JP5294804B2 - 光学調整装置 - Google Patents

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本発明は、撮像光学系において製造公差や歪みなどにより低下した結像性能を光学的に測定して補正する光学調整装置に関し、特に、非回転対称な構造をした撮像光学系の収差補正に適した光学調整装置に関する。
従来から、撮像光学系の焦点合わせ誤差を補正するために、位相検出方式による補正量の検出部と、相対的に光学系と像面の間隔を変化させる直進駆動機構とを組み合わせた光学調整装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この方式は、焦点の位置がずれることにより周辺光線の伝搬路が変化することを利用して、この変化を検出器上の空間的な強度分布として検出し、焦点位置の補正量を算出する。焦点位置の誤差は、撮像光学系の直進駆動機構だけで補正することが可能である。
米国特許第3875401号明細書
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
上述のような従来の光学調整装置においては、焦点位置の誤差については、補正することが可能である。しかしながら、その他の誤差、たとえば、製造時に発生した加工や組み立て時に発生した光学素子の配置誤差に起因した収差による結像性能の低下を補正することはできない。
また、温度変化や振動が加わることにより光学素子の配置変形が発生するが、このときに発生する収差を補正することも困難である。特に、非回転対称な構造の撮像光学系では、回転対称軸のような基準軸がないため、光学素子の配置誤差が起こりやすく、これにより発生する収差を補正することが不可欠となる。
従来の光学調整装置に用いられている位相検出方式は、結像性能を低下させる要因として焦点位置の誤差だけが発生していると仮定して、その誤差量を算出する方式である。したがって、たとえば、結像性能を低下させる要因に、光学素子の偏心配置による非点収差などが含まれると、焦点位置の誤差量を正しく算出することができなくなる。また、当然、非点収差の量を算出することもできない。
さらに、偏心配置による収差の補正には、一般に、光学素子を偏心方向に変化させる駆動機構が必要である。しかしながら、従来の光学調整装置は、撮像光学系と像面の間隔を相対的に変化させる直進駆動機構しか持たない。このため、収差補正を行うことができないといった問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成で焦点位置の誤差補正に加えて、光学素子の配置誤差により発生する収差の補正も可能な光学調整装置を得ることを目的とする。
本発明に係る光学調整装置は、複数の光学素子を含み、かつ非回転対称な構造を有する撮像光学系の結像性能を光学的に測定して補正する光学調整装置であって、複数の光学素子のうち、開口絞りの位置にある第1の光学素子に設けられ、第1の光学素子の位置および傾きを調整するための駆動機構と、撮像光学系により結像する任意の像点に対する波面形状を計測し波面収差を検出する波面検出部と、撮像光学系の結像性能を補正するために、波面検出部で検出された波面収差に基づいて、第1の光学素子の位置調整量および傾き調整量を計算し、位置調整量および傾き調整量に応じて駆動機構を駆動させる移動量計算部とを備え、駆動機構は、少なくとも、位置調整用としての1軸の直進移動調整機構と、傾き調整用としての2軸の傾き調整機構とを有するものである。

本発明に係る光学調整装置によれば、波面形状の計測結果に基づいて、開口絞りの位置あるいはその近傍にある光学素子の位置および傾きを調整することにより、簡素な構成で焦点位置の誤差補正に加えて、光学素子の配置誤差により発生する収差の補正も可能な光学調整装置を得ることができる。
以下、本発明の光学調整装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における光学調整装置を示す構成図である。この図1の光学調整装置は、撮像光学系10、絞り11、検出器20、波面検出部30、移動量計算部40、および駆動機構50を備えている。撮像光学系10は、被写体からの光線を結像する光学系である。また、絞り11は、入射光線の径の大きさを決める絞りである。本実施の形態では、絞り11は、撮像光学系10を構成する1つの光学素子(第1の光学素子に相当)上に設定した。
検出器20は、撮像光学系10により得られた被写体の像を電気信号に変える検出器である。波面検出部30は、撮像光学系10により結ばれる像の一部を取り出して、その波面形状を計測する。移動量計算部40は、波面検出部30により得られた波面形状から、結像性能を補正するために必要な、絞り11の位置の光学素子の移動・傾きの量を算出する。さらに、駆動機構50は、移動量計算部40により得られた量に従って、絞り11の位置の光学素子の移動・傾きを行う駆動機構部である。
本実施の形態1では、焦点位置の誤差(以降、デフォーカスと呼ぶ)、あるいは光学素子の配置誤差により発生する収差による結像性能の低下を、絞り11の位置の光学素子の移動・傾きにより補正する。光学系における焦点位置は、各光学素子のパワー(屈折力)と間隔とによって決まる。したがって、任意の光学素子を移動させて間隔を変化させることで焦点位置を移動させ、デフォーカスを補正することができる。
光学素子の間隔以外の配置誤差(以降、偏心配置と呼ぶ)によって発生する主な収差(以降、偏心収差と呼ぶ)は、デフォーカス、2次の非点収差、2次のコマ収差などである。これらの偏心収差は、一般に、発生した偏心収差と逆符号の収差が発生するように任意の光学素子を移動させることで補正することができる。しかしながら、移動により複数の収差が発生するときには、非効率であり、すべての収差を同時に補正することは、困難である。
任意の光学素子を移動すると、像面上での偏心と瞳面上での偏心という2種類の偏心が発生する。ただし、絞り11の位置の光学素子の傾きを変化させた場合には、光学系の瞳面での結像関係は、ほぼ変化しない。このため、瞳面上での偏心による収差は、非常に小さい。したがって、本実施の形態1のように、絞り11の位置の光学素子に傾き調整機能を持たせた駆動機構を備えることにより、瞳面上での偏心収差の発生を抑制した効率的な収差補正が可能となる。
なお、偏心収差の1つとしてデフォーカスが発生するが、これは、上述の通り、絞り11の位置の光学素子の移動によっても補正できる。また、デフォーカスの補正を絞り11の位置の光学素子で行うことにより、補正に用いる駆動機構を1つにすることができることはいうまでもない。
さらに、絞り11は、すべての画角の主光線が一点を通る点であり、この位置あるいはその近傍にある光学素子は、比較的小型にすることができる。したがって、本実施の形態1に示すように、絞り11の位置にある光学素子を用いて調整を行うことで、光学素子が軽量でモーメントが小さくなり、調整のための駆動がしやすい結果となる。
以上のように、実施の形態1によれば、波面形状の計測結果に基づいて、開口絞りのいちあるいはその近傍にある光学素子の位置および傾きを調整することができる。この結果、光学素子の位置を移動させて間隔を変化させることで、焦点位置を移動させ、デフォーカスを補正することができるとともに、傾きを調整することで、瞳面上での偏心収差の発生を抑制した効率的な収差補正が可能となる。さらに、開口絞りの位置あるいはその近傍にある光学素子は、比較的小型にすることができるため、光学素子が軽量でモーメントが小さくなり、調整のための駆動がしやすい構成とすることができる。
なお、本実施の形態1では、絞り11の位置の光学素子に駆動機能を設けて、位置・傾きの調整を行う構成としたが、このような構成に限定されるものではない。絞り11の近傍にある光学素子ならば、同様に小型であり、また、瞳面上での偏心も小さくなるように抑制することができる。
また、本実施の形態1においては、検出器20から離れた位置に波面検出部30を配置することで、十分なクリアランスを得ることができ、波面検出部30の配置が容易になる。このように、撮像に用いる像領域とは異なる領域に波面検出部30を配置しても、偏心収差は、像面全域にわたって発生するので、検出が可能である。
また、本実施の形態1では、検出器20から離れた位置に波面検出部30を配置することで空間的に両者を分離しているが、このような構成に限定されるものではない。たとえば、光路中にある撮像に使用しない波長帯の光線を反射などにより分離するフィルタを挿入して、分岐した光線を波面検出部30に入射して波面を算出することも可能である。
あるいは、光路中に特定の偏光成分を分離するフィルタを挿入する、あるいはハーフミラーのように一部の光強度を分離する光学素子を挿入し、分岐させた光線を用いても同様の効果がある。検出器が感度を持たない波長帯の光線を反射する、コールドミラーなどの波長選択性のあるミラーを用いて光線を分岐させ、波面検出部に光路を導いてもよい。さらに、検出器20に入射する光線をスキャンミラーなどにより時間的に光路を切り替えて波面検出部30に入射させ、波面を算出することも可能である。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2における光学調整装置を示す構成図である。基本構成は、先の実施の形態1における図1の構成と同様であるが、移動量計算部40の内部構成に技術的特徴を有している。本実施の形態2における移動量計算部40は、収差成分分離部41、直進補正計算部42、および傾き補正計算部43で構成されている。
収差成分分離部41は、波面検出部30により得られた波面形状に基づいて、波面収差の回転対称成分と非回転対称成分に分離する。直進補正計算部42は、収差成分分離部41により分離された波面収差の回転対称成分から、駆動機構50の直進移動量を算出する。一方、傾き補正計算部43は、収差成分分離部41により分離された波面収差の非回転対称成分から、駆動機構50の傾き補正量を算出する。ここで、傾きの成分としては、例えば、図で紙面と垂直な方向の軸と上下方向の軸など、直交する2軸あれば十分である。
光学素子の配置誤差により発生する収差は、デフォーカス、2次の非点収差、2次のコマ収差であり、球面収差を含まない。したがって、波面収差のうち、回転対称成分として現れるのは、デフォーカスだけであり、回転対称成分を抽出することで、デフォーカスの量を算出することができる。
また、デフォーカスは、光学素子の間隔を変化させる直進移動により補正することができ、同時にこの直進移動は、非点収差・コマ収差にほぼ影響を与えない。したがって、本実施の形態2の構成のように、波面収差から回転対称成分を抽出し、その量から算出された補正量に基づいて絞り11の位置の光学素子を直進移動させることで、効率的なデフォーカス補正が可能となる。
一方、非点収差、コマ収差は、光学素子を偏心配置することで発生する収差であり、波面収差の非回転対称成分として現れる。これらの偏心収差を補正するためには、逆方向で同じ大きさを持った偏心収差が発生するように、光学素子を偏心配置すればいい。すなわち、たとえば、任意の光学素子に傾きを与えることで補正することができる。したがって、本実施の形態2の構成のように、波面収差から非回転対称成分を抽出し、その量から算出された補正量に基づいて絞り11の位置の光学素子に傾きを与えることで、偏心収差の補正が可能となる。
実施の形態1でも示したとおり、絞り11の位置にある光学素子は、比較的小型になるため、軽量でモーメントが小さくなり、デフォーカス補正や偏心収差補正のための駆動に適している。また、絞り11の位置にある光学素子の傾きだけで偏心収差補正を行った場合、瞳面上での偏心に起因する収差は、発生しない。このため、収差量の計算が簡素になり、補正に必要な傾きの大きさの計算も容易になるという利点がある。
以上のように、実施の形態2によれば、波面形状の計測結果に基づいて、開口絞りの位置あるいはその近傍にある光学素子の位置および傾きを調整することができる。さらに、収差成分を回転対称成分と非回転対称成分とに分離し、回転対称成分に基づいて光学素子の位置を調整し、非回転対称成分に基づいて光学素子の傾きを調整することができる。この結果、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができるとともに、成分ごとに調整を行うことで、デフォーカス補正と偏心収差補正とを適切に効率的に行うことができる。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3における光学調整装置を示す構成図である。基本構成は、先の実施の形態2における図2の構成と同様であるが、移動量計算部40の内部構成に技術的特徴を有している。本実施の形態3における移動量計算部40は、収差成分分離部41、直進補正計算部42、および傾き補正計算部43で構成されているとともに、収差成分分離部41は、楕円近似部41aおよび収差算出部41bで構成されている。
楕円近似部41aは、波面形状の像面に平行な断面を楕円で近似して、そのパラメータを出力する。収差算出部41bは、楕円近似部41aにより得られた楕円のパラメータより、回転対称成分と非回転対称成分の大きさを算出する。
偏心収差として2次非点収差が支配的であるときには、波面形状の像面に平行な断面は、ほぼ楕円となる。すなわち、本実施の形態3のように、楕円近似部41aにおいて波面形状の断面を楕円として近似し、収差算出部41bにおいて非回転対称成分の大きさを算出することで、非点収差の量を抽出することができる。デフォーカス量は、収差算出部41bの回転対称成分の出力として得られる。
波面形状の断面を楕円で近似することで、収差は、非点収差とデフォーカスに制限される。したがって、補正に必要な光学素子の駆動量の算出において、他の収差の影響を抑制し、計算の精度を向上させることができる。
たとえば、撮像光学系10において、各光学素子が回転対称な形状の一部を切り出した構造をしており、その回転対称軸が同一で、入射光線が回転対称軸と角度を持っているとき、偏心収差は、一般的に、2次非点収差が支配的となる。したがって、本実施の形態3の光学調整装置を用いることで、精度よく偏心収差およびデフォーカスを補正することができる。
本実施の形態3において、楕円近似部41aで出力される楕円のパラメータは、楕円の長軸半径raと短軸半径rbだけであってもいい。この2つのパラメータから収差算出部41bで非回転対称成分の大きさを(ra−rb)により、回転対称成分の大きさを(ra+rb)/2により計算することができる。もちろん、これらの値に任意の係数をかけた値を使用することもできる。
さらに、楕円の長軸の傾き角θを出力することで、非点収差の発生している方向を算出することができる。非点収差の補正を行うために、絞り11の位置にある光学素子を駆動する傾きの方向が、傾き角θの方向もしくはそれと垂直な方向のどちらかに限定されるため、効率的な収差補正を行うことが可能になる。また、このように楕円近似部41aで出力されるパラメータを最小限にすることで、装置の簡素化や計算の高速化を行うことができる。
本実施の形態3において、波面検出部30がリング状の領域に切り出した周辺光線から波面収差を算出する構成としてもいい。本実施の形態3では、得られた波面の断面形状を楕円近似部41aで楕円として近似しているため、波面検出部30の出力は、楕円に近似するために必要な情報が含まれていれば十分である。
図4は、本発明の実施の形態3における波面検出部30の具体的な構成を示す図であり、アパーチャ31および2次元検出器32で構成されている。この図4に示すように、測定像点からの光線に対して、リング状のアパーチャ31で周辺光線を切り出し、それをCCDやCMOSなどの2次元検出器32で受光して波面を検出する構成とする。すると、2次元検出器32で受光される像は、波面の断面形状そのものなので、本実施の形態3で必要な波面検出部30を容易に実現することができる。
さらに、リレーレンズを挿入して測定像点の共役像が2次元検出器32に形成されるようにすることもできる。これにより、検出器上での光線の広がりが小さくなり、波面形状の検出精度を向上させることができる。また、アパーチャ31を撮像光学系10の瞳面と共役な位置に配置することにより、デフォーカスや偏心収差によりアパーチャ31を通る光線の瞳面上での位置変化やケラレの発生を抑制することができる。測定像点とアパーチャ31との間に適当なレンズを挿入することで、アパーチャ31と撮像光学系10の瞳面を共役な関係にすることもできる。
以上のように、実施の形態3によれば、楕円近似部と収差算出部を組み合わせることで、収差成分を回転対称成分と非回転対称成分とに分離することができ、先の実施の形態2と同様の効果を得ることができる。さらに、アパーチャと2次元検出器を組み合わせて波面検出を行うことで、断面形状が楕円となる波面検出を容易に実現できる。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4における光学調整装置を示す構成図である。基本構成は、先の実施の形態3における図3の構成と同様であるが、波面検出部30の内部構成に技術的特徴を有している。本実施の形態4における波面検出部30は、セパレートレンズ33および2次元検出器32で構成されている。セパレートレンズ33は、3素子以上のアレイレンズでできている。
本実施の形態4では、波面収差を計測する像点からの光線は、セパレートレンズ33でアレイ素子数分の領域に分割され、それぞれの領域に対応した像を2次元検出器32上に結ぶ。このとき、像の位置は、各領域の波面の伝搬方向、すなわち、波面の法線方向を表すので、像の分布から波面形状を算出することができる。また、セパレートレンズ33で抽出する領域を瞳面上で中心から同一半径上になるようにとることで、波面の断面形状を得ることができる。
先の実施の形態3で示したとおり、偏心収差において非点収差が支配的な撮像光学系では、波面の断面形状を楕円近似することで補正量を算出することができる。楕円のパラメータを計算するには、たとえば、楕円の中心点と、中心周りに角度を3等分する位置にある楕円上の3つの点がわかればいい。
あるいは、楕円の中心点がない場合でも、楕円状の3点の重心を近似的に中心点として用いることができる。非点収差が補正されることにより、楕円状の3点の重心が実際の中心点と一致するため、近似による誤差は、十分小さくなる。したがって、少なくとも3素子のアレイレンズをセパレートレンズ33として使用することにより、波面検出を行うことが可能である。
なお、格子点上に並んだ4素子のレンズアレイを用いた場合には、対称性により非点収差を正確に検出できない場合がある。
また、偏心収差が発生することで近軸光線に対する像点が移動し、波面が平行移動する。これは、像のボケにはならないため、結像性能を低下させることはない。しかしながら、波面検出部30で波面の断面形状が平行移動するため、どの位置に結像しても波面を正確に検出できる必要がある。そこで、波面検出部30において、2次元検出器32を用いることで、このような位置変化に対応することが可能である。
本実施の形態4において、2次元検出器32上の像の位置を検出する上で、像の重心を位置として算出してもいい。この処理により、2次元検出器32の画素分解能以下の精度での位置測定が可能になる。また、セパレートレンズ33などによる像ボケの影響を抑制することができる。振動による像ぶれなど、外乱影響による精度低下の低減にも効果がある。
以上のように、実施の形態4によれば、セパレートレンズと2次元検出器を組み合わせて波面検出を行うことで、断面形状が楕円となる波面検出を、近似による誤差を小さくした上で、容易に実現できる。
なお、本実施の形態4では、セパレートレンズ33により3領域の波面を抽出したが、先の実施の形態3のリング状のアパーチャの代わりに、3つのホールアパーチャを持つマスクを配置しても、同様の効果が得られる。そのとき、像位置を、上述のように、重心から算出することで精度向上を行うことも可能である。
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5における光学調整装置を示す構成図である。基本構成は、先の実施の形態4における図5の構成と同様であるが、波面検出部30の内部構成に技術的特徴を有している。本実施の形態5における波面検出部30は、セパレートレンズ34および2次元検出器32で構成されている。本実施の形態5におけるセパレートレンズ34は、4素子以上のアレイレンズでできており、中心にもレンズが配置されている点で、先の実施の形態4におけるセパレートレンズ33と異なっている。
本実施の形態5では、波面収差を計測する像点からの光線は、セパレートレンズ34で中心領域を含むアレイ素子数分の領域に分割され、それぞれの領域に対応した像を2次元検出器32上に結ぶ。このとき、像の位置は、各領域の波面の伝搬方向、すなわち、波面の法線方向を表すので、像の分布から波面形状を算出することができる。また、セパレートレンズ34で抽出する領域を瞳面上で中心から同一半径上になるようにとることで、波面の断面形状を得ることができる。
先の実施の形態3で示したとおり、偏心収差において非点収差が支配的な撮像光学系では、波面の断面形状を楕円近似することで補正量を算出することができる。楕円のパラメータを計算するには、たとえば、楕円の中心点と、中心周りに角度を3等分する位置にある楕円上の3つの点がわかればいい。
本実施の形態5では、セパレートレンズ34の中心にあるレンズによる結像点は、近軸条光線に対する像点であり、楕円の中心点となる。したがって、近似的に中心点を算出する場合と比較して、高精度に波面検出を行うことが可能である。
本実施の形態5において、2次元検出器32上の像の位置を検出する上で、像の重心を位置として算出してもいい。この処理により、2次元検出器32の画素分解能以下の精度での位置測定が可能になる。また、セパレートレンズ34などによる像ボケの影響を抑制することができる。振動による像ぶれなど、外乱影響による精度低下の低減にも効果がある。
以上のように、実施の形態5によれば、セパレートレンズと2次元検出器を組み合わせて波面検出を行うことで、断面形状が楕円となる波面検出を、近似による誤差を小さくした上で、容易に実現できる。特に、セパレートレンズの中心に、その結像点が楕円の中心点となるようなレンズをさらに配置することで、先の実施の形態4のように、近似的に中心点を算出する場合と比較して、高精度に波面検出を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態5では、セパレートレンズ34により波面領域を抽出したが、先の実施の形態3のリング状のアパーチャの代わりに中心を含む4つ以上のホールアパーチャを持つマスクを配置しても同様の効果が得られる。そのとき、像位置を、上述のように、重心から算出することでさらなる精度向上を図ることも可能である。
また、本実施の形態5により、非点収差において2次のコマ収差が支配的な場合に、コマ収差の大きさを検出することも可能である。コマ収差が発生すると、波面の断面形状は、円となるが、近軸光線に対する像点が円の中心と一致しなくなる。したがって、両者の距離からコマ収差の大きさを算出することができる。
上述したように、本実施の形態1〜5のいずれかの構成の光学調整装置を用いることで、デフォーカス・非点収差・コマ収差のすべての補正が可能となる。
本発明の実施の形態1における光学調整装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における光学調整装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3における光学調整装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3における波面検出部の具体的な構成を示す図である。 本発明の実施の形態4における光学調整装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態5における光学調整装置を示す構成図である。
符号の説明
10 撮像光学系、11 絞り、20 検出器、30 波面検出部、31 アパーチャ、32 2次元検出器、33 セパレートレンズ、34 セパレートレンズ、40 移動量計算部、41 収差成分分離部、41a 楕円近似部、41b 収差算出部、42 直進補正計算部、43 傾き補正計算部、50 駆動機構。

Claims (7)

  1. 複数の光学素子を含み、かつ非回転対称な構造を有する撮像光学系の結像性能を光学的に測定して補正する光学調整装置であって、
    前記複数の光学素子のうち、開口絞りの位置にある第1の光学素子に設けられ、前記第1の光学素子の位置および傾きを調整するための駆動機構と、
    前記撮像光学系により結像する任意の像点に対する波面形状を計測し波面収差を検出する波面検出部と、
    前記撮像光学系の結像性能を補正するために、前記波面検出部で検出された前記波面収差に基づいて、前記第1の光学素子の位置調整量および傾き調整量を計算し、前記位置調整量および前記傾き調整量に応じて前記駆動機構を駆動させる移動量計算部と
    を備え、
    前記駆動機構は、少なくとも、位置調整用としての1軸の直進移動調整機構と、傾き調整用としての2軸の傾き調整機構とを有する
    ことを特徴とする光学調整装置。
  2. 請求項1に記載の光学調整装置において、
    前記移動量計算部は、
    前記波面検出部により検出された前記波面収差を回転対象成分と非回転対称成分とに分離する収差成分分離部と、
    分離された前記回転対称成分から前記位置調整量を直進移動量として計算する直進補正計算部と、
    分離された前記非回転対称成分から前記傾き調整量を計算する傾き補正計算部と
    を有することを特徴とする光学調整装置。
  3. 請求項2に記載の光学調整装置において、
    前記収差成分分離部は、前記波面検出部により計測された前記波面形状の断面を楕円として近似して、前記回転成分と前記非回転対称成分とに分離する
    ことを特徴とする光学調整装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学調整装置において、
    前記波面検出部は、リング状の領域として抽出された周辺光線の波面から前記波面収差を検出する
    ことを特徴とする光学調整装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学調整装置において、
    前記波面検出部は、3領域以上の周辺光線の波面から前記波面収差を検出する
    ことを特徴とする光学調整装置。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学調整装置において、
    前記波面検出部は、3領域以上の周辺光線の波面および中心領域の波面から前記波面収差を検出する
    ことを特徴とする光学調整装置。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1項に記載の光学調整装置において、
    前記波面検出部は、波面を集光位置として検出する2次元検出器を有し、前記集光位置の算出に光の強度分布の重心値を用いる
    ことを特徴とする光学調整装置。
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