JP5293669B2 - 車両用ワイヤハーネス経路の設定方法 - Google Patents

車両用ワイヤハーネス経路の設定方法 Download PDF

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本発明は、車両用ワイヤハーネス経路の設定方法に関し、詳しくは、自動車に搭載する電子制御ユニットに接続するワイヤハーネスの配索経路を、ワイヤハーネスの総重量や総コストが低減されるようにコンピュータで設定するものである。
近時、自動車の各部材の電子制御が急速に進むと共に、自動車に搭載する電装部品が増加し、これらの電装部品も電子制御が行われ、それに伴い自動車に搭載する電子制御ユニット(ECU)の個数は増大している。
特に、高級車両では、安全運行システム、娯楽システム、パーキングアシストシステム、周辺監視カメラを含むセキュリティシステム、操作利便性を高めるシステムが搭載され、これらシステムを自動制御するための多数の電子制御ユニットが搭載される。これら多数の電子制御ユニットは自動車のフロント側からリヤ側にかけた多数の位置に搭載され、かつ、各電子制御ユニットと接続する信号回路、電源回路、アース回路用の電線の集束体であるワイヤハーネスが自動車内に多数配索されている。しかも、該ワイヤハーネスに無駄な取り回しがあり、ワイヤハーネスにはプロテクタ等の外装材も取り付けるため、ワイヤハーネスの総重量が増加すると共にコスト高になっている。
前記問題に対して、例えば、本出願人は、特開2008−296871号公報で、複数の電子制御ユニットを統合した統合電子制御装置を提案している。
しかしながら、統合電子制御装置を設けても全ての電子制御装置を統合することはできず、該統合電子制御装置自体が大型化し、設定スペースの確保が難しい問題がある。
かつ、統合電子制御装置と出力側の電子制御される部品や電装品、入力側のスイッチやセンサ等の検出信号発生部とを接続するワイヤハーネスが長くなりやすい。そのため、電線重量が増加し、自動車重量の増加を招き、燃費向上を図りにくい問題が生じる。
特開2008−296871号公報
本発明は前記した問題に鑑みてなされたもので、車載用の電子制御ユニットに接続するワイヤハーネスの配索経路を、重量あるいは/およびコストが増加しないようにコンピュータで設定できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
車両に搭載するECUの搭載位置および該ECUに接続されるワイヤハーネスの配線経路をコンピュータで設定する方法であって、
最初に、下記のデータ(A)〜(D)をコンピュータに入力し、
(A)ワイヤハーネスを構成する電線、部品、外装材を含む複数種類の構成材の重量およびコスト;
(B)車両に搭載する各ECUに対応した搭載可能位置データ;
(C)前記ECUの搭載可能位置毎に該ECUとジャンクションボックス、センサーまたはスイッチからなる入力信号発生源、該ECUで作動される被作動部材との間に配線するワイヤハーネスの複数のワイヤハーネス経路データ;
(D)前記(C)の各ワイヤハーネス経路毎に必要となる電線長さ、コネクタ数およびコネクタの種類、前記外装材の種類のデータ;
ついで、当該車両に搭載するECUの種類を入力し、
ついで、入力されたECU毎に前記(B)の搭載可能位置データより搭載位置を選択し、
ついで、選択した搭載位置に基づいて前記(C)のワイヤハーネス経路データよりワイヤハーネス経路を選択し、
ついで、選択したワイヤハーネス経路に基づいて前記(D)のデータより必要な電線長さ、コネクタ数、コネクタの種類、外装材を求め、
ついで、必要となるワイヤハーネス材料の重量およびコストを前記(A)のワイヤハーネス材料用データから演算し、
前記演算結果よりワイヤハーネスの総重量および総コストを予め設定した閾値と比較し、少なくとも総重量と総コストの一方が閾値以下であると、ECUの搭載位置と該ECUに接続するワイヤハーネス経路を決定する車両用ワイヤハーネス経路の設定方法を提供している。
前記した最初に入力する(A)のワイヤハーネス構成材の電線のデータには、電線の種別毎のサイズ、価格および重量を少なくとも含む。また、前記部品のデータには、種別毎の各コネクタ、端子、リテーナの価格および重量を少なくともむ。前記外装材のデータには、各PVCチューブ、コルゲートチューブ、熱伸縮チューブ、テープ、プロテクタの重量と価格を含む。さらに、ワイヤハーネスに取り付けられるグロメット、クリップ、リレーボックス、ヒューズボックスの重量、価格を含む。
前記(B)の車両に搭載する各ECUに対応した搭載可能位置データとし、第一順位搭載位置、第二順位搭載位置…と複数の搭載候補位置を順次に持たせていることが好ましい。
前記ECUの搭載位置および該ECUに接続するワイヤハーネスの経路は、例えば下記の観点からワイヤハーネスの総重量が低減し、かつ、総コストが低減するように設定している。
(1)電子制御ユニットに接続される電線長さが短くなる;
(2)ワイヤハーネスに接続するコネクタ個数が少なくなる;
(3)ワイヤハーネスに接続する部品や外装品として既存品が使用でき、新規部品数を零または少数に低減できる;
(4)ワイヤハーネスの防水箇所を低減し、防水コネクタの使用を低減する:
具体的には、電子制御ユニットと接続するワイヤハーネスが最も安価になる設計は、電子制御ユニットと接続される電線の価格が最低コストとなるように、高価な電線(例えば、シールド電線等)の長さが最短となる配索経路をとると共に、高価な外装材(耐熱チューブ、耐熱テープ、プロテクタ)で保護される区間を通らないような配索経路とする。
なお、電線長さが長くなっても安価な電線を用いることができれば、トータル電線費を安くできる。また、前記高価な外装材で保護する必要がある区間を迂回させれば、トータル外装費は低減できる。
また、電子制御ユニットと接続するワイヤハーネスが最も軽量となる設計は、重い電線が最短となる配索経路とし、かつ、重量のある外装材で保護される区間を通らない配索経路とする。なお、重い電線にかえて軽量電線を用いると、該軽量電線が高価であっても重量は低減できる。
前記のように、重量の低減とコストの低減とは連動してできる場合もあれば、逆となり、重量を低減すればコストが上がる場合もある。
よって、各電子制御ユニットと接続するワイヤハーネスの総重量の最低閾値、総コストの最低閾値を予め設定し、少なくとも、一方が閾値に達していれば、選択したECU搭載位置および該搭載位置に搭載したECUと接続するワイヤハーネスの配索ルートに決定する。なお、両方が閾値に達しない場合には、閾値自体を段階的に修正してもよい。
前記電子制御ユニットを全て車両に搭載する前記マックス仕様で設定する第一順位搭載位置を予め設定してコンピュータに入力しておくことが好ましい。この場合、車両内における搭載可能スペースは限られているため、各電子制御ユニットの大きさと搭載可能スペースとの関係を基準として設定している。さらに、全電子制御ユニットに接続する全電線のトータル長さが短く、かつ、電線に接続する端子数、コネクタ数、さらに、電線群を集束してワイヤハーネスとした状態で配索する経路に応じたプロテクタ、コルゲートチューブ等の外装材、さらに、車体に固定するために取り付けるクリップの個数、さらにまた、設定した電子制御ユニットと干渉する部材が近接位置に無いこと等を全て勘案して設定している。即ち、電線のトータル長さが短くなり、かつ、必要となる端子数、コネクタ数、プロテクタ等の外装材、クリップの個数がトータル的に少なくなり、さらに、干渉部材が無いように設定している。よって、高級車両等において、マックス仕様で電子制御ユニットを搭載する場合、第一順位搭載位置で設定した位置に各電子制御ユニットを搭載すると最適搭載位置となる。
一方、前記のようにマックス仕様で全電子制御ユニットの搭載位置を予め設定せず、搭載する各ECU毎に搭載可能位置を第一順位から複数位置を設定しておき、特定車両に搭載する複数のECUが決定されてから、これらECU同士の相互関係より、これらECUに接続するワイヤハーネスの総重量、総コストを低減するように、各電子制御ユニットの搭載位置を設定してもよい。
本発明は、前記した設定方法で設定したワイヤハーネスの経路に基づいて、ワイヤハーネスの配索経路図を作成している。この配索経路図に基づいてワイヤハーネスを組み立てるワイヤハーネスの製造方法を提供している。
前記組み立てたワイヤハーネスに予めECUを接続していることが好ましい。このように組み立てたワイヤハーネスを自動車の組み立てラインで自動車に配索することが好ましい。
なお、多数の電子制御ユニットを車両に搭載する場合に本発明は特に有効であるため、自動車(四輪車)に好適に用いられるが、二輪車に適用しても良いことは言うまでもない。
前記のように、本発明の車両用ワイヤハーネスの配索経路設定方法では、1台の車両に搭載される電子制御ユニットにそれぞれ接続されるワイヤハーネスの配索経路をコンピュータで設定することで、電子制御ユニットに接続する電線の無駄な取り回しを防止できる。その結果、電線に接続するコネクタ数、外装材等、電線の付属部品の削減を行うことができ、コストの低下および車両重量の軽減等も図ることができる。
マックス仕様で設定した各電子制御ユニットの第一順位搭載位置を示す図面である。 各電子制御ユニットと接続するワイヤハーネスを示す概略図である。 (A)はワイヤハーネスの構成の一例を示す概略図、(B)は(A)の一部拡大説明図である。 電子制御ユニットと接続するワイヤハーネスの配索経路の決定手順を示すフローチャートである。 電子制御ユニットの搭載位置を移動すると共にワイヤハーネスの配索経路を変更した状態を示す図面である。 ワイヤハーネスの配索経路の設定基準を説明する図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に、自動車1に搭載する可能性がある全電子制御ユニット2(以下、ECU2A、2B、…2Wと称す)を示す。なお、図1に示していないECUが含まれる場合もある。
自動車1に搭載する全ECU2(2A、2B、…2W)にそれぞれ信号回路、電源回路、アース回路の電線を接続し、これら電線を集束したワイヤハーネス10(図1中に一点鎖線で示す)を自動車内に配索している。自動車内に配索されるワイヤハーネスとして、インストルメントパネル内部に配索するインストルメントパネルハーネス(インパネハーネス)、フロアハーネス、ドアハーネス、ルーフハーネス、エンジンルームハーネス、リアハーネス等があり、これらのワイヤハーネスのいずれかの電線群中に前記ECUと接続されるワイヤハーネスが含まれている。
各ECUに接続される各ワイヤハーネス10は、図2に示すように、バッテリー側と接続したジャンクションボックス4(4A、4B)の電源回路や信号回路と接続するワイヤハーネス10A、センサーやスイッチ等からなる検出手段11と接続する信号回路用電線を含むワイヤハーネス10B、ドアキー、ドアウインド、パワーシート等のECUで駆動制御される被制御部材12と接続する信号回路用電線および電源回路用電線を含むワイヤハーネス10Cからなる。
前記各ワイヤハーネス10の構成は、図3に示すように、複数本の電線群からなる幹線20、幹線20から分岐する支線21を備え、これら幹線20および支線21の各電線Wの端末に図3(B)に示すように端子22を接続すると共に、端子22をコネクタ23に挿入係止している。さらに、ワイヤハーネスの配索経路に応じて、図3(A)に示すように、ワイヤハーネス10をプロテクタ24に通し、また、コルゲートチューブ25に通し、かつ、浸水領域に配索する場合には止水処理部(図示せず)を設け、さらに車体パネルに設けた貫通孔の挿通部分にはグロメット(図示)を取り付けている。さらにまた、車体パネル等に固定するためにクリップ27を取り付けている。
さらに、ワイヤハーネスの配索経路によっては、ヒューズボックスあるいは/およびリレーボックスを介設する場合もある。
このように、各ワイヤハーネス10は、集束する幹線20や支線21の電線に多数の部品、即ち、端子22、コネクタ23、プロテクタ24、コルゲートチューブ25、クリップ27、さらに、コネクタ23はリテーナを取り付ける場合もあり、外装材としてPVCチューブ内に電線を通したり、粘着テープを電線に巻き付けて結束する場合もあり、多種類の部品から構成している。
これらの多数の各部品には、さらに、サイズ、形状、形成材料が相違する複数種類がある。例えば、ワイヤハーネスを構成する電線自体も、電線の種類に関しては、通常の丸電線、シールド電線、同軸電線、フラット電線等など多種類がある。さらに、複数種類の電線毎にサイズ違い、被覆材が相違する複数種類がある。
さらにまた、ワイヤハーネスの配索経路に応じて、電線長さ、電線の種類、必要とする前記部品の種類、部品の個数も相違し、それに応じて、ワイヤハーネスの総重量、総コストが相違してくる。
また、ワイヤハーネス10と接続するECU2A〜2Wの搭載位置によってワイヤハーネス10の配索経路は当然に変化し、かつ、ECUの搭載位置が決定しても、該特定位置を搭載位置としたECUに接続するワイヤハーネスの配索経路は複数種類想定できる。このワイヤハーネスの配索経路に応じて、ワイヤハーネスの総重量および総コストが変化する。即ち、総重量は減少するがコストは増加する場合、総重量は増加するがコストは減少する場合、両方が減少する場合等がある。ワイヤハーネスの総重量および総コストの両方をできるだけ低減できるように、コンピュータでワイヤハーネスの配索経路を設定できるようにしている。特に、プロテクタ等は新たに金型を起工して作成する新規部品とせず、汎用品を使用できるようにし、かつ、コネクタも防水コネクタではなく非防水コネクタを使用できる配索経路が設定されるようにしている。
このように、特定車両に搭載されるECU2が全ECUのマックス仕様である場合には、全ECUの搭載位置は第一順位搭載位置に決定されると共に該第一順位搭載位置のECU2に接続されるワイヤハーネス10の配索経路も予め設定されている配索経路に設定される。
但し、当該特定車両に、ワイヤハーネス10の配索経路途中に新たな外部干渉材が配置されていたり、配索を不可能とする障害物が配置されている場合には、ワイヤハーネスの配索経路を変更する必要がある。また、搭載されるECU2がマックス仕様ではなく、第一順位搭載位置に空きがでる場合には、ECU2の搭載位置は前記第二順位搭載位置になり、この第二順位搭載位置のECUに接続するワイヤハーネスの配索経路を設定する必要がある。
以下、コンピュータによるワイヤハーネスの配索経路の設定手順を図4に基づいて説明する。コンピュータの構成は入力部と出力部との間に演算処理部があり、該演算処理部に記憶部が接続され、記憶部には予め必要なデータが入力される汎用タイプの構成であるため、コンピュータの構成の図示は省略する。
最初に下記のデータ(A)〜(D)をコンピュータの記憶部に記憶させておく。
(A)ワイヤハーネスを構成する複数種類の電線、該電線に接続する複数種類の端子、該端子を挿入係止する複数種類のコネクタ、ワイヤハーネスに取り付けるプロテクタ、コルゲートチューブ、PVCチューブ、粘着テープ、熱伸縮性チューブ、クリップ、グロメットを含む複数種類の外装材に関する重量およびコストのワイヤハーネス材料用データ;
(B)車両に搭載する各ECUに対応した搭載可能位置データ;
(C)前記ECUの搭載可能位置毎に該ECUと接続機器とを結ぶ複数のワイヤハーネス経路データ;
(D)前記各ワイヤハーネス経路毎に必要となる電線長さ、コネクタ数およびコネクタの種類、前記外装材の種類のデータ:
前記(A)のワイヤハーネス材料用データを詳述すると、電線の複数種類とは丸電線、フラットケーブル、シールド電線、同軸線等であり、各種類の電線毎にさらにサイズ、芯線材料、被覆材料のデータである。
前記端子の複数種類とは、圧着端子、圧接端子、アース端子等である。
前記コネクタの複数種類は、防水・簡易防水・非防水、極数、サイズ等であり、リテーナの有無等も含む。
前記コルゲートチューブ、PVCチューブ、熱伸縮性チューブ、粘着テープは複数種類のサイズである。
前記プロテクタの複数種類とは形状が異なる既存品の種類である。
前記クリップの複数種類とは、バンドクリップと粘着テープ巻付の基板型のクリップであり、バンド、基板の太さ等である。
これら各部品の重量およびコストをそれぞれ記憶部に記憶させておく。
前記(B)の車両に搭載する各ECUに対応した搭載可能位置データでは、車両に搭載する可能性がある全ECUの以下の(1)(2)のデータをコンピュータに入力する。
(1)前記全ECU2が自動車1に搭載されたマックス仕様基準で設定した搭載位置の第一順位搭載位置;
(2)前記第一順位搭載位置を除き、当該ECU2の大きさに基づいて搭載可能な第二順位搭載位置:
前記マックス仕様で設定する第一順位搭載位置のデータは、車両内における搭載可能スペースは限られているため、各ECU2の大きさと搭載可能スペースとの関係を基準として設定している。かつ、前記のように、全ECU2に接続する全ワイヤハーネスの配索経路が電線のトータル長さが短く、かつ、電線に接続する端子数、コネクタ数、さらに、電線群を集束してワイヤハーネスとした状態で配索する経路に応じたプロテクタ、コルゲートチューブ等の外装材、さらに、車体に固定するために取り付けるクリップの個数、さらにまた、設定したECUと干渉する部材が近接位置に無いこと等を全て勘案して設定している。マックス仕様で全ECU2A〜2nの搭載位置と、該搭載位置のECU2A〜2nに接続されるワイヤハーネス10A〜10nの配索経路は予め設定している。
即ち、マックス仕様で全ECU2A〜2nの搭載位置と、該搭載位置のECU2A〜2nに接続されるワイヤハーネス10A〜10nの配索経路とを、電線のトータル長さが短くなり、かつ、必要となる端子数、コネクタ数、プロテクタ等の外装材、クリップの個数がトータル的に少なくなり、さらに、干渉部材が無いように、予め設定している。
図1に示す位置が、各ECUの第一順位搭載位置である。
具体的には、エンジンルームR1の左右両側をVSA(ビークルスタビリティアシスト)ECU2Aと、SubR/B(サブリレーボックス)ECU2Bとの搭載位置としている。
車室R2のインストルメントパネル3内には、左右両側にジャンクションボックス4A、4Bを搭載している。該インストルメントパネル3内の運転席前方位置をIHCC(ナビゲーション)・ECU2C、AFS(アクティブ・フロントライティング・システム)・ECU2D、スマートキー・ECU2E、ETC(自動料金支払)・ECU2Fの搭載位置とする。
運転席のシート内部をパワーシート・ECU2Gの搭載位置とする。
センタコンソールの内部をエンジンECU2H、エアバックECU2Iの搭載位置とする。該センタコンソール内にヨーレートセンサ6を配置し、助手席下部をEBDS(電子制御動力分配システム)・ECU2Jの搭載位置とする。
インストルメントパネル3内の助手席前方の位置を、EPS(電子制御ステアリングシステム)・ECU2K、LKAS(車線維持支援)・ECU2L、DBWドライバ・ECU2Mの搭載位置とする。
左右両側のドア内にそれぞれドアECU2N、2Pの搭載位置とする。
車室R2の後部のバックシート後方とトランクルームR3とを仕切るパネルの下部に沿った位置を右側から左側にかけて、4WD(4輪駆動)・ECU2Q、インテリジェントナビゲーション・ECU2R、リアウインドサンシェード・ECU2S、パワートランク・ECU2T、フューエルポンプ・ECU2Uの搭載位置とする。
トランクルームR3内の右側をオーディオ・ECU2V、左側をナビ・ECU2Wの搭載位置とする。
前記ECUの搭載可能な第二順位搭載位置は、当該ECUが搭載できるスペースを有する搭載位置で且つ第一順位搭載位置よりも当該ECUにとって、接続される電線長さが短くなると共にコネクタ個数が少なくなる他の搭載位置である。
例えば、車両後部に搭載位置が第一順位搭載位置として設定されているインテリジェントナビゲーション・ECU2R、ナビ・ECU2W等はインストルメントパネル3内で、搭載可能なスペースがある搭載位置が第二順位搭載位置となる。
前記(C)のECUの搭載可能位置毎に該ECUと接続機器とを結ぶ複数のワイヤハーネス経路データとは、下記の経路データである。
各ECUが第一順位搭載位置に搭載される場合のワイヤハーネス経路を第一順位経路とし、該第一順位経路に車両側条件で障害物が設置されていた場合等に対応する別ルートの第二順位経路、さらに、当該ECUを第二順位搭載位置に搭載する場合に対応するルートの第三順位経路である。
かつ、前記第一、第二、第三配索経路についても、それぞれ可能な複数の経路を予め挙げておいてもよい。
前記(D)の各ワイヤハーネス経路毎に必要となる電線長さ、コネクタ数およびコネクタの種類、前記外装材の種類のデータとは、前記(C)の第一〜第三順位経路に応じて経路毎で必要となる前記部品のデータである。
このように、第一工程#1で、前記(A)〜(D)のデータをコンピュータの記憶部に予め入力して記憶させておく。
第二工程#2で、該当自動車に搭載するECU2の種類を入力する。
第三工程#3で、該入力されたECU2毎に前記(B)の搭載可能位置データより搭載位置を選択する。この選択は、ECU2がマックス仕様である場合は第一順位搭載位置となる。マックス仕様ではなく、搭載されないECUがある場合は、ECUの搭載位置は第二順位搭載位置に自動的に選択される。
第四工程#4で、前記第三工程で選択したECU搭載位置に基づいて前記(C)のワイヤハーネス経路データよりワイヤハーネス経路を選択する。
前記のように、第一順位搭載位置である場合には、ワイヤハーネスの配索経路として第一順位経路が選択され、該第一順位経路に障害物がある場合には障害物の位置に応じた第二順位経路が選択され、さらに、ECUが第二順位搭載位置に搭載される場合には第三順位経路が選択される。
第五工程#5で、選択したワイヤハーネス経路に基づいて前記(D)のデータより必要な電線長さ、コネクタ数、コネクタの種類、外装材等を求める。
求めたワイヤハーネス材料の総重量および総コストを前記(A)のワイヤハーネス材料用データからコンピュータの演算処理部で演算する。
第六工程#6で、前記演算した総重量および総コストを、予め設定している最低重量の閾値および最低コストの閾値と判定部で比較する。
前記最低重量の閾値および最低コストの閾値は各ECUに接続するワイヤハーネス毎に設定し、搭載するECUを入力する第二工程#2で各ECU毎に最低重量の閾値および最低コストの閾値を入力している。
前記ワイヤハーネスの重量とコストのうち、少なくとも一方が設定閾値以下であると、第7工程#7で、ECUの搭載位置および該ECUに接続するワイヤハーネスの配索経路を選択した搭載位置および配索経路に決定する。ワイヤハーネスの重量とコストのうち、いずれも設定閾値を越えていると、第四工程#4に戻り、ワイヤハーネスの配索経路として二次候補経路を選択し、前記工程#5以降を繰り返す。
ワイヤハーネスの配索経路の選択では前記閾値に達しない場合には、ECUの搭載位置を別位置に選択しても良いし、前記閾値自体を修正してもよい。いずれの場合も、ワイヤハーネスの総重量と総コストを低減できるように設定する。
前記した手順でECU2の搭載位置および該搭載位置のECU2に接続するワイヤハーネス10の配索経路を決定する。具体的には、例えば、ECU2は図5の搭載位置に変更している。
前記インストルメントパネル3内の設定された搭載位置に、IHCC・ECU2C、AFS・ECU2Dが搭載されず空きスペースになる場合、インテリジェントナビゲーション・ECU2Rおよびナビ・ECU2Wとを前記空きスペースとなった搭載位置に移動する。
ナビゲーションモニタはインストルメントパネル3に搭載されるため、インテリジェントナビゲーション・ECU2Rおよびナビ・ECU2Wとナビゲーションモニタとの位置は近接するため、これを接続する出力側信号線を短くすることができる。
また、インストルメントパネル3内の助手席側が搭載位置となるLKAS・ECU2L、DBWドライバ・ECU2Mが搭載されない場合、該空きとなる搭載位置に、トランクルームR3内を搭載位置としたオーディオ・ECU2Vを移動して搭載する。オーディオスイッチは運転席近くのインストルメントパネル3に設けられるため、該オーディオ・ECU2Vと入力側信号線との電線長さを短くできる。
さらに、前記インストルメントパネル3へ搭載位置を移動したインテリジェントナビゲーション・ECU2Rの搭載位置が空き搭載位置となるため、左側を搭載位置とするフューエルポンプ・ECU2Uを搭載する。
また、4WD・ECU2Qを搭載せずに空き搭載位置となると、パワートランク・ECU2Tを移動して搭載する。
このように、フューエルポンプ・ECU2U、パワートランク・ECU2Tを右側へ搭載位置を移動すると、インストルメントパネル3の右下方に搭載するジャンクションボックス4と接続する電源線の長さを短くすることができる。
前記搭載位置を空き位置に変更したECU2に接続するワイヤハーネス10の配索経路は当然に第一順位配索経路ではなく、第三順位配索経路となっている。
具体的には、例えば、オーディオ・ECU2Vを助手席側のインストルメントパネル3内に搭載し、該オーディオ・ECU2Vと運転席近傍のオーデイオスイッチ11Aと接続するワイヤハーネス10Vのインストルメントパネル3内の配索経路として、図6に示す配索経路10V(a)(b)(c)がある場合、電線長さ、必要なコネクタ数、プロテクタの有無等から、最も軽量化がはかれると共に最低コストとなる10V(c)の配索経路を選定している。
即ち、配索経路10V(a)では新規に作成する必要があるプロテクタ24を必要とし、配索経路10V(b)ではヒューズユニット30を介在させ、かつ、コネクタ23の接続を必要とするため、コスト高および重量増となっている。配索経路10V(c)では電線長さは長くなっているが、プロテクタを必要とせず、かつ、ヒューズユニット、コネクタ接続部もないため、配索経路(c)は(a)(b)と比較して重量およびコストの両方が低下し、設定した閾値以下になっている。
このように、本発明では、車両に搭載するECUの搭載位置および該ECUに接続するワイヤハーネスの配索経路をコンピュータで選定し、ワイヤハーネスの総重量あるいは/および総コストが最低となる経路で決定している。これにより、ECUに接続する電線の無駄な取り回しを防止でき、電線に接続するコネクタ数、外装材等、電線の付属部品の削減を行うことができ、コストの低下および車両重量の軽減等も図ることができる。
1 自動車
2A〜2W ECU(電子制御ユニット)
3 インストルメントパネル
4 ジャンクションボックス
R1 エンジンルーム
R2 車室
10 ワイヤハーネス

Claims (4)

  1. 車両に搭載するECUの搭載位置および該ECUに接続されるワイヤハーネスの配線経路をコンピュータで設定する方法であって、
    最初に、下記のデータ(A)〜(D)をコンピュータに入力し、
    (A)ワイヤハーネスを構成する電線、部品、外装材を含む複数種類の構成材の重量およびコスト;
    (B)車両に搭載する各ECUに対応した搭載可能位置データ;
    (C)前記ECUの搭載可能位置毎に該ECUとジャンクションボックス、センサーまたはスイッチからなる入力信号発生源、該ECUで作動される被作動部材との間に配線するワイヤハーネスの複数のワイヤハーネス経路データ;
    (D)前記(C)の各ワイヤハーネス経路毎に必要となる電線長さ、コネクタ数およびコネクタの種類、前記外装材の種類のデータ;
    ついで、当該車両に搭載するECUの種類を入力し、
    ついで、入力されたECU毎に前記(B)の搭載可能位置データより搭載位置を選択し、
    ついで、選択した搭載位置に基づいて前記(C)のワイヤハーネス経路データよりワイヤハーネス経路を選択し、
    ついで、選択したワイヤハーネス経路に基づいて前記(D)のデータより必要な電線長さ、コネクタ数、コネクタの種類、外装材を求め、
    ついで、必要となるワイヤハーネス材料の重量およびコストを前記(A)のワイヤハーネス材料用データから演算し、
    前記演算結果よりワイヤハーネスの総重量および総コストを予め設定した閾値と比較し、少なくとも総重量と総コストの一方が閾値以下であると、ECUの搭載位置と該ECUに接続するワイヤハーネス経路を決定する車両用ワイヤハーネス経路の設定方法。
  2. 前記データ(A)のワイヤハーネス構成材の電線のデータは、電線の種別毎のサイズを含み、前記部品のデータは、種別毎のコネクタ、端子、リテーナを含み、前記外装材のデータは、各PVCチューブ、コルゲートチューブ、熱伸縮チューブ、テープ、プロテクタを含み、さらに、ワイヤハーネスに取り付けられるグロメット、クリップ、リレーボックス、ヒューズボックスのデータを含む請求項1に記載の車両用ワイヤハーネス経路の設定方法。
  3. 請求項1に記載の設定方法で設定したワイヤハーネスの配索経路に基づいて、ワイヤハーネスの配索経路図を作成し、該配索経路図に基づいてワイヤハーネスを組み立てる車両用ワイヤハーネスの製造方法。
  4. 前記組み立てたワイヤハーネスに予めECUを接続している請求項3に記載の車両用ワイヤハーネスの製造方法。
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