JP5297320B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の燃料噴射装置に関する。
車両のエンジンに燃料を噴射する燃料噴射装置は、ハウジング内を往復移動するノズルニードルが、燃料噴射口を開閉するように構成される。
ノズルニードルは可動コアに連結され、コイル、可動コア、及び固定コア等で形成される電磁石の磁力によって駆動する。
すなわち、コイルに電流が流れない無通電状態のときは、バネなどの付勢手段による付勢力によって燃料噴射口を閉口する方向にノズルニードルが移動し、コイルに電流が流れる通電状態のときは、可動コアが磁化して固定コアに吸引され、可動コアとともにノズルニードルが固定コアの方向に引き寄せられて、燃料噴射口が開口するように構成される。
また、燃料噴射口まで燃料が流通する流路がノズルニードルの中に形成されるものが知られている。
このように構成される燃料噴射装置では、燃料噴射口から噴射される燃料がハウジング内を流れるときに、その一部が固定コアと可動コアの間に溜まって燃料溜まりが形成される場合がある。
そして、燃料溜まりが形成されると、可動コアが固定コアに吸引されるときに、燃料溜まりに溜まった燃料の粘性が抵抗になって可動コアの動作速度、すなわちノズルニードルの動作速度が低下する。そして、燃料噴射装置の動作性能が低下する。
そこで、例えば、特許文献1には、燃料溜まりに溜まる燃料を排出して動作性能の低下を抑えるための補助流路が形成される可動コアを備える燃料噴射装置が開示されている。
特開2006−183470号公報
しかしながら、例えば引用文献1に示す燃料噴射装置のように、燃料溜まりの燃料を排出する補助流路を可動コアに形成すると、可動コアの加工工数が増えることになって可動コアがコストアップし、ひいては、当該可動コアを使用する燃料噴射装置がコストアップするという問題がある。
そこで本発明は、補助流路が形成されない可動コアであっても、動作性能の低下を防止できる燃料噴射装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の請求項1は、燃料噴射口を有する円筒型のハウジング部と、前記ハウジング部に収容されて固定される固定コアと、前記ハウジング部に収容され、当該ハウジング部の内周面にガイドされて当該ハウジング部の中心線方向に往復移動し、前記固定コアに当接・離反する可動コアと、前記ハウジング部に収容されて前記可動コアとともに前記中心線方向に往復移動し、前記燃料噴射口を開閉するニードルと、前記可動コアを磁化するためのコイルと、を含み、前記可動コアは、前記コイルが通電状態のときに磁化して前記固定コアに吸引され、当該固定コアに当接する方向に移動するとともに、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せて前記燃料噴射口を開口する燃料噴射装置とする。そして、前記可動コアと前記ハウジング部の間に設けられる第1のクリアランスを前記中心線方向に投影した第1の投影面積が、前記可動コアを前記中心線方向に投影した第2の投影面積の1.13%以上であり、前記ニードルと前記可動コアが別体に構成され、前記可動コアは前記ニードルの軸方向に沿って移動可能に嵌め込まれるとともに、前記可動コアの内周と前記ニードルの外周の間に、当該可動コアの内周と当該ニードルの外周が接触しない大きさの第2のクリアランスが形成され、前記可動コアが磁化して前記固定コアに吸引されるとき、前記可動コアが、前記ニードルに対して移動して加速した状態で当該ニードルに当接して、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せるとともに、前記固定コアと前記可動コアの間に溜まる燃料が前記第1のクリアランスを通って前記燃料噴射口の側に排出されることを特徴とする。
請求項1によると、可動コアをハウジング部の中心線方向に投影した第2の投影面積に対して、可動コアとハウジング部の間に設けられる第1のクリアランスをハウジング部の中心線方向に投影した第1の投影面積が1.13%以上になるように第1のクリアランスを設定できる。
したがって、固定コアと可動コアの間に溜まる燃料を、第1のクリアランスを通して効果的に排出することができ、可動コアに燃料の補助流路を形成しなくても、燃料噴射装置の動作性能の低下を防止できる。
また、ニードルと可動コアは別体に構成され、可動コアはニードルの軸方向に沿って移動可能に嵌め込まれるとともに、可動コアの内周とニードルの外周の間に、当該可動コアの内周と当該ニードルの外周が接触しない大きさの第2のクリアランスが形成されている。
したがって、可動コアがニードルの軸方向に沿って移動するときの抵抗を小さくでき、可動コアがニードルの軸方向に沿って移動するときの動作性能の低下を防止できる。そして、燃料噴射装置の動作性能の低下を防止できる。
なお、第2のクリアランスは、例えばニードルが傾いた場合であっても、可動コアの内周とニードルの外周が接しない大きさに形成されることが好適である。この構成によって、ニードルが傾いた場合にニードルが可動コアに引っかかることを防止できる。また、この構成によると、ニードルは可動コアで支持されないことから、ハウジング部でニードルを支持する構成が好適である。
また、本発明の請求項2に係る燃料噴射装置は、燃料噴射口を有する円筒型のハウジング部と、前記ハウジング部に収容されて固定される固定コアと、前記ハウジング部に収容され、当該ハウジング部の内周面にガイドされて当該ハウジング部の中心線方向に往復移動し、前記固定コアに当接・離反する可動コアと、前記ハウジング部に収容されて前記可動コアとともに前記中心線方向に往復移動し、前記燃料噴射口を開閉するニードルと、前記可動コアを磁化するためのコイルと、を含み、前記可動コアは、前記コイルが通電状態のときに磁化して前記固定コアに吸引され、当該固定コアに当接する方向に移動するとともに、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せて前記燃料噴射口を開口する燃料噴射装置とする。そして、前記ニードルが前記固定コアの方向に引き寄せられるリフトアップ時の当該ニードルの速度の低下を、前記ニードルが限界までリフトアップする状態になるまで抑制できる大きさの第1のクリアランスが、前記可動コアと前記ハウジング部の間に設けられ、前記ニードルと前記可動コアが別体に構成され、前記可動コアは前記ニードルの軸方向に沿って移動可能に嵌め込まれるとともに、前記可動コアの内周と前記ニードルの外周の間に、当該可動コアの内周と当該ニードルの外周が接触しない大きさの第2のクリアランスが形成され、前記可動コアが磁化して前記固定コアに吸引されるとき、前記可動コアが、前記ニードルに対して移動して加速した状態で当該ニードルに当接して、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せるとともに、前記固定コアと前記可動コアの間に溜まる燃料が前記第1のクリアランスを通って前記燃料噴射口の側に排出されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る燃料噴射装置は、前記可動コアは、前記ニードルに形成される係止部に当接・離反する係合部を備え、前記係止部は前記係合部よりも前記中心線方向に前記固定コアの側に配置され、前記コイルが無通電状態のとき、前記可動コアと前記固定コアの間に前記中心線方向の第1ギャップが形成されるとともに、前記係合部と前記係止部の間に前記中心線方向の第2ギャップが形成され、前記第1ギャップは前記第2ギャップよりも大きく形成されることを特徴とする。
本発明によると、補助流路が形成されない可動コアであっても、動作性能の低下を防止できる燃料噴射装置を提供できる。
(a)は、本実施形態に係る燃料噴射装置の概略構成を示す断面図、(b)は、図1の(a)のA部拡大図である。 可動コアとノズルニードルの動作状態を示す図であり、(a)は、第1係止部と係合部の間にギャップが形成されている状態を示す図、(b)は、第1係止部と係合部の間のギャップが解消して、係合部が第1係止部に当接した状態を示す図、(c)は、可動コアが燃料入口筒に当接した状態を示す図である。 (a)は、リフトアップ量の時間経過に伴う変化を示すグラフ、(b)は、ガイド部投影面積とコア投影面積と隙間投影面積を示す図である。 隙間面積とリフトアップに要する時間の関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料噴射装置1は、一端に燃料噴射口12aを有する略円筒型の弁ハウジング12と、両端が開放している略円筒状の燃料入口筒10とが直列に配置されて構成される。
燃料入口筒10の一端には、燃料噴射装置1に送り込まれる燃料に含まれる異物を除去するためのフィルタ17が備わって、燃料入口10aが形成される。
なお、燃料入口筒10は強磁性体で形成される。
燃料入口筒10には、略円筒型のハウジング11が周囲を囲むように備わり、ハウジング11の一方の端部は、燃料入口筒10の燃料入口10aと反対側の端部からハウジング11の中心線に沿った方向(以下、中心線方向と称する)に突出し、弁ハウジング12の開放した一端が、ハウジング11の内周に挿入されて固定される。
そして、ハウジング11と弁ハウジング12とで、特許請求の範囲に記載される円筒型のハウジング部を構成する。
なお、ハウジング11と弁ハウジング12が一体に構成されるハウジング部であってもよい。
燃料入口筒10の一端と弁ハウジング12の一端は所定の距離だけ離れており、その間に、強磁性体で形成される略円筒形の可動コア14が、ハウジング11の中心線方向に往復移動自在に備わっている。
可動コア14は、燃料入口筒10の端部と弁ハウジング12の端部の間を、ハウジング11の内周面に沿って往復移動することから、燃料入口筒10の端部と弁ハウジング12の端部の間において、ハウジング11の内周面は、可動コア14の往復移動をガイドするガイド部11cになる。
そして、ハウジング11に備わる、可動コア14を磁化するためのコイル11aが、例えば、ガイド部11cを外側から囲むように配置される。さらに、ハウジング11には、図示しない電流供給源から、コイル11aに電流を供給するためのターミナル部11bが設けられている。
また、可動コア14には、弁ハウジング12の側に延びるようにニードル(ノズルニードル13)が連結されている。
略円筒形の可動コア14は、ノズルニードル13の外周に嵌め込まれるように備わり、可動コア14がハウジング11の中心線方向に往復移動するのにともなって、ノズルニードル13がハウジング11の中心線方向に往復移動するように構成される。
ノズルニードル13は、弁ハウジング12の内周より細い径の棒状部材である。
また、弁ハウジング12の内部には、例えばノズルニードル13が往復動可能に貫通する縦孔を有する複数のガイド板12cが備わってノズルニードル13を支持するとともに、ノズルニードル13の中心線と弁ハウジング12の中心線が一致するように、ノズルニードル13の姿勢を維持している。
なお、ガイド板12cは、例えば圧入によって弁ハウジング12の内部に固定される。
図1の(b)に示すように、ノズルニードル13の一方の端部は外周が周囲に広がってフランジ部13dが形成され、フランジ部13dの近傍の外周には、円周方向に沿って係合溝13cが形成される。
また、可動コア14の、ノズルニードル13側の端部は内周に沿って内側に突出し、係合部14aを形成する。
そして、フランジ部13dは、可動コア14の内周より小さな直径に形成され、可動コア14の係合部14aがノズルニードル13の係合溝13cに係合して、フランジ部13dを外周から覆うように、可動コア14がノズルニードル13に嵌め込まれる。
さらに、フランジ部13dの外周と可動コア14の内周の間には、クリアランスC1が形成され、係合部14aの内周と係合溝13cの外周の間にはクリアランスC2が形成される構成が好適である。
この構成によって、可動コア14の内周とノズルニードル13の外周の間にクリアランスC1、C2を形成することができる。そして、クリアランスC1、C2は、特許請求の範囲に記載の第2のクリアランスに相当する
また、ノズルニードル13が可動コア14に固定されない構成の場合、クリアランスC1は、例えば、可動コア14の外周がガイド部11c(図1の(a)参照)に当接するなどしてノズルニードル13が傾いたときにフランジ部13dの外週と可動コア14の内周が接触しない大きさに構成され、クリアランスC2は、ノズルニードル13が傾いたときに係合部14aの内周と係合溝13cの外周が接触しない大きさに構成されることが好適である。
また、係合溝13cの幅は、係合部14aの厚みよりわずかに広く形成され、係合部14aは、係合溝13cのフランジ部13d側の側壁部(以下、第1係止部13c1と称する)と、第1係止部13c1と対向する側壁部(以下、第2係止部13c2と称する)の間を往復移動可能に構成される。
この構成によって、可動コア14はノズルニードル13の軸方向に沿って移動可能に備わり、さらに、第1係止部13c1、及び第2係止部13c2に当接・離反する係合部14aを、可動コア14に備えることができる。
そして、可動コア14の係合部14aがノズルニードル13の第1係止部13c1に当接した状態で可動コア14が燃料入口筒10に当接する方向に移動すると、ノズルニードル13は可動コア14とともに、燃料入口筒10の方向に引き寄せられる。
また、可動コア14の内周とノズルニードル13の外周にクリアランス(クリアランスC1、C2)が形成されていることから、可動コア14がノズルニードル13に対して移動するときの抵抗を小さくできる。
さらに、第1係止部13c1と第2係止部13c2がノズルニードル13に形成されるため、別部材からなるストッパを備えることなく可動コア14の移動範囲を規制することができ、燃料入口筒10と可動コア14のクリアランスを容易に管理できる。
そして、ノズルニードル13のフランジ部13dと可動コア14の係合部14aの間にはコイル状の戻しバネ14bが備わり、可動コア14を第2係止部13c2の方向に付勢している。
この構成によって、可動コア14が第2係止部13c2の方向に付勢された状態とすることができる。
したがって、コイル11a(図1の(a)参照)が無通電状態で可動コア14が磁化していない状態のとき、可動コア14の係合部14aは戻しバネ14bの付勢力によって、第2係止部13c2に当接した状態に維持される。
なお、図1の(a)、(b)に示すように、ノズルニードル13と可動コア14を連結する方法として、例えば、中心線方向に2つ以上に分割した可動コア14を、係合部14aが係合溝13cに係合するように結合する方法が考えられる。
図1の(a)に戻って、可動コア14の側と反対側のノズルニードル13の先端部13eは、ノズルニードル13の往復移動に伴って、弁ハウジング12の閉鎖した端部に開口する燃料噴射口12aの周囲に形成される弁座部12bに着座・離座するように構成される。
そして、ノズルニードル13の先端部13eが弁座部12bに着座すると、燃料噴射口12aが先端部13eによって閉口し、先端部13eが弁座部12bから離座すると、燃料噴射口12aが開口するように構成される。
また、燃料入口筒10の内部には、パイプ状のリテーナ16が嵌合されて備わっている。リテーナ16は、例えば燃料入口筒10の外周からカシメによって固定され、リテーナ16とノズルニードル13の間に、ノズルニードル13を弁ハウジング12の方向に付勢するコイル状の弁バネ15が備わっている。
さらに、ノズルニードル13の可動コア14側の端部には、中心線方向の縦孔からなる燃料流通部13aが形成される。
そして、燃料流通部13aには、係合溝13cより先端部13eの側に、例えば、ノズルニードル13の外周から中心部に向う複数の横孔からなる燃料排出孔13bが開口し、可動コア14と燃料噴射口12aの間の領域と燃料流通部13aが、複数の燃料排出孔13bで連通する。
このように構成される燃料噴射装置1において、燃料入口10aからフィルタ17を介して燃料入口筒10の内部に取り込まれた燃料はパイプ状のリテーナ16を通過して、ノズルニードル13の燃料流通部13aに流れ込む。そして、燃料は、複数の燃料排出孔13bから可動コア14と燃料噴射口12aの間の領域に流出して燃料噴射口12aまで流通し、燃料噴射口12aが開口したときに、図示しないエンジンに向って噴射される。
可動コア14と燃料噴射口12aの間の領域は、燃料を燃料噴射口12aに供給する領域であり、燃料流路18と称する。
なお、ガイド板12cには、燃料流路18を燃料噴射口12aに向って流れる燃料が通るための図示しない1つ以上の流通路が形成されていることが好適である。
図示しない流通路の形状は限定されるものではなく、例えば、貫通する縦孔をガイド板12cに形成することで図示しない流通路を形成できる。または、ガイド板12cの断面形状を十字形や星型に形成することやガイド板12cの外周の一部を平面形状に形成することで、ガイド板12cの外周と弁ハウジング12の内周の間に隙間を設け、この隙間を図示しない流通路としてもよい。
このように、燃料入口10aから燃料入口筒10の内部に取り込まれた燃料は、燃料流通部13a、複数の燃料排出孔13b、及び燃料流路18を経由して図示しないエンジンに向って噴射されるが、燃料の一部は、可動コア14と燃料入口筒10の間に形成される燃料溜まり10bに溜まる。
次に、主に図2を参照して、可動コア14とノズルニードル13の動作について説明する(適宜図1参照)。
図2の(a)に示すように、図示しない電流供給源からコイル11aに電流が供給されていない状態、すなわち、コイル11aが無通電状態のとき、ノズルニードル13は弁バネ15の付勢力によって、弁ハウジング12の側に移動し、ノズルニードル13の先端部13eが燃料噴射口12aを閉口した状態にある。また、可動コア14は、戻しバネ14bの付勢力によって、係合部14aが第2係止部13c2に当接した状態にある。
そして、燃料入口筒10と可動コア14の間にはハウジング11の中心線方向のギャップG1が形成され、係合部14aと第1係止部13c1の間にはハウジング11の中心線方向のギャップG2が形成される。
なお、ギャップG1はギャップG2より大きく形成される(G1>G2)ことが好適である。
このように形成されるギャップG2は、コイル11aが無通電状態のときに係合部14aと第1係止部13c1の間に形成されることから、特許請求の範囲に記載のギャップに相当する。
図2の(b)に示すように、図示しない電流供給源からターミナル部11bを介してコイル11aに電流が供給されてコイル11aが通電状態になると、コイル11aに発生する磁界によって可動コア14が磁化し、燃料入口筒10に吸引される。このときの吸引力が戻しバネ14bの付勢力より強くなるように構成すると、可動コア14は燃料入口筒10に当接する方向に移動し、係合部14aが第1係止部13c1に当接する。
すなわち、ギャップG2が解消して、係合部14aが第1係止部13c1に当接する。
そして、燃料入口筒10と可動コア14の間のギャップは、「G1−G2」になる。
このとき、可動コア14は、ギャップG2を解消する間に、燃料入口筒10に吸引される吸引力によって加速している。
したがって、可動コア14が加速した状態で、係合部14aが第1係止部13c1に当接する。
このように、コイル11aが通電状態のとき、係合部14aが第1係止部13c1に当接することから、第1係止部13c1が特許請求の範囲に記載される係止部に相当する。
さらに、可動コア14が燃料入口筒10に吸引される吸引力が弁バネ15の付勢力より強くなるように構成すると、可動コア14が燃料入口筒10に吸引されて燃料入口筒10に当接する方向に移動するのにともなって、ノズルニードル13は、燃料入口筒10の方向に引き寄せられ、可動コア14とノズルニードル13は、ともに燃料入口筒10に向かって移動する。
そして、図2の(c)に示すように、可動コア14が燃料入口筒10に当接するまで、ノズルニードル13が燃料入口筒10の側に引き寄せられる。図1の(a)に示すノズルニードル13の先端部13eは、弁座部12bから離座して燃料噴射口12aが開口する。
このように、可動コア14が燃料入口筒10に吸引されてノズルニードル13とともに燃料入口筒10に当接する方向に移動し、ノズルニードル13の先端部13eが弁座部12bから離座する動作を、以下、リフトアップと称する。
そして、ノズルニードル13が限界までリフトアップする状態をフルリフトと称する。
前記したように、係合部14aが第1係止部13c1に当接するときは可動コア14が加速した状態であることから、停止した状態のノズルニードル13を燃料入口筒10の方向に引き寄せるときの初速度を高くすることができ、ノズルニードル13の動作性能を向上できる。すなわち、燃料噴射装置1の動作性能を向上できる。
コイル11aへの電流の供給が瞬時に停止されてコイル11aが無通電状態になると、可動コア14が消磁して、燃料入口筒10に吸引される吸引力が瞬時に消滅する。ノズルニードル13は弁バネ15の付勢力によって弁ハウジング12の方向に移動し、図1の(a)に示すノズルニードル13の先端部13eが弁ハウジング12の弁座部12bに着座して、燃料噴射口12aが閉口する。
また、可動コア14の係合部14aは、戻しバネ14bの付勢力によって、第2係止部13c2の方向に移動して第2係止部13c2に当接し、係合部14aと第1係止部13c1の間に、図2の(a)に示すように、ハウジング11の中心線方向のギャップG2が形成される。
このように、図1の(a)に示す、燃料噴射装置1は、コイル11aへの電流の供給を制御することで、燃料噴射口12aの開閉を制御できる。
なお、図1の(a)に示すように構成される燃料噴射装置1では、コイル11aが通電状態になったときに磁化する可動コア14は、燃料入口筒10に吸引されることから、燃料入口筒10が固定コアとして機能する。
そして、可動コア14は、固定コアである燃料入口筒10に当接・離反するように、ハウジング11の内部をガイド部11cに沿って往復移動する。
図1の(a)に示す燃料噴射装置1において、ノズルニードル13が滑らかにリフトアップするためには、可動コア14がガイド部11cに沿って滑らかに往復移動する必要がある。そこで、可動コア14とガイド部11cの間にクリアランス(以下、サイドクリアランスCLと称する)を設けることが好適である。
サイドクリアランスCLは、可動コア14とハウジング11の間に形成されるクリアランスであり、特許請求の範囲に記載の第1のクリアランスに相当する。
例えば、サイドクリアランスCLを小さくすると、可動コア14とガイド部11cの間に浸透する燃料の粘性によって可動コア14の動作速度が低下する。
そして、可動コア14の動作速度が低下すると、ノズルニードル13が燃料噴射口12aを開閉する動作速度が低下し、燃料噴射装置1の動作性能が低下することになる。
そこで、本願出願人らは、図3の(b)に示すように、直径R1が10.6mmの可動コア14を用いたときのサイドクリアランスCLとノズルニードル13のリフトアップ量の時間経過(ノズルニードル13がリフトアップするときの動作速度、以下、リフトアップ速度Lvと称する)を計測した。
その結果、リフトアップ量の時間経過に伴う変化が、図3の(a)のように示された。
なお、図3の(a)の横軸は、コイル11a(図1の(a)参照)への電流の供給が開始してからの時間経過を示し、縦軸はノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ量を示す。
そして、図3の(a)に示すグラフは、傾きが大きいほどリフトアップ速度Lvが高速であることを示している。
例えば、サイドクリアランスCLが7μmの場合、図3の(a)に破線で示すように、リフトアップの初期から、時間経過に対するリフトアップ量が小さい。すなわち、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvが低い。
そして、フルリフト近くまでリフトアップしたときにリフトアップ速度Lvが失速している。
これは、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる燃料の影響が大きいことがわかっている。
前記したように、燃料入口10a(図1の(a)参照)から燃料入口筒10(図1の(a)参照)の内部に取り込まれた燃料の一部は、可動コア14(図1の(a)参照)と燃料入口筒10の間に形成される燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる。
サイドクリアランスCLが小さい場合、燃料溜まり10bに溜まった燃料は逃げ場が少なく、燃料はその場に留まる。
可動コア14が燃料入口筒10に吸引され、可動コア14と燃料入口筒10の距離が短くなると燃料溜まり10bの容積が小さくなる。そして、燃料溜まり10bに溜まっている燃料の粘性による抵抗が大きくなって可動コア14の動作速度が低下し、可動コア14にともなって動作するノズルニードル13のリフトアップ速度Lvが低下する。
サイドクリアランスCLを15μmに広げると、図3の(a)に一点鎖線で示すように、サイドクリアランスCLが7μmのときより、時間経過に対するリフトアップ量が大きくなる。すなわち、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvが向上する。
また、フルリフト近くでの失速も小さくなる。
さらに、サイドクリアランスCLを100μmに広げると、図3の(a)に二点鎖線で示すように、時間経過に対するリフトアップ量が大きくなる。すなわち、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvが向上する。
そして、フルリフト近くでも失速しない。
これは、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まった燃料が、サイドクリアランスCLを通って燃料流路18(図1の(a)参照)に流入することから、燃料の粘性による抵抗が大きくならず、可動コア14(図3の(b)参照)の動作速度が低下しないためである。
本願出願人らは、サイドクリアランスCLを様々に変更したときの、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvを測定した。
そして、図3の(a)に実線で示すように、サイドクリアランスCLを30μmにしたときのノズルニードル13のリフトアップ速度Lvが、サイドクリアランスCLが100μmのときのリフトアップ速度Lvと同等になるという結果を得ることができた。
また、サイドクリアランスCLを30μmにすると、フルリフト近くで失速しないことがわかった。
なお、30μmに対して±5μmの誤差が許容できることも確認できた。すなわち、サイドクリアランスCLが30μm±5μmの範囲であれば、図3の(a)に実線で示す特性を得られる。
そこで、可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1が10.6mmのときは、サイドクリアランスCLを30μm以上にすると、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvを最大にでき、フルリフト近くで失速しないと結論付けた
すなわち、可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1が10.6mmの場合は、サイドクリアランスCLを30μm以上にすることで、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる燃料を好適な流量でサイドクリアランスCLを通して燃料流路18(図1の(a)参照)に流入させることができ、その結果、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvの低下を抑制できるとした。
このように、本実施形態に係る燃料噴射装置1(図1の(a)参照)は、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる燃料を好適な流量でサイドクリアランスCLを通して燃料流路18(図1の(a)参照)に流入させることで、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvの低下を抑制する構成としたが、サイドクリアランスCLを通って燃料流路18に流入する燃料の流量は、サイドクリアランスCLをハウジング11(図1の(a)参照)の中心線方向に投影した面積(以下、隙間投影面積Agと称する)に対応する。したがって、ノズルニードル13のリフトアップ速度Lvを最大にするためには、好適な隙間投影面積Agを確保することが必要になる。
図3の(b)に示すように、可動コア14の直径R1が10.6mmの場合、可動コア14をハウジング11の中心線方向に投影した面積(以下、コア投影面積Acと称する)は、88.2mmになる。
また、サイドクリアランスCLが30μm(0.03mm)のとき、ガイド部11cの直径R2は10.66mm(10.6+0.03×2)になり、ガイド部11cの断面をハウジング11の中心線方向に投影したガイド部投影面積Ahは89.22mmになる。
隙間投影面積Agは、ガイド部投影面積Ahからコア投影面積Acを減じれば求められ、サイドクリアランスCLが30μmの場合、隙間投影面積Agは1.002mmになる。
前記したように、コア投影面積Acは、可動コア14をハウジング11(図1の(a)参照)の中心線方向に投影した面積であり、特許請求の範囲に記載の第2の投影面積に相当する。
また、隙間投影面積Agは、可動コア14と燃料入口筒10のサイドクリアランスCLをハウジング11の中心線方向に投影した面積であり、特許請求の範囲に記載の第1の投影面積に相当する。
このように求められる隙間投影面積Agと、ノズルニードル13(図3の(b)参照)がフルリフトまでリフトアップするのに要する時間の関係を計測すると、図4に示す傾向を得られた
なわち、ノズルニードル13のリフトアップ速度Lvが急速に低下する隙間投影面積Agの値があることがわかった。
換言すると、隙間投影面積Agをその値よりも大きくすることによってノズルニードル13のリフトアップ速度Lvを最大にできる。
この結果に基づき、本願出願人らは、コア投影面積Acが88.2mmの場合は、サイドクリアランスCLが30μm以上にして隙間投影面積Agを1.002mm以上にすると、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvを最大にできると結論付けた。
また、燃料噴射装置1(図1の(a)参照)が大型化すると可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1が大きくなり、燃料噴射装置1に取り込まれる燃料の量も多くなる。そして、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる燃料も多くなる。したがって、可動コア14の直径R1が大きくなった場合、サイドクリアランスCLを通す燃料の流量を多くする必要があり、大きな隙間投影面積Agが必要になる。
換言すると、可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1が大きくなった場合、すなわち、コア投影面積Acが大きくなった場合、図3の(a)に実線で示す特性を得るためには、隙間投影面積Agを大きくする必要がある
なわち、ノズルニードル13(図3の(b)参照)を最大のリフトアップ速度Lvで駆動するための隙間投影面積Agは、コア投影面積Acにともなって変化する。
そこで、本願出願人らは、ノズルニードル13(図3の(b)参照)を最大のリフトアップ速度Lvで駆動するための評価値として、コア投影面積Acに対する隙間投影面積Agの比率(以下、隙間面積比Agcと称する)を用いることにした。
そして、可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1が10.6mm(コア投影面積Acが88.2mm)の場合、サイドクリアランスCLが30μm(隙間投影面積Agが1.002mm)以上のときに、ノズルニードル13を最大のリフトアップ速度Lvで駆動できることに基づいて、隙間面積比Agcが1.13%(1.002mm/88.2mm×100)以上のときに、ノズルニードル13を最大のリフトアップ速度Lvで駆動できるとした。
すなわち、隙間面積比Agcが1.13%より小さい場合は、ノズルニードル13(図3の(b)参照)のリフトアップ速度Lvが低いため、燃料噴射装置1(図1の(a)参照)の動作性能が低下することになる。
そこで、本実施形態に係る燃料噴射装置1(図1の(a)参照)は、隙間面積比Agcが1.13%以上になるように、可動コア14(図3の(b)参照)の直径R1とサイドクリアランスCLを設定する。
この構成によって、ノズルニードル13(図3の(b)参照)を最大のリフトアップ速度Lvで動作させることができ、好適な動作性能で燃料噴射装置1(図1の(a)参照)を駆動できるという優れた効果を奏する。
なお、サイドクリアランスCLが大きくなると、コイル11a(図1の(a)参照)が通電状態になったときに発生する磁界で可動コア14(図1の(a)参照)が磁化しにくくなる。したがって、サイドクリアランスCLを大きくとりすぎると、コイル11aが通電状態になったとき、可動コア14が燃料入口筒10(図1の(a)参照)に吸引される力が小さくなり、燃料噴射装置1(図1の(a)参照)の動作に支障が生じる。
このような状態を避けるため、サイドクリアランスCLに所定の上限値を設定してもよい。
本願出願人らの検証の結果、サイドクリアランスCLが0.3mm(300μm)以下であれば、コイル11aが通電状態になったときに、可動コア14が好適に磁化して、燃料噴射装置1(図1の(a)参照)が支障なく動作することがわかった。
このことより、サイドクリアランスCLの上限値を0.3mm(300μm)とするような燃料噴射装置1としてもよい。
また、図1の(a)に示す可動コア14の動作速度が高速になると、可動コア14が燃料入口筒10に接触したときの衝撃によってバウンスが発生することがわかっている。そして、可動コア14にバウンスが発生すると、可動コア14に連結されるノズルニードル13にもバウンスが発生する。
図3の(a)に二点鎖線で示すように、サイドクリアランスCLが100μmの場合、ノズルニードル13(図3の(b)参照)がフルリフトしたときにリフトアップ量が大きく振動し、ノズルニードル13にバウンスが発生している。
例えば、図3の(a)に実線で示すように、サイドクリアランスCLが30μmの場合にノズルニードル13に発生するバウンスの大きさは、サイドクリアランスCLが100μmの場合にノズルニードル13に発生するバウンスの大きさより小さい。
すなわち、ノズルニードル13(図3の(b)参照)に発生するバウンスは、サイドクリアランスCLの増大にともなって大きくなる。
そして、ノズルニードル13に発生するバウンスが大きくなると、コイル11a(図1の(a)参照)に電流が供給された状態であっても、燃料噴射口12a(図1の(a)参照)が開閉することになり、図示しないエンジンに対する燃料噴射量の誤差が大きくなる。
例えば、可動コア14(図1の(a)参照)とノズルニードル13(図1の(a)参照)が一体に構成されている場合、可動コア14に発生するバウンスは、全てノズルニードル13に伝達される。
したがって、ノズルニードル13に発生するバウンスを小さく抑えるためには、サイドクリアランスCLを大きくとることができない。
本実施形態に係る燃料噴射装置1は、図1の(a)、(b)に示すように、可動コア14とノズルニードル13が別体に構成され、ノズルニードル13の係合溝13cに可動コア14の係合部14aが往復移動可能に係合する構成とした。
この構成によって、可動コア14にバウンスが発生した場合、そのバウンスの少なくとも一部を、係合溝13cと係合部14aで形成されるギャップG2等で吸収できる。
したがって、サイドクリアランスCLを大きくとって可動コア14に発生するバウンスが大きくなっても、ノズルニードル13に発生するバウンスを小さくできる。
すなわち、サイドクリアランスCLを大きくすることができる。
隙間面積比Agcを1.13%以上とする本実施形態を、可動コア14とノズルニードル13が一体に構成される燃料噴射装置1に適用する場合、例えば、サイドクリアランスCLが100μmの場合にノズルニードル13に発生するバウンスが、図3の(a)に二点鎖線で示すバウンスより大きくなる。
したがって、ノズルニードル13に発生するバウンスが許容の範囲内に収まるように、サイドクリアランスCLの上限値を設定すればよい。
ノズルニードル13に発生するバウンスの許容の範囲は、例えば、燃料噴射装置1に要求される性能等に基づいて決定されればよい。
また、隙間面積比Agcの上限値は、ノズルニードル13に発生するバウンスが許容の範囲に収まるような値を、実験計測等によって求めればよい。
以上のように、本実施形態に係る燃料噴射装置1(図1の(a)参照)は、可動コア14(図1の(a)参照)のコア投影面積Acに対する隙間投影面積Agの比である隙間面積比Agcを1.13%以上とすることで、ノズルニードル13(図1の(a)参照)のリフトアップ速度Lvを最大にできるとともに、フルリフト近くまでリフトアップしたときの失速を防ぐ構成とした。
この構成によって、燃料溜まり10b(図1の(a)参照)に溜まる燃料を排出するための補助流路を可動コア14に形成する必要がなくなり、可動コア14の加工工数を増やす必要がない。
したがって、本実施形態に係る燃料噴射装置1は、可動コア14のコストアップを抑えることができるとともに、動作性能の低下を防止できるという優れた効果を奏する。
また、可動コア14(図1の(a)参照)とノズルニードル13(図1の(a)参照)を別体で構成し、ノズルニードル13の第1係止部13c1と可動コア14の係合部14aの間に、ハウジング11(図1の(a)参照)の中心線方向のギャップG2を形成して、可動コア14とノズルニードル13を連結する構成とした。
この構成によって、ギャップG2が解消する間に可動コア14(図1の(a)参照)を適宜加速できるとともに、可動コア14が加速した状態で、係合部14a(図1の(b)参照)を第1係止部13c1(図1の(b)参照)に当接できる。
したがって、停止した状態のノズルニードル13(図1の(b)参照)を燃料入口筒10(図1の(a)参照)の方向に引き寄せるときの初速度を高くすることができ、ノズルニードル13の動作性能を向上できる。
また、ノズルニードル13(図1の(a)参照)がフルリフトしたときに可動コア14(図1の(a)参照)に発生するバウンスの一部を、可動コア14の係合部14a(図1の(b)参照)とノズルニードル13の第1係止部13c1(図1の(b)参照)の間に形成されるギャップG2で吸収することができる。
したがって、ノズルニードル13に発生するバウンスを小さく押さえることができ、可動コア14とハウジング11のガイド部11c(図1の(a)参照)の間のサイドクリアランスCLが大きくなっても、ノズルニードル13に発生するバウンスを小さくできる。
このことによって、例えば可動コア14の直径R1が10.6mmの場合、サイドクリアランスCLの下限は25μmに規制されるが、サイドクリアランスCLの上限は寸法誤差の許容範囲を大きくできる。すなわち、可動コア14、及びハウジング11(図1の(a)参照)の加工精度を落とすことができ、可動コア14、及びハウジング11のコストを下げることができる。
1 燃料噴射装置
10 燃料入口筒(固定コア)
11 ハウジング(ハウジング部)
11a コイル
12 弁ハウジング(ハウジング部)
12a 燃料噴射口
13 ノズルニードル(ニードル)
13c1 第1係止部(係止部)
14 可動コア
14a 係合部
Ac コア投影面積(第2の投影面積)
Ag 隙間投影面積(第1の投影面積)
C1、C2 クリアランス(第2のクリアランス)
CL サイドクリアランス(第1のクリアランス)
G1、G2 ギャップ

Claims (3)

  1. 燃料噴射口を有する円筒型のハウジング部と、
    前記ハウジング部に収容されて固定される固定コアと、
    前記ハウジング部に収容され、当該ハウジング部の内周面にガイドされて当該ハウジング部の中心線方向に往復移動し、前記固定コアに当接・離反する可動コアと、
    前記ハウジング部に収容されて前記可動コアとともに前記中心線方向に往復移動し、前記燃料噴射口を開閉するニードルと、
    前記可動コアを磁化するためのコイルと、を含み、
    前記可動コアは、前記コイルが通電状態のときに磁化して前記固定コアに吸引され、当該固定コアに当接する方向に移動するとともに、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せて前記燃料噴射口を開口する燃料噴射装置であって、
    前記可動コアと前記ハウジング部の間に設けられる第1のクリアランスを前記中心線方向に投影した第1の投影面積が、前記可動コアを前記中心線方向に投影した第2の投影面積の1.13%以上であり、
    前記ニードルと前記可動コアが別体に構成され、前記可動コアは前記ニードルの軸方向に沿って移動可能に嵌め込まれるとともに、
    前記可動コアの内周と前記ニードルの外周の間に、当該可動コアの内周と当該ニードルの外周が接触しない大きさの第2のクリアランスが形成され、
    前記可動コアが磁化して前記固定コアに吸引されるとき、前記可動コアが、前記ニードルに対して移動して加速した状態で当該ニードルに当接して、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せるとともに、
    前記固定コアと前記可動コアの間に溜まる燃料が前記第1のクリアランスを通って前記燃料噴射口の側に排出されることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 燃料噴射口を有する円筒型のハウジング部と、
    前記ハウジング部に収容されて固定される固定コアと、
    前記ハウジング部に収容され、当該ハウジング部の内周面にガイドされて当該ハウジング部の中心線方向に往復移動し、前記固定コアに当接・離反する可動コアと、
    前記ハウジング部に収容されて前記可動コアとともに前記中心線方向に往復移動し、前記燃料噴射口を開閉するニードルと、
    前記可動コアを磁化するためのコイルと、を含み、
    前記可動コアは、前記コイルが通電状態のときに磁化して前記固定コアに吸引され、当該固定コアに当接する方向に移動するとともに、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せて前記燃料噴射口を開口する燃料噴射装置であって、
    前記ニードルが前記固定コアの方向に引き寄せられるリフトアップ時の当該ニードルの速度の低下を、前記ニードルが限界までリフトアップする状態になるまで抑制できる大きさの第1のクリアランスが、前記可動コアと前記ハウジング部の間に設けられ、
    前記ニードルと前記可動コアが別体に構成され、前記可動コアは前記ニードルの軸方向に沿って移動可能に嵌め込まれるとともに、
    前記可動コアの内周と前記ニードルの外周の間に、当該可動コアの内周と当該ニードルの外周が接触しない大きさの第2のクリアランスが形成され、
    前記可動コアが磁化して前記固定コアに吸引されるとき、前記可動コアが、前記ニードルに対して移動して加速した状態で当該ニードルに当接して、前記ニードルを前記固定コアの方向に引き寄せるとともに、
    前記固定コアと前記可動コアの間に溜まる燃料が前記第1のクリアランスを通って前記燃料噴射口の側に排出されることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 前記可動コアは、前記ニードルに形成される係止部に当接・離反する係合部を備え、
    前記係止部は前記係合部よりも前記中心線方向に前記固定コアの側に配置され、
    前記コイルが無通電状態のとき、前記可動コアと前記固定コアの間に前記中心線方向の第1ギャップが形成されるとともに、前記係合部と前記係止部の間に前記中心線方向の第2ギャップが形成され、前記第1ギャップは前記第2ギャップよりも大きく形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
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