JP2016038496A - 焦点検出光学系、焦点検出装置およびそれを用いた光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストークの発生を抑えることで複数の方向の焦点検出を高精度に行うことができる焦点検出光学系、焦点検出装置およびそれを用いた光学機器を提供する。
【解決手段】撮像光学系を通過した光束を分割し、前記分割された光束により形成される複数の像の相対的な位置関係に応じて、前記撮像光学系の合焦状態を検出する焦点検出装置に用いられる焦点検出光学系であって、前記複数の像を前記撮像光学系を通過した光束の分割方向と交差する方向に互いに離れるように偏向させる偏向手段と、前記偏向手段による偏向とは反対方向の偏向を与えることで前記偏向手段による像の崩れを補正する補正手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焦点検出光学系、焦点検出装置およびそれを用いた光学機器に関する。そして、特に対物レンズの焦点調節状態を所謂像ずれ方式( 位相差検出方式) を用いて検出するようにした、例えば一眼レフレックスカメラ、一眼レフレックス電子カメラ、デジタルカメラ、そしてビデオカメラ等の光学機器に好適なものである。
従来、多くの写真用カメラあるいはビデオカメラは、自動焦点調節のための焦点検出装置を内蔵している。一眼レフカメラのように厳しいピント精度が要求される焦点検出装置においては、対物レンズ( 撮影レンズ) による結像光束を一対の2次結像光学系へ導き、これら2次結像光学系により形成された物体像(被写体像) に関する複数の光量分布を得る。即ち、物体像(被写体像) に関する複数の光量分布を光電変換素子の画素列( ラインセンサー列) で受け、両光量分布の相対的位置関係から対物レンズの焦点調節状態を検出する像ずれ方式(位相差方式)を用いた焦点検出装置が一般的に用いられている。
焦点を検出するためには、原理的に光電変換素子の画素列に垂直な方向にパターンを有する被写体の光量分布が必要で、被写体によっては受光素子列に光量分布か生じないために焦点検出ができないという問題を有していた。
これを解決するため、撮影範囲中に横方向(水平方向)と縦方向(垂直方向)に測距領域を設定し、直交する1対の2次結像や、画素列を直交させるような二組の受光素子列を配置した受光手段を用いる焦点検出装置が提案され実用化されている。この装置では、被写体の光量分布の方向に依らず、焦点検出を可能とする。
加えて、撮影範囲中の横方向や縦方向に対して、特定の角度を持たせて(たとえば45°)測距領域を設定することで、横方向と縦方向だけでなく、特定の角度方向にも焦点検出能力の高い焦点検出装置も実用化されている。
しかし、新たに測距領域を設定する際には、新たに配置した2次結像光学系によりセンサー上にできた像が、既存の画素列に入らないようにする必要がある。もし、新設の光学系による像が既存の画素列に入射した場合は、既存の画素列から正確な光量分布を得ることができず、正しい焦点調節状態の情報を得ることができない。
図15では、センサー画素列において、斜め方向の像が横方向の画素列に入射して、センサー上で像のクロストークが発生している様を描いている。図15で、視野マスクの像21が2次結像レンズによってセンサー上に投影されており、2次結像レンズのレンズ要素の数と同じ数の視野マスク像が、センサー上に存在する。なお、図15では、縦方向と横方向の焦点検出に加えて、斜め方向の焦点検出ができるように構成されており、縦方向、横方向、斜め方向に光電変換素子18、19、20が設けられている。
一般的には、測距領域は撮影範囲中に縦横方向に範囲を持つ四角形の領域をとるため、特定の角度を持たせて測距領域を設定することは、既存の横方向や縦方向の画素列を避けて2次結像光学系を配置することに適してはいる。
しかし近年、測距点の数や密度を高くするなど、測距領域は拡大される傾向にあり、センサー上にできる2次結像光学系の像の領域もそれに応じて拡大し、センサー上のクロストークが発生し易い傾向にある。クロストークを回避するためには、測距領域を拡大せずに小さい領域を設定するか、或いは、光学系の結像倍率を小さくして像の重なりを回避する方法がある。前者は測距領域を拡大して画面の全体で、焦点検出を行いたいという流れに反するし、後者は結像倍率を下げることで焦点検出の精度が低下することを招いてしまう。
従来、2次結像光学系の像のセンサー上での位置を任意に補正する方法として、2次結像光学系を構成する絞りと2次結像レンズを、光軸方向に垂直な面内に偏心をさせ、任意に結像位置を変化させる方法が知られている(特許文献1)。また、2次結像光学系を構成する2次結像レンズの前面に配置されるプリズム面により、光を偏向させてセンサー上での像位置を変化させる方法も知られている(特許文献2)。
特開2001−66496号公報 特開2005−195786号公報
しかし、2次結像光学系の偏心を用いた方法や、2次結像レンズのプリズムを用いた方法では、以下のような問題が存在する。
即ち、偏心や偏向を用いる方法において、相関方向にセンサー上の像移動を行うと、焦点検出の性能に大きく影響を与えるため、大きな偏心を与えて像を動かすことができない。このため、相関方向と垂直方向(相関垂直方向)に偏心を与えて、センサー上の像位置を移動させることになる。この時、偏心を行った相関垂直方向には、コマ収差が発生し、スポット形状が偏心方向にスポットの尾を引いた形状となってしまい、偏心による像の移動に加えて、コマ収差が発生したことによる像の移動が発生する。
センサー上の画素列に対して、相関垂直方向に像がずれている場合、被写体のパターンが相関方向に対して傾いていると、焦点検出の精度が劣化する。例えば、被写体のパターンが画素列に対して斜め45°に存在すると、相関垂直方向の像のずれと同等の値が相関方向に乗るため、その量だけ焦点検出の位置がずれる。
上記のずれは、画素列の中心が像の中心となるようにセンサー画素列を配置したり、センサー上に遮光手段を用いたりすることで調整し、回避ができる。しかし、これらの対策は、設計上の調整しかできず、一つ一つの個体に対しては調整ができない。そして、コマ収差による像の移動に起因した斜めパターンの検出位置のズレは、製造誤差や組立誤差によって絞りと2次結像レンズの偏心状態が異なることで収差状態が変わるため、敏感に変動してしまう。
本発明の目的は、クロストークの発生を抑えることで複数の方向の焦点検出を高精度に行うことができる焦点検出光学系、焦点検出装置およびそれを用いた光学機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る焦点検出光学系は、撮像光学系を通過した光束を分割し、前記分割された光束により形成される複数の像の相対的な位置関係に応じて、前記撮像光学系の合焦状態を検出する焦点検出装置に用いられる焦点検出光学系であって、前記複数の像を前記撮像光学系を通過した光束の分割方向と交差する方向に互いに離れるように偏向させる偏向手段と、前記偏向手段による偏向とは反対方向の偏向を与えることで前記偏向手段による像の崩れを補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る焦点検出装置は、上記焦点検出光学系を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光学機器は、上記焦点検出装置系を有することを特徴とする。
本発明によれば、クロストークの発生を抑えることで複数の方向の焦点検出を高精度に行うことができる。
本発明の実施形態に係る焦点検出光学系および焦点検出装置を搭載した光学機器(撮像装置)としての一眼レフレックスカメラを示す図である。 一眼レフレックスカメラにおける測距枠イメージ図である。 一眼レフレックスカメラにおける視野マスクを示す図である。 本発明の実施形態に係る焦点検出光学系としての2次結像光学系における絞りを示す図である。 本発明の実施形態に係る焦点検出光学系における2次結像レンズのプリズム部のプリズム面を示す図である。 本発明の実施形態に係る2次結像レンズのレンズ部のレンズ面を示す図である。 本発明の実施形態に係るAFセンサの画素列の説明図である。 本発明の実施形態に係る相関方向断面の焦点検出光学系の説明図である。 比較例としての相関垂直方向断面の焦点検出光学系(非偏心)の説明図である。 本発明の実施形態に係る相関垂直方向断面の焦点検出光学系(偏心)の説明図である。 相関垂直方向断面の焦点検出光学系(非偏心)における非偏心スポット像の図である。 相関垂直方向断面の焦点検出光学系(レンズ部の平行偏心あり)における偏心スポット像の図である。 相関垂直方向断面の焦点検出光学系(プリズム部の傾き偏心あり)における偏心スポット像の図である。 本発明の実施形態に係る焦点検出光学系としての2次結像光学系の作用を説明する図である。 従来のAFセンサの画素列の説明図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
(光学機器)
図1は、本実施形態に係る焦点検出光学系および焦点検出装置を搭載した光学機器(撮像装置)としての一眼レフレックスカメラを示す。図中、1は脱着可能又は固定の対物光学系としての対物レンズ(撮影レンズ)、M1は対物レンズ1の光軸上に配置された半透過性の主ミラーである。
対物レンズ1を通過した被写体からの光束は、主ミラーM1により2つの光束に分割される。先ず、反射された光束は焦点板2に被写体像を形成し、該被写体像(ファインダー像)はペンタプリズムPを介して接眼レンズ3により観察される。なお、焦点板2、ペンタプリズムP、接眼レンズ3の各要素は、ファインダー系の一要素を構成している。
一方、主ミラーM1を透過した光束は、対物レンズ1の像面側に光軸上に対して斜めに配置された可動なサブミラーM2を介して、以下に述べる焦点検出装置(焦点検出系)に入射する。そして、焦点検出系で得られた出力信号に基づき、不図示の駆動機構によって対物レンズ1の焦点状態が調節される。
図2は、撮影画面に対して配置された、測距領域と測距箇所を示す測距枠のイメージ図である。図3は、視野マスクであり1次結像面近辺に配置され、測距領域の光束以外を遮光している。
(焦点検出光学系および焦点検出装置)
本実施形態に係る焦点検出装置(焦点検出系)は、いわゆる位相差AFを行うものであり、撮像光学系を通過した光束を分割し、分割された光束により形成される複数の像の相対的な位置関係に応じて、撮像光学系の合焦状態を検出する。即ち、撮像光学系を通過した光束の分割方向における焦点検出を行う2つの像の間隔(物体像に関する光量分布の間隔)を測ることで焦点検出を行い、焦点検出装置で求めた合焦信号に基づいて撮像光学系としての対物レンズを合焦状態へ駆動させる。以下、本明細書で、撮像光学系を通過した光束の分割方向を相関方向ともいう。
そして、本実施形態に係る焦点検出装置は、図1におけるサブミラーM2で反射された光路に設けられ、焦点検出装置は、焦点検出光学系として以下に述べる2次結像光学系Sと、光電変換素子8とを備える。ここで、図1における4は対物レンズ1の予定結像面である。また、5はフィールドレンズであり、予定結像面4(略予定結像面も含む)上に光軸を一致させている。
図1、図14に示す2次結像光学系Sは、フィールドレンズ5、絞り6、プリズム7、正の屈折力を備えるレンズ7’を備える。図4は絞り6を示し、対となる縦方向の測距領域に対応した開口、対となる横方向の測距領域に対応した開口、対となる斜め方向の測距領域に対応した開口が2組ずつ存在している。
また、図5はプリズム7を示し、後述するレンズ7’と一体化された2次結像レンズの前面のプリズム部のプリズム面を前方より観察したものである。プリズム7には、絞り6の開口の数と同じ数のプリズム要素が存在している。例えば、A方向を相関方向とする絞り6の開口6a、6b(図4)に対応して、プリズム要素7a、7b(図5)が設けられている。
図6は、2次結像レンズにおけるレンズ部としてのレンズ7’の後面のレンズ面を後方より観察したものであり、光束を規制する絞り6の開口やプリズム7の数と同数のレンズ要素が存在している。例えば、A方向を相関方向とする絞り6の開口6a、6b(図4)、プリズム要素7a、7b(図5)に対応して、レンズ要素7’a、7’bが設けられている。なお、図6で、十字のマークは、各レンズ要素の頂点位置を示している。
図7は、光検出素子(AFセンサ)として複数の画素より成る画素列を備えた複数の光電変換素子を示す。例えば、A方向を相関方向とする絞り6の開口6a、6b(図4)、プリズム要素7a、7b(図5)に対応して、素子8a、8bが設けられている。
なお、図4乃至図7では、縦方向と横方向の焦点検出に加えて、斜め方向の焦点検出ができるように構成されている。図7では、縦方向、横方向、斜め方向に光電変換素子P、Q、Rが設けられている。
2次結像光学系Sは、絞り6(図4)の例えば開口6a、6bを介した複数の光量分布に基づく物体像を相関方向(A方向)に2つに分離し、該分離した2つの物体像を各々光電変換素子8a、8b(図7)面上に結像させる。
本実施形態における2次結像光学系は、分離される2つの物体像に基づく2つの光束を相関方向(A方向)と交差する方向(好ましくは垂直方向)に、かつ互いに反対の方向に偏向させる偏向手段を備える。即ち、一対のプリズム要素7a、7bを有するプリズム部7(図5)を備える。
一対のプリズム要素7a、7bは、2つの物体像を相関方向(A方向)と交差する方向(好ましくは垂直方向)に互いに反対方向に(互いに離れるように)偏向させる機能を備える。本実施形態では、2つの物体像に基づく2つの光束を相関方向(A方向)に互いに反対方向に偏向させる機能を備える2つのプリズム要素を相関方向(A方向)の周りに偏心(回転)させたものを用いる。
また、本実施形態における2次結像光学系は、分離した2つの物体像を各々光電変換素子8面上に結像させるレンズ要素7’a、7’bを備えたレンズ部7’(図6)を備える。
ここで、本実施形態では、プリズム部7による相関垂直方向の像変位に伴うコマ収差によるスポット形状の崩れ(相関垂直方向にスポットの尾を引いた形状)を、レンズ部7’の平行偏心でプリズム部7aと逆方向にスポット形状の崩れが発生するようにする。具体的には、相関垂直方向断面(相関方向Aと垂直な方向とフィールドレンズ5の光軸方向を含む面)で、プリズム要素7a、7bに対応したレンズ部7’a、7’bを互いの光軸が近づくように平行偏心させる。
これにより、プリズム部7とレンズ部7’により、位相差AFにおけるセンサ上の重なりを回避すると共に、相関垂直方向の像変位に伴う光学特性の低下(特にコマ収差によるスポット形状の崩れ)を改善(補正)する。
レンズ部7’は、尾の発生には敏感であるが、像変位には敏感でないため、位相差AFにおけるセンサ上の重なりを十分に回避することができる。そして、レンズ部7’は本実施形態のようにプリズム部7と一体的に構成(形成)することができる。なお、プリズム部7とレンズ部7’の光路中の先後を逆にした配置をすることもできる。
光電変換素子8に関しては、複数の素子より成るラインセンサー列(ラインセンサー列)である例えば8a、8b(図7)が、この場合の相関方向(焦点検出を行う2つの像の間隔(物体像に関する光量分布の間隔)を測るA方向)に設けられている。そして、ラインセンサー列8a、8bは、この場合の相関方向であるA方向に対して垂直方向に離れて配置されており、高い焦点検出精度を得ることができる。
図8は、本実施形態における相関方向断面(相関方向Aとフィールドレンズ5の光軸方向を含む面)の焦点検出光学系の模式図である。撮影レンズにより生成される像位置をセンサー画素列相関方向(A方向)の演算により、検出している。図中の太線矢印は、絞り開口の中心を通る光線を示しており、光学系の光路イメージを説明する主光線として扱う。本実施形態では、図8のプリズム部7は、絞り6に対して紙面垂直方向に偏心されている。
図9は、相関方向垂直断面における、比較例としての焦点検出光学系の模式図である。相関方向(A方向)に垂直なため、画素列は紙面奥行き方向に配置されており、図では画素列の並びは見えていない。相関垂直方向は、2次結像レンズの偏心状態と焦点検出精度と直接的に関係は無いため、プリズム面はプリズム作用を持たない平面であり、レンズ面も絞りに対して偏心させる必要はない。
しかし、センサーの画素列レイアウトを最適な配置に変更する際は、図10のように相関垂直断面の2次結像光学系を偏心させる。これにより、主光線経路のように光路が偏向され、像位置を移動させることが可能である。
本実施形態では、プリズム部7とレンズ部7’の光学的作用により2次結像位置が相関方向であるA方向に対して垂直方向に綺麗に変位する。このような配置をとることで、2つの2次像が重複することを無くすことができる。これにより、長いラインセンサー配列を得ることができ、また広い測距領域が確保でき、更には大きな2次結像倍率によって焦点検出精度を向上させることが容易となる。
表1は、本実施形態の効果を示す焦点検出光学系の光学情報と偏心情報を示している。なお、表2は、本実施形態の光学情報を示している(表1とは、2次結像レンズプリズム面の法線ベクトルgxx,gxy,gxzの値、レンズ面のZの値が異なる。)。
eaは各要素の有効径を示している。rは、各要素の曲率を示している。XはX座標であり、光学系の光軸を表している。Yは焦点検出系相関方向の軸を表している。Zは相関方向垂直方向の軸を表している。gxx,gxy,gxzは各面の法線ベクトルを示しており、末尾のアルファベットが座標軸を表している。表1Aと表1Bは、それぞれ対となる光学系の偏心配置を示している。
表1では、プリズム面の法線ベクトルのgxz成分がゼロであるのに対し、表2では数値を持っている。法線ベクトルのgxz成分は、相関方向垂直方向に光線を偏向させるためのプリズム傾き成分を表している。つまり、表1では、相関方向垂直方向に光線の偏向をさせないのに対し、表2では、偏向を発生させていることを示している。
また、表1ではレンズ面のZ成分がゼロで有るのに対し、表2では数値を持っている。Z方向は相関方向垂直方向であり、光学系に平行偏心の成分が存在すると、光線も偏向が発生する。つまり、表1では、相関方向垂直方向に光線の偏向をさせないのに対し、表2では、偏向を発生させていることを示している。
以下、本実施形態の効果説明を、表1Aの光学系で行う。
図11は、相関垂直方向に偏心を行っていない光学系で、1次結像面中心を物点にとった、センサー上のスポット像を表している。Y座標が相関方向、Z座標が相関垂直方向であり、各座標のスケールサイズはそれぞれ0.050mmである。
図12は、2次結像レンズのレンズ部7’のレンズ面を、相関垂直方向に0.081mmシフト(平行偏心)させたスポット像である。センサー上で0.1mm像を動かすことが可能であるが、図12のようにスポット性能が劣化する。
図13は、2次結像レンズ7のプリズム部7を、相関垂直方向に傾け(傾き偏心)、センサー上で0.1mm像を動かしたスポット像である。相関垂直方向に、多少のスポット性能の劣化が見られる。
スポット像の非相関方向の広がりをスポットサイズとして縦軸に、センサー上の像の移動量を横軸に、プリズム部とレンズ部の偏心を行い、数値をプロットしたのが図13である。図12と図13を比較することで、プリズム部7の偏心よりも、レンズ部7’の偏心の方が、スポット形状の崩れ敏感度が高いことが分かる。
これより、プリズム部7の偏心により発生したスポット形状の崩れを、プリズム部7の偏心による方向とは逆方向にスポット形状の崩れが発生するようにレンズ部7’の偏心(平行偏心)を行うことで、スポット形状の補正を行うことができる。これにより、製品において、部品の製造誤差や組立誤差によりスポットの崩れ具合が大きく変化することがなくなり、より精度の高い焦点検出光学系が提供できる。
(数値実施例)
以下、本実施形態の好ましい数値例を説明する。プリズム面方向ベクトルのZ成分による光線の偏向をキャンセルするように、レンズ面のZ成分シフトにより光線の偏向が発生している。また、プリズム面とレンズ面のZ成分の偏心が存在する光学系に対して、像がセンサー上で0.369mm移動しており、任意の像移動と良好なスポット性能を実現した光学系となっている。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、プリズム部7をレンズ部7’の光線入射面に一体的にして設けたが、これに限らず、プリズム部7をレンズ部7’と独立に設けても良い。
(変形例2)
また、上述した実施形態では、偏向手段としてプリズムを用いたが、本発明はこれに限らず、物体像に基づく光束を相関方向とは交差する方向(好ましくは垂直方向)に、かつ互いに反対の方向に偏向できる光学部材であれば適用可能である。
7・・2次結像レンズのプリズム部、7’・・2次結像レンズのレンズ部

Claims (11)

  1. 撮像光学系を通過した光束を分割し、前記分割された光束により形成される複数の像の相対的な位置関係に応じて、前記撮像光学系の合焦状態を検出する焦点検出装置に用いられる焦点検出光学系であって、
    前記複数の像を前記撮像光学系を通過した光束の分割方向と交差する方向に互いに離れるように偏向させる偏向手段と、
    前記偏向手段による偏向とは反対方向の偏向を与えることで前記偏向手段による像の崩れを補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする焦点検出光学系。
  2. 前記偏向手段は、前記複数の像を前記分割方向と垂直な方向に偏向させることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  3. 前記偏向手段は、前記分割方向と交差する方向に傾き偏心したプリズムであり、
    前記補正手段は、前記分割方向と交差する方向に平行偏心したレンズであることを特徴とする請求項1または2に記載の焦点検出光学系。
  4. 前記プリズムは、前記分割方向と垂直方向に物体像に関する複数の光量分布を互いに反対方向に偏向させる一対のプリズム要素を備え、
    前記レンズは、前記一対のプリズム要素に対応した一対の正の屈折力を備えるレンズ要素を備え、前記一対のレンズ要素は互いに反対方向に平行偏心していることを特徴とする請求項3に記載の焦点検出光学系。
  5. 前記一対のプリズム要素および前記一対のレンズ要素は、複数の方向に設けられることを特徴とする請求項4に記載の焦点検出光学系。
  6. 前記プリズムと前記レンズは、一体的に構成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の焦点検出光学系。
  7. 前記撮像光学系の予定結像面に形成される物体像を前記焦点検出装置の光検出素子に結像する2次結像光学系として構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点検出光学系。
  8. 前記2次結像光学系は、前記偏向手段および前記補正手段への光束を規制する絞りを有することを特徴とする請求項7に記載の焦点検出光学系。
  9. 前記2次結像光学系は、光路に沿って前記絞り、前記偏向手段、前記補正手段の順に設けられることを特徴とする請求項8に記載の焦点検出光学系。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の焦点検出光学系と、
    光検出素子として、相関方向に対して垂直方向に離れて配置され複数の画素より成る画素列を備えた複数の光電変換素子と、
    を有することを特徴とする焦点検出装置。
  11. 請求項10に記載の焦点検出装置と、前記焦点検出装置で求めた合焦信号に基づいて前記撮像光学系を合焦状態へ駆動させることを特徴とする光学機器。
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