JP5297136B2 - 高所作業車 - Google Patents

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本発明は、車体の左右両側部に一対の駆動装置を有し、この駆動装置の回転方向、回転速度を制御することにより、走行状態を制御して車両を走行させる高所作業車に関する。
工事現場等で高所作業を行う高所作業車においては、車体幅方向に車輪またはクローラ走行体等の駆動装置が設けられたものがある。また、車体の走行速度、移動方向を操作するため、作業者が搭乗可能な作業台に車両の走行速度と移動方向を操作するため操作レバー等の操作手段を有して構成されているものがある。また、このような高所作業車は、広範な建設作業現場内や事業所設備内を効率よく安全に移動するため複数の速度レンジを有し、この速度レンジを切替えて目的にあった走行速度で移動可能に構成された走行制御装置を備えるものが多い。このような変速レンジを有する走行制御装置としては、例えば、油圧ポンプを回転駆動するエンジンの回転数を変化させるもの、可変容量型の油圧モータを用いてモータ容量を変化させるもの、あるいは、これら両者を組み合わせて多段変速とするものなどがある。
ところが、上述したような高所作業車は走行速度の高速化が進み、車両を高速で走行させることが可能になったものの、左右一対に配設された駆動装置のうちいずれか一方の駆動装置を停止させ、停止させた駆動装置を中心に車体を旋回させるピボットターンや、左右の駆動装置を互いに逆方向に回転させることで車体そのものを中心に車体を旋回させるスピンターンのような、曲率半径の小さいターンをする場合に、高速で車体を旋回動させると、車体に大きな遠心力がかかるため、作業台に搭乗した作業者が作業台から振り落とされる虞があるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するため、左右の走行モータ(油圧モータ)に対応して設けられた左右一対の操作レバーと、操作レバーの操作方向と操作量に基づいて、走行モータに供給する油圧の供給方向および供給量を制御する左右一対の比例制御弁を有し、左右の操作レバーのいずれか一方のみが操作されているとき、または左右の操作レバーが互いに逆方向に操作されているときには、上述した変速レンジによる選択に拘わらず左右の走行モータの容量を大きくし、低速高トルクでピボットターンまたはスピンターンをさせるよう制御する高所作業車が周知となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−122150号公報
しかしながら、上述したような高所作業車の場合、左右の操作レバーのうち片方のみが操作され車体がピボットターンした場合または左右の操作レバーを互いに逆方向に操作され車体がスピンターンした場合は常に低速高トルクでターンを行い、ターンを行う度に減速制御されることになる。よって、作業中に直進とターンを繰り返す走行を行う際に、加減速が連続して行われるため、作業者がその加減速により振られ作業中に乗り心地または操作フィーリングが悪化するという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、安全な走行を維持しつつ、作業者の乗り心地または操作フィーリングを良好に保つ高所作業車を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明に係る高所作業車は、回転自在な左走行駆動手段および右走行駆動手段が左右両側部に設けられ走行自在に構成された車体と、左走行駆動手段および右走行駆動手段をそれぞれ駆動する左走行モータおよび右走行モータと、操作されていない状態において中立位置を有し中立位置を中心にして操作可能に構成され、中立位置からの操作量と操作方向に応じて左走行モータおよび右走行モータの回転速度と回転方向を設定可能な左操作手段(例えば、実施形態における左操作レバー31L)および右操作手段(例えば、実施形態における右操作レバー31R)と、走行モータを高速から低速まで多段階の速度モードで回転させるため、速度モードを選択可能に構成された変速段選択手段(例えば、実施形態における速度レンジ選択スイッチ32)と、左操作手段または右操作手段それぞれの中立位置からの操作量と操作方向、および変速段選択手段により選択された速度モードに基づいて、左走行モータおよび右走行モータの回転速度と回転方向を制御する走行制御装置(例えば、実施形態におけるコントローラ40)とを備えた高所作業車において、走行制御装置は、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態から、いずれか一方のみが操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で操作された操作手段に対応した走行モータを回転させ、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置に操作された場合には、操作された状態の操作手段に対応した走行モータを変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度で作動させ、中立位置に操作された操作手段に対応した走行モータを停止させるように制御するように構成されている。
また、本発明に係る高所作業車において、走行制御装置が、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態からいずれか一方のみが操作された場合において、左操作手段の中立位置から左操作手段の操作位置までの変位と右操作手段の中立位置から右操作手段の操作位置までの変位の差分が所定量未満の場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度で操作された操作手段に対応した走行モータを回転させ、差分が所定量以上の場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で操作された操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御することが好ましい。
そして、本発明に係る高所作業車において、走行制御装置が、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ所定量未満操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置若しくは反対方向に操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で操作された操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御することが好ましい。
なお、本発明に係る高所作業車において、走行制御装置は、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ所定時間未満操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置若しくは反対方向に操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で、操作された操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御してもよい。
さらに、本発明に係る高所作業車において、左走行モータおよび右走行モータが可変容量型の油圧モータであって、走行制御装置は、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態から、いずれか一方のみが操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず操作された操作手段に対応した走行モータの容量を大容量とする制御を行い、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置に操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードが高速のときには走行モータの容量を小容量とし、低速のときには走行モータの容量を大容量とする制御を行うことが好ましい。
本発明に係る高所作業車によれば、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態からいずれか一方のみが操作され車体がターンした場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速でターンを行い、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作され車体が直進走行した状態からいずれか一方のみが中立位置に操作され車体がターンした場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度でターンを行うため、直進とターンを繰り返した走行を行っても、加減速が生じないため作業者の乗り心地または操作フィーリングを良好に保つことができる。
また、左操作手段の中立位置から左操作手段の操作位置までの変位と右操作手段の中立位置から右操作手段の操作位置までの変位の差分が所定量未満の場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度で、差分が所定量以上の場合には、変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速で車体をターンさせることにより、左右の操作手段間に微小な差分が発生したときの不要な減速処理(強制的に低速にする処理)を確実に排除することができ、減速処理の精度を上げることができる。
そして、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ所定量未満、または所定時間未満だけ操作され、車体が微速直進走行している状態から、いずれか一方のみが中立位置と反対方向に操作され車体がターンした場合には、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態と同様に強制的に低速で車体をターンさせるため、車体が微速直進走行している状態からターンをさせる場合においても非操作時と同様に、車体が高速で急旋回し作業台に搭乗した作業者が作業台から振り落とされる虞を低減させることができる。
さらに、左走行モータおよび右走行モータが可変容量型の油圧モータであって、左操作手段と右操作手段が共に中立位置にある状態からいずれか一方のみが操作された場合に、操作された操作手段に対応した走行モータの容量を大容量とする制御を行うことで、非操作状態からターンを行う際に強制的に低速高トルクモードで車体をターンさせることが可能になり、作業台に搭乗した作業者が作業台から振り落とされる虞を低減させるとともに、高いパワーで非操作時、または微速直進走行時からのターンを行うことができる。
そして、左操作手段と右操作手段が共に中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作された状態からいずれか一方のみが中立位置に操作された場合には、変速段選択手段において選択された速度モードが高速のときには小容量とし、低速のときには大容量とする制御を行うことにより、直進走行時からターンを行う際に、変速段選択手段で高速に選択されたときは高速低トルクモード、低速に選択されたときは低速高トルクモードで走行させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用した高所作業車1を図1に示す。高所作業車1は、後述する油圧モータ15L,15Rの作動により走行可能に構成された車体3の幅方向の両端部に一対のクローラ式の下部走行体を有した自走式の高所作業車である。以下では、図1の矢印で示す右上方向(F方向)を前方向とし、左下方向(B方向)を後方向とする。車体3の上部には、旋回動自在な旋回台17と旋回台17の下方の車体3の内部に図示しない旋回モータが設けられ、この旋回モータの作動により旋回台17が旋回動するように構成されている。旋回台17の中央部には車体3の前後方向に凹溝19が設けられ、この凹溝19は伸縮ブーム21を格納できるように形成されている。
伸縮ブーム21は入れ子式に構成されて伸縮動自在になっており、伸縮ブーム21の基部が、車体前部の凹溝19上部に立設した一対の枢結板23の内側に枢結されている。伸縮ブーム21の側壁下部と凹溝19の底部間には起伏シリンダ25が枢結され、この起伏シリンダ25を伸縮動させると伸縮ブーム21が起伏動するように構成されている。伸縮ブーム21の先端部には作業者が搭乗可能な作業台27が設けられている。作業台27には図示しないレベリング装置が接続されており、伸縮ブーム21が起伏作動した際にこのレベリング装置が作動することにより作業台27は常に水平状態に保持されるようになっている。作業台27には伸縮ブーム21を起伏・伸縮・旋回動させるブーム操作装置29と、後に詳述する車両の走行速度および方向を操作する走行操作装置30が設けられている。
また、高所作業車1には、車体3の走行速度または方向等を制御可能な走行速度制御装置100が設けられている。この走行速度制御装置100は、図2のブロック図に示すように、駆動装置10と、前述した走行操作装置30と、コントローラ40と、油圧ユニット50から構成され、これらは図3のブロック系統図に示すように接続されている。以下、図1〜3を参照しながら、走行速度制御装置100について説明する。
駆動装置10(左側駆動装置10L,右側駆動装置10R)は、それぞれクローラベルト9L,9Rと、クローラベルト9L,9Rを駆動するためクローラベルト9L,9Rの車体後方の内側に設けられた駆動輪11L,11R(図1では右側の駆動輪11Rのみを図示)と、クローラベルト9L,9Rを案内するためクローラベルト9L,9Rの車体前方の内側に設けられた左右の遊動輪13L,13R(図1では右側の遊動輪13Rのみを図示)と、左右の駆動輪11L,11Rを回転駆動させるため駆動輪11L,11Rの内側に設けられた可変容量型油圧モータである左油圧モータ15Lおよび右油圧モータ15R等を有して構成されている。
油圧モータ15L,15Rは、作動油室(不図示)に油圧を供給することによって、モータ軸を回転駆動させるとともに、斜板室(不図示)に油圧を作用させることによって斜板角を2段階(大容量または小容量)に変化させることが可能となっており、油圧モータ15L,15Rの作動油室を大容量としたときには高トルク型として、小容量としたときには低トルク型として、回転駆動することが可能になっている。
走行操作装置30は、車両の走行速度レンジを高速・中速・低速の3段階に選択する速度レンジ選択スイッチ32と、中立位置からの操作方向(前後方向)および傾動操作量に応じて左右のクローラベルト9L,9Rの回転方向および回転速度をコントロール可能な左右一対の操作レバー31L,31R等を備えている。走行操作装置30は、図示省略するポテンショメータが内蔵されており、左操作レバー31Lまたは右操作レバー31Rが傾動操作されると、操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に応じた電圧値を操作信号として出力するようになっている。走行操作装置30は、この操作信号と、速度レンジ選択スイッチ32の選択状況をコントローラ40に送信するように構成されている。なお、図4に示すように、操作レバー31L,31Rの中立位置から最大許容操作点までの変位は、前方側については+M、後方側については−Mとなっており、操作レバー31L,31Rは−M〜+Mの間で傾動操作が可能になっている。
コントローラ40は、走行操作装置30の操作により送信された操作信号を受信し、当該操作信号に基づいて、移動速度、移動方向等を計算した後、車体3を走行させるために必要な制御信号を油圧供給源である油圧ユニット50(後に詳述)に出力する。また、コントローラ40は、車体3が直進走行しているか否かに関する情報を示す直進フラグに基づいて後述する油圧ユニット50等の制御を行い、この直進フラグには数字の「0」または「1」が設定されるようになっている。具体的には、操作レバー31L,31Rを互いに同一方向に同操作量だけ共に±M/4以上傾動操作して車体3が直進走行している状態をコントローラ40が検知したときには「1」が設定され、操作レバー31L,31Rによる操作がない状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)をコントローラ40が検知したときには「0」が設定されるようになっている(後に詳述)。このように、コントローラ40は、直進フラグに設定されている値を参照または更新した後、油圧ユニット50に制御信号を送信するように構成されている。
油圧ユニット50は、コントローラ40により送信された制御信号に従って作動する油圧供給源であり、エンジンにより駆動される油圧ポンプPによって油圧を発生させるとともに、発生させた油圧を前述した制御信号に基づいて油圧モータ15L,15R等の各油圧アクチュエータに供給する。油圧ユニット50は、タンクT内の作動油を吸入して油圧を発生させるエンジン駆動の油圧ポンプPと、左右の油圧モータ15L,15Rの作動油室の容積を大容量と小容量の2段階に変化させるモータ容量切替弁52と、左右一対の比例制御弁であるコントロールバルブ51L,51Rと、エンジンの回転を高速モードと低速モードの2段階に変化させることにより油圧ポンプPの吐出流量を2段階に変化させるエンジン回転数制御回路54等により構成されている。
コントロールバルブ51L,51Rは、油圧モータ15L,15Rそれぞれに対応して並列に設けられ、バルブ開度をアナログ的に変化させる比例制御弁であり、操作レバー31L,31Rの中立位置からの操作方向および傾動操作量に応じてコントローラ40から出力される制御信号により、油圧ポンプPによって発生した油圧を油圧モータ15L,15Rに供給するよう構成される。モータ容量切替弁52は、コントローラ40からの制御信号に基づいて開閉制御され、油圧モータ15L,15Rの斜板室に油圧を作用させてモータ容量を大容量か小容量に変化させるようになっている。また、図3に示すように、油圧ユニット50は、左右の油圧モータ15L,15Rに供給するポンプ吐出油量と各モータ容量を左右一体として切り替えられる一方、左右のコントロールバルブ51L,51Rにより、左右の操作レバー31L,31Rそれぞれの中立位置からの操作方向および傾動操作量に応じて各々個別にバルブ開度を変化させることが可能になっている。
以上のように構成された高所作業車1において、直進走行または回転移動を行う際には、作業台27に搭乗する作業者が、走行操作装置30に配設された速度レンジ選択スイッチ32および操作レバー31L,31Rを操作することによってポテンショメータが出力した操作信号(電圧値)をコントローラ40に送信する。コントローラ40はこの操作信号を受信し、車体3の作動のために必要な移動速度等を計算した後、油圧ユニット50に制御信号を出力する。そして、この制御信号に基づいてモータ容量切替弁52やコントロールバルブ51L,51R等の作動が開始され、油圧モータ15L,15Rを駆動して、左右の駆動輪11およびクローラベルト9L,9Rを回転させることにより車体3を走行させることができる。
以下では、第1実施形態の高所作業車1における走行速度制御装置100の作動を、(1)両操作レバー31L,31Rを共に前方(または後方)にM/4以上傾動操作して車体3を直進走行させる場合、(2)非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)または両操作レバー31L,31Rを共に前方(または後方)にM/4未満だけ傾動操作して車体3を微速で直進走行させている状態からピボットターンさせる場合、(3)操作レバー31L,31Rを共に前方(または後方)にM/4以上傾動操作して車体3を直進走行させている状態からピボットターンさせる場合について、図5〜8を参照しながらそれぞれ説明する。
図5は、コントローラ40が操作レバー31L,31Rの傾動操作が行われたか否かを検出した後、車体3の減速制御または出力設定等を行う制御を示したフローチャートであり、この傾動操作の検出から出力決定までの一連の制御の流れは、エンジンを稼働させている間は所定の時間(例えば0.1秒)毎に繰り返し実行されており、操作レバー31Lまたは31Rによる操作が行われていない(操作レバー31L,31R共に中立位置にある)ときは、非操作状態であると判断し(S101でYes)、前述した直進フラグに「0」を設定した後(S102)操作の検出処理を終了する。
図6〜8は、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rの操作位置を変化させたときの状態を示した平面図であり、図6(a)に示すように、方形状の枠51内には水平方向線分51Hと垂直方向線分51Vが示されており、水平方向線分51Hの両端と方形状枠51の左右の片53の接点は、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rの中立位置を示している。垂直方向線分51Vは、操作レバー31L,31Rの傾動方向を示し、方形状枠51の上下の片55の両端位置が操作レバー31L,31Rの最大許容操作点(+M、−M)を示している。また、「・」印は、操作レバー31L,31Rが傾動操作されたときの操作位置を示し、「○」印は、操作レバー31L,31Rの操作位置に応じコントローラ40により設定される走行速度に対応する操作レバー31L,31Rの位置を示している。換言すると、「・」印はコントローラ40に入力される操作信号の入力値に対応する操作レバー31L,31Rの操作位置を示し、「○」印は、コントローラ40により出力される走行速度に対応する操作レバー31L,31Rの位置を示す。
以下、操作レバー31L,31Rを共に同一方向に同一操作量だけ最大許容操作点まで(+M/4以上)傾動操作させ、車体3を直進走行させる場合の走行速度制御装置100の作動について、図6を参照しながら説明する。図6(a)に示すように、操作レバー31L,31Rを共に中立位置から前方(図6において上方)の最大許容操作点に操作すると、操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に応じた左操作信号(電圧値)と右操作信号(電圧値)がコントローラ40に出力される。コントローラ40がこの操作信号を受信した後、図5に示すように、非操作状態でないと判断し(S101でNo)、左右の操作レバー31L,31Rが互いに同一方向に同操作量で中立位置から±M/4以上傾動操作されていると判断し(S103でYes)、その後、直進フラグに「1」を設定する(S104)。
その後、コントローラ40は、速度レンジ選択スイッチ32により選択された速度レンジに対応する制御を行う。例えば、選択された速度レンジが「低速」のときには、エンジン回転数制御回路54がエンジンの回転を低速モードとしモータ容量切替弁52が油圧モータ15L,15Rの容量を大容量とする(以下、低速高トルクモードと称する)。また、選択された速度レンジが「中速」のときには、エンジン回転数制御回路54がエンジンの回転を高速モードとしモータ容量切替弁52が油圧モータ15L,15Rの容量を大容量とする(以下、中速中トルクモードと称する)。そして、選択された速度レンジが「高速」のときには、エンジン回転数制御回路54がエンジンの回転を高速モードとしモータ容量切替弁52が油圧モータ15L,15Rの容量を小容量とする(以下、高速低トルクモードと称する)制御を行う(S108)。この制御を行った後、油圧モータ15L,15Rを選択された速度レンジに対応する速度で回転駆動させることにより、駆動輪11およびクローラベルト9L,9Rが回転を始め車体3が直進走行を開始する。このようにして、直進走行を行う場合には、選択された速度レンジが「低速」のときは低速高トルクモード、「中速」のときは中速中トルクモード、「高速」のときは高速低トルクモードで走行させることが可能となり、作業者の意思表示に沿った速度レンジにおける走行が許容される。
また、図6(b)は左操作レバー31Lおよび右操作レバー31Rが中立位置にある状態、さらに、図6(c)は左操作レバー31Lおよび右操作レバー31Rが中立位置から 後方へ最大許容操作点に至る傾動操作量まで傾動された状態を示している。これらの作動は前述した図6(a)の作動に準じるのでその詳細な説明は省略するが、図6(b)では車体3が停止し、図6(c)では車体3は後方へ直進走行する。
なお、操作レバー31L,31Rを共に中立位置から同一方向に同一操作量だけ±M/4未満だけ傾動操作し、車体3を微速で直進走行させる場合も±M/4以上傾動操作した場合と同様に作動するが、図5に示すように、ステップS103でNo、ステップS105でYesと判断することで、直進フラグに「1」が設定されない点でのみ異なる。
次に、操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある非操作状態から片方の操作レバーを操作し車体3をピボットターンさせる場合について、図7を参照しながら説明する。図7は、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)から、左操作レバー31Lまたは右操作レバー31Rのいずれか一方のみを前方(または後方)へ傾動させる状態遷移を示している。なお、以下では、速度レンジ選択スイッチ32により選択される速度レンジは「高速」とし、また、左操作レバー31Lのみを中立位置から前方へ傾動操作させる例について説明する。
この場合、左操作レバー31Lの中立位置からの傾動操作量に応じポテンショメータから出力された操作信号(電圧値)がコントローラ40に送信される。コントローラ40は、図5に示すように、操作が行われたことを検出し(S101でNo)、その後、左操作レバー31Lのみが中立位置から前方に傾動操作されるので、コントローラ40は、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rが互いに同一方向に操作されていないと判定し(S103およびS105でNo)、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)から操作しているため直進フラグには「0」が設定された状態であると判定する(S106でNo)。
その後、コントローラ40は、速度レンジ選択スイッチ32により選択されている速度レンジが「高速」または「中速」に設定されていても、速度レンジを「低速」に設定したときと同様の制御を行う。すなわち、エンジン回転数制御回路54がエンジンの回転を低速モードにするとともに、モータ容量切替弁52が油圧モータの容量を大容量とする(低速高トルクモードとする)制御を行う(S107およびS108)。
その後、左油圧モータ15Lが、速度レンジ選択スイッチ32の設定、または操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に関係なく、低速高トルクモードで回転駆動する。そして、車体3が、右駆動装置10を旋回中心として、右方向に低速高トルクモードでピボットターンする。
なお、上記では、左操作レバー31Lのみを前方へ傾動操作して車体3をピボットターンさせる例について説明したが、非操作状態(両操作レバーともに中立位置にある状態)から左操作レバー31Lのみを後方へ傾動操作させる場合、または、非操作状態から右操作レバー31Rのみを前方(または後方)に傾動操作させる場合にておいても同様に、速度レンジ選択スイッチ32の設定内容および操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に関係なく、車体3は低速高トルクモードでピボットターンする。
また、操作レバー31L,31Rを共に中立位置からM/4未満だけ傾動操作し微速直進走行させた後ピボットターンを行う場合においても同様に、直進フラグに「0」が設定されており、図5に示すように、ステップS103でNoと判定されるため、速度レンジ選択スイッチ32の設定内容および操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に関係なく、低速高トルクモードでピボットターンを行う。
このようにして、非操作状態または微速直進走行させた状態からピボットターンを行う場合には、速度レンジ選択スイッチ32を「高速」(または「中速」)とし、また、作業者が操作レバー31Lまたは31Rを最大許容操作点まで大きく動かした場合であっても、コントローラ40が、エンジンの回転を低速モードにするため、クローラベルト9Lまたは9Rをゆっくり低速で回転駆動させることが可能となり、車体3が急旋回し作業者が作業台27上で振り回される等の問題を回避することができる。また、このときは油圧モータ15L,15Rの容量を大容量とし低速高トルクモードで走行させるため高いパワーで車体3をピボットターンさせることができる。
次に、操作レバー31L,31Rを共に中立位置からM/4以上傾動操作し、直進走行している状態から片方の操作レバー31L,31Rのみを中立位置に戻し車体3をピボットターンさせる場合について、図8を参照しながら説明する。図8(a)は操作レバー31L,31Rを共に前方に最大許容操作点(±M/4以上でもよい)まで傾動させて前方に直進走行させた状態から、左右のうちいずれか一方の操作レバー31L, 31Rを中立位置まで戻しピボットターンさせる状態遷移を示している。なお、以下では、速度レンジ選択スイッチ32で選択される速度モードは「高速」の設定とし、右操作レバー31Rのみを中立位置へ傾動操作させる例について説明する。
この場合、右操作レバー31Rを中立位置に移動させたときの操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に応じた操作信号(電圧値)がコントローラ40に送信される。このときコントローラ40は、図5に示すように、操作が行われたことを検知し(S101でNo)、その後、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rが互いに同一方向に操作されていないと判定し(S103およびS105でNo)、そして、操作レバー31L,31Rを共に同一方向に傾動操作させ直進走行している状態から操作しているため、直進フラグには「1」が設定されていると判定する(S106でYes)。
そして、この場合、コントローラ40は、速度レンジ選択スイッチ32において選択された速度レンジに対応する制御を行う。具体的には、選択された速度レンジが「低速」のときには低速高トルクモード、「中速」のときには中速中トルクモード、また、「高速」のときには高速低トルクモードにする制御を行う(S108)。その後、右油圧モータ15Rを停止させ、左油圧モータ15Lが、速度レンジ選択スイッチ32で選択された速度レンジおよび操作レバー31Lの中立位置からの傾動操作量に対応した速度で回転する。このため、車体3は、直進走行状態から右駆動装置10Rを旋回中心として右方向に速度レンジ選択スイッチ32で選択した速度レンジに対応した速度でピボットターンする。
なお、上記の説明では、操作レバー31L,31Rを共に中立位置からM/4以上傾動操作して直進走行させその後右操作レバー31Rのみを中立位置へ戻して車体3をピボットターンさせる例について説明したが、直進走行させた後左操作レバー31Lのみを中立位置へ戻した場合においても同様に右操作レバー31Rの中立位置からの傾動操作量および速度レンジ選択スイッチ32により選択された速度レンジに対応した速度で、車体3は左駆動装置10Lを旋回中心として左方向にピボットターンを行う。
また、後方へ直進走行している状態からピボットターンする場合についても、図8(b)に示すように、前方へ直進走行している状態からピボットターンさせるときと同様、右操作レバー31Rを中立位置に操作したときには右駆動装置10Rを旋回中心として右方向に、左操作レバー31Lを中立位置に操作したときには左駆動装置10Lを旋回中心として左方向に、操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量および速度レンジ選択スイッチ32により選択された速度レンジに対応した速度でピボットターンを行う。
このようにして、操作レバー31L,31Rを共に中立位置からM/4以上傾動操作して直進させその後ピボットターンさせる場合においては、速度レンジ選択スイッチ32により選択された速度レンジが「低速」のときには低速高トルクモード、「中速」のときには中速中トルクモード、「高速」のときには高速低トルクモードで走行させることが可能となり、作業者の意思表示に沿った速度レンジにおける走行が許容される。
次に、第2実施形態の高所作業車1における走行制御装置100の作動を、図9または図10を参照しながら説明する。第2実施形態における高所作業車1および走行制御装置100の構成については、第1実施形態と同様であるが、コントローラ40により行われる作動制御のみが第1実施形態と異なる。以下ではこの異なる部分についてのみ説明する。図9は、コントローラ40が、操作レバー31L,31Rによる傾動操作を検出した後、減速制御または出力設定等を行う制御を示したフローチャートである。図9のステップS206の部分に示すαは、左操作レバー31Lの中立位置からの変位と右操作レバー31Rの中立位置からの変位の差分と比較し減速制御を行うか否かを判断するための閾値であり、上記差分を検出した結果、差分が閾値α未満である場合には減速制御(S207)を行わないようになっている(詳細は後述)。この閾値αは0以上M未満の間で任意に設定可能となっており、以下では閾値αをM/2、速度レンジ選択スイッチ32により選択される速度モードは「高速」に設定している状態について説明する。
車体3が、操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態から、左右の操作レバー31L,31Rのいずれか一方のみを前方(または後方)に3M/4(閾値α以上の値)だけ傾動操作しピボットターンさせる場合について説明する。図10(a)は、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)から、左操作レバー31Lのみを3M/4だけ前方へ傾動操作させる状態遷移を示している。この場合、左操作レバー31Lの中立位置からの傾動操作量に応じポテンショメータから出力された操作信号(電圧値)がコントローラ40に送信される。その後、コントローラ40は、図9に示すように、操作が行われたことを検出し(S201でNo)、その後、左操作レバー31Lのみが傾動操作されるので、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rが互いに同一方向に操作されていないと判断し(S203およびS205でNo)、また、左操作レバー31Lのみを3M/4だけ前方へ傾動操作したので両操作レバー間の距離はα未満ではないと判断し(S206でNo)、そして、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)からレバーを操作しているため直進フラグには「0」が設定された状態になっていると判定する(S207でNo)。その後、コントローラ40は、速度レンジ選択スイッチ32により選択されている速度レンジが「高速」または「中速」に設定されていても、速度レンジを「低速」にしたときと同様の制御を行う。すなわち、エンジン回転数制御回路54がエンジンの回転を低速モードにするとともに、モータ容量切替弁52が油圧モータの容量を大容量とする制御を行う(S208およびS209)。
そして、左油圧モータ15Lが、速度レンジ選択スイッチ32の設定、または操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量(操作信号)に関係なく低速高トルクモードで回転駆動する。そして、車体3は、右側駆動装置10Rを旋回中心として、右方向に低速高トルクモードでピボットターンする。
なお、上記の説明では、左操作レバー31Lのみを中立位置から前方へ3M/4だけ傾動操作して車体3をピボットターンさせる例について説明したが、左操作レバー31Lのみを中立位置から後方へ3M/4だけ傾動操作させピボットターンさせた場合、また、右側操作レバー31Rのみを中立位置から前方(または後方)へ3M/4だけ傾動操作させてピボットターンさせた場合においても同様に、速度レンジ選択スイッチ32の設定内容および操作レバー31L,31Rの中立位置からの傾動操作量に関係なく低速高トルクモードで作動する。
次に、車体3が、操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態から、左右の操作レバー31L,31Rのいずれか一方のみを前方(または後方)に3M/8(閾値αより小さい値)だけ傾動操作しピボットターンさせる場合について説明する。図10(b)は、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置にある状態)から、左操作レバー31Lのみを3M/8だけ前方へ傾動操作させる状態遷移を示している。この場合、左操作レバー31Lの中立位置からの傾動操作量に応じポテンショメータから出力された操作信号(電圧値)がコントローラ40に送信される。コントローラ40は、図9に示すように、操作が行われたことを検出し(S201でNo)、その後、左操作レバー31Lのみが中立位置から操作されるので、左操作レバー31Lと右操作レバー31Rが互いに同一方向に操作されていないと判断し(S203およびS205でNo)、また、左操作レバー31Lのみを中立位置から3M/8だけ前方へ傾動操作したので両操作レバー間の距離はα未満であると判断する(S206でYes)。
その後、コントローラ40は、速度レンジ選択スイッチ32において選択された速度レンジに対応する制御を行う。例えば、選択された速度レンジが「低速」のときには、エンジン回転数制御回路54およびモータ容量切替弁52が低速高トルクモードに、「中速」のときには中速中トルクモードに、「高速」のときには高速低トルクモードにする制御を行う(S208)。この制御を行った後、左油圧モータ15Lを回転駆動させることにより、駆動輪11Lおよびクローラベルト9Lが回転を始め、車体3が、右側駆動装置10Rを旋回中心として、右方向にピボットターンを開始する。このようにして、左操作レバー31Lのみを中立位置から3M/8(前述したα未満の値)だけ前方へ傾動操作しピボットターンを行う場合には、選択された速度レンジが「低速」のときは低速高トルクモード、「中速」のときには中速中トルクモード、「高速」のときには高速低トルクモードで車体3を走行させることが可能となり、作業者の意思表示に沿った速度レンジにおける走行が許容される。
なお、上記の説明では、左操作レバー31Lのみを前方へ3M/8(閾値αより小さい値)だけ傾動操作して車体3をピボットターンさせる例について説明したが、左操作レバー31Lのみを後方へ3M/8だけ傾動操作させた場合、また、右操作レバー31Rのみを前方(または後方)へ3M/8だけ傾動操作させてピボットターンさせた場合においても同様に、速度レンジ選択スイッチ32において選択された速度レンジに対応する速度で車体3を走行させることができる。
以上、上述した各実施形態において、非操作状態(操作レバー31L,31Rが共に中立位置の状態)または微速直進走行状態からピボットターンさせる場合には、操作レバーの中立位置からの傾動操作量、または速度レンジ選択スイッチの選択状況に拘わらず、低速高トルクモードで回転させることにより、速度レンジ選択スイッチにより選択された速度レンジが「高速」または「中速」であり、また操作レバーを最大許容操作点まで操作したとしても急旋回することがないため、作業者が作業台から振り落とされる虞を低減させることができる。
そして、上述した各実施形態において、両操作レバーを前方または後方に傾動操作し直進走行している状態からピボットターンさせる場合には、操作レバーの傾動操作量(操作信号)および速度レンジ選択スイッチで選択された速度レンジに対応した速度で回転させることにより、直進走行とターンの繰り返し操作を行っても加減速が発生しないため、作業者が振られ乗り心地が悪化することがなく、作業者の操作フィーリングを向上させることができる。
上述した第2実施形態においては、コントローラによる操作レバーの操作検出時に、左操作レバーの中立位置からの変位と右操作レバーの中立位置からの変位の差分を検出し、検出した差分とあらかじめ設定している閾値とを比較し、差分が閾値未満のときには減速を行わないことにより、左右の操作レバー間で微小な距離が生じたときの不要な減速制御を確実に排除することができ、また、上述した閾値を任意で設定できるようにすることにより、減速制御の精度を上げることができる。
また、上述した各実施形態においては、車体を非操作状態からピボットターン、または直進走行からピボットターンさせる操作がなされたときの例についてのみ説明したが、ピボットターンに限られることなく、非操作状態からスピンターン、または直進走行からスピンターンをした際においても同様の効果を得ることができる。
上述した各実施形態では、高速・中速・低速の3段階で選択可能な速度レンジ選択スイッチ32を用いた例についてのみ説明したが、3段階に限られることなく、高速モードと低速モードの2段階以上で選択可能であれば、何段階の速度レンジ選択スイッチを用いてもよい。
また、上述した各実施形態においては、油圧ユニットにより車体を走行させるための出力を油圧的に制御する例についてのみ説明したが、これに限られることなく、操作レバーの傾動操作によりポテンショメータにより出力された操作信号(電圧値)に、0より大きく1未満の補正係数を乗じた値を出力値とする等して、電気的に出力を制御するようにしてもよい。
そして、上述した各実施形態では、車体が直進走行状態か微速直進走行状態かの判断を、図4のS103または図9のS203に示すように、両操作レバーを共に中立位置から±M/4以上変位させたか否かで行っていたが、±M/4に限られることなく、0〜±Mの範囲で任意に設定することができる。なお、上述したように、操作レバーの中立位置からの変位で直進走行状態か微速直進走行状態かの判断を行うのではなく、両操作レバーを中立位置から移動させた時間を計測し、所定の時間を超過したときに直進走行状態に遷移させるようにしてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、本発明を高所作業車に適用した例について説明したが、これに限られることなく、他の車両、例えばクレーン車やショベル車等に適用してもよい。
本発明に係る走行制御装置を備える高所作業車を示す斜視図である。 本発明に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。 上記走行制御装置の接続関係を詳細に示すブロック図である。 傾動操作位置を説明するため操作レバーを拡大して示した図である。 第1実施形態における走行制御装置およびコントローラの作用を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態における、直進走行時の走行速度制御装置の作用を説明するための図であり、(a)は前進走行、(b)は停止状態、(c)は後進走行するときの操作レバーの位置を表したものである。 第1実施形態における、二本の操作レバーが中立位置にある非操作状態からピボットターンをした際における走行速度制御装置の作動を説明するための図である。 第1実施形態における、直進走行している状態からピボットターンをした際における走行速度制御装置の作動を説明するための図であり、(a)は前進走行している状態から、(b)は後進走行している状態から、それぞれピボットターンをした際における操作レバーの位置を表したものである。 第2実施形態における走行操作装置コントローラの作用を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態における、二本の操作レバーが中立位置にある非操作状態からピボットターンをした際における走行速度制御装置の作動を説明するための図であり、(a)は左操作レバーを3M/4だけ前方に操作したときの図、(b)は3M/8だけ前方に操作した状態を示している。
符号の説明
1 高所作業車(車両)
3 車体
10L 左側駆動手段(左走行手段)
10R 右側駆動手段(右走行手段)
15L 左油圧モータ(左走行モータ)
15R 右油圧モータ(右走行モータ)
31L 左操作レバー(左操作手段)
31R 右操作レバー(右操作手段)
32 速度レンジ選択スイッチ(変速段選択手段)
40 コントローラ(走行制御装置)

Claims (5)

  1. 回転自在な左走行駆動手段および右走行駆動手段が左右両側部に設けられ走行自在に構成された車体と、
    前記左走行駆動手段および前記右走行駆動手段をそれぞれ駆動する左走行モータおよび右走行モータと、
    操作されていない状態において中立位置を有し前記中立位置を中心にして操作可能に構成され、前記中立位置からの操作量と操作方向に応じて前記左走行モータおよび前記右走行モータの回転速度と回転方向を設定可能な左操作手段および右操作手段と、
    前記走行モータを高速から低速まで多段階の速度モードで回転させるため、前記速度モードを選択可能に構成された変速段選択手段と、
    前記左操作手段または前記右操作手段それぞれの中立位置からの操作量と操作方向、および前記変速段選択手段により選択された速度モードに基づいて、前記左走行モータおよび前記右走行モータの回転速度と回転方向を制御する走行制御装置とを備えた高所作業車において、
    前記走行制御装置は、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置にある状態から、いずれか一方のみが操作された場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で前記操作された前記操作手段に対応した走行モータを回転させ、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置に操作された場合には、前記操作された状態の前記操作手段に対応した走行モータを前記変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度で作動させ、前記中立位置に操作された前記操作手段に対応した走行モータを停止させるように制御することを特徴とする高所作業車。
  2. 前記走行制御装置は、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置にある状態から、いずれか一方のみが操作された場合において、
    前記左操作手段の中立位置から前記左操作手段の操作位置までの変位と前記右操作手段の中立位置から前記右操作手段の操作位置までの変位の差分が所定量未満の場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに対応した速度で前記操作された前記操作手段に対応した走行モータを回転させ、
    前記差分が前記所定量以上の場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で前記操作された前記操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の高所作業車。
  3. 前記走行制御装置は、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ所定量未満操作された状態から、いずれか一方のみが前記中立位置若しくは反対方向に操作された場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で前記操作された前記操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の高所作業車。
  4. 前記走行制御装置は、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ所定時間未満操作された状態から、いずれか一方のみが前記中立位置若しくは反対方向に操作された場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず低速側の速度モードに対応した速度で、前記操作された前記操作手段に対応した走行モータを回転させるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の高所作業車。
  5. 前記左走行モータおよび前記右走行モータが可変容量型の油圧モータであって、
    前記走行制御装置は、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置にある状態から、いずれか一方のみが操作された場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードに拘わらず前記操作された前記操作手段に対応した走行モータの容量を大容量とする制御を行い、
    前記左操作手段と前記右操作手段が共に前記中立位置から互いに同一方向に同一操作量だけ操作された状態から、いずれか一方のみが中立位置に操作された場合には、前記変速段選択手段において選択された速度モードが高速のときには前記走行モータの容量を小容量とし、低速のときには前記走行モータの容量を大容量とする制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高所作業車。
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