…空洞部、43e,43f…連通孔、44…チルト支点ピン、45…チルト調整ピン、46…バネ部材

Claims (5)

  1. ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムの車両前方側コラムが、車両前方側ブラケットを介して車体側部材に支持され、前記ステアリングコラムの車両後方側コラムが、上下方向に移動自在となるようにチルト機構を介して前記車体側部材に支持されてなる位置調整式ステアリング装置において、
    前記車両前方側ブラケットは、前記車両前方側コラムの外周に対して、車幅方向外方から押付け力を付与して支持するチルト支点ピンと、車両上下方向から押付け力を付与して支持するチルト調整ピンと、車体側部材に固定されたコラム支持部と、このコラム支持部に固定され、前記車両前方側コラムを挿通している環状のスペーサとを備え、
    前記チルト機構の操作により前記車両前方側コラムが前記チルト支点ピンに支持されている部位回りに上下方向に回動する際に、前記チルト調整ピンは、車両上下方向に移動しながら弾性的に前記車両前方側コラムを支持し、
    前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンは、二次衝突の際に、車両前方に移動する前記ステアリングコラムの外周に摺動して衝撃荷重を吸収するとともに、
    前記チルト支点ピンは、前記スペーサの内周から所定量だけ突出するように固定されて前記車両前方側コラムの車幅方向の外周を支持し、
    前記チルト調整ピンは、前記スペーサに内蔵された弾性部材に前記車両前方側コラムに向かう方向に押付け力が付与されながら前記車両前方側コラムの車両上下方向の外周を支持するようにしていることを特徴とする位置調整式ステアリング装置。
  2. 車両前方側コラムの外周に、前記前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンの先端が入り込むことで前記ステアリングコラムの回転を規制する係合凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の位置調整式ステアリング装置。
  3. 前記チルト支点ピン及び前記チルト調整ピンの先端を球面形状とし、前記係合凹部を曲面形状としたことを特徴とする請求項記載の位置調整式ステアリング装置。
  4. 前記係合凹部は、前記ステアリングコラムの軸線に沿って直線状に延在する長溝であることを特徴とする請求項2又は3記載の位置調整式ステアリング装置。
  5. 前記チルト支点ピンの基端側にねじ部を設け、前記スペーサの内周側に設けたねじ孔に所定量だけ突出するようにねじ込まれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の位置調整式ステアリング装置。
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