JP5301392B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートバックとシートクッションを前後に並べて格納できる車両用シート装
置に関する。
ワンボックスカーやミニバンなどのように乗員と荷物の両方を積載可能な車両において
、リヤシートを格納することにより、荷物を積載する荷室を拡げられるようにした構造が
採用されている。例えば、特許文献1に開示された車両用シートは、シートクッションと
、シートクッションを使用位置と格納位置との間で移動可能に車両フロアに対して支持す
る支持手段と、起立位置と前倒位置との間で回動可能に車両フロアに支持されたシートバ
ックとを有し、シートクッションとシートバックが前後に並んで格納されるようになって
いる。
特許文献1では、支持手段およびシートバックは車両フロアに支持されるとされており
、車両フロア上に順次構成部品を組み付けてゆくことによりシート装置を組み立てること
ができる。しかしながら、別にベース部を設け、車両の外部でベース部上に構成部品を組
み付けてシート装置を完成させ、完成されたシート装置を車両内に持ち込んでベース部を
車両フロアに取り付けることもある。あるいは、ベース部にシートクッションフレームお
よびシートバックフレームを組み付けてシート装置の骨格を形成し、この骨格をベース部
とともに車両フロアに取り付け、車両内でクッションパッド及びバックパッドを組み付け
ることもできる。ベース部を備えるシート装置では、例えば、ベース部にフロア取付部と
して固定孔を形成し、固定ボルトを用いて車両フロアのねじ穴に締結固定する構造が採用
されている。
特開2008−207636号公報
ところで、ベース部を備えるシート装置において、ベース部に設けるフロア取付部の位
置は、シートを支持する支持構造部と干渉せず、シートに安定性があり、着脱作業が容易
であることが条件となる。したがって、通常、フロア取付部は支持構造部よりも幅方向外
側の前後に合計で4点程度設けることが望ましく、これにより良好な安定性および作業性
が確保される。しかしながら、フロア取付部を支持構造部よりも幅方向外側に設けると、
シート装置が幅方向に大形化して車両への搭載が困難になる場合があり、逆に限られた搭
載幅を維持しようとするとシートの座面幅が狭くなってしまう場合があり、いずれも問題
である。一方、フロア取付部を支持構造部の幅方向内側に設けると、支持構造部やシート
クッションフレームが邪魔になって着脱の作業性が低下するおそれがある。特に、フロア
取付部が格納されたシートクッションの下方に設定されていると、シートクッションを移
動できない故障が発生したときにフロア取付部の着脱作業を行えず、シート装置を車両フ
ロアから取り外せなくなってメンテナンス性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、幅方向への装置の大形化を抑止しつつシ
ート座面幅を広く確保することができ、しかも良好なメンテナンス性を確保した車両用シ
ート装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る車両用シート装置の発明は、シートクッションを構
成し使用位置と格納位置との間で移動可能なシートクッションフレームと、シートバック
を構成し起立位置と前倒位置との間で回動可能なシートバックフレームと、一端側が車両
フロア上に回動可能に連結され他端側が前記シートクッションフレームの前端部に回動可
能に連結された左右一対のリンク部材と、前記車両フロア上に配置され前記使用位置と前
記格納位置とに亘ってガイド溝を形成した案内部材と、前記シートクッションフレームの
後端部に配設されて前記案内部材のガイド溝にスライド可能に係合されたスライド突部と
、を備え、前記シートバックと前記シートクッションとを前後に並べて格納できる車両用
シート装置であって、左右一対の案内部材を一体的に保持するとともに前記車両フロアに
取り付け可能なフロア取付部を有するベース部を備え、少なくとも1箇所の前記フロア取
付部を前記案内部材よりもシート中央寄りに配置し、シート中央寄りの該フロア取付部の
着脱作業を、前記案内部材の前記ガイド溝から着脱工具を挿入して行えるようにしたこと
を特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記フロア取付部は4箇所とされ、シート
中央寄りの前記フロア取付部は前記格納位置の前記シートクッションの下方に配置されて
いることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、シート中央寄りの前記フロア取付
部は前記ベース部に形成された固定孔であり、該固定孔を貫通した固定ボルトを前記着脱
工具で前記車両フロアのねじ穴に締結および解離することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記シートクッション
フレームは、前記使用位置と前記格納位置との間で電気モータによって往復駆動され、前
記シートバックフレームは、前記起立位置と前記前倒位置との間で電気モータによって回
動駆動されることを特徴とする。
上述のように構成した請求項1に係る車両用シート装置の発明では、少なくとも1箇所
のフロア取付部を左右一対の案内部材よりもシート中央寄りに配置している。したがって
、限られた搭載幅のなかで左右の案内部材の間隔を最大にでき、幅方向への装置の大形化
を抑止しつつシート座面幅を広く確保することができる、また、案内部材よりもシート中
央寄りに配置されたフロア取付部の着脱作業は、案内部材のガイド溝から着脱工具を挿入
して行える。したがって、シートクッションの位置に関わらずフロア取付部の着脱作業を
行えてシート装置を取り付けおよび取り外しでき、良好なメンテナンス性を確保できる。
請求項2に係る発明では、案内部材よりもシート中央寄りに配置されたフロア取付部は
格納位置のシートクッションの下方に配置されている。したがって、シートクッションを
格納位置に格納した状態では、シートクッションが邪魔になって上方からの着脱作業は行
えないが、ガイド溝から着脱工具を挿入して着脱作業を行える。これは、シートクッショ
ンが格納位置から動かなくなった故障時のメンテナンス性を大幅に改善する。なお、この
故障は、シートクッションを手動で駆動する方式では駆動機構の磨耗や破損などの原因で
発生し、シートクッションをアクチュエータで駆動する方式ではアクチュエータ故障、例
えばアクチュエータモータの故障や電源電圧不足などの原因でも発生する。
請求項3に係る発明では、ベース部の固定孔を貫通させた固定ボルトを車両フロアのね
じ穴に締結および解離する着脱作業を、ガイド溝からめがねレンチなどの一般的な工具を
挿入して行うことができる。したがって、特殊な着脱工具を用いることなく容易にシート
装置の取り付けおよび取り外しを行うことができる。
請求項4に係る発明では、シートクッションフレームおよびシートバックフレームは、
それぞれの電気モータによって駆動される。本発明は、電動式の車両用シート装置に適用
できる。
実施形態の車両用シート装置の全体構成の側面図であり、着座可能な使用状態が示されている。 実施形態において、格納状態の車両用シート装置の側面図である。 実施形態において、シートクッションフレームおよびベース部を説明する斜視図である。 実施形態において、ベース部を説明する図であり、(1)は平面図、(2)は平面図中のX−X矢視図である。 実施形態において、シートクッションフレームのスライド支持部およびスライドピン(スライド突部)を説明する拡大斜視図である。
本発明の実施形態の車両用シート装置について、図1〜図5を参考にして説明する。図
1は、実施形態の車両用シート装置1の全体構成の側面図であり、シートクッション2が
前方の使用位置P21に引き出され、シートバック3が起立位置P31に回動されて、着
座可能な使用状態が示されている。また、図2は、シートクッション2が後方の格納位置
P22に格納され、シートバック3が前倒位置P32に回動された格納状態の車両用シー
ト装置1の側面図である。車両用シート装置1は、ワンボックスタイプやミニバンタイプ
の自動車のリヤシートであり、図示されるように、格納位置P22を構成する格納室91
を有する車両フロア9の上側に設置されている。車両用シート装置1は、シートクッショ
ン2、シートバック3、シートクッション2を移動させるための左右一対のリンク部材4
1、41および左右一対の案内部材51、51、ベース部8、などにより構成されている
ベース部8は、左右一対の案内部材51、51などを保持し装置1全体を一体化して車
両フロア9に取り付ける部位である。図3は、シートクッションフレーム21およびベー
ス部8を説明する斜視図である。また、図4は、ベース部8を説明する図であり、(1)
は平面図、(2)は平面図中のX−X矢視図である。図示されるように、ベース部8は、
左ベース部材81および右ベース部材82と、左右のベース部材81、82を連結する3
つの連結ベース部材83、84、85とが一体に結合されて構成されている。図4に示さ
れるように、左ベース部材81は、前後方向に正確に延設され、前部が山形に隆起するよ
うに形成された部材である。一方、右ベース部材82は、シートの右側に車両ボディーの
側壁面が配置され、さらにシートの右前方の車両フロア9の下側に車輪が配置される制約
により、図示されるように形状が複雑化している。すなわち、右ベース部材82は、前部
が山形に隆起するとともに中央に向かうにつれて右側に屈折し、中央から後端にかけて拡
幅された形状の部材となっている。右ベース部材82と左ベース部材81の間隔は前端で
狭く、中央に向かうにつれて徐々に拡がり、中央以降では広く平行している。
左右のベース部材81、82の前端、前方寄り、および後方寄りをそれぞれ連結して、
前端連結ベース部材83、前方連結ベース部材84、および後方連結ベース部材85が設
けられている。各ベース部材81〜85は、金属板材を基に曲げ加工や穴あけ加工などを
施して形成されている。
左ベース部材81の前端の山形の前傾部分および後方寄りの水平部分に、それぞれ固定
孔86A、86Bが形成されている。後方寄りの固定孔86Bは、後述する案内部材51
よりも外側に配置されている。一方、右ベース部材82の前端の山形の前傾部分に、左ベ
ース部材81と同様の形状の固定孔86Cが形成されている。また、右ベース部材81の
後方寄りの拡幅された水平部分に固定孔86Dが形成されている。固定孔86Dは、後述
する案内部材51よりも内側、すなわちシート中央寄りに配置されている。この4カ所の
固定孔86A〜86Dはフロア固定部であり、対応する車両フロア9の各位置にねじ穴が
形成されている。そして、固定孔86A〜86Dを貫通した固定ボルト99をねじ穴に締
結することにより、シート装置1を取り付けられるようになっている。図4には、固定孔
86Dを貫通する固定ボルト99が破線で例示されている。
図3に示されるように、左右の各ベース部材81、82の略中央の外側には、シートバ
ック3を回動可能に枢支する枢支部材87、87が立設され、枢支部材87の内寄り位置
から後端にかけて案内部材51、51が立設されている。さらに、前方連結ベース部材8
4には、左右一対のリンク部材41、41を回動可能に支持する回動支部材88が設けら
れている。
乗員が着座するシートクッション2は、その骨格を構成するシートクッションフレーム
21を有している。図3に示されるように、シートクッションフレーム21は、シートク
ッション2の左右両側に前後方向に沿って延在する左右一対の略パイプ状の延在部22、
22を備えている。一対の延在部22、22の各後端部は内側に向かい合うように屈曲さ
れるとともに、車幅方向に沿って延在する略パイプ状の後端連結部23によって連結され
ている。また、延在部22、22の各前端部は内側に向かい合うように屈曲されるととも
に、板状の前端連結部24によって連結されている。つまり、シートクッションフレーム
21は、上面視で略ロ字形に形成されている。このシートクッションフレーム21の上側
には、図略の弾性変形可能なクッションパッドが取り付けられており、クッションパッド
の表面は表皮材によって覆われている。
さらに、一対の延在部22、22の後端部には、後方外側に張り出すスライド支持部2
5、25が設けられている、各スライド支持部25、25の後端には、スライド突部に相
当するスライドピン7が一体に設けられている。
図5は、シートクッションフレーム21のスライド支持部25およびスライドピン7を
説明する拡大斜視図である。スライド支持部25は、延在部22から後方外側に張設され
た2枚の板材251、255で形成されている。それぞれの板材251、255には、幅
方向に配置される軸状のスライドピン7が貫通している。スライドピン7は、鍔部を有す
る軸体71と、軸体71の外側に周回される略筒状の樹脂製の摺動部材76とで構成され
ている。
図1〜図3に戻り、左右一対のリンク部材41、41は、シートクッション2の前端部
をベース部8に回動可能に連結支持する部材である。リンク部材41の下方の一端側43
は、ベース部8の前方連結ベース部材84上の回動支部材88に回動可能に連結されてい
る。リンク部材41の上方の他端側44は、図1に示されるように、シートクッションフ
レーム21の前側下方に配設された駆動ギヤ機構45に回動可能に連結されている。さら
に、シートクッションフレーム21の下側にはシートクッション駆動モータ46が配設さ
れている。シートクッション駆動モータ46は、図略の制御部によって制御され、その出
力トルクは駆動ギヤ機構45を介してリンク部材41を回動操作するようになっている。
左右一対の案内部材51、51は、シートクッションフレーム21のスライドピン7を
スライド可能に支持する部材である。案内部材51は、ベース部8の左右のベース部材8
1、82の略中央から後端にかけて立設され、スライドピン7が摺動するガイド溝55を
有している。ガイド溝55は、案内部材51の前方から半ばまでなだらかに下降し、半ば
から後方では略水平に形成され、後端開放部53で後方に開放している。後端開放部53
には、図3に示されるように、案内部材51の上端縁と下端縁を挟み込んで機械的強度を
高める金属製の補強ブラケット54が溶接結合されている。また、ガイド溝55を形成す
る上方縁部および下方縁部の内周面は、樹脂製の上方ガイドシュー56および下方ガイド
シュー57でそれぞれ被覆されている。
ここで、図4からわかるように、右の案内部材51の内側の近傍に固定孔86Dが配置
されており、シート装置1の右側から案内部材51のガイド溝55を通してこの固定孔8
6Dを臨むことができる。
乗員の背中を支持するシートバック3は、その骨格を構成するシートバックフレーム3
1を有している。シートバックフレーム31は、シートバック3の幅方向両側部内に上下
方向に沿って延在する左右一対のサイド部32、32を備えている。一対のサイド部32
、32は、板状に形成されており、板厚方向が車幅方向に沿う状態で配置されている。一
対のサイド部32、32の各上端部は、車幅方向に沿って延在するパイプ状の連結部33
によって連結されており、シートバックフレーム31は、正面視で下方に開いた略コ字形
に形成されている。サイド部32、32の下端部は、シートバック3の左右両外側でそれ
ぞれ、枢支部材87と案内部材51との間に配置されており、支軸871を介して枢支部
材87に回動可能に枢支されている。また、シートバックフレーム31には、図略のバッ
クマットを介して弾性変形可能な図略のバックパッドが取り付けられており、バックパッ
ドの表面は表皮材によって覆われている。
シートバック3の一方のサイド部32の下端部と枢支部材87との間には、図1に示さ
れるようにリクライニング装置34が設けられている。リクライニング装置34は、シー
トバック駆動モータ35を有しており、起立位置P31のシートバック3の傾斜角を調整
するようになっている。さらに、シートバック駆動モータ35は図略の制御部によって制
御され、その出力トルクはリクライニング装置34を介してシートバック3を起立位置P
31と前倒位置P32との間で回動操作するようになっている。
本実施形態では、車両の外部でベース部8上にシートクッション2やシートバック3な
どの構成部品を組み付けてシート装置1を完成させることができる。そして、完成された
シート装置1を車両内に持ち込み、ベース部8の固定孔86A〜86Dに固定ボルトを貫
通させ車両フロア9のねじ穴に締結して取り付けるようになっている。
次に、実施形態の車両用シート装置1の作動、作用について、格納操作時を例にして説
明する。図1に示される使用状態で格納指令が制御部に伝達されると、制御部はまずシー
トクッション駆動モータ46に電源を供給する。すると、シートクッション駆動モータ4
6の出力トルクは、駆動ギヤ機構45を介してリンク部材41を駆動し、リンク部材41
の上方の他端側44が下方の一端側43を中心にして後方に回動する。これと同時に、ス
ライドピン7が上方および下方ガイドシュー56、57の間のガイド溝55を摺動して後
方に移動するので、シートクッション2が後方に移動される。シートクッション2の後方
への移動は、格納室91内の格納位置P21に達して終了する。次に、制御部は、シート
バック駆動モータ35に電源を供給する。すると、シートバック駆動モータ35の出力ト
ルクは、リクライニング装置34を介して、シートバック3を起立位置P31から前倒位
置P32まで回動操作する。
ここで、格納室91は、荷室92の床部を構成するデッキボード93の下側に設けられ
ている。図2に示されるように、前倒位置P32のシートバック3の背面は、格納された
シートクッション2の前方で、デッキボード93の上面と略同じ高さに配置されるように
なっている。さらに、デッキボード93の前端部には、板状に形成された回動ボード94
がヒンジピン95を介して回動可能に連結されている。回動ボード94は、シートバック
3が起立位置P31に保持された図1の状態では、シートバック3の背面に沿って起立し
た状態に保持されるようになっている。回動ボード94は、図略の付勢部材によって車両
前側に付勢されており、シートバック3が図2の前倒位置P32に回動されると、ともに
車両前側へ回動されるようになっている。そして回動ボード94は前倒位置P32のシー
トバック3の背面とデッキボード93との間の隙間を塞ぐ位置に保持され、シートバック
3の背面と回動ボード94の上面とデッキボード93の上面とで連続した床面が形成され
るようになっている。
なお、図2に示される格納状態から図1の使用状態へは、格納操作時と概ね逆の順序で
作動するので、詳述は省略する。
図2の格納状態において、シートクッションフレーム21の右側のスライドピン7は、
ガイド溝55を摺動し固定孔86Dの近傍を通り過ぎて後端開放部53まで達している。
また、シートクッション2は、一対の案内部材51、51の間で保持され、その下側には
空間が拡がっている。したがってこのとき、シート装置1の右側からガイド溝55を通し
固定孔86Dを臨むことができる。また、ガイド溝55からめがねレンチを挿入して、固
定孔86Dへの固定ボルト99の締結および解離の着脱作業を行うことができる。他の固
定孔86A〜86Cでは、シート装置1の状態に関係なく、固定ボルトの締結および解離
を行うことができる。したがって、本実施形態では、シートクッション2が格納位置P2
2にあっても、シート装置を取り外すことができる。なお、シートクッション2が使用位
置にあるとき、固定孔86Dの上方が開放されるため、着脱作業が容易であるのは当然で
ある。
本実施形態の車両用シート装置1では、右側後方寄りの固定孔86Dを案内部材51の
外側に配置すると、車両ボディーの側壁面が接近しているため、左右の案内部材51の間
隔Wを狭くせざるを得ない。逆に言えば、固定孔86Dを案内部材51よりもシート中央
側に配置したことにより、限られた搭載幅のなかで左右の案内部材51の間隔Wを最大に
でき、したがって、幅方向への装置の大形化を抑止しつつシート座面幅を広く確保できた
。また、案内部材51よりもシート中央寄りに配置された固定孔86Dへの固定ボルト9
9の締結および解離の着脱作業は、案内部材51のガイド溝55からめがねレンチなどの
一般的な着脱工具を挿入して容易に行える。したがって、シートクッション2が格納位置
P22にあっても固定孔86Dの着脱作業を行えてシート装置1を取り付けおよび取り外
しできる。これは、シートクッション2が格納位置P22から動かなくなった故障時のメ
ンテナンス性を大幅に改善する。
なお、本実施形態では、固定孔86A〜86D(フロア取付部)は合計4箇所で、その
うちの1箇所の固定孔86Dが案内部材51よりもシート中央寄りに配置されているが、
これらの箇所数は限定されるものではない。また、固定孔86A〜86Dの固定構造は実
施形態に限定されるものではなく、例えば、車両フロア9に立設された固定ボルトに上方
から固定孔86A〜86Dを貫通させ、さらにその上から固定ナットを締結する構造であ
ってもよい。さらに、固定孔86A〜86Dはフロア取付部の一例であって、別の構造を
採用することもできる。また、本発明は実施形態の電動式の車両用シート装置1に限定さ
れず、手動式の車両用シート装置にも適用できる。
1:車両用シート装置
2:シートクッション
21:シートクッションフレーム 25:スライド支持部
P21:使用位置 P22:格納位置
3:シートバック
34:リクライニング装置 35:シートバック駆動モータ
P31:起立位置 P32前倒位置
41:リンク部材 45:駆動ギヤ機構 46:シートクッション駆動モータ
51:案内部材 55:ガイド溝
56:上方ガイドシュー 57:下方ガイドシュー
7:スライドピン(スライド突部)
8:ベース部
81:左ベース部材 82:右ベース部材 83:前端連結ベース部材
84:前方連結ベース部材 85:後方連結ベース部材
86A〜86D:固定孔(フロア固定部)
9:車両フロア 91:格納室

Claims (4)

  1. シートクッションを構成し使用位置と格納位置との間で移動可能なシートクッションフ
    レームと、シートバックを構成し起立位置と前倒位置との間で回動可能なシートバックフ
    レームと、一端側が車両フロア上に回動可能に連結され他端側が前記シートクッションフ
    レームの前端部に回動可能に連結された左右一対のリンク部材と、前記車両フロア上に配
    置され前記使用位置と前記格納位置とに亘ってガイド溝を形成した案内部材と、前記シー
    トクッションフレームの後端部に配設されて前記案内部材のガイド溝にスライド可能に係
    合されたスライド突部と、を備え、前記シートバックと前記シートクッションとを前後に
    並べて格納できる車両用シート装置であって、
    左右一対の案内部材を一体的に保持するとともに前記車両フロアに取り付け可能なフロ
    ア取付部を有するベース部を備え、少なくとも1箇所の前記フロア取付部を前記案内部材
    よりもシート中央寄りに配置し、
    シート中央寄りの該フロア取付部の着脱作業を、前記案内部材の前記ガイド溝から着脱
    工具を挿入して行えるようにしたことを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1において、前記フロア取付部は4箇所とされ、シート中央寄りの前記フロア取
    付部は前記格納位置の前記シートクッションの下方に配置されていることを特徴とする車
    両用シート装置。
  3. 請求項1または2において、シート中央寄りの前記フロア取付部は前記ベース部に形成
    された固定孔であり、該固定孔を貫通した固定ボルトを前記着脱工具で前記車両フロアの
    ねじ穴に締結および解離することを特徴とする車両用シート装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記シートクッションフレームは、前記使用位
    置と前記格納位置との間で電気モータによって往復駆動され、前記シートバックフレーム
    は、前記起立位置と前記前倒位置との間で電気モータによって回動駆動されることを特徴
    とする車両用シート装置。
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