JP5293537B2 - ミリ波レーダー用カバー及びミリ波レーダー - Google Patents

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本発明はミリ波レーダー用カバー及びミリ波レーダーに係り、特に、比誘電率のみならず、誘電正接も低く、ミリ波の透過性に優れたミリ波レーダー用カバーと、このカバーを備えるミリ波レーダーに関する。
ミリ波レーダーは、ミリ波帯の電波を発信し、発信されたミリ波が障害物に衝突して戻ってくる反射波を受信して障害物の存在を検知するものであり、自動車の衝突防止用センサ、自動運転システム、或いは道路情報提供システムなどへの応用が検討され、既に一部実用に供されている。
図1は、一般的な自動車用ミリ波レーダー1の構造を示す断面図であり、このミリ波レーダー1は、ミリ波を発信する送受信アンテナが組み込まれたアンテナベース3、RFモジュール4及び制御回路5と、RFモジュール4及び制御回路5を収納するハウジング6を備え、アンテナベース3の前面には、アンテナ面を保護するためのレドーム(ミリ波レーダー用カバー)2が取り付けられている(特許文献1)。
図1のミリ波レーダー1では、レドーム2を覆うカバー7が更に設けられているが、このカバー7の代りに、自動車のフロントガラスを兼用する場合もある。
このようなミリ波レーダーの送受信アンテナを覆うレーダーカバー(図1におけるレドーム2及びカバー7)には、内部のアンテナユニットを周囲環境から保護するための耐薬品性、耐候性や、耐衝撃性等の機械的強度と、発信されるミリ波及び反射波がカバーを透過することにより減衰することがないよう、即ち、ミリ波を吸収したり反射したりすることのないよう、ミリ波透過性に優れた材料であることが要求される。
ミリ波レーダー用カバーのミリ波透過性が十分でないと、送受信アンテナからの発信ミリ波及び反射波が低減することにより、障害物等を精度良く検知することができず、ミリ波レーダーとしての要求性能を満たし得なくなる。
特許文献1には、ミリ波透過性に優れた材料として、比誘電率3.0以下のものが好ましいとして、ポリカーボネート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂が例示されている。
特開2004−312696号公報
しかしながら、単に比誘電率が低いだけでは、ミリ波透過性は十分とは言えず、ミリ波透過性の向上のためには、比誘電率のみならず、誘電正接も低いことが望まれる。即ち、比誘電率が低いことは、ミリ波の反射率が低いことを意味し、ミリ波透過性に有効であるが、比誘電率が低くても誘電正接が高い材料は、ミリ波が透過することで熱に変換される割合が多く、透過するミリ波が減衰することとなる。
本発明は、比誘電率のみならず、誘電正接も低い材料で構成された、ミリ波透過性に優れたミリ波レーダー用カバーと、このミリ波レーダー用カバーを備えるミリ波レーダーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂にアルミナを配合した樹脂組成物が、この課題解決に有効であることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 熱可塑性樹脂(A)とアルミナ(B)とを含む樹脂組成物で構成されたミリ波レーダー用カバーであって、アルミナ(B)が真球度2以下の球状アルミナ粒子であり、該樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してアルミナ(B)を50〜150質量部含み、熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とするミリ波レーダー用カバー。
[2] [1]において、該球状アルミナ粒子の最大直径の平均値が5〜80μmであることを特徴とするミリ波レーダー用カバー。
] [1]又は2]に記載のミリ波レーダー用カバーを備えることを特徴とするミリ波レーダー。
本発明のミリ波レーダー用カバーは、比誘電率及び誘電正接がバランス良く低く抑えられた材料で構成されるため、ミリ波の反射、吸収、減衰率が著しく低く、ミリ波の透過性に優れる。
従って、本発明のミリ波レーダー用カバーによれば、ミリ波を効率的に発信すると共に反射波を効率的に受信して、障害物を精度良く検知することができる高性能ミリ波レーダーが提供される。
本発明のミリ波レーダー用カバーを採用した本発明のミリ波レーダーは、自動車等の車両搭載用ミリ波レーダー、道路情報提供システム用ミリ波レーダー、鉄道踏切障害物検出システム用ミリ波レーダー等、幅広い用途において、ミリ波レーダーによる検知システムの実用化に有用である。
一般的な自動車用ミリ波レーダーの構造を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[ミリ波レーダー用カバー]
本発明は、熱可塑性樹脂(A)とアルミナ(B)とを含む樹脂組成物(以下、「本発明のカバー用樹脂組成物」と称す場合がある。)で構成されることを特徴とするものである。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明のカバー用樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上のアロイとしても使用することもできる。中でも、本発明のカバー用樹脂組成物には、機械的強度、耐熱性の点で、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、或いはポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂とのアロイが好ましく、特に耐衝撃性の点でポリカーボネート樹脂が好ましく、誘電正接が低いという点でポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂とのアロイが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応によって得られる熱可塑性ポリエステル樹脂であり、好ましくは、テレフタル酸又はそのジアルキルエステルと脂肪族グリコールとの重縮合反応によって得られるポリアルキレンテレフタレートが挙げられ、具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
反応に用いられる脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。重縮合反応においては、脂肪族グリコールは、それ以外の例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の他のジオール類や多価アルコール類と併用することができる。これらジオール類又は多価アルコール類の使用量は、脂肪族グリコール100質量部に対して40質量部以下の範囲であることが好ましい。
また、重縮合反応においては、テレフタル酸又はそのジアルキルエステルと共に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸やそれらのジアルキルエステル等の二塩基酸、三塩基酸等や、またそれらのジアルキルエステルを併用することができる。これらの使用量は、テレフタル酸又はそのジアルキルエステル100質量部に対して40質量部以下の範囲であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂の分子量としては、フェノールとテトラクロルエタンの混合溶媒(重量比=50/50)中、30℃で測定される極限粘度で、好ましくは0.5〜1.8であり、さらに好ましくは0.7〜1.5である。
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂である。
芳香族ポリカーボネート樹脂とは、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを使用し、又は、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物を使用して得られる直鎖又は分岐の熱可塑性重合体又は共重合体である。
上記の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が挙げられる。
また、上記以外の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
上記の中では、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物は2種類以上を併用してもよい。
前記のカーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、その具体例としては、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体は2種類以上を併用してもよい。
また、本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。これらの中では、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などが挙げられる。本発明で用いるポリカーボネート樹脂の製造方法に制限はないが、工業的には界面重合法又は溶融エステル交換法が有利である。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量(Mv)として、機械的強度と流動性(成形加工性容易性)の観点から、通常10,000〜50,000、好ましくは12,000〜40,000であり、更に好ましくは14,000〜35,000であり、特に好ましくは16,000〜32,000である。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して上記粘度平均分子量に調整してもよい。また、必要に応じ、粘度平均分子量が上記の好適範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよい。
ここで、粘度平均分子量(Mv)とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を使用し、温度20℃での極限粘度([η])(単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式:η=1.23×10−4(Mv)0.83の式から算出される値を意味する。ここで極限粘度([η])とは各溶液濃度(C)(g/dl)での比粘度(ηsp)を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0005293537
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下であり、中でも700ppm以下、更には400ppm以下、特に300ppm以下であることが好ましい。またその下限は、10ppm以上、中でも20ppm以上、更には30ppm以上、特に40ppm以上であることが好ましい。末端水酸基濃度を10ppm以上とすることで、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また末端基水酸基濃度を1000ppm以下にすることで、樹脂組成物の耐熱性、滞留熱安定性が、より向上する傾向にあるので好ましい。
なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88
215(1965)に記載の方法)である。
また、本発明に使用するポリカーボネート樹脂は、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量(Mv)は、通常1,500〜9,500、好ましくは2,000〜9,000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの使用量は、ポリカーボネート樹脂に対し、通常30質量%以下である。
更に、本発明においては、ポリカーボネート樹脂として、バージン樹脂だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂、所謂マテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防などの車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板などの建築部材が挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生されたポリカーボネート樹脂の使用割合は、バージン樹脂に対し、通常80質量%以下、好ましくは50質量%以下である。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記一般式(1)で示されるフェニレンエーテルユニットを主鎖に持つ重合体であって、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
Figure 0005293537
(式中、2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、2つのRが共に水素原子になることはない。)
ホモポリマーとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル等の2,6−ジアルキルフェニレンエーテルの重合体が挙げられ、コポリマーとしては、各種2,6−ジアルキルフェノール/2,3,6−トリアルキルフェノール共重合体が挙げられる。
本発明に使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体が好ましい。
また、本発明で使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂は、クロロホルム中、温度30℃で測定した固有粘度が0.2〜0.8dl/gであるものが好ましく、0.2〜0.7dl/gのものがより好ましく、0.25〜0.6dl/gのものが特に好ましい。固有粘度を0.2dl/g以上とすることにより、樹脂組成物の機械的強度の低下を防ぐことができ、0.8dl/g以下とすることにより、樹脂流動性が良好となり、成形加工が容易となる。なお、固有粘度の異なる2種以上のポリフェニレンエーテル系樹脂を混合して、この固有粘度の範囲としてもよい。
本発明に使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って、例えば、2,6−ジメチルフェノール等のモノマーをアミン銅触媒の存在下、酸化重合することにより製造することができ、その際、反応条件を選択することにより、固有粘度を所望の範囲に制御することができる。固有粘度の制御は、重合温度、重合時間、触媒量等の条件を選択することにより達成できる。
スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体及びスチレン系グラフト共重合体等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが好ましい。
スチレン系単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられ、これらの中でも、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
スチレン系単量体の重合体としては、例えば、ポリスチレン樹脂等が、スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体としては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SEPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン・IPN型ゴム共重合体等が挙げられる。さらにシンジオタクチックポリスチレン等のように立体規則性を有するものであってもよい。
これらの中でも、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ゴム含有ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンが好ましく、とりわけポリスチレンが好ましい。
このようなスチレン系樹脂の製造方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法あるいは塊状重合法等の公知の方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂(A)100質量部中のポリカーボネート樹脂の含有量が50質量部以上、中でも70質量部以上、特に80質量部以上であることが、耐衝撃性の面で好ましく、ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ABS樹脂、SAN樹脂、耐衝撃性ポリスチレンなどのスチレン系樹脂の1種又は2種以上が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)がポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂とのアロイである場合、熱可塑性樹脂とスチレン系樹脂との合計100質量%中に、スチレン系樹脂を25〜75質量%、特に40〜75質量%、とりわけ50〜75質量%含むことが好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂/スチレン系樹脂アロイ中のスチレン系樹脂を上記上限以下とすることにより、荷重撓み温度や機械的強度を優れたものとすることができ、スチレン系樹脂を上記下限以上とすることにより、樹脂組成物の流動性を良好に保ち成形加工が容易となるため、成形時の樹脂滞留劣化を起こすことなく、得られる成形品の性能を優れたものとすることができる。
なお、この場合においても、熱可塑性樹脂(A)はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいても良く、その場合、他の樹脂としてはポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上を挙げることができ、他の樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部中に30質量部以下であることがポリフェニレンエーテル系樹脂/スチレン系樹脂アロイの特性を有効に発揮させる上で好ましい。
<アルミナ(B)>
本発明のカバー用樹脂組成物に含まれるアルミナ(B)の形状としては、特に制限はなく、球状、板状、繊維状等各種のものを用いることができるが、板状や繊維状のアルミナでは得られるカバーに異方性が出ることにより、局部的にミリ波透過性に差異が出る傾向にあることから、球状のアルミナが好ましく、とりわけ、最大直径を最小直径で除した値として適宜される真球度が2以下、特に1.5以下であることが好ましく、真球(真球度1)であることが、等方的な物性により、均一なミリ波透過性が得られる点で最も好ましい。
アルミナ(B)の大きさとしては、その形状によっても異なるが、小さ過ぎると流動性が悪くなり、大き過ぎると耐衝撃性が低下する。従って、アルミナ(B)の大きさは、その形状毎に次のような大きさであることが好ましい。
球状アルミナ:最大直径の平均値が5〜80μm
繊維状アルミナ:平均繊維径が2〜20μm
板状アルミナ:最大径(板面の最も大きい径)の平均値が5〜100μmで、平均厚みが0.1〜10μm
なお、アルミナ(B)は、形状、寸法等の異なるものを2種以上組み合わせて用いても良い。
また、アルミナ(B)は、熱可塑性樹脂(A)の種類に応じて、適当な表面処理剤で表面処理されていても良い。表面処理剤としては、例えば、ポリカーボネート樹脂に対してはハイドロジェンメチルシロキサン、シランカップリング剤等が挙げられる。
[アルミナ(B)の含有量]
本発明のカバー用樹脂組成物中のアルミナ(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してアルミナ(B)を50〜150質量部、特に70〜130質量部、とりわけ80〜120質量部であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)にアルミナ(B)を配合することにより、特に誘電正接の低減を図ることができるが、アルミナ(B)の配合量が少な過ぎると、誘電正接低減効果が十分でなく、多過ぎると流動性が悪化したり耐衝撃性が低下する。
<その他の成分>
本発明のカバー用樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤、難燃助剤(滴下防止剤)、リン系安定剤、フェノール系酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、離型剤、紫外線吸収財、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、相溶化剤、可塑剤、分散剤、防菌剤、アルミナ以外の無機フィラーなどの通常の熱可塑性樹脂組成物に配合される一般的な添加剤を配合することができる。
<リン系安定剤>
本発明に用いるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み、変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト、アシッドホスフェート等の亜リン酸エステルが好ましい。
ホスファイトとしては、具体的には例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)テトラ(トリデシル)、4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
また、アシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルの中では、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、耐熱性が良好であることと加水分解しにくいという点で、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。
これらのリン系安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
リン系安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.0001〜0.5質量部であり、0.0003〜0.3質量部が好ましく、0.001〜0.1質量部が特に好ましい。リン系安定剤の含有量が少なすぎると効果が不十分であり、逆に多すぎてもポリカーボネート樹脂の分子量低下や、成形時の金型汚染等が生ずる場合がある。
<フェノール系酸化防止剤>
フェノール系酸化防止剤としては特定構造を分子内に有するフェノール化合物が好ましく、具体的には2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、オクタデシル[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル-4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
これらのフェノール系酸化防止剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.0001〜0.5質量部であり、0.0003〜0.3質量部が好ましく、0.001〜0.1質量部が特に好ましい。フェノール系酸化防止剤の含有量が少なすぎると効果が不十分であり、逆に多すぎてもポリカーボネート樹脂の分子量低下や、成形時の金型汚染等が生ずる場合がある。
<離型剤>
本発明のカバー用樹脂組成物には、成形時の金型離型性を良好なものとするために離型剤を配合することができる。
離型剤としては例えば、脂肪族カルボン酸やそのアルコールエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の、鎖式又は環式の、脂肪族1〜3価のカルボン酸が挙げられる。これらの中でも炭素数6〜36の、1価又は2価カルボン酸が好ましく、特に炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が好ましい。この様な脂肪族カルボン酸としては、具体的には例えばパルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルにおける脂肪族カルボン酸成分は、上述の脂肪族カルボン酸と同義である。一方、脂肪族カルボン酸エステルのアルコール成分としては、飽和又は不飽和の、鎖式又は環式の、1価又は多価アルコールが挙げられる。これらはフッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよく、中でも炭素数30以下の、1価又は多価飽和アルコールが好ましく、特に炭素数30以下、飽和脂肪族の、1価又は多価アルコールが好ましい。
この様なアルコール成分としては、具体的には例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。尚、この脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、更には複数の脂肪族カルボン酸エステルの混合物でもよい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで脂肪族炭化水素とは、脂環式炭化水素も含まれる。またこれらの炭化水素化合物は、部分酸化されていてもよい。
これら脂肪族炭化水素の中でも、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、特にパラフィンワックスやポリエチレンワックスが好ましい。数平均分子量は中でも200〜5000であることが好ましい。これらの脂肪族炭化水素は単独で、又は2種以上を任意の割合で併用しても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられ、これらは一種又は任意の割合で二種以上を併用してもよい。
離型剤はいずれも、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明のカバー用樹脂組成物の離型剤の含有量は適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると離型効果が十分に発揮されず、逆に多すぎても樹脂の耐加水分解性の低下や、成形時の金型汚染等が問題になる場合がある。よって離型剤の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.001〜2質量部であり、中でも0.01〜1質量部であることが好ましい。
<耐衝撃性改良剤>
また、本発明では耐衝撃性改良剤としてエラストマーを含むことができる。
エラストマーとしては、種々の公知のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、多層構造重合体が好ましい。多層構造重合体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含むものが挙げられる。これらの多層構造重合体としては、例えば、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次被覆するような連続した多段階シード重合によって製造される重合体であり、基本的な重合体構造としては、ガラス転移温度の低い架橋成分である内核層と組成物のマトリックスとの接着性を改善する高分子化合物から成る最外核層を有する重合体である。これら多層構造重合体の最内核層を形成する成分としては、ガラス転移温度が0℃以下のゴム成分が選択される。これらゴム成分としては、ブタジエン等のゴム成分、スチレン/ブタジエン等のゴム成分、アルキル(メタ)アクリレート系重合体のゴム成分、ポリオルガノシロキサン系重合体とアルキル(メタ)アクリレート系重合体が絡み合って成るゴム成分、あるいはこれらの併用されたゴム成分が挙げられる。さらに、最外核層を形成する成分としては、芳香族ビニル単量体あるいは非芳香族系単量体あるいはそれらの2種類以上の共重合体が挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレンが好ましく用いられる。非芳香族系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。
これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明のカバー用樹脂組成物において、耐衝撃性改良剤としてのエラストマーを配合する場合、その含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して好ましくは10質量部以下、特に好ましくは2〜8質量部である。エラストマーの配合量が少な過ぎるとこれを用いたことによる耐衝撃性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると溶融粘度が高くなり成形性が悪化する。
<製造方法>
本発明のカバー用樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂(A)、アルミナ(B)、及び必要により配合されるその他の成分を一括して溶融混練する方法が挙げられる。
<成形方法>
本発明のカバー用樹脂組成物を成形してミリ波レーダー用カバーを製造する成形方法としては、熱可塑性樹脂材料から成形品を成形する従来から知られている方法が適用できる。具体的には、一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む法)、インサート成形法、インモールドコーティング(IMC)成形法、押出成形法、フィルム成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられるが、特に、射出成形法が好ましい。
このようにして成形される本発明のミリ波レーダー用カバーの形状は、これを適用するミリ波レーダーの構造に応じて適宜決定され、特に制限はない。本発明のミリ波レーダー用カバーは、例えば、図1に示すミリ波レーダーのレドーム2であっても良く、カバー7であっても良く、その両方であってもよい。
本発明のミリ波レーダー用カバーの厚さは、過度に厚いとミリ波の減衰率が大きくなり、好ましくないが、過度に薄いとカバーとしての強度を十分に確保することができない。従って、本発明のミリ波レーダー用カバーの厚さは、1〜3mm程度の厚さの範囲で、使用目的に応じて適宜決定されることが好ましい。
<ミリ波透過性>
本発明のミリ波レーダー用カバーは、比誘電率のみならず、誘電正接も低く、比誘電率及び誘電正接がバランス良く低いことにより、ミリ波透過性に優れる。
本発明のミリ波レーダー用カバーは、用いる熱可塑性樹脂(A)の種類とアルミナ(B)の含有量等を適宜調整することにより、例えば、熱可塑性樹脂(A)がポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂とのアロイであるミリ波レーダー用カバーの場合は、ミリ波レーダーに使用される周波数76.5GHzのミリ波領域における比誘電率が5以下、例えば3〜4で、誘電正接が0.003以下、例えば0.0005〜0.0025であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂である場合は、ミリ波レーダーに使用される周波数76.5GHzのミリ波領域における比誘電率が5以下、例えば3〜4で、誘電正接が0.011以下、例えば0.008〜0.010であることが好ましい。なお、比誘電率及び誘電正接は、ファブリペロー法により測定される。
[ミリ波レーダー]
本発明のミリ波レーダーは、上述のような本発明のミリ波レーダー用カバーを備えるものであり、図1に示すミリ波レーダーに限らず、各種の構造及び用途のミリ波レーダーに適用可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における各樹脂組成物の製造に用いた原材料は以下の通りである。
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC):ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量:21,000
ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE):ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「商品名:PX100L」、クロロホルム中で測定した30℃の固有粘度0.47dl/g
スチレン系樹脂(PS):ポリスチレン、PSジャパン社製「商品名:HF77」、分子量Mw222,000、MFR7.5g/10分(測定条件:測定温度200℃、荷重5kgf)
アルミナ:昭和電工社製「商品名:CB−A40」、真球度1.1、平均直径40μm
熱安定剤1:フェノール系酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)住友化学社製「商品名:スミライザーBHT」
熱安定剤2:リン系安定剤(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト)クラリアントジャパン社製「商品名:サンドスタブP−EPQ」
離型剤1:ポリエチレンワックス、三洋化成工業社製「商品名:サンワックス151P」
離型剤2:ポリエチレンワックス、クラリアントジャパン社製「商品名:LICOWAX PE520POWDER」
また、得られた樹脂組成物及び成形体の物性ないし特性の評価方法は次の通りである。
<ISO試験片の作成>
熱可塑性樹脂がPCの場合:120℃で4時間乾燥後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG125」)にて、シリンダー設定温度260〜280℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、ISO527規定タイプの厚み4.0mmの引張試験片を作製した。
熱可塑性樹脂がPPEとPSのアロイの場合:90℃で6時間乾燥後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG125」)にて、シリンダー設定温度260〜280℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、ISO527規定タイプの厚み4.0mmの引張試験片を作製した。
<密度>
上記方法で得られたISO試験片を用いて、ISO1183に準拠して密度を測定した。
<流動性>
後述の実施例比較例に記載の方法で製造されたペレットを用いて、ISO1133に準拠してMFRおよびMVRを測定した。
熱可塑性樹脂がPCの場合は、測定温度300℃、測定荷重1.20kgfで行い、熱可塑性樹脂がPPEとPSのアロイの場合は、測定温度300℃、測定荷重2.16kgfとした。
<曲げ強さ・曲げ弾性率>
上記引張試験片を、ISO規定の方法で加工し、曲げ試験用の試験片を作製した。得られた試験片を用い、ISO178規格に準じて、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
<衝撃強さ>
上記引張試験片を、ISO規定の方法で加工し、シャルピー衝撃強さ測定用の試験片を作成した。その試験片にノッチ加工を施し、ISO179規格に準じてシャルピー衝撃強さを測定した。
<荷重たわみ温度>
上記引張試験片を、ISO規定の方法で加工し、荷重たわみ温度測定用の試験片を作製した。得られた試験片を用い、ISO75規格に準じて、1.80MPaの条件にて荷重たわみ温度を測定した。
<比誘電率、誘電正接>
キーコム社製開放型共振測定装置を用い、ファブリペロー法によりミリ波レーダーに用いられる周波数76.5GHz付近の比誘電率と誘電正接を測定した。周波数は、試験片厚みと比誘電率により決まるため、試験片として、1.0mm〜1.5mmの肉厚の試験片を0.1mm刻みで用意して比誘電率と誘電正接を測定し、76.5GHzに近い厚みの板の比誘電率と誘電正接を求めた。
[実施例1〜2、比較例1〜2]
表1に示す割合で秤量した原材料をタンブラーミキサーにて均一に混合し、二軸押出機(スクリュウ径30mm、L/D=42)のホッパーに投入し、シリンダー温度250〜280℃、スクリュー回転数200rpmの条件にて、溶融混練させてペレット化した。このペレットを用いてそれぞれ試験片及び成形品を成形して上記の評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 0005293537
表1より、本発明のカバー用樹脂組成物は、比誘電率及び誘電正接がバランス良く低く、特に誘電正接が低いことから、ミリ波透過性に優れることが分かる。
1 ミリ波レーダー
2 レドーム(ミリ波レーダー用カバー)
3 アンテナベース
4 RFモジュール
5 制御回路
6 ハウジング
7 レーダーカバー

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とアルミナ(B)とを含む樹脂組成物で構成されたミリ波レーダー用カバーであって、
    アルミナ(B)が真球度2以下の球状アルミナ粒子であり、
    該樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してアルミナ(B)を50〜150質量部含み、
    熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とするミリ波レーダー用カバー。
  2. 請求項1において、該球状アルミナ粒子の最大直径の平均値が5〜80μmであることを特徴とするミリ波レーダー用カバー。
  3. 請求項1又は2に記載のミリ波レーダー用カバーを備えることを特徴とするミリ波レーダー。
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