JP5302771B2 - 酒の熟成方法 - Google Patents

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Description

本発明は酒の熟成方法及び装置、特に超臨界技術を利用して酒類の熟成を促進する方法及び装置に関する。
公知の酒類熟成技術において、最もよく見られるのは貯蔵(貯存)熟化法である。例えば、酒を微気孔がある貯酒甕(かめ)或はオーク木桶に貯蔵(貯存)し、貯蔵(貯存)の酒を自然に熟成させることで、酒の香り及び口当たりを向上させ、酒中の二日酔い、頭痛を起こしやすい微量の不純なアルコール、不純なケトン、不純なアルデヒド及びフランアルデヒド(Furan Aldehydes)等の成分を除去する。貯蔵(貯存)熟成法は天然熟成法であるが、期日が掛かることが最大の欠点である。
熟成速度を速くさせるため、慣用の方法としては、酸素ガスの滲入(oxygen infusion)速度を増加させる。例えば、特許文献1では、酸素ガスの滲入速度を約50%増加させ、熟成速度を速くさせる方法が記載されている。但し速度を速くさせる(数倍乃至数十倍)には限度があり、さもなければ酒の酸化問題を起こす。
加熱によりエステル化反応を増進することでは、例えば、特許文献2、3にて、約200℃まで加熱して、エステル化反応を約30倍〜約40倍速くさせる方法が記載されている。
様々な大きさ、形状、連続した内部気体通路(continuous internal air passages)を有するオーク木(オーク材)により、エステル化速度を速くさせる方法として、例えば、特許文献4、5、6等が提案されている。
低周波(20〜400Hz)高磁場(10〜120ガウス)熟成法による、酒の熟成速度を速くさせる方法として、例えば、特許文献7が提案されている。
低周波(20〜400Hz)高磁場(10〜120ガウス)熟成法による、酒の熟成速度を速くさせる方法として、例えば、特許文献8、9が提案されている。
触媒による接触反応、例えば、特許文献10は、ナノサイズの金、銀、白金等の触媒で酒液、醤油或は酢の熟成速度を速くさせる方法が提案されている。
特許文献2のデータによれば、従来の方法では36〜48ヶ月のエステル化反応を必要とするが、該特許文献2の方法では僅か30〜40日間でよい(エステル化速度は約36倍、該特許文献2第1欄第56行乃至第67行参照)、風味(taste)、色彩(colour)、及び香味(aroma)から言えば、特許文献7の熟成方法により酒を数日間乃至数週間処理すれば、その熟成効果は従来の方法による1年に相当する(エステル化速度は約数十倍、該特許文献7第5欄第28行乃至第30行参照)。従って、上記の公知熟成方法を速くさせる程度の約数倍乃至数十倍である。
米国特許第6966250号明細書 米国特許第6869630号明細書 米国特許第6703060号明細書 米国特許第3942423号明細書 米国特許第5537913号明細書 米国特許第6378419号明細書 米国特許第5860353号明細書 米国特許第4210676号明細書 台湾特許第241431号明細書(TW−M241431号明細書) 台湾特許第269964号明細書(TW−M269964号明細書)
しかしながら、特許文献2では、30〜40日間を必要とする(該特許文献2第1欄第56行乃至第67行参照)という問題があった。
そこで、本発明の一つの目的は、超臨界条件にて触媒(例えば、エステル化触媒のリパーゼ;酵素であるが、以下では、広義の意味で「触媒」を用いる。)熟成反応を行う超臨界熟成装置を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、超臨界条件とエステル化触媒の存在にて、酒を熟成させる超臨界の熟成装置を提供することである。
本発明の他の一つ目的は、超臨界条件下エステル化触媒で酒類熟成反応の進行を速くさせる超臨界の熟成装置を提供することである。
本発明のもう一つ目的は、超臨界条件下にて触媒熟成反応を行う超臨界の熟成方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、超臨界条件及びエステル化触媒の存在下、酒を熟成させる方法を提供することである。
本発明のまた更に他の一の目的は、超臨界条件下にてエステル化触媒で酒類熟成反応の進行を速くさせる超臨界の酒類熟成方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(1) エステル化触媒の存在下で酒をエステル化する酒の熟成方法において、該エステル化反応は、超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)雰囲気において酒のエステル化作用を行い、熟成時間を大幅に短縮させることを特徴とする酒の熟成方法である。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(2) 該超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)が1000〜5000psiの圧力、30〜100℃の温度条件下、超臨界槽にて超臨界流体を形成し、更に該超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)下、酒をエステル化触媒を含む触媒槽中に導くことを特徴とする、上記(1)に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(3) 該触媒槽中の圧力及び該超臨界槽中の圧力が同じで、該触媒槽中の温度及び該超臨界槽中の温度が同じである、上記(2)に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(4) 該超臨界槽中に蒸留用充填物を充填し、該触媒槽中のエステル化触媒はリパーゼである、上記(2)または(3)に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(5) 該圧力(該超臨界槽中の圧力ないし超臨界炭酸ガスの圧力)が2000〜4000psiである、上記(2)〜(4)のいずれか1項に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(6) 該圧力(該超臨界槽中の圧力ないし超臨界炭酸ガスの圧力)が2500〜3000psiである、上記(4)に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(7) 該温度(該超臨界槽中の温度ないし超臨界炭酸ガスの温度)が40〜90℃である、上記(2)〜(6)のいずれか1項に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(8) 該温度(該超臨界槽中の温度ないし超臨界炭酸ガスの温度)が45〜65℃である、上記(2)〜(6)のいずれか1項に記載の酒の熟成方法によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の方法は、(9) 連続的プロセス(連続反応)で行うことを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の酒の熟成方法。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(10) 槽体、原料供給装置及び超臨界流体供給装置を含む超臨界槽であり、その内、該原料供給装置は、原料を該槽体に供給し、該超臨界流体供給装置は、超臨界流体を該槽体に供給し、該槽体は、供給された原料及び超臨界流体を収納し、供給した原料及び超臨界流体を均一な溶液に形成させる超臨界槽、及び
槽体と製品導出装置を含む触媒槽であり、該槽体内に触媒を含み、該製品導出装置は該触媒槽の槽体から製品を導出させ、且つ該触媒槽(の槽体)と該超臨界槽(の槽体)とは、該均一な溶液を該触媒と接触させて、触媒反応を行えるように連通する触媒槽、
を有する、超臨界熟成装置により達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(11) 該超臨界流体が超臨界二酸化炭素(流体)(ないし炭酸ガス超臨界流体)である、上記(10)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(12) 連続式超臨界熟成装置である、上記(10)または(11)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(13) 該超臨界流体供給装置が更に超臨界流体の圧力及び流速を制御するための制御バルブを含む、上記(10)〜(12)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(14) 該超臨界槽において、更に蒸餾用充填物を填入してある、上記(10)〜(13)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(15) 該超臨界槽中の圧力が、1000〜5000psiに維持される、上記(10)〜(14)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(16) 該超臨界槽中の圧力が、2000〜4000psiに維持される、上記(15)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(17) 該超臨界槽中の圧力が、2500〜3000psiに維持される、上記(16)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(18) 該超臨界槽中の温度が30〜100℃である、上記(10)〜(17)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(19) 該超臨界槽中の温度が40〜90℃である、上記(18)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(20) 該超臨界槽中の温度が45〜65℃である、上記(19)に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(21) 更に超臨界槽中の温度を制御するための温度制御装置を含む、上記(10)〜(20)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
上記目的を達成するための本発明の装置は、(22) 酒の熟成を速くするために使用される、上記(10)〜(21)のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置によっても達成されるものである。
本発明の酒の熟成方法に採用される超臨界エステル化技術は、大幅に酒の熟成技術を向上することができるものである。例えば、36〜48ヶ月のエステル化反応効果を達成するのに、特許文献2の方法ですら30〜40日間を必要とするのに対し、僅か数分間で完成できる。
また、本発明の酒類超臨界エステル化熟成技術によれば、エステル類物質を逐次に累積してまろやかな味(醇美の味)を生じる外、二日酔い、頭痛を引き起こしやすい微量の不純なアルコール、不純なケトン、不純なアルデヒド、及びフランアルデヒド等の健康に有害の成分をも低下或は除去することができ、品質の改善及び熟成時間の短縮に対していずれも顕著な効果がある。
市販の金門高梁酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 比較例3の金門高粱酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 貯蔵(貯存)20年の金門高梁酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 貯蔵(貯存)50年の金門高梁酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例1の金門高梁酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 市販の五糧液酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例2の五糧液酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例3の五糧液酒のGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例4のサントリーウイスキーのGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例5のサントリーウイスキーのGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例6のサントリーウイスキーのGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例7のサントリーウイスキーのGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 実施例8のサントリーウイスキーのGC/MSスペクトルグラフィーを示す。 本発明の超臨界熟成装置のブロック図を示す。 本発明の超臨界熟成装置の好ましい具体例の図を示す。
以下、添付した図面を参照して本発明を適用した実施形態を説明する。
[I]本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)
本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)は、槽体(1)、原料供給装置(2)、及び超臨界流体供給装置(3)を含む超臨界槽(A)であり、その内、該原料供給装置(2)は、原料(a)を該槽体(1)に供給し、該超臨界流体供給装置(3)は、超臨界流体(b)を該槽体(1)に供給し、該槽体(1)は、供給された原料(a)及び超臨界流体(b)を収納し、供給した原料(a)及び超臨界流体(b)を均一な溶液(c)に形成させる超臨界槽、及び
槽体(4)と製品導出装置(5)を含む触媒槽(B)であり、該槽体(4)内に触媒(d)を含み、該製品導出装置(5)は、該触媒槽(B)の槽体(4)から製品(e)を導出させ、且つ該触媒槽(B)(の槽体(4))と該超臨界槽A(の槽体(1))とは、該均一な溶液(c)を該触媒(d)と接触させて、触媒反応を行えるように連通する触媒槽、を有する、装置構成となっている。該触媒槽(B)の槽体(4)と該超臨界槽(A)の槽体(1)との連通は、例えば、超臨界状態(圧力、温度)下でも十分に耐え得る部材で構成されている配管などにより構成されているのが望ましい。同様に、超臨界状態(圧力、温度)にさらされる恐れのある構成部材は、超臨界状態(圧力、温度)下でも十分に耐え得る部材で構成されている必要がある。
上記した本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)としては、バッチ式超臨界熟成装置、或は連続式超臨界熟成装置のいずれでもよく、連続式超臨界熟成装置が好ましい。本発明の超臨界熟成装置が連続式超臨界熟成装置の場合、該原料供給装置(2)は任意の公知の連続式原料供給装置でよい。例えば、モータ等を用い連続式原料供給装置等を用いることができる。モータの回転駆動速度などを変化(加速・減速、定速化など)させることで、原料(a)の供給量を任意に制御(コントロール)することができる。
上記した本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)が、バッチ式超臨界熟成装置の場合、該原料供給装置(2)は、任意の公知の連続式原料供給装置(例えば、モータ等を用い連続式原料供給装置等)であるか、或は単純な開口自在な密閉装置(原料(a)供給時に開口(部)を開け、原料(a)を供給してから該密閉装置を封閉し、超臨界状態(圧力、温度)下でも十分に耐え得る部材からなる開口蓋(2a)などにより該開口を閉じることのできる装置等)を備えたもの(原料供給装置(2))であればよい。
該超臨界流体供給装置(3)は、任意の公知の超臨界流体供給装置でもよく、例えば、モータ等を用い超臨界流体供給装置等が挙げられる。モータの回転駆動速度などを変化(加速・減速、定速化など)させることで、超臨界流体(b)の供給量を任意に制御(コントロール)することもできる。また、超臨界流体供給装置(3)に用いるモータなどの装置部材や後述する制御バルブ(6)は、超臨界状態(圧力、温度)に十分に耐え得る部材で構成されている必要があることはいうまでもない。該超臨界流体供給装置(3)は、任意の公知の超臨界流体供給装置でもよく、一般から言えば、更に超臨界流体(b)の圧力及び流速や流量を制御するための制御バルブ(6)を含むのが好ましい。なお、制御バルブ(6)を、圧力の制御と流量の制御の補助に用いるようにしてもよい。
本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)に用いられる上記の超臨界流体(b)は、好ましくは超臨界二酸化炭素(supercritical carbon dioxide)ないしその流体(fluid)ないし炭酸ガス超臨界流体であり、好ましくは超臨界二酸化炭素(流体)である。
本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)では、上記の超臨界槽(A)に(蒸留用)充填物(f)を充填するのが好ましい。該充填物(f)は、任意に増加できる理論板(theoretical plates)数の充填物(f)でよく、例えば、Pro−Pak(R)(美國CANNON(R) Instrument Companyの蒸留用充填物製品、ウエブサイトwww.cannoninstrument.com)等の蒸留用充填物(distillation packing)により、反応速率を増進し、超臨界槽(A)の相対的大きさを低下させることができる。
上記の超臨界槽(A)の大きさには一定の制限がなく、容量が大きければ生産能力は大きく、容量が小さければ生産能力は小さい。超臨界槽(A)における超臨界二酸化炭素(炭酸ガス超臨界流体)(b)の流量は、超臨界槽(A)の大きさにより決められる。
超臨界槽(A)における圧力は、二酸化炭素(炭酸ガス)を超臨界流体(b)に維持できることを必要条件とし、異なる熟成反応により決められ、酒の熟成反応を例とし、超臨界槽(A)中の圧力を1000〜5000psiに維持するのが好ましく、2000〜4000psiに維持するのがより好ましく、2500〜3000psiに維持するのが最も好ましい。
超臨界槽(A)中の温度は、二酸化炭素(炭酸ガス)を超臨界流体(b)に維持できることを必要条件とし、異なる熟成反応により決められ、酒の熟成反応を例とし、30〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい、45〜65℃が最も好ましい。超臨界槽(A)の槽体(1)がより大きい場合、該超臨界槽(A)の温度を維持するため、更に超臨界槽(A)中の温度を制御するための温度制御装置(7)を含むことが好ましい。該温度制御装置(7)は、任意の公知の温度制御装置でよく、例えば、制御機能を有するヒータコイル、あるいは熱水還流装置等が挙げられる。
上記の超臨界槽(A)の大きさには一定の制限がなく、容量が大きければ生産能力は大きく、容量が小さければ生産能力は小さい。
次に、本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)の触媒槽(B)中(詳しくはその内の槽体(4)内)の触媒(d)は、異なる熟成反応により決められる。エステル化反応を例とし、該触媒(d)は、任意の公知のエステル化触媒、例えばリパーゼ(lipase)でよく、例えば、Novozym 435(デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com)等が利用できる。但し、これらになんら制限されるものではない。上記の触媒(d)の用量には一定の制限がなく、触媒(d)の用量が大きければ熟成効果は相対的高く、触媒(d)の用量が少なければ熟成効果は相対的低い。
該製品導出装置(5)は、上記触媒槽(B)(槽体(4))中のエステル化触媒(d)の存在下酒の熟成反応により生成される製品(e)を適時(バッチ或いは連続的に)導出させて(取り出させて)なる装置である。
本発明の上記の超臨界熟成装置(第1の実施形態)の使用条件は、異なる熟成反応により決められる。酒の熟成反応を例とし、その反応条件は下記の酒の熟成方法に述べる通りである。
上記した本発明の超臨界熟成装置(第1の実施形態)は、酒の熟成を速くさせることが既に確認され、食品薬物技術に詳しい者(当業者)なら同じ或は類似の装置を用いて、様々な釀造食品或は薬物の熟成反応、例えば、食酢の熟成反応を行うことができる。即ち、本発明の超臨界熟成装置は、酒の熟成を速くさせることができる用途のみに何ら制限されるものではなく、様々な釀造食品或は薬物の熟成反応を速くさせることができる用途に用いることができ、1例を挙げれば、食酢の熟成反応を速くさせることができる用途に用いることができる。
[II]本発明の酒の熟成方法(第2の実施形態)
本発明は、酒の熟成方法(第2の実施形態)を含むものであって、本発明の酒の熟成方法は、エステル化触媒(d)の存在下で酒(原料(a))をエステル化する酒の熟成方法において、該エステル化反応は、超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)(b)雰囲気において酒(原料(a))のエステル化作用を行い、熟成時間を大幅に短縮することを特徴とするものである。
上記の超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)(b)の操作条件は、1000〜5000psiの圧力、30〜100℃の温度条件下にて、二酸化炭素(ないし炭酸ガス)を超臨界槽(A)において超臨界流体(b)を形成させる。更に該超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)(b)下、酒(原料(a))を触媒槽(B)中(特に槽体(4)中)に供給することを特徴とするものである。かかる一連の操作により、該超臨界二酸化炭素(流体)(ないし超臨界炭酸ガス)(b)下、酒(原料(a))を触媒槽(B)中(特に槽体(4)中)に導き、酒(原料(a))のエステル化反応(熟成反応の大幅な短縮)を行うものである(上記超臨界熟成装置(第1の実施形態)の参照)。
上記の超臨界槽(A)中に、(蒸留用)充填物(f)を充填することが好ましい。該充填物(f)は、任意に増加できる理論板数の充填物でよく、例えば、蒸留用充填物、例えば、Pro−Pak(R)(美國CANNON(R) Instrument Companyの蒸留用充填物製品、ウエブサイトwww.cannoninstrument.com参照。)により、反応速度(反応速率)を増進し、超臨界槽(A)の相対的大きさを低下させることができる。
上記の超臨界槽(A)の大きさには一定の制限がなく、容量大きければ生産能力は大きく、容量が小さければ生産能力は小さい。超臨界槽(A)中の二酸化炭素(ないし炭酸ガス)(超臨界二酸化炭素(流体)ないし超臨界炭酸ガス(b))の流量は超臨界槽(A)の大きさに従い決められる。また、超臨界槽(A)における圧力は、二酸化炭素(ないし炭酸ガス)を超臨界流体(b)に維持できることを必要条件とし、超臨界槽(A)中の圧力を1000〜5000psiに維持するのが好ましく、2000〜4000psiに維持するのがより好ましく、2500〜3000psiに維持するのが最も好ましい。
上記の超臨界槽(A)中の温度は、30〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、45〜65℃が最も好ましい。
上記のエステル化反応は、バッチ式反応、或は連続反応でよく、連続反応が好ましい。連続反応にて、超臨界槽(A)ないし触媒槽(B)の酒(原料(a))の流量の大きさには一定の制限がなく、酒(原料(a))の流量が大きければ熟成効果は相対的低く、酒(原料(a))の流量が小さければ熟成効果は相対的高い。
上記の触媒槽(B)中の圧力は、1000〜5000psiが好ましく、2000〜4000psiがより好ましく、2500〜3000psiが最も好ましい。
一般から言えば、触媒槽(B)中の圧力は超臨界槽(A)中の圧力と実質上同じであることが好ましい。
触媒槽(B)中の触媒(d)は、任意の公知のエステル化触媒、例えばリパーゼ(lipase)でよく、例えば、Novozym 435(デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com)等が利用できる。但し、本発明に用いることのできる触媒(d)に関して、上記に例示したものに何ら制限されるものではない。上記の触媒(d)の用量には一定の制限がなく、触媒(d)の用量が大きければ熟成効果は相対的高く、触媒(d)の用量が少なければ熟成効果は相対的低い。
上記の触媒槽(B)中の温度は、30〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、45〜65℃が最も好ましい。一般から言えば、触媒槽(B)中の温度は超臨界槽(A)中の温度と実質上同じであることが好ましい。
一般から言えば、超臨界槽(A)および触媒槽(B)の容量が大きければ生産能力は高く、容量が小さければ生産能力は低い。酒(原料(a))の流量が小さく、触媒(d)の用量が大きければ、超臨界エステル化の効果は高く、逆では超臨界エステル化の効果は低い。
本発明の酒の熟成方法及びその装置を更に説明するため、好ましい具体例(実施形態)を、図面を用いて説明する。
図4は、本発明の超臨界熟成装置のブロック図を示す。その内、符号100は原料供給装置、符号200は超臨界流体供給装置、符号300は超臨界槽の槽体(以下、図5や実施例でも単に超臨界槽と称記する。)、符号400は触媒槽の槽体(以下、図5や実施例でも単に超臨界槽と称記する。)、符号500は製品導出装置(製品槽)をそれぞれ示す。
図4に示すように、原料供給装置100と超臨界槽300との間は、配管613(接手)で連通(連接)されている(図中は一つの直線(配管613)による連接を示す)。また超臨界流体供給装置200と超臨界槽300との間は、配管(接手)623で連通(連接)されている(図中は一つの直線(配管623)による連接を示す)。さらに超臨界槽300と触媒槽400との間は、配管(接手)634で連通(連接)されている(図中は一つの直線(配管634)による連接を示す)。そして、触媒槽400と製品導出装置(製品槽)500との間は、配管(接手)640で連通(連接)されている(図中は一つの直線(配管640)による連接を示す)。
図5は、本発明の超臨界熟成装置の好ましい具体例を示す図である。
その内、符号110は、図4中の原料供給装置100のポンプを示す。相対的に超臨界槽300から言えば、ポンプ110を含む原料供給装置は、配管613を通して、原料(a)を超臨界槽300に供給する。符号210は図4中の超臨界流体供給装置200のポンプである。相対的に超臨界槽300から言えば、ポンプ210を含む超臨界流体供給装置は、配管623を通して、超臨界流体(b)を超臨界槽300に供給する。超臨界槽300と触媒槽400との間に、配管634で連通され、超臨界槽300に供給した原料(a)及び超臨界流体(b)を実質上均一な溶液(c)を形成し、この溶液(c)を触媒槽400に入れてエステル化反応を行い、触媒槽400は配管640を含み、製品(e)を製品導出装置(製品槽:図中未表示。図4の製品導出装置500)に導出(導入)する。
さらに図5に示す本発明の超臨界熟成装置の好ましい具体例では、超臨界槽300に(蒸留用)充填物を充填するが、符号を表示してない。触媒槽400には触媒(d)として、好ましくはリパーゼを含むが、符号示してない。配管623には別に排気管630を含み(=排気管630が分岐して設けられており)、更に必要時に部分或は全部の超臨界流体(b)を排出させる配管613、623、634、640及び排気管630には、バルブ(弁)を含む(配管613、623、634、640及び排気管630上には、いずれも適当な位置に1又は2以上のバルブ(弁)が適宜設置されていてもよい)(図中には各配管に1又は2個のバルブを用いた例が表示しているが、符号を表示してない)。これらのバルブは、超臨界流体(b)の輸送を制御する。その外、配管634は圧力計を含む(配管634上には適当な位置に1又は2以上の圧力計が適宜設置されていてもよい)(図中に2個の圧力計を用いた例が表示しているが、符号は表示してない)。これらの圧力計は、超臨界槽300及び触媒槽400の圧力表示及び制御をし易くさせる。この外、超臨界槽300及び触媒槽400は、それぞれ温度制御装置(図中未表示)を含み、超臨界槽300及び触媒槽400の温度制御をし易くさせる。
以下、非制限的で例示的な実施形態(実施例)及び比較例を通じて本発明をより詳しく説明する。
比較例1〜3
500mlの市販のアルコール度数58°(アルコール度数;アルコール飲料に対するエタノールの体積濃度を百分率(パーセント、%)で表示した割合である。)の金門高梁酒(きんもんこうりゃんちゅう)をそれぞれ1000ml高梁酒瓶に入れて、それぞれ3g、5g、10gの触媒を加え、半年密封した後、開瓶(開封)してテストした。ここで、触媒にはNovozym 435(エステル化触媒;リパーゼ、デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com参照。)を用いた。
エステル化後の酒と未エステル化の酒につき、風味、色彩、香味の比較を行った結果、顕著な違い(差異)は見られなかった。
実施例1
比較例1〜3と同様の市販のアルコール度数58°の金門高梁酒を図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400に、図5で説明した操作手順に従って入れて反応させた。ここで、超臨界槽300の容量は37リットルであり、超臨界槽300に蒸留用充填物として18kgのPro−Pak(R)(美國CANNON(R) Instrument Companyの蒸留用充填物製品、ウエブサイトwww.cannoninstrument.com参照。)を充填し、触媒槽400中の触媒の用量は1kgであり、該触媒にはNovozym 435(エステル化触媒;リパーゼ、デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com参照。)を用いた。反応条件は、図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400中の超臨界二酸化炭素(流体)圧力が2500psi、温度が50℃、高梁酒流量が50L/hrであった。
エステル化後の酒と市販のアルコール度数58°の金門高梁酒、貯蔵(貯存)20年の金門高梁酒、及び貯蔵(貯存)50年の金門高梁酒につき、風味、色彩、香味の比較を行った結果、表1の通りである。実施例1で製造された酒の風味、香味は、貯蔵(貯存)20年及び貯蔵(貯存)50年の金門高梁酒より遥かに優れていることが確認できた。
Figure 0005302771
GC/MS(Gas Chromatograph/Mass Spectroscopy、ガススペクトルグラフィー/マススペクトルグラフィー)流速1ml/min、初温40℃、昇温速度5℃/minで260℃まで温度を維持した後の機器分析条件下で、それぞれ市販のアルコール度数58°の金門高梁酒、比較例3、貯蔵(貯存)20年の金門高梁酒、貯蔵(貯存)50年の金門高梁酒、実施例1で製造された酒をそれぞれ分析した。そのスペクトルグラフィーはそれぞれ図1−a、1−b、1−c、1−d、1−eに示し、その内、図示されているスペクトルグラフィー左側のピークはヘキサデカン酸エチル(ethyl hexadecanoate)であり、その相対含量(abundance)はそれぞれ約700K(即ち700000に相当)、100K、900K、1050K、5500Kより大きく、図示されているスペクトルグラフィー右側ピークはリノール酸エチル(ethyl linoleate)であり、その相対含量(abundance)はそれぞれ約400K、50K、500K、500K、4500Kである。明らかに超臨界エステル化反応は酒中エステル類の含量を増加させ、酒を更に香醇(Aromatic:芳醇で、香りが良く、芳香である。刺激がないもの。)にすることが確認できた。
実施例2〜3
中国で製造された五糧液酒を図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400に、図5で説明した操作手順に従って入れて反応させた。ここで、超臨界槽300の容量は10リットルで、超臨界槽300中に蒸留用充填物としてPro−Pak(R)(美國CANNON(R) Instrument Companyの蒸留用充填物製品、ウエブサイトwww.cannoninstrument.com参照。)を5kg充填した。触媒槽400中の触媒の用量は200gで、該触媒にはNovozym 435(エステル化触媒;リパーゼ、デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com参照。)を用いた。反応条件は、図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400での超臨界二酸化炭素(流体)圧力2500psi、温度50℃、実施例2、3の五糧液酒の流量はそれぞれ3L/hr、1.5L/hrであった。
エステル化後の酒と未エステル化の酒につき、風味、色彩、香味の比較を行った結果、表2の如きである。実施例2、3に製造された酒の風味、香味は、いずれも未エステル化の酒より遥かに優れていることが確認できた。
Figure 0005302771
GC/MSを流速1ml/min、初温40℃、昇温速度5℃/minで260℃まで温度を維持した後の機器分析条件下で、それぞれ未エステル化の酒、実施例2、3で製造された酒を分析した。そのスペクトルグラフィーはそれぞれ図2−a、2−b、2−cの通りである。その内、図示されているスペクトルグラフィー左側のピークはヘキサデカン酸エチル(ethyl hexadecanoate)であり、その相対含量(abundance)はそれぞれ約100K、300K、550Kであり、図示されているスペクトルグラフィー右側ピークはリノール酸エチル(ethyl linoleate)であり、その相対含量(abundance)はそれぞれ約50K、200K、400Kである。明らかに超臨界エステル化反応は酒中エステル類の含量を増加させ、酒を更に香醇にすることが確認できた。
実施例4〜8
市販のサントリーウイスキーを図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400に、図5で説明した操作手順に従って入れて反応させた。ここで、超臨界槽300の容量は10リットルで、超臨界槽300中に蒸留用充填物としてPro−Pak(R)(美國CANNON(R) Instrument Companyの蒸留用充填物製品、ウエブサイトwww.cannoninstrument.com参照。)を5kg充填した。触媒槽400中の触媒の用量は200gで、該触媒にはNovozym 435(エステル化触媒;リパーゼ、デンマークのNovozymes社より購入、ウエブサイトwww.novozymes.com参照。)を用いた。反応条件は、図5に示す本発明の超臨界熟成装置の反応槽である超臨界槽300及び触媒槽400での超臨界二酸化炭素(流体)圧力2500psi、温度50℃であり、実施例4、5、6、7、8のウイスキーの流量はそれぞれ3.0L/hr、2.5L/hr、2.0L/hr、1.5L/hr、1.0L/hrとした。
エステル化後の酒と未エステル化の酒につき、風味、色彩、香味の比較を行った結果、表3の如きである。実施例4〜8に製造された酒の風味、香味は、いずれも未エステル化の酒より遥かに優れている。
Figure 0005302771
GC/MSを流速1ml/min、初温40℃、昇温速度5℃/minで260℃まで温度を維持した後の機器分析条件下で、それぞれ実施例4〜8で製造された酒を分析した。そのスペクトルグラフィーはそれぞれ図3−a、3−b、3−c、3−d、3−eの通りである。その内、各図で特に酢酸(acetic acid、ピーク2)、及び代表的な不純物(代表性雜質)である3−メチル−1−ブタノール(3−methyl 1−butanol、ピーク1)を拡大し、各該図の中央に示した。図中に示すように超臨界エステル化反応は酒中不純物(雜質)の含量を低下することができ、酒の辛い風味と刺激辛味の程度を低下させることができることが確認できた。ここで、薄果物香りは、香りが薄い果物の香りであり、沈醇(aroma)は、よい香り、より匂いで、刺激辛味が低く、芳香である。
実施例9〜24
実施例2の設備(触媒の用量は表4参照)を用い、表4の諸列の反応条件で、金門高梁酒に対し、超臨界エステル化反応を行い、エステル化後の酒につき、風味、色彩、香味の比較を行った結果、表4の通りである。
Figure 0005302771
100 原料供給装置、
110 原料供給装置のポンプ、
200 超臨界流体供給装置、
210 超臨界流体供給装置のポンプ、
300 超臨界槽、
400 触媒槽、
500 製品導出装置(製品槽)、
613、623、630、634、640 配管ないし排気管。

Claims (15)

  1. エステル化触媒の存在下で酒をエステル化する酒の熟成方法において、
    該エステル化反応は、超臨界二酸化炭素雰囲気において酒のエステル化作用を行い、熟成時間を短縮させることを特徴とする酒の熟成方法。
  2. 該超臨界二酸化炭素が1000〜5000psiの圧力、30〜100℃の温度条件下、超臨界槽にて超臨界流体を形成し、更に該超臨界二酸化炭素下、酒をエステル化触媒を含む触媒槽中に導くことを特徴とする、請求項1に記載の酒の熟成方法。
  3. 該触媒槽中の圧力及び該超臨界槽中の圧力が同じで、該触媒槽中の温度及び該超臨界槽中の温度が同じである、請求項2に記載の酒の熟成方法。
  4. 該超臨界槽中に蒸留用充填物を充填し、該触媒槽中のエステル化触媒はリパーゼである、請求項2または3に記載の酒の熟成方法。
  5. 該圧力が2000〜4000psiである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の酒の熟成方法。
  6. 該温度が40〜90℃である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の酒の熟成方法。
  7. 連続的プロセスで行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の酒の熟成方法。
  8. 槽体、原料供給装置及び超臨界流体供給装置を含む超臨界槽であり、その内、該原料供給装置は、原料を該槽体に供給し、該超臨界流体供給装置は、超臨界流体を該槽体に供給し、該槽体は、供給された原料及び超臨界流体を収納し、供給した原料及び超臨界流体を均一な溶液に形成させる超臨界槽、及び
    槽体と製品導出装置を含む触媒槽であり、該槽体内に触媒を含み、該製品導出装置は該触媒槽の槽体から製品を導出させ、且つ該触媒槽と該超臨界槽とは、該均一な溶液を該触媒と接触させて、触媒反応を行えるように連通する触媒槽、
    を有する、超臨界熟成装置。
  9. 該超臨界流体が超臨界二酸化炭素である、請求項8に記載の超臨界熟成装置。
  10. 該超臨界流体供給装置が更に超臨界流体の圧力及び流速を制御するための制御バルブを含む、請求項8または9に記載の超臨界熟成装置。
  11. 該超臨界槽において、更に蒸留用充填物を填入してある、請求項8〜10のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。
  12. 該超臨界槽中の圧力が、1000〜5000psiに維持される、請求項8〜11のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。
  13. 該超臨界槽中の温度が30〜100℃である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。
  14. 更に超臨界槽中の温度を制御するための温度制御装置を含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。
  15. 酒の熟成を速くするために使用される、請求項8〜14のいずれか1項に記載の超臨界熟成装置。
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