JP5295512B2 - ゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体の製造方法 - Google Patents

ゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体を製造する方法に関するものである。本発明によって提供されるゼロ価ニッケル錯体は、カップリング反応、オレフィン類の重合やオリゴメリゼーション、酸無水物の脱カルボニル脱炭酸反応によるオレフィン合成などの触媒として有用である。
ゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体の合成法に関しては、いくつかの方法が知られているが、代表的なものとして(1)ホスフィン化合物の共存下で、2価ニッケル化合物を還元する方法、あるいは(2)2価またはゼロ価ニッケル錯体とホスフィン化合物との配位子交換反応による方法が挙げられる。
(1)の方法としては、(a)例えば非特許文献1に記載の、無水ビス(アセチルアセトナト)ニッケルをトリフェニルホスフィン存在下に、トリエチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムで還元する方法、(b)例えば非特許文献2に記載の、ハロゲン化ニッケルのビス(第三級ホスフィン)錯体をナトリウムで還元する方法、(c)例えば非特許文献3に記載の、無水塩化ニッケルをトリフェニルホスフィンの存在下に、亜鉛で還元する方法、(d)例えば非特許文献4に記載の、電気分解による方法が挙げられる。
一方、(2)の方法としては(e)例えば非特許文献5に記載の、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルとホスフィン化合物との配位子交換による方法、(f)例えば非特許文献6に記載の、ビス(π−アリル)ニッケルとホスフィン化合物との反応による方法、(g)例えば非特許文献7に記載の、ニッケロセンとホスフィン化合物との反応による方法などが挙げられる。
Inorg.Synth.,13,124(1972) Inorg.Chim.Acta.,12,167(1975) J.Am.Chem.Soc.,74,4370(1952) J.Organomet.Chem.,23,C30(1970) Inorg.Synth.,17,117(1977) Angew.Chem.,73,756(1961) J.Org.Chem.,66,7539(2001)
しかしながら(1)、(2)のいずれの公知方法もゼロ価ニッケルのホスフィン錯体を工業的に有利に製造するには問題点が多い。
(a)では極めて発火性の高いアルキルアルミニウムを化学量論量使用する必要があり、無水ビス(アセチルアセトナト)ニッケルも水和物を0.001mmHg以下の高真空下、90℃で8時間と厳密に乾燥したものを使用する必要がある上に、収率も低いことから工業的に適した方法とはいえない。(b)についても、禁水性のナトリウムを過剰に用いる必要がある上に、収率が低く、精製も煩雑であるという問題がある。(c)については、無水塩化ニッケルを使用しているが、安価な水和物と比べて必然的に高価である。また、有機溶媒への溶解度が低いため、溶媒使用量の増加や、それに伴って精製工程が煩雑になるなどの問題がある。(d)についても、工業的規模で行なうには特殊な設備を必要とし、また生産効率も悪いため、満足し得るものではない。(e)では、収率は高いが、原料に用いるビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルは、無水ビス(アセチルアセトナト)ニッケルを1,5−シクロオクタジエンの存在下、トリエチルアルミニウムで還元して合成する必要があるため、(1)と同様の理由から適しているとはいえない。
(f)では、原料に用いるビス(π−アリル)ニッケルを、ハロゲン化アリルとマグネシウムから調製したグルニャール試薬とハロゲン化ニッケルから煩雑な操作により合成する必要がある上に、ビス(π−アリル)ニッケルは揮発性が高く発火性を有しているため取り扱いが困難である。また、(g)においては、収率はほぼ定量的であり、原料のニッケロセンは空気、水分に対して比較的安定であるため取り扱いやすいが、シクロペンタジエンと塩化ニッケルから煩雑な操作により合成する必要がある。
このように何れの方法も高価な原料、あるいは設備を必要とするためコストがかかる上、生成物の分離精製が煩雑であるという問題を有しており、さらに多量の廃棄物を排出するため環境負荷の観点からも好ましいものではない。
しかして、本発明の目的は、前記従来技術に鑑み、カップリング反応、オレフィン類の重合やオリゴメリゼーション、酸無水物の脱カルボニル脱炭酸反応によるオレフィン合成などの触媒として有用なゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体を、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、安価かつ工業的に入手可能なハロゲン化ニッケル水和物を有機ホスフィン配位子と反応させた後、引き続いて還元性金属と反応させることにより生成するゼロ価ニッケルのホスフィン錯体が、単純なろ過操作により副生成物を含む反応液から容易に分離され、高純度かつ高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)反応溶媒中、ハロゲン化ニッケル水和物を、一般式(1)
Figure 0005295512
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。)で表される単座のホスフィン配位子、あるいは一般式(2)
Figure 0005295512
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。また、R'は炭素数1〜8までのアルキレン基、アリーレン基、フェロセニレン基を表す。)で表される二座のホスフィン配位子の存在下に、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくとも1種類の金属によって還元し、一般式(3)
Figure 0005295512
(式中、Lが一般式(1)で表される単座のホスフィン配位子を表す場合、n=3または4であり、Lが一般式(2)で表される二座のホスフィン配位子を表す場合、n=2である)で表されるゼロ価ニッケル錯体を生成し、一般式(3)で表される前記ゼロ価ニッケル錯体を、前記反応溶媒中に析出させる工程、を含み、前記反応溶媒としてアセトンを使用することを特徴とするゼロ価ニッケル錯体の製造方法であり、
(2)ハロゲン化ニッケル水和物として塩化ニッケル六水和物を用いる前記(1)記載の製造方法であり、
(3)還元剤として亜鉛を用いる前記(1)記載の製造方法であり、
)一般式(3)においてn=4であり、かつ一般式(1)で表されるホスフィン化合物がトリフェニルホスフィンである、前記(1)記載の製造方法。
本発明によれば、カップリング反応、オレフィン類の重合やオリゴメリゼーション、酸無水物の脱カルボニル脱炭酸反応によるオレフィン合成などの触媒として有用なゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体を提供することができる。本発明の方法によれば、危険性の高い物質を使用したり、煩雑な操作を必要とすることなく、比較的安価に高純度かつ高収率でゼロ価ニッケルのホスフィン錯体を製造することが可能である。これにより、高価な原料を多量に必要とするためコストがかかる、収率が低い、分離精製が煩雑である、多量の廃棄物を排出する、などの公知の方法における問題点を解決できる。上記の理由から、本発明はゼロ価ニッケルのホスフィン錯体の工業的製造方法として極めて有利である。
本発明で実施される反応の形態としては、一般に、ハロゲン化ニッケルに対するホスフィン化合物の配位反応を実質的に完了するまで進行させ、ハロゲン化ニッケルのビス(第三級ホスフィン)錯体を調製するが、これを単離することなく、続けて還元剤となる金属を添加して、発生したゼロ価ニッケルにホスフィン化合物がさらに配位して、ゼロ価ニッケル錯体が生成する。
本発明に使用するハロゲン化ニッケルの水和物としては、例えば塩化ニッケル六水和物、臭化ニッケル三水和物、ヨウ化ニッケル六水和物が挙げられる。
本発明においてゼロ価ニッケルの配位子として使用する、前記一般式(1)で表されるホスフィン化合物としては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類や、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(フルオロフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリ(α−ナフチル)ホスフィンなどのトリアリールホスフィン類、ジフェニルシクロヘキシルホスフィンなどのジアリールアルキルホスフィン類、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンなどのジアルキルアリールホスフィン類などが挙げられる。また、R、RおよびRは二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるホスフィン化合物としては、例えば、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどが挙げられる。
ゼロ価ニッケル錯体におけるニッケル原子に対するリン原子の最大配位数は4である。したがって、ホスフィン配位子の使用量は、リン原子の総モル数がニッケル1モルに対して4以上である必要がある。反応条件下でのゼロ価ニッケル錯体の安定性を高めるには、配位子の使用量は過剰であることが望ましいが、あまり多すぎても、配位子の損失などにより必ずしも経済的に好ましくないことを考慮すると、上記のモル比が4〜10であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。
ハロゲン化ニッケルに対するホスフィン化合物の配位反応は、通常、0〜100℃、特に20〜50℃で反応を行なうのが好ましい。また、反応時間は、反応温度にもよるが、0.5〜3時間で完了しうる。また、使用する溶媒によっては、ハロゲン化ニッケルの水和水が反応混合物から分離することがあるが、還元剤である金属を添加する前に除去してもよい。
本発明に使用する還元剤としては、ニッケルより陽性である金属が使用されるが、反応中にニッケルハロゲン化物の水和水と反応しないものである必要があることから、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルトが好ましく、亜鉛が最も好ましい。還元剤は微粉砕状であることが好ましいが、粒径が1〜100μm程度のものが特に好ましい。金属表面の酸化物を除去して活性化する目的で、希塩酸で洗浄した後、水で濯いでから乾燥したものを用いてもよい。
還元剤に使用量については、通常、還元されるニッケルの量に対して化学量論量(1モル比)必要である。しかし過剰に使用した場合、ろ過により得られた粗製のゼロ価ニッケル錯体中に金属が残留して、これをそのまま触媒反応に用いると好ましくない影響を与える可能性がある。粗製の錯体は、いったん適当な溶媒に溶解した後に残留した金属をろ過などの方法により除去した後に再結晶などにより精製してもよいが、煩雑な分離精製を回避するという点から、金属は反応により実質的に完全に消費されることが望ましい。したがって還元剤の使用量は、ニッケル1モルに対して、0.9〜1.1、特に0.95〜1.0が好ましい。
還元反応は、通常、−20〜50℃、特に0〜30℃で反応を行なうのが好ましい。また、反応時間は、反応温度や金属の粒径にもよるが、0.5〜10時間で完了しうる。
溶媒は、原料、生成物に対して不活性な溶媒であれば、任意のものを使用することができるが、原料のハロゲン化ニッケルに水和している水や、反応により生成する還元性金属のハロゲン化物に対して良溶媒である一方、生成錯体に対して貧溶媒であることが望ましい。そのような溶媒を使用することにより、反応後、ろ過、洗浄するだけで、目的物である錯体が高収率かつ高純度で得られる。例えば、アセトン、ブタノンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ピリジン、キノリンなどの含窒素芳香族化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいが、いずれか二種以上の混合物として用いてもよい。
溶媒の使用量は使用するホスフィン化合物の溶解度にもよるが、特に制限は無く、通常、反応混合物中の50〜90重量%の範囲から選択されるが、反応混合物の良好な流動性を保持した上で、目的化合物の溶媒への溶解によるロスを低減するという点を考慮すると60〜80重量%の範囲で用いるのが好ましい。
一般にゼロ価ニッケルのホスフィン錯体は酸素に対して非常に鋭敏であるため、反応、後処理のすべての操作は酸素を除いた状態で行なう必要があり、通常、窒素あるいはアルゴンのような不活性雰囲気下で行なわれる。また溶媒、および配位子であるホスフィン化合物が液体であれば、窒素雰囲気下での蒸留または純度99.99%以上の窒素を30分〜2時間程度バブリングして脱酸素することが望ましい。
以下、実施例により本発明の有用性を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるのもではない。なお、分析はガスクロマトグラフィーで行い、転化率及び選択率は内部標準法(mol%)により、純度は面積百分率(%)により求めた。
以下、参考形態の例を付記する。
<1>
ハロゲン化ニッケル水和物を、一般式(1)で表される単座のホスフィン配位子、あるいは一般式(2)で表される二座のホスフィン配位子の存在下に、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくとも1種類の金属によって還元することを特徴とする、一般式(3)で表されるゼロ価ニッケル錯体の製造方法。
<2>
ハロゲン化ニッケル水和物として塩化ニッケル六水和物を用いる<1>記載の製造方法。
<3>
還元剤として亜鉛を用いる<1>記載の製造方法。
<4>
反応溶媒としてアセトンを使用する、<1>記載の製造方法。
<5>
一般式(3)においてn=4であり、かつ一般式(1)で表されるホスフィン化合物がトリフェニルホスフィンである、<1>記載の製造方法。

1Lガラス製フラスコに、塩化ニッケル六水和物47.5g(0.20mol)、トリフェニルホスフィン220.5g(0.84mol)、アセトン600mLを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら30℃に加熱した。反応液は暗緑色に変化し、濃緑色の沈殿が生成した。30分後、反応混合物を5℃に冷却した後、反応混合物を激しく攪拌しながら、亜鉛粉末12.55g(0.192mol)を一度に添加した。内温は5分以内に15℃程度まで上昇し、オレンジ色の固体が析出した。さらに、20〜25℃で2時間攪拌した後、析出した固体をろ過し、アセトン250mLで洗浄した後、減圧下、室温で乾燥し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、205.0gを得た(収率92.6%)。元素分析(トルエンから再結晶):C,76.5;H,4.8;Ni,4.8;P,9.5(C7260NiPの計算値:C,78.3;H,5.4;Ni,5.3;P,11.1)。
[反応例1]
蒸留装置を備えた100mLガラス製フラスコに、ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物21.42g(0.100mol)、トリフェニルホスフィン26.23g(0.100mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル2.22g(2.0mmol)を仕込み、25mmHgの減圧下で200〜210℃に加熱した。反応液は沸騰し、ガスの発生と液体の留出が見られた。2時間後、液体の留出はほぼおさまった(13.27g)。反応残液の分析の結果、ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の転化率は99.1%であった。また、留出した液体はマススペクトルにより分析した結果、ベンゾノルボルナジエンであり(EI m/z 142(M))、選択率は93.0%、純度は99.0%であった。

Claims (4)

  1. 反応溶媒中、ハロゲン化ニッケル水和物を、一般式(1)
    Figure 0005295512
    (式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。)で表される単座のホスフィン配位子、あるいは一般式(2)
    Figure 0005295512
    (式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。また、R'は炭素数1〜8までのアルキレン基、アリーレン基、フェロセニレン基を表す。)で表される二座のホスフィン配位子の存在下に、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくとも1種類の金属によって還元し、一般式(3)
    NiLn (3)
    (式中、Lが一般式(1)で表される単座のホスフィン配位子を表す場合、n=3または4であり、Lが一般式(2)で表される二座のホスフィン配位子を表す場合、n=2である)
    で表されるゼロ価ニッケル錯体を生成し、
    一般式(3)で表される前記ゼロ価ニッケル錯体を、前記反応溶媒中に析出させる工程、
    を含み、前記反応溶媒としてアセトンを使用することを特徴とするゼロ価ニッケル錯体の製造方法。
  2. ハロゲン化ニッケル水和物として塩化ニッケル六水和物を用いる請求項1記載の製造方法。
  3. 還元剤として亜鉛を用いる請求項1記載の製造方法。
  4. 一般式(3)においてn=4であり、かつ一般式(1)で表されるホスフィン化合物がトリフェニルホスフィンである、請求項1記載の製造方法。
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