JP5237966B2 - 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 - Google Patents
有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5237966B2 JP5237966B2 JP2009544683A JP2009544683A JP5237966B2 JP 5237966 B2 JP5237966 B2 JP 5237966B2 JP 2009544683 A JP2009544683 A JP 2009544683A JP 2009544683 A JP2009544683 A JP 2009544683A JP 5237966 B2 JP5237966 B2 JP 5237966B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- atom
- general formula
- metal compound
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07F—ACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
- C07F1/00—Compounds containing elements of Groups 1 or 11 of the Periodic System
- C07F1/02—Lithium compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07F—ACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
- C07F17/00—Metallocenes
Description
C4H9Br + 2Li → C4H9Li + LiBr ・・・(I)
トリベンジルクロロスタンナンとメチルリチウムとの反応によるベンジルリチウムの合成(反応(II)、非特許文献1)などが知られている。
→ 3C6H5CH2Li + (CH3)4Sn + LiCl ・・・(II)
このようにして合成されたアルカリ金属化合物の多くは、活性プロトンを持つ有機化合物との反応によって新しい有機金属反応剤を生成することができるため、様々な用途で用いられている。例として、有機遷移金属化合物、特にオレフィン重合用触媒としてよく知られる、いわゆるシクロペンタジエニル基を配位子として用いるメタロセン化合物の製造などが挙げられる。メタロセン化合物は、非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴を持つことから、これまでに様々な合成法の検討がなされてきたが、その中でも特に、上述したようなアルカリ金属化合物によって配位子中の活性プロトンを脱プロトン化し、さらに金属ハロゲン化物などと反応させる方法が多数報告されている(特許文献1〜3)。
〔一般式(1)中、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよく、Hは活性プロトンを示し、pはアルカリ金属化合物との反応において引き抜かれる水素原子の数である。〕
〔一般式(3)中、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよい。Nはアルカリ金属原子を示す。pは前記一般式(1)と同値である。〕
MZk ・・・(5)
〔一般式(5)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Zはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、kはMの原子価を示し、3〜6の整数である。〕
RrMZ(k-r x p) ・・・(6)
〔一般式(6)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよく、Zはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、kはMの原子価を示し、3〜6の整数であり、rはk以下の自然数であり、pは前記一般式(1)と同値であり、k≧r×pの関係を有する。〕
LmMQn ・・・(7)
〔一般式(7)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Lはシクロペンタジエニル環を有する配位子を示し、mは1〜3の整数であり、Lが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また複数のLは互いに直接連結されているか、または炭素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、nは1〜4の整数である。〕
本発明における活性プロトン含有化合物は、前記一般式(1)(RHp)で表される化合物である。ここで、RHpとは、活性プロトンを有する化合物を意味するものである。本発明における活性プロトン含有化合物は、メチン水素またはメチレン水素を活性プロトンとして持つ化合物であることが好ましく、メチン水素またはメチレン水素を活性プロトンとして持つシクロペンタジエン骨格を含有する化合物であることがさらに好ましい。
一般式(4)におけるNはアルカリ金属原子であり、具体的にはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子である。
一般式(4)および(8)中、Aは、炭素数1〜15の炭化水素基を示す。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基などの分岐状炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基などが挙げられる。
上記一般式(5)中、Mは周期律表第4〜6族の原子、具体的にはチタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などの第4族金属原子、バナジウム原子、ニオブ原子、タンタル原子などの第5族金属原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子などの第6族金属原子である。これらのうちではチタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオブ原子、タンタル原子が好ましく、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子がより好ましく、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などの周期律表第4族の原子がさらに好ましく、ジルコニウム原子およびハフニウム原子が最も好ましい。Zはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれるが、ハロゲン原子が好ましい。kは3〜6の整数であり、好ましくは3または4であり、さらに好ましくは4である。
上記一般式(6)中、Mは一般式(5)におけるMと同じく周期律表第4〜6族の原子を示す。Rは一般式(1)や一般式(3)におけるRと同じく炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよい。Zは一般式(5)におけるZと同じくハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。kはMの原子価を示し、3〜6の整数であり、好ましくは3または4であり、さらに好ましくは4である。rはk以下の自然数である。pは一般式(1)や一般式(3)におけるpと同じく、一般式(1)で表される活性プロトン含有化合物において、アルカリ金属化合物との反応において引き抜かれる水素原子の数である。r,kおよびpは、k≧r×pの関係を有し、好ましい組合せは(r,k、p)=(1,4,2)、(2,4,1)、(1,3,1)、(2,3,1)である。Rが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また複数のRは互いに直接連結されているか、または炭素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、ヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子など)を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。
一般式(7)中、Mは前記一般式(6)に同一であり、周期律表第4族の原子であることが好ましい。Lは共役5員環を有する配位子、例えば(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基、(置換)アズレニル基、(置換)フルオレニル基などを示す。mは1〜3の整数であり、Lが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また複数のLは互いに直接連結されているか、または炭素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、nは1〜4の整数である。
〔調製例1〕
5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentaleneの調製
1000ml五つ口フラスコにtert−butylcyclopentadiene24.97g(204mmol)、アセトン399.04gを入れた。氷水浴下、pyrolydine82.1g(1.15mol)を滴下し、還流下で18時間攪拌した。氷水浴下で酢酸70.91g(1.18mol)を滴下した。得られた粗生成物を減圧下(150torr、40℃)で溶媒を留去し、水、5%酢酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、減圧蒸留により精製することで下記式[1]で表される5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentaleneが23.4g得られた。同定は、1H−NMRスペクトルおよびGC−質量分析スペクトル(GC−MS)で行った。以下にその測定結果を示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準):δ5.87(s,1H)、5.79(s,1H)、2.94(d,1H)、2.10(t,3H)、1.27(s,1H)、1.21(s,9H)
GC−MS:m/Z=202(M+)
ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、純度は95.3%であった。収率54%。
9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluoreneの調製
100ml三つ口フラスコに1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorene1.58g(4.09mmol)、tert−ブチルメチルエーテル30mlを装入した。氷/アセトン浴下、1.56Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.7ml(4.2mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温しながら25時間攪拌した。
1H−NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準):δ7.58(s,1H)、7.55+7.54(s,1H)、7.50+7.49(s,1H)、6.89+6.46(s,1H)、6.32+5.93(s,1H)、3.87+3.83(s,1H)、3.11(d,1H)、2.57(d,1H)、1.71(s,3H)、1.67−1.61(m,8H)、1.38−1.28(m,27H)、1.18−0.95(m,9H)、0.27+0.21(s,3H)
FD−MS:m/Z=589(M+)
[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの製造
30mlシュレンク管に9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorene1.18g(2.01mmol)、α−メチルスチレン0.485g(4.10mmol)、ヘキサン13.5g、シクロペンチルメチルエーテル2.35ml(20.2mmol)を装入した。26℃で1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.55ml(4.21mmol)を滴下し、70℃で3.5時間攪拌することで[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの溶液を得た。
シクロペンチルメチルエーテルの代わりにジイソプロピルエーテルを用いる以外は実施例1と同様にして[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumを合成した。実施例1と同様の方法で計算した転化率は100%であった。
シクロペンチルメチルエーテルの代わりにtert−ブチルメチルエーテルを用いる以外は実施例1と同様にして[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumを合成した。実施例1と同様の方法で計算した転化率は100%であった。
実施例1で得られた[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの溶液に、氷/アセトン浴下、四塩化ジルコニウム0.547g(2.35mmol)を加え1時間反応させた後、アセトン浴を除去し、室温で15.5時間反応させた。溶媒を留去し、シクロヘキサンで可溶分を抽出した。得られた溶媒を濃縮し、−20℃で30分間静置した。析出した固体をろ過によって分離し、ヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥する事で下記式[3]で表される[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]zirconium dichlorideが得られた。収量0.507g、収率34%。同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−質量分析スペクトル(FD−MS)で行った。以下にその測定結果を示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準):δ7.99(s,1H)、7.98(s、1H)、7.78(s、1H)、7.54(s、1H)、6.01(d、1H)、5.25(d、1H)、3.94(d、1H)、2.62(d、1H)、2.31(s、3H)、1.79−1.61(m、8H)、1.57(s、3H)、1.43(s、3H)、1.41(s、3H)、1.39(s、9H)、1.35(s、3H)、1.32(s、3H)、1.28(s、3H)、1.24(s、3H)、1.09(s,9H)
FD−MS:m/Z=748(M+)
[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの製造
30mlシュレンク管に9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorene1.10g(2.01mmol)、ヘキサン18.5g、ジイソプロピルエーテル2.65ml(18.7mmol)を装入した。氷/アセトン浴下、1.57Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.67ml(4.21mmol)を滴下し、70℃で5時間攪拌することで[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの溶液を得た。実施例1と同様の方法で計算した転化率は85%であり、実施例2に比べ15%低かった。
[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dipotassiumの製造
30mlシュレンク管に9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorene0.884g(1.50mmol)、ヘキサン20mlを装入した。氷/アセトン浴下、1.56Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.05ml(3.28mmol)を加えた。t−ブトキシカリウム0.351g(3.12mmol)を加え、徐々に室温に戻しながら5時間攪拌し、[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dipotassiumのスラリーを得た。得られてスラリーを重水素化メタノール(アクロース社製、重水素化率100%)に加え、生成したジカリウム塩を重水素化した。得られた溶液を用いて、実施例1と同様の方法で計算した転化率は88%であり、実施例1に比べ12%低かった。
30mlシュレンク管に9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorene1.18g(2.01mmol)、ヘキサン19.8gを装入した。氷/アセトン浴下、1.57Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.67ml(4.20mmol)を滴下し、還流下で5時間攪拌することで[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumの溶液を得た。
ヘキサンの代わりにシクロヘキサンを用い、反応を80℃で行う以外は比較例3と同様にして[9−(5−tert−butyl−1,1,3−trimethyl−1,2−dihydropentalenyl)−1,1,4,4,7,7,10,10−octamethyl−octahydro−dibenzo[b,h]fluorenyl]dilithiumを合成した。実施例1と同様の方法で計算した転化率は69%であった。
Diphenylmethyllithiumの製造
30mlシュレンク管にdiphenylmethane0.336g(2.00mmol)、α−メチルスチレン0.246g(2.08mmol)、ヘキサン13.2g、シクロペンチルメチルエーテル2.33ml(20.0mmol)を装入し、50℃に昇温した。50℃で1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液1.27ml(2.10mmol)を滴下し、50℃で18時間攪拌することでdiphenylmethyllithiumの懸濁液を得た。
α−メチルスチレンを添加しない以外は実施例5と同様にしてdiphenylmethyllithiumを合成した。実施例5と同様の方法で計算した転化率は10%であった。
2−(2−(dimethylamino)phenyl)−1,1−diphenylethanolの製造
30mlシュレンク管にN,N−dimethyl−o−toluidine0.514g(3.80mmol)、α−メチルスチレン0.898g(7.60mmol)、ヘキサン6.60g、シクロペンチルメチルエーテル4.43ml(38.0mmol)を装入した。25℃で1.59Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.78ml(7.60mmol)を滴下し、13時間攪拌した。この反応混合物にベンゾフェノン1.34g(7.50mmol)のジエチルエーテル溶液を滴下し、30分間攪拌した。得られた反応混合物を酢酸0.500g(8.3mmol)のジエチルエーテル溶液に加え、5分間攪拌した後に水5mlを加えてさらに5分間攪拌した。水相を分離後、有機相を10%塩酸で抽出し、得られた水相を中性にすることで、2−(2−(dimethylamino)phenyl)−1,1−diphenylethanolが白色結晶として得られた。収量は0.680g、収率は56%だった。同定は、1H−NMRスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準):δ8.54(s,1H)、7.40(d,4H)、7.30〜7.00(m,7H)、6.78(t,1H)、6.51(d,1H)、3.74(s,2H)、2.75(s,6H)
〔比較例6〕
α−メチルスチレンを添加しない以外は実施例6と同様にして2−(2−(dimethylamino)phenyl)−1,1−diphenylethanolを合成した。収量は0.218g、収率は18%だった。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される活性プロトン含有化合物と、アルカリ金属化合物との反応において、下記一般式(2)で表されるオレフィン化合物を添加し、かつ前記反応において溶媒として炭化水素および脂肪族エーテルを混合して用い、前記溶媒としての炭化水素と脂肪族エーテルとの混合体積比(炭化水素/脂肪族エーテル)が95/5〜85/15の範囲であることを特徴とする、下記一般式(3)で表される有機アルカリ金属化合物の製造方法。
RHp ・・・(1)
〔一般式(1)中、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよく、Hは活性プロトンを示し、pはアルカリ金属化合物との反応において引き抜かれる水素原子の数である。〕
RNp ・・・(3)
〔一般式(3)中、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよい。Nはアルカリ金属原子を示す。pは前記一般式(1)と同値である。〕 - 前記一般式(2)中、Ra〜Rcのうち、少なくとも1つが環状不飽和炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の有機アルカリ金属化合物の製造方法。
- 前記一般式(2)中、Raがアリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機アルカリ金属化合物の製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機アルカリ金属化合物の製造方法。
AN ・・・(4)
〔一般式(4)中、Aは、炭素数1〜15の炭化水素基を示し、Nはアルカリ金属原子を示す。〕 - 前記一般式(1)で表される活性プロトン含有化合物が、メチン水素またはメチレン水素を活性プロトンとして持つ化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機アルカリ金属化合物の製造方法。
- 前記一般式(1)で表される活性プロトン含有化合物が、メチン水素またはメチレン水素を活性プロトンとして持つシクロペンタジエン骨格を含有する化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機アルカリ金属化合物の製造方法。
- 請求項1または2に記載の方法により有機アルカリ金属化合物を製造し、得られた有機アルカリ金属化合物と下記一般式(5)で表される遷移金属化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(6)で表される有機遷移金属化合物の製造方法。
MZk ・・・(5)
〔一般式(5)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Zはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、kはMの原子価を示し、3〜6の整数である。〕
RrMZ(k-rxp) ・・・(6)
〔一般式(6)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Rは、炭化水素基またはアミノ基を示し、ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子または窒素原子を含有してもよく、Zはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、kはMの原子価を示し、3〜6の整数であり、rはk以下の自然数であり、pは前記一般式(1)と同値であり、k≧r×pの関係を有する。〕 - 請求項7に記載の有機遷移金属化合物の製造方法であって、該有機遷移金属化合物が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする有機遷移金属化合物の製造方法。
LmMQn ・・・(7)
〔一般式(7)中、Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属であり、Lはシクロペンタジエニル環を有する配位子を示し、mは1〜3の整数であり、Lが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また複数のLは互いに直接連結されているか、または炭素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、nは1〜4の整数である。〕 - Mが周期律表第4族の原子であることを特徴とする請求項8に記載の有機遷移金属化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009544683A JP5237966B2 (ja) | 2007-12-04 | 2008-12-02 | 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007313007 | 2007-12-04 | ||
JP2007313007 | 2007-12-04 | ||
JP2009544683A JP5237966B2 (ja) | 2007-12-04 | 2008-12-02 | 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 |
PCT/JP2008/071908 WO2009072505A1 (ja) | 2007-12-04 | 2008-12-02 | 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2009072505A1 JPWO2009072505A1 (ja) | 2011-04-21 |
JP5237966B2 true JP5237966B2 (ja) | 2013-07-17 |
Family
ID=40717683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009544683A Active JP5237966B2 (ja) | 2007-12-04 | 2008-12-02 | 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8409480B2 (ja) |
EP (1) | EP2226326B1 (ja) |
JP (1) | JP5237966B2 (ja) |
KR (1) | KR101269789B1 (ja) |
CN (1) | CN101874033B (ja) |
CA (1) | CA2707511C (ja) |
RU (1) | RU2445316C1 (ja) |
TW (1) | TWI435878B (ja) |
WO (1) | WO2009072505A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9458261B2 (en) | 2012-09-25 | 2016-10-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | Transition metal compound, olefin polymerization catalyst, and olefin polymer production process |
US9458257B2 (en) | 2012-09-25 | 2016-10-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process for producing olefin polymer and olefin polymer |
JP6346569B2 (ja) * | 2012-12-07 | 2018-06-20 | 株式会社クラレ | 多官能性アニオン重合開始剤およびその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3663585A (en) * | 1964-04-13 | 1972-05-16 | Exxon Research Engineering Co | Process for lithiating ferrocene |
US4006187A (en) * | 1971-10-06 | 1977-02-01 | Lithium Corporation Of America | Preparation of aryllithium compounds by metalation |
JPH07286006A (ja) * | 1993-12-21 | 1995-10-31 | Hoechst Ag | ポリオレフィンの製造法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2313389A1 (fr) * | 1975-06-06 | 1976-12-31 | Anvar | Nouveaux amorceurs de polymerisation organolithiens bi-fonctionnels et leurs applications, en particulier pour l'obtention d'elastomeres thermoplastiques |
JP3176092B2 (ja) | 1991-08-26 | 2001-06-11 | 三井化学株式会社 | 新規遷移金属化合物及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 |
JP3371118B2 (ja) * | 1991-11-30 | 2003-01-27 | バーゼル・ポリオレフィン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 配位子としてベンゼン融合したインデニル誘導体を持つメタロセン、その製造方法および触媒としてのその用途 |
JPH08208733A (ja) | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Mitsubishi Chem Corp | オレフィン重合用触媒 |
JP3320619B2 (ja) | 1996-10-02 | 2002-09-03 | 三井化学株式会社 | 新規メタロセン化合物とそれを用いたオレフィンまたはジエンの重合方法 |
JPH1112290A (ja) | 1997-06-24 | 1999-01-19 | Mitsubishi Chem Corp | 架橋メタロセンの製造方法 |
JP2001011087A (ja) | 1999-07-02 | 2001-01-16 | Japan Polychem Corp | メタロセン生成物混合物からのメタロセン化合物の精製方法 |
JP3713405B2 (ja) | 1999-07-02 | 2005-11-09 | 三菱化学株式会社 | 架橋ジルコノセン化合物の製造方法 |
-
2008
- 2008-12-02 US US12/745,868 patent/US8409480B2/en active Active
- 2008-12-02 CN CN200880117423.4A patent/CN101874033B/zh active Active
- 2008-12-02 KR KR1020107014287A patent/KR101269789B1/ko active IP Right Grant
- 2008-12-02 RU RU2010126548/04A patent/RU2445316C1/ru active
- 2008-12-02 JP JP2009544683A patent/JP5237966B2/ja active Active
- 2008-12-02 EP EP08856231.9A patent/EP2226326B1/en active Active
- 2008-12-02 CA CA2707511A patent/CA2707511C/en active Active
- 2008-12-02 WO PCT/JP2008/071908 patent/WO2009072505A1/ja active Application Filing
- 2008-12-04 TW TW097147076A patent/TWI435878B/zh active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3663585A (en) * | 1964-04-13 | 1972-05-16 | Exxon Research Engineering Co | Process for lithiating ferrocene |
US4006187A (en) * | 1971-10-06 | 1977-02-01 | Lithium Corporation Of America | Preparation of aryllithium compounds by metalation |
JPH07286006A (ja) * | 1993-12-21 | 1995-10-31 | Hoechst Ag | ポリオレフィンの製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2226326B1 (en) | 2016-02-17 |
EP2226326A1 (en) | 2010-09-08 |
US20120049391A1 (en) | 2012-03-01 |
EP2226326A4 (en) | 2012-02-15 |
KR20100087404A (ko) | 2010-08-04 |
JPWO2009072505A1 (ja) | 2011-04-21 |
CA2707511C (en) | 2013-04-02 |
KR101269789B1 (ko) | 2013-05-30 |
CN101874033A (zh) | 2010-10-27 |
CN101874033B (zh) | 2016-05-11 |
TWI435878B (zh) | 2014-05-01 |
US8409480B2 (en) | 2013-04-02 |
RU2010126548A (ru) | 2012-01-10 |
RU2445316C1 (ru) | 2012-03-20 |
WO2009072505A1 (ja) | 2009-06-11 |
CA2707511A1 (en) | 2009-06-11 |
TW200936597A (en) | 2009-09-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW309523B (ja) | ||
WO2006078021A1 (ja) | 三座配位子を含む金属錯体、およびそれを含む重合用触媒 | |
JP3694371B2 (ja) | メタロセン化合物の新規な合成方法 | |
JP5237966B2 (ja) | 有機アルカリ金属化合物および有機遷移金属化合物の製造方法 | |
KR20140077883A (ko) | 희토류 금속의 η5:η1-사이클로펜타디에닐리덴-포스포란 속박된 기하학적 착화합물 | |
CN116410224B (zh) | 一种环戊二烯三氯化钛的合成工艺 | |
JP5295512B2 (ja) | ゼロ価ニッケルの有機ホスフィン錯体の製造方法 | |
JP5283494B2 (ja) | フルオレン誘導体の製造方法 | |
JP3641659B2 (ja) | 単一反応工程でメタロセンを製造する方法 | |
Ma et al. | Steric and electronic effects of the R in IndTiCl2 (OR) catalysts on the syndiospecific polymerization of styrene | |
JP6596027B2 (ja) | インデンの合成のための方法 | |
JP2003246791A (ja) | 三価有機ランタノイド錯体、(メタ)アクリル系重合体製造用触媒および(メタ)アクリル系重合体 | |
JP4163763B2 (ja) | シクロペンタジエン系化合物のアルキル化方法 | |
JP2004002249A5 (ja) | ||
US20060052620A1 (en) | Preparation of substituted indenes | |
Koch et al. | PH-functionalised phosphanylalkyl (silyl) cyclopentadienyl ligands:: Synthesis and catalytic properties of [{(η5-C5H4) CMe2PHtBu} MCl3](M= Ti, Zr) and [{(η5-C5H4) SiMe2PHR} ZrCl3](R= Ph, Cy) | |
JPH09295984A (ja) | ペンタフルオロフェニルマグネシウム誘導体を用いるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート誘導体の製造方法 | |
CN114316101B (zh) | 一种茂金属催化剂和制备方法及其催化烯烃聚合的用途 | |
JP6182443B2 (ja) | 架橋ビスインデニル化合物の製造方法 | |
US7199274B2 (en) | Preparation of substituted indenes | |
JPH09295993A (ja) | アルケニルホスフィンオキシド化合物の製造方法 | |
JPH08245670A (ja) | 1,3−ジ置換シクロペンタジエニル−配位子との遷移金属錯体の製造方法 | |
JPH1180264A (ja) | アレニルオキシメチルナフタレン、その製法およびそれより得られた重合体 | |
WO2001062690A1 (en) | Process for preparing bisindenylalkanes | |
JPH06345778A (ja) | ジ−tert−ブチルシランの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121009 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130204 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130319 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5237966 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |