JP4029838B2 - 光リソグラフィー用光学部材とその評価方法 - Google Patents

光リソグラフィー用光学部材とその評価方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、特に紫外線リソグラフィー技術において、250nm以下、好ましくは200nm以下の特定波長域の光に対してレンズ、プリズム、ミラー、補正板、フォトマスク等の光学素子として使用される光リソグラフィー用光学部材、並びにその評価方法に関するものである。
背景技術
LSI等の半導体素子、液晶表示素子、または薄膜磁気ヘッド等を製造するための光リソグラフィー用露光装置では、光源からの光を照明光学系を介して、マスク、レチクルなどの投影原版上のパターンを照射し、そのパターンを投影光学系を介して、予めフォトレジストを塗布したウエハ、ガラスプレートなどの感光性基板上に投影することで露光を行なっている。投影光学系の形式としては、露光波長の光を透過・屈折するレンズで構成された屈折型の投影光学系、露光波長の光を反射するミラーで構成された反射型の投影光学系、レンズとミラーとを組み合わせた反射屈折型の投影光学系がある。
近年、半導体素子などの集積度はますます高まり、基板上に転写されるパターンは微細化の一途をたどっている。そのため、光リソグラフィー用露光装置は、その光源をi線(365nm)からKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、更に、Fレーザー(157nm)へと変化させることで短波長化が進められている。これに伴って、光リソグラフィー用露光装置の光学系に対しては、より高い光学性能が要求されてきている。特に、微細なマスクパターンをウエハの感光面上に転写するための投影光学系は、高解像力で無収差に近い極めて高い光学性能が要求されている。このような要求を満たすために、光リソグラフィー用露光装置の光学系として用いられるレンズ、プリズム、ミラー、フォトマスク等の光学部材(以下、光リソグラフィー用光学部材)の屈折率均質性に対しては非常に高いレベルが要求されてきている。
ところで、光リソグラフィー用光学部材としては、その屈折率にムラがないこと(屈折率均質性)が重要である。従来、光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価は、光学部材に光が通過する際に生じる波面収差を測定し、その波面収差の最大値と最小値の差(以下、PV値という)や、自乗平均平方根(以下、RMS値という)などを評価指標として行なわれてきた。具体的には、PV値やRMS値が小さいほど優秀な光学部材であると考えられてきた。即ち、高品質とされる光学部材はこれらの値を小さくすることを目的に製造されてきた。
特開平8−5505号公報には、従来の屈折率均質性の評価方法が開示されている。この方法の具体的手順を図1に沿って説明する。
(1)円柱あるいは角柱状に研磨加工された光リソグラフィー用光学部材を干渉計にセットし、研磨加工面に対して直角に参照波面を発射し波面収差を測定する(S101)。測定された波面収差には、光学部材の屈折率分布に起因した情報が現れる(S102,d101)。このうち、曲率成分に起因する誤差収差をパワー成分もしくはフォーカス成分と呼び、傾き成分に起因する誤差収差をチルト成分と呼ぶ。
(2)測定された波面収差からパワー成分とチルト成分を除去する(S103,d102)。
(3)更に、アス成分に起因する波面収差を除去する(S104,d103)。
(4)残った波面収差を、回転対称成分と非回転対称成分(ランダム成分)に分離する(S105)。
(5)非回転対称成分(ランダム成分)のPV値及びRMS値を求め、これらの値により評価を行なう(d104)。
(6)回転対称成分を最小自乗法により非球面公式にフィッティングし(S106)、2次及び4次成分を除去し(S107)、残った6次以上の偶数次の波面収差成分(以下、2次4次残差という)のPV値及びRMS値を求め、これらの値により評価を行なう(d105)。
以上の手順からわかる通り、非回転対称成分(ランダム成分)及び2次4次残差が小さい光学部材が屈折率均質性の良好な光学部材とされ、このような光学部材を製造するよう努力が払われてきた。すなわち、光学部材はこれまで非回転対称成分及び2次4次残差を小さく抑えるように製造されてきた。
しかしながら、非回転対称成分や2次4次残差のRMS値やPV値が同じ値となるように製造された光学部材であっても、これらを用いて光学系を構成すると、その結像性能が異なる場合が少なくなかった。また、上記RMS値やPV値に基づいて評価を行ない、良好であると判断した光学部材を用いて光学系を構成しても、所望の結像性能が達成できない場合があった。このように所望の結像性能が達成できない光学系を用いても、高い集積度を持つ半導体素子等を製造することが困難であることは言うまでもない。特に、直径が250mm、厚さ40mmを超えるような大型の光リソグラフィー用光学部材に関しては、従来の方法で評価した場合、上記不都合が頻発するという問題があった。
発明の開示
本発明者らは、ツェルニケ円筒関数系によるフィッティング方法を個々の光学部材の屈折率均質性の評価に適用することにより、光学部材の屈折率均質性をより的確に評価でき、従来の屈折率均質性の評価方法を用いた場合に比べて高水準の結像性能を達成する光学系をより確実に構成することが可能となることを見出した。即ち、本発明によれば、屈折率均質性が高く高品質の光リソグラフィー用光学部材をより確実に提供できるようになり、更に、そのような光学部材を用いて高精度な光リソグラフィー用光学系、更には高性能な光リソグラフィー用露光装置を効率よくかつ確実に製造することが可能となる。
本発明は、光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価方法であって、前記光学部材に所定波長λの光を通過させて波面収差を測定する測定過程と、
測定された前記波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開するツェルニケフィッティング過程と、
前記多項式の各成分を回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離する第1の分離過程と、
前記多項式の各成分を次数に応じて複数の部分に分離する第2の分離過程と、を有する前記評価方法である。
なお、本発明の評価方法においては、多項式の各成分を回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離する過程(第1の分離過程)と、多項式の各成分を次数に応じて複数の部分に分離する過程(第2の分離過程)は、どちらを先に行なっても構わない。
また、前記第2の分離過程において、前記多項式の各成分を次数に応じて低次、中次、及び高次の3つの部分に分離することが好ましい。さらに、前記低次、中次、及び高次の3つの部分はそれぞれ、ツェルニケ円筒関数系の多項式のn=4〜8の項、n=9〜35の項、及びn>35の項であることがより好ましく、この場合n=0〜3の項は評価に用いなくてよい。
本発明に係る前記第1及び第2の分離過程においては、前記多項式の各成分を、前記多項式のn=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n=36〜80の項のうちの回転対称成分を高次回転対称成分、奇数対称成分を高次奇数対称成分、偶数対称成分を高次偶数対称成分とし、n>80の項を残差として分類することが好適であり、
この場合に本発明の評価方法が、
低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分、高次回転対称成分、高次奇数対称成分、高次偶数対称成分及び残差のそれぞれのRMS値を算出するRMS値算出過程と、
算出されたRMS値が所定の条件を満たしているか否かを評価する評価過程と、を更に有することが好ましい。
そして、前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c),(d):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.005λ以下である;
(d)残差のRMS値が0.006λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価することが好ましく、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしているか否かを評価することが特に好ましい。
さらに、前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c),(d):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
(c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.003λ以下である;
(d)残差のRMS値が0.004λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価することがより好ましく、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしているか否かを評価することが特に好ましい。
また、本発明に係る前記第1及び第2の分離過程においては、前記多項式の各成分を、前記多項式のn=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n>35の項を高次残差として分類することも好適であり、
この場合に本発明の評価方法が、
低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分及び高次残差のそれぞれのRMS値を算出するRMS値算出過程と、
算出されたRMS値が所定の条件を満たしているか否かを評価する評価過程と、を更に有することが好ましい。
そして、前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(c)高次残差のRMS値が0.01λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価することが好ましく、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしているか否かを評価することが特に好ましい。
さらに、前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
(c)高次残差のRMS値が0.004λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価することがより好ましく、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしているか否かを評価することが特に好ましい。
また、本発明は、波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用光学部材であって、
前記光学部材に波長λの光を通過させて測定した波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開した場合、n=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n=35〜80の項のうちの回転対称成分を高次回転対称成分、奇数対称成分を高次奇数対称成分、偶数対称成分を高次偶数対称成分とし、n>80の項を残差とした場合、下記条件(a),(b),(c),(d):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.005λ以下である;
(d)残差のRMS値が0.006λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしている前記光学部材であり、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしている光学部材が特に好ましい。
また、前記光学部材が、下記条件(a),(b),(c),(d):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
(c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.003λ以下である;
(d)残差のRMS値が0.004λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしていることがより好ましく、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしていることが特に好ましい。
さらに、本発明は、波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用光学部材であって、
前記光学部材に波長λの光を通過させて測定した波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開した場合、n=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n>35の項を高次残差とした場合、下記条件(a),(b),(c):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(c)高次残差のRMS値が0.01λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしている前記光学部材であり、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしている光学部材が特に好ましい。
また、前記光学部材が、下記条件(a),(b),(c):
(a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
(b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
(c)高次残差のRMS値が0.004λ以下である;
のうちの少なくとも一つの条件を満たしていることが好ましく、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしていることが特に好ましい。
また、本発明は、波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用露光装置に用いる投影光学系であって、前記投影光学系を構成するレンズのうちの90%以上が前記本発明の光学部材からなるものである。
そして、本発明の投影光学系においては、前記レンズのうち光束径/有効径が1/2以下のレンズが、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしている光学部材か、または、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしている光学部材からなるものであることが特に好ましい。
さらに、本発明は、前記本発明の投影光学系を備える、波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用露光装置である。
発明を実施するための最良の形態
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付するものとする。
まず、材料を合成してインゴットを得る。材料としては、合成石英、フッ素ドープ石英、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、その他の結晶材料等が用いられる。材料の種類により合成方法が異なるので、各材料に適した方法で合成する。合成したインゴットから光リソグラフィー用光学部材を切出す。光学部材は、例えば直径300mm、厚さ60mmで、上面と下面には高精度な研磨または研削加工を施す。
光学部材の波面収差は、例えば波長633nmのHe−Neレーザーを光源とする平面光学部材測定用のフィゾー型干渉計で測定する。この干渉計は、被測定物を2枚の平行平板部材の間に挟んで固定することが可能な構造となっている。なお、波面収差測定に用いる光源としてはKrFエキシマレーザー(248nm)やArFエキシマレーザー(193nm)を用いる方がより原理的ではあるが、干渉計のコスト、大きさ、測定安定性等の理由によりHe−Neレーザーを用いることが多い。
波面収差の測定はオイルオンプレート法により行なう。この方法について、図2,図3のフローチャートと図4A,図4Bの説明図により具体的に説明する。
まず、干渉計を用意する。干渉計は図4A,図4Bに示した通り、本体部分41、参照面物体42、二枚の平行平板部材43、及び反射面45から成り立っている。この干渉計に被測定物である光学部材44をセットする前に、前記二枚の平行平板部材43の間の隙間に被測定物と同じ屈折率を有する透明なオイル46を充填し、この状態でレーザービームによる参照波面を照射し、透過した光を撮像することで波面データを得る(S201,S301)。この状態を図4Aに示す。次に、光学部材44を前記二枚の平行平板部材43の間にセットした状態で、前記透明なオイル46を平行平板部材43と光学部材44の隙間に充填し、この状態で透過した光を撮像して波面データを得る。この状態を図4Bに示す。
次に、光学部材44をセットした状態で測定された波面データから、光学部材をセットしない状態で測定された波面データを除算する。これにより、光学部材44の表面形状による波面収差に起因する測定誤差の影響を除くと同時に、干渉計に起因する波面収差による誤差も除いて、光学部材44内部の波面収差のみを測定することができる。即ち、光学部材固有の波面収差を求めることができる(S202,S302)。
断面が円形の場合、それを内接円とする正方形領域を50×50メッシュ程度以上に分割した要素の数として、各要素毎の測定値を得ることが望ましい。なお、要素の数(測定点数)は被測定物の径に応じて変更することが望ましく、更に、光束径(パーシャル径)に応じて決定することがより望ましい。例えば、図5に示した光学系(投影光学系)で、レチクルRを透過した光束は、G1からG6のレンズ群を通過してウェハWの表面上に焦点を結ぶが、その際、各レンズを透過する光束径(パーシャル径)は異なる。即ち、レチクルRに近い側のレンズの光束径は、レチクルRから遠い(ウェハWに近い)レンズの光束径に比べて小さい。このような各レンズを加工するための光学部材に対して、レンズの光束径内の測定点数がほぼ同等になるように測定点数を選ぶことで、ほぼ同等な精度で測定できる。なお、有効径に対して光束径が小さいレンズに用いる光学部材では、レンズ有効径内を網羅して測定するには、測定点数が非常に多くなってしまう。この場合には、光学部材の複数の領域毎に波面収差測定を行ない、得られた波面収差データを合成することで全体の波面収差を得ることができる。
波面収差の測定には、トワイマングリーン型干渉計、シアリング型干渉計などを用いてもよい。
測定された波面収差データは、図6に示すように、光学部材の射出瞳面上に座標系を定めて、得られた波面収差をその座標系で表わす。即ち、射出瞳面上に極座標を定め、得られた波面収差Wを
W(ρ,θ)
として表わす。更に、直交関数系に展開される。本発明では、波面収差を前記光学部材の瞳を中心とする回転対称成分と、奇数対称成分と、偶数対称成分に分離するために、座標系として極座標を用い、直交関数系としてツェルニケの円筒関数を用いる。ここでρは射出瞳の半径を1に規格化した規格化瞳半怪、θは極座標の動径角である。即ち、波面収差W(ρ,θ)を、ツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)を用いて、
W(ρ,θ)=ΣCnZn(ρ,θ) (1)
と展開する(S203,S303)。ここでCnは展開係数である。大きなnの値まで展開するほど精度よくフィッティングできる。しかし、nがあまりに大き過ぎると計算のための負担が大きくなるので適度な大きさが望ましい。このような観点から、n=0〜35、または、0〜80とするのが適当である。n=0〜35の場合は10次の係数までフィッティングでき、また、n=0〜80の場合は16次の係数までフィッティングできる。
例えば、n=0〜35のツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)を示すと次の通りである。
n:Zn(ρ,θ)
0:1
1:ρcosθ
2:ρsinθ
3:2ρ−1
4:ρcos2θ
5:ρsin2θ
6:(3ρ−2)ρcosθ
7:(3ρ−2)ρsinθ
8:6ρ−6ρ+1
9:ρcos3θ
10:ρsin3θ
11:(4ρ−3)ρcos2θ
12:(4ρ−3)ρsin2θ
13:(10ρ−12ρ+3)ρcosθ
14:(10ρ−12ρ+3)ρsinθ
15:20ρ−30ρ+12ρ−1
16:ρcos4θ
17:ρsin4θ
18:(5ρ−4)ρcos3θ
19:(5ρ−4)ρsin3θ
20:(15ρ−20ρ+6)ρcos2θ
21:(15ρ−20ρ+6)ρsin2θ
22:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρcosθ
23:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρsinθ
24:70ρ−140ρ+90ρ−20ρ+1
25:ρcos5θ
26:ρsin5θ
27:(6ρ−5)ρcos4θ
28:(6ρ−5)ρsin4θ
29:(21ρ−30ρ+10)ρcos3θ
30:(21ρ−30ρ+10)ρsin3θ
31:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρcos2θ
32:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρsin2θ
33:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρcosθ
34:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρsinθ
35:252ρ10−630ρ+560ρ−210ρ+30ρ−1
n=36以上のツェルニケ円筒関数系Zn(ρ,θ)については、ここでは省略する。
次に、(1)式の各項を、
(a)θを含まない項、即ち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として任意の角度だけ回転した座標での値とが等しい回転対称成分、
(b)sin(又はcos)θ、sin(又はcos)3θなどの、動径角θの奇数倍の三角関数を含む項、即ち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として360°の奇数分の1だけ回転した座標での値とが等しい奇数対称成分、
(c)sin(又はcos)2θ、sin(又はcos)4θなどの、動径角θの偶数倍の三角関数を含む項、即ち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として360°の偶数分の1だけ回転した座標での値とが等しい偶数対称成分、
の三種類に分離する(S204,S304)。即ち、波面収差の回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分をそれぞれ、Wrot、Wodd、及びWevnとすると、
rot(ρ,θ)
=C+C+C+C1515+C2424+‥‥ (2)
odd(ρ,θ)
=C+C+C+C+C+C1010‥‥ (3)
evn(ρ,θ)
=C+C+C1111+C1212+C1616+‥‥ (4)
となる。
更に、(1)式の波面収差のRMS値(自乗平均平方根)をr、(2)式の波面収差の回転対称成分WrotのRMS値をrrot、(3)式の波面収差の奇数対称成分WoddのRMS値をrodd、そして(4)式の波面収差の偶数対称成分WevnのRMS値をrevnとする。r、rrot、rodd、及びrevnの間には、(r=(rrot+(rodd+(revnの関係が成り立つ。
rot、rodd、及びrevnは、それぞれ、光学部材の屈折率分布の球面収差成分、コマ収差成分、及び非点収差成分と関連付けることができる。
ここで、光学部材を加工してレンズとし、それを組み合せて光学系を構成する場合を考える。nが比較的小さい成分、即ち、次数の低い成分の収差については、レンズ間隔の変更や、一部レンズを光軸の回りに回転させたり、傾けたり、あるいはシフトしたりすることで低減し易い。nがそれより大きい次数の収差成分では、低減することは難しくなるが、それでもレンズを回転させたり、レンズの組合せを変更したりすることである程度は低減できる。そして、このような方法で低減できない場合には、一部レンズの表面形状を修正することで低減することができる。しかし、更にnが大きい次数の収差成分については低減することは難しい。
本発明者らの研究によれば、nが小さい成分、例えばn=0〜3の成分に関しては収差が除去可能なので、これらの成分については評価の対象から除いても問題はない。そして、nが4以上の成分に関して、nの大きさにより複数の領域に分けて収差成分を評価することで、光学部材の屈折率均質性について合理的な評価ができる。例えば、n=4〜8の成分を低次、n=9〜35の成分を中次、n>35の成分を高次とする3つの領域に分けて収差成分を評価することで、光学部材の屈折率均質性について合理的な評価ができる(S205,S305)。
そこで、Wrot、Wodd、及びWevnを、それぞれ低次(n=4〜8)、中次(n=9〜35)、及び高次(n>35)に分けると、式(2)、(3)、及び(4)から次のように書ける。
低次Wrot(ρ,θ)=C (5)
低次Wodd(ρ,θ)=C+C (6)
低次Wevn(ρ,θ)=C+C (7)
中次Wrot(ρ,θ)=C1515+C2424+C3535 (8)
中次Wodd(ρ,θ)=C+C1010+C1313+C1414+C1818+C1919+C2222+C2323+C2525+C2626+C2929+C3030+C3333+C3434 (9)
中次Wevn(ρ,θ)=C1111+C1212+C1616+C1717+C2020+C2121+C2727+C2828+C3131+C3232 (10)
高次Wrot(ρ,θ)=C3535+C4848+C6363+C8080 (11)
高次Wodd(ρ,θ)=C3838+C3939+C4242+C4343+C4646+C4747+C4949+C5050+C5353+C5454+C5757+C5858+C6161+C6262+C6666+C6767+C7070+C7171+C7474+C7575+C7878+C7979 (12)
高次Wevn(ρ,θ)=C3636+C3737+C4040+C4141+C4444+C4545+C5151+C5252+C5555+C5656+C5959+C6060+C6464+C6565+C6868+C6969+C7272+C7373+C7676+C7777 (13)
そして、これらの波面収差成分のRMS値をそれぞれ低次rrot、低次rodd、低次revn、中次rrot、中次rodd、中次revn、高次rrot、高次rodd、及び高次revnとし、フィッティングしきれずに残った波面収差成分を残差と定義する。また、残差のRMS値及びPV値を残差RMS及び残差PVと定義する(S206→d201)。
なお、n=0〜35でフィッティングした場合には、高次rrot、高次rodd、及び高次revnは定義せず、低次及び中次の各項でフィッティングしきれずに残った波面収差成分を高次残差と定義する。そして、高次残差のRMS値及びPV値を高次残差RMS及び高次残差PVと名づける(S306→d301)。
また、ここでは、波面収差をまず回転対称成分、奇数回転対称成分、偶数回転対称成分に分離した後、それぞれの成分を次数により低次、中次、高次に分離したが、勿論、この順序は逆でも構わない。即ち、波面収差をまず次数により低次、中次、高次の成分に分離した後、それぞれの成分を回転対称成分、奇数回転対称成分、偶数回転対称成分に分離することでも全く同じ結果となる。
次に、本発明者らは、屈折率均一性に関して種々の特性を持つ光学部材を製造し、その屈折率均質性レベルに応じて分類し、それぞれのレベルの光学部材を組み合わせて光リソグラフィー用の投影光学系を構成し、その光学性能を評価した。
その結果、光源の波長をλとした場合、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、または、中次rrotが0.02λ以下、中次rodd6が0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、または、高次rrotが0.005λ以下、高次roddが0.005λ以下、高次revnが0.005λ以下、または、残差RMSが0.006λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として良好な光学性能を得られることがわかった。
より好ましくは、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、または、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、または、高次rrotが0.003λ以下、高次roddが0.003λ以下、高次revnが0.003λ以下、または、残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
また、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、かつ、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、かつ、高次rrotが0.005λ以下、高次roddが0.005λ以下、高次revnが0.005λ以下、かつ、残差RMSが0.006λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用としてより一層良好な光学性能を得られることがわかった。
また、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次rrotが0.003λ以下、高次roddが0.003λ以下、高次revnが0.003λ以下、かつ、残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
また、n=0〜35でフィッティングした場合には、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、または、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、または、高次残差RMSが0.01λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として良好な光学性能を得られ、投影光学系用の光学部材としても使用可能となることがわかった。
また、より好ましくは、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、または、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、または、高次残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
また、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、かつ、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、かつ、高次残差RMSが0.01λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られることがわかった。
また、より好ましくは、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
ここで、光リソグラフィー用露光装置に用いる投影光学系について図5を用いて説明する。レチクルRを通過した光束は、G1からG6の複数枚のレンズ群を通過してウェハWの表面に焦点を結ぶ。各レンズの屈折率の不均一さはウェハ面上における結像性能に悪影響を与えるが、その度合いは、成分の次数により異なる。すなわち、低次成分、中次成分、高次成分の順に結像性能に与える影響は大きい傾向にある。その理由は以下の通りである。先ず、光学系として、波面成分を補正する手段としては、低次成分に関してはレンズ間隔の調整、レンズの回転・シフト・チルト等、中次成分に関してはレンズ表面のゆるやかな非球面加工、レンズの二方向からの圧縮、レンズ間への圧力印加等、高次成分に関してはレンズ表面の複雑な非球面加工、レンズの多方向からの圧縮等が考えられる。なお、レンズ表面を複雑な非球面に加工する手段としては、例えば、サイズの小さな研磨工具や磁性流体による研磨、イオンビーム照射、CVM(Chemical Vapor Milling)等によるレンズ表面の微細な加工が考えられる。上記各手段は、低次、中次、高次の順にそれぞれに関する手段の困難さが高くなる。これが、低次成分、中次成分、高次成分の順で結像性能に与える影響が大きい理由である。
すなわち、評価の重要性という意味では、高次成分が最も高く、中次成分、低次成分がこれに続く。従って、勿論低次成分、中次成分及び高次成分の全てを評価することが最も望ましいが、高次成分のみの評価や、高次成分と中次成分の評価によってもある程度の目的は達成されることとなる。
また、高次成分が結像性能に与える度合いは、どのレンズでも同じという訳ではない。図5で、光束径(パーシャル径)に着目すると、レチクルRに近い側のレンズの光束径は、レチクルRから遠い(ウェハWに近い)レンズの光束径に比べて小さいことがわかる。このため、レンズ内の屈折率の不均一さがウェハ上への結像性能に与える悪影響の度合いは、レチクルから近い側のレンズの方が、レチクルから遠いレンズに比べてはるかに大きい。特に、光束径/有効径の値が1/2より小さいレンズの場合にはこの影響は大きい。従って、光束径/有効径の値が1/2より小さい(レチクルRに近い)レンズには、高次成分RMSが小さい光学部材を用いればより一層良好な結像性能が得られる。
従って、前記投影光学系を構成するレンズのうちの90%以上が前記本発明の光学部材からなるものであることが好ましく、全てのレンズが前記本発明の光学部材からなるものであることがより好ましい。
さらに、前記投影光学系を構成するレンズのうち、光束径/有効径が1/2以下のレンズの90%以上が、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次rrotが0.003λ以下、高次roddが0.003λ以下、高次revnが0.003λ以下、かつ、残差RMSが0.004λ以下の光学部材からなるものであることが好ましく、全てのレンズが前記条件を満たす光学部材からなるものであることが特に好ましい。また、光束径/有効径が1/2以下のレンズの90%以上が、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次残差RMSが0.004λ以下の光学部材からなるものであることが好ましく、全てのレンズが前記条件を満たす光学部材からなるものであることが特に好ましい。
ところで、既に説明した通り、オイルオンプレート法は、被測定物をセットした状態で測定された波面収差から被測定物をセットしない状態で測定された波面収差を除くことで、被測定物表面形状による波面収差に起因する波面収差の影響を除くと同時に、干渉計に起因する波面収差分も除いて、被測定物内部の波面収差のみを測定できる計測方法である。即ち、被測定物としての光学部材の内部均質性に依存する波面収差をW、干渉計に依存する波面収差をE、オイルに依存する波面収差をOとすれば、光学部材をセットした状態で測定した波面測定データDは、
=W+E+O
と表せる。光学部材をセットしない状態で測定した波面測定データDには干渉計に依存する波面収差Eとオイルに依存する波面収差Oが含まれるので、
=E+O
と表せる。従って、光学部材をセットした状態で測定された波面測定データDから、光学部材をセットしない状態で測定された波面測定データDを除算すると、
−D=W+E+O−(E+O)=W
となり、光学部材の内部均質性に依存する波面収差Wのみが分離されて求まることになる。
しかし、光学部材を干渉計にセットしたり取り外したりする作業には時間を要するため、この間の温度変動等により干渉計やオイルの状態は変化する可能性がある。また、実際の測定作業では、まず光学部材をセットする前に波面データを求め、そのデータを用いて複数の光学部材の波面収差測定を行なうのが一般的である。このような場合、最初のデータを長時間にわたって用いるので、更に大きな温度変動が発生して干渉計やオイルの状態がより大きく変化する可能性がある。即ち、EやOは一定と見なすことができなくなり、光学部材固有の波面収差Wのみを分離できないことになってしまう。
そこで、より精度よく被測定物の波面収差を計測するために、本発明者らは次のような方法を提案する。即ち、まず、非測定物としての光学部材を干渉計にセットして波面データを求める。次に、前記光学部材を光軸を中心にして回転させ、適当な角度毎に波面データを求める(図7A,図7B)。
次に、各角度における複数の波面測定データを平均化して得られたデータを、光学部材を回転させる前に測定した波面データから減算する。これにより、光学部材固有の波面収差を構成する回転対称成分と非回転対称成分のうち非回転対称成分が求まる。次に、光学部材を光軸に直角方向にずらせた状態で波面データを求め(図8A,図8B)、ずらせる前に測定した波面データから減算する。
これにより、光学部材固有の波面収差を構成する回転対称成分と非回転対称成分のうち回転対称成分が求まる。このようにして求めた回転対称成分と非回転対称成分を加算することで光学部材固有の波面収差が求められる。光学部材を回転させたりずらせたりするのに要する時間は短いので、この間の干渉計やオイルの状態の変化は殆ど無視できる程度と考えられる。従って、このように方法によれば、より精度よく波面収差の測定を行なうことが可能となる。
上記の方法による光学部材の波面収差の測定原理について説明する。まず、光学部材の内部均質性に依存する波面収差Wを構成する成分によって分類し、回転対称成分をWs、非回転対称成分(奇数回転対称成分、偶数回転対称成分、及び残差の合計)をWaとすると、
W=Ws+Wa (14)
と表される。図7A,図7Bに示すように、光学部材を360°/nずつ回転させながら、それぞれの角度で測定した各波面データを、Dw(1)、Dw(2)、…Dw(n)、各角度における光学部材の波面収差(内部均質性)をW(1)、W(2)、…W(n)とする。ここで、回転対称成分の定義は、
Ws=ΣW(i)/n (15)
なので、(14)式より、
W(i)=Ws+Wa(i) (16)
となる。従って、
ΣW(i)/n=ΣWs/n+ΣWa(i)/n
移項すると、
ΣWa(i)/n=ΣW(i)/n−ΣWs/n=Ws−Ws=0
となるので、即ち、回転平均化した非回転対称成分の値はゼロとなる。回転平均化データは、平行平板部材の波面収差をS、干渉計の測定光学系の波面収差をK、反射面の波面収差をMとすると、(15)式の定義より、
ΣDw(i)/n=ΣW(i)/n+S+K+M=Ws+E+O (17)
となる。光学部材の0°方向の波面データDw(1)は(16)式より、
Dw(1)=W(1)+S+K+M=Ws+Wa(1)+E+O (18)
よって、(18)式から回転平均化データ(17)式を減算すると、
Dw(1)−ΣD(i)/n=Wa(1)
となる。即ち、非回転対称成分Waが求まる。
次に、図8A,図8Bに示すように、光学部材を横にずらせたときの波面データをDw(x)、このときの光学部材内部均質性の回転対称成分をWs(x)、非回転対称成分をWa(x)とすると、
Dw(x)=Ws(x)+Wa(x)+E+O (19)
となる。この波面データDw(x)を0°方向(ずらせない状態)の波面データDw(1)から減算すると、(18)式及び(19)式より、
Dw(1)−Dw(x)=(Ws+Wa)−(Ws(x)+Wa(x))
となる。ここで、Waは既知であり、それに基づいてWa(x)も求まるので既知である。未知の項を左辺に、測定データの項を右辺に移項すると、
Ws−Ws(x)=Dw(1)−Dw(x)−(Wa−Wa(x))
となる。これは、回転対称成分Wsが横ずらし重畳されたデータであり、回転対称成分の等高線が同心円状の分布となる性質を利用するとWs(x)が求まるので、この項も右辺に移項すると、
Ws=Dw(1)−Dw(x)−(Wa−Wa(x))+Ws(x)
となるので、回転対称成分Wsが求まる。即ち、光学部材固有の波面収差のデータ構造は(14)式に示した通りなので、光学部材固有の波面収差(内部均質性)が求まることになる。
光学部材を回転させて波面データを得る回数に関しては、原理的には多い方が測定精度は高くなるが、反面、測定に要する時間が長くなるため、干渉計やオイルの状態の変動が大きくなり、測定精度が低下する要因となる。従って、実際の測定では、3〜4回が適当と考えられる。短時間で測定したい場合には2回とする場合も考えられる。この場合、対角線の位置関係(例えば、0°と180°)とする必要はなく、例えば、0°と60°のような組合せでも可能である。
また、光学部材を横にずらせる量に関しては、原理的には大きい方が測定精度は高くなるが、反面、光学部材の支持状態等が変化し、測定精度が低下する要因となる。従って、横にずらせる量はむやみに大きな量とすべきでなく、光学部材の直径の10%程度が適当と考えられる。
このようにして求めた波面収差を、ツェルニケの円筒関数等の直交関数系へ展開する方法については既に説明した通りである。
次に、良好な光学部材を得るための製造方法について、ダイレクト法と呼ばれる方法により製造される石英ガラスを例にあげて次に説明する。
石英ガラスの合成方法の一つであるダイレクト法は、炉の中で、キャリアガスで希釈した原料ガスとしての珪素化合物ガスを石英ガラス製多重管バーナから噴出させる。この時、同時に酸素ガス、及び水素ガスを前記の石英ガラス製多重管バーナから噴出させて燃焼させることで、ターゲット上に高純度石英ガラスを透明な状態で堆積させてインゴットを得る。珪素化合物ガスとしては、塩素化合物(例えばSiClなど)、各種有機珪素化合物、フッ素化合物(例えばSiFなど)等がある。合成の際には、ターゲットを回転させると同時に周期的に揺動させながら降下させて、インゴット上面の位置が常にバーナから一定となるようにする。
また、インゴット上部の温度を計測し、その結果に応じてバーナとインゴットを相対的に平面移動させる。これは、バーナの形状や噴出ガス量等に起因するインゴット上部の温度分布パターンと、バーナとインゴットの相対移動に起因する温度分布パターンを組合せて制御することで、石英ガラスインゴットの屈折率均質性を最適化するためである。
ダイレクト法の特徴は、他の製造方法に比べてエキシマレーザー耐性が高く、大きな径の材料が得られることである。石英ガラスの屈折率均質性は、不純物と密度分布により決まる。不純物としては、OH、Cl、F、金属不純物、溶存ガス等が挙げられ、例えば、塩素化合物を原料ガスとして用いるダイレクト法の場合は、数百ppm以上含有されるOH、次いで数十ppmが含有されるClが支配的であると考えられる。
一方、密度分布としては、熱履歴による密度分布が支配的である。このような要因により屈折率分布が決定されるため、屈折率均質性の良好な石英ガラスを得るためには、▲1▼合成、▲2▼均質化や形状形成のための熱処理、▲3▼徐歪のためのアニール、及び▲4▼切断・丸め等の機械加工の各工程で、幾何学的な中心位置を常に維持するような製造方法が必要である。以下に製造方法の一例を示す。
石英ガラスの合成はターゲットを回転させながら行なうので、製造されるインゴットの不純物濃度分布、物性分布、及びそれに基づく屈折率分布は、マクロには中心対称となる。このようにして得られたインゴットから光学部材を得る工程を図9に示す。まず、インゴット21を複数の円柱部材22に切断する。この円柱部材22の側面はインゴットの側面そのものなので、円柱部材22の中心はインゴット21の中心となる。円柱部材22の中心を切断面上にマーキングし、その後の切断、丸め等の機械加工の基準とすれば、インゴット21の中心軸と石英ガラス部品の中心軸が一致し、最終的にマクロには中心対称性のよいレンズを製造することが期待できる。
前述した通り、石英ガラスの屈折率分布は不純物と熱履歴による密度分布により決まるが、これらは合成条件により制御を行なうことができる。このためには、合成条件の変動に影響を与える、原料、酸素、水素、排気流量、ターゲット回転数、引下げ速度等は高精度に制御可能な構成とすることが必要である。また、炉、バーナ、及びインゴットの各中心を合わせるためにレーザー光の光軸を基準としてこれらの位置合せを行なう。
このような方法で合成を行なったインゴット21から円柱部材22を得て、この上面及び下面に対して研削加工を施した後、高精度に研磨し光学部材とする。このような光学部材の屈折率分布を干渉計で測定し、波面収差の回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分のそれぞれを、低次、中次、及び高次の各成分に分離し、更に、残差、残差のRMS値等を求める。そして、これらの値を減少させるために、合成条件の調整を行ない、再び合成を行なう。例えば、バーナのガス流量の制御、もしくは、合成時のバーナとターゲットの相対移動条件の制御を行なう。
また、合成後の熱処理においても、降温時の放熱を制御するためにSiO粉や塊を上下・側面に設置することや、アニール時の降温速度を調整すること、アニール後のHIP(熱間等方加圧)処理時の保持圧力の調整等によっても、上記各値を制御することができる。ただし、1700℃を超えるような高温で熱処理を行なった場合には中心対称性が損なわれてしまう。
これらの方法により、屈折率分布を調整し所望の光学性能を得ることができる。このような光学部材22に対して、丸めを行ないレンズを加工するための石英ガラス部品23を得る。次いで、研削、研磨等の加工を施し、投影レンズ24を製造する。以上のような工程により、様々な形状のレンズやプリズム、反射鏡等の光学要素を製造し、それらを適当に組合せて鏡筒に組込むことで投影光学系が製造され、このような投影光学系をエキシマレーザーステッパに組込む。
図10にエキシマレーザーステッパの概念図を示した。この図において、8は投影光学系、1はエキシマレーザー光源、2は照明光学系、3はマスク、9は縮小投影されるシリコンウェハである。紫外領域の照明光を出射するための光源1としては、Fレーザー(発振中心波長157.6nm)を備えている。光源1から出射された光は、照明光学系2を介して、所定のパターンが形成されたマスク3を均一な照度で照明する。
なお、光源1から照明光学系2までの光路には、必要に応じて光路を曲げるための1個または複数のミラーが配置される。また、照明光学系2は、オプティカルインテグレータ、視野絞り、視野絞り光学系等を有する。オプティカルインテグレータは、例えばフライアイレンズや内面反射型インテグレータにより所定の面光源を形成する。また、視野絞りは、マスク3上での照明領域のサイズ・形状を規定するためのものであり、視野絞り光学系は、この視野絞りの像をマスク上へ投影するためのものである。
光源1と照明光学系2の間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源1から照明光学系2の最もマスクに近い側のレンズまでの空間は、露光光の吸収率が低い不活性ガスが充填されている。
マスク3は、マスクホルダ4を介してマスクステージ5上においてXY平面に対して平行となるように保持されている。マスク3には転写すべきパターンが形成されている。パターン領域全体のうち、X方向に沿って短辺を有し、かつ、Y方向に沿って長辺を有する矩形状(スリット状)領域が照明される。
マスクステージ5は、マスク面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はマスク移動鏡6を用いた干渉計7によって計測され位置制御される。
マスク3に形成されたパターンを通過した光は、投影光学系8を介して感光性基板であるウェハ9上にマスクパターン像を形成する。ウェハ9は、ウェハホルダ10を介してウェハステージ11上においてXY平面に対して平行となるように保持される。ウェハステージ11は、ウェハ9上においてX方向に沿って短辺を有し、かつ、Y方向に沿って長辺を有する矩形状の露光領域が、マスク3上における矩形状の照明領域に光学的に対応するように、XY平面に沿って二次元的に移動可能である。ウェハホルダ10の位置座標はウェハ移動鏡12を用いて干渉計13により計測され位置制御される。
投影光学系8の内部は機密状態を保つように構成され、その内部の空間には不活性ガスが充填されている。
また、照明光学系2と投影光学系8の間の狭い光路には、マスク3及びマスクステージ5などが配置されている。マスク3及びマスクステージ5などを密封包囲するケーシング(不図示)の内部には不活性ガスが充填されている。
このように、光源1からウェハ9までの光路全体にわたって、露光光が殆ど吸収されることのない雰囲気が形成されている。
上述した通り、投影光学系8を介して照明されるマスク3上の照明領域及びウェハ9上の露光領域は、X方向に沿って短辺を有する矩形状である。従って、駆動系及び干渉計(7、13)等を用いてマスク3及びウェハ9の位置制御を行ないながら、矩形状の照明領域及び露光領域の短辺方向、即ちX方向に沿ってマスクステージ5とウェハステージ11とを同期して移動(走査)させることで、ウェハ9上には露光領域の長辺に等しい幅を有し、かつ、ウェハ9の移動(走査)量に応じた長さを有する領域に対してマスクパターンが走査露光される。
このような構成により、微細かつ鮮明なパターンを得ることが可能な光リソグラフィーが可能となる。本発明によれば、線幅0.3μm以下のパターンを得ることが可能である。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
上述したダイレクト法を用いて、直径500mm、長さ800mmのインゴットを複数製造し、これらのインゴットから円板状のテストピースを水平に切出した。この時、インゴットの回転中心と円板の中心を一致させた。このテストピースを徐歪及び均質性調整のため、中心対称の温度分布を有するアニール炉の中央にセットして回転させながらアニール処理を行なった(1000℃で24時間保持後、−10℃/分の温度勾配で500℃まで降温し、以後放冷)。
更に、これらの円板からコアドリルにより直径300mm、厚さ60mmの円板状光学部材を抜き出し、上下面を研磨した。この時、インゴットの回転中心と円板の中心を一致させた。この部材の屈折率均質性を評価するためには、まず、屈折率の傾斜成分を知っておく必要がある。これは、屈折率の傾斜成分を干渉計で直接測定することは困難なためである。そこで、この部材の径方向の両端から2つのプリズム形状のサンプルを採取し、高精度のスペクトロメーターを使用して最小偏角法により10−7オーダーの精度で屈折率の測定を行なった。その結果、2つのサンプルの屈折率差は測定限界以下、即ち、10−7以下であった。
次に、波長633nmのHe−Neレーザーを光源とする平面光学部材測定用のフィゾー型干渉計に円板状部材をセットして、オイルオンプレート法により100×100メッシュの測定点(ρ,θ)について波面収差を測定した。測定されたこれらの波面収差データを用いて、波面収差プロフィールをn=0〜80の項までツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)にフィッティングした(当てはめた)。即ち、複数の測定データから最小自乗法によりC〜C80の展開係数を求めた。
次に、求めた展開係数を(1)式に代入して計算することで、各測定点毎にW(ρ,θ)を求めた。次に、(5)〜(13)式に求めた展開係数を代入して計算することで、各測定点毎の低次Wrot、低次Wodd、低次Wevn、中次Wrot、中次Wodd、中次Wevn、高次Wrot、高次Wodd、及び高次Wevnを算出し、更に、これらの値から低次rrot、低次rodd、低次revn、中次rrot、中次rodd、中次revn、高次rrot、高次rodd、及び高次revnを算出した。また、各測定点毎に、実際の測定データと(1)式に代入して計算したW(ρ,θ)の差を求めることで残差を求め、これらの値から残差RMS値を算出した。このようにして、種々の条件で製造したインゴットから製造した円板状光学部材について、n=0〜80のツェルニケ円筒関数系によるRMS値を求めた。
次に、求めたRMS値の程度により円板状光学部材を複数のクラスに分類した。その後、先ず一つのクラスに分類された円板状光学部材のみを用いて、ArFエキシマレーザーを光源とする光リソグラフィー用露光装置に用いるための投影光学系を構成するのに必要な複数種類のレンズを加工して得た。そして、これらのレンズを組み合わせて投影光学系を構成し、そのクラスに対応した光学部材からなる投影光学系を組み立てた。次に、別のクラスに関しても、上記と同様にしてそのクラスに対応した光学部材からなる投影光学系を順次組み立てた。このようにして、各クラスに対応した光学部材からなる投影光学系を作製し、これらの投影光学系の波面収差をフィゾー型干渉計により評価した。
ここで、光学系測定用のフィゾー型干渉計による波面収差の原理を図11により説明する。光源31は、露光装置に実際に用いるのと同じ波長の光を用いる必要がある。ここでは光源31としてArFエキシマレーザーを用いている。光源31から射出した光束は、ハーフプリズム32で反射(又は透過)して、フィゾーレンズ33に入射する。フィゾーレンズ33に入射した光束のうち、一部の光束はフィゾーレンズの参照面33aで反射して参照光となり、往路を逆進してハーフプリズム32に戻る。フィゾーレンズ33に入射した光束のうち、他の光束は参照面33aを透過して測定光となる。測定光は、セットした投影光学系37を通過し、XYステージ35上に載置された球面鏡34で反射し、往路を逆進してハーフプリズム32に戻る。ハーフプリズム32に入射した参照光と測定光は、ハーフプリズム32を透過(又は反射)して、撮像素子36上に球面鏡34の像を形成する。
投影光学系37に収差がなければ、測定光は球面鏡34の各点に同位相で入射し、フィゾーレンズの参照面33aの各点に同位相で戻る。従って、撮像素子36上の各点で参照光と測定光の位相差が等しいから、球面鏡34の像は均一な強度分布となる。しかし、投影光学系37に収差があると、撮像素子36上の各点で参照光と測定光の位相差が異なるから、球面鏡34の像として干渉縞が観測される。測定光は投影光学系37を2回通過しているから、干渉縞の位相差を2で割ることにより、投影光学系37の波面収差Wを求めることができる。
撮像素子36を100×100メッシュに要素分割して各要素の波面収差Wの値を求め、そのRMS値を算出して投影光学系37の光学性能の評価を行なう。
以下の表1に、各投影光学系を構成するレンズに用いた各円板状光学部材の各成分RMSの値と、光学性能の判定結果と、波面収差RMSと、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値とを示した。すなわち、各サンプルNo.の投影光学系を構成する複数のレンズに用いた円板状光学部材の各成分のRMS値を低次rrot、低次rodd、低次revn、中次rrot、中次rodd、中次revn、高次rrot、高次rodd、高次revn及び残差RMS値の欄にそれぞれ示してあり、投影光学系としての光学性能の評価結果及び波面収差RMS値をそれぞれ光学性能及び波面収差RMSの欄に示してある。また、特開平8−5505号公報に記載の従来の評価方法により各円板状光学部材の2次4次残差のRMS値及びPV値を求め、得られた結果をそれぞれ2次4次残差RMS及び2次4次残差PVの欄に示してある。
Figure 0004029838
表1に示した結果から、光源の波長λに対して、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、または、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、または、高次rrotが0.005λ以下、高次roddが0.005λ以下、高次revnが0.005λ以下、または、残差RMSが0.006λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.05λ以下となり、光リソグラフィー用として良好な光学性能を得られることがわかった。
また、光源の波長λに対して、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、かつ、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、かつ、高次rrotが0.005λ以下、高次roddが0.005λ以下、高次revnが0.005λ以下、かつ、残差RMSが0.006λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.025λ以下となり、光リソグラフィー用としてより一層良好な結像性能を得られることがわかった。
また、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、または、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、または、高次rrotが0.003λ以下、高次roddが0.003λ以下、高次revnが0.003λ以下、または、残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.025λ以下となり、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
また、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次rrotが0.003λ以下、高次roddが0.003λ以下、高次revnが0.003λ以下、かつ、残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.015λ以下となり、光リソグラフィー用としてより一層良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
更に、例えばサンプルNo.12及びNo.13の結果から、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値が充分に小さい値を示す円板状光学部材からレンズを加工して投影光学系を構成しても、必ずしもその波面収差RMSが小さい値を示すとは限らない、すなわち光学性能が良好となるとは限らないことがわかった。また逆に、例えばサンプルNo.10及びNo.11の結果から、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値が比較的大きい値を示す円板状光学部材であっても、それからレンズを加工して投影光学系を構成すると、その波面収差RMSが小さい値を示す、すなわち光学性能が良好となる場合があることもわかった。
実施例2
実施例1において各円板状光学部材(サンプルNo.2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14)から測定された波面収差データを用いて、波面収差プロフィールをn=0〜35の項までツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)にフィッティングした(当てはめた)。即ち、複数の測定データから最小自乗法によりC〜C35の展開係数を求めた。
次に、求めた展開係数を(1)式に代入して計算することで、各測定点毎にW(ρ,θ)を求めた。次に、(5)〜(10)式に求めた展開係数を代入して計算することで、各測定点毎の低次Wrot、低次Wodd、低次Wevn、中次Wrot、中次Wodd、及び中次Wevnを算出し、更に、これらの値から低次rrot、低次rodd、低次revn、中次rrot、中次rodd、及び中次revnを算出した。また、各測定点毎に、実際の測定データと(1)式に代入して計算したW(ρ,θ)の差を求めることで高次残差を求め、これらの値から残差RMS値を算出した。このようにして、実施例1におけるサンプルNo.2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14の各円板状光学部材について、n=0〜35のツェルニケ円筒関数系によるRMS値を求めた。
以下の表2に、各投影光学系を構成するレンズに用いた各円板状光学部材の各成分RMSの値と、光学性能の判定結果と、波面収差RMSと、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値とを示した。
Figure 0004029838
表2に示した結果から、光源の波長λに対して、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、または、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、または、高次残差RMSが0.01λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.05λ以下となり、光リソグラフィー用として良好な光学性能を得られることがわかった。
また、光源の波長λに対して、低次rrotが0.06λ以下、低次roddが0.06λ以下、低次revnが0.06λ以下、かつ、中次rrotが0.02λ以下、中次roddが0.02λ以下、中次revnが0.02λ以下、かつ、高次残差RMSが0.01λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.025λ以下となり、光リソグラフィー用としてより一層良好な光学性能を得られることがわかった。
また、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、または、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、または、高次残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.025λ以下となり、光リソグラフィー用として更に良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
また、低次rrotが0.02λ以下、低次roddが0.02λ以下、低次revnが0.02λ以下、かつ、中次rrotが0.008λ以下、中次roddが0.008λ以下、中次revnが0.008λ以下、かつ、高次残差RMSが0.004λ以下の光学部材であれば、波面収差RMSが0.015λ以下となり、光リソグラフィー用としてより一層良好な光学性能を得られ、特に、投影光学系用の光学部材として好ましいことがわかった。
更に、例えばサンプルNo.12の結果から、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値が充分に小さい値を示す円板状光学部材からレンズを加工して投影光学系を構成しても、必ずしもその波面収差RMSが小さい値を示すとは限らない、すなわち光学性能が良好となるとは限らないことがわかった。また逆に、例えばサンプルNo.10の結果から、従来の評価方法による2次4次残差のRMS値及びPV値が比較的大きい値を示す円板状光学部材であっても、それからレンズを加工して投影光学系を構成すると、その波面収差RMSが小さい値を示す、すなわち光学性能が良好となる場合があることもわかった。
なお、前記の発明の実施形態においては、測定した波面収差を回転対称成分、奇数対称成分及び偶数対称成分に分離した後、それぞれの成分を低次、中次及び高次の各成分に分離したが、この順序は逆でも構わない。即ち、測定した波面収差を低次、中次及び高次の各成分に分離した後、それぞれの成分を回転対称成分、奇数対称成分及び偶数対称成分に分離しても全く同じ結果を得られる。このように、前者の手順のみならず後者の手順も本発明に包含されるものである。
比較例
実施例1と同様のダイレクト法により、直径200mm、長さ400mmの円柱状のインゴットを複数製造した。得られたインゴットを軟化温度まで加熱した状態で、円柱の両底面を左右にねじりながらプレスしてつぶし、最終的に直径約500mm、厚さ約60mmのテストピースを成形した。そして、このテストピースを徐歪及び均質性調整のため、中心対称の温度分布を有するアニール炉の中央にセットして回転させながらアニール処理を行なった(1000℃で24時間保持後、−10℃/分の温度勾配で500℃まで降温し、以後放冷)。
更に、これらの円板からコアドリルにより直径300mm、厚さ60mmの円板状光学部材を抜き出し、上下面を研磨した。
その後は、実施例1と同様に平面光学部材測定用のフィゾー型干渉計により、低次rrot、低次rodd、低次revn、中次rrot、中次rodd、中次revn、高次rrot、高次rodd、高次revn、及び残差RMS値を算出した。このようにして、上記条件で製造したインゴットから製造した円板状光学部材について、n=0〜80のツェルニケ円筒関数系によるRMS値を求めた。
このようにして得られた各成分のRMS値は、特に高次成分と低次成分の値が大きく、また、非回転対象成分の値も大きかった。
次いで、このような円板状光学部材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レンズを加工し、投影光学系を組み立てた。そして、得られた投影光学系の波面収差RMS値を測定したところ、極めて大きな値となり、光リソグラフィー用として良好な光学性能が得られていないことがわかった。
産業上の利用可能性
以上説明したとおり、本発明によれば、光学部材の屈折率均質性をより的確に評価することが可能となり、屈折率均質性が高く高品質の光リソグラフィー用光学部材をより確実に提供できるようになる。従って、本発明によれば、そのような光学部材を用いて高精度な光リソグラフィー用投影光学系、更には高性能な光リソグラフィー用露光装置を効率よくかつ確実に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は従来行なわれていた光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価方法を示すフローチャートである。
図2は本発明に係る光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価方法の好適な一実施形態を示すフローチャートである。
図3は本発明に係る光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価方法の好適な他の一実施形態を示すフローチャートである。
図4A及び図4Bはそれぞれ、光学部材を波面測定する状態を示す模式側面図である。
図5はエキシマレーザーステッパ用投影光学系の一実施形態を示す模式断面図である。
図6は測定された波面収差データを表す座標系を説明するための模式平面図である。
図7Aは光学部材を回転させて波面測定する状態を示す模式側面図であり、図7Bは図7A中のb−b線方向から見た光学部材を示す模式平面図である。
図8Aは光学部材を横にずらせて波面測定する状態を示す模式側面図であり、図8Bは図8A中のb−b線方向から見た光学部材を示す模式平面図である。
図9はインゴットから光学部材を得る工程を説明するための分解模式図である。
図10はエキシマレーザーステッパの一実施形態を示す模式側面図である。
図11は光学系測定用のフィゾー型干渉計による波面収差の評価原理を示す模式側面図である。

Claims (25)

  1. 光リソグラフィー用光学部材の屈折率均質性の評価方法であって、
    前記光学部材に所定波長λの光を通過させて波面収差を測定する測定過程と、
    測定された前記波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開するツェルニケフィッティング過程と、
    前記多項式の各成分を回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離し、又は、前記多項式の各成分を次数に応じて複数の成分に分離する第1の分離過程と、
    前記第1の分離過程で分離された回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分のそれぞれを次数に応じて複数の部分に分離し、又は、前記第1の分離過程で次数に応じて分離された複数の成分のそれぞれを回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離することにより、次数に応じて分離された回転対称成分、次数に応じて分離された奇数対称成分、及び次数に応じて分離された偶数対称成分を得る第2の分離過程と、
    前記第2の分離過程で得られた次数に応じて分離された回転対称成分、次数に応じて分離された奇数対称成分、及び次数に応じて分離された偶数対称成分に基づいて前記光学部材の屈折率均質性を評価する評価過程と、
    を有する前記評価方法。
  2. 前記第1の分離過程は、前記多項式の各成分を回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離し、又は、前記多項式の各成分を次数に応じて低次、中次、及び高次の3つの部分に分離する過程であり、
    前記第2の分離過程は、前記第1の分離過程で分離された回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分のそれぞれを次数に応じて低次、中次、及び高次の3つの部分に分離し、又は、前記第1の分離過程で次数に応じて分離された低次、中次、及び高次の3つの部分のそれぞれを回転対称成分、奇数対称成分、及び偶数対称成分に分離することにより、低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分、高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分を得る過程であり
    前記評価過程は、前記第2の分離過程で得られた低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分、高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分に基づいて前記光学部材の屈折率均質性を評価する過程である、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記低次、中次、及び高次の3つの部分はそれぞれ、ツェルニケ円筒関数系の多項式のn=4〜8の項、n=9〜35の項、及びn>35の項であり、n=0〜3の項は評価に用いられない、請求項2に記載の評価方法。
  4. 前記第1及び第2の分離過程において、前記多項式の各成分を、前記多項式のn=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n=36〜80の項のうちの回転対称成分を高次回転対称成分、奇数対称成分を高次奇数対称成分、偶数対称成分を高次偶数対称成分とし、n>80の項を残差として分類し、
    前記評価方法は、低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分、高次回転対称成分、高次奇数対称成分、高次偶数対称成分及び残差のそれぞれのRMS値を算出するRMS値算出過程を更に有し
    前記評価過程は、算出されたRMS値が所定の条件を満たしているか否かを評価する過程である、請求項1に記載の評価方法。
  5. 前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c),(d):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.005λ以下である;
    (d)残差のRMS値が0.006λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価する、請求項4に記載の評価方法。
  6. 前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c),(d):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
    (c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.003λ以下である;
    (d)残差のRMS値が0.004λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価する、請求項4に記載の評価方法。
  7. 前記評価過程において、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしているか否かを評価する、請求項5に記載の評価方法。
  8. 前記評価過程において、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしているか否かを評価する、請求項6に記載の評価方法。
  9. 前記第1及び第2の分離過程において、前記多項式の各成分を、前記多項式のn=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n>35の項を高次残差として分類し、
    前記評価方法は、低次回転対称成分、低次奇数対称成分、低次偶数対称成分、中次回転対称成分、中次奇数対称成分、中次偶数対称成分及び高次残差のそれぞれのRMS値を算出するRMS値算出過程を更に有し、
    前記評価過程は、算出されたRMS値が所定の条件を満たしているか否かを評価する過程である、請求項1に記載の評価方法。
  10. 前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (c)高次残差のRMS値が0.01λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価する、請求項9に記載の評価方法。
  11. 前記評価過程において、下記条件(a),(b),(c):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
    (c)高次残差のRMS値が0.004λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしているか否かを評価する、請求項9に記載の評価方法。
  12. 前記評価過程において、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしているか否かを評価する、請求項10に記載の評価方法。
  13. 前記評価過程において、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしているか否かを評価する、請求項11に記載の評価方法。
  14. 波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用光学部材であって、
    前記光学部材に波長λの光を通過させて測定した波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開した場合、n=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n=35〜80の項のうちの回転対称成分を高次回転対称成分、奇数対称成分を高次奇数対称成分、偶数対称成分を高次偶数対称成分とし、n>80の項を残差とした場合、下記条件(a),(b),(c),(d):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.005λ以下である;
    (d)残差のRMS値が0.006λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしている前記光学部材。
  15. 前記光学部材が、下記条件(a),(b),(c),(d):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
    (c)高次回転対称成分、高次奇数対称成分及び高次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.003λ以下である;
    (d)残差のRMS値が0.004λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしている、請求項14に記載の光学部材。
  16. 前記光学部材が、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしている、請求項14に記載の光学部材。
  17. 前記光学部材が、前記条件(a),(b),(c),(d)の全てを満たしている、請求項15に記載の光学部材。
  18. 波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用光学部材であって、
    前記光学部材に波長λの光を通過させて測定した波面収差をツェルニケ円筒関数系の多項式に展開した場合、n=4〜8の項のうちの回転対称成分を低次回転対称成分、奇数対称成分を低次奇数対称成分、偶数対称成分を低次偶数対称成分とし、n=9〜35の項のうちの回転対称成分を中次回転対称成分、奇数対称成分を中次奇数対称成分、偶数対称成分を中次偶数対称成分とし、n>35の項を高次残差とした場合、下記条件(a),(b),(c):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.06λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (c)高次残差のRMS値が0.01λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしている前記光学部材。
  19. 前記光学部材が、下記条件(a),(b),(c):
    (a)低次回転対称成分、低次奇数対称成分及び低次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.02λ以下である;
    (b)中次回転対称成分、中次奇数対称成分及び中次偶数対称成分のそれぞれのRMS値が全て0.008λ以下である;
    (c)高次残差のRMS値が0.004λ以下である;
    のうちの少なくとも一つの条件を満たしている、請求項18に記載の光学部材。
  20. 前記光学部材が、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしている、請求項18に記載の光学部材。
  21. 前記光学部材が、前記条件(a),(b),(c)の全てを満たしている、請求項19に記載の光学部材。
  22. 波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用露光装置に用いる投影光学系であって、
    前記投影光学系を構成するレンズのうちの90%以上が請求項14〜21のうちのいずれか一項に記載の光学部材からなるものである、前記投影光学系。
  23. 前記レンズのうち光束径/有効径が1/2以下のレンズが、請求項17に記載の光学部材からなるものである、請求項22に記載の投影光学系。
  24. 前記レンズのうち光束径/有効径が1/2以下のレンズが、請求項21に記載の光学部材からなるものである、請求項22に記載の投影光学系。
  25. 請求項22に記載の投影光学系を備える、波長250nm以下の特定波長帯域で使用される光リソグラフィー用露光装置。
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