JP5299178B2 - 全固体二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池等の全固体二次電池に関する。
近年、リチウム電池等の二次電池は、携帯情報端末や携帯電子機器などの携帯端末に加えて、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車など、様々な用途での需要が増加している。
用途が広がるに伴い、二次電池の更なる安全性の向上が要求されている。安全性を確保するために、液漏れを防止する方法や、引火性が高く漏洩時の発火危険性が非常に高い有機溶媒電解質に代えて、無機固体電解質を用いる方法が有効である。
無機固体電解質は、無機物からなる固体電解質であって不燃性物質であり、通常使用される有機溶媒電解質と比較し安全性が非常に高い材料である。該電解質を用いた高い安全性を備えた全固体二次電池の開発が進んでいる(例えば、特許文献1を参照)。
全固体二次電池とは、電解質層として無機固体電解質層を、正極及び負極の間に有するものである。全固体二次電池の正極、負極、及び無機固体電解質層に用いる結着剤として様々な高分子化合物が提案されている。例えば、特許文献2には、電解質層の結着剤として結晶性のポリエチレン類似構造ブロックとオレフィン骨格のゴム状ブロックを有する水素添加ブロック共重合体を用いることが開示されている。
また、特許文献3には電解質層の結着剤として、スチレン系熱可塑性エラストマー等の有機高分子を用い、更に硫化物系リチウムイオン伝導体等の粒子状構造体に担持させたものを乾式状態の粉末にして使用することが開示されている。
特開昭59−151770 特許第3655443号 特開2009−080999
しかしながら、発明者らの検討によれば、特許文献2に記載の結晶性のポリエチレン類似構造ブロックとオレフィン骨格のゴム状ブロックを有する水素添加ブロック共重合体を結着剤として用いた固体電解質層においては、上記結着剤の固体電解質材料への吸着安定性が劣ることから、固体電解質材料の分散性が劣り、均一な固体電解質層を得ることができないこと、また、固体電解質層内において、結着剤が固体電解質材料表面に集中的に存在することができず、固体電解質層の結着性が劣るなどの問題が生じることが分かった。また、結着性を維持するためには、固体電解質に対する前記水素添加ブロック共重合体の添加量を多くしなければならないため、電解質層のイオン伝導度が低下し、得られる全固体二次電池のサイクル特性が低下することがわかった。また、特許文献3に記載の方法では、これらの固体電解質層を用いてなる全固体二次電池を作製した際、電池内部での電気抵抗のばらつきが生じ、サイクル特性が低下することが分かった。
従って、本発明は、固体電解質層において、更には正極及び負極においても、それぞれに含まれる固体電解質材料の結着性を向上させて、高いサイクル特性を有する全固体二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、結着剤として特定のブロックポリマーを用いることにより、ブロックポリマーの固体電解質材料への高い吸着安定性により固体電解質材料の分散性が向上し、均一な固体電解質層を得ることができること、更に、固体電解質層、正極及び負極において、それぞれに含まれる固体電解質材料表面にブロックポリマーが集中的に存在することができ、固体電解質材料の高い結着性が達成されることを見出した。そして、さらに、そのような固体電解質層、正極及び負極のいずれかを有する全固体二次電池のサイクル特性が向上することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)正極、固体電解質層、及び負極を有する全固体二次電池であって、正極、固体電解質層及び負極の少なくともいずれかに有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBとから構成されてなるブロックポリマーを含んでなる全固体二次電池。
(2)前記ブロックポリマーの重量平均分子量が、1,000〜500,000の範囲にある(1)記載の全固体二次電池。
(3)前記ブロックポリマーが、ガラス転移温度15℃以下の軟質重合体の分子鎖を含んでなる(1)〜(2)のいずれかに記載の全固体二次電池。
(4)前記固体電解質層が、固体電解質材料及びブロックポリマーを含んでなる(1)〜(3)のいずれかに記載の全固体二次電池。
(5)前記固体電解質材料として、結晶性または非晶性の無機リチウムイオン伝導体を含む(1)〜(4)のいずれかに記載の全固体二次電池。
(6)前記固体電解質層におけるブロックポリマーの含有量が、0.1〜10質量%である(4)に記載の全固体二次電池。
(7)有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBから構成されてなるブロックポリマー、固体電解質及び溶媒を含む固体電解質スラリー。
本発明によれば、固体電解質層、正極、及び負極のいずれかが特定の結着剤を含有することにより、結着剤の固体電解質材料への高い吸着安定性により固体電解質材料の分散性が向上し、均一な固体電解質層を得ることができる。更に、固体電解質層、正極及び負極において、それぞれに含まれる固体電解質材料表面にブロックポリマーが集中的に存在することができ、固体電解質材料の高い結着性が達成される。更に、得られる全固体二次電池の長期サイクル特性がより向上する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の全固体二次電池は、正極、固体電解質層、及び負極を有し、正極、固体電解質層及び負極の少なくともいずれかに有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBから構成されてなるブロックポリマーを含む。
(ブロックポリマー)
本発明に用いるブロックポリマーは、二つのセグメント(セグメントA、セグメントB)を有するブロック型ポリマーである。
本発明に用いるブロックポリマーは、有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBから構成されてなる。
(有機概念図)
無機性対有機性の比は、ブロックポリマーにおける各セグメントの極性を表す指標である。無機性対有機性の比が大きいほどセグメントの極性が高く、無機性対有機性の比が小さいほどセグメントの極性が低いことを示している。本発明に用いるブロックポリマーは、少なくとも1つのセグメント(セグメントA)の無機性対有機性の比を比較的小さく、他のセグメント(セグメントB)の無機性対有機性の比を比較的大きくしたものである。このような構成とすることにより、セグメントAが固体電解質材料に均一に安定して吸着し、セグメントBが、後述の固体電解質層スラリー及び活物質層スラリーに用いられる溶媒に高い溶解性を示すことができる。従って、スラリー状態においては、固体電解質材料の分散性に優れ、さらに、結着剤であるブロックポリマーが固体電解質材料に均一に安定吸着しているため固体電解質材料表面にブロックポリマーが選択的に存在することができ、固体電解質層、正極及び負極形成後には固体電解質材料の結着性が向上し、その結果前述の効果が発現できる。そして、ブロックポリマーが固体電解質材料に均一に安定吸着できるための、セグメントAの無機性対有機性の比は、0以上0.3未満の範囲であり、前記スラリーへの高い相溶性を示すことができる、セグメントBの無機性対有機性の比が、0.35以上10未満の範囲である。そして、各セグメントの無機性対有機性の比が、この範囲であれば、何れの値であっても、本発明の効果が同等に奏される。
本発明において、セグメントAとセグメントBは、有機概念図を指針として選ぶことができる。有機概念図は藤田らにより提案されたものであり、有機化合物の化学構造から種々の物理化学的性状を予測する有効な手法である(甲田善生著、有機概念図−基礎と応用−、三共出版(1984)参照)。有機化合物の極性は炭素原子数や置換基により左右されることから、メチレン基の有機性値を20とし、水酸基の無機性値を100とした場合を基準として、他の置換基の無機性値及び有機性値を定め、有機化合物の無機性値及び有機性値を算出するものである。無機性値の大きい有機化合物は極性が高く、有機性値の大きい有機化合物は極性が低い。本発明における無機性対有機性の比は、無機性値/有機性値に相当する。
無機性対有機性の計算を行う計算ツールとしては、例えば、Web上で提供されるものが利用でき、このように入手可能な計算ツールを用いればさらに容易に求めることができる。
セグメントAは、有機概念図を指針とした場合、その概念図における無機性対有機性の比は、0以上0.3未満であることが必要である。
さらにセグメントAの無機性対有機性の比は、0.01以上0.27以下であることが好ましく、0.02以上0.25以下であることがより好ましい。セグメントAの無機性対有機性の比を前記範囲とすることにより、溶媒中での固体電解質材料への高い吸着安定性を示し、溶媒中での固体電解質材料の分散性を更に向上させることができる。
セグメントBは、有機概念図を指針とした場合、その概念図における無機性対有機性の比は、0.35以上10以下であることが必要である。さらにセグメントBの無機性対有機性の比は、0.35以上7.5以下であることが好ましく、0.35以上5.0以下であることがより好ましい。セグメントBの無機性対有機性の比が、前記範囲にあることにより、分散溶媒への高い相溶性を示し、溶媒中での固体電解質材料の分散性を更に向上させることができる。
ブロックポリマーが、上記構造を有することにより、後述する固体電解質スラリーにおいて、固体電解質材料を溶媒中に高度に分散させることができる。加えて上記構造を有するブロックポリマーを含んでなる固体電解質層を電池内部で使用した時に、得られた全固体二次電池が高い長期サイクル特性を示す。
本発明に用いるブロックポリマーは、前記セグメントAとセグメントBからのみ構成されるABブロック構造(AB型、ABA型、BAB型)でも、他の成分を含有する構造でもよい。他の成分を含有する場合は、他の成分がABブロック構造の末端に配位していても、ABブロック構造中に配位していても、いずれでもよい。
本発明のブロックポリマー中の各セグメントの無機性対有機性の比は、IR、NMR、及びXPS等の各種分析によりブロックポリマーの組成を求め、上述の計算ツールにより計算することで求められる。
(セグメントA)
本発明においてセグメントAは有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントから選ばれる。
上記有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満であるセグメントを構成する単量体としては、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系単量体;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化エチレン系単量体;アクリル酸−ヘプチル、アクリル酸−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−ノニル、アクリル酸−デシル、アクリル酸−ラウリル、アクリル酸−n−テトラデシル、アクリル酸−ステアリルなどのエステル基中のアルキル基の炭素数が7以上ののアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸−ヘプチル、メタクリル酸−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−ノニル、メタクリル酸−デシル、メタクリル酸−ラウリル、メタクリル酸−n−テトラデシル、メタクリル酸−ステアリルなどのエステル基中のアルキル基の炭素数が7以上ののメタクリル酸アルキルエステル;が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも溶媒への相溶性から、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−ノニル、アクリル酸−デシル、アクリル酸−ラウリル、アクリル酸−n−テトラデシル、アクリル酸−ステアリルなどのアルキル基の炭素数が9以上ののアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−ノニル、メタクリル酸−デシル、メタクリル酸−ラウリル、メタクリル酸−n−テトラデシル、メタクリル酸−ステアリルなどのエステル基中のアルキル基の炭素数が9以上ののメタクリル酸アルキルエステル、及びスチレン系単量体が好ましく、スチレン系単量体が最も好ましい。
セグメントAはこれらの単量体を単独でも2種類以上を併用して利用してもよく、セグメントAの無機性対有機性の比が0以上0.3未満の範囲にあれば、後述するこれらの単量体と共重合可能な単量体を含んでいてもよい。セグメントAの無機性対有機性の比は、上述の単量体の種類、上述の単量体と後述するこれらの単量体と共重合可能な単量体との共重合比を選択することによって、所望の範囲に調整することが可能である。
セグメントAが、前記単量体成分の単位を含むものである場合における、セグメントA中の前記単量体成分の含有量は、分散溶媒への相溶性から、用いる単量体全量100質量%に対して好ましくは10質量%以上100質量%以下、更に好ましくは20質量%以上100質量%以下である。セグメントA中の前記単量体成分の含有量は、ブロックポリマー製造時の単量体仕込み比により制御できる。
(セグメントB)
本発明においてセグメントAは有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0.35以上10.00未満のセグメントから選ばれる。
上記有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0.35以上10未満であるセグメントを構成する単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、及びアクリル酸ペンチルなどのエステル基中のアルキル基の炭素数が1〜5のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、及びメタクリル酸ペンチルなどのエステル基中のアルキル基の炭素数が1〜5のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアミド系単量体;
ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体が挙げられる。
これらの単量体は単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、セグメントの柔軟性から、ガラス転移点が25℃以下であるエステル基中のアルキル基の炭素数が1〜5のアクリル酸アルキルエステルやエステル基中のアルキル基の炭素数が1〜5のメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。セグメントBは、セグメントの無機性対有機性の比が無機性対有機性の比が0.35以上10.00未満の範囲にあれば、後述するこれらの単量体と共重合可能な単量体を含んでいてもよい。セグメントBの無機性対有機性の比は、上述の単量体の種類、上述の単量体と後述するこれらの単量体と共重合可能な単量体との共重合比を選択することによって、所望の範囲に調整することが可能である。
セグメントBが、前記単量体成分の単位を含むものである場合における、セグメントB中の前記単量体成分の含有量は、分散性の観点から、用いる単量体全量100質量%に対して好ましくは10質量%以上100質量%以下、更に好ましくは20質量%以上100質量%以下である。セグメントB中の前記単量体成分の含有量は、ブロックポリマー製造時の単量体仕込み比により制御できる。
本発明においては、ブロックポリマーがガラス転移温度15℃以下の軟質重合体のセグメントを含んでなることが好ましい。具体的には、セグメントAとセグメントBの少なくとも一方のガラス転移温度が15℃以下であることが、高い柔軟性を有する電極が得られる為に好ましい。中でもセグメントBのガラス転移温度が15℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−5℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。セグメントBのガラス転移温度が上記範囲内であることにより、ブロックポリマー中のセグメントAが活物質表面に吸着した状態で、セグメントBの可動性が増すため、低温でのリチウム受け入れ性が向上する。
なお、セグメントのガラス転移温度は、前記に例示した単量体の組み合わせ及び後述する共重合可能な単量体を更にを組み合わせることによって調製可能である。
ブロックポリマーにおけるセグメントAとセグメントBとの比率は、ブロックポリマーの分散溶媒への高い溶解性、固体電解質材料間の結着性を高める為に、セグメントAとセグメントB以外の共重合成分を有さない場合では、セグメントAとセグメントBとの比率が、10:90〜90:10(質量比)、更に好ましくは30:70〜70:30(質量比)である。
本発明に用いるブロックポリマーは、上述した単量体成分以外に、これらと共重合可能な単量体を含んでいてもよい。これらと共重合可能な単量体としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアミド系単量体;が挙げられる。これらの単量体を、適宜の手法により、共重合させることにより、前記構成のブロックポリマーが得られる。
ブロックポリマーの重量平均分子量は好ましくはテトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定した標準ポリスチレン換算値で1,000〜500,000、更に好ましくは5,000〜100,000である。ブロックポリマーの重量平均分子量が上記範囲にあることにより、固体電解質材料へのポリマーの吸着安定性が高くポリマーによる橋かけ凝集も起こらず、優れた分散性を示す。
本発明に用いるブロックポリマーは、セグメントA及びセグメントBを有するブロックポリマーが得られればその重合方法について特に限定されることはなく、1)連鎖重合による、セグメントAを構成するためのモノマーAと、セグメントBを構成するためのモノマーBの逐次成長法、2)それぞれ分布の規制された、セグメントAに相当するポリマーAと、セグメントBに相当するポリマーBとのカップリング法や、末端官能基を利用した重付加、重縮合法、3)末端官能基を有するセグメントAに相当するポリマーAをマクロ開始剤とした連鎖重合法、などにより合成される。
上記1)の手法では、モノマーAをリビング重合法にて重合し、次いで、得られた重合体の成長末端を停止させずに、モノマーBを添加し、重合することにより、ブロックポリマーを得ることができる。
上記2)の手法では、モノマーA及びモノマーBをそれぞれ別々にリビング重合法にて合成し、ポリマーAとポリマーBとが好ましくは末端同士で反応し結合し得るように、それぞれの末端に官能基を導入する。その後AとBとを混合することでカップリング反応、重付加、重縮合させることでブロックポリマーを得ることができる。例えば、酸塩化物とアミンとを界面重縮合または溶液重縮合させる方法や、アミン末端のポリアミドとカルボン酸末端のポリアミドとを溶融状態で重縮合させる方法などが挙げられる。
上記3)の手法では、モノマーAをリビング重合法にて重合した後、リビング末端に官能基を導入し、末端官能基を有するポリマーAを得る。得られたポリマーAを末端基反応によりラジカル開始剤を導入し、マクロ開始剤としてモノマーBと連鎖重合させることでブロックポリマーを得ることができる。例えば、ポリマー末端にOH基を持つ場合、過剰のジイソシアナートでNCO化し、t−ブチルヒドロペルオキシドを末端に結合させ、その後ラジカル重合させる方法が挙げられる。
リビング重合法には、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合、リビング配位重合、リビングラジカル重合等の様々な重合法がある。このような重合法を用いることにより、種々のビニルモノマーを重合することが可能である。中でも、リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量および構造制御の点ならびに架橋性官能基を有する単量体を共重合できる点から好ましい。
リビング重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。本発明におけるリビングラジカル重合は、重合末端が活性化されたものと不活性化されたものが平衡状態で維持されるラジカル重合であり、近年様々なグループで積極的に研究がなされている。
その例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(Journal of American Chemical Society,1994年,第116巻,7943頁)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules,1994年,第27巻,7228頁)、大津らによるジチオカーバメートに光照射しラジカル開烈させるイニファーター重合(Macromol.Chem.Rapid Commun.,3,133(1982))、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)、チオカルボニルチオ(チオエステル)構造を有する化合物を連鎖移動剤として用いる可逆的付加脱離連鎖移動(Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer:RAFT)重合などを挙げることができる。本発明において、これらのうちいずれの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどからラジカル補足剤を用いるものや可逆的付加脱離連鎖移動重合が好ましい。
リビング重合としてラジカル補足剤を用いる場合は、ラジカル補足剤としては安定ニトロキシラジカル化合物を用いる。上記安定ニトロキシラジカル化合物としては、特に限定されず、公知の安定フリーラジカル剤が挙げられ、2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。なかでも、2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記安定ニトロキシラジカル化合物を用いる場合には、通常ラジカル発生剤が使用される。上記ラジカル発生剤としては、重合温度下でラジカルを発生させるものであれば特に限定されず、一般的な熱分解型の重合開始剤を使用することができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸エステル、次亜硝酸エステル等のアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
安定ニトロキシラジカル化合物とラジカル発生剤とを併用する代わりに、アルコキシアミン化合物を開始剤として用いてもよい。アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、アルコキシ基に官能基を持つようなアルコキシアミンを用いることで、末端官能基を導入することが出来る。
上記安定ニトロキシラジカル化合物またはアルコキシアミン化合物を用いる場合には、重合温度は、50〜170℃ぐらいで重合することが一般的である。好ましい温度範囲としては、70〜160℃である。反応圧力は通常、常圧で行われるが、加圧して行うことも可能である。
上記安定ニトロキシラジカル化合物を用いる方法の場合、重合されたビニル系共重合体の末端に官能基を導入する方法としては、例えば、目的とする官能基を分子内に有する連鎖移動剤や停止剤を用いる方法等が挙げられる。上記官能基を分子内に有する連鎖移動剤や停止剤としては特に限定されず、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、2,2’−ジチオエタノール等により水酸基が導入され、2−メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、ジチオグリコール酸、3,3' −ジチオプロピオン酸、2,2' −ジチオ安息香酸等によりカルボキシル基が導入され、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等によりシリル基が導入される。
リビング重合として可逆的付加脱離連鎖移動重合(RAFT重合)を用いる場合では、連鎖移動剤(さらに開始剤の役目もする)としてジチオエステル、トリチオカルバメート、ザンテートまたはジチオカルバメートなどの硫黄化合物を開始剤として重合が行われる。(例えば、WO98/01478 A1およびWO99/31144 A1など)これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
リビング重合としてRAFT重合を用いる場合には、重合用の追加的ラジカル開始剤、特に熱で分解してラジカルを発生するアゾもしくはパーオキソ開始剤を更に含んで成る開始剤を用いる方が好適である。例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸エステル、次亜硝酸エステル等のアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
本発明におけるリビング重合は、無溶媒(塊状重合)、有機溶媒(例えばトルエン)中の溶液重合、乳化重合または懸濁重合法で行うことができる。重合方法の各段階は同じ反応器で「バッチ」法(すなわち不連続法)で行うか、別々の反応器で半連続または連続法で行うことができる。
溶液重合させる場合、使用される溶剤としては、以下の溶剤が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、ヘキサン、オクタンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族石油系溶剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。使用する溶剤の種類や量は、使用する単量体の溶解度、得られる重合体の溶解度、十分な反応速度を達成するために適切な重合開始剤濃度や単量体濃度、硫黄化合物の溶解度、人体や環境に与える影響、入手性、価格などを考慮して決定すればよく、特に限定されない。中でも、溶解度、入手性、価格の点で、工業的には、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、およびアセトンが好ましく、トルエンおよびジメチルホルムアミドがより好ましい。
本発明に用いるブロックポリマーは、ブロックポリマーの製造工程において、ポリマー溶液もしくはポリマー分散液に含まれる粒子状の金属を除去する粒子状金属除去工程を経て得られたものであることが好ましい。ポリマー溶液もしくはポリマー分散液に含まれる粒子状金属成分の含有量が10ppm以下であることにより、後述する固体電解質スラリー中のポリマー間の経時での金属イオン架橋を防止し、粘度上昇を防ぐことができる。さらに全固体二次電池の内部短絡や充電時の溶解・析出による自己放電増大の懸念が少なく、電池のサイクル特性や安全性が向上する。
前記粒子状金属除去工程におけるポリマー溶液もしくはポリマー分散液から粒子状の金属成分を除去する方法は特に限定されず、例えば、濾過フィルターによる濾過により除去する方法、振動ふるいによる除去する方法、遠心分離により除去する方法、磁力により除去する方法等が挙げられる。中でも、除去対象が金属成分であるため磁力により除去する方法が好ましい。磁力により除去する方法としては、金属成分が除去できる方法であれば特に限定はされないが、生産性および除去効率を考慮すると、好ましくはブロックポリマーの製造ライン中に磁気フィルターを配置することで行われる。
(固体電解質層)
本発明に用いる固体電解質層は、固体電解質材料を必須成分として含むものである。
本発明においては、固体電解質層が、固体電解質材料とブロックポリマーを含んでなるものであることが好ましい。固体電解質層が、固体電解質材料とブロックポリマーを含んでなるものであることにより、固体電解質材料の分散性がよく、凝集塊のない固体電解質層が得られる。
固体電解質材料としては、リチウムイオンの伝導性を有していれば特に限定されないが、結晶性の無機リチウムイオン伝導体、又は非晶性の無機リチウムイオン伝導体を含むことが好ましい。
結晶性の無機リチウムイオン伝導体としては、LiN、LISICON(Li14Zn(GeO、ペロブスカイト型Li0.5La0.5TiO、LIPON(Li3+yPO4-x)、Thio−LISICON(Li3.25Ge0.250.75)などが挙げられ、非晶性の無機リチウムイオン伝導体としては、ガラスLi-Si-S-O、Li−P−Sなどが挙げられるが、導電性の観点から非晶性の無機リチウムイオン伝導体が好ましい。
また、固体電解質材料として、下記一般式(1);Li1+XAlTi2−X(PO(0≦x≦2)で表されるリン酸化合物を含有することも好ましい。
本発明において、固体電解質層中の固体電解質材料の含有割合は、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。
固体電解質層中のブロックポリマーの含有割合は、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。固体電解質層中のブロックポリマーの含有割合が、前記範囲にあることで、固体電解質材料同士の結着性を維持しながらも、リチウムの移動を阻害し抵抗が増大することを抑制することができる。
固体電解質層には、上記成分のほかに、さらに分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、ブロックポリマー以外の結着剤、増粘剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の、他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる固体電解質材料に応じて選択される。固体電解質層中の分散剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、平滑性を向上させたりすることができる。
酸化防止剤としてはフェノール化合物、ハイドロキノン化合物、有機リン化合物、硫黄化合物、フェニレンジアミン化合物、ポリマー型フェノール化合物等が挙げられる。ポリマー型フェノール化合物は、分子内にフェノール構造を有する重合体であり、重量平均分子量が200〜1000、好ましくは600〜700のポリマー型フェノール化合物が好ましく用いられる。
ブロックポリマー以外の結着剤としては、後述の電極用結着剤に使用されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体、軟質重合体などを用いることができる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物などが挙げられる。増粘剤の使用量がこの範囲であると、固体電解質層スラリーの塗工性が良好であり、均一な固体電解質層を得ることができる。本発明において、「(変性)ポリ」は「未変性ポリ」又は「変性ポリ」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタアクリル」を意味する。
前記他の成分の固体電解質層中の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には各成分10質量%以下、他の成分の含有割合の合計が20質量%以下である。
本発明において、固体電解質層の形成方法としては、固体電解質材料、ブロックポリマー及び有機溶媒などを含むスラリー(以下、「固体電解質層スラリー」ということがある。)を基材上へ塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
固体電解質層スラリーは、固体電解質材料、ブロックポリマー、必要に応じ添加される添加剤、および有機溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合、分散してもよい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると固体電解質材料の凝集を抑制できるので好ましい。
固体電解質層スラリー中のブロックポリマーの含有割合は、固体電解質材料100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。前記スラリー中のブロックポリマーの含有割合を上記範囲とすることにより、固体電解質材料間の接触抵抗を上げずに電池特性に優れた全固体二次電池を提供することができる。
本発明においては、固体電解質の結着剤としては、前記ブロックポリマーの他に様々な樹脂成分や軟質重合体を用いることができる。樹脂成分や軟質重合体としては、後述の正極及び負極の結着剤が挙げられる。中でもアクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース樹脂、アクリル系軟質重合体などが用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体電解質層スラリー中の固体電解質材料の含有割合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。前記スラリー中の固体電解質材料の含有割合を上記範囲とすることにより、塗工に適した粘度、粘性を有するスラリーを得ることができる。
固体電解質層スラリーに含まれる有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては固体電解質材料との反応性の点から芳香族炭化水素類から選ばれる非極性溶媒を用いることが好ましい。
固体電解質層スラリー中の有機溶媒の含有割合は、固体電解質材料100質量部に対して、20〜80質量部が好ましく、更には30〜70質量部が好ましい。固体電解質層スラリー中の有機溶媒の含有割合を上記範囲とすることにより、固体電解質材料の分散性を保持しながら、良好な塗料特性を得ることができるためである。
固体電解質層スラリーには、上記成分のほかに、さらに前述の固体電解質層に使用される分散剤、レベリング剤、消泡剤の機能を有する他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
固体電解質層スラリーの基材への塗布方法としては、例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、有機溶媒を除去した後に形成される固体電解質層の厚さが通常0.001〜0.5mm、好ましくは0.005〜0.4mmになる程度の量である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、通常は応力集中が起こって固体電解質層に亀裂が入ったり、固体電解質層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く有機溶媒が揮発するように調整する。
乾燥温度は、有機溶媒が十分に揮発する温度で行う。具体的には50〜250℃が好ましく、さらには80〜200℃が好ましい。上記範囲とすることにより、ブロックポリマーの熱分解無く良好な固体二次電池用電解質層を形成することが可能となる。乾燥時間については、特に限定されることはないが、通常10分〜60分の範囲で行われる。
更に、乾燥後の電極層をプレスすることにより固体電解質層を安定化させてもよい。プレス方法は、金型プレスやカレンダープレスなどの方法が挙げられるが、限定されるものではない。
塗布される基材としては、固体電解質層スラリーに含まれる有機溶媒に耐性があれば特に限定はされないが、ポリエステルなどのキャリアフィルムなどが挙げられる。また、後述する集電体上に正極活物質層または負極活物質層が形成された基材に対して前記固体電解質層スラリーを塗布、乾燥し固体電解質層を形成してもよい。
本発明において、固体電解質層の厚さは、1〜300μm、好ましくは5〜50μmである。
(正極、負極)
本発明に用いられる正極及び負極は、集電体上に電極活物質を含む電極活物質層が積層されてなるものである。本発明において、正極及び/又は負極に、結着剤としてブロックポリマーを含有することが好ましい。正極及び/又は負極にブロックポリマーを含有することにより、電極活物質及び後述する導電剤を高分散しながらも、粒子同士の結着性を維持することができる。
正極に含まれる正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な化合物である。正極用の活物質は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無機化合物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFePO、LiFeVOなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoS等の遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物が挙げられる。これらの化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。
有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩などが挙げられる。
正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。本発明で用いる正極活物質の粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。50%体積累積径がこの範囲であると、充放電容量が大きい全固体二次電池を得ることができ、かつ後述する活物質層スラリーおよび電極を製造する際の取扱いが容易である。50%体積累積径は、レーザー回折で粒度分布を測定することにより求めることができる。
負極に含まれる負極活物質としては、グラファイトやコークス等の炭素の同素体が挙げられる。前記炭素の同素体からなる活物質は、金属、金属塩、酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用することも出来る。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等を使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
本発明において、正極及び負極は、固体電解質材料を含むことが好ましい。正極及び負極に固体電解質材料が含まれることにより、固体電解質材料と、正極活物質及び負極活物質との接触面積が増大し、高い電池特性を発現することが可能となる。中でも、正極及び負極は、固体電解質材料とブロックポリマーのどちらもを含んでなることが好ましい。正極及び負極が固体電解質材料とブロックポリマーとを含んでなることにより、固体電解質材料の分散性がよく、正極活物質や負極活物質と均一に混合することができ、凝集塊のない正極及び負極が得られ、得られる全固体二次電池が高いサイクル特性を示す。正極若しくは負極に含まれる固体電解質材料の割合は、正極若しくは負極中で、10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%である。正極若しくは負極に含まれる固体電解質材料の割合を上記範囲とすることにより、容量と出力のバランスのとれた良好な電池特性を示す全固体二次電池を得ることができる。
正極及び/又は負極にブロックポリマーを含有する場合におけるその含有割合は、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。正極及び/又は負極中のブロックポリマーの含有割合が、前記範囲にあることで、電極活物質及び導電剤同士の結着性を維持しながらも、リチウムの移動を阻害し抵抗が増大することを抑制することができる。
本発明においては、正極や負極の結着剤としては、ブロックポリマーの他に様々な樹脂成分を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、下に例示する軟質重合体も結着剤として使用することができる。
ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
電極活物質層における結着剤の量は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜4質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。電極活物質層における結着剤量が前記範囲であることにより、電池反応を阻害せずに、電極から活物質が脱落するのを防ぐことができる。
本発明において、正極及び/又は負極には、導電材、補強材などの各種の機能を発現する添加剤を含有していてもよい。導電材としては、導電性を付与できるものであれば特に制限されないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられる。補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。
本発明において、正極及び/又は負極には、上記成分のほかに、さらに前述の固体電解質層に使用される分散剤、レベリング剤、消泡剤の機能を有する他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。中でも、非水電解質リチウムイオン二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、活物質層の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、電極活物質層の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
本発明において、活物質層の形成方法としては、前記の正極活物質若しくは負極活物質を、ブロックポリマーや固体電解質材料や有機溶媒などを含むスラリー(以下、「活物質層スラリー」ということがある。)を作製し、これを集電体上に塗布、乾燥して形成する方法が挙げられる。
活物質層スラリーは、必須成分として正極活物質若しくは負極活物質、任意成分として固体電解質材料、ブロックポリマー、導電剤、補強剤及び必要に応じ添加される添加剤、並びに有機溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合、分散してもよい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると電極活物質、固体電解質材料の凝集を抑制できるので好ましい。
活物質層スラリー中には、上記正極活物質若しくは負極活物質、好適に含有してもよいブロックポリマーや固体電解質材料、導電材、補強材の他に、前述の活物質層に使用される分散剤、レベリング剤、消泡剤の機能を有する他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
活物質層スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、有機溶媒を除去した後に形成される電極活物質層の厚さが通常0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる程度の量である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、通常は応力集中が起こって電極活物質層に亀裂が入ったり、電極活物質層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く有機溶媒が揮発するように調整する。更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極を安定させてもよい。プレス方法は、金型プレスやカレンダープレスなどの方法が挙げられるが、限定されるものではない。
乾燥温度は、有機溶媒が十分に揮発する温度で行う。具体的には50〜250℃が好ましく、さらには80〜200℃が好ましい。上記範囲とすることにより、ブロックポリマーの熱分解無く良好な電極活物質層を形成することが可能となる。乾燥時間については、特に限定されることはないが、通常10〜60分の範囲で行われる。
前記方法で塗工、乾燥した正極表面においては、固体電解質層と正極間の接触抵抗を低減させるために、界面に修飾層を設けてもよい。修飾層については、リチウムイオン伝導性の酸化物材料が好ましいが、LiTi12、LiNbOなどが挙げられる。
本発明において、電極活物質層の厚さは、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜250μmである。
本発明における全固体二次電池積層体の具体的な製造方法としては、以下の態様が考えられる。
態様I:集電体上に正極活物質層スラリー及び負極活物質層スラリーをそれぞれ塗布して正極及び負極を形成する。そして、形成した一方の電極活物質層上に固体電解質層スラリーを塗布、乾燥させて、電極活物質層上に固体電解質層を形成する。そして、前記固体電解質層と形成した他方の電極(固体電解質層が形成されていない電極)とを、固体電解質層と電極活物質層とが向かい合うように積層する。
態様II:集電体上に正極活物質層スラリー及び負極活物質層スラリーをそれぞれ塗布して正極及び負極を形成する。固体電解質層スラリーをキャリアフィルム上に塗布、乾燥させてキャリアフィルムから剥離させ、固体電解質層を形成する。形成した全固体二次電池用電解質層を、正極、負極で電極活物質層が対向するように挟み込み積層する。
態様III:集電体上に正極活物質層スラリーまたは負極活物質層スラリーを塗布して正極又は負極を形成する。そして、形成した電極活物質層上に固体電解質層スラリーを塗布、乾燥させて、電極活物質層上に固体電解質層を形成する。そして、更に前記固体電解質層上に先ほど集電体上に塗布したのとは異なる活物質層スラリーを(正極活物質層スラリーを塗布した際は負極活物質層スラリーを、負極活物質層スラリーを塗布した際は正極活物質層スラリーを)更に塗布、乾燥させて積層する。
上記いずれの態様においても、正極と固体電解質層と負極の各界面での接触を良好にし電池特性を向上させるために積層後あるいは積層前の工程において加圧しても良い。加圧する手法としては、特に限定されないが、平板プレス、ロールプレス、CIP(Cold Isostatic Press)などが挙げられるが特に限定はされない。
加圧プレスする圧力としては、5〜700MPaの範囲が好ましく、更には7〜500MPaが好ましい。加圧プレスの圧力を上記範囲とすることにより、正極、固体電解質層及び負極の各界面における抵抗、更には各層内の粒子間の接触抵抗が低くなり良好な電池特性を示すからである。上記範囲の圧力は全固体二次電池の電池を構成している状態でかけられても構わない。
全固体二次電池の具体的な製造方法としては、得られた全固体二次電池積層体を、電池形状に応じてそのままの状態又は巻く、折るなどして電池容器に入れ、封口する方法が挙げられる。必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、本実施例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、それぞれ、「重量部」及び「重量%」である。
各特性は、以下の方法により評価する。
<分散粒子径>
レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて固体電解質スラリー中の固体電解質の分散粒子径を測定し、体積平均粒子径D50を求めた。下記基準で凝集性を判断している。分散粒子径が1次粒子に近いほど凝集度が低く分散性に優れることを示している。
A:5μm未満
B:5μm以上〜10μm未満
C:10μm以上〜20μm未満
D:20以上〜50μm未満
E:50μm以上
<ピール強度>
ステンレス箔上に固体電解質層スラリーをドクターブレード法により塗布し、120℃で20分間乾燥させ、固体電解質層を得た。得られた固体電解質層とステンレス箔を10mm幅で切り出し、これをあらかじめ両面テープを貼り付けたガラス板に貼り付けて試験片(ガラス板/両面テープ/固体電解質層/ステンレス箔)を得た。そして、この試験片のピール強度を、JIS K6894に準じ、ピール強度測定機を用いて測定した。ピール強度とは、ガラス、両面テープ、固体電解質層、ステンレス箔をこの順に積層したものについてステンレス箔側を剥離したときの強度を意味する。剥離後の状態を確認したところ全評価において固体電解質層内において凝集破壊による剥離が起こっていることが確認できた。従って本評価においてピール強度が大きいほど、固体電解質層内の固体電解質材料間の結着性が強いことを示している。
A:ピール強度が40N/m以上
B:ピール強度が30N/m以上40N/m未満
C:ピール強度が20N/m以上30N/m未満
D:ピール強度が10N/m以上20N/m未満
E:ピール強度が10N/m未満
<電池内部抵抗>
作製した全固体二次電池を10μAにて5.0Vまで定電流・定電圧充電を行った後、電流を遮断して10分間放置し、次いで10μAにて放電する。10μAにて放電してから1秒後の電圧降下値から、電池内部抵抗X(kΩ)を算出する。全固体二次電池を10個作製し、各電池の内部抵抗値の平均値Aに対するバラツキを算出し、以下の基準で評価した。なお、バラツキは、下式より標準偏差を計算する。
Figure 0005299178
(式中、Xは内部抵抗測定値を、Aは内部抵抗平均値をそれぞれ示す)
A:標準偏差が5kΩ未満
B:標準偏差が5kΩ以上7kΩ未満
C:標準偏差が7kΩ以上9kΩ未満
D:標準偏差が9kΩ以上11kΩ未満
E:標準偏差が11kΩ以上
<電池特性:サイクル特性>
得られた全固体二次電池を用いて、25℃で0.1Cで3Vから4.3Vまで充電し、次いで0.1Cで4.3Vから3Vまで放電する充放電を、30サイクル繰り返し、5サイクル目の0.1C放電容量に対する30サイクル目の0.1C放電容量の割合を百分率で算出した値を容量維持率とし、下記の基準で判断した。この値が大きいほど放電容量減が少なく、サイクル特性に優れている。
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:50%以上60%未満
D:40%以上50%未満
E:30%以上40%未満
F:30%未満
(実施例1)
<ブロックポリマーの合成>
メカニカルスターラー、窒素導入口、冷却管およびラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、スチレン40部を加えた後、これに2,2´−ビピリジン1.3部を所定量加えてから、系内を窒素置換した。これに窒素気流下、臭化銅0.41部を加えた後、反応系を90℃に加熱し、開始剤として、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸2−ヒドロキシエチルを0.6部加えて重合を開始させ、溶剤を加えずに、窒素気流下で、90℃で9時間重合させた。重合率(加熱し揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合液そのままのポリマー重量で割った値で定義される割合)が80%以上であることを確認した後、これにアクリル酸n−ブチル60部をラバーセプタムから添加し、これをさらに110℃で12時間加熱した。このようにして、スチレン−アクリル酸nブチルのブロックポリマーが得られた。得られたブロックポリマーを、120℃に加熱して、20000Gの遠心力で1時間遠心処理し、上澄みのブロックポリマー(緑色である)を得た。このブロックポリマー100部にスルホン酸型カチオン交換樹脂10部を加えて、120℃で2時間撹拌した後、当該イオン交換樹脂を除去し、さらに重合触媒等を除去して、無色透明なスチレン含量約40%の重合体−1を得た。得られた重合体−1の組成、無機性対有機性の比、分子量、及びガラス転移温度を表1に示す。
<ブロックポリマー溶液の作製>
得られた重合体−1をキシレンに溶解し、固形分濃度20%の重合体−1のキシレン溶液を得た。
<固体電解質層用スラリーの作製>
固体電解質材料として硫化リチウム(LiS−P)25部と、前記重合体溶液18.75部とを混合し、ビーズミルにて1mmφのジルコニアビーズを用いて、5分間混合して、固体電解質層スラリー(固形分濃度70%)を得た。得られたスラリー中の分散粒子径を測定した。結果を表1に示す。
得られた固体電解質スラリーを用いてピール強度を測定した。結果を表1に示す。
得られた固体電解質層スラリーを、ポリエステルからなるキャリアフィルム上にドクターブレード法により塗布し、120℃20分乾燥させ、全固体二次電池用電解質層を有する積層体を得た。
<正極の作製>
LiCoO 30部と硫化リチウム(LiS−P)14部と粉状アセチレンブラック(電気化学工業製)0.6部とPVDF(ガラス転移点−40℃)2.5部、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)50部を樹脂製の容器に投入し、さらに1mmφのジルコニアビーズを130部加え、10分間(自転:2200rpm 公転:500rpm)ビーズミルにて混合し正極活物質スラリーを得た。アルミ箔(20μm)上に正極活物質スラリーを塗布し、120℃で20分間乾燥させ、正極を得た。乾燥後の正極活物質層の膜厚は30μmであった。
<負極の作製>
グラファイト 12.5部と硫化リチウム(LiS−P)12.5部とPVDF(ガラス転移点−40℃)1部、NMP25部を樹脂製の容器に投入し、さらに1mmφのジルコニアビーズを130部加え、2分間(自転:2200rpm 公転:500rpm)ビーズミルにて混合し負極活物質スラリーを得た。
銅箔(20μm)上に負極活物質スラリーを塗布し、120℃で20分間乾燥させ、負極を得た。乾燥後の負極活物質層の膜厚は20μmであった。
<全固体二次電池の作製>
前記正極の正極活物質表面上に、前記固体電解質層スラリーを塗布し、120℃で30分間乾燥させ、固体電解質層を得た。乾燥後の固体電解質層の膜厚は6μmであった。
固体電解質層を積層した正極と負極を各々12mmφとなるように打ち抜いた後、固体電解質層と負極の活物質層の面とをあわせ、10MPaの圧力で加圧プレスし、集電体を具備した正極/固体電解質層/負極の積層体を得た。得られた積層体をポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器にポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのコイン型電池を作製した。作製したコイン型電池の内部抵抗、サイクル特性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例2〜3)
実施例1において、固体電解質層を構成する結着剤として、重合体−1のかわりに表1に示す組成からなるブロックポリマー(重合体−2、重合体−3)を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、スチレンを加えた際の重合時間を9時間から36時間に変更し、アクリル酸n−ブチルを加えた際の重合時間を12時間から48時間に変更した他は、実施例1と同様にブロックポリマーを合成し、重合体−4を得た。得られた重合体−4の組成、無機性対有機性の比、分子量、及びガラス転移温度を表1に示す。
実施例1において、固体電解質層を構成する結着剤として、重合体−1のかわりに重合体−4を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
<ブロックポリマーの合成>
実施例1において、スチレンを加えた際の重合時間を9時間から1時間に変更し、アクリル酸n−ブチルを加えた際の重合時間を12時間から2時間に変更した他は、実施例1と同様にブロックポリマーを合成し、重合体−5を得た。得られた重合体−5の組成、無機性対有機性の比、分子量、及びガラス転移温度を表1に示す。
実施例1において、固体電解質層を構成する結着剤として、重合体−1のかわりに重合体−5を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例6、7)
実施例1において、固体電解質層を構成する結着剤として、重合体−1のかわりに表1に示す組成からなるブロックポリマー(重合体−6、重合体−7)を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例1、2)
実施例1において、固体電解質層を構成する結着剤として重合体−1のかわりに表1に示す組成からなるブロックポリマー(重合体−8、重合体9)を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
撹拌機付きのオートクレーブに、キシレン230部、アクリル酸n−ブチル60部、スチレン40部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサネート1部を入れ、十分に撹拌した後、90℃に加温して重合し、重合体(以下、「共重合体−1」という。)溶液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ98%であった。また、この共重合体−1のガラス転移温度は25℃、重量平均分子量は約5万であった。得られた共重合体−1はアクリル酸n−ブチルとスチレンのランダム共重合体である。
実施例1において、重合体溶液として重合体−1のかわりに共重合体―1を含む溶液を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリアクリル酸n−ブチル(分子量50,000)60部と、ポリスチレン(分子量50,000)40部とをキシレンに溶解し、固形分濃度20%の溶液を得た。実施例1において、重合体溶液として重合体−1のかわりにポリアクリル酸n−ブチルとポリスチレンのキシレン溶液を用いた他は、実施例1と同様に固体電解質スラリー、固体電解質層、及び全固体二次電池を作製した。そして、得られた固体電解質スラリーの分散粒子径、固体電解質層のピール強度、全固体二次電池の内部抵抗及びサイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
(表1)
Figure 0005299178
なお、表1〜表2中、「BA」はアクリル酸n−ブチル、「ST」はスチレン、「2EHA」はアクリル酸2−エチルヘキシル、「MA」はアクリル酸メチル、「AN」はアクリロニトリルを表す。
(表2)
Figure 0005299178
本発明によれば、実施例1〜実施例7に示すように、無機性対有機性の比が0以上0.30未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBとから構成されてなるブロックポリマーを用いることにより、高分散で粒子間の結着性が高い固体電解質層を有する全固体二次電池を得ることができる。また、実施例の中でも、ブロックポリマー内にセグメントAとしてスチレンを、セグメントBとしてn-ブチルアクリレートとを有し、更にセグメントA:セグメントBの比率が30:70〜70:30の範囲にあり、かつ重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲にある実施例1が、ピール強度、サイクル特性が、最も優れている。一方、どちらものセグメントの無機性対有機性の比が0.35以上であるもの(比較例1)、どちらものセグメントの無機性対有機性の比が0以上0.30未満であるもの(比較例2)、ランダム重合であるもの(比較例3)、2種のポリマーを混合したもの(比較例4)では、ピール特性、内部抵抗、及びサイクル特性の全てが著しく劣る。

Claims (7)

  1. 正極、固体電解質層、及び負極を有する全固体二次電池であって、正極、固体電解質層及び負極の少なくともいずれかに、有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと、0.35以上10未満のセグメントBとから構成されてなるブロックポリマーを含んでなる全固体二次電池。
  2. 前記ブロックポリマーの重量平均分子量が、1,000〜500,000の範囲にある請求項1記載の全固体二次電池。
  3. 前記ブロックポリマーが、ガラス転移温度15℃以下の軟質重合体の分子鎖を含んでなる請求項1〜2のいずれかに記載の全固体二次電池。
  4. 前記固体電解質層が、固体電解質材料及びブロックポリマーを含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の全固体二次電池。
  5. 前記固体電解質材料として、結晶性または非晶性の無機リチウムイオン伝導体を含む請求項1〜4のいずれかに記載の全固体二次電池。
  6. 前記固体電解質層におけるブロックポリマーの含有量が、0.1〜10質量%である請求項4に記載の全固体二次電池。
  7. 有機概念図を指針とした無機性対有機性の比が0以上0.3未満のセグメントAと0.35以上10未満のセグメントBとから構成されてなるブロックポリマー、固体電解質材料及び溶媒を含む固体電解質スラリー。
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