JP5302604B2 - インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、特に吸水性を有しないプラスチックフィルムの表面に直接に、例えばサーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタを用いて印字をするためのインクジェットインクに関するものである。
複数のノズルから、制御信号に応じて随時インク滴を吐出させて印字を行なう、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタとしては、インク滴を吐出させるためのメカニズムの相違に基づいて、インクジェットインクを加熱して気泡を発生させて、前記気泡の発生による体積増加分のインクをインク滴としてノズルから吐出させるサーマルインクジェット方式のものと、ピエゾ素子の振動を利用したピエゾ方式のものとが知られている。
前記オンデマンド型のインクジェットプリンタに用いるインクジェットインクとしては従来、少なくとも水を含む水性溶媒に水溶性染料等を溶解した水性のインクジェットインクが一般的に用いられてきた。しかし水性のインクジェットインクを用いて、例えば食品用レトルトパック等を構成するポリプロピレンフィルム(OPP、CPP等)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ナイロンフィルム等のプラスチックフィルムの、特に水性のインクジェットインクを良好に受容するための処理を施していない、吸水性を有しない表面に直接に印字をしても満足の行く結果は得られなかった。
すなわち水性のインクジェットインクはプラスチックフィルムに対する浸透性を有しない上、プラスチックフィルムの表面は前記のように吸水性を有しないため、前記表面に印字されたインクジェットインクは、例えば紙の表面に印字をした場合のように吸水によって急速に乾燥されることがなく、乾燥するまでに比較的長い時間を要する。そのため印字されたインクジェットインクが、乾燥するまでの間に前記表面ではじかれたり滲んだりしやすく、エッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができなかった。
また、例えば乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしやすいという問題もあった。さらに、複数枚のプラスチックフィルムに連続して印字をする際に、インクジェットプリンタから排出された先のプラスチックフィルムの表面の印字が乾燥する前に、前記先のプラスチックフィルムの上に、後から排出されたプラスチックフィルムが重ねられて印字が裏写りするおそれもあった。これらの問題は、特に高速印刷時に顕著であった。
また乾燥した後も、水溶性染料はプラスチックフィルムの表面に良好に定着されないため、例えば印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりした際に印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしやすいという問題もあった。さらに食品用レトルトパックの場合は、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われてしまうという問題があった。
そこでインクジェットインクに、紫外線や熱によって硬化する硬化性を有するバインダ樹脂を加え、印字直後に紫外線を照射したり加熱したりして前記バインダ樹脂を硬化させることで、印字されたインクジェットインクを急速に固化させると共に、プラスチックフィルムの表面に定着させることが考えられた。しかしその場合には、インクジェットプリンタに、前記紫外線照射のための装置や加熱のための装置等を加える必要があり全体の構造が複雑化すると共に印字の操作が煩雑化する上、消費エネルギーが増大するといった問題があった。また高速印刷をするのが難しくなるという問題もあった。
ノズルからインク滴を連続的に吐出させながら、吐出させたインク滴の飛行軌跡を途中で変化させて被印字体の表面に任意の印字をする、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにおいては、前記水性のインクジェットインクに代えて、例えば油溶性染料と、前記油溶性染料等を良好に溶解できるメチルエチルケトン等のケトン類と、例えばアルコール類等とを含む油性のインクジェットインクが用いられることが多い。前記油性のインクジェットインクによれば、油溶性染料が水溶性を有しない上、プラスチックフィルムに対する定着性に優れるため印字の耐水性を向上できると共に、ケトン類がプラスチックフィルムに対する浸透性を有するため、前記プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクを、例えば加熱等をすることなく短時間で乾燥させて、エッジがシャープで鮮明な印字を得ることができる。
しかしケトン類は水性溶媒に比べて環境負荷が大きかったり、臭気が強かったりするといった問題がある。また前記インクジェットインクは水を含まないため、特に水性のインクジェットインク用として設計されたサーマルインクジェット方式等のオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際には、インク滴の吐出が不安定になるという問題もある。
そこで、例えば特許文献1、2において、前記ケトン類に代わる新たな溶媒を含むインクジェットインクが検討されているが、このいずれのものも水を含まないため、やはり水性のインクジェットインク用として設計されたオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際には、インク滴の吐出が不安定になるという問題がある。また特許文献3には、水とエチルアルコールとの混合溶媒を用いることが記載されているが、多くの油溶性染料はエチルアルコール等の低級アルコールに対する溶解性が低いため、インクジェットインクの貯蔵時に油溶性染料等が析出したりしやすく、インクジェットインクの保存安定性が低下するという問題がある。
特許文献4ないし6には、それぞれγ−ブチロラクトン等の環状エステル類や、あるいはN−メチルピロリドン等の環状アミド類と、水との混合溶媒を用いることが記載されている。しかし環状エステル類はアルカリ性の環境下で加水分解されやすく、このことがインクジェットインクの保存安定性を低下させたり、耐水性に優れた印字をするために障害となったりする原因となる。
すなわち水性のインクジェットインクにおいては、印字の耐水性を向上するために、バインダ樹脂として、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるアルカリ可溶性のバインダ樹脂を使用するのが一般的であり、前記バインダ樹脂を良好に溶解させて析出を防止するために、インクジェットインクをアルカリ性とするのが一般的である。しかし、前記のように環状エステル類はアルカリ性の環境下では加水分解されやすいため、両者を併用してインクジェットインクをアルカリ性とした場合には、インクジェットインクの貯蔵時に、環状エステル類の加水分解にともなって油溶性染料等が析出したりしやすく、インクジェットインクの保存安定性が低下する。またアルカリ性としない場合にはバインダ樹脂が析出しやすくなり、やはりインクジェットインクの保存安定性が低下する。さらに、アルカリ可溶性のバインダ樹脂に代えて通常の水溶性のバインダ樹脂を用いた場合には印字の耐水性が低下する。
一方、環状アミド類は蒸気圧が低いため、プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクの乾燥に比較的長い時間を要する傾向がある。そのため水性のインクジェットインクの場合と同様に、エッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができない、乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしやすい、印字が裏移りしやすいといった問題がある。
特開平10−204346号公報 特開2002−60661号公報 特開平10−204345号公報 特開平9−132729号公報 特開2006−282822号公報 特開2006−282823号公報
本発明の目的は、特に吸水性を有しないプラスチックフィルムの表面に、例えばサーマルインクジェット方式等の、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して印字をすることができると共に、印字したインクジェットインクが急速に乾燥されるためエッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができ、しかも印字の定着性や耐水性も良好で、例えば印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりしても印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしにくく、特に食品用レトルトパックの場合に、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われるおそれがない上、環境に対する負荷が小さく、臭気が弱く、しかも保存安定性にも優れたインクジェットインクを提供することにある。
前記課題を解決するための、本発明のインクジェットインクは、色材としての油溶性染料アルカリ可溶性のバインダ樹脂、および混合溶媒を含むインクジェットインクであって、前記混合溶媒が
(a) 水、
(b) 前記水と相溶性を有しない環状ケトンとしてのシクロペンタノン
(c) 前記水および環状ケトンの両方と相溶性を有し、かつ同じ温度での蒸気圧が環状ケトンの蒸気圧より高いアルコールとしての2−ブタノール、
を含むと共に、インクジェットインクの総量中の、前記バインダ樹脂の含有割合が0.1質量%以上、3.0質量%以下、前記水の含有割合が10質量%以上、30質量%以下、前記アルコールと環状ケトンの合計の含有割合が55質量%以上、83質量%以下で、かつ前記アルコールAと環状ケトンKの質量比A/Kが1.4以上、5.0以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、先に説明したケトン類の中でも環境に対する負荷が小さく、かつ臭気が弱い(b)の環状ケトンを選択して用いると共に、前記環状ケトンを(a)の水および(c)のアルコールと併用することで、インクジェットインクの全体での環境に対する負荷をさらに小さく、かつ臭気を弱くすることができる。また環状ケトンは油溶性染料等を良好に溶解できるため、インクジェットインクの保存安定性を向上することもできる
また環状ケトンはプラスチックフィルムに対する良好な浸透性を有するため、前記プラスチックフィルムの表面に直接に印字したインクジェットインクを、例えば加熱等をすることなく短時間で乾燥させて、前記インクジェットインクが乾燥するまでの間に前記表面ではじかれたり滲んだりするのを抑制して、エッジがシャープで鮮明な印字を得ることができる。またインクジェットインクの乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりするのを防止すると共に、印字の裏写りを防止することもできる。
また前記浸透により油溶性染料をプラスチックフィルムの表層部内等に浸透させることができるため、印字の定着性、耐水性をさらに向上して、乾燥後の印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりした際に印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりすることや、特に食品用レトルトパックの場合に、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われたりすることを、より確実に防止することもできる。
また本発明のインクジェットインクは(a)の水を前記所定の含有割合で含むため、水性のインクジェットインク用として設計されたサーマルインクジェット方式等のオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際に、インク滴を安定して吐出させることができる。また水と、前記水と相溶性を有しない(b)の環状ケトンとを、この両者と相溶性を有する(c)のアルコールを加えることによって相溶させて均一相を形成できるため、インクジェトインクの保存安定性を向上できる。しかも(b)の環状ケトンとして水と相溶性を有しないものを用いると共に、(c)のアルコールとして、前記環状ケトンよりも同じ温度での蒸気圧が高いものを選択して用いることにより、より一層エッジがシャープで鮮明な印字を得ることも可能となる。
すなわち、プラスチックフィルムの表面に印字されたインクジェットインク中で、蒸気圧の高いアルコールが水および環状ケトンよりも先に蒸発することで、先に説明した環状ケトンの浸透と相まって、インクジェットインクを、例えば加熱等をすることなく短時間で乾燥させて、前記インクジェットインクが乾燥するまでの間に前記表面ではじかれたり滲んだりするのを抑制できる。のみならず、前記蒸発に伴って水と環状ケトンとアルコールの相溶系が崩れた際に、水と環状ケトンとが相分離して前記環状ケトンが凝集状態(ショック状態)となり、それに伴って水よりも環状ケトンに対する親和性の高い前記油溶性染料や親油性の顔料等も凝集状態を呈するため、印字のエッジをより一層シャープで鮮明にすると共に、印字濃度を高めることもできる。
したがって本発明によれば、前記3種の溶媒を併用することによる相乗効果によって、特に吸水性を有しないプラスチックフィルムの表面に、例えばサーマルインクジェット方式等の、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して印字をすることができると共に、印字したインクジェットインクが急速に乾燥されるためエッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができ、しかも印字の定着性や耐水性も良好で、例えば印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりしても印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしにくく、特に食品用レトルトパックの場合に、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われるおそれがない上、環境に対する負荷が小さく、臭気が弱く、しかも保存安定性にも優れたインクジェットインクを提供することが可能となる。
前記のうち(b)の環状ケトンがシクロペンタノンに限定されるのは、かかるシクロペンタノンが、油溶性染料の溶解性を有する上、環境に対する負荷をより一層小さく、かつ臭気をさらに弱くしたり、プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクを、例えば加熱等をすることなくさらに短時間で乾燥させて、より一層エッジがシャープで鮮明な印字を得たりする効果に優れているためである
また(c)のアルコールが2−ブタノールに限定されるのは、かかる2−ブタノールが、水および環状ケトンの両方に対して良好な相溶性を有すると共に、前記環状ケトンに比べて同じ温度での蒸気圧が高い上、沸点ができるだけ水に近いため、インクジェットインクの貯蔵時に、その組成大幅に変化させたりしないためである
また色材として、先に説明したように耐水性に優れた印字をすることができる油溶性染料を用いているため、インクジェットインクは、顔料を用いたものに比べてノズルの目詰まりを生じにくい上、目詰まりを生じた場合でも、インクジェットプリンタにおけるワイピング、ステッピング等の操作によって速やかに目詰まりを解消して平常状態に復帰できるため、特に高速印刷時の信頼性を向上できる。
本発明のインクジェットインクは、様々なインクジェットプリンタに使用可能であるが、水を含んでいることから、特に水性のインクジェットインク用として設計されたオンデマンド型のインクジェットプリンタ、中でもインクジェットインクを加熱して気泡を発生させて、前記気泡の発生による体積増加分のインクをインク滴としてノズルから吐出させるサーマルインクジェット方式の、オンデマンド型のインクジェットプリンタに用いた際に、前記インク滴の吐出をさらに安定化できる点で好ましい。
本発明によれば、特に吸水性を有しないプラスチックフィルムの表面に、例えばサーマルインクジェット方式等の、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して印字をすることができると共に、印字したインクジェットインクが急速に乾燥されるためエッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができ、しかも印字の定着性や耐水性も良好で、例えば印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりしても印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしにくく、特に食品用レトルトパックの場合に、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われるおそれがない上、環境に対する負荷が小さく、臭気が弱く、しかも保存安定性にも優れたインクジェットインクを提供することが可能となる。
本発明のインクジェットインクは、色材としての油溶性染料アルカリ可溶性のバインダ樹脂、および混合溶媒を含むインクジェットインクであって、前記混合溶媒が
(a) 水、
(b) 前記水と相溶性を有しない環状ケトンとしてのシクロペンタノン
(c) 前記水および環状ケトンの両方と相溶性を有し、かつ同じ温度での蒸気圧が環状ケトンの蒸気圧より高いアルコールとしての2−ブタノール、
を含むと共に、インクジェットインクの総量中の、前記バインダ樹脂の含有割合が0.1質量%以上、3.0質量%以下、前記水の含有割合が10質量%以上、30質量%以下、前記アルコールと環状ケトンの合計の含有割合が55質量%以上、83質量%以下で、かつ前記アルコールAと環状ケトンKの質量比A/Kが1.4以上、5.0以下であることを特徴とするものである。
〈混合溶媒〉
前記各成分のうち(a)の水の含有割合が、インクジェットインクの総量中の10質量%以上、30質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。すなわち水の含有割合が前記範囲未満では、本発明のインクジェットインクを、特にサーマルインクジェット方式のオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際に、前記水による、インク滴の吐出を安定させる効果が得られず、吐出が不安定化して、プラスチックフィルムの表面に良好な印字をすることができなくなる。また先に説明したように(c)のアルコールが蒸発した際に、(b)の環状ケトンとの相分離によって前記環状ケトンを凝集させて、印字のエッジをより一層シャープで鮮明にすると共に、印字濃度を高める効果も得られない。
一方、水の含有割合が前記範囲を超える場合には、相対的に環状ケトンやアルコールの量が少なくなるため、前記両溶媒による、プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクを急速に乾燥させる効果が得られない。そのため従来の水性のインクジェットインクの場合と同様に、プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクの乾燥に比較的長い時間を要することになり、エッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることができない、乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしやすい、印字が裏移りしやすいといった問題を生じる。
なお、これらの問題が生じるのをさらに有効に防止して、プラスチックフィルムの表面に良好な印字をすることを考慮すると、水の含有割合は、前記範囲内でも15質量%以上、25質量%以下、特に20質量%前後であるのが好ましい。
れ自体が単独で安定に存在しうる、炭素数4以上の環状ケトンのうち、油溶性染料に対する良好な溶解性を有する環状ケトンとしては、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、およびシクロヘプタノンが挙げられる。
本発明の(b)の環状ケトンは、これら環状ケトンのうち、
シクロペンタノン(1013hPaでの沸点130.6℃、25℃での蒸気圧15.2hPa、炭素数5)
に限定される
かかるシクロペンタノンは、油溶性染料の溶解性に優れている上、環境に対する負荷をより一層小さく、かつ臭気をさらに弱くしたり、プラスチックフィルムの表面に印字したインクジェットインクを、例えば加熱等をすることなくさらに短時間で乾燥させて、より一層エッジがシャープで鮮明な印字を得たりする効果にも優れている
および環状ケトンの両方に対して良好な相溶性を有すると共に、前記水および環状ケトンに比べて同じ温度での蒸気圧が高いアルコールとしては、炭素数2ないし5のアルコールが挙げられる。
かかる炭素数2ないし5のアルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール〔2−メチル−1−プロパノール〕、tert−ブチルアルコール〔2−メチル−2−プロパノール〕、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール〔3−メチル−1−ブタノール〕、tert−ペンチルアルコール〔2−メチル−2−ブタノール〕、3−メチル−2−ブタノール、およびネオペンチルアルコール〔2,2−ジメチル−1−プロパノール〕が挙げられる。
本発明の(c)のアルコールは、これらのアルコールのうち、
2−ブタノール(1013hPaでの沸点99.50℃、25℃での蒸気圧24.3hPa、炭素数4)
に限定される
かかる2−ブタノールは沸点が水に近いため、インクジェットインクの貯蔵時に、アルコールの蒸発によって組成が大幅に変化したりしない、プラスチックフィルムの表面に印字した後、前記印字をできるだけ速やかに乾燥させることもできる。
前記(b)の環状ケトンと(c)のアルコールAの質量比A/Kが1.4以上、5.0以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち質量比A/Kが1.4未満ではアルコールが少なくなりすぎて、前記アルコールによる、インクジェットインクをできるだけ短時間で乾燥させて、エッジがシャープで鮮明な印字を得る効果や、乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりするのを抑制する効果、特に高速印刷時に印字が裏移りするのを防止する効果等が十分に得られな
また質量比A/Kが5.0を超える場合には逆にアルコールが多くなりすぎて、インクジェットインクが乾燥しやすくなりすぎる。そのため、例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタの、複数のノズルを形成したヘッドの表面においてインクジェットインクがごく短時間で乾燥する等してノズルの目詰まりを生じやすくなって、特に高速印刷時の信頼性が低下す
なお、これらの問題が生じるのをさらに有効に防止して、プラスチックフィルムの表面に良好な印字をすることを考慮すると、質量比A/Kは、前記範囲内でも1.9以上、3.0以下、特に2.5前後であるのが好ましい。
前記(b)の環状ケトン、および(c)のアルコールの、インクジェットインクの総量中での合計の含有割合が55質量%以上、83質量%以下に限定されるのは、先に説明した環状ケトンおよびアルコールを水と併用することの効果をできるだけ有効に発揮させるためである。なお前記環状ケトンおよびアルコールの、インクジェットインクの総量中の合計の含有割合は、前記範囲内でも59質量%以上、79質量%以下であるのが好ましい。
なお本発明において、(b)の環状ケトンが(a)の水と相溶性を有しないとは、両者を混合したのち静置するとエマルション状態を呈して白濁するか、または2相に相分離することをいうものとする。また(c)のアルコールが(a)の水および(b)の環状ケトンと相溶性を有するとは、(c)のアルコールを(a)の水と混合したのち静置すると無色透明で単一の相を形成し、同様に(c)のアルコールを(b)の環状ケトンと混合したのち静置しても無色透明で単一の相を形成し、さらには3者を混合したのち静置しても無色透明で単一の相を形成することをいうものとする。
〈色材〉
色材としては、印字に耐水性を付与する機能を有する上、環状ケトンに対する溶解性に優れた油溶性染料が用いられる。なおここでいう油溶性染料には、カラーインデックス名(C.I.name)がC.I.Solventで分類される狭義の油溶性染料だけでなく、前記環状ケトンに対する溶解性に優れると共に、水に溶解しない種々の染料をも含むものとする。
前記油溶性染料を用いたインクジェットインクは、顔料を用いたものに比べてノズルの目詰まりを生じにくい上、目詰まりを生じた場合でも、インクジェットプリンタにおけるワイピング、ステッピング等の操作によって速やかに目詰まりを解消して平常状態に復帰できるため、特に高速印刷時の信頼性を向上できる。油溶性染料としては金属を含有しないものが好ましく、その具体例としては、下記の各化合物の1種または2種以上が挙げられる。
C.I.Solvent Black3、5
C.I.Solvent Yellow19
C.I.Solvent Red8、13、43、72、73
C.I.Solvent Blue2、25
C.I.Solvent Violet3、9
C.I.Basic Blue3、5、7、9、26
C.I.Basic Red1、14
C.I.Basic Yellow2、11
C.I.Basic Violet1、3、7、10
C.I.Acid Black2
C.I.Acid Yellow23、38
C.I.Acid Red18、33、87、88、92
C.I.Acid Blue1、9
C.I.Direct Black17
〈バインダ樹脂〉
バインダ樹脂としては、先に説明したように本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるアルカリ可溶性のバインダ樹脂を用いる。かかるアルカリ可溶性のバインダ樹脂としては、例えば分子中にカルボキシル基を有しており、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えると、カルボキシル基の部分が塩基性物質と反応して水溶性の塩を生成して溶解する樹脂等が挙げられる。
前記バインダ樹脂の具体例としては、例えばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂等のうち、上記の特性を有するように分子量、酸価等を調整した樹脂、特に高酸価樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
バインダ樹脂は、印字の定着性や耐水性を向上することを考慮すると、重量平均分子量Mwが3,000以上であるのが好ましい。ただし分子量が大きすぎるとバインダ樹脂が沈殿や析出などを生じやすくなって、インク滴の吐出が不安定になるおそれがある。また、インクジェットインクの貯蔵時にも、バインダ樹脂の沈殿や析出などを生じやすくなるおそれがある。したがってバインダ樹脂の重量平均分子量Mwは、上記の範囲内でも特に50,000以下であるのが好ましく、これらの特性を併せ考慮すると4,000以上、40,000以下程度であるのがさらに好ましい。
バインダ樹脂の含有割合、インクジェットインクの総量中の0.1質量%以上、3.0質量%以下に限定されるのは、含有割合がこの範囲未満では、油溶性染料をプラスチックフィルムの表面に定着させて印字の定着性や耐水性を向上する効果が不十分になるためである。またこの範囲を超える場合には、特にサーマルインクジェット方式のオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際に、加熱による水分の気化に伴ってプリンタのヘッド内でインクジェットインクの粘度が局部的に上昇した際に、インク滴の吐出が不安定になったり、過剰のバインダ樹脂が析出してノズル内で目詰まりを生じたりするためであるなおバインダ樹脂の含有割合は、前記範囲内でも0.5質量%以上、2.0質量%以下であるのが好ましい。
本発明のインクジェットインクには、前記各成分に加えて、その特性を調整するための各種の添加剤を含有させてもよい。かかる添加剤としては、例えばインクジェットインクをアルカリ性にして前記バインダ樹脂を溶解させるための塩基性物質、界面活性剤、有機酸塩のエチレンオキシド付加物、ポリオキシチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アセチレングリコール類、グリコールエーテル類、その他が挙げられる。
〈塩基性物質〉
塩基性物質は、インクジェットインクをアルカリ性にして、先に説明したようにアルカリ可溶性のバインダ樹脂を良好に溶解させると共に、インクジェットプリンタのヘッドの腐食を防止するために含有される。かかる塩基性物質としてはアンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等が挙げられる。
このうち有機アミンの具体例としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミンおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
塩基性物質の添加量は、バインダ樹脂の遊離脂肪酸含有量を示す酸価や、あるいはインクジェットインクの、塩基性物質を添加しない状態でのpHなどに応じて適宜、調整できる。
〈界面活性剤〉
界面活性剤は、インクジェットインクの、プラスチックフィルムの表面に対する親和性を向上させるために含有される。前記界面活性剤としては、種々の界面活性剤が使用可能であるが、特にフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好適に使用される。このうちフッ素系界面活性剤の具体例としては、例えばイー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー(E. I. Du Pont de Nemours and Co.)製のZONYL FSP、FSE、FSA、FS−62、セイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)S−381、(株)ジェムコ製のエフトップ(登録商標)EF−802、EF−352等の1種または2種以上が挙げられる。
またシリコーン系界面活性剤の具体例としては、例えば日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)PD−501、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のSILWET(登録商標)L−77、L−7604、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−347、BYK−348等の1種または2種以上が挙げられる。
界面活性剤の含有割合は、インクジェットインクの総量中の0.01質量%以上、5質量%以下、特に0.05質量%以上、3質量%以下であるのが好ましい。
〈有機酸塩のエチレンオキシド付加物〉
インクジェットインクに有機酸塩のエチレンオキシド付加物を含有させると、特に色材として顔料を含むインクジェットインクをサーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタに使用した際に、インク滴の吐出を安定させることができる。その理由は明らかではないが、サーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタにおいてインクジェットインクが瞬時に高温(およそ400℃程度)に加熱された際に、有機酸塩のエチレンオキシド付加物が顔料の表面に吸着しようと働きかけて、前記顔料の分散が破壊されるのを防止するためと考えられる。
有機酸塩のエチレンオキシド付加物の具体例としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸等の、モノないしトリカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等にエチレンオキシドを付加させた化合物が挙げられる。特にインク滴の吐出を安定させる効果の点では、式(1):
Figure 0005302604
〔式中、M、M、およびMは同一または異なってナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム基、または水素を示す。ただしM、M、およびMは同時に水素でない。rは1ないし28の数を示す。〕
で表される、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩のエチレンオキシド付加物、およびクエン酸アンモニウムのエチレンオキシド付加物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
式中のrが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりする結果として、却ってインク滴の吐出を不安定にするおそれがある。前記化合物の含有割合は、インクジェットインクの総量中の0.01質量%以上、5質量%以下、特に0.05質量%以上、3質量%以下であるのが好ましい。含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明したインク滴の吐出を安定させる効果が不十分になるおそれがある。また、前記範囲を超える場合にはノズル等で目詰まりを生じるおそれがある。
〈ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〉
インクジェットインクに、式(2):
Figure 0005302604
〔式中、sは3ないし28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル、および式(3):
Figure 0005302604
〔式中、Rは炭素数8ないし10のアルキル基、tは3ないし28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有させると、先に説明した有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する働きをして、インク滴の吐出をさらに安定させることができる。
このうち式(2)で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテルにおいて、式中のsが3ないし28であるのが好ましいのは、sが前記範囲を外れる化合物は、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。また特にsが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりする結果として、却ってインク滴の吐出を不安定にするおそれもある。式(2)のポリオキシエチレンフェニルエーテルの具体例としては、sが6である、式(4):
Figure 0005302604
で表される化合物が挙げられる。
また式(3)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにおいて、式中のtが3ないし28で、かつRのアルキル基の炭素数が8ないし10であるのが好ましいのは、tが前記範囲を外れる化合物や、Rのアルキル基の炭素数が前記範囲を外れる化合物はいずれも、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。
また、特にtが28を超える化合物や、Rのアルキル基の炭素数が10を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりする結果として、却ってインク滴の吐出を不安定にするおそれもある。式(3)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、tが25でRのアルキル基の炭素数が8である、式(5):
Figure 0005302604
で表される化合物が挙げられる。なお、式(3)の化合物には、Rのアルキル基が、フェニル基上の、ポリオキシエチレン基からみてo位、m位およびp位に結合した3種の化合物があるが、本発明ではいずれの化合物を用いることもできる。また前記3種の化合物のうち、2種以上の混合物を用いることもできる。
式(2)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(3)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有割合は、インクジェットインクの総量中の0.02質量%以上、7質量%以下、特に0.1質量%以上、5質量%以下であるのが好ましい。含有割合が前記範囲未満では、これらの化合物を含有させたことによる、先に説明した補助効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、ヘッド内で目詰まりを生じるおそれがある。なお含有割合は、式(2)(3)の化合物をいずれか単独で使用する場合は、前記化合物単独での含有割合であり、2種以上を併用する場合は、併用する化合物の合計の含有割合である。式(2)(3)の化合物は、それぞれ補助効果のメカニズムが異なっていると考えられるため、両者を併用するのが好ましい。特に式(4)の化合物と、式(5)の化合物との併用系が、補助効果の点で好ましい。
〈アセチレングリコール類、グリコールエーテル類〉
インクジェットインクにアセチレングリコール類および/またはグリコールエーテル類を含有させると、これらの化合物は式(2)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(3)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの補助効果をさらに補完する補完効果を有するため、インク滴の吐出をさらに安定させることができる。
アセチレングリコール類の具体例としては、例えばエアープロダクツ アンド ケミカルズ社(Air Products and Chemicals Inc.)製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール61、420、440、465、485、同ダイノール604、日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
アセチレングリコール類の含有割合は、インクジェットインクの総量中の0.01質量%以上、5質量%以下、特に0.05質量%以上、3質量%以下であるのが好ましい。含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また、前記範囲を超える場合には印刷の耐水性が低下するおそれがある。
一方、グリコールエーテル類の具体例としては、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
グリコールエーテル類の含有割合は、インクジェットインクの総量中の0.5質量%以上、10質量%以下、特に1質量%以上、7質量%以下であるのが好ましい。含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、前記化合物が不揮発性の液体であるため、インクジェットインクが乾燥しにくくなるおそれがある。またインクジェットインクの保存安定性が低下するおそれもある。
〈その他の添加剤〉
その他の添加剤としては、例えば防かび剤、殺生剤等が挙げられる。
前記各成分を含む本発明のインクジェットインクは、例えばサーマルインクジェット方式、ピエゾ方式等のオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、コンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用できるが、特に先に説明したようにサーマルインクジェット方式のオンデマンド型のインクジェットプリンタに好適に使用することができる。
また本発明のインクジェットインクは、先に説明したように、例えば食品用レトルトパック等を構成するポリプロピレンフィルム(OPP、CPP等)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ナイロンフィルム等の種々のプラスチックフィルムの、特に水性のインクジェットインクを良好に受容するための処理を施していない、吸水性を有しない表面に直接に印字をするために好適に使用することができる。
食品用レトルトパックの場合は、例えばその少なくとも表面が前記プラスチックフィルムからなるレトルトパックに食品を充填し、密封して加熱、殺菌した後、前記プラスチックフィルムの表面に、本発明のインクジェットインクを用いてロット、賞味期限等のデータを印字することができる。かかる印字は、先に説明したように定着性や耐水性に優れるため、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に滲んだり失われたりすることがない。
〈実施例1〉
色材としては、油溶性染料であるC.I.Solvent Black3を用い、水としてはイオン交換水、環状ケトンとしてはシクロペンタノン(1013hPaでの沸点130.6℃、25℃での蒸気圧15.2hPa、炭素数5)、アルコールとしては2−ブタノール(1013hPaでの沸点99.50℃、25℃での蒸気圧24.3hPa、炭素数4)を用いた。またバインダ樹脂としてはアルカリ可溶性のアクリル系樹脂〔BASFジャパン(株)製のジョンクリル(登録商標)57、重量平均分子量Mw=4,900〕、塩基性物質としては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、界面活性剤としてはシリコーン系界面活性剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のSILWET L−7604〕を用いた。
有機酸のエチレンオキシド付加物としては式(1)中のMないしMがいずれもナトリウム、rが6であるクエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物(CAEO)を用い、ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては式(4)で表される化合物(POE)を用い、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては式(5)で表される化合物(POEA)を用いた。グリコールエーテル類としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMMA)を用いた。
前記各成分を、下記表1に示す割合で配合し、混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは2.5であった。
Figure 0005302604
〈実施例2〉
水の配合量を10質量部、2−ブタノールの配合量を59質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は10質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは3であった。
〈実施例3〉
水の配合量を30質量部、2−ブタノールの配合量を39質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は30質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは2であった。
〈実施例4〉
シクロペンタノンの配合量を25.8質量部、2−ブタノールの配合量を38.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルの配合量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは1.5であった。
〈実施例5〉
シクロペンタノンの配合量を12.4質量部、2−ブタノールの配合量を61.6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルの配合量を0質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは5であった。
比較例8
アルコールとして、2−ブタノールに代えて同量(49質量部)の2−プロパノール(1013hPaでの沸点82.40℃、25℃での蒸気圧60.3hPa、炭素数3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは2.5であった。
比較例9
環状ケトンとして、シクロペンタノンに代えて同量(20質量部)のシクロヘキサノン(1013hPaでの沸点155.65℃、25℃での蒸気圧6.7hPa、炭素数6)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは2.5であった。
比較例10
シクロペンタノンの配合量を30質量部、2−ブタノールの配合量を39質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは1.3であった。
比較例11
シクロペンタノンの配合量を10質量部、2−ブタノールの配合量を59質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは6であった。
〈比較例1〉
水の配合量を5質量部、2−ブタノールの配合量を64質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は5質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは3.2であった。
〈比較例2〉
水の配合量を35質量部、2−ブタノールの配合量を34質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は35質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは1.7であった。
〈比較例3〉
アルコールの蒸気圧が同じ温度での環状ケトンの蒸気圧より低い比較例を得るべく、前記アルコールとして、2−ブタノールに代えて同量(49質量部)の1−ブタノール(1013hPaでの沸点117.7℃、25℃での蒸気圧9.4hPa、炭素数4)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。インクジェットインクの総量中の水の含有割合は20質量%、環状ケトンKとアルコールAの質量比A/Kは2.5であった。
〈比較例4〉
特許文献6の実施例1を再現するため、下記の各成分を配合し、混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。
Figure 0005302604
サーフィノール465:アセチレングリコール類〔エアープロダクツ アンド ケミカルズ社製〕
〈比較例5〉
特許文献5の実施例1を再現するため、下記の各成分を配合し、混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。
Figure 0005302604
〈比較例6〉
特許文献2の実施例1を再現するため、下記の各成分を配合し、混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。
Figure 0005302604
TSF−4460:ポリエーテル変性シリコーンオイル〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製〕
KF−56:シリコーンオイル〔信越化学工業(株)製〕
ジョンクリル68:スチレンアクリル樹脂〔BASFジャパン(株)製〕
YP−902:テルペンフェノール樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製〕
〈比較例7〉
特許文献3の実施例1を再現するため、下記の各成分を配合し、混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。
Figure 0005302604
KF−56:シリコーンオイル〔信越化学工業(株)製〕
サーフィノール465:アセチレングリコール類〔エアープロダクツ アンド ケミカルズ社製〕
ダイヤナール(登録商標)PB354:アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)製〕
デンカブチラール2000L:ブチラール樹脂〔電気化学工業(株)製〕
〈吐出安定性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、サーマルインクジェット方式のオンデマンド型のインクジェットプリンタ〔日本ヒューレット・パッカード(株)製のDeskjet(登録商標)971Cxi〕に使用して、プラスチックフィルムとしてのOPPフィルムの表面に、前記プリンタのドライバソフトに含まれるノズルチェックパターンを印字し、吐出が不安定になってノズルからインク滴が吐出されなかったことによるノズル抜けの有無を観察して、下記の基準で吐出安定性を評価した。
○:ノズル抜けなし。吐出安定性良好。
△:一部にノズル抜けを生じたものの実用レベル。
×:ほぼ全体にノズル抜けを生じた。吐出安定性不良。
〈乾燥性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを前記インクジェットプリンタに使用して、プラスチックフィルムとしてのOPPフィルムの表面に、前記プリンタのドライバソフトに含まれる評価パターンを印字し、室温(23±1℃)で5秒間静置し、次いで200gの荷重をかけて印字面をこすった後、前記印字面の余白部分の汚れを観察して、下記の基準でインクジェットインクの乾燥性を評価した。
◎:全く汚れなし。乾燥性極めて良好。
○:ごくわずかに汚れたのみ。乾燥性良好。
△:わずかに汚れたものの実用レベル。
×:余白のほぼ全面が汚れた。乾燥性不良。
〈定着性試験〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを前記インクジェットプリンタに使用して、プラスチックフィルムとしてのOPPフィルムの表面に、前記プリンタのドライバソフトに含まれる評価パターンを印字し、室温(23±1℃)で5秒間静置し、次いで200gの荷重をかけて印字面をこすった後、印字の剥がれを観察して、下記の基準で定着性を評価した。
○:剥がれなし。定着性良好。
△:わずかに剥がれたものの実用レベル。
×:印字のほぼ全体が剥がれた。定着性不良。
〈印字品質評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを前記インクジェットプリンタに使用して、プラスチックフィルムとしてのOPPフィルムの表面に、前記プリンタのドライバソフトに含まれる評価パターンを印字し、印字のエッジを観察して、下記の基準で印字品質を評価した。
◎:エッジに全く滲みなし。印字品質極めて良好。
○:ごくわずかに滲みがみられたのみ。印字品質良好。
△:わずかに滲みがみられたものの実用レベル。
×:滲みが目だった。印字品質不良。
〈目詰まり評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを前記インクジェットプリンタに使用して、プラスチックフィルムとしてのOPPフィルムの表面に、前記プリンタのドライバソフトに含まれる評価パターンを印字した後、5分間静置して再び同じ評価パターンを印字し、ノズルの抜けを観察して、下記の基準でノズルの目詰まりを評価した。
◎:ノズル抜け全くなし。目詰まりは全く生じなかった。
○:ごくまれにノズル抜けが生じたが、ワイピングの操作をすることで速やかに目詰まりを解消して平常状態に復帰できた。
△:一部にノズル抜けが生じたが、ワイピングの操作をすることで目詰まりを解消して平常状態に復帰できた。
×:ほぼ全体でノズル抜け発生し、ワイピングの操作をしても完全に目詰まりを解消することができなかった。
以上の評価結果を表6ないし表8に示す。
Figure 0005302604
Figure 0005302604
Figure 0005302604
表6ないし表8より、従来の、コンティニュアス型のインクジェットプリンタ用のインクジェットインクである比較例4ないし7では、いずれかの評価が×になることが判った。また本願発明と同じ水と環状ケトンとアルコールとを併用した系であっても、本願発明で規定した要件のいずれかを満足しない比較例1ないし3のインクジェットインクでも、同様にいずれかの評価が×になることが判った。
これに対し、水と環状ケトンとアルコールとを併用した系であって本願発明で規定した要件を全て満足する実施例1ないしのインクジェットインクによれば、全ての評価が◎ないしであって、良好な印字をできることが判った。
また各実施例、および比較例8〜11を比較すると、環状ケトンとしてはシクロペンタノン、アルコールとしては2−ブタノール、そして環状ケトンとアルコールの質量比A/Kは1.4ないし5.0である必要があることが判った。

Claims (2)

  1. 色材としての油溶性染料アルカリ可溶性のバインダ樹脂、および混合溶媒を含むインクジェットインクであって、前記混合溶媒が
    (a) 水、
    (b) 前記水と相溶性を有しない環状ケトンとしてのシクロペンタノン
    (c) 前記水および環状ケトンの両方と相溶性を有し、かつ同じ温度での蒸気圧が環状ケトンの蒸気圧より高いアルコールとしての2−ブタノール、
    を含むと共に、インクジェットインクの総量中の、前記バインダ樹脂の含有割合が0.1質量%以上、3.0質量%以下、前記水の含有割合が10質量%以上、30質量%以下、前記アルコールと環状ケトンの合計の含有割合が55質量%以上、83質量%以下で、かつ前記アルコールAと環状ケトンKの質量比A/Kが1.4以上、5.0以下であることを特徴とするインクジェットインク。
  2. インクジェットインクを加熱して気泡を発生させて、前記気泡の発生による体積増加分のインクをインク滴としてノズルから吐出させる方式のインクジェットプリンタに用いられる請求項に記載のインクジェットインク。
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