JP4466686B2 - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Description
そこで、この二次衝突の際に、運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の生命保護を図るべく、衝撃吸収式ステアリングシャフトや衝撃吸収式ステアリングコラム装置が広く採用されている。
ステアリングコラム1は、コラムチューブ2の上部(図8中、右方)に鋼板製のアッパブラケット6を溶接接合し、同下部(図8中、左方)にこれも鋼板製のカプラ14を溶接接合することにより製作されている。
一方、カプラ14には、両側壁前端に貫通孔17が穿設されており、これら貫通孔17に鋼製のしごきピン20が挿通・接合されている。また、カプラ14の後端には、内側に向けて一対の保持片15が形成されており、これら保持片15にはそれぞれ保持孔16が穿設されている。
変形部23は、係止片9から前方に向けて延設された後、その途中に形成した折り返し部24をしごきピン20の後面側周囲に配して、このしごきピン20の後側で折り返され、先端寄り部分が後方に延設されて保持孔15を挿通するよう組み込まれる。
すると、アッパブラケット6とアルミ製カプセル7とが分離すると共に、カプラ14及びボルト12、ワッシャ13もロアブラケット8との間の摩擦力に打ち勝って前方に抜け出し、ステアリングコラム1が車体3から分離する。
この結果、運転者の身体に加わる衝撃が緩和され、運転者の保護が図られる。
(1) ステアリングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラムと、ステアリングコラムの略中間部に配設されるチルト調整機構と、ステアリングコラムの下部を左右両側から挟持する一対の支持板部を備えて車体に支持固定される支持ブラケットと、各支持板部の後端縁側に開口され、内方側よりも開口端側の幅が狭くなるように形成される切欠き部と、切欠き部を挿通した状態でステアリングコラムの一部分に固定されることにより、ステアリングコラムを支持ブラケットに対して枢動自在に支持し、ステアリングコラムの軸中心の近傍を通るチルトヒンジピンと、で構成されることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(2) 切欠き部とチルトヒンジピンとの間に円筒部を有するガイドピースが設けられることを特徴とする(1)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(3) チルトヒンジピンは、ステアリングコラムの係止孔に加締め固定されるブラインドリベットであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(4) チルトヒンジピンに挿通され、チルトヒンジピンの頭部と隣接するワッシャを備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(5) ステアリングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラムと、ステアリングコラムを左右両側から挟持する一対の支持板部を備えて車体に支持固定される支持ブラケットと、各支持板部の後端縁側に開口する切欠き部と、切欠き部を挿通した状態でステアリングコラムの一部分に固定されることにより該ステアリングコラムを支持ブラケットに結合支持するしごきピンと、金属線を基部と変形部とに曲げ形成して成ると共に、支持ブラケットとステアリングコラムとの間に設けられたエネルギー吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、基部が、支持ブラケットの前端側に係止されると共に、支持板部の外側に配置された変形部が、その途中に形成した折り返し部をしごきピンの後面側周囲に配して、このしごきピンの後側で折り返されており、折り返し部が、しごきピンによりステアリングコラムの一部分に共締め固定されたワイヤホルダーによって、U字状に案内保持されることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(6) しごきピンが、ステアリングコラムを支持ブラケットに対して枢動自在に支持するチルトヒンジピンから成ることを特徴とする(5)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(7) ワイヤホルダーには、支持板部の切欠き部に嵌合すると共に、先端面がステアリングコラムの一部分に当接するボス部が突設されていることを特徴とする(5)又は(6)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
従って、車両搭載時のレイアウトの自由度が高く、且つ、衝撃エネルギーを安定して吸収することができる良好な衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供できる。
図1は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置の側面図、図2は図1におけるII-II 断面矢視図、図3は図1におけるIII-III 断面矢視図、図4は図1に示したしごき構造を説明する為の要部分解斜視図、図5は図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の作用を説明する為の側面図である。
この離脱用カプセル41は、二次衝突時、ステアリングコラム33に車両前方に向けて衝撃荷重が作用した際に締付力に対する許容摩擦力を超えて滑り出し、該ステアリングコラム33をチルトブラケット34などと伴に車体3から離脱して車両前方に変位できるように機能するものである。
このチルトボルト36の先端には、ボルト38により操作レバー42と一体化された調節ナット39が螺合されており、一対のチルトブラケット34,34をステアリングコラム挟持方向へ付勢する締付手段40を構成している。
各支持板部52の外側には、それぞれチルトヒンジピン55によりステアリングコラム33の一部分であるコラムチューブに共締め固定されるワイヤホルダー60が配置される。
即ち、ガイドピース56の外側面に突設した円筒部56bと上下端縁に突設した一対の規制壁56a,56aとの間に折り返し部73をセットした後、ワッシャ59で覆うことにより、該折り返し部73が脱落を防止される。
そして、図1に示したように、基部71が、支持ブラケット51の前端側(図1中、右方端側)に係止されると共に、該基部71を介してステアリングコラム33の左右両側に延設される各変形部72が、各支持板部52の外側に配置される。
そこで、上述した如きチルトヒンジピン55及びワイヤホルダー60とエネルギー吸収部材70から成るしごき構造(衝撃吸収構造)が、ステアリングコラム33を左右両側から挟持する一対の支持板部52,52の外側に配置されている。
さらに、本実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置31においては、ステアリングコラム33を支持ブラケット51に対して枢動自在に支持するチルトヒンジピン55が、しごき作用用のしごきピンと共用されているので、該衝撃吸収式ステアリングコラム装置31がチルト式ステアリングとして構成されているにも関わらず、部品点数の増加を防止し、組付け作業性を改善することができる。
車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール(図示せず)に二次衝突すると、ステアリングコラム33にはステアリングシャフト32を介して大きな衝撃荷重が作用する。
すると、チルトブラケット34と離脱用カプセル41とが分離すると共に、ワイヤホルダー60のボス部57が切欠き部53を押し拡げたり、該ボス部57自体が削れたりしながら前方に抜け出し、ステアリングコラム33が車体3から分離する。
そこで、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置31によれば、エネルギー吸収部材70の姿勢を安定させ、しごき荷重を安定させることができる。
そこで、二次衝突時に、ステアリングコラム33と共にワイヤホルダー60が支持ブラケット51の支持板部52から離脱しても、該ワイヤホルダー60がステアリングコラム33の係止孔65に対して大きくガタつくことがなく、しごき時の変形部72を更に安定した姿勢に保つことができる。
また、エネルギー吸収部材70の折り返し部73とワイヤホルダー60の形状を適宜変更することで、衝撃吸収特性を容易に設定できる。
従って、本実施形態における衝撃吸収式ステアリングコラム装置31によれば、車両搭載時のレイアウトの自由度が高く、且つ、衝撃エネルギーを安定して吸収することができる。
本第2実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置81は、図6及び図7に示したように、ステアリングコラム83の一部分であるディスタンスブラケット84を左右両側から挟持する一対の支持板部92,92を備えた支持ブラケット91を介して、車体3に対してチルトヒンジピン95周りに枢動自在に支持されている。
そして、図6に示したように、基部101が、支持ブラケット91の前端側縁(図6中、右方端側縁)に係止されると共に、該基部101を介してディスタンスブラケット84の左右両側に延設される各変形部102が、各支持板部92の外側に配置される。
そこで、上述した如きチルトヒンジピン95及びワイヤホルダー60とエネルギー吸収部材100から成るしごき構造(衝撃吸収構造)が、ディスタンスブラケット84を左右両側から挟持する一対の支持板部92,92の外側に配置されている。
従って、本第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置81においても、支持板部92の外側に配置されたエネルギー吸収部材100における変形部102の折り返し部103が、ワイヤホルダー60によってU字状に案内保持されているので、ディスタンスブラケット84が支持ブラケット91から離脱して移動するしごき時にも、変形部102に起き上がり等が生じてしごき径が不安定になるのを防止できる。
さらに、ステアリングコラムの構成も、上記実施形態における単一のコラムチューブに限らず、アウターコラム及びインナーコラムを備えたものでも良い。
32 ステアリングシャフト
33 ステアリングコラム
51 支持ブラケット
52 支持板部
53 切欠き部
55 チルトヒンジピン(しごきピン)
57 ボス部
60 ワイヤホルダー
70 エネルギー吸収部材
71 基部
72 変形部
73 折り返し部
Claims (2)
- ステアリングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムの略中間部に配設されたチルト調整機構と、
前記ステアリングコラムの下部を左右両側から挟持する一対の支持板部を備えて車体に支持固定された支持ブラケットと、
前記各支持板部の後端縁側に開口され、内方側よりも開口端側の幅が狭くなるように形成された切欠き部と、
前記支持板部に接する面に前記切欠き部の内方側に嵌合するボス部が突設されたガイドピースと、
前記ガイドピースのボス部を挿通した状態で前記ステアリングコラムの軸中心の近傍に固定されたチルトヒンジピンと、
を備え、
前記支持板部の切欠き部の開口端側が前記ガイドピースのボス部の抜け出しを防いでいる状態では、前記チルトヒンジピンが、前記ステアリングコラムを前記支持ブラケットに対して枢動自在に支持し、
前記ステアリングコラムに衝撃荷重が作用したとき、前記ガイドピースのボス部が前記切欠き部の開口端側を押し拡げ、または、該ボス部自体が削れて、前記ガイドピースと前記チルトヒンジピンとが前記切欠き部から抜け出し、前記ステアリングコラムが前記支持板部の挟持から離脱することを特徴とするステアリングコラム装置。 - 前記チルトヒンジピンは、前記ステアリングコラムの係止孔に加締め固定されるブラインドリベットであることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
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