JP2013139712A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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泰志 伊藤
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Abstract

【課題】着座によって引き起こされるシート部の耐久性低下や摩耗促進を抑制可能な燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁100は噴孔17を開閉するノズルニードル5と、噴射指令に応じて駆動するコマンドピストン6と、ノズルニードル5とコマンドピストン6とを接続するとともに、フランジ部5aを軸線方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に沿って移動可能に接続するコネクタ7と、ノズルニードル5が着座した状態でコネクタ7が着座可能な位置に設けられるストッパ8とを備える。コネクタ7はさらにフランジ部5aを軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料噴射弁に関する。
燃料噴射弁は一般に噴孔を開閉する弁体がシート部に着座することで閉弁するように構成されている。この点、弁体の構成上、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1または2で開示されている。特許文献1では相互に移動自在に連結されたガイド部とシート部とで構成されたニードルが弁体として開示されている。特許文献2ではノズルニードルとコントロールピストンとを接続部材によって一体的に保持する弁体構成が開示されている。
特開平6−249104号公報 特開平9−32681号公報
弁体が噴孔を開閉するノズルニードルと噴射指令に応じて駆動するコマンドピストンとに分離されていないか、或いはノズルニードルとコマンドピストンとに分離されていても一体となって着座する場合には、重量が大きい分、弁体が着座する際にシート部に作用する衝撃力が大きくなる。このため、この場合には重量が大きい分、シート部の耐久性低下や摩耗促進を招く虞がある。
本発明は上記課題に鑑み、着座によって引き起こされるシート部の耐久性低下や摩耗促進を抑制可能な燃料噴射弁を提供することを目的とする。
本発明は噴孔を開閉するノズルニードルと、噴射指令に応じて駆動するコマンドピストンと、前記ノズルニードルと前記コマンドピストンとを接続するとともに、前記ノズルニードルの被接続部を軸線方向においてクリアランスを有して保持することで、前記ノズルニードルを軸線方向に沿って移動可能に接続するコネクタと、前記ノズルニードルが着座した状態で前記コネクタが着座可能な位置に設けられるストッパとを備える燃料噴射弁である。
本発明は前記コネクタがさらに前記被接続部を軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持することで、前記ノズルニードルを軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続する構成とすることができる。
本発明によれば、着座によって引き起こされるシート部の耐久性低下や摩耗促進を抑制できる。
燃料噴射弁の概略構成図である。 コネクタの単体図である。 燃料噴射弁の動作説明図である。 各種の変化をタイミングチャートで示す図である。
図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
図1は燃料噴射弁100の概略構成図である。燃料噴射弁100は第1のボディ1、第2のボディ2、第3のボディ3および第4のボディ4を備えている。また、主な構成として例えばノズルニードル5とコマンドピストン6とコネクタ7とストッパ8と磁気回路9と第1のスプリング19と第2のスプリング37とを備えている。ボディ1、2、3、4は燃料噴射弁100の先端側からこの順に設けられている。ボディ1、2、3、4は図示しないリテーニングナットを締結することで一体化されている。
第1のボディ1には第1の収容部10が設けられている。第1の収容部10は燃料噴射弁100の軸線方向に沿って延伸しており、ノズルニードル5を摺動自在に収容する。第1の収容部10には先端側から順にシート部11、第1の燃料通路部12、燃料溜まり部13、第1の摺動部14、第1の拡径部15および第1のストッパ設置部16が隣接して設けられている。第1のボディ1には第1の収容部10のほか、噴孔17や第2の燃料通路部18が設けられている。また、ストッパ8や第1のスプリング19が設けられている。
シート部11は第1の収容部10の底部をなしており、円錐内面状の面を有している。シート部11には噴孔17を開閉するノズルニードル5が着座する。噴孔17は第1のボディ1の先端部で内外を連通しており、ノズルニードル5がシート部11に着座した状態で燃料供給が遮断され、ノズルニードル5がリフトした状態で燃料供給が可能になる位置に設けられている。
第1の燃料通路部12はノズルニードル5とともに燃料通路を形成している。この燃料通路は第1の燃料通路部12と第1の摺動部14の径を互いに等しくする一方で、ノズルニードル5のうち、第1の燃料通路部12に対応する部分を第1の摺動部14に対応する部分よりも縮径させることで設けられている。燃料溜まり部13は第1の燃料通路部12よりも拡径した部分となっており、燃料溜まり部13には第2の燃料通路部18が連通している。第1のボディ1において、燃料は第2の燃料通路部18、燃料溜まり部13、第1の燃料通路部12および噴孔17の順に流通する。
第1の摺動部14はノズルニードル5が摺動する部分となっている。第1の拡径部15は第1のスプリング室R1を形成している。第1の拡径部15の径は第1の摺動部14の径よりも大きく設定されている。第1のスプリング室R1にはノズルニードル5を挿通した状態で第1のスプリング19が設けられている。第1のスプリング19はノズルニードル5をシート部11に向かって付勢する。この点、第1のスプリング19に対しては先端側にプレート51および固定プレート52が、後端側にストッパ8がそれぞれ配置されている。
プレート51と固定リング52とはノズルニードル5に設けられている。プレート51は第1のスプリング19のうち、先端側の端部が当接する部分となっており、固定リング52を介して第1のスプリング19の荷重をノズルニードル5に伝達する。ストッパ8は第1のストッパ設置部16に設けられており、ストッパ8には第1のスプリング19のうち、後端側の端部が当接する。ストッパ8はノズルニードル5を挿通可能なリング状の形状を有しており、ボディ1、2に挟まれることで固定されている。第1のストッパ設置部16の径は第1の拡径部15の径よりも大きく設定されている。
第2のボディ2には第2の収容部20と第3の燃料通路部21とが設けられている。第2の収容部20は燃料噴射弁100の軸線方向に沿って延伸しており、コネクタ7を移動自在に収容する。第2の収容部20は第1の収容部10と同心になるように設けられている。第2の収容部20の径は第1の拡径部15の径よりも大きく、且つ第1のストッパ設置部16の径よりも小さく設定されている。第3の燃料通路部21は下流側で第2の燃料通路部18に接続されるように設けられており、第2の燃料通路部18に燃料を供給する。
コネクタ7はノズルニードル5とコマンドピストン6とを接続している。この点、ノズルニードル5は後端部にフランジ部5aを、コマンドピストン6は先端部にフランジ部6aを備えている。フランジ部5a、6aはともに被接続部であり、コネクタ7はフランジ部5aを保持するとともにフランジ部6aを保持することで、ノズルニードル5とコマンドピストン6とを接続する。コネクタ7は具体的にはフランジ部6aについては軸線方向に沿った移動を規制した状態で保持する一方、フランジ部5aについては移動自在に保持する。この点については後に詳述する。
第3のボディ3には第3の収容部30が設けられている。第3の収容部30は燃料噴射弁100の軸線方向に沿って延伸しており、コマンドピストン6を摺動自在に収容する。第3の収容部30は第1の収容部10と同心になるように設けられている。第3の収容部30には先端側から順に第2の拡径部31、第4の燃料通路部32、第2の摺動部33、ダンパー部34および第2のストッパ設置部35が隣接して設けられている。第3のボディ3には第3の収容部30のほか、第5の燃料通路部36が設けられている。また、第2のスプリング37やストッパプレート38やオリフィスブロック39が設けられている。
第2の拡径部31は第2の収容部20とともに第2のスプリング室R2を形成している。第2の拡径部31の径は第2の収容部20の径と同等の大きさに設定されている。第2のスプリング室R2には、コマンドピストン6を挿通した状態で第2のスプリング37が設けられている。第2のスプリング37はコネクタ7をシート部11に向かって付勢する。この点、第2のスプリング37は先端側でコネクタ7に当接するとともに、後端側で第2の拡径部31と第4の燃料通路部32との段差部に当接するように設けられている。
第4の燃料通路部32はコマンドピストン6とともに燃料通路を形成している。この燃料通路は第4の燃料通路部32の径を第2の拡径部31の径よりも小さく、且つ第2の摺動部33の径よりも大きく設定することで設けられている。第2の摺動部33はコマンドピストン6が摺動する部分となっている。ダンパー部34はコマンドピストン6の円板部61を摺動自在に収容している。円板部61はコマンドピストン6のうち、第2の摺動部33に対応する部分よりも後端側で当該部分よりも径が大きく設定された部分となっている。ダンパー部34の径は円板部61の径と同等に設定されている。
ストッパプレート38は第2のストッパ設置部35に設けられている。ストッパプレート38には円板部61が先端側から当接する。そしてこれにより、コマンドピストン6のリフト量が規制されると同時にノズルニードル5のリフト量が規制される。ストッパプレート38はコマンドピストン6のうち、円板部61よりも後端側の部分を挿通可能なリング状の形状を有しており、ボディ3、4に挟まれることで固定されている。第2のストッパ設置部35の径はダンパー部34の径よりも大きく設定されている。
ダンパー部34が形成する空間のうち、円板部61によって仕切られる部分はダンパー室R3となっている。ダンパー室R3はオリフィスブロック39を介して第5の燃料通路部36と連通している。オリフィスブロック39はオリフィス39aを有しており、ダンパー室R3と第5の燃料通路部36との間で燃料の出入りを調整する。そしてこれにより、コマンドピストン6の移動速度が過度に大きくなることを防止する。
第5の燃料通路部36は燃料入口部36aを備えている。第5の燃料通路部36は燃料入口部36aからダンパー室R3、第3の燃料通路部21および第4の燃料通路部32に分岐接続している。第5の燃料通路部36のうち、第3の燃料通路部21に分岐接続している部分は第3の燃料通路部21に燃料を供給する。第5の燃料通路部36のうち、第4の燃料通路部32に分岐接続している部分は第4の燃料通路部32を介してスプリング室R1、R2と連通している。
第4のボディ4には第4の収容部40が設けられている。また、磁気回路9と固定リング41とが設けられている。第4の収容部40は燃料噴射弁100の軸線に沿って延伸しており、第1の収容部10と同心になるように設けられている。第4の収容部40の径はダンパー部34の径と同等に設定されている。第4の収容部40にはコマンドピストン6のうち、円板部61よりも後端側の部分が磁気回路9とともに収容されている。
磁気回路9は固定リング41によって第4の収容部40の後端側に固定されている。第4の収容部40の先端側には図示しない燃料通路を介して燃料入口部36aと連通する空間が設けられている。この点、開弁時に円板部61がストッパプレート38に衝突することで発生し得る跳ね返りに対しては、円板部61、ストッパプレート38間に存在する燃料にスクイーズ力が作用することで防止される。
磁気回路9はアーマチャ91と内部ステータ92と外周ステータ93とボビン94とコイル95とを備えている。磁気回路9ではコイル95に通電することで、アーマチャ91が内部ステータ92に吸引されるようになっており、アーマチャ91にはコマンドピストン6の後端部が固定されている。このため、燃料噴射弁100では噴射指令に応じてコイル95に通電することで、噴射指令に応じてコマンドピストン6が駆動する。
コマンドピストン6は具体的には噴射指令に応じてリフトする。そして、このときコネクタ7で接続されたノズルニードル5もコマンドピストン6とともにリフトする。なお、第4のボディ4は非磁性体であることが好ましい。これにより、磁束の漏れを低減することで磁気回路9の性能を高めることができる。
図2はコネクタ7の説明図である。図2(a)はコネクタ7の上面図である。図2(b)はコネクタ7の正面図である。図2(c)はコネクタ7の下面図である。図2(d)はノズルニードル5とコマンドピストン6とを接続した状態でコネクタ7を示す図である。コネクタ7は円柱状の部材を軸方向に沿って中央の部分を残しつつ面で切り落とした形状を有しており、第1の溝部7a、第2の溝部7b、第3の溝部7cおよび第4の溝部7dを備えている。第1の溝部7aはフランジ部5aを、第2の溝部7bは首部5bを、第3の溝部7cフランジ部6aを、第4の溝部7dは首部6bを軸線方向に直交する方向に沿って挿入可能に設けられている。
首部5bはノズルニードル5のうち、フランジ部5aを形成するにあたって縮径された部分であり、フランジ部5aとノズルニードル5の本体部(ノズルニードル5のうち、フランジ部5aおよび首部5bを除く部分)とを連結する連結部となっている。首部6bはコマンドピストン6のうち、フランジ部6aを形成するにあたって縮径された部分であり、フランジ部6aとコマンドピストン6の本体部(コマンドピストン6のうち、フランジ部6aおよび首部6bを除く部分)とを連結する連結部となっている。
溝部7aから7dは具体的にはコネクタ7のうち、切り落とした部分に形成される平面から、フランジ部5a、首部5b、フランジ部6aおよび首部6bのうち、対応する部位の径に応じた幅で径方向に沿ってそれぞれ延伸するように設けられている。そして、コネクタ7の中央で対応する部位の周縁部に沿った形状の端部を有するように設けられている。
第3の溝部7cの軸線方向に沿った幅はフランジ部6aの軸線方向に沿った全長と同等に設定されている。そしてこれにより、コネクタ7は軸線方向に沿った移動を規制した状態でフランジ部6aを保持する。一方、第1の溝部7aの軸線方向に沿った幅はフランジ部5aの軸線方向に沿った幅よりも大きく設定されている。そしてこれにより、コネクタ7はフランジ部5aを軸線方向に沿って移動自在に保持する。すなわち、コネクタ7は具体的にはこのようにしてフランジ部5aを軸線方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に沿って移動可能に接続する。
このようにノズルニードル5を接続するにあたり、首部5bの軸線方向に沿った長さは第2の溝部7bの軸線方向に沿った長さよりも大きくなるように設定されている。そしてこれにより、コネクタ7がフランジ部5aを軸線方向に沿って移動自在に保持することを可能にする。首部5bの軸線方向に沿った長さは具体的には首部5bの軸線方向に沿った長さから第2の溝部7bの軸線方向に沿った長さを引いた長さが上記クリアランスの大きさよりも大きくなるように設定されている。これにより、上記クリアランスの大きさの範囲内でノズルニードル5を軸線方向に沿って移動自在に保持することができる。
フランジ部5aはさらにコネクタ7と軸芯を合わせた状態で周縁部が第1の溝部7aに当接しないように径が設定されている。そしてこれにより、コネクタ7はフランジ部5aを軸線方向に直交する方向に沿って移動自在に保持する。すなわち、コネクタ7は具体的にはこのようにしてフランジ部5aを軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続する。
このようにノズルニードル5を接続するにあたり、首部5bもフランジ部5aと同様にコネクタ7と軸芯を合わせた状態で周縁部が第2の溝部7bに当接しないように径が設定されている。そしてこれにより、コネクタ7がフランジ部5aを軸線方向に直交する方向に沿って移動自在に保持することを可能にする。この点、ノズルニードル5の軸線方向に直交する方向に沿った移動はフランジ部5aが第1の溝部7aに当接する前に首部5bが第2の溝部7bに当接することによって規制されるようになっていてよい。
コネクタ7はフランジ部5aと同様にして、或いはフランジ部5aの代わりにフランジ部6aを軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持し、コマンドピストン6を軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続することができる。この場合にもコネクタ7と軸芯を合わせた状態で周縁部が第4の溝部7dに当接しないように首部6bの径を設定することで、コネクタ7がフランジ部6aを軸線方向に直交する方向に沿って移動自在に保持することを可能にすることができる。
図3は燃料噴射弁100の動作説明図である。図3(a)は閉弁時、ノズルニードル5が下降中の状態を示す。図3(b)は図3(a)に示す状態に続き、ノズルニードル5がシート部11に着座した瞬間の状態を示す。図3(c)は図3(b)に示す状態に続き、コネクタ7がストッパ8に衝突した状態を示す。図3(d)は図3(c)に示す状態に続き、コネクタ7が跳ね返った状態を示す。
図3(a)に示す状態からノズルニードル5がシート部11に着座した瞬間においては、図3(b)に示すようにフランジ部5aの後端側の面と第1の溝部7aの後端側の面と間にギャップAが存在している。また、コネクタ7の先端側の面とストッパ8の後端側の面との間にギャップBが存在している。ノズルニードル5とコマンドピストン6とはギャップAを最大離間距離として一体的に動作することができる。ギャップAはギャップBよりも大きくなるように設定されている。
そしてかかる設定のもと、ストッパ8はノズルニードル5が着座した状態でコネクタ7が着座可能な位置に設けられている。したがって、ノズルニードル5は単体でシート部11に衝突し、その後にコネクタ7がコマンドピストン6とともにノズルニードル5に衝突することで、シート部11に衝撃が加わることはない。
図3(b)に示す状態から時間が経過すると、図3(c)に示すようにコネクタ7がストッパ8に衝突する。このとき、コネクタ7はコマンドピストン6と一体となってストッパ8に衝突する。コネクタ7がストッパ8に衝突した状態においては、フランジ部5aの先端側の面と第1の溝部7aの先端側の面との間にギャップB相当のギャップB´が形成される。
図3(c)に示す状態から時間が経過すると、図3(d)に示すようにコネクタ7がコマンドピストン6と一体となって跳ね返る。コネクタ7が跳ね返った状態においては、コネクタ7の先端側の面とストッパ8の後端側の面との間にギャップCが形成される。そして、ギャップCがギャップBよりも小さい場合には、フランジ部5aの先端側の面と第1の溝部7aの先端側の面との間にギャップDが形成される。
この点、ギャップBはコネクタ7の跳ね返りによって形成されるギャップCよりも大きくなるように設定されている。ギャップBがギャップCよりも大きくなるように設定するには、ギャップBを例えば20μmから50μm程度の大きさに設定できる。このように設定することで、コネクタ7の跳ね返りに応じてノズルニードル5がリフトする結果、二次噴射が発生することを防止できる。
図4は燃料噴射弁100の動作に応じた各種のパラメータの変化をタイミングチャートで示す図である。図4では各種のパラメータの変化として、燃料噴射時の指令信号の変化、コマンドピストン6のリフト量の変化、ノズルニードル5のリフト量の変化および噴射率の変化を示す。図4ではノズルニードル5とコマンドピストン6とが一体となって着座する場合の変化についても細線で併せて示す。
図4に示すように指令信号が出力されると、これに応じてコマンドピストン6がリフトする。そしてこれにより、コネクタ7を介してノズルニードル5がリフトする結果、燃料噴射弁100が開弁する。噴射率はコマンドピストン6およびノズルニードル5のリフト量が増加するに従って上昇し、コマンドピストン6およびノズルニードル5のリフト量が最大になると一定となる。その後、指令信号の出力が停止すると、ノズルニードル5やコネクタ7は閉弁方向に付勢される。結果、コマンドピストン6およびノズルニードル5のリフト量が減少するとともに、噴射率が低下する。
その後、コマンドピストン6のリフト量はコマンドピストン6がコネクタ7とともに着座時に跳ね返る結果、ゼロになった後に上下に変動し、減衰しながらゼロになる。一方、ノズルニードル5のリフト量はゼロになった後、そのまま安定する。これは、コマンドピストン6がコネクタ7とともに着座する場合には、重量が大きいことから跳ね返りが抑制し切れなくなっている一方で、ノズルニードル5が単体で着座する場合には軽量であることから、跳ね返りが抑制されることによる。この場合には噴射率もゼロになった後、そのまま安定する。
ノズルニードル5およびコマンドピストン6が一体となって着座する場合には、ノズルニードル5がコマンドピストン6とともに着座時に跳ね返る結果、細線で示すようにノズルニードル5のリフト量がコマンドピストン6と同様に変化することで噴射率も変化し、二次噴射が発生する。すなわち、ノズルニードル5およびコマンドピストン6が一体となって着座する場合には、重量が大きいことから跳ね返りを抑制し切れない結果、二次噴射が発生するようになっている。
次に燃料噴射弁100の作用効果について説明する。燃料噴射弁100では、ノズルニードル5とコマンドピストン6とを接続するコネクタ7がフランジ部5aを軸線方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に沿って移動可能に接続している。そして、ノズルニードル5が着座した状態でコネクタ7が着座可能な位置にストッパ8を設けている。
このため、燃料噴射弁100は閉弁時にノズルニードル5を単体でシート部11に衝突させるとともに、コネクタ7をコマンドピストン6とともにストッパ8に衝突させることができる。結果、着座時にシート部11に作用する衝撃力を緩和できることから、着座によって引き起こされるシート部11の耐久性低下や磨耗促進を抑制できる。また、軽量となるノズルニードル5単体をシート部11に着座させることから、ノズルニードル5単体の跳ね返りに起因する二次噴射の発生も容易に防止できる。
燃料噴射弁100ではコネクタ7がさらにフランジ部5aを軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持し、ノズルニードル5を軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続する。このため、燃料噴射弁100は製造時に発生するノズルニードル5とコマンドピストン6との軸芯のずれを吸収することもできる。
燃料噴射弁100はストッパ8に着座したコネクタ7が跳ね返ることでコネクタ7、ストッパ8間に形成されるギャップCよりも、ノズルニードル5が着座した瞬間にコネクタ7、ストッパ8間に形成されるギャップBのほうが大きくなるようにギャップBを設定することで、コネクタ7の跳ね返りに応じてノズルニードル5がリフトすることも防止できる。結果、コネクタ7の跳ね返りに起因して二次噴射が発生することも防止できる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
ノズルニードル 5
フランジ部 5a
コマンドピストン 6
コネクタ 7
ストッパ 8
燃料噴射弁 100

Claims (2)

  1. 噴孔を開閉するノズルニードルと、
    噴射指令に応じて駆動するコマンドピストンと、
    前記ノズルニードルと前記コマンドピストンとを接続するとともに、前記ノズルニードルの被接続部を軸線方向においてクリアランスを有して保持し、前記ノズルニードルを軸線方向に沿って移動可能に接続するコネクタと、
    前記ノズルニードルが着座した状態で前記コネクタが着座可能な位置に設けられるストッパとを備える燃料噴射弁。
  2. 請求項1記載の燃料噴射弁であって、
    前記コネクタがさらに前記被接続部および前記コマンドピストンの被接続部のうち、少なくともいずれか一方を軸線方向に直交する方向においてクリアランスを有して保持し、前記ノズルニードルおよび前記コマンドピストンのうち、少なくともいずれか一方を軸線方向に直交する方向に沿って移動可能に接続する燃料噴射弁。
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