JP5301401B2 - ステレオマイクロホン - Google Patents

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Description

本発明は、ステレオマイクロホンに関するものであって、従来に比べて簡易な構成によって2つのマイクロホンユニットの主軸が形成する角度を可変させることができるステレオマイクロホンに関するものである。
従来から、ステレオマイクロホンが用いる収音方式として、XYステレオ方式とMSステレオ方式が知られている。XYステレオ方式は、2つの単一指向性マイクロホンユニットの左側のユニット出力をLチャンネル,右側のユニット出力をRチャンネルとして、各マイクロホンユニットの主軸がステレオ収音に適した角度を形成するように、各マイクロホンユニットを機械的に固定するものである。このようなXYステレオ方式において、各マイクロホンユニットを動かして主軸が形成する角度を可変することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
他方、MSステレオ方式は、単一指向性マイクロホンユニットより主信号Mを得るとともに、これと直交するように配置された双方向性マイクロホンユニットから方向信号Sを得て、これらの各信号をマトリクス回路に入力し、(M+S)と(M−S)の左右(LR)各チャンネル信号を作ることでステレオ収音を可能とするものである(例えば、特許文献2参照)。
XYステレオ方式は、MSステレオ方式に比べて回路構成が簡単であることから、主に安価なステレオマイクロホンに適用されている。従来のXYステレオ方式のステレオマイクロホンとして特許文献1に記載されているステレオマイクロホンを例に挙げて説明する。図3は特許文献1に記載されているステレオマイクロホンに係る全体図である。図4はマイクロホンユニットの収納部を拡大した断面図である。図3において、ステレオマイクロホン100は、マイクロホンユニットが内部に収納されるマイク収納体102、利用者が当該ステレオマイクロホン100を把持するためのグリップ103を有してなる。マイク収納体102の外装部分には、内部に収納されているマイクロホンユニットの向きを機械的に動かすロータリースイッチ104が配設されている。
図4に示すようにマイク収納体102の内部には、左右のチャンネルを構成する2つのマイクロホンユニット105及び106と、マイクロホンユニット105及び106を機械的に固定するマイク支持体107及び108と、マイク支持体107及び108をロータリースイッチ104(図1)の操作によって動かすカム体109が配設されている。
ロータリースイッチ104(図1)の操作によってカム体109を回転させると、それに応じてマイク支持体107及び108が動いて、マイクロホンユニット105及び106の向きが変わる。これによって、各マイクロホンユニットの主軸が形成する角度をステレオ収音に適した任意の角度(例えば120度)設定にすることができる。
実公昭57−23988号公報 特開2002−374592号公報
しかしながら、特許文献1に記載のステレオマイクロホンユニットのように、2つのマイクロホンユニットの主軸の角度を機械的に可変し固定するには、各マイクロホンユニットを固定する部材のほかに、各マイクロホンユニットや固定部材を可動させる部材、可動させた後に一定の角度を維持するための部材、角度を可変する操作を行うための部材など多数の部材が必要となる。また、これら多数の部材を組み合わせることで、主軸の角度を可変とするためには複雑な構成となっていた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、2つの単一指向性マイクロホンユニットの主軸の角度を簡易な構成によって可変することができるステレオマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、2つの単一指向性マイクロホンユニットを所定の角度で固定する弾性部材からなる支持体と、操作によって支持体の一部に外力を与える可動部材と、を有し、支持体が外力によって変形し、各マイクロホンユニットの主軸が形成する角度を可変することを最も主要な特徴とする。
また、本発明は、上記ステレオマイクロホンにおいて、可動部材は、摺動操作部材と、この摺動操作部材に加えられる操作力を支持体に伝える仲介部材と、を有していることを特徴とする。
また、本発明は、上記ステレオマイクロホンの可動部材において、仲介部材がワイヤーからなり、可動部材は支持体の一部を下方に引き込むように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記ステレオマイクロホンの可動部材において、仲介部材がロッドからなり、可動部材は支持体の一部を上方に押し上げるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記ステレオコンマイクロホンにおいて、上記主軸の角度は無段階に可変させることができることを特徴とする。
また、本発明は、上記ステレオマイクロホンにおいて、上記主軸の角度は多段階に可変させることができることを特徴とする。
本発明によれば、2つのコンデンサマイクロホンユニットを、弾性部材からなる支持体に固定し、この支持体に外力を与えることで、各マイクロホンユニットの指向軸がステレオ収音に適する角度となるように、各マイクロホンユニットが形成する角度を可変することができるステレオマイクロホンを得ることができる。
本発明に係るステレオマイクロホンに用いるステレオマイクロホンユニットの実施例を示す断面図である。 本発明に係るステレオマイクロホンの実施例を示す断面図である。 従来のステレオマイクロホンの例を示す斜視図である。 従来のステレオマイクロホンユニットの例を示す透視図である。
以下、本発明に係るステレオマイクロホンについて図を用いて説明をする。図1は本発明に係るにステレオマイクロホンに用いるステレオマイクロホンユニットの実施例を示す断面図である。図1に示すようにステレオマイクロホンユニット1は、左右それぞれのチャンネルの音声信号を出力するコンデンサマイクロホンユニット11(以下「ユニット11」とする)を左右に備えている。各ユニット11は、弾性部材からなる支持体12に固定されている。支持体12は、底部12aが後述するマイク収納体に固定され、その外周縁部が上方向に張り出して中心点上方において頂部12bを有する部材であって、縦断面の形状が図1に示すように、略三角形状をなしている。支持体12はユニット11に対するショックマウントとしての役割も果たしている。
支持体12の対をなす左右の斜面には左右のユニット11をそれぞれ嵌合させて固定する固定部11aが形成されている。固定部11aの外側面側とユニット11の背面側にはそれぞれ前部音響端子孔、後部音響端子孔となる孔が形成されている。
支持体12は弾性部材で形成されているので、頂部12bを押し上げると、固定されているユニット11の主軸DLと主軸DRが形成する角度は大きくなり(図1(a)参照)、頂部12bを押し下げると、固定されているユニット11の主軸DLと主軸DRが形成する角度は小さくなる(図1(b)参照)。
主軸DLと主軸DRが形成する角度は、ステレオ収音に適する角度であって、例えば、図1(a)に示すように、大きい角度の場合は略120度になり、図1(b)に示すように、小さい角度の場合は略90度になればよい。
このように、本発明の上記実施例に係るステレオマイクロホンに用いるステレオマイクロホンユニットは、弾性部材からなる支持体12の一部である頂部12bに外力を与えることで、ユニット11の主軸が形成する角度を可変することができ、これによって、ステレオ収音に適する左右のユニット11の主軸がなす角度を設定して固定できる構成を、簡易な構成で得ることができる。
次に、本発明に係るステレオマイクロホンの実施例について図2を用いて説明する。図2において、ステレオマイクロホン10は、ステレオマイクロホンユニット1を内部に備えるマイク収納体13と、グリップ14を有してなる。ステレオマイクロホンユニット1は、マイク収納体13の内部において固定されている。マイク収納体13は、ステレオマイクロホンユニット1に音が到達し得るように、網状または多数の小孔が穿設されている。
グリップ14は、図示しないが、例えばFETによって構成されるインピーダンス変換器や当該ステレオマイクロホン10を動作させる電源を供給する電池などが収納されている。また、グリップ14には、摺動操作部材であるスライドスイッチ16が設置されている。スライドスイッチ16には硬質の線部材であるワイヤー15の端部が固定されており、このワイヤー15は、他方の端部を支持体2の頂部12bに固定されている。
スライドスイッチ16、ワイヤー15、頂部12bによって本発明に係るステレオコンデンサマイクロホンユニット及びステレオコンデンサマイクロホンにおける可動部材を構成している。ワイヤー15はスライドスイッチ16の操作力を支持体12の頂部12bに伝える仲介部材としての役割を持っている。
ユニット11の支持体12は、それ自体の弾力によって、外力が加わらない自然状態では、頂部12bが底部12aから遠ざかって、左右のユニット11の主軸のなす角度が大きくなる。上記支持体12の弾力に抗して頂部12bを底部12bに接近させる向きの外力を加えると、左右のユニット11の主軸のなす角度が小さくなる。
図2(a)に示すようにスライドスイッチ16が、上側に位置すると、支持体12はその弾力によって頂部12bが底部12aから遠ざかるように動くので、左右の斜面の傾斜はきつくなる。これによって、左右の各ユニット11の主軸DLと主軸DRの向きはそれぞれ外側に広がる方向に向くので、双方の主軸が形成する角度は大きくなる。
また、図2(b)に示すようにスライドスイッチ16が、下側に位置すると、ワイヤー15を介して頂部12bには下方向への外力が加わる。この外力によって、支持体12はその弾力に抗して下方向に押さえられるように動くので、左右の斜面の傾斜は緩くなる。これによって、左右の各ユニット11の主軸DLと主軸DRの向きはそれぞれ、内側に狭まる方向に動くので、双方の主軸が形成する角度は小さくなる。
スライドスイッチ16を移動範囲の上端に移動させたときの各ユニット11の主軸間の角度が120度となるように調整し、スライドスイッチ16を移動範囲の下端に移動させたときの各ユニット11の主軸間の角度が90度なるように調整すれば、指向特性を上記のように120度と90度の間で任意に調整することができるステレオマイクロホンを得ることができる。
また、スライドスイッチ16を、可動域内の任意の位置で保持することができるようにすることで、各ユニット11の主軸間の角度を任意の角度にすることもできる。
また、本実施例に係るステレオマイクロホン10が備えるステレオマイクロホンユニット1は、各マイクロホンユニット11を固定する支持体12に弾性部材を用いているので、支持体12はショックマウントとして機能し、当該マイクロホン10を手持ちで使用する際に生じる振動を、支持体12が吸収することができ、振動雑音の影響を受けずに使用することができる。
上記実施例では、スライドスイッチ16と支持体12の頂部12bがワイヤー15を介して連結されていたが、ワイヤー15をロッドすなわち剛体からなる細い棒で連結してもよい。この場合、支持体12は復元力がなくてもよい。
以上説明した実施例に係るステレオマイクロホンによれば、2つの単一指向性マイクロホンユニットを用いて構成するステレオマイクロホンにおいて、簡易な構成で左右のマイクロホンユニットの向きを変えることが出来、ステレオ収音に適する主軸の角度を容易に設定することができる。
1 ステレオマイクロホンユニット
10 ステレオマイクロホン
11 マイクロホンユニット
12 支持体
13 収納ケース
14 グリップ
15 ワイヤー
16 スライドスイッチ

Claims (6)

  1. 2つの単一指向性マイクロホンユニットを所定の角度で固定する弾性部材からなる支持体と、
    操作によって上記支持体の一部に外力を与える可動部材と、を有し、
    上記支持体が上記外力によって変形し、上記各マイクロホンユニットの主軸が形成する角度を可変することができるステレオマイクロホン。
  2. 上記可動部材は、摺動操作部材と、この摺動操作部材に加えられる操作力を上記支持体に伝える仲介部材と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のステレオマイクロホン。
  3. 上記仲介部材はワイヤーからなり、上記可動部材は、上記支持体の一部を下方に引き込むように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のステレオマイクロホン。
  4. 上記仲介部材はロッドからなり、上記可動部材は、上記支持体の一部を上方に押し上げるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のステレオマイクロホン。
  5. 上記主軸の角度は無段階に可変させることができる請求項1乃至4のいずれかに記載のステレオマイクロホン。
  6. 上記主軸の角度は多段階に可変させることができる請求項1乃至4のいずれかに記載のステレオマイクロホン。
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