JP2007323063A - 焦点検出装置及び光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸外領域においても高精度な焦点検出を行う。
【解決手段】焦点検出装置208は、第1の方向に対をなす第1の対の開口部212b−1,212b−2を通過した撮影光学系201aからの光に、第1の対の受光素子列215b−1,215b−2上において第1の対の像を形成させる第1の対のレンズ部214b−1,214b−2を有する第1の結像レンズユニット213と、第2の方向に対をなす第2の対の開口部212b−3,212b−4を通過した撮影光学系からの光に、第2の対の受光素子列215b−3,215b−4上において第2の対の像を形成させる第2の対のレンズ部214b−3,214b−4を有する第2の結像レンズユニット213とを有する。第2の対のレンズ部の中点Cは、第1の対のレンズ部間に位置し、かつ該第1の対のレンズ部の中点Bに対してずれている。
【選択図】図11

Description

本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、フィルムカメラなどの撮像装置において、撮影光学系の焦点調節に用いられる焦点検出装置に関し、特に位相差検出方式の焦点検出装置に関する。
焦点検出方式には、撮像素子を用いて生成した映像信号を利用したいわゆるコントラスト検出方式がある。このようなコントラスト検出方式の焦点検出では、撮像光学系のフォーカスレンズを光軸上で僅かに移動させながらコントラストがピークとなる合焦位置を探すために、合焦状態が得られるまでに長時間を要する傾向がある。
このため、一眼レフタイプのデジタルカメラにおいては、位相差検出方式での焦点検出が行われることが多い。位相差検出方式では、撮影光学系のデフォーカス量から合焦状態を得るために必要なフォーカスレンズの移動量を求めることができるので、コントラスト検出方式に比べて合焦状態を得るまでの時間を大幅に短縮することができる。
さらに、位相差検出方式の焦点検出において、焦点検出領域を撮影画面内の中央のみならず、周辺部である軸外領域にも設けた多点焦点検出が提案されている。このような焦点検出方法の一例として、特許文献1には、画面内の軸外領域での焦点検出を行う焦点検出装置が開示されている。
上記特許文献1にて開示された焦点検出装置において、軸外領域での水平方向での位相差検出に関しては、2次結像レンズの入射面に形成された対のレンズ部と、射出面に形成された対のプリズム部とにより対の受光素子列上に対の像を形成する。そして、撮影レンズのデフォーカスに伴い、これらの対の像は、絞りの開口対の並び方向である水平方向に移動する。この像の移動方向は、相関方向と呼ばれる。
ここで、2次結像レンズの入射面側のレンズ部と射出面側のプリズム部とを合わせて1つの光学系と考えると、水平方向の位相差を検出するための対の光学系は、相関方向である水平方向のみならず、垂直方向に関しても非対称となっている。
特開平8−262320号公報(段落0016〜0034、図1〜7等)
しかしながら、対の光学系が相関方向(水平方向)だけでなく垂直方向に関しても非対称である場合に、温度や湿度などの周囲環境の変化によって2次結像レンズに変形が生じると、受光素子列上の対の像が水平方向と垂直方向の両方に移動する。そして、このときの移動量は、該対の光学系が非対称であることから、対をなす一方の像と他方の像とで異なる。
周囲環境の変化に起因した相関方向における対の像の異なる量の移動については、温度や湿度を検出するセンサを設けることで補正する方法が提案されている。しかし、このような相関方向での補正を行っても、相関方向に対して直交する方向である垂直方向において対の像の異なる量の移動があると、被写体によって異なる焦点検出結果が得られてしまい、焦点検出の精度が低下するおそれがある。
また、特許文献1にて開示された焦点検出装置では、軸外領域において1次元方向に並んだ受光素子列しか備えていない。このため、被写体のコントラスト成分によっては焦点検出が不能となる可能性がある。
本発明は、画面の軸外領域においても、環境変化や被写体のコントラスト成分に左右されずに高精度な焦点検出を行うことができる焦点検出装置を提供する。
本発明の一側面としての焦点検出装置は、対の像の位相差を検出する。該焦点検出装置は、第1の方向に対をなす第1の対の開口部を通過した撮影光学系からの光により、第1の対の受光素子列に第1の対の像を結像させる第1の対のレンズ部を有する第1の結像レンズユニットと、第2の方向に対をなす第2の対の開口部を通過した撮影光学系からの光により、第2の対の受光素子列に第2の対の像を結像させる第2の対のレンズ部を有する第2の結像レンズユニットとを有する。そして、第2の対のレンズ部の中点は、第1の対のレンズ部間に位置し、かつ該第1の対のレンズ部の中点に対してずれていることを特徴とする。
なお、上記焦点検出装置を有する光学機器や、該光学機器である撮像装置と該撮像装置に対して装着され、撮像光学系を有する撮影レンズとを有する撮像システムも本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、像面(画面)内の軸外領域での焦点検出を行うための焦点検出光学系の構成および配置を適切に設定したことにより、環境変化や被写体のコントラスト成分に左右されずに高精度な焦点検出を行うことができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である焦点検出装置を内蔵した一眼レフデジタルカメラ(光学機器および撮像装置)の概略構成を示している。
図1において、200は一眼レフカメラ本体、201は該カメラ本体200に対して着脱可能に装着される撮影レンズである。Lは撮影レンズ201内に設けられた結像光学系(撮影光学系)201aの光軸(以下、単に撮影レンズ201の光軸という)である。
撮影レンズ201の予定結像面の付近には、光学ローパスフィルタ、赤外カットフィルタ、およびCCDセンサ又はCMOSセンサからなる撮像素子を含む撮像素子ユニット204が配置されている。
撮影レンズ201と撮像素子ユニット204との間には、光学ファインダによる観察時には該撮影レンズ201から撮像素子ユニット204までの光路内に配置され、撮影時には光束外へ退避するメインミラー202とサブミラー203が配置されている。メインミラー202はハーフミラーにより構成され、ファインダ観察時には、撮影レンズ201からの光束は後述するファインダ光学系に導かれる反射光と、サブミラー203に入射する透過光とに分離される。反射光は、ピント板205のマット面上に結像し、該マット面上の像は、ペンタプリズム206および接眼レンズ207を介して撮影者によって観察される。ピント板205、ペンタプリズム206および接眼レンズ207によりファインダ光学系が構成される。
一方、メインミラー202を透過した光は、サブミラー203によって反射され、焦点検出装置208に導かれる。
撮影時において、撮像素子ユニット204内の撮像素子は、撮影レンズ201からの光束によって形成された被写体像を光電変換する。カメラ本体200内に設けられた不図示の画像処理回路は、撮像素子からの出力に対して所定の処理を施し、画像信号を生成する。画像信号は、不図示のディスプレイに画像として表示されたり、不図示の記録媒体(半導体メモリ、光ディスク等)に画像データとして記録されたりする。
図2には、焦点検出装置208の構成を示している。本実施例の焦点検出装置208は、位相差検出方式により撮影レンズ201の焦点状態を検出する。なお、実際の焦点検出装置では、ミラーなどを用いて光路を折り畳んでコンパクト化が図られるが、図2では、該光路をストレートに展開した状態を示している。
210は視野マスクであり、中央部とその左右の周辺部には十字型の開口部(以下、マスク開口部という)210a、210b、210cが形成されている。この視野マスク210は、撮影レンズ201の予定結像面である撮像素子ユニット204の撮像面と等価な位置又はその近傍に配置される。
211はフィールドレンズであり、視野マスク210の後方に配置されている。このフィールドレンズ211は、光学作用が互いに異なる複数のレンズ部211a、211b、211cを有し、各レンズ部は互いに異なるレンズ光軸を有している。また、レンズ部211a、211b、211cは、マスク開口部210a、210b、210cにそれぞれ対応している。すなわち、レンズ部211a、211b、211cは、開口部210a、210b、210cのそれぞれを通過した光束に対して光学作用を与える。
212は複数の開口部を有する絞りであり、213は絞り212に形成された複数対の開口部に対応する複数対のレンズ部を備えた2次結像レンズユニット(結像レンズユニット)である。この2次結像レンズユニット213は、撮影レンズ201によって形成された予定結像面上の物体像を、その後方に配置された受光センサ215の受光素子列上に再結像させる。なお、絞り212の直前には、焦点検出に不要な赤外波長成分を除去する赤外カットフィルタ(図示せず)が配置されている。
図3〜図5には、図2に示した各部材を光軸方向から見た形状を示している。図3には絞り212の視野マスク210側から見た形状を、図4Aは2次結像レンズユニット213を入射面側を見た形状を、図4Bは2次結像レンズユニット213を射出面側から見た形状を、図5は受光素子215を視野マスク210側から見た形状をそれぞれ示している。
図3において、絞り212の中央部には、撮影レンズ201(結像光学系201a)の像面、言い換えれば後述する画面又は撮影範囲の垂直方向に対応する方向(第1の方向)において対をなす開口部212a−1,212a−2が形成されている。また、中央部には、画面の水平方向に対応する方向(第2の方向)において対をなす開口部212a−3,212a−4が形成されている。なお、以下の説明において、絞り212に形成された開口部を絞り開口部という。また、第1の方向を垂直方向といい、第2の方向を水平方向という。そして、絞り212の右側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対の絞り開口部212b−1,212b−2と212b−3,212b−4が形成されている。さらに、絞り212の左側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対の絞り開口部212c−1,212c−2と212c−3,212c−4が形成されている。
図4Aにおいて、2次結像レンズユニット213の入射面側には、各絞り開口部に対応するプリズム部が形成されている。すなわち、中央部には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のプリズム部213a−1,213a−2と213a−3,213a−4が形成されている。また、右側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のプリズム部213b−1,213b−2と213b−3,213b−4が形成されている。さらに、左側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のプリズム部213c−1,213c−2と213c−3,213c−4が形成されている。
図4Bにおいて、2次結像レンズユニット213の射出面側には、図4Aのプリズム部に対応した、球面からなるレンズ部が形成されている。中央部には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のレンズ部214a−1,214a−2と214a−3,214a−4が形成されている。また、右側(入射面側から見た場合:図では左側)には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のレンズ部214b−1,214b−2と214b−3,214b−4が形成されている。さらに、左側(入射面側から見た場合:図では右側)には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対のレンズ部214c−1,214c−2と214c−3,214c−4が形成されている。
図5において、受光素子215には、図4Bの各レンズ部に対応した受光素子列が形成されている。中央部には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対の受光素子列215a−1,215a−2と215a−3,215a−4が形成されている。また、右側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対の受光素子列215b−1,215b−2と215b−3,215b−4が形成されている。さらに、左側には、それぞれ垂直方向および水平方向にて対をなす2組の対の受光素子列215c−1,215c−2と215c−3,215c−4が形成されている。
なお、図3〜5において添え字a、b、cを含む符号を付した開口部、プリズム部、レンズ部および受光素子列は、図2において添え字a、b、cを含む符号を付した視野マスク210の開口部とフィールドレンズ211のレンズ部にそれぞれ対応している。
例えば、マスク開口部210bを通過した光束は、フィールドレンズ211bを通過し、2組の対の絞り開口部212b−1,212b−2と212b−3,212b−4を通過することで4つの光束に分離される。そして、該4つの光束はそれぞれ、2次結像レンズユニット213における2組の対のプリズム部213b−1,213b−2と213b−3,213b−4に入射して、2組の対のレンズ部214b−1,214b−2と214b−3,214b−4から射出する。該2組の対のレンズ部から射出した4つの光束はそれぞれ、受光センサ214における2組の対の受光素子列215b−1,215b−2と215b−3,215b−4上に、マスク開口部210bに対応した4つの開口像を形成する。
図5に点線で示す4つの十字形216−1、216−2、216−3、216−4はそれぞれの開口像を示し、開口像216−1と216−2および開口像216−3と216−4がそれぞれ対をなす。
以上説明したように構成された焦点検出装置208では、撮影レンズ201の予定結像面に対するデフォーカスに伴い、対の開口像の内部において対の光学像(2次光学像)が互いに近づく方向又は遠ざかる方向に移動する。
例えば、対の開口像216−1と216−2内の光学像は垂直方向に移動する。このため、図5に示すように、対の受光素子列を垂直方向に並べることによって、この移動を検出することができる。すなわち、該光学像の光量分布を受光素子列215b−1と215b−2の出力に基づいて検出し、周知の相関演算手法を用いて光学像間隔を求め、該算出した光学像間隔の撮影レンズ201が合焦状態にあるときの光学像間隔に対する変化量を求める。
そして、該光学像間隔の変化量と撮影レンズ201のデフォーカス量との関係を、予め記憶された、該変化量を変数とした多項式などを用いて近似することで、撮影レンズ201のデフォーカス量を推定することができる。さらに、該推定の結果から、撮影レンズ201の焦点検出(フォーカスレンズの駆動量算出)を行うことができる。なお、受光素子列215b−3と215b−4に関しては、受光素子列215b−1と215b−2に関する上記説明の垂直方向が水平方向に変わるのみであり、焦点検出の原理は同じである。
受光素子列215b−1と215b−2ではそれぞれ、垂直方向に複数の受光素子が並んでいる。このため、対の受光素子列215b−1,215b−2は、垂直方向にコントラスト成分を有する被写体の焦点検出に適する。一方、受光素子列215b−3と215b−4ではそれぞれ、水平方向に複数の受光素子が並んでいる。このため、対の受光素子列215b−3,215b−4は、水平方向にコントラスト成分を有する被写体の焦点検出に適している。そして、両者による焦点検出結果を合わせると、被写体のコントラスト成分の方向に左右されない、いわゆるクロス型の焦点検出を行うことができる。
なお、上記説明は添え字bを含む符号が付された要素により構成される焦点検出光学系について説明したが、添え字a、cを含む符号が付された要素により構成される焦点検出光学系についても同様である。
図6には、受光センサ215の各受光素子列を視野マスク210上に逆投影した図を示している。なお、視野マスク210は撮影レンズ201の予定結像面付近に配置されるので、図6は予定結像面と考えても問題ない。
図6において、視野マスク210よりもひと回り大きな線で示す長方形217は、撮影レンズ201により形成された像(イメージサークル)のうち撮像素子204によって画像変換される画面としての撮影範囲に相当する。3つのマスク開口部210a、210b、210c内には、十字領域で示される受光素子列の逆投影像218a、218b、218c、219a、219b、219cが形成されている。対の受光素子列は予定結像面上では互いに一致するため、図では重ねて示されている。逆投影像218a、218b、218c、219a、219b、219cは受光素子列の逆投影像であるため、該十字領域において被写体の光量分布を検出することができる。すなわち、これら逆投影像がいわゆるクロス型の焦点検出領域となる。
本実施例では、クロス型の焦点検出領域を、撮影範囲217の中央部と該撮影範囲217における2つの軸外領域の計3箇所に設け、該3つの焦点検出領域のうちいずれかにかかる被写体像を用いて焦点検出を行うことができる。そして、クロス型の焦点検出領域は、その広がり方向が直交する2方向であるため、被写体のコントラスト成分方向に左右されず、ほとんどの被写体での焦点検出を可能とする。なお、軸外領域(又は単に軸外)とは、光軸L(図2参照)を含む軸上領域である中央部に比べて光軸Lからの距離が離れている領域を意味する。
焦点検出装置においては、複数の焦点検出領域をできるだけ中心から遠ざけて配置することが望ましい。また、カメラに組み込む観点から、焦点検出系の全長を短くし、装置全体を小型化することが求められる。また、製造コストの観点からは、焦点検出装置における受光センサの占めるコスト割合が高いため、受光センサの面積をできるだけ小さくすることが望ましい。
以上のような要件を満たし、最適な焦点検出系を実現するためには、図2の視野マスク210の開口部をできるだけ光軸Lとの交点から離れた位置に配置する。ここでの光軸Lは、図1に示した撮影レンズ201の光軸Lを延長した軸、すなわち光軸Lに対応する軸であって、サブミラー203によって折り曲げられて焦点検出装置208における画面中心に対応する位置に到達する軸、すなわち中心軸である。該光軸Lは、焦点検出装置(焦点検出光学系)の中心光軸ということもできる。
焦点検出装置208としては、マスク開口部210a、210b、210cを通過した光束がフィールドレンズ211により大きく光軸L側に屈折し、絞り212と2次結像レンズユニット213を通り、受光センサ215に向かって収束する構成が望ましい。しかし、光線が屈折するということは収差が発生することにつながるため、フィールドレンズ211で大きく屈折させた結果、非点収差、コマ収差、色収差等の結像性能を劣化させる諸収差が大きくなり、良好な焦点検出のための2次光学像を得ることが難しくなる。そして、位相差検出方式での焦点検出においては、対の2次光学像の間隔が、像高や波長によらずに一定であることが必要である。このため、2次光学像としては以下の2つの性能が特に重要となる。
(1)対の2次光学像の移動方向における該2次光学像の歪曲収差は、該2次光学像の中心を基準として対称であること。
(2)対の2次光学像の移動方向における2次光学像の倍率色収差がないこと。
特に本実施例のようにフィールドレンズで大きく光線を屈折させる構成では、プリズム効果による色収差が発生するため、(2)の収差を完全に除去する必要性がある。
そこで本実施例では、この色収差の発生方向と該色収差の除去手段を適切に設定することで、軸外領域においても周囲の環境変化に強いクロス型の焦点検出装置を実現している。以下、軸外領域の焦点検出系の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明において、添え字aを含む符号が付された要素は、画面中央部の焦点検出を行う系であり、この系については周知であるため説明を省略する。
まず、画面の軸外領域に設けられた焦点検出領域(以下、単に軸外の焦点検出領域という)のうち、垂直方向に広がりを持つ焦点検出領域218b、218cに関して説明する。
図7には、焦点検出装置208を上側から見たときの光学断面を示している。220b−1(220b−2)、220c−1(220c−2)はそれぞれ、撮影レンズ201を射出して十字型のマスク開口部210b,210cの中心にて結像し、絞り開口部212b−1(212b−2)、212c−1(212c−2)を通る光束である。すなわち、軸外の焦点検出領域218b、218cに対応した対となる光束のうち、対の受光素子列215b−1,215b−2と215c−1,215c−2のそれぞれの中央に結像する光束である。なお、垂直方向で対となる各部材は、光軸Lを含む水平面に関して対称形状を有するため、対同士が重ねて表示されている。
対の光束220b−1と220b−2、220c−1と220c−2はフィールドレンズ211により光軸L側に大きく屈折する。そして、平面のプリズム部213b−1、213c−1から2次結像レンズユニット213に入射し、球面レンズ部214b−1、214c−1から射出して受光センサ215上に結像する。したがって、受光センサ215上では、フィールドレンズ211の屈折によるプリズム効果によって図7の断面と平行な方向に色収差が発生する。
しかし、対の光束220b−1,220b−2と220c−1,220c−2に対応する対の受光素子列は、図5に示す215b−1,215b−2と215c−1,215c−2であり、光学像間隔の検出方向(相関方向)と色収差の発生方向とが直交する。前述した焦点検出系の2次光学像にとって重要な(1)および(2)の収差は、光学像間隔の検出方向であり、図7の断面と平行な方向における色収差は焦点検出にほとんど影響を及ぼさない。
なお、上記色収差はプリズム部の角度や、絞り開口部とプリズム部とレンズ部の相対位置関係を収差発生方向において最適化することによって補正することが可能である。しかし、この色収差が焦点検出性能に影響を及ぼさないことから、この断面における本実施例の2次結像レンズユニット212は色収差補正を考慮せず、該2次結像レンズユニット212における光束分離を考慮して配置する。この光束の分離ついては詳細を後に述べる。
一方、図7と直交する光学断面においては、対の焦点検出光学系が、添え字aを含む符号を付した要素により構成される中央部と同様となる。このため、公知の収差補正によって、(1)および(2)で示した性能を得ることができる。
図8は、焦点検出装置208を横から見たときの光学断面を示す。この断面において添え字b又はcを含む符号を付した要素は互いに重ねて示されている。対の光束220b−1(220c−1)と220b−2(220c−2)はほぼ主光線が屈折しない構成となっている。
したがって、2次結像レンズユニット213における対のプリズム部213b−1と213b−2は、光軸L側に同じ角度傾斜した平面で構成される。また、対のレンズ部214b−1と214b−2は、対応する絞り開口部212b−1と212b−2の中心付近を中心とする球面で構成される。
そして、対のプリズム部213b−1と213b−2に関しては、図7および図8より、面の法線ベクトルが図8の断面方向でのみ傾く構成となる。
なお、図8の断面は、2次光学像間隔の検出方向であるため、(1)および(2)の収差はもちろん補正されている。しかも、前述したように、受光素子列の中央に結像する主光線がほとんど屈折しない構成では、2次結像レンズユニット213をわずかに最適化することだけで、容易に(1)および(2)の収差を補正することができる。
このように、焦点検出領域218b、218cに対応する各対の焦点検出光学系は、対の絞り開口部212b−1,212b−2と212c−1,212c−2の開口中心(又は開口重心)を結んだ線分に直交し、該線分を2等分する平面に関して対称である。換言すると、対の焦点検出光学系は、2次光学像間隔の検出方向において対称である。
次に、図6に示す軸外の焦点検出領域のうち水平方向に広がりを持つ焦点検出領域219b、219cについて説明する。
図9は、図7と同様に、焦点検出装置208を上側から見たときの光学断面を示す。220b−3,220b−4と220c−3,220c−4はそれぞれ、撮影レンズ201を通過してマスク開口部210bと210cの中心にて結像し、図3中の対の絞り開口部212b−3,212b−4と212c−3,212c−4を通過する光束である。すなわち、軸外の焦点検出領域219bと219cに対応した対の光束のうち、対の受光素子列215b−3,215b−4と215c−3,215c−4の各中央に結像する光束である。
対の光束220b−3,220b−4と220c−3,220c−4はそれぞれ、図7の光束と同様に、フィールドレンズ211で光軸L側に大きく屈折し、2次結像レンズユニット213に入射する。
このとき、フィールドレンズ211で大きく光束が屈折するために、2次結像系には色収差などの諸収差が発生する。しかし、図7および図8の場合とは異なり、色収差の発生方向が、対の受光素子列215b−3,215b−4と215c−3,215c−4による2次光学像間隔の検出方向と一致する。さらに、2次結像レンズユニット213に入射する対の光束220b−3,220b−4同士と対の光束220c−3,220c−4同士では、フィールドレンズ211による屈折角が異なるため、収差の発生程度も異なる。
したがって、本実施例では、プリズム部の角度、絞り開口部とプリズム部とレンズ部の相対位置関係を収差発生方向で最適化することにより上記色収差を補正する。なお、対の光束同士で収差の発生程度が異なるため、補正量も対の光束同士で異なる。したがって、基本的には、図9の断面において、絞り開口部、プリズム部、レンズ部からなる2次結像光学系は、それぞれの対をなすもの同士で非対称な形状を有する光学系となる。但し、本実施例においては、製造上の難易度を考慮して、対をなすレンズ部同士のみは同形状(対称形状)を有する。
このようにすることで、前述した(2)の収差を焦点検出可能なレベルまで補正することがきる。そして、(1)の収差については、フィールドレンズ211により最適化を行う。フィールドレンズ211に求められる性能は、撮影レンズ201の射出瞳と絞り212との結像関係を築くことのみである。したがって、本実施例では、フィールドレンズ211の入射出面をその光学パワーが均一となるようにベンディングすることによって、(1)の収差を除去している。
一方、図9の断面に直交する断面においては、対の焦点検出光学系が、添え字aを含む符号を付した要素で構成される中央部の焦点検出光学系と同様となる。また、2次光学像間隔の検出方向に対して直交する方向の収差についてはあまり問題とならない。
図10には、焦点検出装置208を横から見たときの光学断面を示している。この断面において、添え字bとcを含む符号が付された各要素および対の要素同士は重ねて示している。
光束220b−3(220b−4、220c−3、220c−4)は、図10において主光線が光軸Lと重なり、屈折しない。したがって、絞り開口部、プリズム部およびレンズ部を、それぞれの中心が、図10において光軸L上に重なるように並べるだけでよい。
このように、焦点検出領域219b、219cに対応する各対の焦点検出光学系は、対の絞り開口部212b−3,212b−4又は212c−3,212c−4の開口中心(又は開口重心)を結んだ線分に直交し、該線分を2等分する平面に関して非対称である。換言すると、対の焦点検出光学系は、2次光学像間隔の検出方向において非対称である。そして、焦点検出領域218bと219bに対して設けられた焦点検出光学系を合体させると、絞り、レンズ部および受光素子列の位置関係が、本実施例における特徴的なものとなる。
図11は、該特徴的な位置関係を示すための図であり、絞り212の正面図に、焦点検出領域218bと219bのそれぞれに対して設けられたレンズ部を重ねて表示した図である。なお、レンズ部は、レンズ中心(光軸)、すなわちレンズ球面の頂点である面頂点を理解し易くするために、円で示している。
図11において、点Lは光軸Lの通過点を示す。中央部における対の絞り開口部212a−1と212a−1の開口中心を結んだ線分の中点と、対の絞り開口部212a−3と212a−4の開口中心を結んだ線分の中点はいずれも、点Lに一致する。なお、図11には示していないが、中央部の対のレンズ部214a−1と214a−2のレンズ中心(レンズ面頂点)を結んだ線分の中点と、対のレンズ部214a−3と212a−4のレンズ中心を結んだ線分の中点は、ともに点Lに一致する。
また、軸外における対の絞り開口部212b−1と212b−2の開口中心を結んだ線分の中点と、対の絞り開口部212b−3と212b−4の開口中心を結んだ線分の中点は、ともに点Aとなる。そして、対の絞り開口部212b−3と212b−4が並んだ水平方向における絞り開口部212b−3と212b−4の開口中心を結んだ線分の延長線を230とすると、該延長線230は点Lを通過する。
なお、中央部および軸外のそれぞれにおける2組の対の絞り開口部は、フィールドレンズ211bにより撮影レンズ201の射出瞳に投影される。このため、軸対称である射出瞳をより有効に使うために、一方の対の絞り開口部の開口中心間を結んだ線分の中点と、他方の対の絞り開口部の開口中心間を結んだ線分の中点とを互いに一致させる。これにより、十分な基線長が確保でき、明るい焦点検出光学系および広い焦点検出領域を得られるといったメリットがある。
一方、軸外における対のレンズ部214b−1と214b−2のレンズ中心を結んだ線分の中点は点Bであり、対のレンズ部214b−3と214b−4のレンズ中心を結んだ線分の中点は点Cであり、両者は互いに一致しない(ずれている)。すなわち、点Bは、点Cよりも点Lに近い側に位置する。
この理由は、対のレンズ部214b−3と214b−4は、前述したようにフィールドレンズ211によって光束が光軸L側に屈折されるため、それに合わせて対のレンズ部214b−1と214b−2に対して光軸L側にシフトする必要があるからである。そして、対のレンズ部214b−3と214b−4は、図9で説明した色収差補正で最適化され、それらのレンズ中心間の中点が点Cとなるように配置される。
さらに、対のレンズ部214b−1と214b−2は、水平方向の収差が問題とならないことから、絞り開口部212b−1と212b−2を通過した光束の分離を考慮して配置する。光束分離とは、絞り開口部212b−1を通過した光束がレンズ部214b−1以外のレンズ部を通過しないように、4つの球面レンズ部214b−1、214b−2、214b−3、214b−4の境界となる稜線を最適化することである。その結果、対のレンズ部214b−1と214b−2のレンズ中心間の中点は点Bの位置となり、点Cよりさらに光軸L側へシフトする。
なお、このように2組の対間で中点がシフトした構成は、レンズ部のみならずプリズム部についても同様である。対のプリズム部においては、該対のプリズム部を構成する2つの平面により形成される稜線を中線と考える。対のプリズム部213b−1,213b−2間の中線は、図11に示す光軸方向視において延長線230と一致する。一方、対のプリズム部213b−3と213b−4間の中線は、対の絞り開口部212b−1と212b−2の開口中心を結んだ線分231と一致せず、該線分231より点Lに近い側にシフトしている。そして、該シフトした中線は点B、Cを通過しない。
プリズム部は絞り212に対してそれほど離れていないため、光束分離には余裕がある。したがって、2組の対のプリズム部は、2次結像レンズユニット213の製造の容易さを考慮して、図4Aに示すように垂直および水平方向に均等に4分割されているが、該4分割されたプリズム部の頂点では、図9に示すように段差が形成される。例えば、対のプリズム部213b−1と213b−2は対称形状であるため、それらの頂点は一致している。しかし、対のプリズム部213b−3と213b−4のそれぞれの頂点は、対のプリズム部213b−1と213b−2の頂点から図4Aの紙面に垂直な方向にずれている。なお、プリズム部の段差については、プリズム部の頂点を一致させ、該頂点から離れた位置で最も段差が発生するように形成してもよい。
次に、図12は、絞り212の正面図に、焦点検出領域218bと219bのそれぞれに対して設けられた受光素子列を重ねて表示した図である。図12において、点Dは、対の受光素子列215b−1と215b−2の中心を結んだ線分の中点であり、点Eは対の受光素子列215b−3と215b−4の中心を結んだ線分の中点である。点D、Eともに、前述した点Aや図11に示した点B,Cよりも延長線230の方向での光軸Lに近い側にシフトし、さらに点Dは点Eよりも光軸Lに近い側にシフトしている。
これは、対の受光素子列215b−1と215b−2に対応するレンズ部214b−1と214b−2が光束分離を優先し、対の受光素子列215b−3と215b−4に対応するレンズ部214b−3と214b−4が収差を考慮して配置された結果である。
なお、光束分離に余裕がある場合は、2次光学像の結像位置を考慮してレンズ部を配置することで、点Dを点Eの位置に一致させることも可能である。但し、本実施例では、点Dと点Eのずれがわずかであることから、点Dと点Eとがずれたままの構成とした。
図13Aおよび図13Bは、軸外の焦点検出領域における上記(1)と(2)で説明した焦点検出性能を表す図である。図13Aは焦点検出領域218b(もしくは218c)における焦点検出性能を示し、図13Bは焦点検出領域219b(もしくは219c)における焦点検出性能を示している。
これらの図において、横軸は焦点検出領域の中心から焦点検出領域が広がる方向への像高を示す。また、縦軸は焦点検出領域の中心における対の2次光学像間隔を0とした場合の光学像間隔の変化量を示す。添え字C、d、Fは波長別の変化量を意味し、それぞれC線(656.27nm)、d線(587.56nm)、F線(486.13nm)に対応している。
図13Aにおいて、光学像間隔の変化量240C、240d、240Fはそれぞれ、縦軸に関して左右対称であり、像高や波長による差も少なく、該変化量は良好に補正されていることが分かる。
また、図13Bにおいて、光学像間隔の変化量241C、241d、241Fはそれぞれ、縦軸に関して左右非対称である。これは、焦点検出領域219b(219c)に対して設けられた2次結像光学系を構成する要素が対同士で非対称となっているためである。但し、本実施例では、光学像間隔の変化量241C、241d、241Fは、図13Aと比較すると像高および波長による差が多少大きくなっているものの、焦点検出が可能なレベルまで補正されている。
以上説明した構成により、軸外におけるクロス型の位相差検出方式での焦点検出を実現している。次に、温度や湿度などの環境変化に対する本実施例の優位性について説明する。
環境変化によって焦点検出光学系を構成する各部材が膨張したり収縮したりすると、対の2次光学像の間隔が変化してしまい、常温時と異なる焦点検出結果が出力される。このため、従来では、温度変化に伴う対の2次光学像の間隔変化を予め測定してデータ化しておき、焦点検出装置に設けた温度センサや湿度センサの出力と該測定データとに基づいて焦点検出結果を補正している。しかし、対の2次光学像が間隔検出方向以外の方向に変位した場合は、被写体によって焦点検出結果が異なってしまう。
したがって、焦点検出光学系においては、この像間隔検出方向以外の方向への光学像変位が環境変化によって発生しないようにすることが重要である。そして、この間隔検出方向以外の方向への光学像変位の原因は、焦点検出光学系のうち2次結像レンズユニット213の形状変化が支配的である。そこで、本実施例では、2次結像レンズユニット213を、環境変化による間隔検出方向以外の方向への光学像変位が発生しにくい構成としている。
まず、対の2次光学像の間隔検出方向に直交する方向(以下、像間隔直交方向という)においては、図7および図10に示すように、2次結像レンズユニット213を、視野マスク212の開口中心にて結像する光束の主光線をほとんど屈折させない構成とした。また、2次結像レンズユニット213の射出側に形成されたレンズ部は、すべての対のレンズ部間で同形状の球面レンズとした。これにより、環境変化による像間隔直交方向での像変位を発生しにくくすることができる。
また、図14には、2次結像レンズユニット213の入射面側に形成されたプリズム部のうち、軸外の焦点検出領域218c,219cに対応したプリズム部の付近を拡大して示している。図14において、光軸Lcは光軸Lと平行で、図4Aにおけるプリズム部の頂点を通る軸である。
250−1、250−2、250−3、250−4は、プリズム部213c−1、213c−2、213c−3、213c−4の重心位置での法線ベクトルである。
対のプリズム部213c−1と213c−2の法線ベクトル250−1と250−2は、光軸Lcに対して同一点で交差し、光軸Lcとのなす角度θ1とθ2は互いに等しい。すなわち、光軸Lcと法線ベクトル250−1、250−2は同一平面上に存在し、その平面は垂直平面となる。対のプリズム部213c−1と213c−2に対して、像間隔直交方向は矢印251で示す方向であるが、この矢印251の方向に対のプリズム部213c−1と213c−2は傾斜していないため、環境変化による像間隔直交方向への像変位は発生しにくい。
また、環境変化によってプリズム面が変形したとしても、矢印251の方向における対のプリズム部部213c−1、213c−2間での傾き差はないため、同程度の変形しか生じない。したがって、より像間隔直交方向の像変位は発生しにくい。
また、対のプリズム部213c−3と213c−4の法線ベクトル250−3と250−4は、光軸Lcに対して異なる点で交差し、光軸Lcとのなす角度θ3とθ4も異なる。そして、光軸Lcと法線ベクトル250−3、250−4は同一平面で上に存在し、その平面は水平平面となる。対のプリズム部213c−3と213c−4に対して、像間隔直交方向は図の矢印252であるが、この矢印252の方向にも対のプリズム部213c−3と213c−4は傾斜していない。このため、環境変化による像間隔直交方向への像変位が発生しにくい。また、環境変化によってプリズム面が変形した場合、角度θ3とθ4が異なるため、矢印251の方向には異なる変形が生じる。これは、対の光学像間隔に影響を及ぼすのみなので、前述した公知の手段によって補正すればよい。さらに、矢印252の方向においては、対のプリズム部213c−3、213c−4間に傾きの差はないため、同程度の変形しか生じない。したがって、像間隔直交方向への像変位は発生しにくい。
なお、本実施例では、一眼レフタイプのカメラに内蔵した焦点検出装置について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の光学機器にも搭載可能である。また、本実施例では、受光センサ上に2次光学像を形成する2次結像系を有する焦点検出装置について説明したが、1次結像系を有する焦点検出装置にも本発明を適用することができる。
図15Aおよび図15Bには、本発明の実施例2である焦点検出装置の構成を示している。本実施例は、実施例1の変形例であり、クロス型の焦点検出領域を撮影範囲内に実施例1よりも多数設けた例である。
図15Aおよび図15Bにおいて、焦点検出装置308は、視野マスク310と、フィールドレンズ311と、絞り312と、2次結像レンズユニット313と、受光センサ315とを有する。
視野マスク310には、9つの焦点検出領域に対応する9つのマスク開口部310a〜310iが設けられ、すべてのマスク開口部310a〜310iは、十字型に形成されている。そして、フィールドレンズ311、絞り312、2次結像レンズユニット313および受光センサ315にはそれぞれ、各焦点検出領域に対応するレンズ部、2組の対の絞り開口部、2組の対のプリズム部とレンズ部および2組の対の受光素子列が設けられている。したがって、撮影範囲中の9箇所でクロス型の焦点検出を行うことが可能となる。
そして、視野マスク310、フィールドレンズ311、絞り312、2次結像レンズユニット313および受光センサ315に対する基本的な考え方は、実施例1と同じである。
例えば、マスク開口部310b、310c、310d、310gに対応する焦点検出光学系の構成は、実施例1にて説明した軸外の焦点検出領域210b、210cに対応する焦点検出光学系と同じである。また、撮影範囲の対角位置に配置された4つの焦点検出領域310e、310f、310h、310iに対応する焦点検出光学系は、光軸Lを中心として実施例1の軸外焦点検出領域210b、210cを時計回り方向又はその反対方向に回転させたものに相当する。
したがって、対角位置に配置されたクロス型の焦点検出領域の一方の広がり方向、すなわち、2組の対の絞り開口部のうち一方の対の絞り開口部の並び方向の延長線上に光軸Lが存在する。
以上のような構成により、撮影範囲内の広い領域に配置された多数の焦点検出領域においてクロス型の焦点検出を実現できる。そして、本実施例でも、環境変化や被写体のコントラストに対して実施例1と同様の効果が得られる。
図16Aおよび図16Bには、本発明の実施例3である焦点検出装置の構成を示している。本実施例は、実施例1の変形例であり、クロス型の焦点検出領域を撮影範囲内に実施例1よりも多数設けた例である。
図16Aおよび図16Bにおいて、焦点検出装置408は、視野マスク410と、フィールドレンズ411と、絞り412と、2次結像レンズユニット413と、受光センサ415とを有する。
視野マスク410には、3つのマスク開口部410a、410b、410cが設けられている。1つのマスク開口部は、図16A中に点線で仕切った3つの十字型の開口部を垂直方向につなげた形状を有する。このため、3つのマスク開口部410a、410b、410cによって撮影範囲内に合計9つのクロス型の焦点検出領域を設けている。以下の説明では、垂直方向に並んだ3つの焦点検出領域を1組の焦点検出領域という。
そして、フィールドレンズ411、絞り412、2次結像レンズユニット413および受光センサ415にはそれぞれ、1組の焦点検出領域ごとにレンズ部、2組の対の絞り開口部、2組の対のプリズム部とレンズ部および2組の対の受光素子列が設けられている。例えば、マスク開口部410aによって形成される3つのクロス型焦点検出領域に対して、フィールドレンズ411の1つのレンズ部、2組の対の絞り開口部、2組の対のプリズム部とレンズ部および2組の対の受光素子列が対応する。
1つのマスク開口部に対して、受光センサ415上に垂直方向で対をなすように設けられた受光素子列は、各受光素子列を垂直方向に3分割して使用される。また、1つのマスク開口部に対して、水平方向において対をなす受光素子列は、3組(3対)設けられている。これにより、1つのマスク開口部に対して3つのクロス型の焦点検出領域が形成される。
そして、視野マスク410、フィールドレンズ411、絞り412、2次結像レンズユニット413および受光センサ415に対する基本的な考え方は、実施例1と同じである。2次結像レンズユニット413におけるプリズム部およびレンズ部は、実施例1に比べて大きな2次光学像を形成するが、2次結像レンズユニット413の構成自体は実施例1と同様である。このため、本実施例でも、環境変化や被写体のコントラストに対して実施例1と同様の効果が得られる。
実施例4では、上記で説明したセンサ215に対して、大きなセンサ215Aを使うものである。従って、センサ215Aは、フィールドレンズ211に対応するフィールドレンズ211Aよりも大きい。したがって、フィールドレンズ211Aは、より大きい面積を有するセンサ215Aに結像するように入射光を屈折する。図17は、実施例1の図7に相当する断面図を示し、フィールドレンズ211Aを通過する周辺側の光束は、フィールドレンズ211Aによって、若干光軸Lから遠ざかる方向に屈折する。したがって、この場合、上述した点B、C、D、Eともに、前述した点Aよりも延長線230の方向での光軸Lに対して遠い側にシフトしている。点D、Eは点B、Cよりも光軸Lに遠い側にシフトする。さらに、点Bは点Cよりも、点Dは点Eよりもそれぞれ光軸Lに対して遠い側にシフトしている。このような構成とすることで、前述した収差補正や光線分離を実現することが可能となる。なお、大きなセンサ215Aは中央部と周辺部で分割する構成としてもよい。
本発明の実施例1である焦点検出装置を内蔵した一眼レフカメラの断面図。 実施例1の焦点検出装置の斜視図。 実施例1における絞りを視野マスク側から見た正面図。 実施例1における2次結像レンズユニットの入射面側を示す正面図。 実施例1における2次結像レンズユニットの射出面側を示す背面図。 実施例1における受光センサを視野マスク側から見た正面図。 実施例1における各受光素子列を視野マスク上に逆投影した図。 実施例1の焦点検出装置を上から見た光学断面図。 実施例1の焦点検出装置を横から見た光学断面図。 実施例1の焦点検出装置を上から見た光学断面図。 実施例1の焦点検出装置を横から見た光学断面図。 実施例1において絞りにレンズ部を重ねて示した図。 実施例1において絞りに受光素子列を重ねて示した図。 実施例1の焦点検出性能を表す図。 実施例1の焦点検出性能を表す図。 実施例1における2次結像レンズユニットの一部を拡大した斜視図。 本発明の実施例2である焦点検出装置の斜視図。 実施例2の焦点検出装置の斜視図。 本発明の実施例3である焦点検出装置の斜視図。 実施例3の焦点検出装置の斜視図。 本発明の実施例4である焦点検出装置の上から見た光学断面図。
符号の説明
200 カメラ本体
201 撮影レンズ
201a 結像光学系
202 メインミラー
203 サブミラー
204 撮像素子
208,308,408 焦点検出装置
210,310,410 視野マスク
211,311,411 フィールドレンズ
212,312,412 絞り
213,313,413 2次結像レンズユニット
215,315,415 受光センサ

Claims (10)

  1. 対の像の位相差を検出するための焦点検出装置であって、
    第1の方向に対をなす第1の対の開口部を通過した撮影光学系からの光により、第1の対の受光素子列に第1の対の像を結像させる第1の対のレンズ部を有する第1の結像レンズユニットと、
    第2の方向に対をなす第2の対の開口部を通過した撮影光学系からの光により、第2の対の受光素子列に第2の対の像を結像させる第2の対のレンズ部を有する第2の結像レンズユニットとを有し、
    前記第2の対のレンズ部の中点が、前記第1の対のレンズ部間に位置し、かつ当該第1の対のレンズ部の中点に対してずれていることを特徴とする焦点検出装置。
  2. 前記第2の対のレンズ部の中点が、前記第1の対のレンズ部間に位置し、該第1の対のレンズ部の中点から第1の方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 前記第1及び第2の対のレンズ部への入射光量は、対応する第1及び第2の対のマスク開口部を有するマスクによって調整され、前記第1の対のマスク開口部間の中点と前記第2の対のマスク開口部の中点とは同じ位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点検出装置。
  4. 前記第2の対のレンズ部の中点が、該第1の対のレンズ部の中点よりも前記撮像光学系の光軸に対して遠い側に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の焦点検出装置。
  5. 前記第1の対のレンズ部の光軸が、前記第1対の開口部の各中心よりも前記第2の方向における前記撮影光学系の光軸に対応する前記焦点検出装置の光軸に近い側に配置され、
    かつ前記第1対の受光素子列の各中心が、前記第1対の開口部の各中心よりも前記第2の方向における前記焦点検出装置の光軸に近い側に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の焦点検出装置。
  6. 前記第1の対の受光素子列の各中心が、前記第1の対のレンズ部の光軸よりも前記第2の方向における前記撮影光学系の光軸に対応する前記焦点検出装置の光軸に近い側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の焦点検出装置。
  7. 前記第2の対のレンズ部は、前記第2の方向において非対称形状を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の焦点検出装置。
  8. 前記第1及び第2の対のレンズ部はそれぞれ、同一形状を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の焦点検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の焦点検出装置を有することを特徴とする光学機器。
  10. 請求項9に記載の光学機器である撮像装置と、
    該撮像装置に対して装着され、撮像光学系を有する撮影レンズとを有することを特徴とする撮像システム。
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