JP5297122B2 - 建設機械のキャブ - Google Patents

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Description

本発明は、ヒンジ構造およびそれを用いた建設機械のキャブ、特に、ドアを壁に対して約180度回動させて開けられるように取り付けるためのヒンジ構造を用いた建設機械のキャブに関する。
近年、油圧ショベルやホイルローダ、ブルドーザ等の建設機械には、オペレータが乗降するための乗降用ドアが取り付けられたキャブが搭載されている。
建設機械の場合には、ドアを約180度開いた状態でオペレータが運転操作を行うようなケースがある。そこで、例えば、特許文献1には、180度の開閉角度を確保するために、2つの回動軸を含む2軸ヒンジを採用したヒンジ構造が開示されている。
特開2005−88885号公報(平成17年4月7日公開)
しかしながら、上記従来の建設機械用のキャブでは、以下に示すような問題点を有している。
2軸のヒンジ構造では、各回動軸の回動角が所定の角度に規制されており、それによりヒンジ構造全体の角度が規制されている。例えば、約180度回動するための2軸のヒンジ構造では、各回動軸が90度ずつ回動するように設定されている。
しかし、製造時の誤差が生じることから、その誤差を吸収するためにストッパの各当接部間に本来の隙間角度以上の大きさの隙間角度を確保する必要があるが、その場合は以下のような不具合が生じる。
例えば、キャブの側壁側ヒンジと中間羽根部材を90度回動可能とするストッパと、中間羽根部材とドア側ヒンジを90度回動可能とするストッパとを設けたヒンジ構造において、ドアが閉じた状態でドア側ヒンジの当接部が中間羽根部材の当接部に対して90度以上の隙間角度(例えば、92度)が設けられるように製造したとする。この場合、ドアには水漏れ防止用のシールの反力が常に作用するので、ドアを閉じた状態で、ドア側ヒンジが中間羽根部材に対して90度以上回動した状態になり、一方、中間羽根部材はドア側ヒンジに対して90度以下回動した状態になる。このような状態では、キャブとドアの間に隙間ができてしまい、水漏れや外観悪化の問題が生じる。
本発明の課題は、ドアを閉じた状態でドアと壁との間に隙間が生じにくいヒンジ構造を提供することにある。
第1の発明に係る建設機械のキャブは、ドアを壁に対して約180度回動するように取り付けられるヒンジ構造を備えた建設機械のキャブであって、ヒンジ構造は、第1部材と、第2部材と、中間部材と、ストッパと、を有している。第1部材は、壁に固定されている。第2部材は、ドアに固定されている。中間部材は、第1部材および第2部材に対してそれぞれ第1回動軸および第2回動軸回りに回動自在に連結される。ストッパは、第1回動軸および第2回動軸の少なくとも一方の回動角度を規制するための構造であり、中間部材における上下2箇所に設けられており、第2部材側の一部と当接することでドア閉じ側の回動を規制するとともに、中間部材に対して進退することでドア閉じ側の回動角度を調整するための調整部材を有している。
このヒンジ構造では、ドアの開閉時に、第2部材は中間部材に対して第2回動軸回りに回動し、中間部材は第1部材に対して第1回動軸回りに回動する。この結果、ドアは壁に対して閉じた状態と180度開いた状態のとの間で移動する。
このヒンジ構造では、ストッパにおいて、本来の隙間角度以上の隙間角度が設けられるように各部材を製造・組立して、その後に調整部材によってストッパが本来の隙間角度で機能するように調整できる。以上より、ドアを閉じたときには、ドアと壁との間に隙間が生じにくい。
の発明に係る建設機械のキャブは、第1の発明に係る建設機械のキャブであって、調整部材はネジ部材である。
このヒンジ構造では、ネジ部材を回しながら移動させて、当接部同士の隙間を埋めることができる。
の発明に係る建設機械のキャブは、第1またはの発明に係る建設機械のキャブであって、ストッパは、調整部材が当接可能な硬質部材をさらに有している。
このヒンジ構造では、ストッパは調整部材と硬質部材によって構成されており、調整部材は硬質部材に当接して支持される。したがって、調整部材に当接する部分に摩耗が生じにくい
本発明に係る建設機械のキャブによれば、ドアを閉じた状態でドアと壁との間に隙間が生じにくくなる。
[実施形態1]
本発明の一実施形態に係るヒンジ構造を採用した建設機械のキャブを搭載した油圧ショベル1について、図1を用いて説明すれば以下の通りである。
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、機器室9と、キャブ10と、を備えている。
下部走行体2は、進行方向左右両端部分に巻き掛けられた履帯Pを回動させることで、油圧ショベル1を前進、後進させるとともに、上面側に旋回台3を旋回可能な状態で搭載している。
旋回台3は、下部走行体2上において、任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、キャブ10とを搭載している。
作業機4は、ブーム11と、ブーム11の先端に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端に取り付けられたバケット13とを含むように構成されている。そして、作業機4は、図示しない油圧回路に含まれる各油圧シリンダ11a,12a,13a等によって、ブーム11やアーム12、バケット13等を上下に移動させながら、土砂や砂礫等の掘削を行う土木工事の現場において作業を行う。
カウンタウェイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために旋回台3上におけるエンジンルーム6の後方に設けられている。
エンジンルーム6は、カウンタウェイト5に隣接するように、図示しないメインフレーム上における旋回台3の後端部に配置されている。また、エンジンルーム6は、内部にエンジン等の収納空間を形成している。そして、エンジンルーム6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための動力源であるエンジンやアフタークーラ等を内部の収納空間に収納している。
機器室9は、作業機4の後方に配置されており、図示しない燃料タンク、作動油タンクおよび操作弁等を収容する。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。また、キャブ10の左側面には、図1に示すように、ヒンジ29,30を回動中心として開閉可能な乗降用ドア20が取り付けられている。ヒンジ29,30は、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部19との連結部分における上部と下部に形成された凹部にそれぞれ取り付けられている。また、キャブ10の左側面に設けられた乗降用ドア20は、180度開いた状態で係止構造26によって係止される。これにより、キャブ10内のオペレータは、乗降用ドア20を180度開いた状態で油圧ショベル1の運転を行うことができる。
[ヒンジ29,30の構造]
(a)基本的な構造
本実施形態では、キャブ10に乗り降りするための乗降用ドア20を、ヒンジ29,30を介してキャブ10の側面に開閉可能な状態で取り付けている。ヒンジ29,30は、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部19の連結部分における上下の端部から所定の距離だけ内側に形成された切欠き部分にそれぞれ取り付けられている。なお、ドア20と側壁部19において互いに最も近接した側方の端部を、両部材の端部20a,19aとして説明する。
以下では、ヒンジ29,30のうち、上部に取り付けられたヒンジ29を例としてあげて説明するが、下部に取り付けられたヒンジ30についても基本的な構成は共通である。なお、以下の説明では、図1左側を前側とし、図1右側を後側として説明する。
ヒンジ29は、図2〜図4に示すように、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部19の端部20a,19a同士を連結するように設けられており、第1部材31と、第2部材32と、中間部材33とから主に構成されている。ヒンジ29は、2つの回動軸36,37を有する2軸タイプのヒンジである。なお、図2〜図4は、ドア20が閉じられているときのヒンジ29の状態を示している。
第1部材31は、側壁部19に固定された部材である。第1部材31は、図から明らかなように、上下方向に長く延びる形状を有しており、また、ドア20の外側方向にも一定の長さを有している。第1部材31の上下両側には、第1回動軸36を回動自在に支持するための第1支持部31aが形成されている。
第2部材32は、ドア20に固定された部材である。第2部材32は、図に示すように、上下方向に長く延びる概ね板状の部材である。また、第2部材32の上下両側には、第2回動軸37を回動自在に支持するための第2支持部32aが形成されている。
中間部材33は、概ね長方形の板状の本体を有している。中間部材33は、さらに、第1回動軸36を構成する芯棒が挿入された軸筒33aと、第2回動軸37を構成する芯棒が挿入された軸筒33bとを有している。軸筒33aは本体の後側に設けられ、軸筒33bは本体の前側に設けられている。第1回動軸36および第2回動軸37は鉛直方向上下にそれぞれ延びている。
ドア20が閉じた状態では、中間部材33と第2部材32は、第1部材31から前側に概ね平行に延びている。そして、この状態で、中間部材33は、図5〜図8の各(a)に示すように、乗降用ドア20および側壁部19の外側の面に沿って配置されている。
図2〜図4に示すように、第2回動軸37はドア20の端部20aに設けられ、さらに、第1回動軸36は端部20aから中間部材33の幅に対応した所定距離だけ離間した位置に設けられている。
この実施例では、第1回動軸36では軸の締め代を第2回動軸37より小さく設定し、回動抵抗を付与している。したがって、第2回動軸37の方が第1回動軸36より回動しやすくなっている。なお、軸の締め代を小さく設定する技術としては、軸筒33a,33b内のブシュの一部に小径部を設けたり、軸筒33a内にブシュとは別部材で締め代をきつくしたカラーを挿入したりすることが考えられる。
(b)ストッパの構造
次に、各部材の回動角度を規制するストッパについて説明する。ヒンジ29は、第1ストッパ(41,42)と、第2ストッパ(43,44)とを有している。第1ストッパ(41,42)は、第1部材31と中間部材33の回動角度を規制するための構造である。第2ストッパ(43,44)は、中間部材33と第2部材32の回動角度を規制するための構造である。
(b−1)第1ストッパ
第1ストッパ(41,42)は、第1部材31と中間部材33の回動角度を約90度に規制しており、ドア閉じ側ストッパ41と、ドア開き側ストッパ42とを有している。
ドア閉じ側ストッパ41は、中間部材33が第1部材31に対して時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第1部材31の第1部分51と、中間部材33の第2部分52とから構成されている。第1部分51は、図4に示すように、第1部材31の前側面の上下方向中央部に形成された突起である。第2部分52は、図4に示すように、中間部材33の裏側面の上下方向中央部に形成された突起である。第1部分51と第2部分52は、ドア20が閉じられた状態で、図4および図8(a)に示すように、第1回動軸36の回動方向に沿って互いに当接している。
ドア開き側ストッパ42は、中間部材33が第1部材31に対して反時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第1部材31の第3部分53と、中間部材33の第4部分54とから構成されている。第3部分53は、図4に示すように、第1部材31の前側面の上側部に形成された突起である。第4部分54は、図3に示すように、中間部材33の側部の上側部に形成された突起である。第3部分53と第4部分54は、ドア20が180度開いた状態で、図6(b)に示すように、第1回動軸36の回動方向に沿って互いに当接している。
(b−2)第2ストッパ
第2ストッパ(43,44)は、図8(b)および図9に示すように、中間部材33と第2部材32の回動角度を約90度に規制しており、ドア閉じ側ストッパ43と、ドア開き側ストッパ44とを有している。
ドア閉じ側ストッパ43は、第2部材32が中間部材33に対して時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第2部材32の第5部分55と、中間部材33の第6部分56とから構成されている。第5部分55は、図4および図9に示すように、第2部材32の裏側の後側部分の上下方向両側部分から後方に延びる一対の突起32bに設けられた断面円形のピンである。このピンは、突起32bの材料に比べて硬度が高い硬質材料から形成されている。したがって、第5部分55はボルトの先端に当接しても摩耗しにくい。第6部分56は、図4および図9に示すように、中間部材33に設けられたボルトである。中間部材33には上下方向両側から突出する突起33cが形成され、突起33cにはネジ穴33dが形成され、ネジ穴33dにはボルトが螺合している。より具体的には、ボルトは、中間部材33の突起33cに形成されたネジ穴33dに表側から螺合して、先端が裏側に突出している。第5部分55と第6部分56(具体的には、ボルトの先端)は、ドア20が閉じられた状態で、図5(a)および図9に示すように、第2回動軸37の回動方向に沿って互いに当接している。
第6部分56であるボルトは、中間部材33に対して回動させることで軸方向に移動して、第5部分55との隙間角度を調整可能である。これにより、ドア閉じ側ストッパ43の規制角度が調整される。
ドア開き側ストッパ44は、第2部材32が中間部材33に対して反時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第2部材32の第7部分57と、中間部材33の第8部分58とから構成されている。第7部分57は、図4に示すように、第2部材32の裏側の後側端部の上下方向中央部に形成された突起である。第8部分58は、図3に示すように、中間部材33の表側の前側の上下方向中央部に形成された突起である。第7部分57と第8部分58は、ドア20が180度開いた状態で、図8(b)に示すように、第2回動軸37の回動方向に沿って互いに当接している。
[ヒンジ29,30の動作]
次に、乗降用ドア20開閉時におけるヒンジ29,30の動きについて説明する。図5〜図8のそれぞれの(a)はドア20が閉じた状態を示しており、図5〜図8のそれぞれの(b)はドア20が180度開いた状態を示している。なお、各図では二点鎖線を用いてドア20が90度開いた状態の部材の姿勢も示しているが、この姿勢はドア20が閉状態から180度開状態に移行している途中であり、その反対ではない。
a)開動作
ドア20が閉じた状態では、図8(a)に示すように、第1ストッパ(41,42)のドア閉じ側ストッパ41によって、中間部材33は第1部材31に対して時計回りに回動することができない。また、図5(a)に示すように、第2ストッパ(43,44)のドア閉じ側ストッパ43によって、第2部材32は中間部材33に対して時計回りに回動することができない。
この状態から、油圧ショベル1のオペレータが乗降用ドア20を開けていくと、まず、図8(b)に示すように、第2回動軸37において乗降用ドア20が回動していく。つまり、第2部材32が中間部材33に対して反時計回りに回動していく。そのため、中間部材33は第1部材31に対して姿勢を変えないが、第2部材32が回動して第2ストッパ(43,44)のドア閉じ側ストッパ43において第5部分55が第6部分56から離れていく。
オペレータがさらに乗降用ドア20を開いていって第2部材32が中間部材33に対して90度回動すると、図8(a)に示すように、第2ストッパ(43,44)のドア開き側ストッパ44において第8部分58(二点鎖線)が第7部分57に当接する。
オペレータがさらに乗降用ドア20を開いていくと、第2部材32と中間部材33は一体になって、第1部材31に対して第1回動軸36を中心に回動する。つまり、第2回動軸37もそれら部材とともに移動する。この結果、第1ストッパ(41,42)のドア閉じ側ストッパ41において第2部分52が第1部分51から離れていく。
オペレータがさらに乗降用ドア20を開いていくと、図6(b)に示すように、第1ストッパ(41,42)のドア開き側ストッパ42において、第3部分53が第4部分54に当接する。これにより、第2部材32および中間部材33は、第1部材31に対して回動を停止する。この状態では、第1部材31に対して中間部材33が90度回動しており、さらに中間部材33に対して第2部材32が90度回動しており、言い換えると、第2部材32が第1部材31に対して180度回動している。
以上より、ドア20は180度開いた状態になり、ドア開き動作が終了する。
この状態で、乗降用ドア20は、側壁部19に対して平行になる全開状態になっており、係止構造26において、ドア20のフック28が側壁部19の係止部27に係止されている。つまり、乗降用ドア20が側壁部19に固定される。なお、ヒンジ29の角度規制の精度が高くなっているので、ドア20は係止構造26によって側壁部19に確実に係止される。言い換えると、係止構造26においては、フック28が係止部27の位置に正確に移動させられる。
b)閉動作
ドア20が開いた状態では、図6(b)に示すように、第1ストッパ(41,42)のドア開き側ストッパ42によって、中間部材33は第1部材31に対して反時計回りに回動することができない。また、図8(b)に示すように、第2ストッパ(43,44)のドア開き側ストッパ44によって、第2部材32は中間部材33に対して反時計回りに回動することができない。
この状態から、油圧ショベル1のオペレータが乗降用ドア20を閉じていくと、まず、第2回動軸37において乗降用ドア20が回動していく。つまり、第2部材32が中間部材33に対して時計回りに回動していく。そのため、中間部材33は第1部材31に対して姿勢を変えないが、第2部材32が回動して第2ストッパ(43,44)のドア開き側ストッパ44において第8部分58が第7部分57から離れていく。
オペレータがさらに乗降用ドア20を開いてくと、第2部材32が中間部材33に対して90度回動して、第2ストッパ(43,44)のドア閉じ側ストッパ43において第5部分55が第6部分56に当接する。
オペレータがさらに乗降用ドア20を閉じていくと、第2部材32と中間部材33は一体になって、第1部材31に対して第1回動軸36を中心に回動する。つまり、第2回動軸37もそれら部材とともに移動する。この結果、第1ストッパ(41,42)のドア開き側ストッパ42において第3部分53が第4部分54から離れていく。
オペレータがさらに乗降用ドア20を閉じていくと、第1ストッパ(41,42)のドア閉じ側ストッパ41において、第2部分52が第1部分51に当接する。これにより、第2部材32および中間部材33は、第1部材31に対して回動を停止する。
以上より、ドア20は閉じた状態になり、ドア閉じ動作が終了する。
以上のように、この実施形態では、第1回動軸36より第2回動軸37における軸の締め代を小さく設定しているため、ドア開動作では、第2部材32のみが回動する第1段階と、第2部材32と中間部材33が回動する第2段階とを経て、乗降用ドア20を段階的に全開状態まで移行させることができる。また、ドア閉動作でも、第2部材32のみが回動する第1段階と、第2部材32と中間部材33が回動する第2段階とを経て、乗降用ドア20を段階的に閉状態まで移行させることができる。
[本実施形態の特徴]
(A)
ヒンジ29は、ドア20を側壁部19に対して約180度回動するように取り付けられるヒンジ構造であって、第1部材31と、第2部材32と、中間部材33と、ストッパ43とを備えている。第1部材31は、側壁部19に固定される。第2部材32は、ドア20に固定される。中間部材33は、第1部材31および第2部材32に対してそれぞれ第1回動軸36および第2回動軸37回りに回動自在に連結される。ストッパ43は、第2回動軸37の回動角度を規制するための構造であり、ドア閉じ側の回動角度を調整するための第6部分56を有している。第6部分56は、中間部材33の突起33cに螺合したボルトである。また、第6部分56に対向する第5部分55は、第2部材32の突出部32aに固定された断面円形のピンまたは球である。
このヒンジ構造では、ドア20の開閉時に、第2部材32は中間部材33に対して第2回動軸37回りに回動し、中間部材33は第1部材31に対して第1回動軸36回りに回動する。この結果、ドア20は側壁部19に対して閉じた状態と180度開いた状態のとの間で移動する。
このヒンジ構造では、ストッパ43において、本来の隙間角度以上の隙間角度が設けられるように各部材を製造・組立して、その後に第6部分56であるボルトによってストッパ43が本来の隙間角度で機能するように調整できる。以上より、ドア20を閉じたときには、ドア20と側壁部19との間に隙間が生じにくい。
(B)
ストッパ43の第6部分56は、隙間角度を調整可能なボルトである。したがって、ボルトを回しながら移動させることで、当接部同士の回動角度を調整できる。このようにして、ストッパの回動角度を簡単にかつ正確に調整できる。
(C)
第5部分55であるピンまたは球は、第2部分32を構成する材料より硬度が高い材料からなっている。
このヒンジ構造では、ストッパ43は第5部分55と第6部分56によって構成されており、第6部分56は第5部分55に当接して支持される。したがって、第2部材32に摩耗が生じにくい。
この実施例では、ストッパ43に調整部材が採用されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、他のストッパに調整部材が採用されても良い。
[第2実施形態]
図10〜図17を用いて、本発明の他の実施形態としてのヒンジ60について説明する。なお、前記実施形態と同様の構造については説明を簡略または省略している。
(a)ヒンジの構造
ヒンジ60は、第1部材61と、第2部材62と、中間部材63とから主に構成されている。ヒンジ60は、2つの回動軸66,67を有する2軸タイプのヒンジである。なお、図10は、ドアが閉じられているときのヒンジ60の状態を示している。
第1部材61は、側壁部に固定された部材である。第1部材61は、図11に示すように、上下方向に長く延びる形状を有しており、また、第1部材61は、図12に示すように、ドアの外側方向にも一定の長さを有している。第1部材61の上下両側には、第1回動軸66を回動自在に支持するための第1支持部61aが形成されている。
第2部材62は、ドアに固定された部材である。第2部材62は、図13から明らかなように、上下方向に長く延びる概ね板状の部材である。また、第2部材62の上下両側には、第2回動軸67を回動自在に支持するための第2支持部62aが形成されている。
中間部材63は、概ね長方形の板状の本体を有している。中間部材63は、さらに、第1回動軸66を構成する芯棒が挿入された軸筒部63bと、第2回動軸67を構成する芯棒が挿入された軸筒部63cとを有している。図15に示すように、軸筒部63bと軸筒部63cは鉛直方向上下にそれぞれ延びている。
(b)ストッパの構造
次に、各部材の回動角度を規制するストッパについて説明する。なお、ここでは、ドア閉じ側ストッパである第1ストッパ71と、第2ストッパ72とについてのみ説明する。
(b−1)第1ストッパ
第1ストッパ71は、第1部材61と中間部材63の回動角度を約90度に規制するためのドア閉じ側ストッパである。
第1ストッパ71は、中間部材63が第1部材61に対して時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第1部材61の第1部分81と、中間部材63の第2部分82とから構成されている。第1部分81は、第1部材61に固定されたボルトである。図11および図12に示すように、第1部材61の前側面の上下方向中央部から前側に延びるように形成された突起91が形成されており、突起91にはネジ穴91aが形成され、ネジ穴91aには前述の第1部分81としてのボルトが螺合している。ボルトは、ネジ穴91aに対して裏側から挿入され、表側に突出している。第2部分82は、図15および図16に示すように、中間部材63の裏側面の上下方向中央部に埋め込まれた球である。第1部分81(ボルトの先端)と第2部分82は、ドアが閉じられた状態で、第1回動軸66の回動方向に沿って互いに当接している。
(b−2)第2ストッパ
第2ストッパ72は、第2部材62と中間部材63の回動角度を約90度に規制するためのドア閉じ側ストッパである。
第2ストッパ72は、第2部材62が中間部材63に対して時計回り側に回動した場合の限界を実現するものであり、第2部材62の第3部分83と、中間部材63の第4部分84とから構成されている。第3部分83は、第2部材62に固定されたボルトである。図13および図14に示すように、第2部材62には上下方向両側の端部から後方に延びる突起92が形成されており、突起92にはネジ穴92aが形成され、ネジ穴92aには前述の第3部分83としてのボルトが螺合している。ボルトは、ネジ穴92aに対して裏側から挿入され、表側に突出している。第4部分84は、図15および図16に示すように、中間部材63の裏側面の上下方向両端部に埋め込まれた球である。第3部分83(ボルトの先端)と第4部分84は、ドアが閉じられた状態で、第2回動軸67の回動方向に沿って互いに当接している。
この実施形態でも前記実施形態と同様の効果が得られる。例えば、このヒンジ構造では、第1ストッパ71または第2ストッパ72において、本来の隙間角度以上の隙間角度が設けられるように各部材を製造・組立して、その後に第1部分81または第3部分83であるボルトによって第1ストッパ71または第2ストッパ72が本来の隙間角度で機能するように調整できる。以上より、ドアを閉じたときには、ドアと側壁部との間に隙間が生じにくい。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態1,2では、油圧ショベル1に搭載されたキャブ10の乗降用ドア20を開閉するためのヒンジ29,30に対して、本発明に係るヒンジ構造を採用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、クレーン車やブルドーザ、ホイルローダ、モータグレーダ等の他の建設機械に搭載されたキャブのドアを開閉するためのヒンジに対して、本発明のヒンジ構造を採用してもよい。
特に、上述した実施形態のような油圧ショベルやクレーン車のように、運転中に乗降用ドアを180度全開にした状態で作業を行う可能性がある建設機械に搭載されたキャブに対して採用されることが好ましい。
本発明のヒンジ構造は、ドアを閉じた状態でドアと壁との間に隙間が生じにくいという効果を奏することから、各種ドアや扉の開閉部分に用いられるヒンジに対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係るヒンジ構造を採用したキャブを搭載した油圧ショベル全体の構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係るヒンジ構造の側面図。 ヒンジ構造を表側から見た斜視図。 ヒンジ構造を裏側から見た斜視図。 図2のV−V断面図であり、(a)はドアが閉じられた状態を示す図であり、(b)はドアが180度開かれた状態を示す図である。 図2のVI−VI断面図であり、(a)はドアが閉じられた状態を示す図であり、(b)はドアが180度開かれた状態を示す図である。 図2のVII−VII断面図であり、(a)はドアが閉じられた状態を示す図であり、(b)はドアが180度開かれた状態を示す図である。 図2のVIII−VIII断面図であり、(a)はドアが閉じられた状態を示す図であり、(b)はドアが180度開かれた状態を示す図である。 第2ストッパのドア閉じ側ストッパの調整部材を説明するための概略図。 第2実施形態におけるヒンジ構造の概略図。 ヒンジ構造の第1部材の平面図。 ヒンジ構造の第1部材の正面図。 ヒンジ構造の第2部材の平面図。 ヒンジ構造の第2部材の正面図。 ヒンジ構造の中間部材の平面図。 ヒンジ構造の中間部材の正面図。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 エンジンルーム
9 機器室
10 キャブ
11 ブーム
11a 油圧シリンダ
12 アーム
12a 油圧シリンダ
13 バケット
13a 油圧シリンダ
19 側壁部(壁)
19a 端部
20 乗降用ドア(ドア)
20a 端部
26 係止構造
27 係止部
28 フック
29 ヒンジ
30 ヒンジ
31 第1部材
31a 第1支持部
32 第2部材
32a 第2支持部
33 中間部材
33a 軸筒
33b 軸筒
33c 突起
33d ネジ穴
36 第1回動軸
37 第2回動軸
41 ドア閉じ側ストッパ
42 ドア開き側ストッパ
43 ドア閉じ側ストッパ(ストッパ)
44 ドア開き側ストッパ
51 第1部分
52 第2部分
53 第3部分
54 第4部分
55 第5部分(硬質部材)
56 第6部分(調整部材、ネジ部材)
57 第7部分
58 第8部分
60 ヒンジ(ヒンジ構造)
61 第1部材
61a 第1支持部
62 第2部材
62a 第2支持部
63 中間部材
63b 軸筒部
63c 軸筒部
66 第1回動軸
67 第2回動軸
71 第1ストッパ(ストッパ)
72 第2ストッパ(ストッパ)
81 第1部分(調整部材、ネジ部材)
82 第2部分(硬質部分)
83 第3部分(調整部材、ネジ部材)
84 第4部分(硬質部分)
91 突起
91a ネジ穴
92 突起
92a ネジ穴

Claims (3)

  1. ドアを壁に対して約180度回動するように取り付けられるヒンジ構造を備えた建設機械のキャブであって、
    前記ヒンジ構造は、
    前記壁に固定される第1部材と、
    前記ドアに固定される第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材に対してそれぞれ第1回動軸および第2回動軸回りに回動自在に連結される中間部材と、
    前記第1回動軸および前記第2回動軸の少なくとも一方の回動角度を規制するための構造であり、前記中間部材における上下2箇所に設けられており、前記第2部材側の一部と当接することで前記ドア閉じ側の回動を規制するとともに、前記中間部材に対して進退することで前記ドア閉じ側の前記回動角度を調整するための調整部材を有るストッパと、を有している、
    建設機械のキャブ
  2. 前記調整部材はネジ部材である、
    請求項1に記載の建設機械のキャブ
  3. 前記ストッパは、前記調整部材が当接可能な硬質部材をさらに有している、
    請求項1または2に記載の建設機械のキャブ
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