JP4000459B2 - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次衝突時にステアリングホイールを車両前方に変位させて、運転者が受ける衝撃を少なく抑える衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の衝突時には、自動車が他の自動車や建造物等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者が慣性でステアリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生する。
そこで、この二次衝突の際に、運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の生命保護を図るべく、衝撃吸収式ステアリングシャフトや衝撃吸収式ステアリングコラム装置が広く採用されている。
【0003】
この様な衝撃吸収式ステアリングコラム装置として従来から、例えば特開平11−165643号公報等に開示されたものが知られている。
図8及び図9は、前記公報に記載されて従来から知られている衝撃吸収式ステアリングコラム装置の一例を示している。
ステアリングコラム1は、コラムチューブ2の上部(図8中、右方)に鋼板製のアッパブラケット6を溶接接合し、同下部(図8中、左方)にこれも鋼板製のカプラ14を溶接接合することにより製作されている。
【0004】
前記アッパブラケット6は、樹脂ピンを介して車体3にボルト締めされた左右一対のアルミ製カプセル7に固着されている。また、前記カプラ14はボルト12とワッシャ13とを介して、車体3にボルト締めされた鋼板製のロアブラケット(支持ブラケット)8に所定の摩擦力で固着されている。前記ボルト12が螺合するウェルドナット18は、前記カプラ14に固着されている。
【0005】
前記ロアブラケット8には、図9に示したように、下方に向けて係止片9が形成されており、この係止片9には左右一対の係止部10,10が設けられている。
一方、前記カプラ14には、両側壁前端に貫通孔17が穿設されており、これら貫通孔17に鋼製のしごきピン20が挿通・接合されている。また、前記カプラ14の後端には、内側に向けて一対の保持片15が形成されており、これら保持片15にはそれぞれ保持孔16が穿設されている。
【0006】
そして、前記ロアブラケット8と前記ステアリングコラム1との間に装着されるエネルギー吸収部材21は、図9に示したように、可塑性を有する鋼線材(金属線)を中央でコ字形状に曲げ形成した基部22と、この基部22と一体に結合された左右一対の変形部23,23とを備える。
前記変形部23は、前記係止片9から前方に向けて延設された後、その途中に形成した折り返し部24を前記しごきピン20の後面側周囲に配して、このしごきピン20の後側で折り返され、先端寄り部分が後方に延設されて保持孔15を挿通するよう組み込まれる。
【0007】
そこで、車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール(図示せず)に二次衝突すると、ステアリングコラム1にはステアリングシャフト5を介して大きな衝撃荷重が作用する。
すると、前記アッパブラケット6と前記アルミ製カプセル7とが分離すると共に、前記カプラ14及びボルト12、ワッシャ13も前記ロアブラケット8との間の摩擦力に打ち勝って前方に抜け出し、前記ステアリングコラム1が車体3から分離する。
【0008】
そして、車体3から分離した前記ステアリングコラム1が、斜め前方(図8中、矢印方向)に移動すると、エネルギー吸収部材21の基部22がロアブラケット8の係止片9に係止されるので、前記変形部23がしごきピン20に順次巻回されるかたちでしごかれ、塑性変形することによる衝撃エネルギーの吸収を行う。
【0009】
この際、前記エネルギー吸収部材21の素材が鋼線材であるため、ステアリングコラム1の移動方向等が若干ずれても容易に撓むことができると共に、該エネルギー吸収部材21がカプラ14内に設置されているため、前記ステアリングコラム1が車体3から離脱して移動するしごき時には前記変形部23の起き上がりを防止し、しごき荷重を安定させることができる。
この結果、運転者の身体に加わる衝撃が緩和され、運転者の保護が図られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如き従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の場合、しごきピン20及びエネルギー吸収部材21からなるしごき構造(衝撃吸収構造)が、コラムチューブ2の外周部上に溶接接合されたカプラ14内に設置されると共に、該カプラ14がロアブラケット8を介して車体3に固定されているので、車体3に対するステアリングコラム1の固定部周りの構成が大きくなり、該ステアリングコラム1は車両搭載時のレイアウトが制限されてしまう。
【0011】
一方、例えばコラム軸線に略交差する左右両側方向からステアリングコラムを挟持する一対の支持板部を備えた支持ブラケットによって該ステアリングコラムを車体に支持固定することにより、固定部周りの構成を小さくする場合には、上述の如きしごきピン及びエネルギー吸収部材(鋼線材)から成るしごき構造を前記両支持板部の内側に設けることができない。
【0012】
そこで、しごきピン及び鋼線材から成るしごき構造を前記両支持板部の外側に設けると、ステアリングコラムが支持ブラケットから離脱して移動するしごき時には、鋼線材の変形部に起き上がり等が発生して姿勢が安定せず、しごき荷重が不安定になる虞がある。
【0013】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、車両搭載時のレイアウトの自由度が高く、且つ、衝撃エネルギーを安定して吸収することができる良好な衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
ステアリングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムの前端側に設けられたチルト調整機構と、
前記ステアリングコラムの後端側に設けられた下方支持機構と、を備え、
前記下方支持機構が、
前記ステアリングコラムを左右両側から挟持する一対の支持板部を有し、車体に支持固定され支持ブラケットと、
前記各支持板部の後端縁側に開口する切欠き部と、
前記切欠き部を挿通した状態で前記ステアリングコラムの中心軸近傍に固定されて、該ステアリングコラムを前記支持ブラケットに結合支持するしごきピンと、
金属線を曲げて形成された基部と変形部とを有し前記ステアリングコラムが前記支持ブラケットから分離するときのエネルギーを吸収するエネルギー吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、
前記エネルギー吸収部材の基部が、前記支持ブラケットの前端側に係止されると共に、前記支持板部の外側に配置された前記エネルギー吸収部材の変形部が、その途中に形成した折り返し部を前記しごきピンの後面側周囲に配して、このしごきピンの後側で折り返され前記折り返し部が、前記しごきピンにより前記ステアリングコラム共締め固定されたワイヤホルダーによって、U字状に案内保持されており、
前記しごきピンが、前記ステアリングコラムを前記支持ブラケットに対して枢動自在に支持するチルトヒンジピンを兼ねていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置により達成される。
【0015】
上記構成によれば、しごきピン及びエネルギー吸収部材から成るしごき構造が、ステアリングコラムを左右両側から挟持する一対の支持板部の外側に配置されるので、ステアリングコラムを車体に支持固定する支持ブラケットの固定部周りの構成をコンパクトにすることができるので、車両搭載時におけるステアリングコラムのレイアウトの自由度が高くなる。
【0016】
また、前記支持板部の外側に配置されたエネルギー吸収部材における変形部の折り返し部が、ワイヤホルダーによってU字状に案内保持されるので、ステアリングコラムが支持ブラケットから離脱して移動するしごき時にも、変形部に起き上がり等が生じるのを防止してエネルギー吸収部材の姿勢を安定させ、しごき荷重を安定させることができる。
【0017】
また、しごき作用用のしごきピンとチルトヒンジピンを共用することで、部品点数の増加を防止し、組付け作業性を改善することができる。
【0018】
また、好ましくは前記ワイヤホルダーには、前記支持板部の切欠き部に嵌合すると共に、先端面が前記ステアリングコラムの一部分に当接するボス部が突設されている。
この場合、ワイヤホルダーは、ステアリングコラムの一部分にボス部の先端面が当接した状態で、しごきピンにより支持板部に共締め固定される。
【0019】
そこで、二次衝突時に、ステアリングコラムと共に前記ワイヤホルダーが支持ブラケットの支持板部から離脱しても、該ワイヤホルダーがステアリングコラムの一部分に対して大きくガタつくことがなく、しごき時の前記変形部を更に安定した姿勢に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置の側面図、図2は図1におけるII-II 断面矢視図、図3は図1におけるIII-III 断面矢視図、図4は図1に示したしごき構造を説明する為の要部分解斜視図、図5は図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の作用を説明する為の側面図である。
【0021】
本第1実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置31は、図1乃至図3に示したように、図示しないステアリングホイールを取り付けるステアリングシャフト32を傾動自在に支持するステアリングコラム33を備えたチルト式ステアリングである。
【0022】
前記ステアリングコラム33は、軸受を介して挿通された前記ステアリングシャフト32を回転自在に支承する円筒状のコラムチューブと、車体3に取付けられた一対の断面L字状のチルトブラケット34,34と、前記コラムチューブの略中間部を前記チルトブラケット20に対してチルト締付するための締付手段40とを具備している。
【0023】
そして、前記ステアリングコラム33の下部(図1中、左方)は、該ステアリングコラム33を左右両側から挟持する一対の支持板部52,52を備えた支持ブラケット51を介して、車体3に対してチルトヒンジピン55周りに枢動自在に支持されている。
【0024】
前記ステアリングコラム33の略中間部の両側には、図3に示すように、一対のチルトブラケット34,34が配置されており、これら一対のチルトブラケット34,34は、それぞれ離脱用カプセル41を介して車体3に取付けられている。
この離脱用カプセル41は、二次衝突時、ステアリングコラム33に車両前方に向けて衝撃荷重が作用した際に締付力に対する許容摩擦力を超えて滑り出し、該ステアリングコラム33をチルトブラケット34などと伴に車体3から離脱して車両前方に変位できるように機能するものである。
【0025】
前記各チルトブラケット34には、チルト溝35が形成してあると共に、前記ステアリングコラム33には、コラム軸線に対して交差する貫通孔37が形成してあり、これらチルト溝35及び貫通孔37に、チルトボルト36が挿通してある。
このチルトボルト36の先端には、ボルト38により操作レバー42と一体化された調節ナット39が螺合されており、一対の前記チルトブラケット34,34をステアリングコラム挟持方向へ付勢する締付手段40を構成している。
【0026】
これにより、操作レバー42を締付方向に回動すると、チルトブラケット34がステアリングコラム33に摺接し、チルト締付できる。又、締付レバー42を解除方向に回動すると、チルトブラケット34とステアリングコラム33との摺接を解除し、ステアリングコラム33をチルト溝35に沿って上下方向に移動することができる。
【0027】
前記ステアリングコラム33の下部を枢動自在に支持する前記支持ブラケット51は、図2及び図4に示したように、前記ステアリングコラム33を左右両側から挟持する一対の支持板部52,52を備えており、各支持板部52の後端縁側(図1中、左端縁側)には、切欠き部53が開口している。
前記各支持板部52の外側には、それぞれチルトヒンジピン55により前記ステアリングコラム33の一部分であるコラムチューブに共締め固定されるワイヤホルダー60が配置される。
【0028】
前記チルトヒンジピン55は、それぞれ前記切欠き部53を挿通した状態で前記ステアリングコラム33の係止孔65に加締め固定されることにより、該ステアリングコラム33を前記支持ブラケット51の支持板部52に結合支持するしごきピンであり、本実施形態では二本のブラインドリベットを用いている。
【0029】
前記ワイヤホルダー60は、図4に示したように、ガイドピース56とワッシャー59とから成り、後述するエネルギー吸収部材70の折り返し部73を挟装することでU字状に案内保持することができる。
即ち、前記ガイドピース56の外側面に突設した円筒部56bと上下端縁に突設した一対の規制壁56a,56aとの間に前記折り返し部73をセットした後、ワッシャー59で覆うことにより、該折り返し部73が脱落を防止される。
【0030】
前記ガイドピース56の内側面には、前記支持板部52の切欠き部53に嵌合すると共に、先端面が前記ステアリングコラム33の外周面に当接するボス部57が突設されている。前記切欠き部53は、前記ボス部57が嵌合する内方側よりも開口端側の幅が若干狭くなっており、不所望な車両前方への抜け出しが防止される。
【0031】
前記支持ブラケット51と前記ステアリングコラム33との間に設けられるエネルギー吸収部材70は、図4に示したように、可塑性を有する鋼線材(金属線)を基部71と一対の変形部72,72とに曲げ形成して成る。
そして、図1に示したように、前記基部71が、前記支持ブラケット51の前端側(図1中、右方端側)に係止されると共に、該基部71を介してステアリングコラム33の左右両側に延設される各変形部72が、前記各支持板部52の外側に配置される。
【0032】
更に、前記各変形部72は、その途中に形成した折り返し部73を前記チルトヒンジピン55の後面側周囲に配して、このチルトヒンジピン55の後側で折り返されるように前記ワイヤホルダー60にセットすることで、U字状に案内保持される。
そこで、上述した如きチルトヒンジピン55及びワイヤホルダー60とエネルギー吸収部材70から成るしごき構造(衝撃吸収構造)が、前記ステアリングコラム33を左右両側から挟持する一対の支持板部52,52の外側に配置されている。
【0033】
従って、前記ステアリングコラム33を車体3に支持固定する支持ブラケット51の固定部周りの構成をコンパクトにすることができ、上述した如き衝撃吸収構造を備えているにも関わらず、車両搭載時における該ステアリングコラム33のレイアウトの自由度を高くできる。
更に、本実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置31においては、ステアリングコラム33を支持ブラケット51に対して枢動自在に支持するチルトヒンジピン55が、しごき作用用のしごきピンと共用されているので、該衝撃吸収式ステアリングコラム装置31がチルト式ステアリングとして構成されているにも関わらず、部品点数の増加を防止し、組付け作業性を改善することができる。
【0034】
次に、本実施形態における衝撃吸収式ステアリングコラム装置31の作用を説明する。
車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール(図示せず)に二次衝突すると、ステアリングコラム33にはステアリングシャフト32を介して大きな衝撃荷重が作用する。
すると、前記チルトブラケット34と前記離脱用カプセル41とが分離すると共に、前記ワイヤホルダー60のボス部57が切欠き部53を押し拡げたり、該ボス部57自体が削れたりしながら前方に抜け出し、前記ステアリングコラム33が車体3から分離する。
【0035】
そして、車体3から分離した前記ステアリングコラム33が、斜め前方(図5中、矢印方向)に移動すると、エネルギー吸収部材70の基部71が前記支持ブラケット51の前端側に係止されているので、前記変形部72がワイヤホルダー60の円筒部56bに順次巻回されるかたちでしごかれ、塑性変形することによる衝撃エネルギーの吸収を行う。
【0036】
この際、前記支持板部52の外側に配置されたエネルギー吸収部材70における変形部72の折り返し部73が、前記ワイヤホルダー60によってU字状に案内保持されているので、ステアリングコラム33が支持ブラケット51から離脱して移動するしごき時にも、前記変形部72に起き上がり等が生じてしごき径が不安定になるのを防止できる。
そこで、本実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置31によれば、エネルギー吸収部材70の姿勢を安定させ、しごき荷重を安定させることができる。
【0037】
又、本実施形態に係るワイヤホルダー60は、ステアリングコラム33の外周面にボス部57の先端面が当接した状態で、チルトヒンジピン55により支持板部52に共締め固定されている。
そこで、二次衝突時に、ステアリングコラム33と共に前記ワイヤホルダー60が支持ブラケット51の支持板部52から離脱しても、該ワイヤホルダー60がステアリングコラム33の係止孔65に対して大きくガタつくことがなく、しごき時の前記変形部72を更に安定した姿勢に保つことができる。
又、前記エネルギー吸収部材70の折り返し部73と前記ワイヤホルダー60の形状を適宜変更することで、衝撃吸収特性を容易に設定できる。
従って、本実施形態における衝撃吸収式ステアリングコラム装置31によれば、車両搭載時のレイアウトの自由度が高く、且つ、衝撃エネルギーを安定して吸収することができる。
【0038】
図6は本発明の第2実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置の部分側面図であり、図7は図6におけるVII-VII 断面矢視図である。
本第2実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置81は、図6及び図7に示したように、ステアリングコラム83の一部分であるディスタンスブラケット84を左右両側から挟持する一対の支持板部92,92を備えた支持ブラケット91を介して、車体3に対してチルトヒンジピン95周りに枢動自在に支持されている。
【0039】
前記ステアリングコラム83の下部における外周部上に溶接接合されたディスタンスブラケット84を枢動自在に支持する前記支持ブラケット91は、該ディスタンスブラケット84を左右両側から挟持する一対の支持板部92,92を備えており、各支持板部92の後端縁側(図6中、左端縁側)には、切欠き部93が開口している。
【0040】
前記各支持板部92の外側には、チルトヒンジピン95により前記ディスタンスブラケット84に共締め固定されるワイヤホルダー60が配置される。該ワイヤホルダー60は、上記第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置31に係るワイヤホルダー60と同様の構成であるので、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
前記チルトヒンジピン95は、前記切欠き部93を挿通した状態で前記ディスタンスブラケット84の係止孔85に嵌挿されて加締め固定されることにより、該ディスタンスブラケット84を前記支持板部92に結合支持するしごきピンであり、本実施形態では一本の長尺リベットを用いている。
【0042】
前記支持ブラケット91と前記ディスタンスブラケット84との間に設けられるエネルギー吸収部材100は、可塑性を有する鋼線材(金属線)を基部101と一対の変形部102,102とに曲げ形成して成る。
そして、図6に示したように、前記基部101が、前記支持ブラケット91の前端側縁(図6中、右方端側縁)に係止されると共に、該基部101を介してディスタンスブラケット84の左右両側に延設される各変形部102が、前記各支持板部92の外側に配置される。
【0043】
更に、前記各変形部102は、その途中に形成した折り返し部103を前記チルトヒンジピン95の後面側周囲に配して、このチルトヒンジピン95の後側で折り返されるように前記ワイヤホルダー60にセットすることで、U字状に案内保持される。
そこで、上述した如きチルトヒンジピン95及びワイヤホルダー60とエネルギー吸収部材100から成るしごき構造(衝撃吸収構造)が、前記ディスタンスブラケット84を左右両側から挟持する一対の支持板部92,92の外側に配置されている。
【0044】
即ち、前記ステアリングコラム83を車体3に支持固定する支持ブラケット91の固定部周りの構成をコンパクトにする必要がない場合等には、上述した如くディスタンスブラケット84を介してステアリングコラム83を支持ブラケット91に固定することもできる。
従って、本第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置81においても、前記支持板部92の外側に配置されたエネルギー吸収部材100における変形部102の折り返し部103が、前記ワイヤホルダー60によってU字状に案内保持されているので、ディスタンスブラケット84が支持ブラケット91から離脱して移動するしごき時にも、前記変形部102に起き上がり等が生じてしごき径が不安定になるのを防止できる。
【0045】
又、二次衝突時に、ステアリングコラム83と共に前記ワイヤホルダー60が支持ブラケット91の支持板部92から離脱しても、該ワイヤホルダー60がディスタンスブラケット84の係止孔85に対して大きくガタつくことがなく、しごき時の前記変形部102を更に安定した姿勢に保つことができる。
【0046】
尚、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置におけるステアリングコラム、支持ブラケット、切欠き部、しごきピン、エネルギー吸収部材、及びワイヤホルダー等の構成は、上記各実施形態における衝撃吸収式ステアリングコラム装置31,81の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
【0047】
例えば、上記各実施形態におけるステアリングコラム33,83は、チルト式ステアリングとして構成されており、支持ブラケット51,91を介して、車体3に対してチルトヒンジピン55,95周りに枢動自在に支持されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、チルト機構を有しないステアリングコラムに適用することもできる。
【0048】
又、本発明に係る支持ブラケット及びしごきピンとして、チルトブラケット及びチルトボルトを用いることで、チルト締付する部分に、しごき構造(衝撃吸収構造)を構成しても良い。
更に、ステアリングコラムの構成も、上記実施形態における単一のコラムチューブに限らず、アウターコラム及びインナーコラムを備えたものでも良い。
【0049】
【発明の効果】
上述したように、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置によれば、しごきピン及びエネルギー吸収部材から成るしごき構造が、ステアリングコラムを左右両側から挟持する一対の支持板部の外側に配置されるので、ステアリングコラムを車体に支持固定する支持ブラケットの固定部周りの構成をコンパクトにすることができ、衝撃吸収構造を備えているにも関わらず、車両搭載時における該ステアリングコラムのレイアウトの自由度を高くできる。
【0050】
また、前記支持板部の外側に配置されたエネルギー吸収部材における変形部の折り返し部が、ワイヤホルダーによってU字状に案内保持されるので、ステアリングコラムが支持ブラケットから離脱して移動するしごき時にも、変形部に起き上がり等が生じてしごき径が不安定になるのを防止でき、しごき荷重を安定させることができる。
従って、車両搭載時のレイアウトの自由度が高く、且つ、衝撃エネルギーを安定して吸収することができる良好な衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置の側面図である。
【図2】図1におけるII-II 断面矢視図である。
【図3】図1におけるIII-III 断面矢視図である。
【図4】図1に示したしごき構造を説明する為の要部分解斜視図である。である。
【図5】図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の作用を説明する為の側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置の部分側面図である。
【図7】図6におけるVII-VII 断面矢視図である。
【図8】従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の側面図である。
【図9】図9に示したしごき構造を説明する為の要部分解斜視図である。
【符号の説明】
31 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
32 ステアリングシャフト
33 ステアリングコラム
51 支持ブラケット
52 支持板部
53 切欠き部
55 チルトヒンジピン(しごきピン)
57 ボス部
60 ワイヤホルダー
70 エネルギー吸収部材
71 基部
72 変形部
73 折り返し部

Claims (2)

  1. ステアリングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラムの前端側に設けられたチルト調整機構と、
    前記ステアリングコラムの後端側に設けられた下方支持機構と、を備え、
    前記下方支持機構が、
    前記ステアリングコラムを左右両側から挟持する一対の支持板部を有し、車体に支持固定され支持ブラケットと、
    前記各支持板部の後端縁側に開口する切欠き部と、
    前記切欠き部を挿通した状態で前記ステアリングコラムの中心軸近傍に固定されて、該ステアリングコラムを前記支持ブラケットに結合支持するしごきピンと、
    金属線を曲げて形成された基部と変形部とを有し前記ステアリングコラムが前記支持ブラケットから分離するときのエネルギーを吸収するエネルギー吸収部材と、を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、
    前記エネルギー吸収部材の基部が、前記支持ブラケットの前端側に係止されると共に、前記支持板部の外側に配置された前記エネルギー吸収部材の変形部が、その途中に形成した折り返し部を前記しごきピンの後面側周囲に配して、このしごきピンの後側で折り返され前記折り返し部が、前記しごきピンにより前記ステアリングコラム共締め固定されたワイヤホルダーによって、U字状に案内保持されており、
    前記しごきピンが、前記ステアリングコラムを前記支持ブラケットに対して枢動自在に支持するチルトヒンジピンを兼ねていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 前記ワイヤホルダーには、前記支持板部の切欠き部に嵌合すると共に、先端面が前記ステアリングコラム当接するボス部が突設されていることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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