JP5298064B2 - コンクリート造と鉄骨造の混合構造梁 - Google Patents
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Description
また、鉄骨造部のコンクリートからの抜け出し作用により、コンクリート部材の耐力の低下が起きている。
スリットの幅は任意であり、ウェブの中央部に数mmの幅から上下のフランジ近くに10mm程度のウェブを残した状態までの間で任意に定めることができる。
また、せん断補強筋を密に配筋する必要がなくなるため、コンクリートが接合部に空隙を生じることなく充填され、接合部の強度が保たれると共に、施工性が改善される。
鉄骨造部の端面にエンドプレートを設置することによって鉄骨部材のてこ作用によるせん断力がコンクリートに伝達されなくなり、エンドプレートを介してせん断力がコンクリート造部の断面全体に均等に伝達されるようになり、同様に接合部におけるせん断補強筋の配筋量を低減でき、接合部のコンクリートの充填性が改善される。
また、エンドプレートは、鉄骨造部がコンクリートから抜け出すのを防止しており、かつ、鉄骨部材の曲げモーメントをコンクリート造部に伝達しやすくする機能を有しており、力学的に合理的な梁とすることができる。
2 混合構造梁
11 コンクリート造部
12 鉄骨造部
21 フランジ
22 ウェブ
3 断面切欠部
31 スリット
4 エンドプレート
15 緊張鋼材の定着部の凹部
16 緊張鋼材
17 コーベル
25 定着板
40 鉄筋
41 定着部
鉄骨造部12のウェブ22の中央部には、コンクリート造部11に埋設してある埋設部のほぼ全長にわたってスリット31が形成してある。
また、鉄骨造部12のコンクリート造部11への埋め込み長さを変化させてその影響を見たところ、スリット31によるてこ作用の軽減効果は、鉄骨造部の埋め込み長さが長いほど顕著であることが認められた。
このエンドプレート4は、コンクリート柱1に定着部41を有する鉄筋(主筋)40を使用してコンクリート造部11の端部に定着してある。
エンドプレート4の有無による接合部のせん断力の伝達状態を図4に示す。接合端面において、エンドプレート無しの場合、鉄骨造部12のせん断力Qは、フランジ位置でコンクリートを押すように作用し、フランジの下のコンクリート断面だけにせん断応力を集中的に伝達させている。一方、エンドプレート4を設けた場合、エンドプレート4を介してせん断力Qをコンクリート造部の断面全体に(q)で示すように均等に伝達させることができる。
また、この実施例では、鉄骨造部12のフランジ21の引張応力がコンクリートの付着を介してコンクリート造部11の鉄筋40に伝達されるため、より確実に、かつ、円滑に曲げモーメントがコンクリート造部11に伝達される。
エンドプレート4は、鉄骨造部12が埋設してあるコンクリート造部11からの抜け出しをも防止する機能を有している。
また、界面に隙間が生じても、せん断力を伝達する面積を減少させないため、プレストレスによってエンドプレート4とコンクリート造部11の界面に圧縮力を与えて密着させるようにしたものである。エンドプレート4がコンクリート造部11の端面にプレストレス力によって押し付けられるので界面において摩擦力が上昇し、せん断力の伝達効率が上昇する。従って、せん断力がエンドプレート4で殆ど伝達され、コンクリート部材に作用するせん断力が減少する。
鉄骨造部12の上下のフランジ21に定着板25が設けてあり、緊張鋼材16の他の端部が定着してある。エンドプレート4が設けてある場合は、緊張鋼材16はエンドプレート4に定着するか、または、定着板25に定着される。
Claims (4)
- ウェブとフランジからなる鉄骨造部の両端部がコンクリート造部に埋設接合される混合構造梁において、コンクリート造部内に埋設された鉄骨造部のウェブの中央部に、埋設部全長にわたるスリットを形成することによって鉄骨造部のてこ作用によるせん断力を低下させた混合構造梁。
- 請求項1において、スリット幅は、数mmから上下のフランジに10mm程度ウェブを残すものである混合構造梁。
- 請求項1〜2のいずれかにおいて、コンクリート造部にプレストレスが付与してある混合構造梁。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、コンクリート造部がプレキャストコンクリート部材である混合構造梁。
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