JP5293465B2 - 画像形成装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
電流センサにより一対のローラを回転駆動するモータに流れる電流を検出し、電流が予め定めた閾値より大きいときに定着装置の交換と判定する技術が特許文献1に開示されている。
特開2001−005353号公報
定着器の故障の予兆を検出したい要望がある。
請求項1記載の発明は、画像形成装置であって、一対の円筒体を備えて、前記一対の円筒体の間に媒体を挟み込んで送りつつ、当該媒体に形成された画像を定着する定着器と、前記定着器の円筒体を回転駆動する直流電動機と、前記直流電動機に電源を供給する電源部と、前記電源部から直流電動機へ流れる電流量を計測する電流測定手段と、前記定着器の周辺に配された部材の振動の大きさを検出する振動検出手段と、前記円筒体の間に媒体があるか否かを判断する判断手段と、前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、の相違に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価する評価手段と、を含むこととしたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置であって、前記媒体の厚さの情報を取得する手段をさらに含み、前記評価手段は、前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさとの相違、並びに、前記取得した媒体の厚さの情報に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価することとしたものである。
請求項3記載の発明は、プログラムであって、一対の円筒体を備えて、前記一対の円筒体の間に媒体を挟み込んで送りつつ、当該媒体に形成された画像を定着する定着器と、前記定着器の円筒体を回転駆動する直流電動機と、前記直流電動機に電源を供給する電源部と、前記電源部から直流電動機へ流れる電流量を計測する電流測定手段と、前記定着器の周辺に配された部材の振動の大きさを検出する振動検出手段と、前記円筒体の間に媒体があるか否かを判断する判断手段とを備えた画像形成装置を制御するコンピュータを、前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、の相違に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価する手段として機能させることとしたものである。
請求項1,3記載の発明によると、定着器に含まれるローラの駆動力上昇と、当該駆動力上昇とローラの軸ぶれによる振動の発生との双方から定着器の故障可能性を評価できる。
請求項2記載の発明によると、さらに用紙の厚みに配慮した定着器の故障可能性を評価できる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着部の構成例を表す概要図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の定着部故障可能性評価部の構成例と、その接続例とを表す概要図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の動作例を表すフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置において検出される電流量と振動の大きさの変化例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置において算出される評価情報の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置において保持される基準の情報の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置において算出される評価情報の別の例を表す説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る画像形成装置1は、図1にその内部構成を例示するように、媒体供給部10、現像部20、定着部30、コントローラ部40、定着部故障可能性評価部50、及び電源部60を含んで構成される。
媒体供給部10は、例えば用紙トレイなどであり、画像の形成を受ける媒体としての用紙を保持し、コントローラ部40から入力される指示に従って、保持している用紙を一枚ずつ現像部20へ送り出す。本実施の形態の画像形成装置1では媒体の搬送される経路に沿って、媒体搬送機構としてのローラ等が配されている。
現像部20は、画像を担持する像担持体であるドラム、当該ドラムに潜像を形成する潜像形成部、及び潜像に従ってトナーを付着させる現像器を備える。そしてこの現像部20は、コントローラ部40から入力される指示に従ってドラム上に潜像を形成し、この潜像にトナー等を付着させる。さらに現像部20は、搬送されてきた媒体にこのドラムを押しつけ、媒体上に画像を転写して形成する。
定着部30は、図2に例示するように、媒体検出部31と、直流電動機32と、一対の円筒体である加熱ローラ33及び加圧ローラ34とを含んで構成される。媒体検出部31は、媒体の搬送経路上、定着部30より上流側(媒体供給部10側)に媒体が到来すると、媒体の到来を検出した旨の信号(媒体検出信号)を定着部故障可能性評価部50等に出力する。一例としてこの媒体検出部31は媒体の搬送軌跡を挟んで対向配置された発光素子と受光素子とを備えた光センサでよい。この媒体検出部31に媒体が到来するまでは発光素子が放射した光が受光素子に到来するが、発光素子が放射した光が受光素子に到来すると発光素子が放射した光が受光素子に到来しなくなる。媒体検出部31は、受光素子が発光素子から到来する光を検出しなくなると、媒体検出信号を出力する。
直流電動機32は、電源部60から供給される直流電源によって駆動される。この直流電動機32の回転軸は、加熱ローラ33の回転軸にギアを介して接続されており、加熱ローラ33を回転駆動する。加熱ローラ33にはその内部にヒーターが設けられており、既に述べたように直流電動機32により回転駆動される。加圧ローラ34は、加熱ローラ33に対して媒体の搬送路を挟んで配されており、媒体を加熱ローラ33と自己自身の間に挟み込んで搬送する。媒体上に形成された画像は、加熱ローラ33と加圧ローラ34との間で加熱され、加圧されることで媒体上に定着される。
コントローラ部40は、媒体上に形成するべき画像を表す情報(形成指示情報)を受け入れる。この形成指示情報は、例えば図示しないネットワークなどの通信手段を介して受け入れたものでよい。コントローラ部40は、この形成指示情報によって表される画像を、媒体上に形成するべく、媒体供給部10、現像部20、及び定着部30を制御する。このようなコントローラ部40は広く知られているので、その詳しい説明を省略する。
定着部故障可能性評価部50は、図3に例示するように、電流計測部51と、振動検出部52と、制御部53とを含んで構成される。この電流計測部51は、電源部60から定着部30の直流電動機32へ供給される電源の電流量を検出し、当該電流量を表す情報を出力する。この電流計測部51は、例えば電流計とA/D(Analog/Digital)変換器とを用いて実現できる。
振動検出部52は、振動を検出する振動センサ(例えば圧電素子)を含んで構成され、当該振動センサで検出される振動の大きさを表す電圧信号を出力する。この振動センサは、定着部30において直流電動機32が駆動する軸(ここでは加熱ローラの軸)の振動が伝播する、定着器30の周辺に配された部材に取り付けられる。この振動検出部52の振動センサの具体的な取り付け位置は、画像形成装置1の内部の構成に応じて異なるが、定着部30の軸ぶれにより生じた振動が伝播する、定着器30の周辺に配された部材に取り付けることになる。このような部材としては、例えば、定着部30を支持する支持部材などがある。
制御部53は、例えばマイクロコンピュータで構成される。この制御部53は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスと、記憶素子と、インタフェース部とを備える。ここでプログラム制御デバイスは、本実施の形態ではCPUであるものとする。このCPUは、記憶素子に格納されたプログラムに従って動作し、定着部30の故障可能性を評価する処理を行う。この処理の詳しい内容については、後に述べる。
また制御部53の記憶素子は、不揮発性のメモリであり、CPUによって実行されるプログラムを記憶する。このプログラムは、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶素子に複写されたものであってもよい。さらにこの記憶素子はCPUのワークメモリとしても動作する。またインタフェース部は、媒体検出部31から入力される信号を受け入れてCPUに出力する。電源部60は、定着部30の直流電動機32を含む、装置の各部に対して電源を供給する。
ここで定着部故障可能性評価部50の制御部53の動作について述べる。この制御部53は、電流計測部51が計測した電流量の情報と、振動検出部52が検出した振動の大きさの情報とを記憶素子に蓄積して記憶している。
そして制御部53は、定着部30の直流電動機32が加熱ローラ33を回転させており、かつ加熱ローラ33と加圧ローラ34との間に媒体がない期間に、電流計測部51が計測した単位時間あたりの電流量の自乗値(すなわち電流実効値)と、単位時間あたりに振動検出部52が検出した振動の大きさの自乗値(すなわち振動実効値)とを「媒体なし期間」の情報として記憶する。
また、この制御部53は、定着部30の直流電動機32が加熱ローラ33を回転させており、かつ加熱ローラ33と加圧ローラ34との間に媒体がある期間に、電流計測部51が計測した単位時間あたりの電流量の自乗値(すなわち電流実効値)と、単位時間あたりに振動検出部52が検出した振動の大きさの自乗値(すなわち振動実効値)とを「媒体あり期間」の情報として記憶する。
またここでは、媒体検出部31が媒体を検出した時点より予め定めた時間T1だけ前から、媒体検出部31が媒体を検出した時点までを、加熱ローラ33と加圧ローラ34との間に媒体がない期間とし、媒体検出部31が媒体を検出してから予め定めた一定の時間T2だけ後までを、加熱ローラ33と加圧ローラ34との間に媒体がある期間とする。
つまり制御部53は、時間Tmax(Tmax=T1+T2とする)分だけ、電流計測部51が計測した電流量の情報と、振動検出部52が検出した振動の大きさの情報とを記憶素子に蓄積して記憶する(このような記憶は、広く知られたリングバッファを用いて行うことができる)。また制御部53は、媒体検出部31が媒体を検出した時点からタイマ(図示せず)を起動し、当該起動の時点から時間T2が経過した時点で、次の図4に例示する処理を行う(この処理の間、情報の蓄積記憶を一時中断してもよい)。
制御部53は、記憶されている電流量の情報と、振動の大きさの情報とのうち、先頭の時間T1分だけ(つまり、媒体検出部31が媒体を検出した時点より予め定めた時間T1だけ前から、媒体検出部31が媒体を検出した時点までの分、つまり媒体なし期間)の情報を取り出す(S1)。そして制御部53は、この媒体なし期間に記憶された電流量の情報の自乗和を時間T1で除して電流実効値を算出し、また、媒体なし期間に記憶された振動の大きさの情報の自乗和を時間T1で除して、振動実効値を算出する(S2)。
さらに制御部53は、記憶されている電流量の情報と、振動の大きさの情報とのうち、末尾の時間T2分だけ(つまり、媒体検出部31が媒体を検出した時点から、時刻T2が経過する時点までの分、つまり媒体あり期間)の情報を取り出す(S3)。そして制御部53は、この媒体あり期間に記憶された電流量の情報の自乗和を時間T2で除して電流実効値を算出し、また、媒体あり期間に記憶された振動の大きさの情報の自乗和を時間T2で除して、振動実効値を算出する(S4)。
制御部53は、処理S2で算出した媒体なし期間の電流実効値Ie_pと、処理S4で算出した媒体あり期間の電流実効値Ieとの差、ΔIe=Ie−Ie_pを算出して、差分電流実効値ΔIeを得る。また、処理S2で算出した媒体なし期間の振動実効値Ve_pと、処理S4で算出した媒体あり期間の振動実効値Veとの差、ΔVe=Ve−Ve_pを算出して、差分振動実効値ΔVeを得る(S5)。
そして制御部53は、これら差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeとが、予め基準として定められた基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとからどの程度離れているかを表す評価情報を算出する(S6)。この評価情報は、マハラノビス距離を算出することとすればよい。
制御部53は、マハラノビス距離が予め定めた閾値を超えているか否かを調べ(S7)、超えていれば(Yesならば)、故障の予兆があると判断して、その旨を報知する(S8)。この報知は、図示しない表示部にその旨を表示する等の方法によって行ってもよいし、ネットワーク等の通信手段を介して予め定めた宛先にその旨を表す情報を送信することによって行ってもよい。
また制御部53は、処理S7において、処理S6で算出したマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えていないならば(Noならば)、処理を終了する。
なお、処理S6で用いる基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとのマハラノビス距離は、次のようにして算出する。すなわち、本実施の形態では、予め正常であることが知られている定着部30を用いて、差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeとを複数得ておく(これらが基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとを表す)。そして複数の差分電流実効値ΔIeの平均をμIe、複数の差分振動実効値ΔVeの平均をμVeとし、分散行列(共分散行列)をΣとして得ておく。なお、以下の説明では、μは、その成分が(μIe,μVe)であるベクトル値であるとする。
そして処理S6では、処理S5で算出された差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeとを成分とするベクトル値X=(ΔIe,ΔVe)を生成し、
Figure 0005293465
として、マハラノビス距離Dを算出する。
[動作]
本実施の形態の画像形成装置1は、画像形成の指示を受けると、コントローラ部40が当該指示に従ってビットマップの画像を生成する。そしてコントローラ部40が定着部30の加熱ローラ33のヒーターに通電し、加熱ローラ33のヒーターの温度が予め定めた温度に達すると、媒体供給部10から媒体の供給を行わせ、また現像部20を制御して、その像担持体に潜像を形成させ、この潜像に対応するトナーを付着させる。現像部20を媒体が通過するときに、当該トナーが媒体に転写される。
この間、定着部30の加熱ローラ33は直流電動機32により回転駆動されており、これに接する加圧ローラ34も、加熱ローラ33の回転に従って回転している。そして画像形成装置1は、この間の直流電動機32に供給されている電流量と加熱ローラ33の回転軸から伝播する振動の大きさとがそれぞれ検出され、予め定めた時間Tmax(Tmax=T1+T2とする)分だけ蓄積して記憶する。
やがて媒体が定着部30に達して、その媒体検出部31により検出され、それから時間T2が経過すると、画像形成装置1は、記憶されている電流量の情報と、振動の大きさの情報とのうち、先頭の時間T1分だけ(つまり、媒体検出部31が媒体を検出した時点より予め定めた時間T1だけ前から、媒体検出部31が媒体を検出した時点までの分、つまり媒体なし期間)の情報を取り出す。そして画像形成装置1は、この媒体なし期間に記憶された電流量の情報の自乗和を時間T1で除して電流実効値を算出し、また、媒体なし期間に記憶された振動の大きさの情報の自乗和を時間T1で除して、振動実効値を算出する。
さらに画像形成装置1は、記憶されている電流量の情報と、振動の大きさの情報とのうち、末尾の時間T2分だけ(つまり、媒体検出部31が媒体を検出した時点から、時刻T2が経過する時点までの分、つまり媒体あり期間)の情報を取り出す。そして、この媒体あり期間に記憶された電流量の情報の自乗和を時間T2で除して電流実効値を算出し、また、媒体あり期間に記憶された振動の大きさの情報の自乗和を時間T2で除して、振動実効値を算出する。
定着部30の加熱ローラ33と加圧ローラ34との軸ぶれは、使用による摩耗から生じ、摩耗するほどに大きくなる。そしてこのとき、駆動に要する電流量は増加する。しかしながら用紙などの媒体がこれらのローラに挟まれている間は、加熱ローラ33と加圧ローラ34との各回転軸が一方方向に押しつけられる状態になることから、軸のぶれ範囲が小さくなり、見かけ上、軸ぶれ量が減少する。つまり、媒体が定着部30を通過する前と、通過中との電流量と振動量との変化は、図5に例示するようなものとなる。図5では、媒体が通過する前(媒体検出部31が媒体を検出する前)は、振動量と駆動に要する電流量とがともに比較的大きく、媒体通過中は減少する様子が示されている。
画像形成装置1は、媒体なし期間の電流実効値Ie_pと、媒体あり期間の電流実効値Ieとの差、ΔIe=Ie−Ie_pを算出して、差分電流実効値ΔIeを得る。また、媒体なし期間の振動実効値Ve_pと、媒体あり期間の振動実効値Veとの差、ΔVe=Ve−Ve_pを算出して、差分振動実効値ΔVeを得る。そして画像形成装置1は、これら差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeとが、予め基準として定められた基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとからどの程度離れているかを、マハラノビス距離を算出することで調べる。
このマハラノビス距離の算出例を図6に示す。図6では、定着部30が比較的新品のうちにおいて算出されたマハラノビス距離(D1,D2)と、摩耗が進行した状態であるが、故障とは判断されていない状態で算出されたマハラノビス距離(D3)と、さらに摩耗が進行し、故障と判断される状態で算出されたマハラノビス距離(D4)とが例示されている。
画像形成装置1は、このマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えているか否かを調べ、超えていれば、故障の予兆があると判断して、その旨を報知する。この閾値は実験的に定めておくことができる。
[変形例1]
図4に例示した処理では、制御部53は、処理S6で算出したマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えているか否かを調べ、超えていれば故障の予兆があると判断して、その旨を報知することとしていた。つまり、処理S6で算出したマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えた回数が一度だけでも、故障の予兆があると判断していた。しかしながら、本実施の形態では、これに代えて、処理S6で算出したマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えた回数が、予め定めたN回(Nは2以上)となったときに故障の予兆があると判断して、その旨を報知することとしてもよい。
この例では制御部53は、記憶素子にカウンタの値を記憶する領域を確保し、当初は「0」にリセットしておく。また、このカウンタの値は、例えば電源投入時や、定着部30を交換したときに「0」にリセットするようにしてもよい。
そして、制御部53は、処理S7において算出したマハラノビス距離が予め定めた閾値を超えたか否かを調べ、超えているならば、このカウンタの値を「1」だけインクリメントする。そして当該カウンタの値が予め定めた回数閾値を超えているときに故障の予兆があると判断して、処理S8に移行し、その旨を報知する。
[変形例2]
また、ここまでの説明では、算出された差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeとによる故障の可能性評価を、予め基準として定められた基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとに基づいて行うこととしていたが、これら差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとは、使用した媒体の種類によって異なる。すなわち一般に、媒体の種類が異なれば媒体表面の凹凸、媒体の厚さなどが互いに異なるため、基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとも異なる場合があるためである。
そこで本実施の形態では、媒体の種類ごとに、複数の基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refとを算出し、さらにこれらから、媒体の種類ごとの平均値のベクトルμと、分散行列Σとを得ておき、図7に例示するように媒体の種類ごとに記憶しておく。
図7の例では、媒体の種類を特定する情報に対して、当該情報で特定される媒体を利用し、正常であることが知られている定着部30を用いて画像形成を行った際、測定・算出した基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refに基づく平均値のベクトルμと、分散行列Σとを関連づけて記憶している例を示している。
この場合の画像形成装置1の制御部53は、画像形成の指示に従って媒体供給部10から供給された媒体の種類を特定する情報を取得し、当該取得した情報に関連づけて記憶されている平均値のベクトルμと、分散行列Σとを読み出しておく。そして図4に例示した処理S6にてマハラノビス距離を算出する際に、これら読み出した平均値のベクトルμと、分散行列Σとを用いた演算を行う。
ここで媒体の種類を特定する情報は、媒体としての用紙の種類名称(「普通紙」、「コート紙」など)であってもよいし、媒体としての用紙の厚さを表す情報そのものであってもよい。なお、用紙の厚さを表す情報は、用紙1平方メートルあたりの重さ(斤量)で表しておくものでよい(例えば127g/平方メートル、など)。
なお、故障の予兆となる軸ぶれによる振動などは、媒体の厚さが薄いほど出やすいことに鑑み、予め定めた厚さ閾値を超える媒体に対して画像形成を行っているときには、本実施の形態に示した処理を行わないこととしてもよい。この場合、予め定めた厚さ閾値を超えない媒体に対して画像形成を行っているときに限り、図4に示した処理が行われることになる。この場合、当該予め定めた厚さ閾値を超えない媒体ごとに、基準となる基準差分電流実効値ΔIe_refと、基準差分振動実効値ΔVe_refに基づく平均値のベクトルμと、分散行列Σとを記憶しておき、画像形成の指示に従って媒体供給部10から供給された媒体の種類を特定する情報を取得し、当該取得した情報に関連づけて記憶されている平均値のベクトルμと、分散行列Σとを読み出しておく。そして図4に例示した処理S6にてマハラノビス距離を算出する際に、これら読み出した平均値のベクトルμと、分散行列Σとを用いた演算を行うこととしてもよい。
[変形例3]
さらにここまでの説明では、差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeが、基準となる値からどれだけ離れているかを表す評価情報をマハラノビス距離を用いて算出し、これにより故障の可能性を評価することとしたが、本実施の形態はこれに限られるものではない。
一例として、差分電流実効値ΔIeと、差分振動実効値ΔVeが、基準となる値からどれだけ離れているかを表すユークリッド距離dを、評価情報として算出してもよい。この場合、ユークリッド距離dは、
Figure 0005293465
とすればよい。
そして画像形成装置1は、このユークリッド距離dが予め定めた閾値を超えたときに(または予め定めた閾値を超えた回数(上述のカウンタを用いて計測した回数)が、予め定めた回数閾値を超えたときに)、故障の予兆があると判断して、その旨を報知する。
さらに、差分電流実効値や、差分振動実効値に代えて、電流値の変動差分ΔIや振動の大きさの変動差分ΔVとして、
Figure 0005293465
を算出して、これらを利用して故障の可能性を評価してもよい。ここでIは、媒体あり期間で計測された電流量の平均値(または最大値など予め定めた統計量)、I_pは、媒体なし期間で計測された電流量の平均値(または最大値など予め定めた統計量)、Vは、媒体あり期間で計測された振動の大きさの平均値(または最大値など予め定めた統計量)、V_pは、媒体なし期間で計測された振動の大きさの平均値(または最大値など予め定めた統計量)である。
この場合も、予め正常であることが知られている定着部30を用いて、電流値の変動差分の基準となる値ΔI_refと、振動の大きさの変動差分の基準となる値ΔV_refとを複数得ておく。そしてこれら複数のΔI_refと、複数のΔV_refとをそれぞれ電流値の変動差分の重心(または平均)と、振動の大きさの変動差分の重心(または平均)とを基準値として算出しておく。
次に、本実施の形態の制御部53は、図4に示した処理S2において、電流実効値や振動実効値の代わりに、媒体なし期間の電流値の統計量I_pと振動の大きさの統計量V_pとを算出する。また図4の処理S4において、媒体あり期間の電流値の統計量Iと振動の大きさの統計量Vとを算出する。
さらに制御部53は、図4の処理S5において、処理S2、S4で算出した値を用い、電流値の変動差分ΔIと振動の大きさの変動差分ΔVとを算出する。そして処理S6において、マハラノビス距離の算出に代えて、電流値の変動差分と振動の大きさの変動差分とで張られる平面上において、基準値として算出された値が表す点と、処理S5で算出された値が表す点との距離Rを評価情報として算出する。この距離Rは、上記基準値である、複数のΔI_refと、複数のΔV_refとのそれぞれの重心(または平均)をΔI_R、ΔV_Rと書くと、
Figure 0005293465
と表すことができる。制御部53は、処理S7にて、この距離Rが予め定めた閾値を超えているか否かを調べ、超えていれば(Yesならば)、故障の予兆があると判断して、その旨を報知する。または、この距離Rが予め定めた閾値を超えた回数(上述のカウンタを用いて計測した回数)が予め定めた回数閾値を超えたときに、故障の予兆があると判断して、その旨を報知する。
図8は、用紙の厚さごとに算出された基準値の表す点と、故障時(故障の可能性があるとされる時点ではなく、実際に故障と判断された時点)で算出された電流値の変動差分ΔI_failureと振動の大きさの変動差分ΔV_failureが表す点とを図示したものである。この際、故障の可能性があると判断するための閾値は、基準となった値が表す点を中心に、電流値の変動差分の軸に沿った方向にα×|ΔI_failure−ΔI_R|、振動の大きさの変動差分の軸に沿った方向にβ×|ΔV_failure−ΔV_R|(ただしα、βはいずれも0より大きく、1を下回るパラメータ)の径の大きさを持った楕円で表されてもよい。このようにするときには、処理S6にて、実際に測定された電流値の変動差分ΔIと振動の大きさの変動差分ΔVがこの楕円外となったとき(または、実際に測定された電流値の変動差分ΔIと振動の大きさの変動差分ΔVがこの楕円外となった回数(上述のカウンタを用いて計測した回数)が予め定めた回数閾値を超えたとき)に、故障の予兆があると判断する。
ここで、上記パラメータのα、βは、故障の予兆を検出する目的のためには、比較的小さく、例えばいずれも0.5を下回る値としてもよい。
本実施の形態によると、故障の予兆となる複数の現象を用い、かつ、媒体が定着器を通過しているときとそうでないときとで当該複数の現象の発生を調べるので、本実施の形態を利用しない場合に比べて、故障の予兆の検出の精度を高めることができる。
1 画像形成装置、10 媒体供給部、20 現像部、30 定着部、31 媒体検出部、32 直流電動機、33 加熱ローラ、34 加圧ローラ、40 コントローラ部、50 定着部故障可能性評価部、51 電流計測部、52 振動検出部、53 制御部、60 電源部。

Claims (3)

  1. 一対の円筒体を備えて、前記一対の円筒体の間に媒体を挟み込んで送りつつ、当該媒体に形成された画像を定着する定着器と、
    前記定着器の円筒体を回転駆動する直流電動機と、
    前記直流電動機に電源を供給する電源部と、
    前記電源部から直流電動機へ流れる電流量を計測する電流測定手段と、
    前記定着器の周辺に配された部材の振動の大きさを検出する振動検出手段と、
    前記円筒体の間に媒体があるか否かを判断する判断手段と、
    前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、の相違に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価する評価手段と、
    を含む画像形成装置。
  2. 前記媒体の厚さの情報を取得する手段をさらに含み、
    前記評価手段は、
    前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさとの相違、並びに、前記取得した媒体の厚さの情報に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価する
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 一対の円筒体を備えて、前記一対の円筒体の間に媒体を挟み込んで送りつつ、当該媒体に形成された画像を定着する定着器と、
    前記定着器の円筒体を回転駆動する直流電動機と、
    前記直流電動機に電源を供給する電源部と、
    前記電源部から直流電動機へ流れる電流量を計測する電流測定手段と、
    前記定着器の周辺に配された部材の振動の大きさを検出する振動検出手段と、
    前記円筒体の間に媒体があるか否かを判断する判断手段とを備えた画像形成装置を制御するコンピュータを、
    前記直流電動機が前記円筒体を回転させており、かつ前記判断手段により前記円筒体の間に媒体がないと判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、前記判断手段により前記円筒体の間に媒体があると判断したときに計測または検出された前記電流量及び振動の大きさと、の相違に基づいて、前記定着器の故障可能性を評価する手段として機能させるプログラム。
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